JPH062853B2 - 制電性樹脂組成物 - Google Patents

制電性樹脂組成物

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JPH062853B2
JPH062853B2 JP59049282A JP4928284A JPH062853B2 JP H062853 B2 JPH062853 B2 JP H062853B2 JP 59049282 A JP59049282 A JP 59049282A JP 4928284 A JP4928284 A JP 4928284A JP H062853 B2 JPH062853 B2 JP H062853B2
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正幸 田中
勝治 盛岡
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Toray Industries Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は永久帯電防止性を有し、機械的特性が優れた制
電性樹脂組成物に関するものである。
プラスチック材料はその優れた特性によつて種種の分野
で使用されているが、一般に電気抵抗率が高く帯電しや
すいため、静電気に起因する種々の障害が発生する。従
来からプラスチック材料に帯電防止性を付与する目的
で、(1)カチオン系、両性系界面活性剤などの帯電防止
剤をポリマーに練込んだり、表面に塗布する方法が一般
に行なわれているが、これらの方法では、帯電防止性が
不十分なばかりか、水洗や表面拭取処理により帯電防止
性が消滅したり、練込み成分が表面にブリードアウトし
て素材としての品質が低下したり、帯電防止性が経時変
化して低下する問題がある。
一方、プラスチックに永久帯電防止性を付与する方法と
して(2)アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重
合体(ABS)樹脂等の耐衝撃性樹脂の製造に際して、
親水性のビニル系単量体を一部共重合する方法(特開昭
58−98317号公報)や(3)ポリアルキレンオキサ
イド鎖を有するゴム幹重合体をそのまま、またはビニル
系単量体等をグラフト重合して、熱可塑性樹脂に配合、
分散させた制電性樹脂組成物(特開昭55−36237
号公報、特開昭56−118446号公報、特開昭56
−120751号公報、特開昭56−122843号公
報など)が提案されている。しかるに(2)に記載の方法
では、親水性ビニル系単量体の共重合量が少ない場合は
制電性が十分発現せず、親水性ビニル系単量体を多量に
共重合した場合は曲げ弾性率、衝撃強度などの機械的性
質が著しく低下するため、十分満足できる制電性樹脂組
成物を得ることができない。また(3)に記載の方法も特
殊なゴム状幹重合体を使用するため、製造法が煩雑とな
るとともに樹脂の機械的性質が劣り十分満足できるもの
ではない。
そこで本発明者らは、永久帯電防止性を有し、かつ機械
的性質が優れた制電性樹脂の開発を目的に鋭意検討した
結果、特定の重合体の存在下にポリアルキレンオキサイ
ド鎖を有するビニル系単量体(以下、PEG系単量体と
呼ぶ)を特定量以上含有する単量体混合物を乳化重合し
てなる重合体複合物を特定の熱可塑性樹脂と混合するこ
とにより、上記目的が効率的に達成されることを見出し
本発明に到達した。
すなわち本発明は (A) ゴム状重合体の存在下または不存在下に芳香族ビ
ニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体お
よびシアン化ビニル系単量体の群から選ばれた少なくと
も1種以上の単量体または単量体混合物を重合してなる
ビニル系重合体および (B)(a) ゴム状重合体の存在下または不存在下に芳香族
ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体
およびシアン化ビニル系単量体の群から選ばれた少なく
とも1種以上の単量体または単量体混合物を重合してな
るビニル系重合体10〜97重量部の存在下に (b) (I)式で表わされるポリアルキレンオキサイド鎖を
有するビニル系単量体を35重量%以上含有する単量体
または単量体混合物90〜3重量部を乳化重合してなる
重合体複合物を (A)20〜99重量部および(B)80〜1重量部で、かつ
(A)と(B)の合計が100重量部となるように混合してな
る制電性樹脂組成物を提供するものである。
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表わす。nは2
〜100の整数を表わす。) 本発明の樹脂組成物は優れた永久帯電防止性を有すると
