JPH06277882A

JPH06277882A - 車体の溶接装置

Info

Publication number: JPH06277882A
Application number: JP5074000A
Authority: JP
Inventors: Yoshinari Sakamoto; 善也坂本
Original assignee: Mazda Motor Corp
Current assignee: Mazda Motor Corp
Priority date: 1993-03-31
Filing date: 1993-03-31
Publication date: 1994-10-04

Abstract

(57)【要約】【目的】多くの車種に対応でき、かつ、車種変更時に
おける溶接治具の交換を迅速に行うとともに、これら治
具の保管スペースおよび車体パネル部材の供給スペース
を効率的にレイアウトすることができる車体の溶接装置
を提供する。【構成】ワーク搬送ライン１の片側に、複数種類のル
ーフ治具を収納するルーフ治具収納ラックビル９と、治
具収納ラック９９から所定のルーフ治具９０を取り出す
エレベータ装置９８と、ルーフ治具をワーク搬送ライン
上に搬送するルーフ治具搬送装置９１とを設ける一方、
ワーク搬送ラインの他側に、ルーフパレット８０を格納
するルーフアッセンブリ格納ラックビル８と、該格納ラ
ック８１から所定のルーフアッセンブリを取り出して上
記ワーク搬送ラインのルーフ治具搬送位置に供給するル
ーフ投入用ロボット８４とを設け、該ルーフ治具搬送位
置と上記セット位置との間を往復移動するルーフ治具台
車４１を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、自動車の車体パネル
部材を相互に位置決めして溶接する車体の溶接装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】周知のように、自動車の車体を溶接して
組み立てる場合、フロアパネル,キャブサイドパネルお
よびルーフパネル等の車体を構成する基本的なパネル部
材を相互に位置決めし、この位置決め状態にある車体パ
ネル部材どうしが溶接ステーションで溶接される。この
ような車体の溶接には、溶接ステーションにおいて各車
体パネル部材を相互に位置決めするために、各パネル部
材に対応した位置決め治具がそれぞれ必要とされるが、
かかる位置決め治具は、かなり大型で重量もかさむもの
となるので、その保管,搬送あるいは交換等における取
り扱いが一般に容易ではない。そこで、これらの場合に
おける治具の取り扱いを安全かつ効率良く行えるように
するために、従来より、種々の工夫がなされてきた(例
えば、特公平４−１１３１２号公報参照)。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、ユー
ザの好みの多様化等に対応した車種の増加に伴い、車体
組立ラインにおいても、一つのラインで多くの車種につ
いてその車体をそれぞれ要求されたタイミングで、かつ
効率良く組み立てることができるようにすることが求め
られている。従って、車体の溶接工程においても、多く
の車種に対応して、それぞれの溶接治具を用意するとと
もに溶接されるべき車体パネル部材を供給する必要があ
り、その保管および供給のためのスペースを無駄なく効
率的に確保し、しかも、車種変更時には、保管された多
くの種類(車種)の治具のうち必要なものを効率良く溶接
ステーションもしくはセットステーションに送り、迅速
な治具交換を行えるようにすることが重要である。

