JP2002228428A - 異物検出装置及び露光装置 - Google Patents

異物検出装置及び露光装置

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JP2002228428A
JP2002228428A JP2001026547A JP2001026547A JP2002228428A JP 2002228428 A JP2002228428 A JP 2002228428A JP 2001026547 A JP2001026547 A JP 2001026547A JP 2001026547 A JP2001026547 A JP 2001026547A JP 2002228428 A JP2002228428 A JP 2002228428A
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Kei Nara
圭 奈良
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶ディスプレイパネルや集積回路の製造工
程において、散乱光強度分布から異物のサイズを判定で
きる異物検出装置を提供し、効率良く露光できる露光装
置を提供する。 【解決手段】 ペリクル4を張ったマスク2を被検体と
し、ペリクル4の検査領域4aを照明手段5で照明し、
対物レンズ7によりペリクル4上の異物Pの像をCCD
6に結像させる。CCD6からの検出信号を、マスク2
の座標信号と共に信号処理手段20に取り込み、二次元
の散乱光強度マップMを作成し、その分布に基づいて異
物Pのサイズを判定する。マスク2と、CCD6及び対
物レンズ7とを相対的に移動させる駆動手段10を備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異物検査装置に係
り、特に、液晶ディスプレイパネルや集積回路の製造工
程において用いられるマスクに付着した異物を検出する
異物検出装置、及びその異物検出装置を備える走査露光
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイパネルや半導体集積回
路の製造工程において用いられるフォトマスクやレチク
ル(以下、マスクという)を覆うペリクル等の薄膜の表
面上に付着した異物を検出する異物検査装置として、例
えば特開平9−79987号公報に記載されたものがあ
る。この異物検査装置は、マスクのガラス基板上に離間
して張られたペリクル等の被検査物に対して光を照射
し、異物が付着している場合、その異物によって発生す
る散乱光をフォトディテクタ等の光電変換センサによっ
て検出して異物を検出している。異物のサイズの判別に
当たっては、光電変換センサによって受光した散乱光の
強度に応じた検出信号のうち、所定の閾値レベルより大
きい検出信号が検査対象の異物を表すものとしている。
そして、異物の大きさ信号に基づいて異物の大きさを例
えばSA、SB、SCのようにランク分けし、異物のラン
ク情報を異物の位置信号に基づいてディスプレイ上にマ
ップ表示する。このように表示された異物は一次元で表
示されている。すなわち、異物のサイズに略比例して照
射光による散乱光強度が高くなるという関係をもとにし
て散乱光強度から異物のサイズを判別している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記構造の
異物検査装置は、帯状の検査領域を照射する光源からの
光照射方向に対して光電変換センサが側方に位置してい
るため、異物から生じる散乱光強度に角度分布がある場
合、光電変換センサによって検出される散乱光強度が異
物と光電変換センサの位置関係によって変化してしま
う。このため、光電変換センサによって検出される散乱
光強度が異物のサイズに比例しない場合がある。
【0004】すなわち、図12に示すように、光源によ
り照明された検査領域を対物レンズで光電変換センサで
あるCCDに結像させて検査領域上の異物を検出する場
合、CCDを中心として異物が光源側にあると、異物に
よって発生される散乱光のうち前方散乱光の成分が強く
検出され、異物がCCDの側方にあると側方散乱光の成
分が強く検出される。そして、異物が光源と反対側にあ
ると異物からの散乱光のうち後方散乱光の成分が強く検
出されるというように、検査領域上における異物の位置
とCCDの位置との関係によってCCDで検出される散
乱光の成分が異なるという問題がある。一方、異物によ
って発生される散乱光強度の角度分布は必ずしも等方的
ではなく、異物のサイズや形状、材質により非等方的な
角度分布を有することが知られている。従って、同じサ
イズの異物であっても検査領域上での異物存在位置によ
ってCCDで検出される散乱光強度が異なり、散乱光強
度によっては異物のサイズを正確に判定できないという
問題がある。さらに、異物の大きさはランク分けして一
次元で表示されるため、正確なサイズを把握できないと
いう問題があった。
【0005】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであって、その目的とするところは、異物と光電
変換センサと光源との位置関係や、異物の材質、形状等
の影響を受けることなく、異物のサイズを判定できる異
物検出装置と、これを備える走査露光装置を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成すべく、
本発明に係る異物検出装置は、被検体(2,4)に付着
した異物(P)を検出する異物検出装置において、被検
体の検査領域を照明する照明手段(5)と、ほぼ連続し
て配置された複数の光検出素子を備え照明された検査領
域の異物からの散乱光を検出する光検出手段(6)と、
検査領域における異物の像を光検出手段(6)上に結像
する検出光学系(7)と、光検出手段(6)からの信号
を処理する信号処理手段(20)とを備え、信号処理手
段は、光検出手段において散乱光を連続的に検出した光
検出素子の数に基づいて異物のサイズを判定する。
【0007】この構成によれば、被検体(2,4)に付
着した異物(P)は、検査領域を照明する照明手段
