JPH06279597A - 近赤外線吸収フィルム - Google Patents

近赤外線吸収フィルム

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JPH06279597A
JPH06279597A JP6966393A JP6966393A JPH06279597A JP H06279597 A JPH06279597 A JP H06279597A JP 6966393 A JP6966393 A JP 6966393A JP 6966393 A JP6966393 A JP 6966393A JP H06279597 A JPH06279597 A JP H06279597A
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JP
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group
substituted
infrared absorbing
film
substd
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JP6966393A
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Tatsu Oi
龍 大井
Naoto Ito
尚登 伊藤
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリアルキルアクリレート系樹脂とフタロシ
アニン化合物を含有してなる近赤外線吸収フィルム。 【効果】 耐光性が優れた近赤外線吸収フィルムを提供
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、室内、車内の温度制御
等に有用な、熱線遮断効果を持つ近赤外線吸収フィルム
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、特に省エネルギーの観点から、熱
線遮断の目的で近赤外線吸収フィルムを、ビル、住宅等
の建材物あるいは自動車、電車、航空機等の窓と組み合
わせることが注目されており、実際に一部では、近赤外
線吸収フィルムが商品化されている。近赤外線吸収フィ
ルムと、建材用及び自動車、電車などの乗り物用窓ガラ
スを組み合わせる方法として、窓ガラスに直接、近赤外
線吸収フィルムを貼りつける方法、或いは合わせガラス
として、2枚のガラス板に挟み込む方法等が知られてい
るが、いずれの場合においても、屋外用途として使用さ
れるために、近赤外線吸収フィルムとして高い耐光性が
要求される。
【0003】特開平3−62878等に、フタロシアニ
ン環に置換基を有するフタロシアニン化合物は樹脂への
相溶解性が良く、近赤外線吸収フィルムあるいはフィル
ター用の近赤外線吸収色素として優れていることが記載
されている。また、通常、近赤外線吸収フィルムの基板
フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート或いは
ポリカーボネートが用いられるが、それらのプラスチッ
クで作製された近赤外線吸収フィルムは、含有される近
赤外線吸収剤の耐光性が十分ではなく、太陽光により色
素が徐々に分解し、熱線遮断フィルムとしての機能の低
下が大きい。また近赤外線吸収フィルムの耐光性に関す
る報告はない。
【0004】近赤外線吸収あるいは赤外線反射機能を有
するフィルムを実際に建材あるいは自動車、電車等の窓
に組み入れた場合、可視透過率(TV )が大きいことが
重要である。例えば、自動車のフロントガラスであれ
ば、安全性の点からTV が70%以上であることがJI
S規格によって定められている。また、太陽光に対する
熱線遮断の指標を日射透過率(TE )で表すことが出来
るが、TE は小さいほど熱線遮断の性能が高く、TE
できるだけ小さく抑えることが省エネルギーの為に重要
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、フタ
ロシアニンを含有する近赤外線吸収フィルムであり、近
赤外線吸収能力の光による劣化が小さい近赤外線吸収フ
ィルムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、用いるプラスチッ
クにより、フタロシアニン化合物の耐光性が変化するこ
とを見出した。更に、ポリアルキルアクリレート系フィ
ルム樹脂を用いることにより、含有されるフタロシアニ
ンの耐光性が改善され、光による近赤外線吸収能力の劣
化が少ない、優れた近赤外線吸収フィルムが製造出来る
ことを見出し本発明を完成した。即ち、本発明は、ポリ
アルキルアクリレート系樹脂と一般式(I)(化2)で
表されるフタロシアンニン化合物を含有する近赤外線吸
収フィルムに関するものである。
【0007】
【化2】 (式(I)中、A1 〜A8 は各々独立に、水素原子、ハ
ロゲン原子、置換又は未置換のアルキル基、あるいは置
