JPH06279603A - フッ素樹脂成形体およびその製法 - Google Patents
フッ素樹脂成形体およびその製法Info
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Abstract
形体およびその製法をうる。 【構成】 炭素材料を0.1〜30重量%含有するフッ
素樹脂組成物よりなる成形体の表面がフッ素化されてな
るフッ素樹脂成形体。このフッ素樹脂成形体は、炭素材
料を0.1〜30重量%含有するフッ素樹脂組成物の成
形体をえたのち、その表面をフッ素原子を含む化合物よ
りなる反応ガスでフッ素化処理することによりえられ
る。
Description
性に優れたフッ素樹脂成形体およびその製法に関する。
素樹脂組成物のシートまたはフィルムを形成させてなる
トナーオフセット防止性能の高い電子写真装置用定着ロ
ーラおよびその製法に関する。
よびその共重合体などのフッ素樹脂は、他の樹脂類と比
較して非常に低い表面エネルギーを有するため、卓越し
た撥水、撥油性、非粘着性、離型性などの表面物性を有
する。そのうえ、化学的に安定であるため耐薬品性、耐
食性、耐熱性などの多くの優れた性質を有することが知
られており、広範な用途展開がなされている。
体であるため帯電しやすいという問題点を有している。
器類においてはIC、LSIなどの電子部品や磁気記録
装置は静電気やそれにともなう火花を嫌うため、これら
の周辺機器や事務機器に使用する部品(たとえば各種ロ
ーラの軸受部分、搬送装置など)は充分な帯電防止能が
要求される。
液だめ、治具などにおいては充分な帯電防止能がないと
静電気にともなう素子の破壊をひきおこすだけでなく、
クリーンな環境を維持することの妨げとなる。
における定着ローラの表面のオフセット防止層としても
フッ素樹脂フィルムが使用されている。このばあい、フ
ッ素樹脂のみでは加熱により溶融したトナーに対する非
粘着性、離型性(以下ホットオフセット防止効果)は充
分であるが、定着ローラと紙葉との摩擦により、フッ素
樹脂からなるオフセット防止層が徐々に帯電し、その結
果、定着前のトナーが静電気的に吸着または反発するた
めに複写画像ににじみ、ぬけなどが生じ、静電オフセッ
トとよばれる現象が問題となる。
の立場からできるだけ低温で定着を行なう要望がある。
このため、熱伝導性の優れた定着ローラが求められてい
る。したがって、オフセット防止層はできる限り薄くし
かも耐摩耗性が上記の諸性質にあわせて要求される。
素樹脂に種々の導電性フィラーを配合した組成物が提案
されている。
おいては導電性カーボンブラックを導電性フィラーとし
て添加したフッ素樹脂組成物が開示されている。フッ素
樹脂に導電性カーボンブラックを添加すると、その組成
物は導電性を有するようになり、優れた帯電防止能を達
成することができる。しかしながら、導電性カーボンブ
ラックはフッ素樹脂よりも大きな表面エネルギーを有す
るため、フッ素樹脂よりも撥水・撥油性、非粘着性、離
型性などの性質において劣っている。したがってフッ素
樹脂と導電性カーボンブラックの組成物は、フッ素樹脂
単体のばあいよりも撥水・撥油性、非粘着性、離型性な
どの性質が劣るという問題点が発生し、限定された用途
にのみ使用されているのが実情である。
ても種々の導電性フィラーを添加する試みがなされてい
る。
においてはカーボンブラックなどを含んだ樹脂層をオフ
セット防止層として使用することを提案している。しか
しながらカーボンブラックを多量に添加するほど組成物
の体積固有抵抗を下げることができ、静電オフセット防
止効果は向上するが、反対にホットオフセット防止効果
が低くなってゆく。このジレンマのために定着ローラの
表面にシリコンオイルなどを塗布する湿式法にたよらざ
るをえないのが現状である。
素樹脂に導電性フィラーとして炭素繊維を添加すると同
時にホットオフセット防止効果を補うためにフッ化カー
ボンを添加することを提案している。このばあい、ホッ
トオフセットと静電オフセットの両オフセットを防止し
うるが2成分のフィラーを含むオフセット防止層を均一
