JPH06284490A - 適応型雑音低減システム及びこれを用いた未知の系の伝達特性同定方法 - Google Patents

適応型雑音低減システム及びこれを用いた未知の系の伝達特性同定方法

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JPH06284490A
JPH06284490A JP8913093A JP8913093A JPH06284490A JP H06284490 A JPH06284490 A JP H06284490A JP 8913093 A JP8913093 A JP 8913093A JP 8913093 A JP8913093 A JP 8913093A JP H06284490 A JPH06284490 A JP H06284490A
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Kaoru Gyotoku
薫 行徳
Toru Sasaki
徹 佐々木
Hitoshi Okubo
仁 大久保
Takayuki Mizuuchi
崇行 水内
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  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 希望信号がシステム出力に存在する場合に、
希望信号の影響を低減して雑音に対して適切なキャンセ
ル動作を行えるようにする。 【構成】 主要入力信号中の雑音信号と相関のある雑音
信号を参照入力信号として第1の適応フィルタ手段24
に供給し、主要入力信号中の雑音に近似する信号を形成
する。適応フィルタ手段24の出力信号を主要入力音声
信号から減算して雑音をキャンセルする。適応フィルタ
手段24は、推定誤差の出力パワーを最小化するよう
に、フィルタの係数を適応的に更新する。主として希望
音声を収音するようにする第3の収音手段と、この第3
の収音手段の出力信号から希望音声信号に近似する信号
を形成する第2の適応フィルタ手段34を設ける。第2
の適応フィルタ手段34の出力信号を用いて、第1の合
成手段の出力信号中の希望音声を低減除去し、この希望
音声信号を含まない信号を推定誤差として第1の適応フ
ィルタ回路24に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばカメラ一体型
VTRの音声収音装置などに用いて好適な適応型雑音低
減システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、この種の適応型雑音低減シス
テムとして、図4に示すような適応雑音キャンセラーが
知られている。
【0003】図4は、この適応雑音キャンセラーの基本
的構成を示すもので、1は主要入力端子、2は参照入力
端子である。主要入力端子1を通じて入力された主要入
力信号は遅延回路3を介して合成回路4に供給される。
また、参照入力端子2を通じて入力された参照入力信号
は、適応フィルタ回路5を介して合成回路4に供給さ
れ、遅延回路3からの信号から減算される。この合成回
路4の出力は、適応フィルタ回路5に帰還されると共
に、出力端子6に導出される。
【0004】この適応雑音キャンセラーにおいては、主
要入力信号としては、希望信号sと、これと無相関の雑
音信号n0 とが加算されたものが入力される。一方、参
照入力信号としては、雑音信号n1 が入力される。参照
入力の雑音信号n1 は、希望信号sとは無相関である
が、雑音信号n0 とは相関があるようにされている。
【0005】適応フィルタ回路5は、参照入力雑音信号
n1 をフィルタリングして、雑音信号n0 に近似する信
号yを出力する。この場合は、適応フィルタ回路5にお
いては、所定の適応のアルゴリズムにより、合成回路4
の減算出力(残差出力)eが最小になるように、参照入
力雑音信号n1 のフィルタリングのフィルタ係数を更新
してゆく。
【0006】この適応フィルタ回路5の出力信号yとし
て、雑音信号n0 と逆相、等振幅の信号を得るようにす
ることもできる。遅延回路3は、適応フィルタ回路5で
の演算処理に要する時間遅れや適応フィルタでの伝播時
間その他を補償して、減算処理する信号との時間合わせ
をするためのものである。
【0007】以下に、適応雑音キャンセラーの原理につ
いて説明する。
【0008】今、希望信号s,雑音n0 ,雑音n1 ,出
力信号yが統計的に定常であり、平均値がゼロであると
仮定すると残差出力eは、 e=s+n0 −y となる。これを二乗したものの期待値は、希望信号sが
雑音n0 及び出力yと無相関であるから、 E[e2 ]=E[s2 ]+E[(n0 −y)2 ] +2E[s(n0 −y)] =E[s2 ]+E[(n0 −y)2 ] となる。
【0009】適応フィルタ回路5が収束するものとすれ
ば、この適応フィルタ回路5は、E[e2 ]が最小にな