換又は未置換のアルコキシ基を表し、かつ、A1
2 、A3 とA4 、A5 とA6 、およびA7 とA8 の各
組み合わせにおいて、同時に水素原子となることはな
く、他方、B1 〜B8 は各々独立に、水素原子、ハロゲ
ン原子、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換
のアリール基、置換又は未置換のアルコキシ基、置換又
は未置換のアリールオキシ基、置換又は未置換のアルキ
ルチオ基、あるいは置換又は未置換のアリールチオ基を
表し、Mは2価の金属原子、3価又は4価の置換金属原
子、またはオキシ金属を表す)本発明に用いられる近赤
外線吸収剤は、前記一般式(I)で表されるフタロシア
ニン化合物である。
【0008】式(I)で表されるフタロシアニン化合物
中、A1 〜A8 或いはB1 〜B8 で表される置換又は未
置換のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、
n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチ
ル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、iso-
ペンチル基、neo-ペンチル基、1,2-ジメチル−プロピル
基、n-ヘキシル基、cyclo-ヘキシル基、1,3-ジメチル-
ブチル基、1-iso-プロピルプロピル基、1,2-ジメチルブ
チル基、n-ヘプチル基、1,4-ジメチルペンチル基、2-メ
チル1-iso-プロピルプロピル基、1-エチル-3- メチルブ
チル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、3-メチル
-1-iso- プロピルブチル基、2-メチル-1-iso- プロピル
基、1-t-ブチル-2- メチルプロピル基、n-ノニル基等の
炭素数1〜20の直鎖又は分岐のアルキル基、メトキシ
メチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロ
ポキシエチル基、ブトキシエチル基、γ−メトキシプロ
ピル基、γ−エトキシプロピル基、メトキシエトキシエ
チル基、エトキシエトキシエチル基、ジメトキシメチル
基、ジエトキシメチル基、ジメトキシエチル基、ジエト
キシエチル基等のアルコキシアルキル基、アルコキシア
ルコキシアルキル基、アルコキシアルコキシアルコキシ
アルキル基、クロロメチル基、2,2,2-トリクロロエチル
基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル
基、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2- プロピル基等のハ
ロゲン化アルキル基、アルキルアミノアルキル基、ジア
ルキルアミノアルキル基、アルコキシカルボニルアルキ
ル基、アルキルアミノカルボニルアルキル基、アルコキ
シスルホニルアルキル基、アルキルスルホニル基などが
挙げられる。
【0009】また、置換または未置換のアルコキシ基の
例としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロピルオキ
シ基、iso-プロピルオキシ基、n-ブチルオキシ基、iso-
ブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、t-ブチルオキシ
基、n-ペンチルオキシ基、iso-ペンチルオキシ基、neo-
ペンチルオキシ基、1,2-ジメチル−プロピルオキシ基、
n-ヘキシルオキシ基、cyclo-ヘキシルオキシ基、1,3-ジ
メチル- ブチルオキシ基、1-iso-プロピルプロピルオキ
シ基、1,2-ジメチルブチルオキシ基、n-ヘプチルオキシ
基、1,4-ジメチルペンチルオキシ基、2-メチル-1-iso-
プロピルプロピルオキシ基、1-エチル-3- メチルブチル
オキシ基、n-オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキ
シ基、3-メチル-1-iso- プロピルブチルオキシ基、2-メ
チル-1-iso- プロピルオキシ基、1-t-ブチル-2- メチル
プロピルオキシ基、n-ノニルオキシ基等の炭素数1〜2
0の直鎖又は分岐のアルコキシ基、メトキシメトキシ
基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポ
キシエトキシ基、ブトキシエトキシ基、γ−メトキシプ
ロピルオキシ基、γ−エトキシプロピルオキシ基、メト
キシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ
基、ジメトキシメトキシ基、ジエトキシメトキシ基、ジ
メトキシエトキシ基、ジエトキシエトキシ基等のアルコ
キシアルコキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エト
キシエトキシエトキシ基、ブチルオキシエトキシエトキ
