JPH0540351Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、ボールチエーンに鍵、名札、スライ
ダー等種々の物品を取付ける場合に用いるボール
チエーンの取付具に関するものである。

従来の技術 従来のボールチエーンの取付具は、例えば実公
昭48−34417号公報に示すように、中央の大径の
円柱部Ａと、上方先端部の折曲し易い様にテーパ
ー状に形成した、切欠溝Ｃをもつた縁部Ｂと、下
方の取付物体Ｇに嵌合して取付けるようにした小
径の嵌合部Ｄからなつており、そして本体の上部
に穿設した孔ＥにボールＦを収納し、テーパー状
に形成した上方先端部の縁部Ｂを内側に折曲して
ボールＦを遊嵌するようにしたものが知られてい
た。（例えば第８乃至１０図参照） 考案が解決しようとする課題 しかしながら前記のボールチエーンの取付具
は、ボールチエーンの連結杆Ｈの引出し用の切欠
溝Ｃがあるため引張り強度が弱く、デザイン的に
も美観を損うものであつた。

そこで本考案は引張り強度を増し、デザイン的
にも美しくするため、ダイカスト成形によつてボ
ールチエーンの取付具を一体的に構成するように
したものであつて、特にダイカスト製品に多いか
しめ加工時の割れや折れ等の発生をなくして、引
張り強度の高いデザイン的に美しいボールチエー
ンの取付具を提供することを目的としたものであ
る。

課題を解決するための手段 本考案は、上記目的を達成するために、ボール
チエーンの端部のボール７をその内部に収納し、
かしめて抱持する抱持部１と、所望の物品を取付
ける取付部２とよりなるダイカスト製取付具にお
いて、前記抱持部１を半球状に形成すると共にそ
の肉厚を、その取付部２に連続する基部４より先
端に向つて次第に薄くして、円形開口部６の縁部
５の外周面を内方に傾斜した曲面に形成してボー
ルチエーンの取付具を構成したものである。

実施例 以下本考案の実施例について図面を参照して説
明する。

第１図は本考案のボールチエーンの取付具の側
面を示したもので、ボールチエーンは、抱持部１
と取付部２よりなる亜鉛、亜鉛合金、アルミ合金
等の金属をダイカスト成形によつて一体に構成し
たものである。抱持部１は第２図の断面図に示す
ように、略釣鐘状で先端は円形開口部６となつて
おり、先端より抱持部１内にボールチエーンの端
部に位置するボール７を収納遊嵌するようになつ
ている。そして抱持部１は、取付部２に連続する
基部４から縁部５にかけて、その肉厚を次第に薄
く形成するように構成されている。特に縁部５の
先端の円形開口部６の縁は、かしめ加工において
割れや折れ等の発生を防ぐために、プレス型の成
型面の曲面に沿う内接曲面とするように、その断
面において抱持部の円形開口部６の縁が形成する
水平面に対して例えば45度に傾斜させたテーパー
面３となるように形成されている。

また取付部２は、抱持部１と連続して一体に構
成されていて、その中央には取付孔９があり、第
６図に示すように、この取付孔９内に鍵２１また
は名札２２を取付けたリンク２０を挿通して取付
けるようになつている。なお取付孔９の代りに第
７図の上部に示すようにかしめ部９ａを設けて、
装飾引手２３をかしめつけて取付けてもよく、ま
た第７図の下部に示すように取付部２に連結具２
４を嵌合してスライドフアスナーのスライダーの
引手２５を取付けるようにしてもよいし、この連
結具２４を除いてスライダーの引手２５と取付部
２とを一体に成形するようにしてもよい。

第３図乃至第５図は本考案のボールチエーンの
取付具にボールチエーンの端部のボールをかしめ
て抱持部に遊嵌する工程を示したもので、第３図
はプレス装置の上型１０にボールチエーンの取付
具を、下型１１にボールチエーンのボールを取付
けた状態を示したもので、ボールチエーンの取付
具は上型１０の下方にバネ１２により付勢した保
持部材１３によつて、その取付部２が保持されて
おり、抱持部１に遊嵌するボール７は、左右に分
れた下型１１の固定型１５に右の型１４を移動さ
せて第３図に示すようにボールチエーンの連結子
８を挾持し、左右の下型が形成する鏡面仕上げを
施した成型面１６内に載置される。次いでボール
チエーンの取付具を取付けた上型１０が下降し、
第４図に示すように取付具の抱持部１内にボール
７を収納する。そして抱持部１の先端の円形開口
部６の縁に形成したテーパー面３が、下型１１の
成型面１６の曲面に接触する。この時テーパー面
３と成型面の曲面とは略相似状態で内接する。更
に上型１０が下降すると、第５図に示すように抱
持部１の縁部５が下型１１の成型面１６によつて
徐々に内方に屈曲され、抱持部１内に収納したボ
ール７をかしめつけて脱落しないようにする。こ
の時抱持部１内の空間部の上方に第５図に示すよ
うに若干の空〓を残すようにかしめつけて、抱持
部１内に収納したボール７が回動できるように遊
嵌する。このように抱持部１の円形開口部６に形
成したテーパー面３を、下型１１の成型面１６の
曲面に内接させながら、基部４より次第に肉厚を
薄くした縁部５を徐々に屈曲させてかしめつける
ようにしたため、縁部５に割れや折れ等の発生が
なくま型によつて傷つくようなことも生じない。

考案の効果 本考案は、上述のとおりの構成であつてダイカ
スト製の取付具の半球状の抱持部の肉厚を先端に
向つて次第に薄くして、円形開口部の縁部の外周
面を内方に傾斜した曲面に形成して、抱持部内に
収納したボールを抱持部全体を少しずつ折曲して
かしめつけるようにしたため、かしめ加工時に起
り易い抱持部の縁部の割れや折れ等が発生するこ
となくまたプレス型によつて傷つくこともなくボ
ールを回動自在にかしめつけることができ、その
結果抱持部の引張り強度が向上し、傷もなく手ざ
わりも良好でデザイン的にも美しい構成とするこ
とができる等優れた実用的効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のボールチエーンの取付具の側
面図、第２図は同じく断面図、第３図、第４図、
第５図はボールチエーンの取付具にボールをかし
めつける状態を段階的に示した断面図、第６図お
よび第７図は本考案のボールチエーンの取付具の
使用状態を示した斜視図と平面図、第８図、第９
図、第１０図は公知のボールチエーンの取付具の
斜視図、平面図、第９図のＸ−Ｘ線の断面図であ
る。 １……抱持部、２……取付具、３……テーパー
面、６……円形開口部、７……ボール、１０……
上型、１１……下型、２１……鍵、２２……名
札、２３……装飾引手。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボールチエーンの端部のボール７をその内部に
   収納し、かしめて抱持する抱持部１と、所望の物
   品を取付ける取付部２とよりなるダイカスト製取
   付具において、前記抱持部１を半球状に形成する
   と共にその肉厚を、その取付部２に連続する基部
   ４より先端に向つて次第に薄くして、円形開口部
   ６の縁部５の外周面を内方に傾斜した曲面に形成
   したボールチエーンの取付具。