JPH06284491A - 適応型雑音低減装置 - Google Patents

適応型雑音低減装置

Info

Publication number
JPH06284491A
JPH06284491A JP9069093A JP9069093A JPH06284491A JP H06284491 A JPH06284491 A JP H06284491A JP 9069093 A JP9069093 A JP 9069093A JP 9069093 A JP9069093 A JP 9069093A JP H06284491 A JPH06284491 A JP H06284491A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
reference input
noise
adaptive
input signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9069093A
Other languages
English (en)
Inventor
Kaoru Gyotoku
薫 行徳
Toru Sasaki
徹 佐々木
Hitoshi Okubo
仁 大久保
Takayuki Mizuuchi
崇行 水内
Ikue Akiba
育江 秋葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP9069093A priority Critical patent/JPH06284491A/ja
Publication of JPH06284491A publication Critical patent/JPH06284491A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)
  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 適応型雑音低減装置において、雑音信号の低
減量を改善すると共に、希望信号の参照入力への混入に
よる悪影響を低減する。 【構成】 主要入力信号中の雑音信号と相関のある雑音
信号を参照入力信号として適応フィルタ手段24に供給
し、主要入力信号中の雑音に近似する信号を形成する。
適応フィルタ手段24の出力信号を主要入力音声信号か
ら減算して雑音をキャンセルする。適応フィルタ手段2
4は、推定誤差の出力パワーを最小化するように、フィ
ルタの係数を適応的に更新する。参照入力信号を利得制
御して適応フィルタ手段に供給する利得制御手段22を
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばカメラ一体型
VTRの音声収音装置などに用いて好適な適応型雑音低
減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、この種の適応型雑音低減装置
として、図7に示すような適応雑音キャンセラーが知ら
れている。
【0003】図7は、この適応雑音キャンセラーの基本
的構成を示すもので、1は主要入力端子、2は参照入力
端子である。主要入力端子1を通じて入力された主要入
力信号は遅延回路3を介して合成回路4に供給される。
また、参照入力端子2を通じて入力された参照入力信号
は、適応フィルタ回路5を介して合成回路4に供給さ
れ、遅延回路3からの信号から減算される。この合成回
路4の出力は、適応フィルタ回路5に帰還されると共
に、出力端子6に導出される。
【0004】この適応雑音キャンセラーにおいては、主
要入力信号としては、希望信号sと、これと無相関の雑
音信号n0 とが加算されたものが入力される。一方、参
照入力信号としては、雑音信号n1 が入力される。参照
入力の雑音信号n1 は、希望信号sとは無相関である
が、雑音信号n0 とは相関があるようにされている。
【0005】適応フィルタ回路5は、参照入力雑音信号
n1 をフィルタリングして、雑音信号n0 に近似する信
号yを出力する。この場合は、適応フィルタ回路5にお
いては、所定の適応のアルゴリズムにより、合成回路4
の減算出力(残差出力)eが最小になるように、参照入
力雑音信号n1 のフィルタリングのフィルタ係数を更新
してゆく。
【0006】この適応フィルタ回路5の出力信号yとし
て、雑音信号n0 と逆相、等振幅の信号を得るようにす
ることもできる。遅延回路3は、適応フィルタ回路5で
の演算処理に要する時間遅れや適応フィルタでの伝播時
間その他を補償して、減算処理する信号との時間合わせ
をするためのものである。
【0007】以下に、適応雑音キャンセラーの原理につ
いて説明する。
【0008】今、希望信号s,雑音n0 ,雑音n1 ,出
力信号yが統計的に定常であり、平均値がゼロであると
仮定すると残差出力eは、 e=s+n0 −y となる。これを二乗したものの期待値は、希望信号sが
