JP5589888B2 - 表面検査装置の評価装置及び表面検査装置の評価方法 - Google Patents
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図8は、リング照明とエリアカメラを使用した一般的な表面検査装置の概要を示す図である。この図8に示すように、表面検査装置100は、鋼板1の検査面に平行に配置したリング照明101と、リング照明101の光源102と、リング照明101の中央開口部を通して鋼板表面を撮像する高解像度のCCDカメラ103と、CCDカメラ103で撮像した鋼板表面画像について一連の画像処理を行った後、2値化閾値を用いて微小欠陥を検出する画像処理装置104とを備える。
そこで、本発明は、微小な表面欠陥を検査する表面検査装置に対して適切な校正を行うべく、信頼性の高い性能評価を行うことができる表面検査装置の評価装置及び表面検査装置の評価方法を提供することを課題としている。
このように、校正用表面欠陥の大きさ毎に評価領域を設定し、その評価領域毎に校正用表面欠陥の検査を行うことで表面検査装置の性能評価を行う。したがって、所定サイズの欠陥までは検査可能だが、当該所定サイズよりも小さい欠陥は検査不可能であるなど、表面検査装置の劣化度合いを把握することができる。
このように、同一サイズの複数の校正用表面欠陥をグルーピングして評価領域を設定し検査を行うので、微小な校正用表面欠陥1つのみを用いる場合と比較して、評価精度を向上させることができる。
このように、表面検査装置の評価指標として平均輝度を用いるので、例えば平均輝度が許容下限値以下である場合には、照明装置の汚れや劣化により照明装置の光量が低下しているか、カメラの汚れによりカメラの受光量が低下していると判断することができる。また、表面検査装置の評価指標として黒色画素数を用いるので、例えば黒色画素数が許容上限値以上である場合には、カメラの汚れや劣化が発生していると判断することができる。したがって、適切に表面検査装置の性能評価を行うことができる。
このように、照明装置としてリング照明を用い、検査対象物の表面をムラなく照射して微小表面欠陥を検査する表面検査装置を対象として、当該表面検査装置の性能評価を適切に行うことができる。
このように、照明装置として遮光板を備えるリング照明を用い、検査対象物に直接光が照射されないようにすることで微小表面欠陥を精度良く検査する表面検査装置を対象として、当該表面検査装置の性能評価を適切に行うことができる。
これにより、微小な表面欠陥を検査する表面検査装置に対して安定性及び信頼性の高い性能評価を行うことができる。
(構成)
図1は、本実施形態における表面検査装置とその評価装置の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
図中、符号1は製造ライン上を搬送中の鋼板(検査対象物)であり、符号10は鋼板1の表面(検査面)1aに存在するスケール残り等の微小表面欠陥を検査する表面検査装置である。この図1は、表面検査装置10による検査面1aの検査時における状態を示している。
表面検査装置10は、リング照明11と、光源12と、カメラ13と、カメラケース14と、画像処理装置15とを備える。リング照明11は、鋼板1の検査面1aに平行に配置されて検査面1aを照射するものであり、光源12と連結されている。光源12としては、キセノンストロボ装置等が好適である。
光源12及びカメラ13は、画像処理装置15から出力される画像撮像指令を受けて検査面1aを同期撮像するように構成されている。カメラ13で撮像した検査面1aの表面画像は、画像処理装置15に入力される。
図2(a)に示すように、リング照明11はリング状に配した光出射部11aを備える。光出射部11aは、LEDをリング状に配置したり、光源12に連結した光ファイバー束をリング状に分配したりして構成する。この光出射部11aは、検査面1aまでの作動距離が短くても照射光がラップするように、内向きに所定角度だけ傾けて配置されている。
鋼板表面の微細凹凸などに起因する画像ノイズの発生を抑制するために、リング照明11によって鋼板1の検査面1aをできるだけ均一に照射する必要がある。したがって、リング照明11としては集光性の低い拡散照明を適用する。これは、光出射部11aの前面に光拡散板を設置することで実現することができる。
さらに、駆動ステージ21の前方側で、且つ検査時におけるリング照明11の配置位置近傍には、駆動ステージ21の左右方向(図1(b)の紙面直交方向)に延在する駆動ステージ23が配置されている。駆動ステージ23の一部は、カメラケース14の前方側側部に連結された収納箱24内に配置されているものとする。駆動ステージ23上には、当該駆動ステージ23上をスライド移動可能な設置ベース25が設置されており、検査時には、この設置ベース25はカメラ視野領域外となる収納箱24内に収納されている。設置ベース25上には校正板40が固定されている。