同時に機械的性質も優れる。かかる効果の発現理由は次
のように推定される。重合体複合物(B)はビニル系重合
体(a)成分とPEG系ビニル単量体の重合体成分の二成
分からなる複合物であるので、きわめて親水性に富むと
同時にビニル系重合体(A)との混和性も良好である。さ
らに重合体複合物(B)は乳化重合法によつて重合される
ので、ビニル系重合体(A)と混合した場合、比較的容易
に重合体複合物(B)が分散(島)相、ビニル系重合体(A)
がマトリツクス(海)相の構造を形成する。すなわち本
発明の樹脂組成物は分散相を形成する親水性の重合体複
合物(B)によつて制電性が発現し同時にマトリツクス相
のビニル系重合体(A)によつて優れた機械的性質が発現
するものと推定される。また、ビニル系重合体(A)と重
合体複合物(B)の混和性が良好なので、ブリードアウト
や経時変化による制電性低下などの問題も生じず、すぐ
れた永久帯電防止性が発揮される。重合体複合物(B)の
構造は明確でないが、ビニル系重合体(a)成分とPEG
系ビニル単量体の重合体成分が、グラフト重合のような
化学的結合または相互貫入ポリマー網状構造のような物
理的結合のような何らかの作用によつて結合しているも
のと推定される。
本発明のビニル系重合体(A)は、ゴム状重合体の存在下
または不存在下に芳香族ビニル系単量体、(メタ)アク
リル酸エステル系単量体およびシアン化ビニル系単量体
の群から選ばれた少なくとも1種以上の単量体または単
量体混合物を重合して得られる。
本発明のビニル系重合体(A)において、ゴム状重合体と
してはポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重
合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体ゴム(NBR)等の共役ジエン系ゴム、ポリアク
リル酸ブチル等のアクリル系ゴム、エチレン−プロピレ
ン−非共役ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)等のポ
リオレフイン系ゴムなどが用いられる。芳香族ビニル系
単量体としてはスチレン、α−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、P−t−ブチルスチレン、ビニルトルエ
ンなどが用いられ、(メタ)アクリル酸エステル系単量
体としてはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
アクリル酸メチルなどが用いられ、シアン化ビニル系単
量体としてはアクリロニトリル、メタクリロニトリルな
どが用いられる。ゴム状重合体と単量体または単量体混
合物との割合に関しては特に制限はなく、通常はゴム状
重合体0〜95重量%、好ましくは0〜80重量%に対
し単量体または単量体混合物100〜5重量%、好まし
くは100〜20重量%の割合であれば本発明の効果が
発現する。ビニル系重合体(A)の重合方法に関しては特
に制限はなく、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重
合、塊状−懸濁重合、乳化−懸濁重合等通常公知の方法
で重合することができる。また比較的ゴム状重合体含有
量の多いビニル系重合体(A)とゴム状重合体を含有しな
いビニル系重合体(A)を別々に重合しておき、適当な配
合比で混合して用いることもできる。上記の単量体の他
に本発明の効果を損なわない範囲で他のビニル系単量
体、例えば無水マレイン酸、マレイミド、N−メチルマ
レイミド、N−フエニルマレイミド等を併用することも
できる。ビニル系重合体(A)の具体例としてはアクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン三元共重合体(AB
S)樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン
三元共重合体(MBS)樹脂、高衝撃ポリスチレン樹
脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN)樹
脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリメタクリル
酸メチル樹脂(PMMA)として知られる樹脂やα−メ
チルスチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/
メタクリル酸メチル/アクリロニトリル三元共重合体、
p−メチルスチレン/アクリロニトリル共重合体などが
挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の重合体複合物(B)はビニル系重合体(a)の存在下
にポリアルキレンオキサイド鎖を有するビニル系単量体