雑音n0 及び出力yと無相関であるから、 E[e2 ]=E[s2 ]+E[(n0 −y)2 ] +2E[s(n0 −y)] =E[s2 ]+E[(n0 −y)2 ] となる。
【0009】適応フィルタ回路5が収束するものとすれ
ば、この適応フィルタ回路5は、E[e2 ]が最小にな
るように、フィルタ係数を更新するものである。このと
き、E[s2 ]は影響を受けないので、 Emin [e2 ]=E[s2 ] +Emin [(n0 −y)2 ] となる。
【0010】すなわち、E[e2 ]が最小化されること
によってE[(n0 −y)2 ]が最小化され、適応フィ
ルタ回路5の出力yは、雑音信号n0 の推定量になる。
そして、合成回路4からの出力の期待値は、希望信号s
のみとなる。すなわち、適応フィルタ回路5を調整して
全出力パワーを最小化することは、減算出力eが、希望
音声信号sの最小二乗推定値になることに等しい。
【0011】出力eは、一般に、信号sに多少の雑音が
残ったものになるが、出力雑音は(n0 −y)で与えら
れるからE[(n0 −y)2 ]を最小化することは、出
力の信号対雑音比を最大化することに等しい。
【0012】合成回路4が音響合成手段となる場合もあ
る。すなわち、適応フィルタ回路5で、雑音と逆相、等
振幅の雑音打ち消し音声信号−yを形成し、これをスピ
ーカなどに供給して、主要音声に音響的に加算して雑音
を低減する構成とする。この場合の残差eは、残差検出
用マイクロホンで収音することとなる。
【0013】なお、適応フィルタ回路5はアナログ信号
処理回路で実現する場合とデジタル信号処理回路で実現
する場合の、いずれでも可能であるが、一般的には、D
SP(デジタルシグナルプロセッサ)を用いたデジタル
処理回路の構成とされる。デジタル処理回路の構成とし
た場合の適応フィルタ回路5の一例の構成を図8に示
す。
【0014】適応フィルタ回路5は、この例において
は、FIRフィルタ型の適応型線形結合器100と、フ
ィルタ係数更新演算手段110とからなっている。この
適応フィルタ回路5は、マイクロコンピュータを搭載す
るDSPにより、ソフトウエアとして構成することがで
きる。フィルタ係数の更新のアルゴリズムは、この例で
は、計算量が少なく、実用的であるため多用されている
LMS(Least Mean Squares;最小平均自乗)法を用い
た場合として説明する。
【0015】LMS法について、図8を参照しながら説
明する。図8に示すように、適応型線形結合器100
は、それぞれ単位サンプリング時間の遅延時間Z-1を有
する複数個の遅延回路DL1,DL2,……DLm(m
は正の整数)と、入力雑音n1 及び各遅延回路DL1,
DL2,……DLmの出力信号と加重係数(フィルタ係
数)との掛け算を行う加重回路MX0,MX1,MX
2,……MXmと、加重回路MX0〜MXmの出力を加
算する加算回路101を備える。加算回路101の出力
は、図7で説明した信号yである。
【0016】加重回路MX0〜MXmに供給する加重係
数は、フィルタ係数演算回路110で、LMSアルゴリ
ズムにより、合成回路4からの残差信号eと、参照入力
n1とに基づいて形成される。このフィルタ係数演算回
路110で実行されるアルゴリズムは、次のようにな
る。
【0017】今、時刻k における入力ベクトルXk を、
図8にも示すように、 Xk =[x0k1k2k ・・・xmkT とし、出力をyk 、加重係数をwjk(j=0,1,2,…m )と
すると、入出力の関係は、次の数1に示すように、
【0018】
【数1】 となる。
【0019】そして、時刻k における加重ベクトルWk
を、 Wk =[w0k1k2k ・・・wmkT と定義すれば、入出力関係は、 yk =Xk T ・Wk … (1) で与えられる。ここで、希望の応答をdk とすれば、残
差ek は、 ek =dk −yk =dk −Xk T ・Wk …(2) で表される。
【0020】LMS法では、加重ベクトルの更新を、 Wk+1 =Wk +2μ・ek ・Xk … (3) なる式(3)により順次行っていく。加重係数の初期値
は、一定値あるいはランダムな値に設定される。ここ
で、μは適応の速度と安定性を決める利得因子(ステッ
プゲイン)である。
【0021】上記式(3)において、ある時点k での係
数ベクトルWk を修正するベクトルが、式(3)の右辺
の第2項であるが、利得因子μと瞬時誤差ek とはスカ
ラー値で、ともに修正値を直接左右する。同じく参照入
力ベクトルXk も積の形で働くので、これも修正値を左
右する。
【0022】平均的な収束の時定数τa は、 τa =(n+1)/4μ・trE〔Xi j T 〕…(4) で表される。ここで、nは参照入力ベクトルの次数(F
IRフィルタのタップ数に対応)、trE〔Xi j T
は参照入力の平均パワーである。つまり、FIRフィル
タのタップ数が大きいほど収束速度は遅くなり、参照入
力の平均パワーが大きいほど、また、利得因子μが大き