【０００４】そこで、この発明は、多くの車種に対応で
き、かつ、車種変更時における溶接治具の交換を迅速に
行うとともに、これら治具の保管スペースおよび溶接さ
れるべき車体パネル部材の供給スペースを効率的にレイ
アウトすることができる車体の溶接装置を提供すること
を目的としてなされたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このため、この発明に係
る車体の溶接装置は、自動車の車体パネル部材を相互に
位置決めして溶接する車体の溶接装置であって、ワーク
搬送ラインの途中に設けられ、少なくともキャブサイド
パネルとルーフパネルとを位置決め状態で溶接する溶接
手段を備えた溶接ステーションと、溶接されるべきキャ
ブサイドパネルを上記ワーク搬送ラインに供給するキャ
ブサイドパネル供給手段と、上記キャブサイドパネルを
位置決めするためのキャブサイド治具を車種に応じて複
数種類保管する左右一対のキャブサイド治具保管装置
と、該保管装置から上記複数種類のキャブサイド治具の
うち所定のものを上記ワーク搬送ライン上のセット位置
に搬送するキャブサイド治具搬送手段とを備えるととも
に、上記ワーク搬送ラインの左右方向における片側に、
上記ルーフパネルを位置決めするためのルーフ治具を車
種に応じて複数種類収納するルーフ治具収納ラックと、
該治具収納ラックから上記複数種類のルーフ治具のうち
所定のものを取り出すルーフ治具取出手段と、該取出手
段で取り出したルーフ治具を上記ワーク搬送ライン上に
搬送するルーフ治具搬送手段とを設けるとともに、上記
ワーク搬送ラインの左右方向における他側に、上記ルー
フ治具収納ラックと略左右対称に配置され、溶接される
べきルーフパネルを供給するルーフパレットと、該ルー
フパレットからルーフパネルを取り出して上記ワーク搬
送ラインのルーフ治具搬送位置に供給するルーフパネル
供給ロボット装置とを設ける一方、該ルーフ治具搬送位
置と上記セット位置との間に、両位置間を往復移動する
ルーフ治具台車を設けたことを特徴としたものである。

【０００６】

【発明の効果】この発明によれば、上記キャブサイド治
具保管装置とキャブサイド治具搬送手段とを設けたの
で、車種に応じて異なる複数種類のキャブサイド治具を
保管し、この中から溶接されるべき車種に応じた所定の
ものを上記セット位置に搬送することができる。また、
上記ルーフ治具収納ラックとルーフ治具取出手段とを設
けたので、車種に応じて異なる複数種類のルーフ治具を
収納し、この中から溶接されるべき車種に応じた所定の
ものを取り出すことができる。すなわち、複数車種に対
応してその車体の溶接を行うことができる。その上、上
記ルーフ治具収納ラックとルーフパレットとをワーク搬
送ラインに関して略左右対称に配置したので、上記キャ
ブサイド治具保管装置が左右一対に配設されることと合
わせて、車体溶接ライン全体をほぼ左右対称な構成とす
ることができる。すなわち、無駄なくスペースを利用
し、効率的なレイアウトを実現することができる。更
に、上記ルーフパネルは、ルーフパネル供給ロボットに
よって上記ワーク搬送ラインのルーフ治具搬送位置に供
給されるので、この位置でルーフ治具に取り付け、ルー
フ治具台車によってルーフ治具と共にセット位置に搬送
することができる。しかも、上記ルーフ治具台車は、上
記ルーフ治具搬送位置とセット位置との間を移動するだ
けであるので、その移動距離が短くて済み、ルーフパネ
ルの搬送に要する時間を短くすることができる。

【０００７】

【実施例】以下、この発明の実施例を、添付図面に基づ
いて詳細に説明する。尚、上記溶接装置は、基本的に
は、自動車の車体を構成する各車体パネル部材、つま
り、車体の床面を構成するフロアパネルと車体の側面部
を構成する左右のキャブサイドパネルと車室天井部を構
成するルーフパネルとを相互に位置決めして溶接するこ
とにより、車体の基本的な外板部分の組立を行うもので
あり、本実施例では、上記各車体パネル部材に加えて、
車室とエンジンルームとを仕切るカウル／ダッシュアッ
センブリも同時に溶接される。また、本実施例では、上
記フロアパネルは、該フロアパネルに対するサブパーツ
(例えば左右のサイドシルやレインフォースメントなど)
を取り付けた状態でアンダボディとして供給される。同
様に、ルーフパネルは、レインフォースメント等のサブ
パーツを取り付けた状態でルーフアッセンブリとして供
給されるようになっている。