に形成させることが困難である。オフセット防止層の表
面が不均一になると長期にわたってオフセット防止効果
を維持することはできない。
方を同時に満足し、かつ均一な表面をもったフッ素樹脂
成形体はえられ難いのが実情である。
題点に鑑みなされたものであり、適度な導電性をもち、
かつ、充分低い表面エネルギーをもつことにより優れた
帯電防止能と非粘着性をあわせもつフッ素樹脂成形体を
提供することを目的とする。
わせもつフッ素樹脂成形体の新規な製法を提供すること
を目的とする。
高い電子写真装置用定着ローラおよびその製法を提供す
ることを目的とする。
0.1〜30重量%含有するフッ素樹脂組成物よりなる
成形体の表面がフッ素化されてなるフッ素樹脂成形体に
関する。
として用いられる。このフッ素樹脂としては、具体的に
は、たとえばポリテトラフルオロエチレン、テトラフル
オロエチレンおよびこれと共重合可能な少なくとも1種
の他のエチレン性不飽和単量体(たとえば、エチレン、
プロピレンなどのオレフィン類、ヘキサフルオロプロピ
レン、ビニリデンフルオライド、クロロトリフルオロエ
チレン、ビニルフルオライドなどのハロゲン化オレフィ
ン類、パーフルオロアルキルビニルエーテル類など)と
の共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビ
ニリデンフルオライドなどがあげられる。このなかで、
特に好ましいフッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレ
ン、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレ
ン、パーフルオロメチルビニルエーテルおよびパーフル
オロプロピルビニルエーテルの少なくとも1種(通常テ
トラフルオロエチレンに対し40モル%以下含まれる)
との共重合体などがあげられる。また、前記フッ素樹脂
を単独で使用することも可能であるが2種以上を混合し
て使用することも可能である。このうち、特に好ましい
混合体はポリテトラフルオロエチレンとテトラフルオロ
エチレンおよびパーフルオロアルキルビニルエーテルの
共重合体との混合体などをあげることができる。
として添加される。この炭素材料としては、たとえば、
カーボンブラック、黒鉛粉末、炭素繊維、球状ガラス状
カーボン、メソカーボンマイクロビーズなどをあげるこ
とができる。これらは必要に応じて1000〜3000
℃で熱処理したものも使用できる。このうち特に好まし
い炭素材料は導電性カーボンブラックとして分類される
カーボンブラックである。たとえばライオンアクゾ社製
のケッチェンブラックEC(商品名)、ケッチェンブラ
ックEC−600JD(商品名)、キャブラック社製の
バルカンXC−72(商品名)、ブラックパールズ20
00(商品名)、旭カーボン社製のHS−500(商品
名)、電気化学工業社製のデンカブラック(商品名)な
どをあげることができる。
〜30重量%が適当で、0.1重量%未満のばあいは、
充分な導電性を付与することができず、30重量%を超
えると耐摩耗性が劣化したり、機械的強度が低下するた
め好ましくない。
素材料を0.1〜30重量%含有するフッ素樹脂組成物
の成形体をえたのち、その表面をフッ素原子を含む化合
物よりなる反応ガスでフッ素化処理することにより製造
される。成形体は、棒状、ブロック状、板状、容器状、
円筒状、シート状、フィルム状などのものとして成形さ
れる。
の成形体をうる方法は特に限定されず、材料により適切
な任意の方法を用いることができる。
方法としてはフッ素樹脂と炭素材料を粉体のまま撹拌・
混合したのち、この混合粉体をプレス成形し熱処理する
方法、同様に混合粉体を溶融させ射出成形する方法など
があげられる。また、シートやフィルムをうる方法とし
てはフッ素樹脂と炭素材料を、界面活性剤などを適宜配
合した水溶液中に分散せしめ、このものを適当な基材上
に湿式塗布したのち、乾燥、熱処理する方法、フッ素樹
脂と炭素材料の微粒子複合材料を形成し、粉体塗装を行
ない、熱処理して成膜する方法などをあげることができ