(以下PEG系ビニル単量体と称する)を含有する単量
体または単量体混合物(b)を乳化重合して得られる。
本発明の重合体複合物(B)におけるビニル系重合体(a)と
はゴム状重合体の存在下または不存在下に芳香族ビニル
系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体および
シアン化ビニル系単量体の群から選ばれた少なくとも1
種以上の単量体または単量体混合物を重合してなる重合
体である。ゴム状重合体としてはポリブタジエン、スチ
レン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブ
タジエン共重合体ゴム等の共役ジエン系ゴム、ポリアク
リル酸ブチル等のアクリル系ゴム、エチレン−プロピレ
ン−非共役ジエン三元共重合体ゴム等のポリオレフイン
系ゴムなどが用いられる。芳香族ビニル系単量体として
はスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−t−ブチルスチレン、ビニルトルエンなどが用
いられ、(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸
メチルなどが用いられ、シアン化ビニル系単量体として
はアクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが用いら
れる。ゴム状重合体と単量体または単量体混合物との割
合に関しては特に制限はなく、通常はゴム状重合体0〜
95重量%、好ましくは0〜80重量%に対し単量体ま
たは単量体混合物100〜5重量%、好ましくは100
〜20重量%の割合であれば本発明の効果が発現する。
上記単量体の他に本発明の効果を損なわない範囲で他の
ビニル系単量体や少量の多官能性ビニル系単量体も併用
することができる。ビニル系重合体(a)の重合法に関し
ては特に制限はなく塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳
化重合等通常公知の方法を用いることができるが、後段
階の単量体または単量体混合物(b)の重合法として乳化
重合が必須であるので、重合体(a)の重合も乳化重合を
採用すると有利である。
重合体複合物(B)におけるPEG系ビニル単量体とは(I)
式で表わされるポリアルキレンオキサイド鎖を有するビ
ニル系単量体である。
(I)式中、Rは水素原子またはメチル基、特に好ましく
は水素原子を表わす。nは2〜100、好ましくは4〜
50、特に好ましくは5〜30の整数を表わす。nが2
未満では制電性が不十分であり、100を越える場合は
単量体の重合性が劣るため好ましくない。PEG系ビニ
ル単量体は上記(I)式で表わされるポリアルキレンオキ
サイド鎖を有するビニル系単量体であれば特に制限はな
いが、具体例としてはポリエチレングリコールアクリレ
ート、ポリエチレングリコールメタクリレート、メトキ
シポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリ
エチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリ
コールマレート、メトキシポリエチレングリコールメタ
クリレート、ポリエチレングリコールアクリルアミド、
メトキシポリエチレングリコールアクリルアミド、ポリ
エチレングリコールジアクリレートおよびポリエチレン
グリコールジメタクリレートなどを挙げることができ、
これらを2種以上併用してもよい。
重合体複合物(B)の重合で用いられる単量体または単量
体混合物(b)(以下、単量体(混合物)(b)と略す)にお
いてPEG系ビニル単量体と併用される他の単量体はP
EG系ビニル単量体と共重合可能なビニル系単量体であ
れば特に制限はないが、具体例としてはスチレン、α−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチル
スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル系単量体、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸
メチル、アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エス
テル系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等のシアン化ビニル系単量体などが挙げられる。またポ
リエチレングリコールジメタクリレート、イソシアヌル
酸トリアリル、ジビニルベンゼン等の多官能性ビニル系
単量体を本発明の効果が損なわれない範囲で用いること
もできる。
単量体(混合物)(b)の組成はPEG系ビニル単量体3
