JPH06281591A - 中空糸モジュールの検査装置 - Google Patents

中空糸モジュールの検査装置

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JPH06281591A
JPH06281591A JP9541293A JP9541293A JPH06281591A JP H06281591 A JPH06281591 A JP H06281591A JP 9541293 A JP9541293 A JP 9541293A JP 9541293 A JP9541293 A JP 9541293A JP H06281591 A JPH06281591 A JP H06281591A
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修三 武田
Takashi Nagayama
孝 長山
Isamu Kawada
勇 川和田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 中空糸モジュールにおける不浸透欠陥を高い
精度でかつ簡単に検出することを目的とする。 【構成】 中空糸モジュールを支持する支持装置1と、
前記中空糸モジュールの端面から所定距離離れた位置に
おいて該モジュールと略同軸上に配置されかつ外径が該
モジュールの外径以上であるリング状の光出射部202
Aと、前記中空糸モジュールの端面に対向しかつ前記光
出射部202Aから照射された光の前記端面での正反射
光が入射しない位置で、前記中空糸モジュールの端面の
細分化された領域ごとの光量を測定する第1の測光装置
3Aと、前記中空糸モジュールの端面における任意の1
の選択点の測光量もしくは2以上の選択点の平均測光量
に任意のオフセット量を加算して閾値を演算し、この閾
値によって前記端面の測光量を2値化する2値化処理部
403と、前記2値化により分別された一方の側の総面
積を基準値と比較することで、中空糸モジュールが両品
であるか否かを判別する演算判定部502とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、中空糸内を
通過する血液と前記中空糸外を通過する透析液間で物質
交換する透析器等に用いられる中空糸モジュールのため
の検査装置に関し、特に前記樹脂剤が必要な位置まで浸
透していない欠陥(以下、不浸透欠陥という。)および
前記中空糸の糸束の端部を固める樹脂剤が中空糸の端部
からその内部に入り込んでいる欠陥(以下、不通糸欠陥
という。)を検出するのに好適な中空糸モジュールの検
査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、血液透析器は半透膜によ
って血液と透析液を仕切ってなるもので、透析器内に導
入した血液と透析液との圧力および濃度差によって、前
記血液と透析液の間で物質交換することによって、血液
内の不純物を除去しこの血液を浄化するようにしたもの
である。
【0003】このような血液透析器として、図25に示
すように、両端面開放でかつ左右対称形状の略円筒状の
透明容器A内に、半透膜でなりかつ両端面開放の複数の
中空糸により構成される略円筒状の糸束Bを配設した中
空糸モジュールMを用いたものがある。この中空糸モジ
ュールMは、前記容器Aの両端部に、この容器Aの内周
面および前記糸束Bを構成する中空糸の外周面に密着す
るウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂剤からなる所定厚みの
樹脂剤層C1 ,C2 を有しており、この樹脂剤層C1 ,
C2 によって、中空糸内の血液室と中空糸外の透析液室
を仕切るようにしている。すなわち、この図25に示す
ような中空糸モジュールMを用いた透析器では、中空糸
内を通過する血液と容器A内において前記中空糸外を通
過する透析液の間で物質交換が行われる。
【0004】図25に例示した血液透析器は、一般に次
のように構成される。
【0005】まず、多数本の中空糸を束ねた円筒状の糸
束Bを図26に示すように前記容器Aに対し、この容器
Aを貫通した状態に配置する。次に、前記容器Aの両端
面に樹脂剤層C1 ,C2 を形成する加工を行い、図25
に示す中空糸モジュールMとなし、次に容器Aの両端部
にエンドキャップD1 ,D2 を装着して構成する。これ
らエンドキャップD1 ,D2 に予め形成したノズルd1
,d2 は血液導入部および血液排出部であり、前記容
器Aに予め形成したノズルd3 ,d4 は透析液排出部お
よび透析液導入部である。
【0006】図25の中空糸モジュールは以上のように
して構成されるが、この中空糸モジュールには、前述の
樹脂剤層C1 ,C2 を形成する工程において、中空糸束
の単糸相互間に樹脂剤が十分浸透しない欠陥(以下、不
浸透欠陥という)および中空糸の中空穴が樹脂剤で閉塞
される欠陥(以下、不通糸欠陥という)が生じることが
ある。こうした不浸透欠陥や不通糸欠陥は、人工透析治
療において治療効果を低下させる等の種々の問題の原因
となるため、製造工程において各中空糸モジュールごと
に検査することが必要である。
【0007】前述の不浸透欠陥は、中空糸が密集してい
る樹脂剤層C1 ,C2 の端面の中央部で発生し易く、そ
の欠陥部分は比較的樹脂剤が少ないため正常部分と比べ
て白色の度合が強い。一方、不通糸欠陥による欠陥部分
は、中空糸端部が樹脂剤で固められ中空糸の開口端も閉
塞されているので、樹脂剤層C1 ,C2 の端面の該欠陥
部の光沢の程度が正常部分と比べて強い。従来、こうし
た不浸透欠陥や不通糸欠陥は、前述の樹脂剤層の端面の
白色の度合いや糸束部の部分的な光沢の程度を、検査員
が目視により識別することで検査するようにしていた。
しかしながら、こうした目視による検査の精度は、検査
員の検査能力やその時の体調等により、必ずしも一定の
水準を満たしていない場合が予想される。
【0008】目視による検査において、上述のような検
査ミスを発生させないようにするため細心の注意と多大
な検査時間をかけているのであるが、大量の中空糸モジ
ュールの検査を行う場合には作業時間の短縮を図る上で
も支障となる。すなわち、製造工程を完全に自動化しコ
ストの低減を図るようにするためには、前記のような不
浸透欠陥や不通糸欠陥の検出も自動的に行えるようにす
る必要がある。
【0009】目視によらずかつ自動的に上記の中空糸モ
ジュールにおける不浸透欠陥や不通糸欠陥を検出する一
般的な方法として、光を照射した樹脂剤層C1 ,C2 の
端面をテレビカメラで撮像し、その画像信号を処理して
判定する方法が考えられる。このように、光を照射した
検査対象面を撮像し、その画像信号を処理することによ
って表面状態を評価する方法として、特開昭61―20
1105号公報に開示される方法がある。この公報に開
示される方法では、検査対象面に斜めから光を照射し、
この検査対象面の画像信号を所定の閾値で2値化するこ
とで、前記検査対象面の陰影に対応する部分の面積を算
出するようにしており、この算出面積の大きさから、検
査対象面の表面状態を評価するようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
不浸透欠陥や不通糸欠陥を検出する場合、上記公報に開
示される方法では以下のような問題があった。
【0011】まず、不浸透欠陥の検査では、検査対象面
である樹脂剤層C1 ,C2 の端面全体を均一に照明する
必要があるのに対し、前記公報に開示されるように検査
対象端面に斜めから光を照射する方法では、光源から前
記検査対象端面までの距離が一定でないために、検査対
象端面上の輝度分布が不均一になるという問題があっ
た。このように斜めから光を照射する場合、光源を検査
対象面から遠ざけることで輝度分布を均一化することが
できるが、同時に、正反射により高輝度点が発生すると
いう問題が生じる。これは、輝度分布を均一化するため
に前記検査対象端面に直交する位置に光源をおいた場合
にも同様に生じる問題である。一方、検査対象端面を斜
めから照射する方法を採用する場合、前記検査対象端面
を輝度分布が一定範囲にある複数の領域に分割し、分割
した領域毎に条件を変えて検査することも考えられる
が、このような方法は前述の条件設定が繁雑で検査時間
を要するため実用的ではない。
【0012】なお、検査対象面を均一に照射し且つ局部
的な高輝度点の発生がない照射手段として、図27に示
すような複数光源701と形状および特性に工夫を施し
た拡散板702を組合せてなる光照射手段700が公知
であるが、このような光照射手段700は設計が微妙且
つ複雑で高価になる欠陥がある。
【0013】ところで、一般に円形である中空糸モジュ
ールの端面を均一照射するには、光源の形は円形ないし
はリング状であることが適当であることは容易に推察さ
れる。しかしながら、円形ないしはリング照明は幾何学
的な作用効果から通常リング中心軸上の照明効果が最も
強く半径方向に弱くなる現象は避け難い。また、リング
径が小さい場合や遠く離して配置した場合は、既述の場
合と同様、正反射による高輝度点が発生する。さらに、
リング照明における半径方向の照明むらは、前方に拡散
性円筒反射板を設けても緩和されるにとどまり、前述の
ような不浸透欠陥を的確に把える照明効果は得られな
い。
【0014】一方、既述のように、前記樹脂剤層C1 ,
C2 の端面における不通糸欠陥部分は正常部分と比較し
て光沢がある。このように、面上において光沢の程度が
強い部分の検出方法としては、斜方向照明の正反射光の
程度を検出する方法が最も一般的である。しかし、この
ような方法では、以下の(1)〜(3)の理由により不
通糸欠陥を精度よく検出することができない。 (1)中空糸の肉厚が厚いモジュールでは、正常部と不
通糸欠陥部の差が顕著でない。 (2)樹脂剤層C1 ,C2 の端面を成形する工程で、端
面上における正常部と不通糸欠陥部の差が出難くなる場
合がある。 (3)不通糸欠陥が糸束部分の外周辺部に発生した場合
は、糸束部外側の樹脂剤のみの部分と全く区別がつかな
い。
【0015】発明者は、前記樹脂剤層C1 ,C2 の端面
における不通糸欠陥部分を観察した結果、こうした不通
糸欠陥部においては、中空糸の開口端を塞ぐ樹脂剤及び
この不通糸欠陥部の中空糸を固める樹脂剤に、極微小気
泡が密集した気泡群である白色の小塊が存在することを
見出した。この白色気泡群の小塊は、前記端面の表面だ
けでなく樹脂剤層の内部に入り込んでいる場合もある。
すなわち、このような白色気泡群を検出するには、端面
表面の気泡群を検出するとともに、樹脂剤層の内部にあ
る白色気泡群すなわち糸束周辺部分にあり且つ端面表面
下に潜っている白色気泡群をも把える必要がある。この
ため、前述した不浸透欠陥の検出の場合のように正反射
を避けてこの端面を均一に照明することを考慮するのに
加え、樹脂層内部の照明をも考慮する必要がある。
【0016】
【発明の目的】本発明の第1の目的は、複数の中空糸の
端部を樹脂剤により固めた樹脂剤層を有する中空糸モジ
ュールの良否、特に不浸透欠陥の有無による良否を検査
する装置であって、簡単な方法で検査対象表面を均一に
照明することで、中空糸モジュールの樹脂剤層における
不浸透欠陥を精度よく且つ容易に検出できる中空糸モジ
ュールの検査装置を提供することにある。
【0017】本発明の第2の目的は、複数の中空糸の端
部を樹脂剤により固めた樹脂剤層を有する中空糸モジュ
ールの良否、特に不通糸欠陥の有無による良否を検査す
る装置であって、検査対象面に対する照明手段を工夫す
ることで、中空糸モジュールの樹脂剤層における不通糸
欠陥を精度よく且つ容易に検出できる中空糸モジュール
の検査装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1の中空糸モジュ
ールの検査装置は、複数の中空糸の端部を樹脂剤により
固めた樹脂剤層を有する中空糸モジュールの検査装置で
あって、前記中空糸モジュールを支持する支持手段と、
前記中空糸モジュールの端面から所定距離離れた位置に
おいて該モジュールと略同軸上に配置されかつ外径が該
モジュールの外径以上であるリング状の光出射部と、前
記中空糸モジュールの端面に対向しかつ前記光出射部か
ら照射された光の前記端面での正反射光が入射しない位
置で、前記中空糸モジュールの端面の細分化された領域
ごとの光量を測定する測光手段と、前記中空糸モジュー
