JPH0628388U - ボールチェーン取付け具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数連のボールチェーンを並列に組み合わせ
る取付け具であって、取付け具本体の全長に亘って取付
けることができ、また本体の強度が向上できるようにす
る。 【構成】 一端を封じ他端を開放した筒状の本体１ａ
に、開放口４より他端の近傍までスリット５を設け、本
体１のスリット５と対称面に連結部材６を本体１の長手
方向に沿って設け、前記開放口４に加締めによる封止部
７を周縁より突出した複数の突片で形成したもので、本
体１ａ内に複数連のボールチェーン２の端の各ボール３
を嵌め込み、スリット５にボールチェーン２の連結杆１
０を通し、封止部７を加締めて開放口４を封じて取付け
るものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、スライドファスナーのスライダー、鍵、名札などにボールチェーン を取付ける際に用いるボールチェーン取付け具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ボールチェーンを例えばスライドファスナーのスライダーに取付けて引手の機 能を与えようとするもので、その場合１本に限らず複数連のボールチェーンを並 列して取付けることによって、装飾的価値を高めた引手となるものである。この ようにボールチェーンを取付け対象となる物品に取付ける手段として、実公昭４ ５−５４５４号公報（Ａ）、あるいは実開平２−４３９号公報（Ｂ）などによっ て開示してある。（Ａ）公報のものは、スリットを設けたパイプ内に複数本のボ ールチェーンの各端部ボールを差し込み、スリットに各ボールチェーンの連結杆 を差し通して取付け、このパイプを、Ｕ状に彎曲した枠体の両端部に有する両折 曲部間に嵌め込み、その両折曲部で各ボールを挟圧するものである。一方、前記 （Ｂ）公報のものは、断面Ｃ形の抱持部に取付部を設け、抱持部内にボールを納 め込み、抱持部の開口部を封じるように加締めてほぼ球状に変形して取付けるも のである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記（Ｂ）公報のものは開口部よりボールを入れ、その開口部を加締めて封じ る技術が確立しているが、１連のボールチェーンのみ取付ける形態のもので、複 数連のボールチェーンを並列して取付ける点について記載されていない。一方、 （Ａ）公報には複数のボールチェーンを並設する点が記載してあるが、前述のよ うにボールチェーンを支持した抱持部の両端を枠体の両折曲部間に挟圧して取付 けるものであるから、枠体の両端部にボールチェーンを取付けることができない ことから、枠体の長さより列設したボールチェーン全体の幅が狭くなり、キーホ ルダーのように装飾的機能のみであれば問題がないが、ボールチェーンの部分を ベルトやスライドファスナー用スライダーの引手の如く引張り力が加わる部材と して用いる場合には、幅の狭い方から幅の広い方を引くことになり、抱持部の中 央部分に集中して大きな引張り力が加わりその耐久性に問題がある。

【０００４】 本考案は以上の問題点を解決することにあり、複数連のボールチェーンを並列 して取付けることができて、しかも複数連のボールチェーンを取付け具の長さ一 杯に取付けることができることを目的として提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案による解決手段は、有底で他端口を開放した筒体を本体となし、該本体 は内部に複数連のボールチェーンの各ボールが嵌まる太さに形成してあり、本体 の外周面に長手方向に沿って突出する連結部材を備え、本体の開放口より長手方 向にボールチェーンの連結杆が挿通できるスリットを有底の閉鎖口近傍にまで設 けると共に、この本体の開放口に加締めによって封鎖できる封止部を設けている ことを特徴とする。

【０００６】 尚、上記の封止部が、本体の外周より突出した複数の突片で形成し、各突片を 互いに寄り合うように加締めて封鎖する構造による場合、あるいは、本体の開放 口縁に肉厚部を形成し、該開放口内に嵌め込んだ別体のキャップを肉厚部の加締 めによって封鎖する場合がある。

【０００７】 また他の解決手段として、両端口をそれぞれ封鎖した筒体を本体となし、該本 体（１ｂ）は内部に複数連のボールチェーンの各ボールが嵌まる大きさに形成し てあり、本体の外周面に長手方向に沿って突出する連結部材を備え、本体の両端 部間にボールチェーンのボールが通過できる挿入口を設け、該挿入口の周縁にお ける両端部間の区間に起立片を、その起立片を本体の外周壁に沿うように加締め た際に、ボールチェーンの連結杆を挿通できるスリットができると共に、起立片 の両端部に、ボールチェーンのボールより小径の透孔が空くように形成してある ことを特徴とする。

【０００８】

【作用】

以上の構成であれば、本体の長手方向に沿って連結部材を突設したこと、本体 の長手幅一杯にボールチェーンを取付けることができ、前記本考案の目的を達成 することができる。

