JPH06280361A - 軒樋継手及び軒樋接続装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 雨水の漏出が確実に防止され、しかも、接続
強度が確保される軒樋継手及び軒樋接続装置を提供す
る。 【構成】 軒樋の外周形状に沿った継手本体２の両上縁
に軒樋上縁係合部３が形成され、同継手本体２の内周面
の両端部付近に各々貼着材層４が設けられ、この両貼着
材層４間の同継手本体２の内周面中程に、同貼着材層４
よりも厚寸で高く突出した柔軟性に富む防水材層５が設
けられた軒樋継手である。この軒樋継手を軒樋の外周に
嵌着し、同軒樋の端部同士を接続して軒樋接続装置とな
り、この場合、軒樋の端部にて防水材層５の両端側が圧
縮されて、この防水材層５の中程部が同両軒樋の端部間
において隆起膨出し、防水性及び接続強度が確保され
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、軒樋の外周に嵌着され
て軒樋の端部同士を接続する軒樋継手、及び、該軒樋継
手にて軒樋の端部同士を接続してなる軒樋接続装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、図７、図８に示す如く、軒樋
（イ）の外周形状に沿った継手本体（ロ）の両上縁に軒
樋上縁係合部（ハ）を形成し、同継手本体（ロ）の内周
面の両端部付近に各々貼着材層（ニ）を設けてなる軒樋
継手は知られている。又、該軒樋継手が軒樋（イ）の外
周に嵌着され、軒樋（イ）の端部同士が接続されて軒樋
接続装置となる。この場合、同軒樋継手の軒樋上縁係合
部（ハ）が軒樋（イ）の両上縁部に各々係止され、両軒
樋（イ）の端部外周面が貼着材層（ニ）に各々貼着固定
される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術においては、両軒樋（イ）の端部間のから該軒
樋（イ）と継手本体（ロ）との間へと連通する間隙
（ホ）内に、同軒樋（イ）内を流れる雨水が毛細管現象
により侵入して貼着材層（ニ）へと直接的に至り、該貼
着材層（ニ）と軒樋（イ）との間の隙間から漏出し易い
ものであった。この場合、貼着材層（ニ）と軒樋（イ）
との間に隙間が発生しないように、同貼着材層（ニ）を
柔軟性に富む材質で厚寸に形成することによって、該貼
着材層（ニ）の表面が軒樋（イ）の外周面に密着される
ようになすことも考えられるが、このように貼着材層
（ニ）を柔軟性に富む材質で厚寸に形成すると、軒樋
（イ）を固定する役目を果たすべき同貼着材層（ニ）が
脆弱となって、軒樋（イ）の熱変形による長手方向の伸
縮力に耐え切れず破損し易くなり、接続強度が確保され
なくなってしまう。

【０００４】本発明は、上記従来の技術における問題を
解決するために発明されたもので、すなわちその課題
は、雨水の漏出が確実に防止され、しかも、接続強度が
確保される軒樋継手及び軒樋接続装置を提供することで
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の軒樋継手は、軒
樋の外周形状に沿った継手本体の両上縁に軒樋上縁係合
部を形成し、同継手本体の内周面の両端部付近に各々貼
着材層を設け、該両貼着材層間の同継手本体の内周面中
程に、同貼着材層よりも厚寸で高く突出した柔軟性に富
む防水材層を設けてなり、又、本発明の軒樋接続装置
は、上記軒樋継手を軒樋の外周に嵌着して軒樋の端部同
士を接続してなる軒樋接続装置であって、両軒樋上縁係
合部を軒樋の両上縁部に各々係止し、両軒樋の端部外周
面を貼着材層に各々貼着固定し、同両軒樋の端部にて防
水材層の両端側を圧縮して、該防水材層の中程部を同両
軒樋の端部間において隆起膨出せしめてなり、これらの
構成によって、上記課題が解決されたものである。

