JPH062737A - 内燃機関のマウント装置 - Google Patents

内燃機関のマウント装置

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Publication number
JPH062737A
JPH062737A JP15696792A JP15696792A JPH062737A JP H062737 A JPH062737 A JP H062737A JP 15696792 A JP15696792 A JP 15696792A JP 15696792 A JP15696792 A JP 15696792A JP H062737 A JPH062737 A JP H062737A
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JP
Japan
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piston
engine
cylinder
chamber
main chamber
Prior art date
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Application number
JP15696792A
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English (en)
Inventor
Tatsushi Nakano
達志 中野
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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  • Vibration Prevention Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】エンジンの微振動に起因する騒音の発生と大振
動に起因する衝撃の発生とを共に防止し、装置の小型化
を図って車体への搭載性を向上させる。 【構成】シリンダ2の内部で往復動可能なピストン3に
ロッド11を連結し、ロッド3をシリンダ2の端から外
部へ突出させる。シリンダ2の内部を仕切壁17により
主室18、端室19に区画し、ピストン3の一方の移動
端位置にて仕切壁17に通孔20、オリフィス21を設
ける。通孔20に主室18から端室19へ向かう流れの
みを許容する逆止弁22を設け、ピストン3の中立位置
Pからピストン3の移動方向両側へ各々所定距離Lだけ
離れた範囲でピストン3の両側の主室18と端室19と
の間を連通させる溝25及びバイパス管26を設ける。
従って、エンジンの微振動はピストン3の振動により吸
収され、エンジンの大振動はピストン3の仕切壁17ま
での移動とその後の緩慢な戻りにより抑えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関を車両等に
搭載する際の防振対策として用いられ、内燃機関と車体
との間に介在されるマウント装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、内燃機関(エンジン)を搭載し
た車両においては、定常走行中にエンジンから発生する
細かな振動が車体へ伝わり、車内騒音の一因となってい
た。この種の騒音を防ぐための対策として、エンジンと
車体との間に介在されるマウントのばね定数を小さくし
てマウントを柔らかくすることが知られている。
【0003】しかしながら、マウントを柔らかくした場
合に、その背反事象として、車両の急発進時、減速時、
或いは悪路走行時等におけるエンジンの大きな揺れも許
容されることになり、大きな振動となって車体に衝撃を
与えることになる。従って、この種の大きな揺れによっ
て発生する衝撃を防ぐための対策としては、マウントの
ばね定数を大きくしてマウントを固くすることが望まし
い。
【0004】そこで、上記のような相反する事象に対処
して、エンジンの細かな振動に起因する騒音の発生と、
エンジンの大きな振動に起因する衝撃の発生との両方を
防止することを狙った技術が、例えば実開昭63−86
447号公報に開示されている。
【0005】図8に示すように、この公報の技術のマウ
ント装置は、内部に作動液を収容してなるシリンダ61
を備えている。シリンダ61の一端側外壁には、弾性ブ
ッシュ62を有してなる連結部材63が固着されてい
る。又、シリンダ61の内部には、ピストン64が往復
動可能に設けられており、そのピストン64から延びる