【０００９】

【実施例】

本考案を具体的に説明すると、図１に示す取付け具は、図２に示すようにスラ イドファスナー用スライダーＳの引手Ｄとして使用するように構成したものであ る。

【００１０】 取付け具の本体１ａは、有底で一方を開放した金属製の円筒体よりなり、内部 に複数連のボールチェーン２の各１個のボール３が挿入し得る大きさに形成して あり、該本体１ａの外周面に開放口４より有底側の近傍に亘ってスリット５を備 え、スリット５の対称側に連結部材６を本体１ａの長手方向に亘って突設し、更 に本体１ａの開放口４の口周縁に複数の突片よりなる封止部７ａを設けたもので ある。尚、本体１ａの底は半球状に形成してある。また前記連結部材６は装飾部 ８を介してクランプ部９を備えるものである。

【００１１】 前記ボールチェーン２は中空のボール３を複数個棒状の連結杆１０で、各ボー ル３ごとに順次連結したもので、連結した各ボール３間には間隔を有するもので ある。

【００１２】 上記ボールチェーン２を本体１ａに組み込む手段は、図３と図４に示している ように、本体１ａの開放口４より複数連のボールチェーン２の各端部のボール３ を順次挿入し、且つ各連結杆１０をスリット５に通す。次いで加締め金型１１ａ で開放口４の封止部７ａを加締めて半球状に封鎖するものである。従って加締め 金型１１ａに封止部７の各突片を彎曲するための半球の凹部１２と、開放口４寄 りに設けたボールチェーン２のボール３の一部が嵌まる切欠凹部１３とを備えて いる。

【００１３】 図５に示す例は、前記例とほぼ同様であるが、その違いは封止部７ｂにある。 即ち、本体１ａの開放口４の周縁を外方へ突出するように肉厚に形成し、この開 放口４内にキャップ１４ａを嵌め、且つ加締めてキャップ１４ａを本体１ａと一 体的に固着するものである。尚、キャップ１４ａは半球の頭部に脚部１５を突設 し、脚部１５にフランジ１６を設けたものである。

【００１４】 上記のキャップ１４ａを本体１ａの開放口４に加締めて固着する手段は、図５ から図７に示すように、開放口４にキャップ１４ａを嵌め込んでから、左右一対 の金型１１ｂで開放口４の肉厚の封止部７ｂを加締めることによって、その肉厚 の封止部７ｂが塑性変形され、その肉がキャップ１４ａの頭部とフランジ１６間 に流入して固着されるものである。

【００１５】 図８と図９に示す例は前記図５の例の変形例であって、本体１ａの開放口４の 周縁に一対の突起片１７を対称的に突設し、これに嵌めるキャップ１４ｂは、頭 部に脚部１５を突設し、頭部の裏面に前記突起片１７を屈曲して嵌まり込む係合 溝１８を設け、脚部１５の底面にボール３の一部が嵌まる係合部１９を設けたも ので、金型１１ｃで加締めることによってキャップ１４ｂを本体１ａに一体的に 取付けられる。

【００１６】 次ぎに図１０に示す例の本体１ｂは両口を半球状に封鎖した円筒体よりなり、 前記と同様に連結部材６を備え、これと対称する側の両端部にボール３が嵌まり 込む大きさの半円の透孔２０を設け、両透孔２０，２０間に、両透孔２０，２０ 間に本体１ｂの壁を刳り起こした状態の起立片２１，２１と挿入口２２を設けた ものである。尚、前記起立片２１，２１は、その間の挿入口２２よりボール３を 納めた後に元の状態に変形するものであるが、その際両起立片２１，２１間にボ ールチェーン２の連結杆１０が通過できるスリット５ができる幅をもって形成し てある。

【００１７】 上記取付け具の本体１ｂにボールチェーン２を取付ける手段は、図１１と図１ ２に示しているように、左右一対の上下割り金型１１ｄ，１１ｄのうち、一方の 割り金型１１ｄにボールチェーン２を挾持し、他方の金型１１ｄに本体１ｂを挾 持し、両割り金型１１ｄ，１１ｄを寄せ付けるに従って、先端の各ボール３が本 体１ｂ内に挿入口２２より嵌まり込み、次いで両起立片２１，２１で挿入口２２ をスリット５を明けて閉鎖し、本体１ｂにボールチェーン２が連結されるもので ある。尚、両端の透孔２０，２０に前述のように半円であり、その残り半分は両 起立片２１，２１で封鎖されるので、透孔２０に対応するボールチェーン２は脱 落することがない。