ルの端面における任意の1の選択点の測光量もしくは2
以上の選択点の平均測光量に任意のオフセット量を加算
して閾値を演算するとともに、前記測光手段が測定した
各領域ごとの測光量を前記閾値で2値化した2値化信号
を出力する2値化処理手段と、前記2値化処理手段の処
理結果に基づいて中空糸モジュールが不良品であるか否
かを判別する判別手段とを備える。
【0019】請求項2の中空糸モジュールの検査装置
は、複数の中空糸の端部を樹脂剤により固めた樹脂剤層
を有する中空糸モジュールの検査装置であって、前記中
空糸モジュールを支持する支持手段と、前記中空糸モジ
ュールの端面から所定距離離れた位置において該モジュ
ールと略同軸上に配置されかつ外径が該モジュールの外
径以上であるリング状の第1の光出射部と、前記充填樹
脂剤に対応する位置で前記中空糸モジュールに側方から
光を照射すべく前記樹脂剤層を囲繞するリング状の第2
の光出射部と、前記中空糸モジュールの端面に対向しか
つ前記第1の光出射部から照射された光の前記端面での
正反射光が入射しない位置で、前記中空糸モジュールの
端面の細分化された領域ごとの測光量を測定する測光手
段と、前記中空糸モジュールの端面における任意の1の
選択点の測光量もしくは2以上の選択点の平均測光量に
任意のオフセット量を加算して閾値を演算するととも
に、前記測光手段が測定した各領域ごとの測光量を前記
閾値で2値化した2値化信号を出力する2値化処理手段
と、前記2値化処理手段の処理結果に基づいて中空糸モ
ジュールが不良品であるか否かを判別する判別手段とを
備え、かつ、前記第1の光出射部と第2の光出射部は、
前記撮像カメラにより撮像した、中空糸の端部が樹脂剤
により目詰まりを起こしていない中空糸モジュールでの
前記測光量の分布が、少なくとも前記端面における前記
中空糸領域においてフラットとなる光を照射する。
【0020】請求項3の中空糸モジュールの検査装置
は、請求項1又は2において、前記判別手段による判別
結果に基づいて欠陥中空糸モジュールを分別する分別手
段を備えている。
【0021】
【作用】請求項1の中空糸モジュールの検査装置による
と、リング状の光出射部によって、支持手段に支持され
た中空糸モジュールの端面を、その中央部の光量が周辺
部の光量とほぼ等しいかもしくは周辺部の光量よりも大
である光量分布で照射する。2値化処理手段は、検査す
る中空糸モジュールごとに個別に閾値を演算するととも
に、検査対象の中空糸モジュールに関する端面の光量を
細分化された領域ごとに2値化し、判別手段は、前記2
値化処理手段が出力する2値化信号に基いて中空糸モジ
ュールが不良品か否かを判別する。
【0022】請求項2の中空糸モジュールの検査装置に
よると、第1および第2の光出射部から光を照射するこ
とで、中空糸の端部が樹脂剤により目詰まりを起こして
いない中空糸モジュールの端面における光量分布をほぼ
フラットにしている。2値化処理手段は、検査する中空
糸モジュールごとに個別に閾値を演算するとともに、検
査対象の中空糸モジュールに関する端面の光量を細分化
された領域ごとに2値化し、判別手段は、前記2値化信
号に基づいて中空糸モジュールが不良品であるか否かを
判別する。
【0023】請求項3の中空糸モジュールの検査装置に
よると、前記判別手段による判別結果に基づき、欠陥中
空糸モジュールを自動的に生産ラインから取り除くこと
ができる。
【0024】
【実施例】本発明による中空糸モジュールの検査装置
(以下、単に検査装置という。)の実施例を図1に示
す。この図1の検査装置は、中空糸モジュールMの支持
装置1、第1の光照射装置2A、第2の光照射手段2
B、第3の光照射手段2D、第4の光照射手段2E、第
1の測光装置3A、第2の測光装置3D、第3の測光装
置3E、異常検出用信号形成部4、判別装置5、表示部
6および操作指令部7を備えている。
【0025】以上のようしてなる検査装置は、中空糸モ
ジュールMに発生する、I.不浸透欠陥、II.糸乱れ欠
陥、III.不通糸欠陥、IV. 剥離欠陥、V.発泡欠陥を検
査する。以下に、これらの検査項目別に各部の構成と動
作を説明する。
【0026】I.<不浸透欠陥の検査> 不浸透欠陥については既述しているのでここでの説明は
省略する。
【0027】支持装置1は、図2に示すように、中空糸
モジュールMを搭載するもので、且つ、この中空糸モジ
ュールMの軸心C0 が後述する集光レンズ32Aとテレ
ビカメラ31Aの光学中心軸32Aaと平行になるよう
にこの中空糸モジュールMの傾きを調整することができ
るとともに、この中空糸モジュールMをその品種毎に異
なる外径に適応して上下左右に移動させることで、前記
軸心C0 を前記光学中心軸32Aaに合致させることが
できる。
【0028】この不浸透欠陥の検査では、光照射装置と
して、第1の光照射装置2Aを用いる。図2に示すよう
に、この第1の光照射装置2Aは、第1の光源201A
および第1のリング状出射部202Aを備えている。
【0029】第1の光源201Aは、後述する操作指令
部7より与えられた指令に基づいて、リング状出射部2
02Aからの光の出射のオン・オフおよび光強度の調整
を行う。
【0030】図3に示すように、リング状出射部202
Aは、拡散性で発光面積の広いタイプが好ましく、この
実施例では市販の環状螢光灯を用いている。また、この
リング状出射部202Aは、中空糸モジュールMの端面
を均一に照射するとともに後述するCCDカメラ31で
取り込む前記中空糸モジュールMの端面の画像に高光量
点が発生しないように、数1を満足する位置に設けられ
ている。
【0031】
【数1】d>(1+L/L0 )・D
【0032】ここでdはリング状出射部202Aの内径
(リング状出射部202Aが多角形である場合は、内接
円の径)、Lは中空糸モジュールMの端面からリング状
出射部202Aまでの距離、L0 は前記端面とCCDカ
メラ31間の距離、Dは中空糸モジュールMの端面の直
径である。内径d、距離L0 および直径Dが一定である
場合、上記数1を満足する中空糸モジュールMの端面か
らリング状出射部202Aまでの距離Lの最大値L1
は、
【0033】
【数2】L1 =(d−D)・L0 /D
【0034】となる。断面円形の中空糸モジュールMで
は、前記リング状出射部202Aと中空糸モジュールM
の端面の距離Lを数2で得た最大値L1 とすると、図4
(a)に示すように、前記端面における直径方向の光量
分布が、端面の中心Oの近傍において高い山状となる。
前記距離Lを最大値L1 よりも小さくすると、図4
(b),(c)に示すように、中心O近傍の山のピーク
値が下がり、距離Lをさらに小さくすると、図4(d)
に示すように、光量分布は端面の中心Oにおいて逆に下
がるようになる。
【0035】図4(a)に示すような光量分布は、前記
端面における中空糸の糸束の中心部とこの糸束の周辺部
との間で、光量に比較的大きな差が生じるため、糸束の
中央部と周辺部とで検出精度が不均一になるという問題
がある。すなわち、図4(a)に示すような光量分布は
端面全域における照明の均一性が不足しており、不浸透
欠陥の検出に用いるのは好ましくない。また、図4
(d)に示すように、端面の中心Oにおいて下がってい
る光量分布も、肝心の端面中央の糸束部分の光量分布が
著しく低いため、不浸透欠陥の検出には適さない。
【0036】軸心C0 に対して垂直な理想的な端面を持
つ中空糸モジュールにおける不浸透欠陥の検出には、端
面の中央部分がほぼフラットである図4(c)に示すよ
うな光量分布が好ましい。しかし、現実には、中空糸モ
ジュールによっては前記端面が歪んでいる場合があり、
このような中空糸モジュールMの不浸透欠陥を検出する
には、光量分布の落込みを確実に避けるために、端面の
中心部に対応する位置で僅かに分布が高くなる図4
(b)の光量分布であってもよい。
【0037】既述のように、リング状出射部202A
は、端面C1 を均一に照明するため、指向性の有る発光
面よりも拡散性で発光面積の広いタイプが必要である。
このため、実施例のような環状の螢光灯を使うことで所
定の目的を達成することができる。しかし、螢光灯は、
強度の調節に適さず、また検査項目切替のため点滅を繰
返す場合に適さない。このため、蛍光灯に代えて、図5
に示す如く、内径が中空糸モジュールMの端部の外径よ
り大きいリング状の本体202Aaとこの本体202A
a内に収容された複数の光ファイバー202Abとから
なるリング状ファイバーライトガイドを用いてもよい。
この図5の場合、第1の光源201Aとしてランプを用
いるとともに、この第1の光源201Aの発光光束を光
ファイバー束203Aによってリング状出射部202A
の光ファイバー202Abに導くことで、本体202A
aの端面から中空糸モジュールMの端面に光を照射する
ことができる。
【0038】前記リング状ファイバーライトガイドの各
光ファイバー202Abの先端面は、本体202Aaの
一方の端面においてこの本体202Aaの外周縁に沿っ
て環状に配置されている。この場合に、出射方向すなわ
ち光ファイバー202Abの先端を、中空糸モジュール
Mの端面に対し垂直な方向に配列したものでは、正反射
を避けるために数1の式関係を満足する位置にリング状
出射部202Aを置くと、中空糸モジュールMの端面に
入射する光量が弱くなる。このため、この図5に示すよ
うなファイバーライトガイドをリング状出射部202A
として採用する場合には、光ファイバー202Abの先
端を中空糸モジュールMの端面の中心O点方向へ、たと
えば45°程度傾けるのがよい。
【0039】また、前記光ファイバー202Abの出射
開口角は広いタイプが望ましいが、広角のタイプでも開
口角120°にすぎず、蛍光灯に比べ拡散性も不足して
いるので、図5に示した如く、リング状出射部202A
の前面に拡散板204Aを配置するのが好ましい。
【0040】この不浸透欠陥の検査では、測光装置とし
て、第1の測光装置3Aを用いる。この第1の測光装置
3Aは、視野内をたとえば512(横)×480(縦)
個からなる微小領域に分割してこれらの微小領域の各々
に対応するべく配列されたフォトセンサ群を有するカメ
ラ本体31と前記フォトセンサ群上に集光する集光レン
ズ32とを備える公知の2次元テレビカメラである(図
2参照)。既述のように、支持装置1の移動機構を作動
させることにより、中空糸モジュールMの軸心C0 を集
光レンズ32Aの光学中心軸32Aaに合致させること
ができ、これによってこの第1の測光装置3は、前記中
空糸モジュールMの樹脂剤層C1 の端面を撮影すること
ができる。この第1の測光装置3は、前記第1のリング
状出射部202Aからの光を照射された樹脂剤層C1 の
端面を撮影し、各フォトセンサに対応する微小領域の光
量を表す第1のアナログ画像信号を出力する。この第1
のアナログ画像信号は異常検出用信号形成部4に与えら
れる。
【0041】異常検出用信号形成部4は、A/D変換器
401、画像記憶部402、2値化処理部403および
2値化画像表示部404を備えている。
【0042】A/D変換器401は、前記第1の測光装
置3Aから与えられた第1のアナログ画像信号を第1の
ディジタル画像信号に変換して画像記憶部402へ送
る。
【0043】画像記憶部402は、前記第1のディジタ
ル画像信号を一旦記憶する。
【0044】2値化処理部403は、前記第1のディジ
タル画像信号を所定の閾値B1Pで2値化し、第1の2値
化画像信号を形成する。すなわち、この2値化処理部4
03は、前記閾値B1Pよりもレベルの高い画像信号(図
7に破線で示す部分)を白色レベルに置換し、閾値B1P
よりもレベルの低い画像信号を黒色レベルに置換する
(図7参照)。
【0045】また、2値化処理部403は、以下の方法
で前記閾値B1Pを設定する。
【0046】前記リング状出射部202Aによって照明
された中空糸モジュールMの端面の光量は、樹脂剤のロ
ット間差や端面を成形する成形機の切れ味の劣化、ある
いは前記第1の光源201Aとなるランプの劣化等のた
め、中空糸モジュール個別間でバラツクことが避け難
い。この現象に適応するため、この実施例の二値化処理
部403では、画像記憶部402に記憶された第1のデ
ィジタル画像信号から、図6に示した如く、端面の中心
Oの光量B10および半径kR上に均等配置した(j−
1)個の微小領域p1 〜p(j-1) の光量B1i(i=1〜
j−1)を計測する。ここでRは、中空糸モジュールM