(5)からの照明光を散乱し、この散乱光は検出光学系
(7)により光検出手段(6)上に結像される。そし
て、光検出手段(6)で検出された散乱光の信号は信号
処理手段(20)で処理され、散乱光を連続的に検出し
た光検出素子の数に基づいて異物のサイズを判定する。
このように、異物(P)からの散乱光強度ではなく、異
物の像が結像されている連続する光検出素子の数に基づ
いて判定するため、異物(P)と光検出手段(6)の位
置関係に影響を受けることなく異物(P)のサイズを判
定することができる。
【0008】また、本発明に係る異物検出装置の好まし
い態様としては、前記の異物検出装置において、被検体
と検出光学系とを相対的に移動させる駆動手段(10)
を備え、光検出手段(6)は、駆動手段(10)による
移動方向とは直交する方向に前記複数の光検出素子が一
次元的に配置され、駆動手段(10)による移動と連動
することにより二次元方向の検出を行う。
【0009】この構成によれば、一次元的に配置された
光検出素子を駆動手段(10)で移動することにより、
異物(P)の像を二次元的に検出することができ、異物
(P)のサイズを二次元的に判定することができる。す
なわち、被検体(2,4)と検出光学系(7)との相対
的移動に同期する被検体(2,4)上の座標信号と、光
検出手段(6)の検出信号から散乱光強度マップ(M)
を作成し、その分布に基づいて異物(P)のサイズを判
定するため、異物(P)と光検出手段(6)との位置関
係に影響を受けることなく、二次元的に異物のサイズを
得ることができる。光検出手段は検出光学系と一体的に
移動させてもよい。あるいは、検出光学系によって結像
された異物の像を光ファイバ等の可撓性のある光伝達手
段で光検出手段に入力するように構成すれば、必ずしも
光検出手段を検出光学系と共に移動する必要はない。
【0010】さらに、本発明に係る異物検出装置の好ま
しい他の態様としては、前記の異物検出装置において、
信号処理手段(20)は、散乱光強度が所定の散乱光強
度以上を異物の散乱光として認識すると共に、散乱光を
連続して検出した光検出素子の数に基づいて異物のサイ
ズを判定することができる。この構成によれば、異物と
光検出手段との位置関係に影響を受けることなく異物の
サイズを判定することができる。
【0011】また信号処理手段(20)は、散乱光強度
が所定の散乱光強度以上を異物の信号として処理すると
共に、散乱光を連続して検出した光検出素子によって形
成される領域の面積に基づいて異物のサイズを判定する
ようにしてもよい。この構成によれば、異物と光検出手
段との位置関係に影響を受けることなく異物のサイズを
判定することができる。
【0012】信号処理手段(20)は、散乱光強度を閾
値と比較して散乱光強度マップ上(M)で2値化し、2
値化された散乱光強度マップにおいて一方向に連続する
散乱光強度が大である光検出素子の数に基づいて異物の
サイズを判定し、あるいは散乱光強度が大である光検出
素子の連続によって形成される領域の面積に基づいて異
物のサイズを判定するため、異物と光検出手段との位置
関係に影響を受けることなく異物のサイズを得ることが
できる。
【0013】信号処理手段(20)は、散乱光を検出し
た連続する光検出素子によって検出された散乱光強度を
合計した値に基づいて異物のサイズを判定してもよい。
光検出素子からの出力信号は入射光強度がある値を超え
ると飽和するため、光検出素子によって検出された散乱
光強度を合計した値によっても検出信号を2値化処理す
る場合と同様に異物のサイズを判定することができる。
【0014】被検体の検出面に対向して検出光学系を複
数配置すると、1回の走査で広い領域を検査でき、効率
のよい異物の検出が可能となる。また、散乱光を光検出
手段の1個の光検出素子のみで検出した際には、散乱光
強度により異物のサイズを判定するようにしてもよい。
異物のサイズが光検出素子の1個のサイズより小さいと
きは、サイズが小さいほど散乱光強度が小さくなるの
で、散乱光強度から異物のサイズを判定することができ
る。
【0015】信号処理手段(20)は、異物を検出した
光検出素子の数と散乱光強度との少なくとも一方を用い
るように切替える感度切替え手段を備え、感度切替え手
段により異物の検出感度を変更するように構成すると好
適である。これにより、異物のサイズが大きい場合は光
検出素子の数から異物のサイズを判定し、異物のサイズ
が小さい場合は散乱光強度に切替えて判定することがで
き、異物のサイズが大きいときでも、小さいときでもそ
のサイズを判定することができる。
【0016】本発明に係る走査露光装置(30)は、パ
ターンが形成されたマスク(40)を保持して移動する
マスクステージ(60)と、マスク(40)を照明する
マスク照明手段(L1〜L5)と、基板(44)を保持
してマスクステージ(60)と同期して移動する基板ス
テージ(45)と、基板にマスクのパターンを投影する
投影光学系(42a〜42e)とを備え、マスク(4
0)が被検体であり、マスクに付着した異物(P)を基
板の露光動作中に検出する前記のいずれかに記載の異物
検査装置を備える。異物検査装置の照明手段(5)とマ
スク照明手段とは兼用してもよい。
【0017】この構成によれば、マスクステージ(6
0)に保持されたマスク(40)のパターンを、基板ス
テージ(45)に固定された基板(44)に露光しなが
ら異物の検出を行うことができ、露光された感光基板の
良否をリアルタイムで判定でき、半導体集積回路等の露
光工程を効率良く、高い信頼性を持って行うことができ
る。同じマスクを用いて長時間パターン露光を行う場合
においても、マスクへの異物の付着を直ちに検出するこ
とができ、不良品の産出を最小限に抑えると共に異物付
着後の処置を迅速に行うことができる。また、露光装置
のマスク照明手段で異物検出装置の照明手段を兼ねるこ
とにより、照明手段の重複を避けることができ、装置構
成を簡略化することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づき詳細に説明する。図1は、本発明による異物検出
装置の一例の概略構成を示す斜視図である。図1におい
て、異物検出装置1は被検体であるペリクル付マスクの