いほど収束速度が速くなる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】以上のようにして、適
応雑音キャンセラーの主要入力及び参照入力に、雑音信
号が任意の時間差を持って入力されたときに、適応動作
により主要入力中の雑音信号成分が低減除去される。そ
して、以上のようにシステム出力のパワーの最小化によ
って実現される適応雑音キャンセラーでは、(4)式か
らも理解されるように、参照入力中で最も大きなパワー
を持つ信号成分ほど、最も大きなキャンセル量が得られ
る。つまり、同じ性質の信号でも参照入力でのパワーレ
ベルによってキャンセル量に差が出る。
【0024】また、前述の適応雑音キャンセラーにおい
て、参照入力にはキャンセル対象の信号が与えられてい
て、希望信号とは相関がないことが前提である。しか
し、参照入力に希望信号が混入した場合、参照入力と希
望信号との間の相関が高くなり、適応動作に悪影響を及
ぼす。
【0025】この発明は、以上の問題点を解決できる適
応雑音低減装置を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この発明による適応型雑音低減システムは、後述の
実施例の参照符号を対応させると、希望音声と雑音信号
とを含む主要入力信号が合成手段14に供給され、前記
主要入力信号中の雑音信号と相関のある雑音信号が参照
入力信号として適応フィルタ手段24に供給されて、前
記主要入力信号中の雑音信号に近似する信号が形成さ
れ、前記合成手段14において、前記適応フィルタ手段
24からの前記主要入力信号中の雑音信号に近似する信
号が前記主要入力信号から減算処理されて、前記主要入
力信号中の雑音信号が低減除去されるシステムにおい
て、前記参照入力信号を前記主要入力信号に対して相対
的に利得制御する利得制御手段を設けたことを特徴とす
る。
【0027】
【作用】上記の構成のこの発明によれば、参照入力のパ
ワーレベルが小さいときには、参照入力のゲインが大き
くされ、適切に適応雑音キャンセル処理が行われる。ま
た、希望音声が参照入力に混入したときには、参照入力
のレベルは下げられて、参照入力中の希望信号のレベル
が下げられ、希望信号の適応雑音低減処理に対する悪影
響が減じられる。
【0028】
【実施例】以下、図1〜図4を参照しながら、この発明
による適応型雑音低減装置の一実施例について説明す
る。
【0029】図1において、11は希望音声を収音する
ための主要入力用マイクロホン、21は雑音として除去
したい方向の不要音声や周囲騒音を収音するための参照
入力用マイクロホンである。この例は、希望音声の到来
方向は、主として、図2において矢印ARで示すよう
に、図上、上方から下方に向かう方向(以下正面方向と
いう)であり、この方向と逆方向(以下背面方向とい
う)からの音声を雑音として収音しないようにする装置
を実現する。
【0030】この例の場合には、主要入力用マイクロホ
ン11は、図2に示すように、希望音声到来方向である
正面方向に指向性の主軸が向けられた無指向性のマイク
ロホンで構成される。一方、参照入力用マイクロホン2
1は、図2に示すように、希望音声到来方向に感度が低
く、背面方向に感度が高い、例えば背面方向に指向性の
主軸が向けられた単一指向性のマイクロホンで構成され
る。
【0031】そして、主要入力用マイクロホン11によ
り収音され、電気信号に変換されて得られた音声信号
は、A/Dコンバータ12に供給されて、デジタル信号
に変換され、遅延回路13を介して減算回路14に供給
される。
【0032】また、参照入力用マイクロホン21により
収音され電気信号に変換されて得られた音声信号は、利
得制御回路22に供給される。この利得制御回路22
は、図3に示すような利得制御特性を有している。
【0033】すなわち、図3において、直線aは、ゲイ
ンG=1のアンプの特性であるが、これに対して、利得
制御回路22のゲイン特性は、曲線bに示すように、参
照入力信号レベルが比較的低い所定レベル以下の場合に
は、参照入力レベルを下げるようにゲインG≦1とさ
れ、参照入力信号レベルが前記所定レベルを越える場合
には、参照入力信号レベルを上げるように、ゲインG>
1とされる。そして、さらに参照入力のレベル大きくな
ると、利得が一定に制限される。
【0034】この利得制御回路22の出力信号は、A/
Dコンバータ23に供給されて、デジタル信号に変換さ
れて、適応フィルタ回路24に供給される。この実施例
では、この適応フィルタ回路24は、前述の図8に示し
たLMS法による係数更新のアルゴリズムを行うデジタ
ル処理回路が用いられる。この適応フィルタ回路24
は、マイクロコンピュータを備えるDSP(デジタルシ
グナルプロセッサ)により構成することができる。そし
て、この適応フィルタ回路24の出力信号は、減算回路
14に供給される。
【0035】減算回路14の出力信号は、D/Aコンバ