の本体ケースの内径である。また、kは1>k>0であ
り品種に依らず任意に設定する。
【0047】以上のようにして計測した中空糸モジュー
ルMの端面の測光量B1i(ここでi=0,1,…,j−
1)は、通常、既述の図4(b)の場合のように前記端
面の中心での値B0 が最大になる。また、不浸透欠陥が
端面の中央部分で発生するとこの中央部の測光量は正常
品と比べて更に高くなる。また、通常、前記図4(c)
に示すように中央部の光量が若干高い光量分布の場合で
も、不浸透欠陥が生じると、その発生場所が前記端面の
周辺部分であっても、その不浸透欠陥に対応する部分の
光量は、光量分布の中央部のピークよりも高くなる。こ
の二値化処理部403では、不浸透欠陥により端面の光
量分布のピークが高く盛り上がること把えるために、数
3の式により、正常品の場合にはない光量の高い部分を
分別できるような2値化レベルすなわち閾値B1Pを演算
する。
【0048】
【数3】B1P=バーB1 +ΔB1
【0049】ここでバーB1 はj点の光量測定値の最大
値と最小値を除いた(j−2)個の光量データの平均値
であり、ΔB1 は品種に依存する2値化レベルの定数オ
フセットである。定数オフセット量ΔB1 は、樹脂剤の
ロット間の色度差や光源の経時変化などに適応して正常
品の端面の光量分布を推定することによって決定するの
が基本であるが、光量計測と演算が複雑になるため、こ
こでは光量分布の傾きを品種によってほぼ一定であるも
のとして決定している。前記バーB1 を決定する方法
は、この他、テレビカメラで撮影した視野内の各微小領
域毎の光量値分布の範囲(最大―最小)ないしはこの分
布の標準偏差値から演算して決定するなど、一般に知ら
れた方法を採用してもよい。このように、バーB1 は平
均値や偏差値として求めるのが検出精度を向上させる上
で好ましいが、前記中空糸モジュールMの端面の中心の
光量B10をそのままバーB1 として採用するようにして
もよい。
【0050】以上のようにして求めた閾値B1Pは、図7
に実線と一点鎖線で示すように、中空糸モジュール個別
間の全体的な色の差に応じて若干上下する。
【0051】2値化画像表示部404は、前記2値化処
理部403によって白色レベルと黒色レベルに置換され
た第1の2値化画像信号により得られる画像、すなわち
不浸透部の存在によって高光量となった部分のみを白色
で示した画像を表示する。
【0052】判別装置5は、記憶部501と演算判定部
502を備えている。この判別装置5は、不浸透欠陥を
検出するために以下のように動作する。
【0053】演算判定部502は、前記2値化画像表示
部404において白色で表示される前記第1の2値化画
像信号による第1の高光量部分総面積を演算する。この
総面積は、前記カメラ本体31のフォトセンサのうち、
出力した画像信号が白色レベルの画像信号に置換された
フォトセンサの数に相当する。また、演算判定部502
は、記憶部501にあらかじめ記憶された中空糸モジュ
ールMの品番ごとの基準値の中から、記述していないデ
ータ入力装置より入力された品番の不浸透欠陥検査用面
積基準値を読み出す。
【0054】また、演算判定部502は、2値化された
前記第1の高光量部分総面積を、前記不浸透欠陥検査用
面積基準値と比較し、中空糸モジュールの良否を判定す
る。ここでは、前記比較結果が基準値>総面積であると
きその中空糸モジュールMを不浸透欠陥検査に関して良
品と判定し、基準値≦総面積であるときその中空糸モジ
ュールMを不良品と判定する。
【0055】表示部6はCRTディスプレイおよびプリ
ンタを備えており、中空糸モジュールの不浸透欠陥検査
に関する良否の判定結果を表示する。
【0056】操作指令部7は、前記演算判定部502か
ら、上述の不浸透欠陥検査の判定結果に加え、後述する
糸乱れ欠陥検査、不通糸検査、剥離検査および発泡検査
の判定結果を受けた後、図8に示す中空糸モジュール移
載装置8を作動させ、支持装置1に搭載された中空糸モ
ジュールMを取り外すとともに、この支持装置1に新規
モジュールを搭載させる。
【0057】図8において、中空糸モジュールの供給ラ
イン81から支持装置1へそして次工程移送部82への
着脱と、良品・不良品の判定結果に基づく次工程移送部
82もしくは欠陥モジュール収集部86への仕分けは、
オートハンド80が操作指令部7の指令で自動的に行
う。このため、オートハンド80は、ガイド83に沿っ
て二点鎖線で示したごとく移動できる。また、この操作
指令部7は、入力装置により入力された中空糸モジュー
ルMの品番に関する情報に基づいて、支持装置1に搭載
された中空糸モジュールの軸心C0 を前記集光レンズ3
2の光学中心軸に合致させるように、前記支持装置1の
ための図示しない移動機構を制御する。
【0058】上記操作指令部7は、さらに、前記演算判
定部502の判定結果に基づいて、前記支持装置1から
取り外した中空糸モジュールMを良品と不良品に分別す
る分別機能も備えている。すなわち、この操作指令部7
は、前記判定結果が支持装置1に搭載されている中空糸
モジュールMを良品とするものである場合には、図8の
中空糸モジュール移載装置8に対し、支持装置1から取
り外した中空糸モジュールMを次工程移送部82に移動
させる指令を出し、前記比較結果が前記中空糸モジュー
ルMを不良品とするものである場合には、中空糸モジュ
ール移載装置8に対し、支持装置1から取り外した中空
糸モジュールMを欠陥中空糸モジュール収集部86に移
動させる指令を出す。
【0059】以上のようにしてなる検査装置により、既
述のような不浸透欠陥のある中空糸モジュールを不良品
として排除することができる。
【0060】なお、上記実施例では、演算判定部502
で求めた第1の高光量部分総面積が記憶部501から読
み出した基準値を越えているか否かのみをその中空糸モ
ジュールが良品であるか不良品であるかの判定条件とし
ている。しかしながら、この発明によるさらに他の中空
糸モジュールの検査装置では、前記面積の大小を指標と
する方法に代えて、前記2値化画像表示部404で白色
に表示される高光量部分の形状的な特徴すなわちこの高
光量部分の長さ等の特徴を数量化して前記特徴量を基準
量と比較するようにしてもよい。
【0061】II. <糸乱れ欠陥の検査> 糸乱れ欠陥は、糸束Bを構成する中空糸の一部が、前記
樹脂剤層C1 ,C2 に密着した部分において、容器Aの
中心部にまとまらず糸束Bの周辺でばらけ、折れ曲がっ
て糸束Bから食み出す欠陥である。図1の中空糸モジュ
ールの検査装置では、このような糸乱れ欠陥も検査する
ことができる。
【0062】糸乱れ欠陥を検査するための支持装置1の
構成と動作は、既述の不浸透欠陥の検査の場合と同様で
あるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0063】この糸乱れ欠陥の検査では、光照射装置と
して、第2の光照射装置2Bを用いる。図2に示すよう
に、この第2の光照射装置2Bは、第2の光源201B
およびリング状出射部202Bを備えている。
【0064】第2の光源201Bは、操作指令部7より
与えられた指令に基づいて、リング状出射部202Bか
らの光の出射のオン・オフおよび光強度の調整を行う。
【0065】第2のリング状出射部202Bは、図9に
示すように、内径φが中空糸モジュールMの端部の外径
より大きいリング状の本体202Baとこの本体202
Ba内に収容された複数の光ファイバー202Bbとか
らなるリング状ファイバーライトガイドである。各光フ
ァイバー202Bbの先端面は、本体202Baの内周
面に沿って配置されており、かつそれぞれ本体202B
aの中心を向いている。なお、図2では、簡便のため光
ファイバー202Bbを周方向に間隔をおいて配置して
いるが、この光ファイバー202Bbは、周方向にはな
るべく密集させて配置するのが好ましい。いずれにして
も、このリング状出射部202Bは、中空糸モジュール
Mの端部の側面を周方向において均一に照明する。前記
複数本の光ファイバー202Bbは、光ファイバーコネ
クタ等を介して前記本体202Baの外部に延出してお
り、それぞれ前記第2の光源201Bと光学的に接続さ
れている。
【0066】前記第2のリング状出射部202Bは、中
空糸モジュールMの軸方向に移動することでその内周側
に中空糸モジュールMの端部を挿入することができる。
この実施例では、前記第2のリング状出射部202B
は、図10に実線で示すように、光ファイバー202B
bの出射端面が中空糸モジュールMの樹脂剤層C1 の軸
方向中央部Xでこの樹脂剤層C1 の側面に対向するよう
に固定される。前記本体部202Baの内径φは、この
光ファイバー202Bbの出射端面から出射される光が
樹脂剤層C1 の側面を軸方向全体にわたって照射するこ
とができるように光ファイバー202Bbの出射角αに
応じて設定されている。このようにして樹脂剤層C1 の
側面を照射すると、軸心C0 とほぼ平行に樹脂剤層C1
の端面に達している中空糸は、この樹脂剤層C1 の端面
側にほとんど反射光を作らないのに対し、円柱状の糸束
Bから食み出して湾曲している異常中空糸は、この樹脂
剤層C1 の端面側に向かう強い反射光を作る。
【0067】なお、前記リング状出射部202Bの固定
位置は、必ずしも図10に実線で示すような位置に限定
されるものではなく、たとえば、図10に実線で示す位
置よりもモジュールMの端部方向にズレた位置であって
もよい。しかし、図10に一点鎖線で示すように、光フ
ァイバー202Bbの先端が樹脂剤層C1 の外側端面に
一致する位置Yよりも先端側に位置するようになると、
光ファイバー202Bbから出射された光が直接樹脂剤
層C1 の外側端面を照射するためこの端面で強い反射光
が発生し、この端面での反射光により前記のような異常
中空糸による反射光とのコントラストが悪化して検出エ
ラーを起こす。また、図10に二点鎖線で示すように、
光ファイバー202Bの先端が樹脂剤層C1 の内側端面
に一致する位置Zからさらに内側に位置するようになる
と、光ファイバー202Bbから出射した光が樹脂剤層
C1 内に閉じ込めた気泡を照らして強い反射光を作り、
これによる検出エラーが発生し易い。ただし、光ファイ
バー202Bbの先端位置は、上記ZとXの中間位置で
あっても上記と同様の検出エラーを起こすことがあり、
上記Y位置からその内側へ8mm程度の範囲内に設定す
ることが好ましい。
【0068】なお、リング状出射部202Bとしては上
記のリング状ファイバーライトガイドの他にリング状螢
光灯を採用することも可能である。しかし、螢光灯は口
金具部での光強度むらを避け難い。また、蛍光灯は無指
向性であり樹脂剤層C1 の端面近傍のみでなく中空糸モ
ジュールの胴部分まで広く照明するため、前記検出エラ
ーが前記ファイバーライトガイドに比べて発生し易いた
め、前記ファイバーライトガイドを用いるのがより好ま
しい。
【0069】この糸乱れ欠陥の検査において用いる測光
装置は、先の不浸透欠陥の検査の場合と同様、第1の測
光装置3Aである。したがって、ここではこの第1の測
光装置3Aの詳細な説明は省略する。第1の測光装置3
は、この糸乱れ欠陥の検査では、第2のリング状出射部
202Bから光が照射されている状態で前記樹脂剤層C
1 の端面を撮影し、各フォトセンサに対応する微小領域
の光量を表す第2のアナログ画像信号を出力する。この
第2のアナログ画像信号も異常検出用信号形成部4に与
えられる。
【0070】第2のアナログ画像信号を受けた場合にお
ける異常検出用信号形成部4のA/D変換器401およ
び画像記憶部402の動作は、前述の不浸透欠陥の検査
の場合と同様である。
【0071】糸乱れ欠陥の検査の場合、すなわち異常検
出用信号形成部4が第2のアナログ画像信号を入力した
場合、2値化処理部403は、前記第2のアナログ画像
信号をA/D変換した第2のディジタル画像信号を所定
の閾値SP で2値化し、第2の2値化画像信号を形成す
る。すなわち、この2値化処理部403は、前記閾値S
P よりもレベルの高い画像信号を白色レベルに置換し、
閾値SP よりもレベルの低い画像信号を黒色レベルに置
換する。
【0072】また、2値化処理部403は、以下の方法
で前記閾値SP を設定する。前記リング状出射部202
Bから出射される中心方向に向かう光により側面から樹
脂剤層C1 を照明すると、光は糸束Bの周縁部で散乱
し、この糸束Bの中心部にはほとんど到達しない。この