【００１８】

【考案の効果】

本考案によるボールチェーン取付け具によれば、一端口を封じ他端口を開放し た筒状の本体にその長手方向に連結部材を突設し、その対称部位に開放口より封 じた端の近傍にまでスリットを設け、開放口に加締めによる封止部を設けたもの で、この本体内にボールチェーンの端のボールを嵌め、スリットにボールチェー ンの連結杆を通し、封止部を加締めて取付けることができるから、ボールチェー ンを本体のほぼ全長に亘って取付けることができ、しかも連結部材が本体の長手 方向に設けてあることから、ボールチェーン側から引張り力を与えても、本体に 部分的荷重が加わることがなく、全体に等分布荷重として加わり、強度に対する 耐久性を向上することになる。また、スリットを本体の端部近傍にまで設けてボ ールチェーンを取付けたものであるから、本体の長さと各ボールチェーンの全幅 とがほぼ同様になり、体裁が良好になる。

【００１９】 更に、両端を封じた本体の両端部に透孔を設け、その間に起立片を設けたもの であれば、ボールチェーンを本体の全長に亘って設けられることは勿論、中間部 に有する起立片を加締めるのみであるから、加締めが容易であり、本体の両端間 一杯に各ボールチェーンを確実に保持することができるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるボールチェーン取付け具を示す斜
視図である。

【図２】スライダーの引手として用いた例を示す正面図
である。

【図３】本体にボールチェーンを嵌め込んだ状態を示す
正面図である。

【図４】本体を加締めた時の状態を示す正面図である。

【図５】本考案によるボールチェーン取付け具の類例
と、その加締め前の状態を示す正面図である。

【図６】同じく加締め時の状態を示す正面図である。

【図７】同じく平面図である。

【図８】本考案によるボールチェーン取付け具の更に他
の類例を示す斜視図である。

【図９】加締め時の状態を示す正面図である。

【図１０】本考案によるボールチェーン取付け具の他の
例を示す斜視図である。

【図１１】加締め前の状態を示す正面図である。

【図１２】加締め時の状態を示す正面図である。

【符号の説明】

１ａ，１ｂ 本体 ２ ボールチェーン ３ ボール ４ 開放口 ５ スリット ６ 連結部材 ７ 封止部 １０ 連結杆 １４ａ，１４ｂ キャップ １７ 突起片 ２０ 透孔 ２１ 起立片

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 有底で他端口を開放した筒体を本体（１
   ａ）となし、該本体（１ａ）はその内部に複数連のボー
   ルチェーン（２）の各ボール（３）が嵌まる大きさに形
   成してあり、本体（１ａ）の外周面に長手方向に沿って
   突出する連結部材（６）を備え、本体（１ａ）の開放口
   （４）より長手方向に、ボールチェーンの連結杆（１
   ０）が挿通できるスリット（５）を有底の閉鎖口近傍に
   まで設け、本体（１ａ）の開放口（４）に加締めによっ
   て封鎖できる封止部（７ａ，７ｂ）を設けていることを
   特徴とするボールチェーン取付け具。
2. 【請求項２】 前記封止部（７ａ）が、本体（１ａ）の
   外周より突出した複数の突片で形成し、各突片を互いに
   寄り合うように加締めて封鎖することを特徴とする請求
   項１に記載のボールチェーン取付け具。
3. 【請求項３】 前記封止部（７ｂ）が、本体（１ｂ）の
   開放口（４）縁に肉厚部を形成し、この開放口（４）内
   に嵌め込んだ別体のキャップ（１４ａ，１４ｂ）を肉厚
   部の加締めによって封鎖することを特徴とする請求項１
   に記載のボールチェーン取付け具。
4. 【請求項４】 両端口をそれぞれ封鎖した筒体を本体
   （１ｂ）となし、該本体（１ｂ）は内部に複数連のボー
   ルチェーン（２）の各ボール（３）が嵌まる大きさに形
   成してあり、本体（１ｂ）の外周面に長手方向に沿って
   突出する連結部材（６）を備え、本体（１ｂ）の両端部
   間にボールチェーンのボール（３）が通過できる挿入口
   （２２）を設け、該挿入口（２２）の周縁における両端
   部間の区間に起立片（２１）を、その起立片（２１）を
   本体（１ｂ）の外周壁に沿うように加締めた際に、ボー
   ルチェーンの連結杆（１０）を挿通できるスリット
   （５）ができると共に、起立片（２１）の両端部に、ボ
   ールチェーンのボール（３）より小径の透孔（２０，２
   ０）が空くように形成してあることを特徴とするボール
   チェーン取付け具。