5〜100重量%、好ましくは50〜100重量%に対
し他の単量体65〜0重量%、好ましくは50〜0重量
%である。PEG系ビニル単量体が35重量%未満では
制電性効果が十分発揮されないので好ましくない。
重合体複合物(B)の重合において、ビニル系重合体(a)と
単量体(混合物)(b)の割合はビニル系重合体(a)10〜
97重量部、好ましくは20〜90重量部に対して、単
量体(混合物)(b)90〜3重量部、好ましくは80〜
10重量部である。この範囲を外れると、重合体複合物
(B)とビニル系重合体(A)との混和性が悪かつたり、制電
性が不十分であるなどの欠点が現われ、好ましい樹脂組
成物を得ることができない。
重合体複合物(B)の製造においてビニル系重合体(a)の存
在下に単量体(混合物)(b)を重合するに際しては乳化
重合が必須である。塊状重合、溶液重合等の他の重合方
法を採用した場合は重合体複合物(B)はビニル系重合体
(A)と十分混和せず、得られる樹脂組成物の制電性や機
械的性質が劣るため好ましくない。乳化重合の方法に関
しては特に制限はなく、通常公知の方法で行なうことが
できる。例えば水性媒中でラウリン酸ナトリウム等の高
級脂肪酸塩系、ラウリル硫酸ナトリウム等の高級アルコ
ール硫酸エステル塩系、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム等のスルホン酸塩系など一般の乳化剤を用いて
あるいは用いないで行なうことができる。ビニル系重合
体(a)と単量体(混合物)(b)の仕込方法に関しても特に
制限はなく任意の方法で行なうことができる。例えば、
乳化重合または後乳化処理によつてビニル系重合体(a)
のラテツクスをあらかじめ調製しておき、それに単量体
(混合物)(b)を一括仕込みして重合したり、分割また
は連続しながら重合することができる。あるいはビニル
系重合体(a)と単量体(混合物)(b)と混合して、または
混合せずに同時に仕込みながら重合することもできる。
なかでも特に好ましく用いられる方法は、ビニル系重合
体(a)ラテツクスを乳化重合によつて製造し、次いで単
量体(混合物)(b)を仕込んで乳化重合する方法であ
る。
本発明の樹脂組成物はビニル系重合体(A)20〜99重
量部、好ましくは50〜95重量部および重合体複合物
(B)80〜1重量部、好ましくは50〜5重量部を(A)と
(B)の合計が100重量部となるように配合してなる樹
脂組成物である。重合体複合物(B)が1重量部未満では
制電性が発揮されず、80重量部を越えると機械的性質
が劣るため好ましくない。
本発明の樹脂組成物の製造方法に関しては特に制限はな
く、通常公知の方法で製造することができる。例えばラ
テツクスブレンド、パウダーブレンドまたはヘンシエル
ミキサーで予備混合して、あるいは予備混合せずに押出
機へ供給し、溶融混練、ペレタイズすることができる。
本発明の樹脂組成物は本発明の効果を損なわない範囲で
さらにポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフエ
ニレンオキサイド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等の他の熱可塑性樹脂やNBR等の他のゴ
ム状重合体を混合して望ましい性能を付与することがで
きる。さらにカチオン系、アニオン系、ノニオン系界面
活性剤などの帯電防止剤を添加して制電性をさらに向上
させることも可能である。必要に応じて酸化防止剤、紫
外線吸収剤などの種々の安定剤、難燃剤、顔料、染料、
滑剤、可塑剤などを添加することもできる。
以下、実施例によつて本発明をさらに詳しく説明する。
体積固有抵抗率の測定は射出成形した厚さ3mmの角板を
用い、室温23℃、温度50%RH雰囲気下で測定し
た。測定には東亜電波工業(株)製の超絶縁抵抗計SM
−10型を用いた。曲げ弾性率はASTM D−79
0、アイゾツト衝撃強さはASTM D−256A法に
従つて測定した。部数および%は重量部および重量%を
表わす。
参考例1(ビニル系重合体(A)の製造) 乳化重合、懸濁重合、塊状重合または溶液重合によつて
ラテツクス状、ビーズ状またはペレツト状の表1に示し
た組成を有するビニル系重合体(A−1)〜(A−9)
を製造した。
参考例2(重合体複合物(B)の製造) 次の方法により、表2に示した組成を有する重合体複合
物(B−1)〜(B−11)を製造した。(B−1)〜
(B−4)および(B−9);窒素置換した重合槽に純
水200部、ブドウ糖0.5部、ピロリン酸ソーダ0.
5部、硫酸第1鉄0.005部および表2に示した所定
量のゴム状重合体ラテツクスを仕込み、十分撹拌した。
次いで槽内温度を60℃に温調しつつ、一方の仕込口か
ら表2に示した所定量の単量体混合物を4時間かけて等
速仕込した。同時に別の仕込口から純水30部、オレイ