【０００８】更に、上記溶接装置では、溶接されるべき
車体について車種変更があった場合でもこれに対応する
ことができるように、つまり、一つのラインで複数車種
(例えばＡ〜Ｆの６車種)についてその車体の溶接を行う
ことができるようになっている。尚、以下の説明におい
て、Ａ〜Ｆの各車種専用のもの(例えば溶接治具など)に
ついては、その数字の後にＡ〜Ｆの大文字のアルファベ
ット符号を付して表示する。ただし、車種の区別を特に
示す必要がない場合には、上記アルファベット符号は付
さずに数字符号のみで表示することとする。

【０００９】図１は、本実施例に係る車体の溶接装置の
全体構成を概略的に表す平面説明図である。この図に示
すように、上記車体の溶接装置には、ワーク搬送ライン
１に沿ってその上流側から順に、溶接されるべきアンダ
ボディＷbを受け入れるアンダボディ受入ステーション
２と、該受入ステーション２で受け入れられたアンダボ
ディＷbに、キャブサイドパネルＷcとルーフアッセンブ
リＷr(ともに図３参照)とカウル／ダッシュアッセンブ
リＷdとを組み合わせ、この組み合わされたワークＷ(車
体)を仮付溶接する仮付ステーション３とが設けられて
いる。また、この仮付ステーション４の下流側には、仮
付溶接後のワークＷをワーク搬送ライン１上で待機させ
得るアイドルステーション４と、仮付溶接後のワークＷ
の各部に対して増し打ちを行う増打ちステーション５が
順に設けられ、該増打ちステーション５の下流側には、
溶接を終えたワークＷを次工程に払い出すワーク払い出
しステーション６が設けられている。尚、該ワーク払い
出しステーション６には、溶接後のワークＷを持ち上げ
て次工程への搬送装置(不図示)に載せるために昇降装置
６１,６１が設けられている。上記各ステーション２〜
６には、アンダボディＷbを位置決め状態で載置させる
ための置き台１２〜１６(定置治具)がそれぞれ配設され
ており、これら置き台１２〜１６は、以下に述べるよう
に、所定の間隔を隔てて設けられている。

【００１０】上記ワーク搬送ライン１は、１本の長いロ
ッド部材でなる所謂プレーンシャトル１０で構成されて
おり、該プレーンシャトル１０は、上記各ステーション
２〜６にそれぞれ設置された各置き台１２〜１６に対
し、長手方向について摺動自在に設けられ、各置き台１
２〜１６間の間隔に等しいピッチで往復動作を行う。各
ステーションにセットされたワークＷは、このプレーン
シャトル１０の前方(下流側)への１ピッチによって、次
のステーションに搬入され、このステーションの置き台
上に載置される。尚、具体的には図示しなかったが、各
置き台１２〜１６には、アンダボディＷbを受けて位置
決めするＸＹＺ３軸の位置決めユニットが多数設けられ
ており、種類の異なる種々のアンダボディＷbを位置決
めできるようになっている。また、上記各位置決めユニ
ットには位置決めピンが配設され、各位置決めピンは、
アンダボディＷbを受ける際の相互の干渉を防止できる
ように、上下方向について出没可能に設けられている。

【００１１】そして、プレーンシャトル１０が１ピッチ
後退した後、再び前方へ１ピッチ駆動される際には、ア
ンダボディＷbが、プレーンシャトル１０の駆動に先立
って、例えば該シャトル１０に付設された昇降シリンダ
(不図示)で持ち上げられ、同時に上記位置決めユニット
(不図示)による位置決めが解除され(つまり、例えば位
置決めピンが抜脱され)、アンダボディＷbはプレーンシ
ャトル１０に載せられて、更に次のステーションの置き
台まで搬送される。すなわち、上記各ステーション２〜
６は、プレーンシャトル１０の往復動作のピッチに等し
い間隔を隔てて設けられ、各ステーションに位置するア
ンダボディＷbは(従ってワークＷは)、上記プレーンシ
ャトル１０が往復動作を行う毎に、１ピッチだけ前方
(下流側)へ移動し、次のステーションに搬送されるよう
になっている。尚、上記プレーンシャトル１０および位
置決めユニット(不図示)は、従来から良く知られている
ものと同じものであるので、その詳細な構造の図示およ
び説明は省略する。