シ基等のアルコキシアルコキシアルコキシ基、アルコキ
シアルコキシアルコキシアルコキシ基、クロロメトキシ
基、2,2,2-トリクロロエトキシ基、トリフルオロメトキ
シ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基、1,1,1,3,3,3-ヘ
キサフルオロ-2- プロピルオキシ基等のハロゲン化アル
コキシ基、ジメチルアミノエトキシ基、ジエチルアミノ
エトキシ基などのアルキルアミノアルコキシ基、ジアル
キルアミノアルコキシ基等が挙げられる。
【0010】B1 〜B8 で表される置換又は未置換のア
リール基の例としては、フェニル基、クロロフェニル
基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、フッ素化
フェニル基、ヨウ素化フェニル基等のハロゲン化フェニ
ル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、エチルフェ
ニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ピ
リジル基などが挙げられる。置換又は未置換のアリール
オキシ基の例としては、フェノキシ基、ナフトキシ基、
アルキルフェノキシ基、等が挙げられる。置換又は未置
換のアルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチ
オ基、n-プロピルチオ基、iso-プロピルチオ基、n-ブチ
ルチオ基、iso-ブチルチオ基、sec-ブチルチオ基、t-ブ
チルチオ基、n-ペンチルチオ基、iso-ペンチルチオ基、
neo-ペンチルチオ基、1,2-ジメチル−プロピルチオ基、
n-ヘキシルチオ基、cyclo-ヘキシルチオ基、1,3-ジメチ
ル- ブチルチオ基、1-iso-プロピルプロピルチオ基、1,
2-ジメチルブチルチオ基、n-ヘプチルチオ基、1,4-ジメ
チルペンチルチオ基、2-メチル1-iso-プロピルプロピル
チオ基、1-エチル-3- メチルブチルチオ基、n-オクチル
チオ基、2-エチルヘキシルチオ基、3-メチル-1-iso- プ
ロピルブチルチオ基、2-メチル-1-iso- プロピルチオ
基、1-t-ブチル-2- メチルプロピルチオ基、n-ノニルチ
オ基等の炭素数1〜20の直鎖又は分岐のアルキルチオ
基、メトキシメチルチオ基、メトキシエチルチオ基、エ
トキシエチルチオ基、プロポキシエチルチオ基、ブトキ
シエチルチオ基、γ−メトキシプロピルチオ基、γ−エ
トキシプロピルチオ基、メトキシエトキシエチルチオ
基、エトキシエトキシエチルチオ基、ジメトキシメチル
チオ基、ジエトキシメチルチオ基、ジメトキシエチルチ
オ基、ジエトキシエチルチオ基等のアルコキシアルキル
チオ基、アルコキシアルコキシアルキルチオ基、アルコ
キシアルコキシアルコキシアルキルチオ基、クロロメチ
ルチオ基、2,2,2-トリクロロエチルチオ基、トリフルオ
ロメチルチオ基、2,2,2-トリフルオロエチルチオ基、1,
1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロピルチオ基等のハロ
ゲン化アルキルチオ基、ジメチルアミノエチルシチオ
基、ジエチルアミノエチルチオ基等のアルキルアミノア
ルキルチオ基、ジアルキルアミノアルキルチオ基等が挙
げられる。置換又は未置換のアリールチオ基の例として
は、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、アルキルフェニ
ルチオ基等が挙げる。
【0011】また、Mで表される2価金属の例として
は、Cu(II),Zn(II),Co(II),Ni(I
I),Ru(II),Rh(II),Pd(II),Pt(I
I),Mn(II),Mg(II),Ti(II),Be(I
I),Ca(II),Ba(II),Cd(II),Hg(I
I),Pb(II),Sn(II)などが挙げられる。1置
換の3価金属の例としては、Al−Cl,Al−Br,
Al−F,Al−I,Ga−Cl,Ga−F,Ga−
I,Ga−Br,In−Cl,In−Br,In−I,
In−F,Tl−Cl,Tl−Br,Tl−I,Tl−
F,Al−C6 5 ,Al−C6 4 (CH3 ),In
−C6 5 ,In−C6 4 (CH3 ),In−C6
5 ,Mn(OH),Mn(OC6 5),Mn〔OSi
(CH3 3 〕,Fe−Cl,Ru−Cl等が挙げられ
る。2置換の4価金属の例としては、CrCl2 ,Si
Cl2 ,SiBr2 ,SiF2 ,SiI2 ,ZrC
2 ,GeCl2 ,GeBr2 ,GeI2 ,GeF2
SnCl2 ,SnBr2 ,SnF2 ,TiCl2 ,Ti
Br2 ,TiF2 ,Si(OH)2 ,Ge(OH)2
Zr(OH)2 ,Mn(OH)2 ,Sn(OH)2 ,T
iR2 ,CrR2 ,SiR2 ,SnR2 ,GeR2 〔R
はアルキル基、フェニル基、ナフチル基およびその誘導
体を表す〕,Si(OR’)2 ,Sn(OR’)2 ,G