校正板40は、検査対象物である鋼板1と同一製品を所定のサイズ(ここでは、50mm×50mm)に加工し、その表面に複数の穴41を形成した構成とする。穴41は、検査目標とした欠陥サイズに合わせた大きさとする。本実施形態では、検査目標をφ0.1mm〜φ0.5mmとしているので、穴41は同サイズの穴(例えば、φ0.5mm)とその周辺サイズの穴とする。
なお、ここでは校正板40に校正用の穴41を形成する場合について説明したが、穴41の代わりに、金属メッキ等で同等の黒点を描写するようにしてもよい。
そして、校正装置30は、この校正時の配置状態において、光源12及びカメラ13に対して校正板40の画像撮像指令を出力し、これによって得られた校正板40の表面画像に基づいて表面検査装置10の検査性能を評価し、その結果をモニタ33に表示する。作業者は、モニタ33に表示された評価結果をもとに、必要に応じて校正を行う。
図5は、校正装置30で実行する校正処理手順を示すフローチャートである。この校正処理は、上述したように、検査時に作業者が校正ボタン等を押下することで実行開始する。
先ずステップS1で、校正装置30は、リング照明11及びカメラ13を校正位置へ移動し、ステップS2に移行する。即ち、校正装置30は、アクチュエータ31を駆動制御し、設置ベース21を図1に示す検査位置から図4に示す校正位置まで後退させる。
ステップS3では、校正装置30は、光源12及びカメラ13に対して画像撮像指令を出力する。これにより、ストロボ発光されて校正板40の表面画像が撮像される。
ステップS5では、校正装置30は、前記ステップS4でメモリに記憶した校正板40の表面画像に対して、検査時における検査面1aの表面画像に対する画像処理と同一の画像処理を行う。このとき、校正板40の表面画像を複数の評価領域に分割し、その評価領域毎に画像処理を行う。ここで、評価領域は、穴41を個別に包含する領域(例えば、矩形領域)とし、同一サイズの穴41を包含する複数の評価領域については1つの評価領域にグルーピングするものとする。
ステップS7では、校正装置30は、上記所定枚数の校正板40の表面画像に基づいてそれぞれ算出した平均輝度及び黒点画素数について、それぞれ平均値を算出し、ステップS8に移行する。
[1]許容下限値<数値<許容上限値
[2]前回校正時の数値に対して差異が±X%以内(例えば、±1.0%以内)
[3]1ヶ月前の校正時の数値に対して差異が±Y%以内(例えば、±2.0%以内)
この良否判定は、各範囲1〜5に対してそれぞれ行う。
ステップS11では、校正装置30は、リング照明11及びカメラ13を検査位置へ移動し、校正処理を終了する。即ち、校正装置30は、アクチュエータ31を駆動制御し、設置ベース21を図4に示す校正位置から図1に示す検査位置まで前進させる。これにより、鋼板1の検査面1aの表面検査が開始可能な状態に復帰する。
なお、図5において、ステップS1が移動手段に対応し、ステップS2が校正板配置手段に対応し、ステップS3が撮像手段に対応し、ステップS5〜S8が評価手段に対応している。
次に、本実施形態の動作について説明する。
表面検査装置10は、通常検査時には、図1に示すように、検査面1aからリング照明11までの前後方向距離D1が80mmとなるように配置されており、この状態で、鋼板1の検査面1aに存在する微小欠陥を検査する。画像処理装置15が光源12及びカメラ13に対して画像撮像指令を出力すると、カメラ13で製造ラインを搬送中の鋼板1の検査面1aを撮像し、撮像された検査面1aの表面画像が画像処理装置15に入力される。このとき、画像処理装置15は、カメラ13から取得した表面画像に対して一連の画像処理を行った後、2値化閾値を用いて黒点として写る微小表面欠陥を抽出する。
本実施形態では、表面検査装置10の照明部として図2に示す構成のリング照明11を用い、撮像部として空間分解能が0.03mm以上0.1mm以下の高解像度のカメラ13を用いている。したがって、φ0.1mm〜φ1.0mm程度の微小点状の欠陥を精度良く検査することができる。
さらに、校正処理に用いる校正板40は、表面検査装置10による検査時には当該検査に影響を与えないようにカメラ視野領域外の収納箱24内に収納しておき、校正時にカメラ視野領域内に自動的に移動する。したがって、毎回同じ校正板40を決められた校正位置に配置して校正処理を行うことができる。
図4に示す校正時の配置状態において、校正装置30が光源12及びカメラ13に対して画像撮像指令を出力すると(ステップS3)、カメラ13で撮像された校正板40の表面画像が校正装置30に入力され(ステップS4)、校正装置30はこの表面画像に対して検査時と同一の一連の画像処理を行う。このとき、校正板40の表面画像を図6に示すように5つの範囲に分割し、その範囲毎に表面検査装置10の評価指標として用いる平均輝度及び黒点画素数を算出する(ステップS5)。
このように、上記実施形態では、製造ラインを停止することなく任意のタイミングで、鋼板の微小表面欠陥を検査する表面検査装置の性能評価及び校正を行うことができる。したがって、例えば1回/1日程度の短スパンで定期的に表面検査装置の良否判定を行うことができ、装置異常の早期発見が可能となる。そのため、品質保証体制のレベルアップを実現することができる。