表面に付着した異物を検出するものである。ペリクル4
はマスク2のパターン面に異物が付着するのを防止する
透明の薄膜であり、マスク2のパターン面にフレーム3
を介して間隙を有して平行状態に張設されている。ペリ
クル4の上方には、ペリクル表面のライン状の検査領域
4aを均一に照明する照明手段5が配置されている。ペ
リクル4表面の検査領域4aに存在する異物からの散乱
光は、対物レンズ7を介して光検出素子(以下、セルと
いう)を一次元的に配置したCCD(電荷結合素子)6
で検出する。対物レンズ7は、ライン状の検査領域4a
の像を縮小してCCD6に結像する。CCD6は例えば
4μmピッチで数千のセルが一次元的に配列したもので
あり、対物レンズ7の縮小倍率が1/5の場合、被検体
であるペリクル4表面上で20μmの分解能を有するも
のである。本例では、CCD6のセルが一次元的に配置
された電気的な走査方向をY軸方向とし、後述する機械
的な駆動手段によるマスクテーブル8の走査方向をY軸
と直交するX軸方向として説明する。
【0019】ペリクル4付のマスク2はマスクテーブル
8上に載置固定され、マスクテーブル8は駆動手段10
によってX軸方向に移動される。駆動手段10はベース
板9に固定した2本のリニアガイド11a,11b、ボ
ールねじ12及び駆動モータ13から構成され、マスク
テーブル8はリニアガイド11a,11bでX軸方向に
直動可能に支持されている。ボールねじ12はベース板
9のX軸方向の両端近傍に固定された支持板9a,9b
に支持され、支持板間の中心にリニアガイド11a,1
1bと平行に回動可能に支持されている。そしてボール
ねじ12に噛み合うナット12aがマスクテーブル8に
固定されており、ボールねじ12は駆動モータ13によ
り回動される。
【0020】駆動モータ13は例えばステッピングモー
タや、エンコーダを備えるサーボモータ等が使用され
る。駆動手段10は、CCD6及び対物レンズ7に対し
てマスク2をX軸方向に一次元的に移動走査させるもの
であり、本実施形態ではマスクテーブル8は20μmピ
ッチで駆動される。なお、ここではCCD6及び対物レ
ンズ7に対してマスク2を移動走査させる構成を示した
が、被検体であるマスク2に対して、光検出手段である
CCD6と検出光学系である対物レンズ7を一次元的に
移動走査させるように構成してもよい。また、駆動モー
タ13は間歇的に回転されるものに限らず、連続的に回
転するものでもよい。
【0021】照明手段5は図2(a)に示すように、発
光ダイオード素子5aをY軸方向に一次元的に配列した
LEDアレイが用いられる。LEDアレイはペリクル4
上の検査領域4aを所定の幅で均一に照明するものであ
り、発光ダイオード素子5aを基板上に所定の間隔で均
等に配列したものである。照明手段5はペリクル4上の
検査領域を、例えば数mm程度の幅で帯状に照明するよ
うに、シリンドリカルレンズ等により集光するとペリク
ル4上の照度を上げることができる。
【0022】なお、照明手段5はLEDアレイに限られ
るものでなく、冷陰極蛍光管等の円柱状の光源を使用し
たものや、図2(b)に示すような、ハロゲンランプ等
の光源15aからの光線を光ファイバ15bにより導光
し、光ファイバの照射部を検査領域の幅に合わせて広げ
た照明手段15を使用してもよく、また、図2(c)に
示すようにハロゲンランプ等の光源15aからの光線を
ミラー15cで反射して光ファイバ15bに導光する構
成でもよい。
【0023】ここで、光検出手段であるCCD6からの
検出信号を処理する信号処理手段及び回路について、図
3を参照して説明する。図3は信号処理手段への信号の
流れを示すブロック図である。照明手段5には照明系ド
ライバ16から電源が供給される。照明手段5がLED
アレイの場合、5〜10ボルト程度の低電圧が供給さ
れ、必要に応じてパルス点灯を行い、デューティを設定
できるものが使用される。照明手段5がハロゲンランプ
の場合は、例えば100ボルトの商用電源が供給され
る。また、照明手段5が蛍光管の場合は、インバータ等
を介して高周波の電源が供給される。
【0024】光検出手段であるCCD6には、CCDド
ライバ17が接続され、CCDドライバ17からCCD
6にクロック信号を含む駆動信号6aが供給され、CC
D6から散乱光強度信号等のビデオ信号の検出信号6b
が出力される。CCDドライバ17の出力端子はアナロ
グデジタル変換器(以下、ADCという)18に接続さ
れている。CCDドライバ17及びADC18にはY座
標カウンタ19で生成されたCCDクロック信号及びA
DCクロック信号が供給される。ADC18はCCD6
で検出された散乱光強度信号を、例えば256階調にデ
ジタル化し、その出力は散乱光強度データとして信号処
理手段20に供給される。Y座標カウンタ19からのC
CDクロック信号出力は、Y座標データとして信号処理
手段20に供給される。
【0025】マスクテーブル8をX軸方向に移動する駆
動手段10を構成する駆動モータ13にはモータドライ
バ22から、例えばパルス信号等の駆動信号が供給され
る。駆動モータ13の出力軸に連結したエンコーダ14
からの出力は、X座標カウンタ23に入力される。X座
標カウンタ23からの出力は、X座標データとして信号
処理手段20に供給される。X座標カウンタ23は、ま
た、X座標に同期(例えば、20μmピッチに)してY
座標カウンタ19に同期信号を出力する。Y座標カウン
タ19では、X座標カウンタ23からの同期信号に基づ
きCCDドライバ17へのスキャニング信号を発生す
る。また、ADC18にも同期信号を出力し、CCD6
からの信号をデジタル化する。
【0026】信号処理手段20は、ADC18からの散
乱光強度データと、Y座標カウンタ19からのY座標デ
ータと、X座標カウンタ23からのX座標データから、
二次元の散乱光強度マップMを作成する。そして、散乱
光強度マップMのデータを所定の閾値で2値化する比較
回路を備えると共に、閾値以上の散乱光強度データを異
物の信号として処理し、閾値未満の散乱光強度データは
採用せずに検査対象から外す判定回路を備え、2値化デ
ータから散乱光強度が閾値以上のセルに相当する画素が