ロッド65がシリンダ61の他端側の壁を貫通して外部
へ突出されている。更に、ロッド65の先端には、同じ
く弾性ブッシュ66を有してなる連結部材67が固着さ
れている。シリンダ61の内部両端には、仕切壁68,
69がそれぞれ設けられており、各仕切壁68,69に
よってシリンダ61の内部が二つの端室70,71と主
室72とに区画されている。各仕切壁68,69には、
通孔73とオリフィス74とがそれぞれ形成されてい
る。又、各端室70,71には、通孔73を開閉する可
動板(弁)75,76がそれぞれ設けられている。これ
ら可動板75,76は、通孔73を通過する作動液の流
れを、主室72から各端室70,71の方向へのみ許容
し、各端室70,71から主室72の方向へ規制してい
る。更に、シリンダ61の内周には、ピストン64の中
立位置に対応して、同ピストン64の両側の主室72を
連通させる溝77が形成されている。併せて、その溝7
7と各端室70,71とがバイパス管78,79によっ
てそれぞれ連通されている。このように構成されたマウ
ント装置は、一方の連結部材67を図示しない車体に、
他方の連結部材63を図示しないエンジンに連結するこ
とによって車体とエンジンとの間に介在されている。
又、その取付け状態ではピストン64が中立位置となる
ように設定されている。
【0006】従って、車両の定常走行時には、ピストン
64が中立位置にあることから、溝77によりピストン
64の両側の主室72が互いに連通され、ピストン64
の往復動がある程度許容される。このため、エンジンか
ら発生する細かな振動はピストン64の振動によって吸
収され、車体へ伝わることなく減衰される。
【0007】一方、車両の急発進時、減速時、或いは悪
路走行時に、エンジンが最初に図8の右方向へ大きく揺
れた場合には、ピストン64が一方の仕切壁68に近接
する位置、即ち一方の最大変位位置まで大きく一旦移動
される。この時、主室72の作動液はその仕切壁68の
通孔73等を経て対応する端室70へと流れ、更にバイ
パス管78を経て溝77から主室72へと戻される。次
に、揺れ返しによりピストン64が仕切壁68から離れ
ようとすると、可動板75が仕切壁68へと吸引されて
通孔73が閉じられる。よって、端室70から主室72
へ向かう作動液の流れは、通孔73にて規制され、オリ
フィス74によりある程度制限されてピストン64の急
激な戻りが抑えられる。このため、エンジンより発生す
る大きな揺れの反力は、ピストン64からシリンダ61
へと伝達されて車体で受け止められ、最初の揺れを除い
て揺れによる衝撃を緩和することができる。
【0008】逆に、エンジンが最初に図8の左方向へ大
きく揺れた場合には、ピストン64が他方の仕切壁69
に近接する位置、即ち他方の最大変位位置まで大きく一
旦移動され、同様に揺れによる衝撃を緩和することがで
きる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来技
術では、エンジンの両方向の大きな揺れに対処するため
に、シリンダ61の両端にそれぞれ仕切壁68,69、
端室70,71及び可動板75,76等が設けられ、そ
れら両端でピストン64にとって同程度の最大移動スト
ロークが得られるようになっていた。そのため、シリン
ダ61やロッド65がピストン64の両方向の移動スト
ローク分だけ必然的に長くなり、装置の大型化を招いて
いた。従って、マウント装置のための収容スペースを車
体とエンジンとの間に見出すことが極めて困難となり、
搭載性の悪いものになっていた。
【0010】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、内燃機関の細かな振動に起
因する騒音の発生と内燃機関の大きな振動に起因する衝
撃の発生とを共に防止することが可能で、併せて装置の
小型化を図って車体への搭載性を向上させることの可能
な内燃機関のマウント装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明においては、内部に流体が収容されると
共にピストンが往復動可能に設けられ、そのピストンの
移動方向における両端が閉塞されて、その一端が第1の
連結端として内燃機関及び車体のうちの一方に連結され
るシリンダと、基端がピストンに連結され、先端が第1
の連結端と反対側のシリンダの端から外部へ突出されて
第2の連結端として内燃機関及び車体のうちの他方に連
結されるロッドと、シリンダの内部をピストンの移動す
るところの主室とピストンの移動しないところの副室と