e(OR’)2 ,Ti(OR’)2 ,Cr(OR’)2
〔R’はアルキル基、フェニル基、ナフチル基、トリア
ルキルシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基および
その誘導体を表す〕,Sn(SR”)2 ,Ge(S
R”)2 〔R”はアルキル基、フェニル基、ナフチル
基、およびその誘導体を表す〕などが挙げられる。オキ
シ金属の例としては、VO,MnO,TiOなどが挙げ
られる。
【0012】本発明に使用されるポリアルキルアクリレ
レート系樹脂としては、ポリメチルアクリレート、ポリ
エチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のポリ
アルキルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポ
リエチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、
等のポリアルキルメタクリレート等が挙げられる。それ
らの中で特に好ましいのはポリメチルメタクリレート、
ポリエチルメタクリレート等のポリアルキルメタクリレ
ートである。
【0013】本発明の近赤外線吸収フィルムは、これら
のプラスチックの粉体或いはペレットに、一種類あるい
は数種類の近赤外線吸収色素を加え、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸
プロピル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチ
ルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン
(MIBK)、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサ
ノン等のケトン類等の有機溶媒に溶解させてキャストす
る方法、或いは、溶媒を用いずにプラスチックと近赤外
線吸収色素を混合し、150〜300℃に加熱、溶解さ
せて、押し出し機によりフィルム化する方法、または、
押し出し機により原反を作製し、60〜90℃で2〜5
倍に、1軸乃至は2軸に延伸して10〜200μm厚の
フィルムにする方法等で得られる。なお、混練する際に
紫外線吸収色素等を加えてもよい。また、本発明の近赤
外線吸収フィルムは、近赤外線反射フィルムや近赤外線
反射積層体と組み合わせることもできる。フタロシアニ
ン化合物の使用総量は、作製する近赤外線吸収フィルム
の面積に対して、1〜10000mg/m2 が好ましい。
吸収極大の異なる近赤外線吸収色素を数種類使用するこ
とにより、吸収波長域を広げて日射透過率(TE )を改
善することもできる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例により、更に詳細に説
明するが、本発明は、これによりなんら制限されるもの
ではない。なお、実施例に示した(II)〜(IV)の式で
示されるフタロシアニン化合物は、本文中(I)式で示
した構造を簡略化したものである。 実施例1 ポリメチルメタアクリレート(PMMA)ペレット(旭
化成(株)製デルペット80N)と、下記式(II)(化
3)で表されるλmax =713nmの銅フタロシアニン
を、重量比、1:0.01の割合で混合し、200〜3
00℃で溶融させ、押出機で厚み100μmのフィルム
を作製し、ついで、このフィルムを2軸延伸して、厚み
25μmの近赤外線吸収色素を含有するポリメチルメタ
アクリレートフィルムを作製した。このフィルムのTV
とTE を、(株)日立製作所製分光光度計U−3400
にて測定し、JIS−R−3106に従って、TV およ
びTE を計算したところ、TV =74%、TE =61%
であった。該近赤外線吸収フィルムを、63℃の条件
で、カーボンアーク灯で500時間照射して耐光性試験
を行った。試験後、同様にして透過率を測定したとこ
ろ、近赤外線領域での透過率の変化は小さく、色素の光
による分解は小さかった。また、同様にしてTV および
E を計算したところ、TV =75%、TE =63%で
あり、試験前後でのTV およびTE の変化は小さく耐光
性は良好であった。
【0015】
【化3】
【0016】実施例2 近赤外線吸収色素として、(II)の代わりに、下記式
(III)(化4)で表されるλmax =742nmの銅フタ
ロシアニンを用いて、厚み25μmの近赤外線吸収色素
を含有するポリメチルメタクリレートフィルムを作製し
た以外は、実施例1と同様の作業を行い、近赤外線吸収
フィルムを作製した。実施例1と同様の測定および計算
を行ったところ、TV =76%、TE =63%であっ
た。該近赤外線吸収フィルムを、63℃の条件で、カー
ボンアーク灯で500時間照射して耐光性試験を行っ
た。試験後、同様にして透過率を測定したところ、近赤
外線領域での透過率の変化は小さく、色素の光による分
解は小さかった。また、同様にしてTV およびTE を計