連続しているか判定すると共に、連続する画素の数をX
軸方向、Y軸方向で計算し、さらに面積を計算する演算
回路を備え、異物のサイズを判定する。
【0027】また、信号処理手段20は、散乱光強度が
閾値以上となった連続するCCDセルに相当する画素の
数によって異物のサイズ判定を行う方法と、散乱光強度
によって異物のサイズ判定を行う方法との少なくとも一
方を用いるように切替える感度切替え手段を備えてい
る。この感度切替え手段により異物の検出感度を変更す
ることができ、異物のサイズがCCDの1つのセルのサ
イズより小さい場合は、1つのセルの散乱光強度により
異物のサイズを判定することができる。感度切替え手段
は、本実施の形態では、予めマニュアルで設定するもの
であるが、これに限られるものでなく、例えば画素が連
続しない場合を判定して散乱光強度に切替えるものでも
よい。
【0028】前記の如く構成された本実施形態の異物検
出装置1の動作について以下に説明する。マスクテーブ
ル8上に、ペリクル付マスク2を載置固定し、照明系ド
ライバ16から照明手段5に電源を供給すると、照明手
段5はマスク2上に張設されたペリクル4の検査領域4
a上を所定の幅で均一に照射する。ペリクル4上に異物
がない場合は、照明光はペリクル4を透過するが、異物
がある場合は異物による散乱光が発生する。この散乱光
は対物レンズ7によりCCD6上に結像され、CCD6
は散乱光を光電変換してその強度に応じた信号を出力
し、この出力はADC18を介して信号処理手段20に
供給される。すなわち、CCDドライバ17からCCD
6にクロック信号6aが入力されると、クロック信号6
aに同期して、CCD6から散乱光の強度に応じた画像
信号6bが出力される。
【0029】マスク2を載置固定したマスクテーブル8
は駆動手段10によりX軸方向に移動される。すなわ
ち、駆動モータ13にモータドライバ22から例えばパ
ルス信号が供給されると駆動モータ13は回転し、その
回転はボールねじ12を介してマスクテーブル8に伝達
され、マスクテーブル8はリニアガイド11a,11b
に沿って所定距離だけ移動走査される。本例ではマスク
テーブル8は20μmピッチで移動されるように設定さ
れている。
【0030】マスクテーブル8が所定距離だけ移動され
ると、エンコーダ14から座標信号が出力され、この座
標信号はX座標カウンタ23に入力され、Y座標カウン
タ19に同期信号として供給される。X座標カウンタか
ら同期信号を受けたY座標カウンタ19はCCDドライ
バ17にスキャニング信号を発生し、CCD6の各セル
からの信号6bがADC18によってデジタル化されて
信号処理手段20に入力される。このように、ペリクル
4上の1ラインの散乱光強度が出力されると、駆動手段
10によりマスクテーブル8が1ライン分だけ移動さ
れ、この動作を繰り返すことにより駆動手段10に同期
してペリクル4の検査領域4aの散乱光強度を二次元的
に取り込むことができ、ペリクル4の全面を二次元的に
検査することができる。
【0031】信号処理手段20に取り込まれたCCD6
の検出信号は、X座標カウンタ23からのX座標と、Y
座標カウンタ19からのY座標の位置情報と対応付けら
れて、内蔵のRAM(図示せず)に記憶される。信号処
理手段20内の判定回路は、閾値以上の散乱光強度を有
する画素が一方向に連続しているかの判定を行う。この
判定の仕方は、例えば1つの画素が閾値より大きい散乱
光強度を有するとき、この画素の周囲の画素が閾値以上
の散乱光強度を有するかを確認して、画素の連続性を判
定する。
【0032】そして、閾値以上の複数個の画素が連続し
ている場合、連続している画素の数に基づいて異物のサ
イズを判定する。また、散乱光強度が、閾値以上である
画素の連続によって形成される領域の面積に基づいて異
物のサイズを判定することができる。そして、信号処理
手段20は、CCD6から出力された散乱光強度の検出
信号と、ペリクル4上の座標位置を表す信号とから、二
次元の散乱光強度マップMを作成する。
【0033】図4は異物の判定動作を示す散乱光強度マ
ップの説明図であり、図4(a)は散乱光強度マップM
の一部に対応する実際の異物Pの平面図、図4(b)は
ADC18でA/D変換され、256階調にデジタル化
された散乱光強度図、図4(c)は、閾値「50」で2
値化処理した後の分布図を示すものであり、20μm角
のセルに相当する画素が10×10配列され、異物Pが
略中央に位置した状態を示し、画素中の数字はADC1
8でデジタル化された散乱光強度を示している。
【0034】このように、信号処理手段20の判定回路
により、所定の閾値以上の画素が連続しているかを判別
し、図4(c)に示すように、散乱光強度マップM上で
2値化された異物Pの画素の連続した数により、X方向
の長さが80μmであり、Y方向の長さが100μmで
あり、面積は12画素で4800μm2のサイズである
ことを判定することができる。この寸法及び面積は、閾
値レベルを適度に設定することで、異物、CCD、照明
手段の位置関係によって生じる前方散乱、側方散乱、後
方散乱等の影響を受けることなく、異物の形状を把握す
ることができる。
【0035】図5は信号処理手段20での異物の判定動
作の説明図であり、ここでは3種類の判定動作を例示し
て説明する。図5(a)は、散乱強度が閾値以上である
連続する画素の数によって異物のサイズを判定する例を
示す。図5(a)に図示した例の場合は、閾値以上の連
続している画素が15個あり、1つの画素の面積が20
μm角であるため、面積は15×20×20=6000
μm2であり、この面積に基づいて異物のサイズを判定
する。図5(b)は、X軸方向、Y軸方向の連続する画
素の最大数を計測し、その画素数を長軸及び短軸とする
楕円によって図のハッチング部分の面積を近似して異物
のサイズを判定する例を示している。図5(b)に図示
した例の場合は、X軸方向の最大値はwで示すように4
画素で80μmあり、Y軸方向の最大値はhで示すよう
に5画素で100μmあるので、面積は(π×80×1
00)/4で約6283μm2と求めることができ、こ
の面積に基づいて異物のサイズを判定する。
【0036】さらに、図5(c)は、検出したい異物の