る。なお、いずれの成形方法のばあいでも、成形後必要
に応じて洗浄、研磨などの工程を追加することができ
る。
りなる反応ガスによるフッ素化処理に使用するフッ素原
子を含む化合物よりなる反応ガス(以下、フッ素を含む
反応ガスという)はたとえばフッ素ガス、三フッ化チッ
素ガス、三フッ化塩素ガス、四フッ化イオウガスが使用
でき、必要に応じてチッ素ガスなどの不活性ガスで希釈
することができる。また、これらのガスを混合して使用
することもでき、必要に応じて酸素ガス、水蒸気、フッ
化水素ガスを添加することも可能である。
フッ素樹脂の種類、炭素材料の種類、成形体あるいはフ
ィルムの形状、厚さ、組成にも依存するが50〜350
℃、特に100〜250℃の範囲が適当である。また、
処理時間は1分〜5時間、特に30分〜2時間が適当で
ある。50℃以下のばあいはフッ素を含む反応ガスによ
るフッ素化処理によるC−F結合生成反応が実質的に進
行せず有効な処理が実施不可能である。350℃以上で
はフッ素樹脂が変形したり熱分解をおこすため、またフ
ッ素化が過剰になったり、成形体の抵抗が大きくなる傾
向があるので不都合である。
り判断する。本発明において表面フッ素化度は、つぎの
ようにして測定してえられた値で定義されるものとす
る。
製:ESCA−750)を用いてフッ素樹脂成形体のF
1Sスペクトル(880〜700eV)とC1Sスペクトル
(280〜300eV)を測定する。各スペクトルに対
応するチャートの面積の比によってフッ素樹脂成形体の
表面のフッ素原子数と炭素原子数との比F/Cを求め
る。この値が表面フッ素化度である。表面フッ素化度の
値は使用するフッ素樹脂の種類にもよるが1.0〜3.
0、特に2.0〜3.0ぐらいが適当である。
化処理されているので、表面潤滑性に富み耐摩耗性が優
れている。
反応ガスによるフッ素化処理に先立ち、成形体の少なく
とも表面を予備酸化処理することができる。
液相酸化法、電解酸化法のいずれを用いてもよい。
ス、オゾン、チッ素酸化物、水蒸気などのガスを、好ま
しくは100〜350℃の範囲の限度で成形体またはフ
ィルムの表面に接触させることによって行なうことがで
きる。ガスの種類、濃度、フッ素樹脂の種類、炭素材料
の種類、成形体あるいはフィルムの形状、厚さ、組成な
どにもよるが反応温度は100〜350℃の範囲が適当
である。100℃未満のばあいは充分な予備酸化の効果
が得られず、350℃を超えるとフッ素樹脂が変形した
り熱分解をおこすため不都合である。
マンガン酸塩/硫酸、クロム酸塩、次亜塩素酸塩などの
薬液に成形体またはフィルムを浸透することにより行な
うことができる。
を用いるばあい、0.5〜6時間煮沸することにより実
施可能である。
硫酸水溶液に処理を行なう成形体あるいはフィルムを陽
極とし、1〜50ボルトの直流電圧を印加することによ
って実施できる。
ッ素化処理と同一反応器内で実施可能で工程が簡単とな
るうえ、効果が顕著であるため特に好ましい。
とによりフッ素樹脂と炭素材料の成形体の表層のみがフ
ッ素化され、内部はフッ素化されない状態のままとどめ
ることができる。
材料はその表面がフッ化カーボンに変化するため極めて
優れた低表面エネルギー性を発現する。そのため、撥水
・撥油性、離型性、非粘着性はフッ素樹脂のみのばあい
よりもかえって向上する。また、潤滑性、耐摩耗性が向
上する。また、一般にフッ素樹脂は重合の際に使用する
開始剤、連鎖移動剤に依存した末端基構造を有している
ことが知られている。たとえば−COOH末端基や−C
ONH2 末端基などの末端基を有することが多いが、こ
れらは極性基であり、フッ素樹脂の表面エネルギーを大
きくする原因となっている。
スによる処理によりこれらの極性末端基を−CF3 基に
変えうることを開示している。
のみがこれらの極性末端基が−CF3 末端基に変化する
ため、前記フッ化カーボンの生成とあわせて相乗効果に
より表面エネルギーが低下し、卓越した撥水・撥油性、
離型性、非粘着性をもつ成形体をうることができる。
材料が絶縁性のフッ化カーボンに変化するため、成形体