るように、フィルタ係数を更新するものである。このと
き、E[s2 ]は影響を受けないので、 Emin [e2 ]=E[s2 ] +Emin [(n0 −y)2 ] となる。
【0010】すなわち、E[e2 ]が最小化されること
によってE[(n0 −y)2 ]が最小化され、適応フィ
ルタ回路5の出力yは、雑音信号n0 の推定量になる。
そして、合成回路4からの出力の期待値は、希望信号s
のみとなる。すなわち、適応フィルタ回路5を調整して
全出力パワーを最小化することは、減算出力eが、希望
音声信号sの最小二乗推定値になることに等しい。
【0011】出力eは、一般に、信号sに多少の雑音が
残ったものになるが、出力雑音は(n0 −y)で与えら
れるからE[(n0 −y)2 ]を最小化することは、出
力の信号対雑音比を最大化することに等しい。
【0012】合成回路4が音響合成手段となる場合もあ
る。すなわち、適応フィルタ回路5で、雑音と逆相、等
振幅の雑音打ち消し音声信号−yを形成し、これをスピ
ーカなどに供給して、主要音声に音響的に加算して雑音
を低減する構成とする。この場合の残差eは、残差検出
用マイクロホンで収音することとなる。
【0013】なお、適応フィルタ回路5はアナログ信号
処理回路で実現する場合とデジタル信号処理回路で実現
する場合の、いずれでも可能であるが、一般的には、D
SP(デジタルシグナルプロセッサ)を用いたデジタル
処理回路の構成とされる。デジタル処理回路の構成とし
た場合の適応フィルタ回路5の一例の構成を図5に示
す。
【0014】適応フィルタ回路5は、この例において
は、FIRフィルタ型の適応型線形結合器100と、フ
ィルタ係数更新演算手段110とからなっている。この
適応フィルタ回路5は、マイクロコンピュータを搭載す
るDSPにより、ソフトウエアとして構成することがで
きる。フィルタ係数の更新のアルゴリズムは、この例で
は、計算量が少なく、実用的であるため多用されている
LMS(Least Mean Squares;最小平均自乗)法を用い
た場合として説明する。
【0015】LMS法について、図5を参照しながら説
明する。図5に示すように、この場合、FIRフィルタ
型の適応型線形結合器100は、それぞれ単位サンプリ
ング時間の遅延時間Z-1を有する複数個の遅延回路DL
1,DL2,……DLm(mは正の整数)と、入力雑音
n1 及び各遅延回路DL1,DL2,……DLmの出力
信号と加重係数(フィルタ係数)との掛け算を行う加重
回路MX0,MX1,MX2,……MXmと、加重回路
MX0〜MXmの出力を加算する加算回路101を備え
る。加算回路101の出力は、図4で説明した信号yで
ある。
【0016】加重回路MX0〜MXmに供給する加重係
数は、フィルタ係数演算回路110で、LMSアルゴリ
ズムにより、合成回路4からの残差信号eと、参照入力
n1とに基づいて形成される。このフィルタ係数演算回
路110で実行されるアルゴリズムは、次のようにな
る。
【0017】今、時刻k における入力ベクトルXk を、
図5にも示すように、 Xk =[x0k1k2k ・・・xmkT とし、出力をyk 、加重係数をwjk(j=0,1,2,…m )と
すると、入出力の関係は、次の数1に示すように、
【0018】
【数1】 となる。
【0019】そして、時刻k における加重ベクトルWk
を、 Wk =[w0k1k2k ・・・wmkT と定義すれば、入出力関係は、 yk =Xk T ・Wk … (1) で与えられる。ここで、希望の応答をdk とすれば、残
差ek は、 ek =dk −yk =dk −Xk T ・Wk …(2) で表される。
【0020】LMS法では、加重ベクトルの更新を、 Wk+1 =Wk +2μ・ek ・Xk … (3) なる式(3)により順次行っていく。加重係数の初期値
は、一定値あるいはランダムな値に設定される。ここ
で、μは適応の速度と安定性を決める利得因子(ステッ
プゲイン)である。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】以上のようにして、適
応雑音キャンセラーは、適応フィルタ回路により未知の
系の伝達特性を推定したときの誤差をフィルタ係数(加
重係数)の更新に用いているが、上述した更新のアルゴ
リズムにおいては、システム出力をその推定誤差として
用いている。
【0022】上述した適応雑音低減システムにおいて希
望音声sが存在しないとしたときは、参照入力端子2か
ら主要入力端子1までの伝達系の特性を、適応フィルタ
回路5で具現化するシステム同定であるといえる。この
ときのシステム出力は同定の誤差信号そのものである。
【0023】しかし、希望音声sが存在する場合におい
ては、上述したシステム出力eを与える式において、
(n0 −y)は、未知の伝達系の特性の推定誤差である
ことから、出力eは、信号sと推定誤差(n0 −y)と
の和になっていると考えられる。
【0024】このように、推定誤差として用いられるシ