サイズと同程度か、やや大きいサイズのウィンドウAを
設定し、このウィンドウAをX、Y軸方向に移動してウ
ィンドウ内の画素数をカウントすることによって異物の
サイズを判定する例を示すものである。この例ではウィ
ンドウAを5×5画素のサイズに設定し、ウィンドウA
をX、Y軸方向に移動し、この中に入る画素数をカウン
トする。ウィンドウA内に入った画素の数が予め定めた
一定値以上である場合に異物と判定し、画素数が一定値
に達しない場合には異物と判定しない。従って、例えば
上方の4画素の場合は異物と判定せず、下方の10画素
の場合は異物と判定するように、閾値を決めて判定する
ことが可能である。
【0037】図6は異物のサイズと散乱光強度及びCC
D6の検出出力との関係を示す図であり、CCD上での
散乱光の分布と、これに対応するCCDの各セルの出力
を示している。異物のサイズは(a)、(b)…(d)
の順に大きくなっていると共に、連続して散乱光を検出
する画素数が変化する。画素サイズが前記したようにペ
リクル面上で20μm角であり、異物の直径が5μmの
場合、散乱光強度は図6(a)に示されるように小さく
検出され、同様に、異物の直径が10μm、20μm、
40μm、80μmの場合、散乱光強度は図6(b)、
(c)、(d)、(e)に示されるように徐々に大きく
検出される。このように、異物のサイズがセルサイズよ
り小さい場合、感度切替え手段により画素の数から散乱
光強度に切替え、散乱光の強度から異物のサイズを判定
することができる。
【0038】また、CCD6の各セルからの出力信号は
入射光強度がある値を超えると飽和するため、散乱光強
度と異物サイズとが略比例するのは異物サイズがセルサ
イズまでの範囲であるが、セルサイズを基準として異物
のサイズを推定することができる。また、異物のサイズ
がセルサイズを大きく超えるとセルから出力される散乱
光強度信号は飽和するため、散乱光強度信号を合計した
値に基づき、異物のサイズを判定することができる。こ
の場合には、2値化処理を省略することができる。図6
(d)の場合、散乱光強度信号を合計した値がほぼ2×
飽和信号値であり、この散乱光強度を有する異物のサイ
ズは約2×20μm(40μm)と判定でき、図6
(e)の場合は、同様に散乱光強度を合計した値がほぼ
4×飽和信号値であり、この散乱光強度を有する異物の
サイズは4×20μm(80μm)と判定できる。
【0039】前記のように、CCD6からの検出信号
を、座標位置を表す信号と共に信号処理手段20に取り
込み、異物Pから発せられる散乱光強度を表す二次元の
散乱光強度マップMを作成し、この散乱光強度を所定の
閾値で2値化するため散乱光強度が一定となり、異物P
とCCD6と照明手段5の位置関係に影響を受けること
なく異物Pのサイズや面積を判定することができる。ま
た、異物として判定するか、異物でないとして除外する
ことができ、異物検出の工程の効率化を図ることができ
る。さらに、異物がセルサイズより小さい場合でも、感
度切替え手段でセルに相当する画素の数を基準とする判
定から、散乱光強度を基準とする判定に切替えることに
より異物のサイズを判定できる。
【0040】前記した異物検出装置は、複数の光検出素
子を備え、照明された検査領域の異物からの散乱光を検
出する光検出手段として、1つのCCDを備えた例を示
したが、図7(a)に示すように、ペリクル4の検出面
に対向して光検出手段として、CCD及び対物レンズを
複数配置してもよい。図7(a)の例では、機械的に走
査するX軸方向に直交する2つの検査領域4b、4cに
対し、CCD25a、25bと対物レンズ25c、25
dから構成される検出光学系を2組、X軸方向に距離d
だけずらして配置している。この場合、2つの検査領域
は中心側で重複させ、重複による不要な検出信号は信号
処理手段内で除去する処理を行うようにすることが好ま
しい。なお、図7(a)の例では検査領域をX軸方向に
ずらしているが、検査領域がY軸方向に1直線上になる
ように構成してもよい。このように構成することによ
り、1つのCCDを用いた場合と比較し、1回の走査で
異物を検出する検査領域の面積を広げることができ、短
時間での異物検出が可能となる。
【0041】また、図7(b)に示すように、ペリクル
4の全面を対物レンズ26aで二次元センサ26b上に
結像させ、二次元センサ26bからの信号により散乱光
を検出するように構成してもよい。この場合、図示して
いない照明手段によりペリクル4の全面の検査領域を均
一に照明することが好ましい。二次元センサ26bを使
用した場合も、ペリクル上の座標情報と散乱光強度か
ら、2値化した二次元の散乱光強度マップを作成し、異
物のサイズを座標情報と共に判定することができる。
【0042】さらに、図7(c)に示すように、マスク
2の面側とペリクル4の面側の両方に、照明手段27
a、27b、対物レンズ27c、27d、CCD27
e、27fから構成される検出光学系を設け、マスク面
とペリクル面の両方の面の異物を検出するように構成す
ることもできる。この場合は、一方の面にAF(オート
フォーカス)センサ28を設置し、一方の面であるマス
ク2の面との距離を測定して両方の面の異物を検出する
ことが好ましい。
【0043】なお、図7(c)のAFセンサは、静電容
量センサ、光学式センサ(例えば、キーエンス製PT−
165等)を用いて検出光学系とマスクのガラス面又は
ペリクル面までの距離を測定できればよい。また、ペリ
クル又はペリクル枠とマスクパターン面までの距離を測
定し、光学系とペリクル面との距離に換算してもよい。
この測定結果に基づいてマスクと光学系との距離を所定
の距離に調整する。
【0044】次に、本発明に係る異物検出装置を備えた
走査露光装置の実施形態について、図8〜10を参照し
て説明する。図8は走査露光装置30の概略的な構成を
示す図、図9は投影光学系の概略構成図、図10は異物
検出装置の平面図である。図8において、超高圧水銀ラ
ンプ等の光源31から射出した光束は、楕円鏡32で反
射された後にダイクロイックミラー33に入射する。こ
のダイクロイックミラー33は露光に必要な波長の光束
を反射し、その他の波長の光束を透過するものである。
ダイクロイックミラー33で反射された光束は、光軸A