【００１２】上記アンダボディ受入ステーション２は、
溶接されるべきアンダボディＷbを供給する供給手段と
しての例えばオーバヘッド式の搬送装置を備えたアンダ
ボディ供給ライン２０の所定部分の下方に位置するとと
もに、該供給ライン２０から所定のアンダボディＷbを
受け取ってワーク搬送ライン１に沿って定置された置き
台１２上に降ろすドロップリフタ２１,２１を備えてい
る。また、上記アンダボディ受入ステーション２の側方
には、溶接されるべきカウル／ダッシュアッセンブリＷ
dを保管するカウル／ダッシュパレット２２が配置され
ている。

【００１３】上記仮付ステーション３の上方には、図３
に示すように、左右のキャブサイドパネルＷcを供給す
るキャブサイドパネル供給ライン３０が、例えば、ワー
ク搬送ライン１に沿って延設されており、該キャブサイ
ドパネル供給ライン３０のハンガ装置３１に保持されて
搬送されて来た各キャブサイドパネルＷcは、棚置式の
受け渡し用ロボット３２によってこの仮付ステーション
３に降ろされる。尚、このとき、各キャブサイドパネル
Ｗcは、一旦、仮置き棚３３の上に仮置きされ、つかみ
直しによって表裏反転させられた上で、後述するキャブ
サイド治具７０(図３においては７０Ｅ)にセットされる
ようになっている。

【００１４】上記仮付ステーション３は、組み合わされ
た各車体パネル部材Ｗb,Ｗc,Ｗd,Ｗrを、それぞれ所定
の位置決め治具によって正確に位置決めした状態で、ス
ポット溶接による仮付溶接を行うステーションで、ワー
ク搬送ライン１の左右それぞれに配置された複数の定置
式の溶接ロボット３７と、上記カウル／ダッシュパレッ
ト２２から所定のカウル／ダッシュアッセンブリＷdを
取り出してプリセット位置に供給することができる走行
式の溶接ロボット３６とを備えている。そして、本仮付
ステーション３では、アンダボディＷbが上記したよう
に置き台１３上に正確に位置決めされるとともに、左右
のキャブサイドパネルＷc及びルーフアッセンブリＷr
が、後述するように、それぞれキャブサイド治具７０
(例えば７０Ｅ)及びルーフ治具９０Ｅで正確に位置決め
された状態で、仮付溶接が行なわれるようになってい
る。

【００１５】上記仮付ステーション３の下流側のアイド
ルステーション４は、仮付溶接後のワークＷをワーク搬
送ライン１上で待機させることができるように設けられ
たステーションで、搬送ライン１上におけるワークＷの
流れを調整する機能を有している。また、上記増打ちス
テーション５は、所定箇所が仮付溶接された車体Ｗの各
部にスポット溶接で増打ちを行うステーションで、ワー
クＷ(車体)の前面および後面に対する増打ちをそれぞれ
行う棚置き式の溶接ロボット５１及び５２と、ワーク搬
送ライン１の左右にそれぞれ配置され、ワークＷの側面
部分等を増打ちする定置式の溶接ロボット５３,…,５３
とを備えている。

【００１６】本実施例では、溶接されるべきワークＷ
(車体)について車種変更があった場合でも容易に対応す
ることができるように、つまり、一つのラインで複数車
種(例えばＡ〜Ｆの６車種)についてその車体の溶接を行
うことができるように、上記キャブサイド治具７０及び
ルーフ治具９０は、車種に応じて６種類(７０Ａ〜７０
Ｆ及び９０Ａ〜９０Ｆ)用意されている。以下、このキ
ャブサイド治具７０及びルーフ治具９０並びにルーフア
ッセンブリＷrの保管および搬送等の取り扱いについて
説明する。