に区画する一つの仕切壁と、ピストンの一方の移動端位
置近傍において仕切壁に設けられた通孔及びオリフィス
と、通孔の開閉用として設けられ、主室から副室へ向か
う流体の流れのみを許容する逆止弁と、主室の中央寄り
位置をピストンの中立位置とし、その中立位置からピス
トンの移動方向両側へそれぞれ所定距離だけ離れた範囲
でピストンの両側の主室と副室との間を連通させる連通
路とを備えている。
【0012】
【作用】上記の構成によれば、マウント装置が内燃機関
と車体との間に介在された状態で、その第1の連結端が
内燃機関及び車体の一方に、第2の連結端が内燃機関及
び車体の他方にそれぞれ連結される。
【0013】そして、その連結状態でピストンが中立位
置となるように配置された状態において、車両の定常走
行時には、連通路によりピストンの両側の主室が互いに
連通され、その主室にてピストンの往復動がある程度許
容される。このため、内燃機関から発生する細かな振動
はピストンの振動によって吸収され、車体へ伝わること
なく減衰される。
【0014】一方、車両の急発進時、減速時、或いは悪
路走行時に内燃機関が大きく揺れた場合には、ピストン
が中立位置から移動端位置まで大きく一旦移動される。
この時、主室の流体は仕切壁の通孔を経て副室へと流
れ、更に連通路を経て主室へと戻される。次に、揺れ返
しによりピストンが移動端位置から逆方向へ移動しよう
とすることにより、通孔が逆止弁によって閉ざされる。
よって、副室から主室へ向かう流体の流れは通孔にて規
制され、オリフィスにてある程度制限されてピストンの
急激な戻りが抑えられる。このため、内燃機関により発
生する大きな揺れの反力は、ピストンからシリンダへと
伝達されて車体で受け止められる。
【0015】又、ピストンの一方の移動端位置にのみ対
応して仕切壁に通孔及びオリフィスが設けられているだ
けなので、ピストンの中立位置を中心に移動方向の片方
のみに主要の移動ストロークをとればよく、全体として
移動ストロークを大きくとる必要がなくなる。
【0016】
【実施例】
(第1実施例)以下、この発明における内燃機関のマウ
ント装置を具体化した第1実施例を図1〜図6に基づい
て詳細に説明する。
【0017】図1はこの実施例のマウント装置1を示す
断面図であり、図2,3はその主要部の作用を説明する
断面図である。マウント装置1は円筒状のシリンダ2を
備え、そのシリンダ2の内部には流体としての作動液が
収容されている。シリンダ2の内部には、ピストン3が
往復動可能に設けられている。シリンダ2はピストン3
の移動方向における両端が端壁4,5によってそれぞれ
閉塞されており、その一方の端壁4の外面が第1の連結
端6となっている。第1の連結端6には第1の連結部材
7が固着されている。第1の連結部材7は、外筒8と内
筒9との間にゴム等の弾性ブッシュ10を嵌合すること
により形成されている。そして、第1の連結部材7は、
その内筒9に挿通される図示しないピン等を介して、内
燃機関(エンジン)及び車体のうちの一方に連結される
ようになっている。
【0018】ピストン3にはロッド11の基端が連結さ
れ、その先端は第1の連結端6とは反対側の端壁5から
外部へ突出されて第2の連結端12となっている。第2
の連結端12には第2の連結部材13が固着されてい
る。第2の連結部材13は、外筒14と内筒15との間
にゴム等の弾性ブッシュ16を嵌合することにより形成
されている。そして、第2の連結部材13は、その内筒
15に挿通される図示しないピン等を介し、エンジン及
び車体のうちの他方に連結されるようになっている。
【0019】シリンダ2の内部一端側、即ちピストン3
の一方の移動端位置近傍には、一つの仕切壁17が設け
られている。そして、その仕切壁17によりシリンダ2
の内部が、ピストン3の移動するところの主室18とピ
ストン3の移動しないところの副室としての端室19と
に区画されている。又、仕切壁17の周方向には複数の
通孔20が形成され、仕切壁17の中心近傍には一つの
オリフィス21が形成されている。端室19には各通孔
20を開閉するための環状板状の逆止弁22が配置され
ている。この逆止弁22は、各通孔20を通じて主室1
8から端室19へ向かう作動液の流れのみを許容し、そ
の逆方向の流れを規制するようになっている。又、仕切
壁17とそれに隣接する端壁5には、ロッド11との間
を封止するシール23,24が設けられている。
【0020】主室18の中央寄り位置はピストン3の中
立位置Pとなっており、その中立位置Pに対応するシリ
ンダ2の内周には溝25が形成されている。この溝25
は、ピストン3の中立位置Pから移動方向両側へそれぞ