結果、前記リング状出射部202Bから光を出射させた
状態で、前記測光装置3により前記中空糸b1 のような
異常中空糸がない中空糸モジュールMの樹脂剤層C1 の
端面の光量を測定すると、中空糸モジュールMの径方向
における光量分布は、図11(b)に実線で示すように
糸束Bの周縁部で最も高くなる。しかし、異常中空糸が
存在すると、既述のように、この異常中空糸は樹脂剤層
C1 の端面側に向かう強い反射光を作るため、図11
(b)に一点鎖線で示すように、糸束Bの周縁部よりも
遥かに光量が高くなる異常部分Eができる。前記閾値S
P は、前記異常部分Eを切り分けるべく設定される。前
記閾値SP は、図4(b)に実線で示す光量分布中で最
も高い前記糸束Bの周縁部に対応する基準光量Sに所定
のオフセット量ΔSを加算したものである。
【0073】
【数4】SP =S+ΔS
【0074】前記オフセット量ΔSは、あらかじめ中空
糸モジュールMの品種ごとに決定した定数である。
【0075】一方、前記基準光量Sも、オフセット量Δ
Sと同様、中空糸モジュールMの品種ごとにあらかじめ
決定しておくことができる。しかしながら、図11
(b)に実線で示す光量分布の全体的なレベルは、主に
以下の(a) 〜(c) の理由により、検査を行う各中空糸モ
ジュールMによって異なることが避け難い。(a) 樹脂剤
層C1 を形成する樹脂剤そのものの色にロット間差があ
る。(b) 樹脂剤層C1 を形成する際の樹脂剤層C1 の端
部表面状態が、透明なものから濁り気味のものまで中空
糸モジュールMごとに差が生じる場合がある。(c) 光源
201に用いているランプの劣化により出射光量が低下
する。
【0076】したがって、基準光量Sをあらかじめ設定
する方法では、高い検査精度を得ることが難しくなる。
このため、この実施例では、図1(a)に示したように
直径mRの円周上において等間隔で配置されるn個の微
小領域t1 〜tn の光量Si(i=1〜n)を計測し、
これらの光量Si の平均値を前記基準光量Sとしてい
る。ここでRは中空糸モジュールMの容器Aの内径であ
る。また、mは1>m>0から中空糸モジュールMの品
種に応じて選べれる定数である。この定数mは、前記微
小領域t1 〜tn を、通常の糸束B周縁部での最高光量
発生部に一致もしくは最も接近する位置に設けることが
できるように設定するのが好ましい。このような微小領
域t1 〜tn の最適設定位置は、中空糸モジュールMの
品種によって異なる。したがって、前記定数mは各中空
糸モジュールMの品種ごとに決定する必要がある。2値
化閾値SP を決定する方法は、この他、テレビカメラで
撮影した視野内の各微小領域毎の光量値分布の範囲(最
大―最小)ないしはこの分布の標準偏差値から演算して
決定するなど、一般に知られた方法を採用してもよい。
前記(1) 式を用いて決定する方法は、簡便ながらよい精
度が得られるのでより好ましい。
【0077】2値化画像表示部404は、前記2値化処
理部403によって白色レベルと黒色レベルに置換され
た第2の2値化画像信号により得られる画像、すなわち
異常中空糸による反射光によって高光量となった部分の
みを白色で示した画像を表示する。
【0078】判別装置5では、前記第2の2値化画像信
号に基づいて、演算判定部502が、前記2値化画像表
示部404において白色で表示される第2の高光量部分
総面積を演算する。前記第1の高光量部分総面積の場合
と同様、この第2の高光量部分総面積も、前記カメラ本
体31のフォトセンサのうち、出力した画像信号が白色
レベルの画像信号に置換されたフォトセンサの数に相当
する。また、演算判定部502は、記憶部501にあら
かじめ記憶された中空糸モジュールMの品番ごとの基準
値の中から、記述していないデータ入力装置より入力さ
れた品番の糸乱れ欠陥用面積基準値を読み出す。
【0079】また、演算判定部502は、2値化された
前記第2の高光量部分総面積を、前記糸乱れ欠陥検査用
面積基準値と比較し、中空糸モジュールの良否を判定す
る。ここでは、前記比較結果が基準値>総面積であると
きその中空糸モジュールMを糸乱れ欠陥検査に関して良
品と判定し、基準値≦総面積であるときその中空糸モジ
ュールMを不良品と判定する。
【0080】表示部6は、不浸透検査の場合と同様にし
て、中空糸モジュールの糸乱れ欠陥検査に関する良否の
判定結果を表示する。
【0081】糸乱れ欠陥検査における操作指令部7の動
作は、前述の不浸透欠陥検査の場合と同様であるので、
ここではその説明を省略する。
【0082】以上のようにしてなる検査装置により、異
常中空糸が存在する中空糸モジュールを不良品として排
除することができる。中空糸モジュールMの糸束Bの中
心は必ずしも容器Aの中心と一致しておらず、樹脂剤層
C1 の端面からみた糸束Bの形状も必ずしも真円ではな
いが、上記検査装置によると、異常中空糸による反射光
で樹脂剤層Cの端面に高光量部分が形成されるような照
明を行い、前記高光量部分を判定することで異常中空糸
の存在を判定するようにしているので、糸束Bの中心と
容器Aの中心の不一致や糸束Bの真円度に関係なく異常
中空糸の存在を検出し、この異常中空糸が存在する中空
糸モジュールを不良品として排除できる。
【0083】なお、上記実施例では、演算判定部502
で求めた第2の高光量部分総面積が記憶部501から読
み出した基準値を越えているか否かのみをその中空糸モ
ジュールが良品であるか不良品であるかの判定条件とし
ている。しかしながら、他の中空糸モジュールの検査装
置では、前記面積の大小を指標とする方法に代えて、前
記2値化画像表示部404で白色に表示される高光量部
分の形状的な特徴すなわちこの高光量部分の長さ等の特
徴を数量化して前記特徴量を基準量と比較するようにし
てもよい。
【0084】III.<不通糸欠陥の検査> 不通糸欠陥については、既に詳述しているのでここでの
説明は省略する。
【0085】不通糸欠陥を検査するための支持装置1の
構成と動作は、既述の不浸透欠陥および糸乱れ欠陥の検
査の場合と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略
する。
【0086】この不通糸欠陥の検査では、光照射装置と
して、第1の光照射装置2Aと第2の光照射装置2Bを
用いる。これら第1および第2の光照射装置2A,2B
の構成は既述の通りであるのでここではその詳細な説明
は省略する。
【0087】第1の光照射装置2Aの第1のリング状出
射部202Aは、この第1のリング状出射部202Aか
ら光を照射したことによる中空糸モジュールMの端面の
光量分布が、既述の図4(a)あるいは図4(b)のよ
うに、前記端面の中央部で光量が高くなる光量分布とな
る位置に設ける。これによって、第1の光源201A
は、中空糸モジュールMの端面の中央表面付近の白色変
質ポリマのみならず、前記中央表面付近において若干樹
脂剤層の内部に潜った微小気泡群をも照明する。
【0088】一方、第2の光照射装置2Bの第2のリン
グ状出射部202Bは、図10に示した場合と同様の環
状のファイバーライトガイトである。しかし、この第2
のリング状出射部202Bは、不通糸欠陥の検査におい
ては、既述の糸乱れ欠陥の検査の時とは若干異なる位置
に固定される。すなわち、この糸乱れ欠陥の検査におけ
る第2のリング状出射部202Bの位置は、図10にお
いて一点鎖線で示すような、中空糸モジュールMの端面
近傍の糸束周辺を照射するこの端面の前方位置であって
もよく、同じく図10に実線で示すような前記端面から
後退した位置であってもよい。図10に実線で示すよう
な端面から後退した位置では、不通糸欠陥部分の白色微
小気泡群を背後から照明するため、中空糸が密集してい
る中空糸モジュールMの端面近傍においては効果的に光
拡散作用を得られて好ましい。しかし、図10に二点鎖
線で示すように実線で示す位置よりもさらに前記端面か
ら後退した位置(端面から約10mm以上後退した位
置)では、バックライトの如き効果が強く、中空糸モジ
ュールの端面の画像のコントラストが低下して使えな
い。
【0089】以上のように設定した第2のリング状出射
部202Bから光を照射したことによる光量分布は、図
11(b)に示した糸乱れ欠陥の場合の光量分布と同
様、中空糸モジュールの端面の周辺部で光量が大きく、
中央部で光量が小さい光量分布となる。これによって、
第2のリング状出射部202Bから照射された光は、中
空糸モジュールMの端面における糸束周辺近くにある白
色微小気泡群を照明する。
【0090】なお、この不通糸欠陥の検査においては、
第2のリング状出射部202Bとして環状の螢光灯を用
いてもよい。しかし、螢光灯は、口金具部での光強度む
らを避け難くまた無指向性のためカット面近傍の端部の
みでなく透析器の胴部分まで広く照明するため、検査対
象面である端面画像のコントラストが悪い。したがっ
て、第2のリング状出射部202Bとしては前述のファ
イバーライトガイトがより好ましい。
【0091】この不通糸欠陥の検査においては、操作指
令部7より与えられた指令に基づいて、図12に示すよ
うに、前記第1の光照射手段2Aの照射による中空糸モ
ジュールMの端面の光量分布M1 と第2の光照射手段2
Bの照射による前記端面の光量分布M2 とによって、前
記端面の径方向における光量分布がこの端面の全域にわ
たってほぼフラットな光量分布M0 となるように、第1
および第2の光源201A,201Bの強度の調整およ
び第1および第2のリング状出射部202A,202B
の位置の調整を行う。また、第1および第2の光源20
1A,201Bのオン・オフは同時に行われる。
【0092】この不通糸欠陥の検査において用いる測光
装置は、先の不浸透欠陥および糸乱れ欠陥の検査の場合
と同様、第1の測光装置3Aである。したがって、ここ
ではこの第1の測光装置3Aの詳細な説明は省略する。
第1の測光装置3は、この不通糸欠陥の検査では、第1
のリング状出射部202Aおよび第2のリング状出射部
202Bの両方から光が照射されている状態で前記樹脂
剤層C1 の端面を撮影し、各フォトセンサに対応する微
小領域の光量を表す第3のアナログ画像信号を出力す
る。この第3のアナログ画像信号も異常検出用信号形成
部4に与えられる。
【0093】第3のアナログ画像信号を受けた場合にお
ける異常検出用信号形成部4のA/D変換器401およ
び画像記憶部402の動作は、前述の不浸透欠陥および
糸乱れ欠陥の検査の場合と同様である。
【0094】不通糸欠陥の検査の場合、すなわち異常検
出用信号形成部4が第3のアナログ画像信号を入力した
場合、2値化処理部403は、前記第3のアナログ画像
信号をA/D変換した第3のディジタル画像信号を所定
の閾値B2Pで2値化し、第2の2値化画像信号を形成す
る。すなわち、この2値化処理部403は、前記閾値B
2Pよりもレベルの高い画像信号を白色レベルに置換し、
閾値B2Pよりもレベルの低い画像信号を黒色レベルに置
換する。
【0095】2値化処理部403は、前記不浸透欠陥検
出において閾値B1Pを決定する場合と同様の理由によ
り、この閾値B1Pと同様の手順で不通糸欠陥検出のため
の閾値B2Pを設定する。すなわち、画像記憶部402に
記憶された第3のディジタル画像信号から、図6に示し
た中空糸モジュールMの端面の中心Oの光量B20および
半径kR上に均等配置した(j−1)個の微小領域p1
〜p(j-1) の光量B2i(i=1〜j−1)を計測する。
前記定数kは、前述の不浸透欠陥の検出時のものと同値
であってもよいが、必要に応じて異なる値としていても
よい。
【0096】不通糸欠陥の発生位置は糸束部分の種々の
場所に出現し、また不通糸の周辺に存在する白色変質ポ
リマは照明しても輝度レベルは正常部より僅かに高くな
るにすぎない。この二値化処理部403では、不通糸欠
陥により中空糸モジュールMの端面のいずれの箇所で光
量が高く盛り上がっても、正常品の場合にはない光量の
高い部分を分別できるような2値化レベルすなわち閾値
B1Pを数5の式により演算する。
【0097】
【数5】B2P=バーB2 +ΔB2
【0098】ここでバーB2 はj点の光量測定値の最大
値と最小値を除いた(j−2)個の光量データの平均値
であり、ΔB2 は品種に依存する2値化レベルの定数オ
フセットである。定数オフセット量ΔB2 は、前記オフ
セット量ΔB1 と同様、樹脂剤のロット間の色度差や光
源の経時変化などに適応して正常品の端面の光量分布を