【００１７】上記仮付ステーション３の左右両側には、
図２に詳しく示すように、左右一対のキャブサイド治具
７０(７０Ａ〜７０Ｆ)をそれぞれ保管するキャブサイド
治具保管装置７が設けられている。この各治具保管装置
７は、ワーク搬送ライン１に対して直角方向に敷設され
た前後２組のレール７２と、これら各組のレール７２,
７２上を走行する走行クレーン７１と、各組のレール７
２,７２に沿ってその下方に列をなして配置された前後
の治具置き台７３,…,７３と、この前後の治具置き台７
３,…,７３の外端に位置するものどうしの間に配設され
た渡し台７４とを備え、上記治具置き台７３,…,７３の
うち外端および内端に位置するもの並びに上記渡し台７
４の治具載置面には、例えばチェーン駆動式のローラコ
ンベヤ７３a並びに７４aが設けられている。また、上記
前後の治具置き台７３,…,７３の内端に位置するものど
うしの間には、図３から良く分かるように、キャブサイ
ド治具７０(７０Ｅ)を受け取る受取姿勢と、キャブサイ
ドパネルＷcを保持するパネル保持姿勢との間で略９０
度回転することができ、しかもキャブサイド治具７０
(７０Ｅ)の受け取り位置と仮付溶接時のセット位置との
間を往復走行することができる走行式の治具ホルダ３４
が配置されている。

【００１８】そして、上記各治具置き台７３上に載置さ
れた各キャブサイド治具７０は、保管された６種類(７
０Ａ〜７０Ｆ)のうち当該車種用の所定のもの(例えば７
０Ｅ)が、上記クレーン７１によって内端の治具置き台
７３に運ばれた後、上記ローラコンベヤ７３aを利用し
て治具ホルダ３４側に移載され、更に、上記受渡し用ロ
ボット３２で保持されたキャブサイドパネルＷcが装着
された上で、治具ホルダ３４によって仮付溶接のセット
位置にセットされるようになっている。

【００１９】また、上記増打ちステーション５の左右方
向における片側(図１においては右側)、つまり、右側の
キャブサイド治具保管装置７の下流側方向には、ルーフ
治具９０を車種に応じて６種類(９０Ａ〜９０Ｆ)保管す
るルーフ治具収納ラックビル９が配置されている。該ル
ーフ治具収納ラックビル９は、ルーフ治具９０を各３段
に収納し得る左右の収納ラック９９と、このラック９９
から所定のルーフ治具９０(例えば９０Ｅ)を取り出すエ
レベータ装置９８とで構成され、このエレベータ装置９
８のライン上流側には、右側キャブサイド治具保管装置
７との間の上方に、エレベータ装置９８で取り出された
ルーフ治具９０をワーク搬送ライン１に搬送するルーフ
治具搬送装置９１を走行させる１組の走行レール９２
が、ワーク搬送ライン１と直角方向に延設されている。

【００２０】上記収納ラック９９内の各段においてルー
フ治具９０を載置させる治具ベース９５は、図４におい
て模式的に示すように、上下２重構造でこの上下部分９
５a,95bの間にはスライドローラ(不図示)が介設されて
おり、エレベータ装置９８上に取り出されたルーフ治具
９０Ｅは、治具ベース９５の上側部分９５aが下側部分
９５bに対してスライドすることにより、上記ルーフ治
具搬送装置９１の走行レール９２の下方に位置するよう
になっている。上記ルーフ治具搬送装置９１は、図５に
示すように、取り出されたルーフ治具９０Ｅを保持した
状態で、ワーク搬送ライン１の上方のルーフ治具搬送位
置に至るまで走行レール９２,９２上を走行する。尚、
このルーフ治具搬送装置９１には、ルーフ治具９０(９
０Ｅ)を上下方向に昇降させる昇降シリンダが設けられ
ている。