【０００６】

【作用】本発明の軒樋継手は、軒樋の外周形状に沿った
継手本体の両上縁に軒樋上縁係合部が形成され、同継手
本体の内周面の両端部付近に各々貼着材層が設けられ、
該両貼着材層間の同継手本体の内周面中程に、同貼着材
層よりも厚寸で高く突出した柔軟性に富む防水材層が設
けられてなるため、該軒樋継手を、両軒樋上縁係合部を
軒樋の両上縁部に各々係止し、両軒樋の端部外周面を貼
着材層に各々貼着固定し、軒樋の外周に嵌着して軒樋の
端部同士を接続してなる軒樋接続装置においては、同両
軒樋の端部にて防水材層の両端側が圧縮されて、該防水
材層の中程部が同両軒樋の端部間において隆起膨出する
ことになり、該隆起膨出部が両軒樋の端部間を密閉する
と共に、同防水材層の表面が軒樋の外周面に密着して、
軒樋内を流れる雨水が貼着材層へと直接的に至ることも
なく、同雨水の漏出が確実に防止される。しかも、この
場合、軒樋を固定する役目を果たす貼着材層とは別の防
水材層が、該貼着材層よりも厚寸で且つ柔軟性に富む材
質にて形成されているため、同貼着材層によって接続強
度が確保される。

【０００７】

【実施例】図１、図２、図３に示す軒樋継手及び軒樋接
続装置は、本発明の一実施例で、軒樋１の外周形状に沿
った継手本体２の両上縁に軒樋上縁係合部３を形成し、
同継手本体２の内周面の両端部付近に各々貼着材層４を
設け、該両貼着材層４間の同継手本体２の内周面中程
に、同貼着材層４よりも厚寸で高く突出した柔軟性に富
む防水材層５を設けてなる軒樋継手であり、又、該軒樋
継手を軒樋１の外周に嵌着して軒樋１の端部同士を接続
してなる軒樋接続装置であって、両軒樋上縁係合部３を
軒樋１の両上縁部６に各々係止し、両軒樋１の端部外周
面を貼着材層４に各々貼着固定し、同両軒樋１の端部に
て防水材層５の両端側を圧縮して、該防水材層５の中程
部を同両軒樋１の端部間において隆起膨出させて隆起膨
出部７を形成してなる軒樋接続装置である。

【０００８】軒樋１は、帯状銅板材を折曲加工して角樋
形状に形成したもので、その両上縁部６には中空状の耳
部が一体に形成されている。又、継手本体２は、同軒樋
１の外周形状に沿うように銅板材を折曲加工して形成し
たもので、その両上縁には内方へ開口した略コ字型の軒
樋上縁係合部３が一体に形成されている。

【０００９】同継手本体２の内周面の両端部付近に設け
られる貼着材層４は、両面テープが接着固定されて設け
られたもので、その表面には、接続施工時以前の保管或
いは運搬時において、保護用の離型シート（図示せず）
が被着されている。又、該両貼着材層４間の同継手本体
２の内周面中程には、同両貼着材層４間の全巾に亘る防
水材層５が接着固定されて設けられている。該防水材層
５は、独立気泡型の柔軟な合成樹脂発泡シート或いは発
泡ゴムシートでなり、上記貼着材層４よりも厚寸で高く
突出するように設けられている。

【００１０】したがって、該実施例の軒樋継手及び軒樋
接続装置においては、軒樋継手の両軒樋上縁係合部３が
軒樋１の両上縁部６に各々係止され、両軒樋１の端部外
周面が同軒樋継手の両貼着材層４に各々貼着固定され、
該軒樋継手が軒樋１の外周に嵌着されて軒樋１の端部同
士が接続される。この場合に、両軒樋１の端部にて防水
材層５の両端側が圧縮されて、該防水材層５の中程部が
同両軒樋１の端部間において隆起膨出するため、該隆起
膨出部７が両軒樋１の端部間を密閉すると共に、同防水
材層４の表面が軒樋１の外周面に密着して、軒樋１内を
流れる雨水が貼着材層４へと直接的に至ることもなく、
同雨水の漏出が確実に防止される。しかも、軒樋１を固
定する役目を果たす貼着材層４とは別の防水材層５が、
該貼着材層４よりも厚寸で且つ柔軟性に富む材質にて形
成されるため、同貼着材層４によって接続強度が確保さ
れる。