ータ15によりアナログ信号に戻され、出力端子16に
導出される。なお、D/Aコンバータ15を省いて、減
算回路14の出力信号をデジタル信号のままで出力端子
16に導出するようにしてもよい。
【0036】以上のように、図1の例によれば、参照入
力信号のレベルが低い場合には、適当にそのレベルが大
きくされ、参照入力としての雑音を適切に低減除去する
ことができる。参照入力のレベルがさらに低くなり、こ
の参照入力に混入する希望信号の影響が適応動作に悪影
響を及ぼすようなレベルの場合には、利得制御回路22
により参照入力レベルが抑圧されて下げられるので、参
照入力中の希望信号レベルが下がり、その悪影響が減じ
られる。
【0037】なお、参照入力用マイクロホン21の出力
に利得制御回路22を設ける代わりに、主要入力用マイ
クロホン11の出力に対して、利得制御回路22とは逆
の利得制御規則の利得制御回路を挿入するようにしても
良い。
【0038】また、利得制御回路22の利得制御ルール
は、上述の例に限らず、使用条件に応じて定めることに
より、より適切に適応雑音低減動作を行わせることがで
きる。
【0039】図3は、この発明の他の実施例で、この例
では、参照入力中に希望信号が混入しているか否かによ
り利得制御を適切に変更する。参照入力レベルが小さい
時でも、希望信号が参照入力に含まれていない場合に
は、そのレベルを高くして雑音低減効果を大きくした方
が良いからである。
【0040】すなわち、図3の例においては、主要入力
用マイクロホン11の出力信号及び参照入力用マイクロ
ホン21の出力信号が希望信号検出器30に供給され
る。そして、この希望信号検出器30の出力により利得
制御回路22の利得制御が制御される。その他は、図1
の例と同様に構成される。
【0041】希望信号検出器30においては、参照入力
信号のレベルが所定のスレッショールドレベルより大き
いか否かを検出し、所定レベルより大きいときには、参
照入力中の希望信号の有無に関係なく、利得制御回路2
2からは参照入力信号がそのままのゲインで適応フィル
タ回路24に供給され、適応処理される。
【0042】また、参照入力信号のレベルが前記所定の
スレッショールドレベルより低いときには、主要入力信
号と参照入力信号とのレベル比が検出されて、参照入力
中の希望信号の有無が検出される。例えば参照入力信号
のレベルLrと主要入力信号のレベルLmとの比Lr/
Lmが予め設定されたスレッショールド値より小さいと
きには、参照入力中に希望信号が漏出されていると検出
し、比Lr/Lmがスレッショールド値より大きいとき
には、参照入力中に希望信号が漏出していないと検出す
る。
【0043】そして、参照入力中に希望信号が漏出して
いると検出されたときには、利得制御回路22では、参
照入力信号のレベルを抑圧して適応フィルタ回路24に
供給する。また、参照入力中に希望信号が漏出していな
いと検出されたときには、利得制御回路22では、参照
入力信号のレベルを増幅して適応フィルタ回路24に供
給する。
【0044】図5は、以上の処理の流れを示すフローチ
ャートである。これは、参照入力用マイクロホン21の
出力をA/Dコンバータによりデジタル信号に変換し、
そのデジタル信号をAGC回路及び適応フィルタ回路を
含み、マイクロコンピュータを搭載するDSPにおいて
実行される処理に等しい。
【0045】先ず、ステップ201において、参照入力
の新データを読み込む。次に、ステップ202におい
て、参照入力信号のレベルLrを検出する。次に、ステ
ップ203において、その検出レベルLrがスレッショ
ールドレベルLθより小さいか否か判別する。参照入力
信号のレベルLrがスレッショールドレベルLθより大
きいときには、ステップ203からステップ208に進
んで、参照入力信号レベルはそのレベルLrのままとし
て適応処理を行う。
【0046】ステップ203で参照入力信号レベルLr
がスレッショールドレベルLθより小さいと判別された
ときには、ステップ204に進んで、前述したように、
参照入力信号と主要入力信号とのレベル比から参照入力
への希望信号の漏出の有無を検出する。そして、次のス
テップ205において、検出の結果、参照入力への希望
信号の漏出があるか否か判別され、漏出があるときに
は、ステップ206に進んで、参照入力信号のレベルを
抑圧するように利得制御し、その後、ステップ208に
進んで、適応処理を行う。
【0047】ステップ205において、参照入力への希
望信号の漏出がないと判別されたときには、ステップ2
07に進んで、参照入力信号のレベルを増幅するように
利得制御し、その後、ステップ208に進んで、適応処
理を行う。ステップ208の後は、ステップ201に戻
る。
【0048】以上の構成の適応型雑音低減装置におい
て、矢印ARの方向からの希望信号と、背面方向からの
雑音信号との2つの信号のみが入力されるとした場合
の、雑音低減量を図6に示す。雑音低減量(キャンセル