【００２１】一方、上記増打ちステーション５の左右方
向における他側(図１においては左側)、つまり、左側の
キャブサイド治具保管装置７の下流側方向には、ルーフ
アッセンブリＷrを車種に応じて６種類保管するルーフ
アッセンブリ格納ラックビル８が配置されている。すな
わち、該ルーフアッセンブリ格納ラックビル８と、上記
ルーフ治具収納ラックビル９とは、ワーク搬送ライン１
に関して略左右対称にレイアウトされている。上記ルー
フアッセンブリ格納ラックビル８は、各車種毎に保管す
るルーフパレット８０を各３段に収納し得る左右の格納
ラック８１と、このラック８１から所定のルーフパレッ
ト８０を取り出すパレット搬出エレベータ８３と、より
好ましくは、ルーフアッセンブリ格納ラックビル８の比
較的近傍に位置するルーフアッセンブリＷrの生産ライ
ンから送給されたルーフパレット８０を、格納ラック８
１内に搬入するパレット搬入エレベータ８２とで構成さ
れている。また、上記搬出エレベータ８３のライン上流
側には、右側キャブサイド治具保管装置７との間の上方
に、パレット搬出エレベータ８３で取り出されたルーフ
パレット８０からルーフアッセンブリＷrを取り出して
ワーク搬送ライン１側、つまりルーフ治具搬送位置に供
給する自走式のルーフ投入ロボット８４の走行レール
が、ワーク搬送ライン１と直角方向に延設されている。

【００２２】更に、上記ルーフ治具搬送位置の上方と仮
付ステーション３のワークセット位置の上方との間に
は、図３および図５から良く分かるように、ワーク搬送
ライン１に沿ってルーフ治具９０を両位置間で往復走行
させるルーフ治具台車４１の走行レール４２,４２が延
設されている。この走行レール４２,４２は、上記ルー
フ治具搬送位置とワークセット位置との間を往復するだ
けのものであるので、比較的短くて済む。尚、上記ルー
フ治具台車４１は、ルーフ治具９０を昇降させ得るシリ
ンダ装置を備えている。上記ルーフ投入用ロボット８４
でルーフパレット８０から取り出されたルーフアッセン
ブリＷrは、例えば、ルーフ反転台８５上で表裏の持ち
変えを行った後、ルーフ治具搬送位置にあるルーフ治具
９０(９０Ｅ)の下方に運ばれ、このルーフ治具９０Ｅに
装着された状態で、上記ルーフ治具台車４１によってル
ーフ治具９０Ｅと共にワークセット位置まで搬送され、
他の車体パネル部材と組み合わされて仮付溶接される。
尚、具体的には図示しなかったが、上記仮付ステーショ
ン３のワークセット位置の上方には、ルーフ治具台車４
１を位置決めするストッパ部材が設けられており、ルー
フ治具台車４１は、このストッパ４５によって上記セッ
ト位置で正確に位置決めされるようになっている。

【００２３】以上、説明したように、本実施例によれ
ば、上記左右一対のキャブサイド治具保管装置７と、キ
ャブサイド治具７０をワーク搬送ライン１のセット位置
に搬送する搬送手段として、クレーン７１および治具ホ
ルダ３４を設けたので、車種に応じて異なる複数種類の
キャブサイド治具７０(７０Ａ〜７０Ｆ)を保管し、この
中から溶接されるべき車種に応じた所定のものを上記セ
ット位置に搬送することができる。また、上記ルーフ治
具収納ラック９９とルーフ治具取出手段としてのエレベ
ータ装置９８とを備えたルーフ治具収納ラックビル９を
設けたので、車種に応じて異なる複数種類のルーフ治具
９０(９０Ａ〜９０Ｆ)を収納し、この中から溶接される
べき車種に応じた所定のものを取り出すことができる。
すなわち、複数車種に対応してその車体の溶接を行うこ
とができる。