推定することによって決定する。
【0099】前記不浸透欠陥の検査の場合のバーB1 と
同様、前記バーB2 を決定する方法は、この他、テレビ
カメラで撮影した視野内の各微小領域毎の光量値分布の
範囲(最大―最小)ないしはこの分布の標準偏差値から
演算して決定するなど、一般に知られた方法を採用して
もよい。このように、バーB2 は平均値や偏差値として
求めるのが検出精度を向上させる上で好ましいが、前記
中空糸モジュールMの端面の中心の光量B20をそのまま
バーB2 として採用するようにしてもよい。
【0100】2値化画像表示部404は、前記2値化処
理部403によって白色レベルと黒色レベルに置換され
た第3の2値化画像信号により得られる画像、すなわち
前記不通糸の存在によって高光量となった部分のみを白
色で示した画像を表示する。
【0101】判別装置5では、2値化処理部403で求
めた第3の2値化画像信号に基づいて、演算判定部50
2が、前記2値化画像表示部404において白色で表示
される第3の高光量部分総面積を演算する。前記第1お
よび第2の高光量部分総面積の場合と同様、この第3の
高光量部分総面積も、前記カメラ本体31のフォトセン
サのうち、出力した画像信号が白色レベルの画像信号に
置換されたフォトセンサの数に相当する。また、演算判
定部502は、記憶部501にあらかじめ記憶された中
空糸モジュールMの品番ごとの基準値の中から、記述し
ていないデータ入力装置より入力された品番の不通糸欠
陥用面積基準値を読み出す。
【0102】また、演算判定部502は、2値化された
前記第3の高光量部分総面積を、前記不通糸欠陥用面積
基準値と比較し、中空糸モジュールの良否を判定する。
ここでは、前記比較結果が基準値>総面積であるときそ
の中空糸モジュールMを不通糸欠陥の検査に関して良品
と判定し、基準値≦総面積であるときその中空糸モジュ
ールMを不良品と判定する。
【0103】表示部6は、不浸透欠陥検査および糸乱れ
欠陥の場合と同様にして、中空糸モジュールの不通糸欠
陥の検査に関する良否の判定結果を表示する。
【0104】不通糸欠陥検査における操作指令部7の動
作は、前述の不浸透欠陥検査および糸乱れ欠陥検査の場
合と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0105】以上のようにしてなる検査装置により、既
述のような不通糸欠陥のある中空糸モジュールを不良品
として排除することができる。
【0106】なお、上記実施例では、演算判定部503
で求めた第3の高光量部分総面積が記憶部502から読
み出した基準値を越えているか否かのみをその中空糸モ
ジュールが良品であるか不良品であるかの判定条件とし
ている。しかしながら、この発明によるさらに他の中空
糸モジュールの検査装置では、前記面積の大小を指標と
する方法に代えて、前記2値化画像表示部405で白色
に表示される第3の高光量部分の形状的な特徴すなわち
この第3の高光量部分の長さ等の特徴を数量化して前記
特徴量を基準量と比較するようにしてもよい。
【0107】IV.<剥離欠陥の検査> 剥離欠陥は、図21における中空糸モジュールMの容器
Aと樹脂剤層C1 ,C2 が剥離するという欠陥である。
この剥離欠陥を、図1に示す中空糸モジュールの検査装
置は以下の構成と動作により検査する。
【0108】図13に示すように、図1に示す前記支持
装置1は、前記剥離欠陥を検査するために、支持台10
1、駆動モータ102、駆動ローラ103、モジュール
支持ローラ104,105、従動ローラ106およびベ
ルト107を備えている。前記駆動モータ102および
各ローラ103〜106は支持台101に取り付けられ
ている。また、駆動ローラ103は、前記従動ローラ1
06の直下に配置されており、駆動モータ102によっ
て回転駆動される。
【0109】以上のようにしてなる支持装置1は、既述
したように、中空糸モジュールMをその軸芯C0 を水平
に維持した状態で搭載することができる。また、この支
持装置1に搭載された中空糸モジュールMは、駆動モー
タ102を作動させることにより、前記軸芯C0 を回転
中心として回転する。前記駆動モータ102の回転速度
の設定、起動および停止は、駆動制御部108によって
制御され、この駆動制御部108は後述する操作指令部
7により与えられる指令信号に基づいて動作する。前記
駆動モータ102によって回転駆動される前記駆動ロー
ラ103の回転角は、公知の光学式エンコーダ等の回転
角検出器109によって検出され、後述する操作指令部
7に与えられるようになっている。
【0110】また、既述のように、前記支持装置1は、
図示しない上下動機構により、搭載した中空糸モジュー
ルMを軸芯C0 を水平に維持したまま上下動させること
ができる。これによって、中空糸モジュールMの検出位
置M0 を上下に移動させることができる。前記検出位置
M0 は、前記中空糸モジュールMにおいて樹脂剤層C1
もしくはC2 と容器Aの界面Kのうち、最も上位に位置
している界面Kの位置である。
【0111】なお、この支持装置1に対する中空糸モジ
ュールMの着脱は、図8に概略構成を示した既述の中空
糸モジュール移載機構8によって自動的に行うことがで
きるようになっている。
【0112】この剥離欠陥の検査では、光照射装置とし
て、図1における第3の光照射装置2Dを用いる。図1
3に示すように、この第3の光照射装置2Dは、第3の
光源201Dおよびスリット光発光部202Dを備えて
いる。
【0113】第3の光源201Dは、操作指令部7より
与えられた指令に基づいて、発光のオン・オフおよび光
強度の調整を行う。
【0114】スリット光発光部202Dは、たとえば複
数本の光ファイバー203Dによって前記第3の光源2
01Dと接続されており、これらの光ファイバー203
Dを横一列に配列した後、これらの光ファイバー203
Dの端末から照射された光をシリンドリカルレンズ20
4Dでスリット状に集光し、このスリット状の光を出射
する。図14および図15に示すように、前記スリット
光Hは、前記検出位置M0 で、界面Kを周方向に細分化
することで形成されるスリット幅ds の微小領域Pに入
射角α0 で入射する。既述のように、前記駆動モータ1
02を作動させて前記中空糸モジュールMを回転させる
ことにより、スリット光発光部202Dが出射するスリ
ット光Hは、前記検出位置M0 において、前記容器Aと
樹脂剤層C1 もしくはC2 の界面Kを全周すなわち全域
にわたって照射することができる。
【0115】このスリット光発光部202から出射され
たスリット光Hは、図14に示すように、その一部が容
器Aの表面で反射し反射光R11となるとともに、他の一
部が容器A内に侵入する。容器A内に侵入したスリット
光Hは前記検出位置M0 に到達する。この検出位置M0
に位置している界面Kで容器Aと樹脂剤層C1 もしくは
C2 とが剥離していれば、スリット光Hはこの界面で垂
線CLに対し反射角β0で反射し反射光R12となる。前記
反射角β0 は、前記入射角α0 で前記容器Aと空気層の
界面に到達したスリット光Hがこの界面で反射する場合
の反射角である。前記検出位置M0 に位置している界面
Kで容器Aと樹脂剤層C1 もしくはC2が正常に接着さ
れており両者が剥離していなければ、スリット光Hは大
部分がこの界面を介して樹脂材層C1 もしくはC2 に侵
入する。この樹脂材層C1 もしくはC2 に侵入したスリ
ット光Hは、中空糸モジュールMの糸束Bを構成する中
空糸の表面で反射し反射光R13となる。
【0116】前記図14から容易に類推できるように、
スリット幅ds が広いと、反射光R11とR12が重なる不
都合が生じる。スリット幅ds はこのような不都合が生
じないように設定する必要がある。たとえば、前記容器
Aの端部における径D(図14参照)は通常28mm以上
であるが、いずれの場合であっても、前記スリット幅d
s は1〜2mm程度とするのが好ましい。また、前記スリ
ット光Hが照射する微小領域Pの幅方向の中心と前記検
出位置M0 は完全に一致していることが好ましく、誤差
は1mm以内に止めると好ましい。この誤差が大きくなる
と、前記反射光R12の強度と角度が変動し、精度の高い
検出結果を得ることができなくなる。さらに、前記入射
角α0 と反射角β0 は、前記反射光R2 が最も強くなる
ように設定するか、あるいは、反射光R12,R13が十分
離れて障害にならないように設定するのがよい。入射角
α0 は20°〜50°の範囲に設定するのがよい。
【0117】図15は、検出位置M0 に位置している界
面Kの微小領域Pを軸方向に6分割して示している。こ
の図15における微小領域Pでは、中空糸モジュールM
先端側の3つの分割領域a,b,c(網線で表示した部
分)が剥離部、他の3つの分割領域d,e,fが正常接
着部である。この図15に示す微小領域Pに前記スリッ
ト光発光部202が出射するスリット光Hを照射する
と、分割領域a,b,cを照射したスリット光Hは界面
Kで強く反射して前記反射光R12となる。一方、分割領
域d,e,fを照射したスリット光Hはほとんど界面K
を通過して樹脂剤層C1 もしくはC2 に入り込み、糸束
Bを照射することで前記反射光R13となる。
【0118】この剥離欠陥の検査では、測光装置とし
て、第2の測光装置3Dを用いる。この第2の測光装置
3Dは公知の2次元CCDカメラである。この第2の測
光装置3Dは、前記スリット光発光部202Dから出射
された光による前記反射光R11〜R13を2次元で受光
し、この2次元上の各画素の光の輝度を表す画像データ
を第4のアナログ画像信号として出力する。この第2の
測光装置3Dは、少なくとも前記検出位置M0 に位置す
る界面Kの微小領域Pで垂線CLに対し反射角β0 で反射
する反射光R12を受光できる位置に設けられている必要
があり、前記反射角β0 は15°〜70°の範囲の反射
光を受講する位置に設けるのがよい。この第2の測光装
置3Dが出力する前記第4のアナログ画像信号も、先の
第1〜第3のアナログ画像信号と同様、異常検出用信号
形成部4に与えられる。
【0119】第4のアナログ画像信号を受けた場合にお
ける、異常検出用信号形成装置4のA/D変換器401
および画像記憶部402の動作は、前述の不浸透欠陥、
糸乱れ欠陥および不通糸欠陥の場合と同様である。
【0120】剥離欠陥の検査の場合、すなわち異常検出
用信号形成部4が第4のアナログ画像信号を入力した場
合、2値化処理部403は、後述する演算判定部502
から2値化指令信号を受けるごとに、第4のアナログ画
像信号をA/D変換した各画素に関する第4のディジタ
ル画像信号を所定の閾値で2値化し、白色レベルと黒色
レベルに置換した第4の2値化画像信号を形成する。前
記2値化指令信号は、前記界面Kが周方向にスリット幅
ds だけ回転するごとに出力される。界面Kが周方向に
スリット幅ds だけ回転したことは前記回転角検出器1
09の検出結果に基づいて前記操作指令部7が出力す
る。また、2値化のための閾値は、前記微小領域Pにお
ける剥離部を写す画像の画素のデータのみがこの閾値よ
りも大きくなるように、前記光源201Dの光強度およ
び迷光等によるノイズを考慮して設定する。
【0121】前記反射光R12は、容器Aと樹脂剤層C1
,C2 が剥離している場合には、正常な場合に比べ比
較的強いので、2値化閾値は経験的に決めた固定値を使
用できるが、光量測光装置3Dの測光量分布から演算し
て決定するなど一般に知られた方法を適用しても良い。
前記のような経験的に決めた固定値を用いる方法は、簡
便ながら良い精度が得られるので、より好ましい。
【0122】2値化画像表示部404は、剥離欠陥の検
査では、図16に示すように、前記2値化処理部403
によって反射光受光部R11′〜R13′と反射光非受光部
Nの2値化された画像を、反射光受光部R11′〜R13′
を白色で、また、反射光非受光部Nを黒色で表示する。
ここで、反射光受光部R11′は前記反射光R11の受光
部、反射光受光部R12′は前記反射光R12の受光部、ま
た反射光受光部R13′は前記反射光R13の受光部であ
る。図16にも示すように、反射光受光部R11′〜R1
3′は、2値化画像表示部404の画面404a上で界
面Kの周方向に対応する一方向に関して互いに間隔をあ
けた状態で表れる。また、同一形状の中空糸モジュール
Mでは、各中空糸モジュールM間において各受光部R1