算したところ、TV =77%、TE =65%であり、試
験前後でのTV およびTE の変化は小さく耐光性は良好
であった。
【0017】
【化4】
【0018】実施例3 三井東圧化学(株)製ユーバン20SE−60と、同社
製アルマテクス748−5Mを、3:7で混合させた液
体と、下記式(IV)(化5)で表されるλmax=743
nmのVOフタロシアニンを1%溶解させたトルエン
を、2:1の割合で混合させ、厚み75μmのポリエチ
レンテレフタレートフィルムにコーティングし、130
℃で15分間乾燥させた。乾燥後の塗布厚は40μmで
あった。実施例1と同様の測定および計算を行ったとこ
ろ、TV =80%、TE =67%であった。該近赤外線
吸収フィルムを、63℃の条件で、カーボンアーク灯で
500時間照射して耐光性試験を行った。試験後、同様
にして透過率を測定したところ、近赤外線領域での透過
率の変化は小さく、色素の光による分解は小さかった。
また、同様にTV およびTE を計算したところ、TV
80%、TE =69%であり、試験前後でのTV および
E の変化は小さく耐光性は良好であった。
【0019】
【化5】
【0020】比較例1 ユニチカ製ポリエチレンテレフタレートペレット120
3と、式(II)の銅フタロシアニンを、重量比、1:
0.01の割合で混合し、260〜280℃で溶融さ
せ、押出機で厚み100μmのフィルムを作製した。こ
のフィルムを2軸延伸して、厚み25μmの近赤外線吸
収色素を含有するポリエチレンテレフタレートフィルム
を作製した。このフィルムのTV とTE を(株)日立製
作所製分光光度計U−3400にて測定し、JIS−R
−3106に従って、TV およびTE を計算したとこ
ろ、TV=71%、TE =62%であった。該近赤外線
吸収フィルムを、63℃の条件で、カーボンアーク灯で
500時間照射して耐光性試験を行った。試験後、同様
に透過率を測定したところ、近赤外線領域での透過率の
変化は大きく、色素の光による分解は大きかった。ま
た、同様にTV およびTE を計算したところ、TV =8
0%、TE =73%であり、試験前後でのTE の変化は
大きく耐光性は不十分であった。
【0021】比較例2 帝人製ポリカーボネート(パンライトK−1300Z)
と、式(III)の銅フタロシアニンを、重量比、1:0.
01の割合で混合し、270〜290℃で溶融させ、押
出機で厚み100μmのフィルムを作製した。このフィ
ルムを2軸延伸して、厚み25μmの近赤外線吸収色素
を含有するポリカーボネートフィルムを作製した。実施
例1と同様の測定および計算を行ったところ、TV =7
6%、TE =64%であった。該近赤外線吸収フィルム
を、63℃の条件で、カーボンアーク灯で500時間照
射して耐光性試験を行った。試験後、同様に透過率を測
定したところ、近赤外線領域での透過率の変化は大き
く、色素の光による分解は大きかった。また、同様にT
V およびTE を計算したところ、TV =81%、TE
75%であり、試験前後でのTE の変化は大きく耐光性
は不十分であった。
【0022】実施例と比較例から、従来良く使用されて
いるポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートに
近赤外線吸収色素を混合して作製したフィルムは、50
0時間の耐光性試験で色素の分解が大きく、TE が10
%以上悪化したが、本願発明によるポリアルキルアクリ
レート系樹脂を使った場合は、TE の変化が小さく、樹
脂中での色素が優れた耐光性を有することが明らかであ
る。
【0023】
【発明の効果】本発明は、優れた耐光性を有する近赤外
線吸収フィルムを提供することを可能にするものであ
り、実用上極めて価値のあるものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアルキルアクリレート系樹脂と、一
    般式(I)(化1)で表されるフタロシアンニン化合物
    を含有してなる近赤外線吸収フィルム。 【化1】 (式(I)中、A1 〜A8 は各々独立に、水素原子、ハ
    ロゲン原子、置換又は未置換のアルキル基、あるいは置
    換又は未置換のアルコキシ基を表し、かつ、A1
    2 、A3 とA4 、A5 とA6 、およびA7 とA8 の各
    組み合わせにおいて、同時に水素原子となることはな
    く、他方、B1 〜B8 は各々独立に、水素原子、ハロゲ
    ン原子、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換
    のアリール基、置換又は未置換のアルコキシ基、置換又
    は未置換のアリールオキシ基、置換又は未置換のアルキ
    ルチオ基、あるいは置換又は未置換のアリールチオ基を
    表し、Mは2価の金属原子、3価又は4価の置換金属原
    子、またはオキシ金属を表す)
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