【００２４】その上、上記ルーフ治具収納ラックビル９
と、ルーフアッセンブリＷrを保管するルーフパレット
８０を格納したルーフアッセンブリ格納ラックビル８と
を、ワーク搬送ライン１に関して略左右対称に配置した
ので、上記キャブサイド治具保管装置７,７が左右一対
に配設されることと合わせて、車体溶接ライン全体をほ
ぼ左右対称な構成とすることができる。すなわち、無駄
なくスペースを利用し、効率的なレイアウトを実現する
ことができるのである。更に、上記ルーフアッセンブリ
Ｗrは、ルーフ投入用ロボット８４によって上記ワーク
搬送ライン１のルーフ治具搬送位置に供給されるので、
この位置でルーフ治具９０に取り付け、ルーフ治具台車
４１によってルーフ治具９０と共に仮付ステーション３
のセット位置に搬送することができる。しかも、上記ル
ーフ治具台車４１は、上記ルーフ治具搬送位置と上記セ
ット位置との間を往復移動するだけであるので、その移
動距離が短くて済み、ルーフアッセンブリＷrの搬送に
要する時間を短くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る車体の溶接装置の全体
構成を概略的に表す平面説明図である。

【図２】上記溶接装置の仮付けステーション及びキャ
ブサイド治具保管装置を拡大して示す平面説明図であ
る。

【図３】上記仮付ステーションの正面説明図である。

【図４】上記溶接装置のルーフ治具収納ラックビルの
側面説明図である。

【図５】上記溶接装置のルーフ治具搬送装置の正面説
明図である。

【符号の説明】

１…ワーク搬送ライン３…仮付ステーション７…キャブサイド治具保管装置８…ルーフアッセンブリ格納ラックビル９…ルーフ治具収納ラックビル３０…キャブサイドパネル供給ライン３４…治具ホルダ３６,３７…溶接ロボット４１…ルーフ治具台車７０(７０Ａ,７０Ｂ,７０Ｃ,７０Ｄ,７０Ｅ,７０Ｆ)…
キャブサイド治具７１…クレーン８０…ルーフパレット８１…格納ラック８３…パレット搬出エレベータ８４…ルーフ投入用ロボット９０(９０Ａ,９０Ｂ,９０Ｃ,９０Ｄ,９０Ｅ,９０Ｆ)…
ルーフ治具９１…ルーフ治具搬送装置９８…エレベータ装置９９…収納ラックＷ…ワークＷb…アンダボディＷc…キャブサイドパネルＷr…ルーフアッセンブリ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】自動車の車体パネル部材を相互に位置決
めして溶接する車体の溶接装置であって、ワーク搬送ラインの途中に設けられ、少なくともキャブ
サイドパネルとルーフパネルとを位置決め状態で溶接す
る溶接手段を備えた溶接ステーションと、溶接されるべ
きキャブサイドパネルを上記ワーク搬送ラインに供給す
るキャブサイドパネル供給手段と、上記キャブサイドパ
ネルを位置決めするためのキャブサイド治具を車種に応
じて複数種類保管する左右一対のキャブサイド治具保管
装置と、該保管装置から上記複数種類のキャブサイド治
具のうち所定のものを上記ワーク搬送ライン上のセット
位置に搬送するキャブサイド治具搬送手段とを備えると
ともに、上記ワーク搬送ラインの左右方向における片側
に、上記ルーフパネルを位置決めするためのルーフ治具
を車種に応じて複数種類収納するルーフ治具収納ラック
と、該治具収納ラックから上記複数種類のルーフ治具の
うち所定のものを取り出すルーフ治具取出手段と、該取
出手段で取り出したルーフ治具を上記ワーク搬送ライン
上に搬送するルーフ治具搬送手段とを設けるとともに、
上記ワーク搬送ラインの左右方向における他側に、上記
ルーフ治具収納ラックと略左右対称に配置され、溶接さ
れるべきルーフパネルを供給するルーフパレットと、該
ルーフパレットからルーフパネルを取り出して上記ワー
ク搬送ラインのルーフ治具搬送位置に供給するルーフパ
ネル供給ロボット装置とを設ける一方、該ルーフ治具搬
送位置と上記セット位置との間に、両位置間を往復移動
するルーフ治具台車を設けたことを特徴とする車体の溶
接装置。