の導電性が低下することが懸念される。しかしながら、
フッ素化処理は成形体の極く表面のみにとどまるため、
全体としての体積固有抵抗の上昇は極くわずかにとどま
る。このため、導電性と非粘着性の両方を満足しうる成
形体がえられる。
なうと、より温和な条件でフッ素化を行なうことがで
き、また、つぎのフッ素化が均一に行なわれるようにな
り、成形体の変形や表面が粗となることを防止すること
ができる。
つぎのような理由によるものと推定される。すなわち、
炭素材料を酸化することによって生成する酸化黒鉛はも
との炭素材料よりも低い温度でフッ素化され、フッ化黒
鉛(フッ化カーボン)を生じるといわれている(たとえ
ば、第15回フッ素化学討論会講演要旨集、p16〜1
7)。したがって、本発明においても酸化処理により炭
素材料の表面あるいは全体が酸化黒鉛類似の構造をとる
ことになり、より温和な条件でフッ素化されうる。
面がフッ化カーボン被膜によって被覆されることによっ
て生じる現象である陽極効果は、無水の状態では極めて
おこりにくいが微量の水分が存在すると容易に発生する
ことが知られている(たとえば ジャーナル オブ フ
ルオライン ケミストリー57巻、83〜91頁(19
92))。このことは微量の水分あるいはそれが電解酸
化されて生じた原子状の酸素のいずれかがフッ化カーボ
ン被膜の生成を助長することを示しているものと考えら
れる。したがって本発明のフッ素化処理においても、水
蒸気処理などの酸化処理をフッ素化処理に先立って実施
することによってフッ化カーボンの生成が促進されるも
のと考えられる。
なう前に水蒸気処理などの酸化処理を行なうことによ
り、より容易に極性末端基を−CF3 末端基に変えるこ
とができる。すなわち、前述のようにフッ素樹脂のポリ
マー末端は種々の構造をとることが知られているが、−
COF末端をとるばあいがある。−COF末端は単にフ
ッ素ガスによってフッ素化処理を行なうことによって−
CF3 末端に変えることは難しく、より激しい反応条件
のもとで長時間処理を行なう必要がある。ところが−C
OF末端は水蒸気による処理で容易に−COOH末端に
変化させることができる。−COOH末端はフッ素ガス
による処理で容易に−CF3 末端に変化させることがで
きる。
おいても酸化処理が有効になるものと考えられる。
蒸気あるいは適当な酸化剤による酸化処理を行なうこと
により、より温和な条件で有効なフッ素化処理を実施で
きる。これは、フッ素樹脂と炭素材料の両方の改質に関
与し、相互効果により導電性および非粘着性などに優れ
たフッ素樹脂成形体をうるうえで効果的である。
置用定着ローラ、同じく転写ローラ、給紙ローラ、搬送
ローラなどのローラ類、また、それらの軸受部分などに
使用される。また、半導体製造プロセスにおいて使用さ
れる薬液だめ、バット、ICなどの電子部品またはウェ
ハーの運搬、保管用ケースのほか、発熱体、電磁波遮蔽
材料のような種々の用途に適用することができる。
素樹脂フィルムを形成させると極めて優れたオフセット
防止効果をもつ電子写真装置用定着ローラとなる。
30重量%含有するフッ素樹脂組成物よりなる成形体の
表面がフッ素化されたシートまたはフィルムが金属製ロ
ーラの外表面に設けられてなる電子写真装置用定着ロー
ラに関する。
の材質は熱伝導性に優れ、軽量かつ寸法安定性に富むも
のであればよいが、たとえばアルミニウム材、ステンレ
ス材をあげることができる。
前述と同様であるが、特にテトラフルオロエチレンとパ
ーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体あるいは
ポリテトラフルオロエチレンとテトラフルオロエチレン
およびパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体
との混合物が適当である。
止層の形成方法は炭素材料を含むフッ素樹脂層をオフセ
ット防止層として使用する従来公知の方法が使用可能で
あるが、このうち、フッ素樹脂と炭素材料の混合ディス
パージョンを金属製ローラの表面に塗布し、乾燥後焼成
する方法が容易であるので適当である。成膜後、研摩す