1′,R12′,R13の位置はそれぞれ前記画面404a
上のほぼ同一位置に表れる。特に、受光部R12′は前記
容器Aの内径がほぼ真円に形成されているため、精度よ
く所定位置に表れる。
【0123】上記のように、図16は、前記図15に示
す微小領域Pに前記スリット光Hを照射させた場合に、
前記2値化画像表示部404に表示される2値化画像を
示している。したがって、この図16では、反射光受光
部R12′は前記微小領域Pの分割領域a,b,cに対応
する領域a′,b′,c′で構成されている。また、反
射光受光部R13′は前記微小領域Pの分割領域d,e,
fに対応する領域d′,e′,f′で構成されている。
【0124】判別装置5では、演算判定部502が2値
化画像表示部4で白色で表示される部分の面積を演算す
る。
【0125】演算判定部502は、前記画面404a上
において前記受光部R12′が表れる位置を含む所定幅の
領域mにおいて、前記2値化処理部403の閾値よりも
大きな2値化画像信号である白色レベルの信号に対応す
る画素が形成する部分、すなわち前記受光部R12′の面
積を演算する。ここで演算される受光部R12′の面積
は、前記スリット光発光部202Dから出たスリット状
の光が照射する、前記界面Kにおけるスリット幅ds の
微小領域P中の剥離面積に比例する剥離面積の指数値で
ある。図16に示す2値化画像では前記受光部R12′の
面積は、前記領域a′,b′,c′の面積の和に比例す
る。
【0126】なお、前記受光部R13′の面積は、糸束B
が正しく真円の円筒形状に仕上がっている場合は、前記
微小領域P中の正常接着部の面積(図15の分割領域
d,e,fの面積の和)に比例する。しかし、通常、糸
束Bは変形しており、界面Kを透過した反射光R13の受
光部R13′は位置ずれが多く、この受光部R13′は単に
正常であることの定性情報に止まる。
【0127】また、演算判定部502は、前記各微小領
域Pの受光部R12′の面積を順次積算する。演算判定部
502は、前記駆動モータ102により中空糸モジュー
ルMが360度回転した時点で、界面K全周にわたる受
光部R12′の面積すなわち界面K全域における剥離面積
に相当する積算値を演算し、この積算値すなわち面積演
算値を、記憶部501から記述していないキーボード等
のデータ入力装置によって予め入力してある品番毎の剥
離欠陥検査用面積基準値と比較し、その大小に基づいて
中空糸モジュールMの良否を判定する。すなわち、前記
の面積演算値≧面積基準値であるときその中空糸モジュ
ールMを剥離欠陥検査に関して不良品と判定し、面積演
算値<面積基準値であるとき中空糸モジュールMを良品
と判定する。前記面積基準値は経験的に定めることがで
きる。
【0128】表示部6は、中空糸モジュールごとに前記
演算判定部502が出力する比較結果、すなわち中空糸
モジュールの剥離欠陥に関する良否の判別結果を表示す
る。
【0129】操作指令部7は、既述の不浸透欠陥の検査
等の説明において記載したようにして図8に示す中空糸
モジュール移載機構8を作動させる。また、この操作指
令部7は、駆動制御部108に指令して駆動モータ10
2を作動させ、中空糸モジュールMを、前記界面Kが周
方向にスリット幅ds ずつ移動するように、連続的又は
間欠的に360度回転移動させる。また、この操作指令
部7は、前記記憶部501に与えた中空糸モジュールM
の品番に関する情報に基づいて、前記品番の中空糸モジ
ュールの界面Kの最上位が前記検出位置M0 と一致する
ように、前記支持装置1のための図示しない上下動機構
を制御する。
【0130】以上のようにしてなる検査装置により、中
空糸モジュールの容器Aと樹脂剤層C1 もしくはC2 間
に生じている剥離部の総面積を求め、この剥離部の総面
積が所定値以上である場合にその中空糸モジュールを不
良品として排除することができる。
【0131】なお、上記実施例では、光源201Dから
光ファイバーによって導いた光を、スリット光照射部2
02Dでスリット状に集光し、このスリット光を中空糸
モジュールMの最上端位置M0 に照射するようにしてい
るが、スリット光照射部202Dは、光源201Dをレ
ーザ光源とし、レーザ光をシリンドリカルレンズ等でス
リット状に拡げ、中空糸モジュールMの最上端位置M0
に照射するようにしたものであってもよい。
【0132】また、上記実施例では、第2の測光装置3
Dとして2次元CCDカメラを用いているが、発明によ
る他の検査装置では、第2の測光装置3Dとして1次元
CCDカメラ等のラインセンサを採用することもでき
る。この場合、第2の測光装置3Dは、検出位置M0 で
反射する反射光すなわち図14における反射光R12のみ
をとらえる位置に設ける。一方、2値化処理部403で
は、前記走査によって第2の測光装置3Dがとらえる各
画素の輝度を所定の閾値で2値化し、演算判定部502
は前記閾値を越える画素の数をカウントする。この演算
判定部502でカウントされた画素の総数は、前記微小
領域Pにおける剥離部の面積に比例する剥離指数とな
る。この場合、2値化のための閾値は、先の実施例の場
合の光源201Dの光強度と迷光等によるノイズに加
え、ラインセンサの走査時間も考慮する。このように第
2の測光装置3Dとしてラインセンサを用いた場合で
も、上記した部位以外の他の部位の構成および機能は、
2値化画像表示部404を除き、先の実施例の場合と同
様である。したがって、この検査装置における他の部位
の説明はここでは省略する。
【0133】この剥離欠陥の検査においては、第2の測
光装置3Dとして単一の受光素子を用いることもでき
る。このように第2の測光装置3Dとして単一の受光素
子を用いる場合は、この受光素子が図14に示す反射光
R11,R13をとらえることがないように、中空糸モジュ
ールMの近傍に、前記反射光R11,R13を遮蔽する一点
鎖線で示すようなウィンド9(図14参照)を設ける。
この場合、図17に示すように、第2の測光装置3D´
である単一受光素子の出力信号は、2値化処理されるこ
となく異常検出用信号形成部4´に送られる。異常検出
用信号形成部4´は、前記第2の測光装置3D´の出力
信号のレベルから、迷光および正常接着部で生じる僅か
の反射光等を考慮してあらかじめ設定したノイズ分を差
し引くことによって、前記微小領域Pにおける剥離面積
に比例して変化する剥離指数を求め、この剥離指数を信
号化した剥離信号すなわち異常検出用信号を出力する。
【0134】このように第2の測光装置として単一の受
光素子を用いる場合も、図1における第2の測光装置3
Dと異常検出用信号形成部4に代えて前記第2の測光装
置3D´と異常検出用信号形成部4´を用いること、お
よび新たに前記ウィンド9を設けること以外は、前記図
1の実施例の検査装置とほぼ同様である。したがって、
ここではこの検査装置の動作に関する詳細な説明は省略
する。
【0135】次に、上記実施例では、演算判定部502
で求めた、前記界面Kにおける剥離部の面積に相当する
積算値が記憶部501で読み出した閾値を越えているか
否かのみをその中空糸モジュールが良品であるか不良品
であるかの判別条件としている。しかしながら、他の中
空糸モジュールの検査装置では、図1における剥離信号
形成部4に加えて、前記分割領域a,b,c,d,e,
fごとの剥離の有無を示す剥離信号を形成する第2の剥
離信号形成部を設け、判別装置5では、連続する所定数
の微小領域Pの各分割領域a,b,cあるいはa,b,
c,d,e,fが全て剥離信号を検出しているような場
合には、たとえ前記積算値が閾値を越えていない場合で
も、その中空糸モジュールを不良品とするようにするこ
ともできる。
【0136】このようにすると、分割領域a,b,cの
剥離が連続する所定数の微小領域Pにわたっていること
により、樹脂剤層C1 ,C2 の経年変化で、前記分割領
域a,b,cの剥離が拡散する虞がある中空糸モジュー
ルMを不良品として判別することができる。また、上記
のような第2の剥離信号形成部を備える場合、微小領域
Pのいずれか一つでも前記分割領域a,b,c,d,
e,fの全てにおいて剥離信号が検出されているような
場合は、他の判定条件に関係なくその中空糸モジュール
を不良品とするようにしていてもよい。これはたとえ一
つの微小領域Pであってもその分割領域a,b,c,
d,e,f全てで剥離が生じていればそこから血液の漏
れ等を起こす可能性があるからである。
【0137】どのような剥離状態が検出された場合にそ
の中空糸モジュールMを不良品とするか否かは、中空糸
モジュールの特性と工程の解析結果に基づいて決定す
る。
【0138】V.<発泡欠陥の検査> 発泡欠陥は、容器Aの端面に合わせて切断した樹脂材層
C1 ,C2 の端面に、気泡跡等の微小な凹部が形成され
ている欠陥である。この発泡欠陥を、図1に示す中空糸
モジュールの検査装置は以下の構成と動作により検査す
る。
【0139】発泡欠陥を検査するための支持装置1の構
成は、図13に示した剥離欠陥の検査の場合と同様であ
る。したがって、ここでは図18に符号を付すのみと
し、支持装置1の詳細な説明は省略する。
【0140】この発泡欠陥の検査では、光照射装置とし
て、図1における第4の光照射装置2Eを用いる。図1
8に示すように、第4の光照射装置2Eは、第4の光源
201Eおよびスリット光照射部202Eを備えてい
る。
【0141】第4の光源201Eは、ハロゲンランプ等
によってなり、操作指令部7より与えられた指令に基づ
いて、発光のオン・オフおよび光強度の調整を行う。こ
の第4の光源201Eは、前記光強度を後述する第3の
測光装置3Eが測定する輝度がいずれかの画素において
飽和する光強度となるように調整する。この光強度の調
整については後述する。
【0142】スリット光照射部202Eは、たとえば複
数本の光ファイバー203Eによって前記光源201E
と接続されており、これらの光ファイバー203Eを横
一列に配列した後、これらの光ファイバー203Eの端
末から照射された光をシリンドリカルレンズ(不図示)
でスリット状に集光し、このスリット状の光を出射す
る。図19に示すように、前記スリット状の光は、前記
中空糸モジュールMの樹脂剤層C1 の端面C11がこの端
面全域において前記軸芯C0 と直角である理想的に形成
された面である場合には、この端面C11の直径上に入射
角α1 で入射し、この端面C11の直径を含む幅hのスリ
ット状被照射領域Hを照射する。以下においては、前記
端面が理想形成面である場合にこの端面C11に照射され
るスリット光の被照射領域Hを、任意の端面C11に関す
る被照射領域Hとして説明する。
【0143】端面C11が前記理想端面であるとき、この
スリット光発光部202Eから出射されたスリット光L
は、図4に実線で示すように、前記スリット状被照射領
域Hで反射角β21で反射し正反射光R21となる。
【0144】前記端面C11に気泡跡等による凹部DPが存
在すると、前記スリット光Lの正反射光R22は、図20
に仮想線で示すように、凹部DP部分で前記反射角β21と
異なる反射角β22で反射する。反射光は、乱反射光を受
光せず、正反射光を受光するのが好ましい。
【0145】また、前記端面C11が理想端面に対し傾斜
してカットされていたり、歪みを有する端面であったり
する場合も、前記スリット光Lの正反射光R21′は前記
反射角β21と異なる反射角β21′で反射する。しかし、
この場合、被照射領域Hにおける端面C11の傾斜は、前
記凹部DPの場合に比べて小さく、したがって、正反射光
R21′の反射角β21′は前記正反射光R22の反射角β22
に比べて理想端面での反射角β21に近似している。
【0146】なお、前記スリット状被照射領域Hの幅h
の設定方法については後述する。
【0147】この発泡欠陥の検査では、測光装置とし
て、第3の測光装置3Eを用いる。この第3の測光装置
3Eは公知の2次元テレビカメラを主体とするものであ
る。この第3の測光装置3Eは、前記端面C11の画像を
2次元で撮像する。また、この第3の測光装置3Eは、
前記端面C11の直径上に対応する、図19に仮想線で示
すようなウィンドW内の画像の画素ごとの光の輝度を表
すアナログの画像信号を出力する。
【0148】前記ウィンドWの幅wは、たとえば画素の
幅σの5倍以上に設定している。前記画素は、前記2次
元テレビカメラがCCD素子を使用する機種である場合
には、カメラの各CCD素子、レンズの焦点距離および
テレビカメラと前記端面C11間の距離等を条件として決