量)は、デシベル表示であり、雑音が完全に除去された
場合には無限大になり、キャンセルされずにそのままで
あれば0dBとなる。
【0049】同図から、希望信号の混入の有無にかかわ
らず、参照入力を元のゲインのままで処理を行うより
も、利得制御回路22を挿入してゲイン調整を行った方
がキャンセル量が大きくなっていることが分かる。
【0050】なお、上述の例において、マイクロホン1
1、21の間の距離、位置関係を含む配置は、必ずしも
図2と一致する必要はない。また、主要入力用マイクロ
ホン11としては、希望音声到来方向に高い感度を有す
る指向性のマイクロホンユニットを用いれば、上述の例
に限られるものではない。また、同様に、参照入力用マ
イクロホン21は、希望音声到来方向の感度が低く、雑
音到来方向に高い感度を有する指向性のマイクロホンユ
ニットを用いればよい。
【0051】また、有指向性マイクロホンを構成する方
法としては、その指向性を有するマイクロホンユニット
をそのまま使用する方法のほか、複数個のマイクロホン
ユニットを組み合わせて(複数個のマイクロホンユニッ
トの出力を適宜合成する場合も含む)、目的の指向特性
を得るようにすることができる。
【0052】例えば、2個の無指向性マイクロホンユニ
ットを僅かに離して配置し、一方のマイクロホンユニッ
トの出力をフィルタ回路を通して移相し、他方のマイク
ロホンユニットの出力から減算することにより、単一指
向性のマイクロホンを実現することができる。したがっ
て、図1の実施例において、2個の無指向性マイクロホ
ンユニットのみを用いて、主要入力用マイクロホン11
の出力、参照入力用マイクロホン21の出力の全てを形
成することもできる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、参照入力信号を利得制御して適応処理に適切なレベ
ルにして、適応フィルタ回路に供給するようにしたの
で、雑音低減量を向上させることができる。
【0054】また、参照入力信号レベルが小さい時に
は、参照入力への希望信号の漏出の有無を検出し、希望
信号が漏出しているときには、参照入力信号レベルを抑
圧することにより、漏出している希望信号のレベルをさ
らに小さくして、この希望信号の適応処理動作に対する
影響を軽減すると共に、希望信号が漏出していないとき
には、参照入力信号レベルを増幅して適応処理するよう
にすることにより、希望信号の歪みを押さえながら、さ
らに雑音低減量を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による適応型雑音低減装置の一実施例
のブロック図である。
【図2】図1の例のマイクロホン11、21の指向特性
を説明するための図である。
【図3】図1の例の利得制御回路の利得制御特性の一例
を示す図である。
【図4】この発明による適応型雑音低減装置の他の実施
例のブロック図である。
【図5】この発明による適応型雑音低減装置の一実施例
の処理の流れのフローチャートを示す図である。
【図6】この発明のよる適応型雑音低減装置の効果を説
明するための図である。
【図7】適応型雑音低減装置の概要を示すブロック図で
ある。
【図8】適応フィルタ回路の一例のブロック図である。
【符号の説明】
11 主要入力用マイクロホン 14 減算回路 21 参照入力用マイクロホン 22 利得制御回路 24 適応フィルタ回路 30 希望音声検出器
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04R 1/40 320 Z (72)発明者 水内 崇行 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 秋葉 育江 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希望音声と雑音信号とを含む主要入力信
    号が合成手段に供給され、 前記主要入力信号中の雑音信号と相関のある雑音信号が
    参照入力信号として適応フィルタ手段に供給されて、前
    記主要入力信号中の雑音信号に近似する信号が形成さ
    れ、 前記合成手段において、前記適応フィルタ手段からの前
    記主要入力信号中の雑音信号に近似する信号が前記主要
    入力信号から減算処理されて、前記主要入力信号中の雑
    音信号が低減除去されるシステムにおいて、 前記参照入力信号を利得制御して前記適応フィルタ手段
    に供給する利得制御手段を設けたことを特徴とする適応
    型雑音低減装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の適応型雑音低減装置に
    おいて、 前記参照入力に希望音声が含まれているか否かを判別す
    る手段を設け、 この判別手段により、希望音声が参照入力に含まれてい