ることによって表面粗度を上げることが可能である。
を成膜後、前述の方法にてフッ素化処理が行なわれるこ
とを特徴とする。フッ素化処理に先立ち、前述のごとく
水蒸気処理あるいは酸化処理を行なうことによりさらに
優れたオフセット防止能力が発揮される。
700μm、アスペクト比:39)20重量部とテトラ
フルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテ
ル共重合体(PFA)粉末(ダイキン工業製、ネオフロ
ンPFA、AP210)80重量部とをヘンシェルミキ
サーで均一に混合したのち、異方向二軸押出機を用いて
350〜370℃で溶融混練して成形用ペレットをえ
た。
ー温度:350〜380℃、金型温度:180℃)に供
給し、円板状(直径12cm、厚さ0.5cm)の試験
片を射出成形した。
1.5リットル)内に封入し、真空ポンプによって1P
a以下に排気した。反応器を200℃まで加熱してから
高純度チッ素ガスを1リットル/分で1時間流通させ試
験片を充分に乾燥させたのち、20%チッ素希釈フッ素
ガスを200℃において1リットル/分で2時間流通さ
せてフッ素化処理を行なった。フッ素化処理終了後、た
だちに高純度チッ素ガスを1リットル/分で流通させな
がら室温まで冷却し試験片をとり出した。
積固有抵抗(株式会社アドバンテスト製R8340Aデ
ジタル超高抵抗計と同R12702Aレジスティビティ
・チャンバを使用)を測定した。えられた結果を表1に
示す。
て含有するPFA樹脂を円板状に成形した試験片を作製
した。
5リットル)内に封入し高純度チッ素ガスを1リットル
/分で流通させながら200℃に昇温した。
0℃における飽和水蒸気を含んだチッ素ガスを1リット
ル/分にて反応器に流通させて予備酸化した。
を200℃において1リットル/分で1時間流通させて
フッ素化処理を行なった。フッ素化処理終了後、ただち
に高純度チッ素ガスを1リットル/分で流通させながら
室温まで冷却し試験片をとり出した。
に評価し、その結果を表1にあわせて示す。
として含有するPFA樹脂試験片をフッ素化処理などの
後処理を行なうことなく水に対する接触角と体積固有抵
抗を実施例1のばあいと同様にして評価した。その結果
を表1にあわせて示す。
にピッチ系炭素繊維15重量部とフッ化カーボン(ダイ
キン工業(株)製、CFGL)5重量部を使用しフッ素
化処理を実施しない以外は全く同様にして試験片を作製
・評価した。その結果を表1にあわせて示す。
ジョンAD−1CR)の固形分に対して20重量%に相
当する導電性カーボン(ライオレアクゾ社製ケッチェン
ブラックEC)を添加し、超音波ホモジナイザーにて充
分に混合、分散した。
径44mm、長さ350mm)の外面をサンドブラスト
処理により粗面化し、この上に前記混合分散液をエアス
プレーにより均一に塗布した。このものを、380℃の
熱風循環式恒温炉の中で1時間熱処理した。
ル製反応器(内容積10リットル)の中に封入し高純度
チッ素ガスを5リットル/分で1時間流通させたのち、
反応器を200℃まで加熱した。温度平衡に達してから
20%チッ素希釈フッ素ガスを200℃において2リッ
トル/分にて2時間流通させてフッ素化処理を行なっ
た。フッ素化処理終了後、ただちに高純度チッ素ガスを
5リットル/分で流通させながら室温まで冷却し、アル
ミニウム製ローラをとり出した。
し、非オフセット域性能、通紙帯電性能、および耐摩耗
性能を評価した。
加熱温度を10℃毎に変化させ、実際にA4サイズの紙
葉を4枚通紙し、文字のぬけ、にじみなどが発生するか
どうか目視により評価し、全くオフセットが発生しなか
った温度域で表示した。
ローラの表面電位を振動容量型表面電位計(トレック・
ジャパン(株)製、340HV)により測定することに
よって評価した。
試験後の摩耗量(厚さ減少量:μm)を測定することに
より評価した。
ィルムにより被覆されたアルミニウム製ローラを作製し
た。
リットル)内に封入し、高純度チッ素ガスを5リットル
/分で流通させながら200℃に昇温した。つぎに反応