定される寸法分解能であって、画像上での前記端面C11
の最小構成単位である。すなわち、測光装置3が2次元
CCDカメラの場合、2次元に配列された多数のCCD
素子上に端面画像を結像させ、各CCD素子出力より画
像を形成する関係にあるので、画像上の各画素とCCD
素子の最小単位とは、それぞれ1対1に対応する関係に
ある。前記画素の幅σは、好ましくは検出対象となる凹
部DPのうち最も小さな凹部DPの幅dの1/3以下、さら
に好ましくは1/4以下とするのがよい。画素の幅σを
大きくして、凹部DPの画像に完全に含まれる画素が発生
しないようになると検出精度が低下する。図22では、
画素の幅σを検出すべき最も小さな凹部DPの幅dの1/
4としている。なお、図22では、画素を正方形として
いるが、長方形であってもよい。
【0149】前記ウィンドWの幅wは、この検査装置の
処理スピードに大きな影響を与える。前記処理スピード
を向上させるためには、前記ウィンドWの幅wを大きく
するのがよい。しかしながら、後述するように、ウィン
ドWの幅wを大きくし過ぎると、端面C11の傾斜や歪み
が大きい場合にこのウィンドWの一部が均一に照射され
ない場合が生じる問題が生じる。このため、ウィンドW
の幅wは、後述する被照射領域Hの幅hの1/2以下と
することが好ましい。
【0150】なお、前記ウィンドWの幅は、中空糸モジ
ュールMの品種に応じて切り替えるようにしてもよい。
【0151】前記スリット状被照射領域Hの幅hは、こ
の第3の測光装置3Eが受光する反射光が前記図20に
示す正反射光R21若しくはR21′であるときには、前記
ウィンドWが前記正反射光R21若しくはR21′の受光範
囲に位置することができる幅に設定する。この実施例で
は、図22に示すように、前記最小凹部DPの幅dの2倍
の幅(2d)の両側にそれぞれ画素の幅σを補充した幅
(2d+2σ)を被照射領域Hの幅hとしている。既述
のように、前記最小凹部DPの幅dは画素の幅σの4倍で
あるから、前記被照射領域Hの幅hは、10σすなわち
画素の幅σの10倍の幅に設定されていることになる。
【0152】前記被照射領域Hの幅hは、好ましくは、
画素の幅σの10倍(図22の場合)、若しくはそれ以
上になるように設定するのがよい。実験によれば、被照
射領域Hの幅hが画素の幅σの10倍よりも小さいと、
端面C11が傾斜カットされていたり端面C11に歪みがあ
る場合に、こうした歪み等が許容範囲であっても、前記
ウィンドWの一部から前記正反射光R21若しくはR21′
がズレる場合が生じる。このような場合、検出対象とな
る凹部DPが存在しないにも拘らず、正反射光R1 若しく
はR21′がズレて照射されない部分の画素の輝度が、凹
部DPに対応する部分と同程度のレベルに下がる問題が発
生する。
【0153】また、既述のように、前記被照射領域Hの
幅hは前記ウィンドWの幅wの2倍以上とするのが好ま
しい。これによって、中空糸モジュールMの端面C11の
傾斜やこの中空糸モジュールMの支持装置1に対する取
付誤差によって前記ウィンドWに正反射光R21もしくは
R21′に照射されない画素部分が生じることを防止でき
る。
【0154】以上のようにして前記スリット状被照射領
域Hを設定すると、前記端面C11が理想端面であれば、
前記ウィンドWは、図21(a)に示すように、前記ス
リット状被照射領域Hで反射した正反射光R21の受光領
域H1 の中央に設定される。すなわち、ウィンドWはそ
の全域が正反射光R21によって照明される。
【0155】また、前記端面C11が傾斜カットされてい
る場合、その傾斜が許容範囲であれば、前記ウィンドW
は、図21(b)に示すように、前記スリット状被照射
領域Hで反射した正反射光R21′の受光領域H1 の幅方
向に偏った位置H1 ′に設定されたり、図21(c)に
示すごとく傾いた位置に設定される。しかし、この場合
も、前記傾斜が許容範囲であるため、前記ウィンドWは
正反射光R21′によってその全域が照明される。
【0156】さらに、前記端面C11が歪んでいる場合、
前記スリット状被照射領域Hで反射した正反射光R21′
の受光領域H21′は、たとえば図21(d)に示すよう
に湾曲した形状となる。しかし、その歪みが許容範囲で
あれば、前記ウィンドWは、前記受光領域H1 ′内に設
定され、前記ウィンドWは正反射光R21′によってその
全域が照明される。
【0157】前記端面C11に気泡跡等による凹部DPが存
在すると、この凹部DPにおいて反射した前記反射光R2
は、前記ウィンドWから外れた位置で受光される。した
がって、前記ウィンドWに対応する位置に凹部DPが存在
すると、その位置の輝度が低下する。
【0158】前記第3の測光装置3Eは、前記ウィンド
W内の全ての画素についての輝度レベルを測定し、この
輝度レベルを第5のアナログ画像信号として異常検出信
号形成装置4に与える。
【0159】第5のアナログ画像信号を受けた場合にお
ける異常検出用信号形成装置4のA/D変換器401お
よび画像記憶部402の動作は、前述の不浸透欠陥、糸
乱れ欠陥、不通糸欠陥および剥離欠陥の検査の場合と同
様である。
【0160】発泡欠陥の検査の場合、すなわち異常検出
用信号形成部4が第4のアナログ画像信号を入力した場
合、2値化処理部403は、演算判定部502からの指
令により、前記画像記憶部402から前記ディジタル画
像信号すなわち図23(a)に示すもウィンドWの領域
のディジタル画像信号を読み出す。そして、このディジ
タル画像信号を所定の閾値S1Pで2値化して、第5の2
値化画像信号を形成する。すなわち、この2値化処理部
403は、前記閾値S1Pよりもレベルの高い画像信号を
白色レベルに置換し、前記閾値S1Pよりもレベルの低い
画像信号を黒色レベルに置換する。
【0161】ところで、従来知られている光による一般
的な凹部の検出方法では、光照射装置が照射する光の強
度を、その反射光の測光量である輝度が、前記第3の測
光装置3Eによる測光輝度レベルにおいて部分的に飽和
することがないように設定している。このように、従来
の方法による光強度のスリット光を照射した場合、前記
ウィンドW内の輝度レベルは、端面C11に露出している
多数の中空糸の端部による凹凸により、図23(b)に
示すように起伏の激しいプロフィールとなる。また、検
査する中空糸モジュールMを取り替えるごとに、端面C
11の微小な凹凸形状が変化し、それに伴って輝度レベル
も上下動する。このため、凹部DPと正常部分の輝度レベ
ル差が小さく、前記2値化処理部403において画像信
号を2値化する場合に、検出対象となる凹部DP以外の箇
所を黒色レベルに置換してしまう検出エラーが発生する
可能性が高い。
【0162】上記のような検出エラーを防止するため、
この発明では、前記第4の光照射装置2Eが照射するス
リット光の光強度を、画素ごとの輝度が一部の画素にお
いて飽和し始める時点の光強度より大きな光強度に設定
している。図23(c)は、スリット光の光強度を最初
に端面C11の一部が飽和し始めた時点の2倍程度に設定
したときの前記図23(a)に対応する位置の輝度レベ
ルを示している。この図23(c)からも分かるよう
に、前記端面C11に露出している糸束Bの先端の光拡散
性が強いため、スリット光の光強度を大きくしてゆく
と、端面C11の輝度はまず前記糸束Bがある中央部から
飽和し始める。
【0163】図23(d)は、スリット光の光強度を最
初に端面C11の一部が飽和し始めた時点の4倍に設定し
たときの前記図23(a)に対応する位置の輝度レベル
を示している。この図23(d)では、凹部DPに対応す
る位置以外の輝度レベルは全て飽和値に達している。ス
リット光の光強度を最初に端面C11の一部が飽和し始め
た時点の何倍にするかは、端面C11の成形精度や端面C
11と測光装置3の位置関係に依存するが、4倍を越える
値に設定すると、検出対象となる凹部DPに対応する部分
の輝度レベルが飽和値に接近するか若しくは飽和値に達
してしまう上、CCDカメラを用いている場合には、ス
ミア現象やブルーミング現象といったCCDカメラ特有
の異常現象が強く発生する虞があるため、この発明で
は、スリット光の光強度を最初に端面C11の一部が飽和
し始めた時点の4倍以内に規定している。
【0164】一方、光強度は、図24を用いて説明する
以下の理由により、なるべく大きく取ることが有効であ
る。
【0165】図24は、ほぼ理想的な端面C11内に検出
対象となる径0.8mmの凹部DPのある中空糸モジュー
ルMと、欠陥となる凹部DPはないが面ゆがみの大きい中
空糸モジュールMについて、ランプ電圧と閾値S1Pによ
る2値化画像の変化を説明するためのものである。
【0166】図24に示す特性曲線K1 は、径0.8m
mの凹部DPのみを単独に、前記2値化処理部403にお
いて検出するための限界閾値S1Pのランプ電圧に対する
変化を示している。すなわち、端面C11が理想的な面で
あれば、特性曲線K1 よりも上の任意の閾値S1Pを採用
することができる。一方、特性曲線K1 よりも下の閾値
を採用すると、凹部DP以外の低輝度部を誤検出する。し
かし、端面C11がゆがみの強い端面であると、閾値S1P
を高くするにつれて、検出対象となる凹部DP以外のゆが
み箇所を検出するようになり、検出エラーが発生し始め
る。
【0167】図24の特性曲線K2 は、特にゆがみの強
い中空糸モジュールについて、検出エラーが発生し始め
る閾値S1Pのランプ電圧に対する変化を示しており、こ
の特性曲線K2 より下側の閾値S1Pを用いることによ
り、検出エラーの発生を回避できることがわかる。すな
わち、前述の径0.8mmおよびこれ相当の凹部DPをエ
ラーなく検出するためには、特性曲線K1 ,K2 に挟ま
れた領域(図24における斜線部)Eを用いることが好
ましい。そして、図24から明らかなように、領域Eは
光強度が大きくなるほど、使用できる閾値S1Pの幅が広
くなっている。したがって、閾値S1Pの選択幅を広げる
ためには、前述したスリット光の光強度を最初に端面C
11の一部が飽和し始めた時点の4倍以内の光強度で、か
つ、大きな光強度とするのが好ましいといえる。光強度
を強くする程、2値化された凹部DPの画像径が小さくな
るので、最も強い光強度とすることは好ましくないが、
光強度を強くすることで上記のごとく凹部DPを検出し易
くなり、検出精度が向上する。
【0168】2値化閾値S1Pを決定する方法は、図24
のデータに基づく一定値(品種、ランプ電圧で変えてよ
い)を予め記憶部501に入力しておいて読み出す方法
の他、テレビカメラで撮像したウィンドウ内の輝度分布
の標準偏差ないしは範囲から演算して決定するなど一般
に知られた各方法を適用してもよい。
【0169】2値化画像表示部404は、この発泡欠陥
の検査では、前記2値化処理部403によって白色レベ
ルと黒色レベルに置換された画像信号により得られる画
像、すなわち前記凹部DPのみを黒色で示したウィンドW
内の画像を表示する。
【0170】判別装置5では、演算判定部502が以下
のようにして前記2値化画像表示部4で白色で表示され
る部分の面積を演算する。
【0171】演算判定部502は、前記2値化処理部4
03において黒色レベルに置換した画素を検出し、ここ
の凹部DPを構成する画素の数、位置関係等に基づいて、
これらの画素が構成する凹部DPの寸法、面積等の特徴量
を演算する。
【0172】記憶部501は、演算判定部502の指令
を受けてあらかじめ記憶された中空糸モジュールMの品
番ごとの前記特徴量に関する基準値の中から、キーボー
ド等の記述していないデータ入力装置により入力された
品番の発泡欠陥検査用基準値を読み出し、演算判定部5
02に与える。前記発泡欠陥検査用基準値は経験的に定
めることができる。
【0173】演算判定部502は、また前記凹部DPの寸
法、面積等の特徴量を、記憶部501が出力する発泡欠
陥検査用基準値と比較し、中空糸モジュールMの良否を
判定し、この判定結果に基いて前記支持装置1から取り
外した中空糸モジュールMと不良品に分別する分別機能
を備えている。すなわち、前記比較結果が基準値>演算
特徴量値であるときは良品と判定し、基準値≦演算特徴
量値であるときは不良品と判定し、比較判定結果を表示
部6および操作指令部7に与える。
【0174】表示部6は、中空糸モジュールごとに前記
演算判定部502が出力する比較結果、すなわち中空糸
モジュールの発泡欠陥に関する良否の判別結果を表示す