X1に対して進退可能に配置されたシャッター34によ
って投影光学系側への照射を選択的に制限される。シャ
ッター34が開放されることによって、光束は波長選択
フィルター35に入射し、投影光学系42aが転写を行
うのに適した波長(通常は、g、h、i線のうち少なく
とも1つの帯域)の光束となる。また、この光束の強度
分布は光軸近傍が最も高く、周辺になると低下するガウ
ス分布状になるため、少なくとも投影光学系42aの投
影領域43a内で強度を均一にする必要がある。このた
め、フライアイレンズ36とコンデンサーレンズ38に
よって光束の強度を均一化する。ミラー37は配列上の
折り曲げミラーである。
【0045】強度を均一化された光束は、視野絞り39
を介してマスク40のパターン面上に照射される。この
視野絞り39は感光基板44上の投影領域43aを制限
する開口を有する。視野絞り39とマスク40との間に
対物レンズ系を設けて視野絞り39とマスク40のパタ
ーン面と感光基板44の投影面とが互いに共役になるよ
うに構成してもよい。
【0046】光源31から視野絞り39までの構成を投
影光学系42aに対する照明光学系L1とし、この例で
は照明光学系L1と同様の構成を有する照明光学系L2
〜L5を設けて、各照明光学系L2〜L5からの光束を
投影光学系42b〜42eのそれぞれに供給する。複数
の照明光学系L1〜L5のそれぞれから射出された光束
は、マスク40上の異なる部分領域(照明領域)41a
〜41eをそれぞれ照明する。ここで、投影光学系42
a〜42eの光軸方向をZ軸方向とし、Z軸方向に垂直
な方向でマスク40及び感光基板44の走査方向をX軸
方向とし、Z軸方向及びX軸方向に垂直な方向をY軸方
向とする。
【0047】部分領域41a〜41eは、マスク40へ
の露光光の照射領域を規定する台形状の間口を有する複
数の視野絞り39等で形成され、第1列の部分領域41
b,41dに対して第2列の部分領域41a,41c,
41eが交互に千鳥状に備えられている。基準位置にお
いて、第1列の部分領域41b,41dと第2列の部分
領域41a,41c,41eとは、双方の視野絞りのY
軸方向端部がX軸方向からみて所定量、重なり合うよう
にして位置している。部分領域41a〜41eにおける
X軸方向に所定量重なり合う端部領域を以下、継ぎ領域
と呼ぶことにすると、走査露光の際、この継ぎ領域を通
過するマスクのパターン像は、第1列の部分領域41
b,41dと第2列の部分領域41a,41c,41e
の双方で露光されて最適な積算露光量が得られるように
なっている。
【0048】また、本走査型露光装置30には、照明視
野絞り部である部分領域41a〜41eによって規定さ
れる照射領域上のマスク40のパターンを感光基板44
に転写するために、各部分領域41a〜41eに対応さ
せて千鳥状に配列された5個の投影光学系42a〜42
eが備えられている。これら投影光学系42a〜42e
は、Y軸方向に2列に並べられており、各投影光学系は
各部分領域41a〜41eによって規定されるマスク4
0上の照射領域に対してそれぞれ割り当てられている。
【0049】投影光学系は、例えば2組のダイソン型光
学系を組み合わせた投影光学系が用いられているが、こ
の光学系については公知であるため、図9を参照して概
略の構成を説明する。投影光学系42aは、2組のダイ
ソン型光学系を上下に組み合わせた構成を有し、第1の
部分光学系51〜53と、視野絞り54と、第2の部分
光学系55〜57からなる。第1の部分光学系は、マス
ク40に面して±45゜の傾斜で配置された2つの反射
面を持つ直角プリズム51と、マスク40の面内方向に
沿った光軸を有するレンズ52及び凹面鏡53を有す
る。第2の部分光学系は、マスク40に面して±45゜
の傾斜で配置された2つの反射面を持つ直角プリズム5
5と、マスク40の面内方向に沿った光軸を有するレン
ズ56及び凹面鏡57を有する。
【0050】このように構成された投影光学系42a〜
42eによれば、マスク40を透過した複数の光束は、
各照明光学系L1〜L5に対応して感光基板44上の異
なる投影領域43a〜43eにマスク40の照明領域4
1a〜41eのパターン像を結像する。投影光学系42
a〜42eはいずれも正立等倍実結像(正立正像)光学
系である。
【0051】図8に戻り、感光基板44は基板ステージ
45に載置固定されており、基板ステージ45は二次元
の走査露光を行うべく走査方向(X軸方向)に長いスト
ロークを持ったX方向駆動装置46Xを有している。さ
らに、走査方向については高分解能及び高精度のX方向
位置測定装置(例えばレーザ干渉計)47Xを有する。
また、マスク40はマスクステージ60により支持さ
れ、このマスクステージ60も基板ステージ45と同様
に、走査方向(X軸方向)に長いストロークを持ったX
方向駆動装置48Xとマスクステージ60の走査方向の
位置を検出するX軸方向位置測定装置49Xとを有す
る。
【0052】さらに、基板ステージ45及びマスクステ
ージ60は、走査方向であるX軸方向と直交するY軸方
向に移動する機能を有する。すなわち、基板ステージ4
5には、基板ステージ45をY軸方向に駆動するY方向
駆動装置46YとY方向位置測定装置47Yが設けられ
ている。同様に、マスクステージ60には、マスクステ
ージ60をY軸方向に駆動するY方向駆動装置48Yと
マスクステージ60のY軸方向の位置を検出するY方向
位置測定装置49Yとが設けられている。また、基板ス
テージ45上には、感光基板44を上下動させるための
不図示のZステージが設置されている。Zステージの高
さを変えて露光することにより、ベストフォーカス位置
に感光基板44を設置することができる。
【0053】制御装置50は、マイクロコンピュータ等
により構成され、記憶装置50aを有し、走査型露光装
置30全体を制御するものであり、位置測定装置47
X,47Y,49X,49Yの測定結果と、基板ステー
ジ45をX軸方向に駆動するX方向駆動装置46Xとマ
スクステージ20をX軸方向に駆動するX方向駆動装置
48Xと、基板ステージ45をY軸方向に駆動するY方
向駆動装置46Yと、マスクステージ60をY軸方向に
駆動するY方向駆動装置48Yを制御するものである。