また、このとき、校正板の表面画像において、校正用表面欠陥の大きさ毎に評価領域を設定し、その評価領域毎に表面検査装置の性能評価を行うので、所定サイズの欠陥までは検査可能だが、当該所定サイズよりも小さい欠陥は検査不可能であるなど、表面検査装置の劣化度合いを把握することができる。
なお、上記実施形態においては、照明装置としてリング照明11を用いる場合について説明したが、例えば検査面の両側からスポット照明を対称的に照射するようにした表面検査装置を用いることもできる。
また、上記実施形態においては、鋼板の表面に存在する微小欠陥を検査する表面検査装置10の評価装置に本発明を適用する場合について説明したが、検査対象物は鋼板に限定されない。
Claims (5)
- 検査対象物を所定の検査距離を隔てて照射する照明装置と、前記照明装置で照射した前記検査対象物の表面画像を撮像するカメラと、前記カメラで撮像した前記検査対象物の表面画像に対して所定の画像処理を行って、前記検査対象物の微少表面欠陥を検査する画像処理装置と、を備える表面検査装置の評価装置において、
前記照明装置は、前記検査対象物の表面と平行に配置したリング状の光出射部を有するリング照明により構成されると共に、前記光出射部と前記検査対象物との間に、前記光出射部と同心円状で且つ前記光出射部よりも径の小さい光学的な開口部を有する遮光板を備え、
前記カメラは、前記リング照明の中心線上に配置され、前記リング照明の中央開口部から前記検査対象物を撮像し、
前記照明装置及び前記カメラを、前記微少表面欠陥の検査時における相対位置関係を保ったまま前記検査対象物の表面に直交する方向に前記検査距離以上移動し、前記検査対象物から離反させる移動手段と、
前記カメラの視野内で、且つ前記移動手段で移動した後の前記照明装置との距離が前記検査距離となる位置に、前記微少表面欠陥と同等の大きさを有する校正用表面欠陥が形成された校正板を配置する校正板配置手段と、
前記カメラで、前記校正板配置手段によって配置された前記校正板の表面画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段で撮像した前記校正板の表面画像に対して前記画像処理装置における前記画像処理と同一処理を行って、前記校正用表面欠陥を検査することで、前記表面検査装置の性能を評価する評価手段と、を備えることを特徴とする表面検査装置の評価装置。 - 前記校正板には、大きさが異なる複数の前記校正用表面欠陥が形成されており、
前記評価手段は、前記校正板の表面画像において、前記校正用表面欠陥に対応する欠陥画像領域を個別に包含する複数の評価領域を設定し、当該評価領域について、それぞれ前記校正用表面欠陥の検査を行うことを特徴とする請求項1に記載の表面検査装置の評価装置。 - 前記校正板には、同一サイズの前記校正用表面欠陥が複数形成されており、
前記評価手段は、同一サイズの前記校正用表面欠陥に対応する欠陥画像領域を包含する複数の評価領域を1つの評価領域としてグルーピングすることを特徴とする請求項2に記載の表面検査装置の評価装置。 - 前記評価手段は、前記校正板の表面画像を2値化処理した2値化画像における黒色画素部分を前記校正用表面欠陥として検出するものであって、前記校正板の表面画像の平均輝度及び黒色画素数がそれぞれの許容範囲内であるか否かに応じて、前記表面検査装置の性能良否を判定することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の表面検査装置の評価装置。
- 検査対象物を所定の検査距離を隔てて照射する照明装置と、前記照明装置で照射した前記検査対象物の表面画像を撮像するカメラと、前記カメラで撮像した前記検査対象物の表面画像に対して所定の画像処理を行って、前記検査対象物の微少表面欠陥を検査する画像処理装置と、を備える表面検査装置の評価方法において、
前記照明装置は、前記検査対象物の表面と平行に配置したリング状の光出射部を有するリング照明により構成されると共に、前記光出射部と前記検査対象物との間に、前記光出射部と同心円状で且つ前記光出射部よりも径の小さい光学的な開口部を有する遮光板を備え、
前記カメラは、前記リング照明の中心線上に配置され、前記リング照明の中央開口部から前記検査対象物を撮像し、
前記照明装置及び前記カメラを、前記微少表面欠陥の検査時における相対位置関係を保ったまま前記検査対象物の表面に直交する方向に前記検査距離以上移動し、前記検査対象物から離反させた後、前記カメラの視野内で、且つ前記照明装置との距離が前記検査距離となる位置に、前記微少表面欠陥と同等の大きさを有する校正用表面欠陥が形成された校正板を配置し、
前記カメラで、当該校正板の表面画像を撮像し、撮像した前記校正板の表面画像に対して前記画像処理装置における前記画像処理と同一処理を行って、前記校正用表面欠陥を検査することで、前記表面検査装置の性能を評価することを特徴とする表面検査装置の評価方法。
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