ン酸カリウム(乳化剤)2.5部およびクメンヒドロペ
リオキシド0.2部からなる水溶液を6時間かけて等速
仕込することによつて、それぞれのビニル系重合体(a)
のラテツクスを製造した。次いで槽内温度を引き続き6
0℃に温調しながら、ビニル系重合体(a)ラテツクスに
一方の仕込口から表2に示した所定量の単量体または単
量体混合物(b)を5時間かけて等速仕込みした。同時に
別の仕込口から純水30部、オレイン酸カリウム1.0
部およびクメンヒドロペルオキシド0.2部からなる水
溶液を7時間かけて等速仕込みした。仕込終了後、槽内
温度を75℃に昇温してさらに1時間重合して、重合体
複合物(B−1)〜(B−4)および(B−9)のラテ
ツクスを製造した。
(B−5)および(B−7);ゴム状重合体ラテツクス
を仕込まない以外は上記(B−1)〜(B−4)と同じ
方法で、表2に示した組成を有する重合体複合物(B−
5)および(B−7)のラテツクスを製造した。
(B−6);あらかじめ懸濁重合した表2に示した組成
を有するビニル系重合体(a)30部を単量体混合物(b)7
0部に混合、撹拌して溶解し、ビニル系重合体(a)/単
量体混合物(b)溶液を調製した。次いで窒素置換した重
合槽に純水200部、ブドウ糖0.5部、ピロリン酸ソ
ーダ0.5部および硫酸第1鉄0.005部を仕込み、
十分撹拌した後、槽内温度を60℃に温調しつつ一方の
仕込口から、ビニル系重合体(a)/単量体混合物(b)溶液
を5時間かけて等速仕込した。同時に並行して別の仕込
口から純水30部、オレイン酸カリウム2.5部および
クメンヒドロペルオキシド0.2部からなる水溶液を7
時間かけて等速仕込した。仕込終了後、75℃に昇温し
てさらに1時間重合して、重合体複合物(B−6)のラ
テツクスを製造した。
(B−8);窒素置換した重合槽に純水200部、ブド
ウ糖0.5部、ピロリン酸ソーダ0.5部および硫酸第
1鉄0.005部を仕込み、十分撹拌した。次いで槽内
温度を60℃に温調しつつ、一方の仕込口から表2に示
した所定量の単量体混合物(b)を5時間かけて等速仕込
した。同時に並行して別の仕込口から純水30部、オレ
イン酸カリウム2.5部およびクメンヒドロペルオキシ
ド0.2部からなる水溶液を6時間かけて等速仕込し
た。仕込終了後、75℃に昇温し、さらに1時間重合し
て重合体複合物(B−8)ラテツクスを製造した。
(B−10);(B−1)に準じた方法で重合した表2
に示した組成を有するビニル系重合体(a)ラテツクス凝
固、脱水、乾燥してビニル系重合体(a)のパウダーを製
造した。次いで窒素置換した重合槽にメチルエチルケト
ン200部、該ビニル系重合体(a)パウダー60部、メ
トキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレ
ンオキサイド単位の平均重合度9、PEG(1)と略
す。)40部および過酸化ベンゾイル0.5部を仕込ん
で十分撹拌した後、80℃で5時間、次いで90℃で2
時間重合した。得られたポリマー溶液を脱溶媒して重合
体複合物(B−10)を製造した。
(B−11);窒素置換した重合槽に純水200部、ブ
ドウ糖0.5部、ピロリン酸ソーダ0.5部、および硫
酸第1鉄0.005部および表2に示した所定量のゴム
状重合体ラテツクスを仕込み、十分撹拌した。次いで、
槽内温度を60℃に温調しつつ、一方の仕込口から表2
に示した所定量の単量体混合物(a)を4時間かけて等速
仕込した。同時に別の仕込口から純水30部、オレイン
酸カリウム2.5部およびクメンヒドロペルオキシド
0.2部からなる水溶液を6時間かけて等速仕込みし
た。仕込み終了後、槽内温度を75℃に昇温してさらに
1時間重合を継続して重合体(B−11)ラテツクスを
製造した。
実施例1 参考例1および2で製造したビニル系重合体(A)および
重合体複合物(B)を表3に示した配合比で混合した。ビ
ニル系重合体(A)がラテツクスの場合は重合体複合物(B)
ラテツクスとラテツクスブレンドし、硫酸マグネシウム
を用いて凝固して粉状ポリマーとして回収した。ビニル
系重合体(A)がビーズ状またはペレツト状の場合は重合
体複合物(B)ラテツクスを硫酸マグネシウムで凝固し、
粉状とした後、ドライブレンドした。次いで、40mmΦ
押出機を用いて樹脂温度220℃で溶融混練、押出を行
なうことによつてペレツトを製造した。次いで射出成形
機により、シリンダー温度220℃、金型温度50℃で
試験片を成形し、曲げ弾性率と体積固有抵抗率を測定し
た。
体積固有抵抗率は、射出成形した厚さ3mmの角板を用
い、次の各条件で測定した。
(1)成形直後、50%RH、23℃で24時間調湿して
測定した。
(2)成形直後、洗剤“ママレモン”(ライオン油脂
(株)製)水溶液で洗浄し、続いて蒸留水で十分洗浄し
てから表面の水分を取除いた後、50%RH、23℃で