【００１１】なお、本発明の軒樋継手及び軒樋接続装置
においては、図４、図５、図６に示す実施例の如きであ
っても良いものである。すなわち、該実施例の軒樋継手
及び軒樋接続装置においては、軒樋１が合成樹脂にて一
体に押出成形されたもので、該軒樋１の前壁部は後壁部
よりも高く形成され、同前壁部の上部には後方へ傾倒し
たカバー部８が一体に形成されている。又、軒樋継手は
合成樹脂にて一体に射出成形されたもので、その継手本
体２の前板部の上部には、上記軒樋１のカバー部８に対
応した傾斜板部９が一体に形成されており、該傾斜板部
９の上縁に形成される軒樋上縁係合部３は、上記軒樋１
のカバー部８の内方へ折曲した上縁部６の折曲角部10に
係止される。この場合、継手本体２の傾斜板部９の内面
には貼着材層４及び防水材層５が設けられておらず、該
傾斜板部９の内面は軒樋１のカバー部８の外面に直接に
当接されるが、この部分での雨水の漏出は問題とならな
いため防水機能に支障を来すことはない。又、貼着材層
４と防水材層５との間に間隔が形成されるように、該両
貼着材層４及びその間の防水材層５が設けられており、
同間隔の存在によって雨水の毛細管現象による漏出がよ
り確実に遮断防止される。

【００１２】

【発明の効果】上述の如く、本発明の軒樋継手及び軒樋
接続装置においては、軒樋継手の両軒樋上縁係合部が軒
樋の両上縁部に各々係止され、両軒樋の端部外周面が同
軒樋継手の両貼着材層に各々貼着固定され、該軒樋継手
が軒樋の外周に嵌着されて軒樋の端部同士が接続され、
この場合に、両軒樋の端部にて防水材層の両端側が圧縮
されて、該防水材層の中程部が同両軒樋の端部間におい
て隆起膨出するため、該隆起膨出部が両軒樋の端部間を
密閉すると共に、同防水材層の表面が軒樋の外周面に密
着して、軒樋内を流れる雨水が貼着材層へと直接的に至
ることもなく、同雨水の漏出が確実に防止される。しか
も、軒樋を固定する役目を果たす貼着材層とは別の防水
材層が、該貼着材層よりも厚寸で且つ柔軟性に富む材質
にて形成されるため、同貼着材層によって接続強度が確
保される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例である軒樋継手を示す斜視図
である。

【図２】同軒樋継手による軒樋接続装置を示す断面図で
ある。

【図３】同軒樋接続装置の要部断面図である。

【図４】本発明の別の実施例である軒樋継手を示す斜視
図である。

【図５】同軒樋継手による軒樋接続装置を示す断面図で
ある。

【図６】同軒樋接続装置の要部断面図である。

【図７】本発明の従来例である軒樋継手を示す斜視図で
ある。

【図８】同軒樋継手による軒樋接続装置を示す要部断面
図である。

【符号の説明】

１ 軒樋 ２ 継手本体 ３ 軒樋上縁係合部 ４ 貼着材層 ５ 防水材層 ６ 上縁部 ７ 隆起膨出部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 軒樋の外周形状に沿った継手本体の両上
   縁に軒樋上縁係合部を形成し、同継手本体の内周面の両
   端部付近に各々貼着材層を設け、該両貼着材層間の同継
   手本体の内周面中程に、同貼着材層よりも厚寸で高く突
   出した柔軟性に富む防水材層を設けてなる軒樋継手。
2. 【請求項２】 請求項１）記載の軒樋継手を軒樋の外周
   に嵌着して軒樋の端部同士を接続してなる軒樋接続装置
   であって、両軒樋上縁係合部を軒樋の両上縁部に各々係
   止し、両軒樋の端部外周面を貼着材層に各々貼着固定
   し、同両軒樋の端部にて防水材層の両端側を圧縮して、
   該防水材層の中程部を同両軒樋の端部間において隆起膨
   出せしめてなる軒樋接続装置。