器を200℃に保ったまま30℃における飽和水蒸気を
含有したチッ素ガスを2リットル/分で反応器内を流通
させて予備酸化した。
を200℃において1リットル/分で1時間流通させて
フッ素化処理を行なった。フッ素化処理終了後、ただち
に高純度チッ素ガスを2リットル/分で流通させながら
室温まで冷却したローラをとり出した。
に評価した。その結果を表2にあわせて示す。
FAフィルムにより被覆されたアルミニウム製ローラを
フッ素化処理などの後処理を行なうことなく実施例3と
同様の評価に供した。その結果を表2にあわせて示し
た。導電性カーボンを含有するため帯電電位は最も小さ
いが表面エネルギーがPFAのみのばあいに比較して大
きくなっているためホットオフセットが発生しやすく、
非オフセット域が狭くなっている。
素繊維(実施例1で使用したものと同じもの)とフッ化
カーボン(比較例3で使用したものと同じもの)をPF
A樹脂液の固形分に対してそれぞれ15重量%、5重量
%添加し、フッ素化処理を行なわないこと以外は全く同
様にしてローラを作製し評価した。えられた結果を表2
にあわせて示す。
エネルギーが非常に低くかつ導電性をもつため帯電防止
能、離型性、非粘着性に優れている。
成形後気相法による処理を行なうため、形状による制約
が少なく広い範囲に応用可能である。
静電オフセットが非常に起こりにくく、フッ化カーボン
が混入された組成物を成形するという工程を経ないので
オフセット防止層を薄く均一にすることができ、コール
ドオフセットも起こりにくい。しかも表面の潤滑性に富
むため耐摩耗性に富み、長寿命である。
Claims (9)
- 【請求項1】 炭素材料を0.1〜30重量%含有する
フッ素樹脂組成物よりなる成形体の表面がフッ素化され
てなるフッ素樹脂成形体。 - 【請求項2】 フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチ
レン、テトラフルオロエチレンと、これと共重合可能な
少なくとも1種の他のエチレン性不飽和化合物単量体と
の共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、および
ポリビニリデンフルオライドよりなる群から選ばれた少
なくとも1種である請求項1記載のフッ素樹脂成形体。 - 【請求項3】 棒状、ブロック状、板状、容器状、円筒
状、シート状、またはフィルム状である請求項1または
2記載のフッ素樹脂成形体。 - 【請求項4】 炭素材料を0.1〜30重量%含有する
フッ素樹脂組成物の成形体をえたのち、その表面をフッ
素原子を含む化合物よりなる反応ガスでフッ素処理する
ことを含んでなるフッ素樹脂成形体の製法。 - 【請求項5】 フッ素樹脂が、ポリテトラフルオロエチ
レン、テトラフルオロエチレンと、これと共重合可能な
少なくとも1種の他のエチレン性不飽和化合物単量体と
の共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、および
ポリビニリデンフルオライドよりなる群から選ばれた少
なくとも1種である請求項4記載のフッ素樹脂成形体の
製法。 - 【請求項6】 成形体が、棒状、ブロック状、板状、容
器状、円筒状、シート状、またはフィルム状である請求
項4または5記載のフッ素樹脂成形体の製法。 - 【請求項7】 フッ素化処理が、成形体の表面を予備酸
化したのち、フッ素原子を含む化合物よりなる反応ガス
を成形体に接触させることを含んでなる請求項4、5ま
たは6記載のフッ素樹脂成形体の製法。 - 【請求項8】 金属製ローラの外表面に請求項3記載の
シート状またはフィルム状フッ素樹脂成形体が設けられ
てなる電子写真装置用定着ローラ。 - 【請求項9】 金属製ローラの外表面に、炭素材料を
0.1〜30重量%含有するフッ素樹脂組成物をシート
状またはフィルム状に成形し、その表面をフッ素原子を
含む化合物よりなる反応ガスでフッ素化処理することを
含んでなる電子写真装置用定着ローラの製法。
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