【0054】この走査露光装置30は、異物検出装置7
0を備えていることを特徴とするものである。異物検出
装置70はマスクテーブル60上に固定されたマスク4
0上の異物の散乱光を検出するもので、部分領域41
a,41c,41eに対応する検査領域の異物からの散
乱光を検出するCCD71と、部分領域41b,41d
に対応する検査領域の異物からの散乱光を検出するCC
D72とを備え、異物の像をCCD上に結像する対物レ
ンズ73,74を備えている。
【0055】ここで、図10を参照して検査領域につい
て詳細に説明する。CCD71及び対物レンズ73は、
部分領域41a,41c,41eの所定のライン75に
沿う検査領域からの散乱光を検出し、CCD72及び対
物レンズ74は、部分領域41b,41dの所定のライ
ン76に沿う検査領域からの散乱光を検出する。図中、
ライン75の1点鎖線で示す検査領域75a,75b,
75cと、ライン76の1点鎖線で示す検査領域76
a,76bとはY軸方向で連続するように設定されてい
る。そして、両方の検査領域を合成することにより、Y
軸方向の1ラインを完全に構成するものである。この場
合は、CCD71,72で検出された出力信号は、信号
処理手段20内で合成して、マスク40の全面の散乱光
強度マップMを形成する。
【0056】前記の異物検出装置70では、CCD7
1,72は、2系列の投影対物レンズに合わせて2ライ
ン設けた例を示したが、複数の部分領域の各々に対応す
る複数のCCDを備え、露光用光源のそれぞれの照明領
域内で、露光光で照明された部分からの信号を検出し、
その信号を信号処理により合成して異物検査を行うよう
にしてもよい。すなわち、5個の部分領域の各々に対応
する5個のCCDを備えるように構成してもよい。
【0057】異物検出装置70の照明手段は、走査露光
装置30の照明光学系L1〜L5の照明を兼用し、この
照明光を異物に照射して散乱光を発生させる構成であ
る。またマスク40と検出光学系を相対的にX軸方向に
移動させる手段として、X方向駆動装置48Xを用いて
いる。そして、X方向位置測定装置49Xの位置検出情
報と、CCD71,72のクロック信号を基に座標位置
を検出している。この座標位置と、CCD71,72か
らの検出信号から、前記した実施形態と同様に散乱光強
度マップMを作成することができる。
【0058】この実施形態に示す走査露光装置30の動
作は、基本的には前記の異物検出装置1と同様であり省
略するが、この走査露光装置30によれば、マスク40
のパターンを感光基板44に露光中に、マスク40の異
物検出を行うことができる。このため、露光作業と異物
検出作業が同時に行え、走査露光装置30の作業効率を
大幅に高めることができる。また、一度装着したマスク
で露光し、途中でマスクに異物が付着した場合、このマ
スクで露光した全ての製品を廃棄していたが、本実施形
態の走査露光装置によれば、異物が付着したとき以降の
製品を廃棄するだけですみ、不良品の産出を最小限に抑
えることができる。
【0059】なお、異物検出は露光操作と同時に行わ
ず、露光操作の前にX方向駆動装置48Xによりマスク
テーブル60をプリスキャンし、この動作中に異物検出
を完了し、その後に露光操作を行うようにしてもよい。
この場合は露光光とは異なるプリスキャン用の照明で異
物検出を行うことが好ましい。
【0060】前記した異物検出装置70を備える走査露
光装置30は、照明手段を照明光学系L1〜L5と兼用
した例を示したが、図11に示す異物検出装置80のよ
うに、1組のCCD81と対物レンズ82とにより、部
分領域41a,41b,41c,41d,41eから外
れた検査領域83からの散乱光を検出するように構成
し、検査領域83を照明する照明手段84を備えるよう
に構成することができる。この場合は、照明手段84を
必要とするが、CCDと対物レンズは1組で構成され、
2つのCCDからの検出信号を合成する必要がない。
【0061】さらに、照明手段は被検体の検査領域上を
均一に照射する例を示したが、結像手段が対物レンズで
ある場合には対物レンズの光軸からの距離に対応して徐
々に照度が大きくなるように構成してもよい。これによ
り、対物レンズのガウス分布による周辺部の照度低下を
補正することができる。
【0062】
【発明の効果】以上の説明から理解できるように、本発
明の異物検出装置は、異物からの散乱光を、連続する光
検出素子の数に基づいて判定するため、異物と光検出手
段と光源との位置関係に影響を受けることなく、その材
質、形状にかかわらず異物のサイズを正確に判定するこ
とができる。また、被検体上の座標信号と、光検出手段
の検出信号から散乱光強度マップを作成し、その分布に
基づいて異物のサイズを判定するため、異物の位置、材
質、形状の影響を受けることなくサイズと面積を求める
ことができる。
【0063】前記の異物検出装置を備える走査露光装置
は、露光作業中に異物検出ができ、露光された感光基板
の良否をリアルタイムで判定でき、半導体集積回路等の
露光工程を効率良く行うことができる。走査露光装置の
マスク照明手段により異物検出の照明を兼ねることによ
り、構成を簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る異物検出装置の一実施形態の概略
構成を示す斜視図。
【図2】(a)は図1の照明手段の概略構成図、(b)
は他の照明手段の概略構成図、(c)はさらに他の照明
手段の概略構成図。
【図3】信号処理手段を含むブロック図。
【図4】本発明に係る異物検出装置における異物の判定
動作を示す散乱光強度マップの説明図であり、(a)は
異物の平面図、(b)は散乱光強度を示す図、(c)は
2値化したセルに相当する画素の分布図。
【図5】本発明に係る異物検出装置における異物の判定
動作を示す散乱光強度マップの他の説明図。
【図6】異物がセルサイズより小さい場合の判定動作の
説明図。
【図7】(a)は本発明の他の実施形態を示す平面図及
び側面図、(b)はさらに他の実施形態の概略斜視図、
(c)はさらに別の実施形態を示す側面図。
【図8】本発明に係る走査露光装置の概略的な構成を示
す図。
【図9】図8の投影光学系の概略構成図。