ステム出力に、希望信号が含まれている場合には、雑音
を低減除去するという適応雑音キャンセラーの本来の動
作からすると、この希望信号は、推定誤差には不要な信
号であり、この希望信号の存在が適応雑音低減処理動作
に影響を与える。特に、その希望信号レベルや、希望信
号が人声信号のような非定常の信号の場合のように変動
が大きいときは適応動作に与える影響が大きく、適切な
適応動作が得られない欠点がある。
【0025】この発明は、以上の点にかんがみ、システ
ム出力から希望信号を低減除去したものを推定誤差とし
て適応雑音キャンセラーを動作させることにより、上述
の欠点を排除することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この発明による適応型雑音低減システムは、後述の
実施例の参照符号を対応させると、希望音声到来方向の
感度が高い第1の収音手段11と、前記希望音声の到来
方向の感度が低い第2の収音手段21と、第2の収音手
段21の出力信号が供給される第1の適応フィルタ手段
24と、第1の収音手段11の出力信号から、第1の適
応フィルタ手段24の出力信号を減算処理する第1の合
成手段15と、主として希望音声を収音するようにする
第3の収音手段31と、この第3の収音手段31の出力
信号が供給される第2の適応フィルタ手段34と、第2
の適応フィルタ手段34の出力信号を用いて、第1の合
成手段15の出力信号中の希望音声を低減除去するため
の第2の合成手段36とを備え、第1の適応フィルタ手
段24は、第1の合成手段15の出力中から前記希望音
声信号が低減除去された状態の雑音低減残差出力パワー
を最小化するように、適応処理を行って、第2の収音手
段21の出力信号から第1の収音手段11の出力に含ま
れる雑音信号に近似する出力信号を形成し、第1の合成
手段15から、第1の収音手段11の出力から前記雑音
信号が低減除去された出力信号を得るようにしたことを
特徴とする。
【0027】
【作用】上記の構成のこの発明によれば、第2の適応フ
ィルタ手段34と合成手段36とにより、システム出力
から希望信号が除去される。そして、そのシステム出力
から希望信号が除去された信号を推定誤差として第1の
適応フィルタ手段24は、適応動作を行い、主要入力中
の雑音信号を低減除去する。
【0028】
【実施例】以下、図1〜図3を参照しながら、この発明
による適応型雑音低減システムの一実施例について説明
する。
【0029】図1において、11は希望音声を収音する
ための主要入力用マイクロホン、21は雑音として除去
したい方向の不要音声や周囲騒音を、雑音として収音す
るための参照入力用マイクロホンである。この例は、希
望音声の到来方向は、主として、図2において矢印AR
で示すように、図上、上方から下方に向かう方向(以下
正面方向という)であり、この方向と逆方向(以下背面
方向という)からの音声を雑音として収音しないように
する装置を実現する例である。
【0030】この例の場合には、主要入力用マイクロホ
ン11は、図2に示すように、希望音声到来方向に指向
性の主軸が向けられた無指向性のマイクロホンで構成さ
れる。一方、参照入力用マイクロホン21は、図2に示
すように、希望音声到来方向に感度が低く、背面方向に
感度が高いマイクロホン、例えば背面方向に指向性の主
軸が向けられた単一指向性のマイクロホンで構成され
る。
【0031】そして、主要入力用マイクロホン11によ
り収音され、電気信号に変換されて得られた音声信号
は、増幅器12を介してA/Dコンバータ13に供給さ
れて、デジタル信号に変換され、遅延回路14を介して
減算回路15に供給される。
【0032】また、参照入力用マイクロホン21により
収音され、電気信号に変換されて得られた音声信号は、
増幅器22を介してA/Dコンバータ23に供給され
て、デジタル信号に変換されて、適応フィルタ回路24
に供給される。
【0033】この実施例では、適応フィルタ回路24
は、前述の図5に示したLMS法による係数更新のアル
ゴリズムを行うデジタル処理回路が用いられる。この適
応フィルタ回路24は、マイクロコンピュータを備える
DSP(デジタルシグナルプロセッサ)により構成する
ことができる。そして、この適応フィルタ回路24の出
力信号は、減算回路15に供給される。
【0034】減算回路15の出力信号は、D/Aコンバ
ータ16によりアナログ信号に戻され、出力端子17に
導出される。なお、D/Aコンバータ16を省いて、減
算回路15の出力信号をデジタル信号のままで出力端子
17に導出するようにしてもよい。
【0035】従来の場合には、この減算回路15の出力
(システム出力e)が適応フィルタ回路24に推定誤差
としてフィールドバックされていたが、この例では、希
望音声低減除去回路30により、このシステム出力eか
ら希望音声信号sが低減除去された推定誤差εが適応フ
ィルタ回路24にフィールドバックされ、適応フィルタ