    ると判別されたときと、含まれていないとで、前記利得
    制御手段における利得制御を変更するようにしたことを
    特徴とする適応型雑音低減装置。
JP9069093A 1993-03-25 1993-03-25 適応型雑音低減装置 Pending JPH06284491A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9069093A JPH06284491A (ja) 1993-03-25 1993-03-25 適応型雑音低減装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9069093A JPH06284491A (ja) 1993-03-25 1993-03-25 適応型雑音低減装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06284491A true JPH06284491A (ja) 1994-10-07

Family

ID=14005530

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9069093A Pending JPH06284491A (ja) 1993-03-25 1993-03-25 適応型雑音低減装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06284491A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7720233B2 (en) 2003-09-02 2010-05-18 Nec Corporation Signal processing method and apparatus
JP2020517204A (ja) * 2017-04-06 2020-06-11 キム, クム チョルKIM, Geum Cheol 広い領域で音を損失なく収集する装置及び使用方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7720233B2 (en) 2003-09-02 2010-05-18 Nec Corporation Signal processing method and apparatus
US9543926B2 (en) 2003-09-02 2017-01-10 Nec Corporation Signal processing method and device
JP2020517204A (ja) * 2017-04-06 2020-06-11 キム, クム チョルKIM, Geum Cheol 広い領域で音を損失なく収集する装置及び使用方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8731210B2 (en) Audio processing methods and apparatuses utilizing the same
US7092529B2 (en) Adaptive control system for noise cancellation
US9305540B2 (en) Frequency domain signal processor for close talking differential microphone array
CN110996203B (zh) 一种耳机降噪方法、装置、系统及无线耳机
JP3402331B2 (ja) 雑音低減装置
JPH10191497A (ja) ディジタル式補聴器およびフィードバック経路のモデリング方法
JPH066246A (ja) 音声通信端末装置
JPH06269083A (ja) マイクロホン装置
CN110140346B (zh) 声回波消除
JPH06152724A (ja) 通話装置
JP4119328B2 (ja) 収音方法、その装置、そのプログラム、およびその記録媒体。
JP2001005463A (ja) 音響装置
JPH06284491A (ja) 適応型雑音低減装置
JP2002171591A (ja) ステレオマイクロホン装置、雑音低減処理方法及び装置
JP3381731B2 (ja) 雑音低減装置
JPH06153289A (ja) 音声入出力装置
JP3489587B2 (ja) 適応型雑音低減装置
JP3189555B2 (ja) マイクロホン装置
JP3141673B2 (ja) 雑音低減装置
JPH06292293A (ja) マイクロホン装置
JP3297814B2 (ja) 適応雑音低減型の音声入力装置
JP3159229B2 (ja) マイクロホン装置
JP3358463B2 (ja) 拡声装置
JP3433819B2 (ja) 適応信号処理装置
JPH06284490A (ja) 適応型雑音低減システム及びこれを用いた未知の系の伝達特性同定方法