【図10】図8の異物検出装置の平面図。
【図11】異物検出装置の他の例を示す平面図。
【図12】従来の異物検査装置における散乱光の説明
図。
【符号の説明】
1、70、80…異物検出装置、 2、40…マスク
(被検体)、 4…ペリクル(被検体)、 5、15、
L1〜L5、84…照明手段、 6、25a、25b、
26b、27e、27f、71、72…CCD(光検出
手段)、 7、25c、25d、26a、27c、27
d、73、74、82…対物レンズ(検出光学系)、
10…駆動手段、 13…駆動モータ、 14…エンコ
ーダ、 18…ADC(アナログデジタル変換器)、
19…Y座標カウンタ、 20…信号処理手段、 23
…X座標カウンタ、 30…走査露光装置、 48X…
X方向駆動装置(駆動手段)、 M…散乱光強度マップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/027 H01L 21/30 502P 514E Fターム(参考) 2F065 AA49 AA58 BB02 CC18 DD06 FF42 FF67 GG02 GG07 GG08 GG14 HH05 HH12 JJ02 JJ08 JJ25 LL03 LL12 MM03 NN02 PP12 QQ03 QQ05 QQ21 QQ28 QQ36 QQ51 RR05 2G051 AA56 AA73 AB01 BA01 BA20 BB09 BB17 CA03 CA07 CB05 CC07 CD03 CD07 DA06 DA07 EA14 EA16 EA24 EA30 EB01 EB02 2H095 BD05 BD12 BD15 BD24 5F046 AA18 BA05 CB17

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体に付着した異物を検出する異物検
    出装置において、 前記被検体の検査領域を照明する照明手段と、 ほぼ連続して配置された複数の光検出素子を備え、前記
    照明された検査領域の異物からの散乱光を検出する光検
    出手段と、 前記検査領域における前記異物の像を前記光検出手段上
    に結像する検出光学系と、 前記光検出手段からの信号を処理する信号処理手段とを
    備え、 前記信号処理手段は、前記光検出手段において前記散乱
    光を連続的に検出した光検出素子の数に基づいて異物の
    サイズを判定することを特徴とする異物検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の異物検出装置において、 前記被検体と前記検出光学系とを相対的に移動させる駆
    動手段を備え、 前記光検出手段は、前記駆動手段による移動方向とは直
    交する方向に前記複数の光検出素子が一次元的に配置さ
    れ、前記駆動手段による移動と連動することにより二次
    元方向の検出を行うことを特徴とする異物検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の異物検出装置にお
    いて、 前記信号処理手段は、前記散乱光強度が所定の散乱光強
    度以上を前記異物の散乱光として認識すると共に、前記
    散乱光を連続して検出した光検出素子の数に基づいて異
    物のサイズを判定することを特徴とする異物検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の異物検出装置にお
    いて、 前記信号処理手段は、前記散乱光強度が所定の散乱光強
    度以上を前記異物の信号として処理すると共に、前記散
    乱光を連続して検出した光検出素子によって形成される
    領域の面積に基づいて異物のサイズを判定することを特
    徴とする異物検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の異物検出装置において、 前記信号処理手段は、前記散乱光を検出した連続する光
    検出素子によって検出された散乱光強度を合計した値に
    基づいて異物のサイズを判定することを特徴とする異物
    検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の異
    物検出装置において、前記被検体の検出面に対向して前
    記検出光学系を複数配置したことを特徴とする異物検出
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の異
    物検出装置において、前記散乱光を前記光検出手段の1
    個の光検出素子のみで検出した際には、前記散乱光強度
    により異物のサイズを判定することを特徴とする異物検
    出装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の異物検出装置において、 前記信号処理手段は、前記異物を検出した前記光検出素
    子の数と前記散乱光強度との少なくとも一方を用いるよ
    うに切替える感度切替え手段を備え、該感度切替え手段
    により前記異物の検出感度を変更することを特徴とする
    異物検出装置。
  9. 【請求項9】 パターンが形成されたマスクを保持して
    移動するマスクステージと、前記マスクを照明するマス
    ク照明手段と、基板を保持して前記マスクステージと同
    期して移動する基板ステージと、前記基板に前記マスク
    のパターンを投影する投影光学系とを備える走査露光装
    置において、 前記マスクが被検体であり、前記マスクに付着した異物
    を前記基板の露光動作中に検出する請求項1〜7のいず
    れか1項に記載の異物検査装置を備えることを特徴とす
    る走査露光装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の走査露光装置におい
    て、前記異物検査装置の前記照明手段と前記マスク照明
    手段とを兼用することを特徴とする走査露光装置。
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