回路24は、この希望信号sを殆ど含まない推定誤差ε
を用いて、フィルタ係数の更新を行う。
【0036】希望信号低減除去回路30は、この例で
は、希望音声収音用マイクロホン31を備える。このマ
イクロホン31は、主として希望音声を収音するため
に、この例では、図2に示すように、希望音声到来方向
に指向性の主軸が向けられた単一指向性のマイクロホン
で構成される。
【0037】このマイクロホン31により収音され、電
気信号に変換されて得られた希望音声信号s´は、増幅
器32を介してA/Dコンバータ33に供給されて、デ
ジタル信号に変換されて、適応フィルタ回路34に供給
される。この適応フィルタ回路34も、適応フィルタ回
路24と同様に、LMS法を用いた係数更新を行うデジ
タルフィルタの構成とされる。そして、この適応フィル
タ回路34からは、希望信号sに近似する出力信号zが
得られ、これが減算回路36に供給される。
【0038】また、減算回路15の出力信号eがタイミ
ング調整用の遅延回路35を介して、この減算回路36
に供給される。そして、この減算回路36において、減
算回路15からのシステム出力eから適応フィルタ回路
34の出力信号zが減算されて、システム出力e中の希
望信号sが減算される。そして、減算回路36の減算出
力εは、適応フィルタ回路34にフィールドバックさ
れ、適応フィルタ回路34は、システム出力e中から希
望信号sが低減除去されるように、係数更新を行う。
【0039】ここで、減算回路36の出力εは、 ε=e−z =(s+n0 −y)−z =(n0 −y)+(s−z) となる。遅延回路35は、図4の遅延回路3と同様に時
間遅れなどの補償のためのものであり、なくてもよいの
で、簡単のため上式では省いてある。
【0040】このようにして得られた減算回路36の出
力εは、雑音信号n0 の推定誤差(n0 −y)と、希望
信号sの推定誤差(s−z)との和であり、適応雑音キ
ャンセラーとしての真の推定誤差(n0 −y)のみでは
ないが、希望信号sについての影響が小さくなってい
る。したがって、信号sのレベルが大きい場合や、信号
sが非定常の場合には、減算回路15の出力eよりも、
この減算回路36の出力εの方が、適応雑音キャンセラ
ーとして必要とする真の推定誤差に近い値を取り、適応
動作に与える影響は少ない。
【0041】この例においては、この減算回路36の出
力εが適応フィルタ回路24に、フィルタ係数の更新に
用いる推定誤差としてフィールドバックされる。
【0042】図3は、矢印ARの正面方向から希望信号
が到来し、背面方向から雑音信号が到来したときの、推
定誤差の時間波形を示している。図3Aは推定誤差の真
値、図3Bは従来の適応雑音キャンセラーの減算回路4
の出力としての推定誤差、図3Cは減算回路36の出力
である推定誤差ε、のそれぞれ時間波形である。
【0043】図3から、この発明の一実施例である図1
の構成の場合の推定誤差εは、従来の適応雑音キャンセ
ラーの推定誤差よりも、真の推定誤差に近似しているこ
とが分かる。実際上も、図1の例により、雑音信号のキ
ャンセル量は、従来に比べて約5dB向上することが確
かめられた。
【0044】なお、上述の例において、マイクロホン1
1、21、31の間の距離、位置関係を含む配置は、必
ずしも図2と一致する必要はない。また、主要入力用マ
イクロホン11としては、希望音声到来方向に高い感度
を有する指向性のマイクロホンユニットを用いれば、上
述の例に限られるものではない。また、同様に、参照入
力用マイクロホン21は、希望音声到来方向の感度が低
く、雑音到来方向に高い感度を有する指向性のマイクロ
ホンユニットを用いればよい。
【0045】さらには、希望音声収音用マイクロホン3
1としては、上述の例に限らず、その指向性の主軸を希
望音声到来方向に向けた無指向性、スーパーカーディオ
イド、ハイパーカーディオイド、双指向性などのマイク
ロホンユニットを用いることもできる。
【0046】また、図1の例において、マイクロホン3
1を設ける代わりに、マイクロホン11の出力信号から
マイクロホン21の出力を減算することにより、マイク
ロホン31の出力信号と同じ単一指向特性の信号を得る
ことができる。
【0047】また、有指向性マイクロホンを構成する方
法としては、その指向性を有するマイクロホンユニット
をそのまま使用する方法のほか、複数個のマイクロホン
ユニットを組み合わせて(複数個のマイクロホンユニッ
トの出力を適宜合成する場合も含む)、目的の指向特性
を得るようにすることができる。
【0048】例えば、2個の無指向性マイクロホンユニ
ットを僅かに離して配置し、一方のマイクロホンユニッ
トの出力をフィルタ回路を通して移相し、他方のマイク
ロホンユニットの出力から減算することにより、単一指
向性のマイクロホンを実現することができる。したがっ
て、図1の実施例において、2個の無指向性マイクロホ
ンユニットのみを用いて、主要入力用マイクロホン11
の出力、参照入力用マイクロホン21の出力、希望信号