24時間調湿して測定した。
(3)成形後、50%RH、23℃中に100日間放置し
た後測定した。
(4)成形後、50%RH、23℃中に100日間放置し
た後、洗剤“ママレモン”水溶液で洗浄、続いて蒸留水
で十分洗浄してから表面の水分を取除いた後、50%R
H、23℃で24時間調湿して測定した。
測定結果を表3に示した。
比較例 重合体複合物(B)単独の場合(NO.24〜30)以外は実
施例1に示した方法に準じて、表3に示した組成の樹脂
を製造し、各物性を測定した。NO.24〜30のみはラ
テツクスを硫酸マグネシウムで凝固してポリマーを回収
した後、樹脂温度220℃でプレス成形し、各試験片を
作成し、測定を行なつた。
測定結果を表3に示した。
実施例1および比較例から次のことが明らかである。本
発明の樹脂組成物(NO.1〜14)は曲げ弾性率が高
く、かつ体積固有抵抗率が低い。しかもその体積固有抵
抗率は水洗処理したり、長時間放置してもほとんど変化
せず、すぐれた永久帯電防止性を有する。一方、ビニル
系重合体(A)のみからなる樹脂(NO.15〜21)または
樹脂組成物(NO.22、23)はいずれも体積固有抵抗
率が高く、帯電防止性を有しない。重合体複合物(B)単
独では曲げ弾性率がきわめて低いので、成形用材料とし
ては使用できない。ビニル系重合体(a)の非存在下に単
量体混合物(b)を重合して得た重合体複合物(B−8)
はビニル系重合体(A)との混和性が悪く、得られる樹脂
組成物(NO.31)は曲げ弾性率および体積固有抵抗率
がともに劣り好ましくない。ビニル系単量体混合物(b)
中のPEG系ビニル単量体の割合が35%未満である重
合体複合物(B−9)は得られる樹脂組成物(NO.3
2)の体積固有抵抗率が高く好ましくない。また重合体
複合物(b)を乳化重合法以外の方法で重合した場合(B
−10)は得られる樹脂組成物(NO.33)の曲げ弾性
率が低く、体積固有抵抗率が高いので好ましくない。さ
らに、PEG系ビニル単量体を含む単量体混合物をゴム
質重合体の存在下にグラフト重合したのみの重合体(B
−11)を使用した場合、得られる樹脂組成物(NO.3
4)の体積固有抵抗率が高く好ましくない。
すなわち、本発明によつてはじめて、曲げ弾性率に代表
される機械的性質がすぐれ、かつすぐれた永久帯電防止
性を有する樹脂組成物を得ることができる。
実施例2 実施例1と同様の方法で表4の組成を有する樹脂組成物
(NO.35〜42)を製造し、アイゾツト衝撃強さ、曲
げ弾性率および体積固有抵抗率を測定した。
測定結果を表4に示した。
実施例2の結果より、ゴム状重合体を含有するビニル系
重合体(A)および/または重合体複合物(B)を適当に配合
することによつて、曲げ弾性率と永久帯電防止性の他に
耐衝撃性も優れた樹脂組成物が得られることがわかる。
以上説明したように本発明の樹脂組成物は優れた永久帯
電防止性と機械的性質を兼備した制電性樹脂組成物であ
り、今後種々の分野への応用が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 55/02 LME 7142−4J // C08F 285/00 MQX 7142−4J (C08L 25/04 51:00) (C08L 33/04 51:06) (C08L 33/18 51:06) (C08L 55/02 51:06)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ゴム状重合体の存在下または不存在下
    に芳香族ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル
    系単量体およびシアン化ビニル系単量体の群から選ばれ
    た少なくとも1種以上の単量体または単量体混合物を重
    合してなるビニル系重合体および (B)(a)ゴム状重合体の存在下または不存在下に芳香族ビ
    ニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体お
    よびシアン化ビニル系単量体の群から選ばれた少なくと
    も1種以上の単量体または単量体混合物を重合してなる
    ビニル系重合体10〜97重量部の存在下に (b) (I)式で表わされるポリアルキレンオキサイド鎖を
    有するビニル系単量体を35重量%以上含有する単量体
    または単量体混合物90〜3重量部 を乳化重合してなる重合体複合物を (A)20〜99重量部および(B)80〜1重量部でかつ
    (A)と(B)の合計が100重量部となるように混合してな
    る制電性樹脂組成物。 (式中、Rは水素原子またはメチル基を表わす。nは2
    〜100の整数を表わす。)
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