JPH06278969A - エレベーター用ガイドレールの油供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガイドレールの表面に潤滑用の油を無駄無く
適量に供給できるようにしたエレベーター用ガイドレー
ルの油供給装置を提供する。 【構成】 エレベーターの昇降路１内を昇降する乗りか
ご２に設置され、前記乗りかご２をガイドするガイドレ
ール３の表面に供給される油を入れた油タンク１５と、
この油タンク１５内に前記ガイドレール３と対向して設
置され、前記油タンク１５内の油を前記ガイドレール３
の表面に供給する油供給綿１６と、前記油タンク１５に
設置され、前記油供給綿１６を前記ガイドレール３の表
面に当接させ、かつ、前記ガイドレール３の表面より離
す接離手段１７とを備えて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、エレベーターの乗り
かごやカウンターウエイトの昇降をガイドするガイドレ
ールの表面に、潤滑用の油を塗布して供給するためのエ
レベーター用ガイドレールの油供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、エレベーターの乗りかごやカウ
ンターウエイトの昇降をガイドするガイドレールの表面
には、乗りかごやカウンターウエイトがスムーズに昇降
できるように潤滑用の油が塗着する等して供給されてい
る。

【０００３】例えば、図５及び図６は、この種の油をガ
イドレールの表面に供給するための装置として開発され
た従来のエレベーター用ガイドレールの油供給装置の一
例を示し、図において、符号１はエレベーターの昇降
路、２はこの昇降路１内を昇降する乗りかご、３はこの
昇降路１内の乗りかご２の左右両側に昇降路１の上下方
向に延びて設置されたガイドレール、４は乗りかご２の
昇降中にガイドレール３の側面を滑走して乗りかご２の
揺れを抑えるガイドシュー、５は乗りかご２の昇降中に
ガイドレール３の表面に潤滑用の油を給油する油供給装
置、そして、符号６はガイドレール３の表面を流れ落ち
た余分な油を受けるためにガイドレール３の下端部に設
置された油受けである。

【０００４】油供給装置５はガイドレール３の表面に供
給される油を入れた油タンク８と、この油タンク８内の
油をガイドレール３の表面に塗布して供給する２本の油
供給綿９とを備え、この油供給綿９の大部分は油タンク
８内の中に浸され、先端部をガイドレール３の両側面に
当接されている。

【０００５】このような構成において、２本の油供給綿
９の大部分は油タンク８内の中に浸され、かつ、先端部
がガイドレール３の両側面に当接していることにより、
乗りかご２が左右ガイドシュー４によって左右ガイドレ
ール３に案内されて昇降路１内を昇降すると同時に、油
タンク８内の油が油供給綿９によってガイドレール３の
表面に塗布され供給される。

【０００６】また、図７及び８は、実開昭56-154971号
公報に示されたエレベーター用ガイドレールの油供給装
置の一例を示し、図において、符号１０は複数の部屋に
仕切られた第一油タンク、１１は左右第一油タンク１０
の内側に、同じく複数の部屋に仕切られ、かつ、第一油
タンク１０より低く設置された第二油タンク、１２は第
一油タンク１０内の油を第二油タンク１１に毛細管現象
によって流し込む毛糸等からなる導油糸、そして、符号
１３は第二油タンク１１よりガイドレール３の表面に油
を供給する導油管である。

【０００７】このような構成において、第一油タンク１
０より第二油タンク１１に導油糸１２を伝わって油が流
れ込み、さらに、第二油タンク１１より導油管１３を通
ってガイドレール３の表面に油が供給される。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】従来のエレベーター用
ガイドレールの油供給装置は、以上のように構成されて
いるので、前記何れの油供給装置においても、油供給綿
９又は導油官１３がガイドレール３の表面に当接したま
まの状態にあるので、油が供給過多となってガイドレー
ルの表面を雫状に流れ落ち、また、これが昇降路１内に
滴下飛散し、乗りかご２や昇降路１内を汚す等の課題が
あった。また、油受け６内に溜まった油を定期的に廃棄
する必要があるので、余分な手間がかかるだけでなく油
が無駄になる等の課題もあった。

【０００９】この発明は、以上の課題を解決するために
なされたもので、ガイドレールの表面に潤滑用の油を適
量に無駄無く供給できるようにしたエレベーター用ガイ
ドレールの油供給装置を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この発明に係るエレベー
ター用ガイドレールの油供給装置は、エレベーターの昇
降路内を昇降する乗りかごに設置され、前記乗りかごを
ガイドするガイドレールの表面に供給される油を入れる
油タンクと、この油タンク内に前記ガイドレールと対向
して設置され、前記油タンク内の油を前記ガイドレール
の表面に供給する油供給綿と、前記油タンクに設置さ
れ、前記油供給綿を前記ガイドレールの表面に当接さ
せ、かつ、前記ガイドレールの表面より離す接離手段と
を備えて構成されている。

【００１１】

【作用】この発明に係るエレベーター用ガイドレールの
油供給装置においては、乗りかごの昇降中に油供給綿が
ガイドレールの表面に当接することによりガイドレール
の表面に必要量の油が供給され、また、油供給綿がガイ
ドレールの表面より離れることにより油の供給が遮断さ
れる。

【００１２】

【実施例】

実施例１．図１〜図３は、この発明に係るエレベーター
用ガイドレールの油供給装置（以下「油供給装置」とい
う）の一実施例を示し、図において、前記従来例と同一
部分には同一符号を付し、その説明を省略する。符号１
４はガイドレール３の表面に潤滑用の油を給油するため
の油供給装置である。