る。
【0175】操作指令部7は、既述の不浸透欠陥の検査
等の説明において記載したようにして図8に示す中空糸
モジュール移載機構8を作動させる。また、操作指令部
7は、この発泡欠陥の検査においては、演算判定部50
2からのタイミング指令を受けて、駆動制御部108に
指令信号を与える。既述のように、この指令信号を受け
た駆動制御部108は、前記駆動モータ102を、前記
軸心C0 を中心として所定時間ないしは所定角度だけ一
定スピードで回転するように駆動し、停止させる。そし
て、前記検出器109が検出する中空糸モジュールMの
回転角が180度以上に達するごとに既述の中空糸モジ
ュール移載機構8を作動させ、支持装置1上に搭載され
た中空糸モジュールMを取り外すとともにこの支持装置
1に新たな中空糸モジュールMを搭載させる。
【0176】また、この操作指令部7は、前記基準値読
出部502に与えた中空糸モジュールMの品番に関する
情報に基いて、前記品番の中空糸モジュールMの軸心C
0 が前記ウィンドWに対応する位置と一致するように、
前記支持装置1のための図示しない上下動機構を制御す
る。
【0177】以上のようにしてなる検査装置により、中
空糸モジュールMの樹脂剤層C1 もしくはC2 の端面に
発生した気泡跡等による凹部DPを検出し、この凹部DP部
が存在する中空糸モジュールを不良品として排除するこ
とができる。
【0178】以上の装置により、表1に示す条件A〜C
で凹部DPの検出を行う検査を行ったところ、以下のよう
な検出結果が得られた。
【0179】
【表1】
【0180】条件Aは被照射領域Hの幅h/画素の幅σ
を「7」に設定している。この条件Aでは、端面C11の
仕上がりが比較的良好な中空糸モジュールMについては
直径1mm以下の凹部DPを検出することができたが、端面
C11が傾斜カットされていたり端面C11に歪みがある場
合には、その程度が大きくなるとウィンドWの一部が正
反射光に照射されないために検出エラーが発生した。し
かし、この検出エラーは、被照射領域Hの幅hおよびウ
ィンドWの幅wの設定に問題があることによる。
【0181】このような検出エラーを抑制するために
は、被照射領域Hの幅hおよびウィンドWの幅wを、関
係を保って拡げることが考えられる。ただし、被照射領
域Hの幅hを広げるに当たっては、端面C11の光拡散効
果が強いことにより、欠点像である凹部DPの像のコント
ラストが悪化する可能性が高いことに留意する必要があ
る。一方、ウィンドWの幅wは、既述のように、検査エ
ラーの発生を抑制するために被照射領域Hの幅hの1/
2以下とする一方、端面C11全域を検査するための処理
スピードを考慮してなるべく大きめに設定する。
【0182】条件Bは上のこと考慮して被照射領域Hの
幅h/画素の幅σを50に設定している。実験の装置で
は、この条件Bでは、前記端面C11の傾斜カットや中空
糸モジュールMの支持装置1に対する取付位置のずれに
対しては問題なく検出すべき径1mm以下の凹部DPを検出
できたが、面ゆがみの強い一部のワークで検出エラーが
発生した。
【0183】条件Cは、条件Bに比べ、被照射領域Hの
幅hを大きくするとともにウィンドWの幅wを小さくし
ている。これによって、条件Bで検出エラーが生じた面
ゆがみの強い中空糸モジュールMについても確実に凹部
DPを検出することができた。
【0184】なお、この発泡欠陥の検査の場合、上記の
では、第3の測光装置E3が、駆動モータ102を駆動
させて中空糸モジュールMを所定量回転させることによ
って、端面C11全面の輝度レベルを測定するようにして
いるが、図示しない上下動機構により前記中空糸モジュ
ールMをウィンドWの幅hづつ上方または下方に移動さ
せることで、端面C11全面の輝度レベルを測定するよう
にしてもよい。
【0185】また、上記の例では、第3の測光装置3E
の画素ごとの測光量を高くする等の検出精度向上手段と
して、スリット光の強度を強くする方法を例示している
が、第3の測光装置3Eに取り付けるカメラ用レンズの
絞りを開放していくとか、明るいレンズと交換するよう
にしてもよい。また、第3の測光装置3Eが包含する信
号増幅器による、増幅と飽和特性機能による方法であっ
てもよい。しかし、スリット光の強度を強くする方法が
使い易くより好ましい。
【0186】また、上記の例では、第3の測光装置3E
として、ウィンドW内の画素の輝度レベルに関する情報
を一時に得ることができる2次元テレビカメラを用いて
いるが、他の検査装置では、第3の測光装置3Eとし
て、CCD素子を1次元に並べた1次元CCDカメラ等
のラインセンサを採用することもできる。
【0187】また、第4の光照射装置2Eとして、レー
ザー光を光学素子でスリット光に変換するようした光照
射装置を用いてもよい。しかし、光強度が低下してもラ
ンプ電圧によって定期的に光強度を管理して調節できる
ので、実施例で用いたタイプの光照射装置を用いる方が
より好ましい。
【0188】なお、図1の検査装置では、中空糸モジュ
ールMの一端側のみの検査を行うようにしている。しか
しながら、発明による中空糸モジュールの検査装置は、
両端を同時に検査できる装置を含むことはもちろんであ
る。
【0189】なお、本実施例では、中空糸モジュールを
透析器に用いた例を示したが、これは一例であって、本
発明の検査装置は、同様に中空糸モジュールを用いる水
処理モジュール、浄水器モジュール等の発泡検査に対し
ても好適に適用することができる。
【0190】
【発明の効果】請求項1の中空糸モジュールの検査装置
によると、正常なものに比べ白っぽくなった中空糸モジ
ュールの端面の色変化を、この端面の画像信号を2値化
する方法で確実にとらえることができることにより、不
浸透欠陥を簡単且つ確実に検査することができる。
【0191】請求項2の中空糸モジュールの検査装置に
よると、第1および第2の光出射部によって中空糸モジ
ュールの端面を照射することで、この中空糸モジュール
の端面の光量分布をフラットにしたことにより、この端
面の画像信号をこの画像信号を補正することなく2値化
しても、不通糸部に生成する白色微小気泡群を確実にと
らえることができ、中空糸モジュールにおける不通糸欠
陥の自動検査が可能になるという効果を奏する。また、
第1の光出射部により中空糸モジュールの端面の照明効
果を均一にすることができ、第1および第2の光出射部
の組合わせにより前記端面から少し潜った部分の照明効
果を均一にすることができるので、局部的な斑検出(白
黒では濃淡検出、カラーでは色斑検出)での照明効果補
正が不要であり、比較的簡単な装置で不通糸欠陥を検査
することができる。
【0192】請求項3による中空糸モジュールの検査装
置によると、不良中空糸モジュールを分別することによ
り、後工程でこうした不良中空糸モジュールに加工作業
を行うような不合理を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施例による中空糸モジュールの検査装
置の概略構成図である。
【図2】第1および第2の光照射装置を説明する図であ
る。
【図3】第1のリング状出射部による照明状態を説明す
る図である。
【図4】第1のリング状出射部による照明時の光量分布
を説明する図である。
【図5】第1のリング状出射部の変形例を示す図であ
る。
【図6】中空糸モジュールの端面における光量検出部を
説明する図である。
【図7】不浸透欠陥がある場合の光量分布を示する図で
ある。
【図8】中空糸モジュールの移載機構を示す平面概略図
である。
【図9】リング状出射部を説明する図である。
【図10】リング状出射部による照射状態を説明する断
面説明図である。
【図11】糸乱れ欠陥の検査における光量分布を説明す
る図である。
【図12】不通糸欠陥の検査における光量分布を説明す
る図である。
【図13】図1の検査装置における剥離欠陥の検査に用
いる部分の詳細図である。
【図14】剥離部での反射状態を示す説明図である。
【図15】スリット光が照射する微小領域を説明する図
である。
【図16】反射光の2値化画像を示す図である。
【図17】剥離欠陥の検査のための他の中空糸モジュー
ル検査装置の要部の構成を示す図である。
【図18】図1の検査装置における発泡欠陥の検査に用
いる部分の詳細図である。
【図19】端面に対するスリット光の照射状態を示す図
である。
【図20】端面での反射状態を示す図である。
【図21】被照射部とウィンドの関係を説明する図であ
る。
【図22】凹部と画素の関係を示す図である。
【図23】光強度に対応する測定輝度レベルを示す図で
ある。
【図24】光強度と2値化のための閾値の関係を示すグ
ラフである。
【図25】中空糸モジュールの断面図である。
【図26】中空糸モジュールの使用状態を説明する図で
ある。
【図27】公知の照明方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 支持装置 2A 第1の光照射装置 2B 第2の光照射装置 202A 第1のリング状出射部 202B 第2のリング状出射部 3A 第1の測光装置 403 2値化処理部 502 演算判定部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の中空糸の端部を樹脂剤により固め
    た樹脂剤層を有する中空糸モジュールの検査装置であっ
    て、 前記中空糸モジュールを支持する支持手段と、 前記中空糸モジュールの端面から所定距離離れた位置に
    おいて該モジュールと略同軸上に配置されかつ外径が該
    モジュールの外径以上であるリング状の光出射部と、 前記中空糸モジュールの端面に対向しかつ前記光出射部
    から照射された光の前記端面での正反射光が入射しない
    位置で、前記中空糸モジュールの端面の細分化された領
    域ごとの光量を測定する測光手段と、 前記中空糸モジュールの端面における任意の1の選択点
    の測光量もしくは2以上の選択点の平均測光量に任意の
    オフセット量を加算して閾値を演算するとともに、前記
    測光手段が測定した各領域ごとの測光量を前記閾値で2
    値化した2値化信号を出力する2値化処理手段と、 前記2値化処理手段の処理結果に基づいて中空糸モジュ
    ールが不良品であるか否かを判別する判別手段と、を備
    えることを特徴とする中空糸モジュールの検査装置。
  2. 【請求項2】 複数の中空糸の端部を樹脂剤により固め
    た樹脂剤層を有する中空糸モジュールの検査装置であっ
    て、 前記中空糸モジュールを支持する支持手段と、 前記中空糸モジュールの端面から所定距離離れた位置に
    おいて該モジュールと略同軸上に配置されかつ外径が該
    モジュールの外径以上であるリング状の第1の光出射部
    と、 前記充填樹脂剤に対応する位置で前記中空糸モジュール
    に側方から光を照射すべく前記樹脂剤層を囲繞するリン
    グ状の第2の光出射部と、 前記中空糸モジュールの端面に対向しかつ前記第1の光
    出射部から照射された光の前記端面での正反射光が入射
    しない位置で、前記中空糸モジュールの端面の細分化さ
    れた領域ごとの光量を測定する測光手段と、 前記中空糸モジュールの端面における任意の1の選択点
    の測光量もしくは2以上の選択点の平均測光量に任意の
    オフセット量を加算して閾値を演算するとともに、前記
    測光手段が測定した各領域ごとの測光量を前記閾値で2
    値化した2値化信号を出力する2値化処理手段と、 前記2値化処理手段の処理結果に基づいて中空糸モジュ
    ールが不良品であるか否かを判別する判別手段と、を備
    え、かつ、 前記第1の光出射部と第2の光出射部は、前記撮像カメ
    ラにより撮像した、中空糸の端部が樹脂剤により目詰ま
    りを起こしていない中空糸モジュールでの前記測光量の
    分布が、少なくとも前記端面における前記中空糸領域に
    おいてフラットとなる光を照射すること、を特徴とする
    中空糸モジュールの検査装置。
  3. 【請求項3】 前記判別手段による判別結果に基づいて
    欠陥中空糸モジュールを分別する分別手段を備えること
    を特徴とする請求項1又は2の中空糸モジュールの検査
    装置。
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