収音用マイクロホン31の出力の全てを形成することも
できる。
【0049】なお、図1の例では、適応フィルタ回路3
1のみにより希望音声をシステム出力から低減除去する
ようにしたが、希望音声をシステム出力から低減除去す
るための機能は、いくつかに分散して、複数個の適応フ
ィルタ手段により、分散処理するようにしてもよい。
【0050】図1の構成のシステムを、適応雑音低減シ
ステムとしてではなく、希望信号sを外乱として見立て
て、適応動作させると、適応フィルタ回路は、これが使
用されている未知の系の伝達特性を具現化するようにな
る。すなわち、適応フィルタ回路から未知の系の伝達特
性を同定することができる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、システム出力から希望信号を低減除去した推定誤差
を用いて適応フィルタ手段におけるフィルタ係数の更新
を行うようにしているので、希望信号のレベルが大きい
ときや、希望信号が非定常の信号であっても、適切な雑
音低減処理動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による適応型雑音低減システムの一実
施例のブロック図である。
【図2】図1の例のマイクロホン11、21及び31の
指向特性を説明するための図である。
【図3】この発明の効果を従来との比較において説明す
るための図である。
【図4】適応型雑音低減システムの概要を示すブロック
図である。
【図5】適応フィルタ回路の一例のブロック図である。
【符号の説明】
11 主要入力用マイクロホン 15 減算回路 21 参照入力用マイクロホン 24 適応フィルタ回路 31 希望音声収音用マイクロホン 34 適応フィルタ回路 36 減算回路
フロントページの続き (72)発明者 水内 崇行 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希望音声到来方向の感度が高い第1の収
    音手段と、 前記希望音声の到来方向の感度が低い第2の収音手段
    と、 前記第2の収音手段の出力信号が供給される第1の適応
    フィルタ手段と、 前記第1の収音手段の出力信号から、前記第1の適応フ
    ィルタ手段の出力信号を減算処理する第1の合成手段
    と、 主として希望音声を収音するようにする第3の収音手段
    と、 この第3の収音手段の出力信号が供給される第2の適応
    フィルタ手段と、 前記第2の適応フィルタ手段の出力信号を用いて、前記
    第1の合成手段の出力信号中の希望音声を低減除去する
    ための第2の合成手段とを備え、 前記第1の適応フィルタ手段は、前記第1の合成手段の
    出力中から前記希望音声信号が低減除去された状態の雑
    音低減残差出力パワーを最小化するように、適応処理を
    行って、前記第2の収音手段の出力信号から前記第1の
    収音手段の出力に含まれる雑音信号に近似する出力信号
    を形成し、 前記第1の合成手段から、前記第1の収音手段の出力か
    ら前記雑音信号が低減除去された出力信号を得るように
    した適応型雑音低減システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の適応型雑音低減システ
    ムにおいて、 前記第3の収音手段は、前記第1及び第2の収音手段と
    は、独立に設けられてなる適応型雑音低減システム。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の適応型雑音低減システ
    ムにおいて、 前記第3の収音手段は、前記第1及び第2の収音手段の
    出力信号を合成して前記希望音声信号を得るようにする
    ものである適応型雑音低減システム。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の適応型雑音低減システ
    ムを、前記希望音声信号を外乱として見立てて動作さ
    せ、前記適応フィルタ手段における適応動作から前記希
    望信号を含む未知の系の伝達特性を同定するようにする
    未知の系の伝達特性同定方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030018106A (ko) * 2001-08-27 2003-03-06 컬쳐콤. 테크놀로지(마카오) 리미티드 사운드 신호 처리 방법
JP2011135119A (ja) * 2009-12-22 2011-07-07 Yamaha Corp 音信号処理装置
JP2011135118A (ja) * 2009-12-22 2011-07-07 Yamaha Corp 音信号処理装置

Cited By (3)

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