【００１３】油供給装置１４はガイドレール３の表面に
供給される油を入れた油タンク１５と、この油タンク１
５内の油をガイドレール３の表面に塗布して供給する２
本の油供給綿１６と、この油供給綿１６の先端部をガイ
ドレール３の表面に当接させたり、ガイドレール３の表
面より離したりするための接離手段１７とを備えて構成
されている。

【００１４】油タンク１５は乗りかご２の左右上端部に
取り付けられ、ガイドレール３の表面をスライドして乗
りかご２をガイドするガイドシュー４の上側部にそれぞ
れ配置され、ブラケット１８によって乗りかご２に支持
されている。また、油供給綿１６は油タンク１５内にそ
の大部分が油の中に浸された状態で設置され、かつ、先
端部がガイドレール３の側面に対向するように油タンク
１５より立ち上げられている。

【００１５】接離手段１７は、油供給綿１６の先端部を
それぞれ支持する２本の支持アーム１９と、この支持ア
ーム１９をその支持ピン２０を中心に回転させてガイド
レール３側に引き寄せるスプリング２１と、このスプリ
ング２１によってガイドレール３側に引き寄せられた状
態にある支持アーム１９を支持ピン２０を中心に反対側
に回転させ、ガイドレール３より引き離すプランジャー
２２と、このプランジャー２２を吸引して後退させる電
磁コイル２３と、後退するプランジャー２２の引っ張り
力を支持アーム１９に伝えるリンク２４とを備えて構成
されている。

【００１６】このような構成において、電磁コイル２３
が励磁されていないときは、支持アーム１９の先端部は
スプリング２１によって引っ張られ、ガイドレール３側
に常に引き寄せられた状態にあるので、油供給綿１６の
先端部がガイドレール３の側面に当接し、これにより油
供給綿１６を介して油タンク１５から連続的に油の供給
が可能となる。

【００１７】一方、電磁コイル２３が励磁されると、こ
の電磁コイル２３の磁力によってプランジャー２２が後
退し、このプランジャー２２の引っ張り力がリンク２４
を介して支持アーム１９に伝えられ、これにより支持ア
ーム１９の先端部が支持ピン２０を中心にガイドレール
３から離れる方向に回転するので、油供給綿１６の先端
部がガイドレール３の側面より離れ、油供給綿１６によ
る油の供給が遮断される。

【００１８】実施例２．図４は、この発明に係る油供給
装置の他の実施例を示し、図において、符号１５はガイ
ドレール３の表面に供給される油を入れた油タンク、１
６はこの油タンク１５内の油をガイドレール３の表面に
供給する油供給綿、２２はこの油供給綿１６の先端部を
支持するとともに、ガイドレール３側に前進して油供給
綿１６の先端部をガイドレール３の側面に当接させるプ
ランジャー、２３はこのプランジャー２２を磁力によっ
てガイドレール３側に前進させる電磁コイル、そして、
符号２１は、電磁コイル２３が励磁されていないときに
プランジャー２２を引っ張って後退させ、油供給綿１６
の先端部をガイドレール３から離すスプリングである。
その他の構成は実施例１とほぼ同じである。

【００１９】このような構成において、電磁コイル２３
が励磁されると、この電磁コイル２３の磁力によってプ
ランジャー２２がガイドレール３側に押し出され、これ
に伴って油供給綿１６の先端部がガイドレール３の側面
に当接し、これにより油供給綿１６を介して油タンク１
５から連続的に油の供給が可能となる。

【００２０】一方、電磁コイル２３の励磁が遮断される
と、スプリング２１によってプランジャー２２が後方に
引き戻されるので、油供給綿１６がガイドレール３の側
面よ離れ、油の供給が遮断される。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る油
供給装置によれば、エレベーターの昇降路内を昇降する
乗りかごに設置され、前記乗りかごをガイドするガイド
レールの表面に供給される油を入れる油タンクと、この
油タンク内に前記ガイドレールと対向して設置され、前
記油タンク内の油を前記ガイドレールの表面に供給する
油供給綿と、前記油タンクに設置され、前記油供給綿を
前記ガイドレールの表面に当接させ、かつ、前記ガイド
レールの表面より離す接離手段とを備えて構成されてい
るので、ガイドレールの表面に必要なときにだけ、必要
なだけの油を供給することができ、したがって、油の供
給過多による油の滴下飛散及び昇降路内の汚れを防止
し、油の節約が図れるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係るエレベーター用ガイドレールの
油供給装置の一実施例を示す横断面図である。

【図２】図１に示す実施例の側面図である。

【図３】図１に示す実施例のエレベーター用ガイドレー
ルの油供給装置の設置位置を示すエレベーターの一部正
面図である。

【図４】この発明に係るエレベーター用ガイドレールの
油供給装置の他の実施例を示す横断面図である。

【図５】従来のエレベーター用ガイドレールの油供給装
置の設置位置を示すエレベーターの一部正面図である。

【図６】従来のエレベーター用ガイドレールの油供給装
置の一例を示す横断面図である。

【図７】従来のエレベーター用ガイドレールの油供給装
置の他の一例を示す一部断面図である。

【図８】図７に示すエレベーター用ガイドレールの油供
給装置の油タンクの斜視図である。

【符号の説明】

１ 昇降路 ３ ガイドレール １５ 油タンク １６ 油供給綿 １７ 接離手段

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エレベーターの昇降路内を昇降する乗り
   かごに設置され、前記乗りかごをガイドするガイドレー
   ルの表面に供給される油を入れる油タンクと、この油タ
   ンク内に前記ガイドレールと対向して設置され、前記油
   タンク内の油を前記ガイドレールの表面に供給する油供
   給綿と、前記油タンクに設置され、前記油供給綿を前記
   ガイドレールの表面に当接させ、かつ、前記ガイドレー
   ルの表面より離す接離手段とを備えてなることを特徴と
   するエレベーター用ガイドレールの油供給装置。