れ所定距離Lだけ離れた範囲でピストン3の両側の主室
18を連通させるようになっている。又、その溝25と
端室19とは、バイパス管26によって互いに連通され
ている。そして、これら溝25及びバイパス管26によ
り連通路が構成されている。
【0021】この実施例において、上記のマウント装置
1は、図4に示すように、エンジン27と車体28との
間に介在されている。即ち、第1の連結部材7がピン2
9及びブラケット30を介して車体28に連結され、第
2の連結部材13が同じくピン31及びブラケット32
を介してエンジン27に連結されている。又、それら両
連結部材7,13の中心が、共にエンジン27の重心G
の高さに一致するように設定されている。更に、その取
付け状態において、ピストン3が中立位置Pとなるよう
に設定されている。
【0022】尚、図4において左側が車両前側であり、
右側が車両後側である。又、エンジン27は横置きタイ
プとなっている。従って、マウント装置1はエンジン2
7の後側に配置されていることになる。又、エンジン2
7には、この他にもマウント33,34が設けられてお
り、それらマウント33,34によってエンジン27が
車体に支持されている。
【0023】次に、上記のように構成して車体28とエ
ンジン27との間に介在されたマウント装置1の作用に
ついて説明する。車両の停止時には、マウント装置1は
図1に示すように、ピストン3を中立位置Pに配置した
状態となる。そして、車両の定常走行時には、やはりピ
ストン3が中立位置Pにあることから、溝25によりピ
ストン3の両側の主室18が互いに連通され、その主室
18にてピストン3の往復動がある程度だけ許容され
る。そのため、エンジン27から発生する細かな振動は
ピストン3の振動によって吸収され、車体28へ伝わる
ことなく減衰される。その結果、エンジン27の細かな
振動に起因した車内騒音の発生を未然に防止することが
できる。
【0024】一方、車両の急発進時、減速時或いは悪路
走行時にエンジン27が大きく揺れた場合には、ピスト
ン3が中立位置Pから移動端位置まで大きく一旦移動さ
れる。例えば、図4において、車両が急発進した場合に
は、車体28の動きに対してエンジン27が一瞬取り残
されることから、エンジン27は最初に右方向へ大きく
揺れる。従って、ピストン3は、図2に示すように、仕
切壁17に近接する位置、即ち一方の移動端位置まで大
きく一旦移動される。この時、主室18の作動液は仕切
壁17の各通孔20を経て端室19へと流れ、更にバイ
パス管26を経て溝25から主室18へと戻される。そ
の後、図3に示すように、エンジン27の揺れ返しによ
り、ピストン3が移動端位置から逆方向へ移動しようと
すると、各通孔20が逆止弁22によって閉ざされる。
よって、端室19から主室18へ向かう作動液の流れは
各通孔20にて規制され、オリフィス21にてある程度
だけ制限されてピストン3の急激な戻りが抑えられる。
このため、エンジン27より発生する大きな揺れの反力
は、ピストン3からシリンダ2へと伝達されて車体28
で受け止められ、最初の揺れを除いて揺れによる衝撃を
緩和或いは防止することができる。又、オリフィス21
では、その後緩やかに作動液が主室18へと流れること
から、やがてピストン3は中立位置Pまで復帰すること
になる。
【0025】図5は急発進時のエンジン27の振動の変
化を示すグラフであり、実線は本実施例のマウント装置
1を使用した場合の振動変化を示し、破線はマウント装
置1を使用しない場合の振動変化を示している。このグ
ラフからも明らかなように、マウント装置1を使用した
場合には、最初にピストン3が移動端位置まで移動され
る分だけ大きく振動するが、その後は小さな振幅となっ
て徐々に減衰されることが分かる。又、マウント装置1
を使用しない場合との違いは、大きな振動の繰り返しが
継続しないことの点で明らかである。
【0026】又、図4において、車両が急に減速された
場合には、エンジン27が最初に左方向へ大きく揺れる
ことから、ピストン3は左側の端壁4まで大きく一旦移
動された後、エンジン27の揺れ返しによって逆方向へ
移動される。そして、ピストン3は上記と同様に、仕切
壁17に近接する移動端位置まで大きく移動された後、
エンジン27の揺れ返しによって再び逆方向へ移動しよ
うとする。この時、各通孔20は逆止弁22によって閉
ざされ、オリフィス21の作用によりピストン3の急激
な戻りが抑えられる。このため、エンジン27の揺れの
反力はシリンダ2へと伝達されて車体28で受け止めら
れ、最初の往復振動を除いて揺れによる衝撃を緩和或い
は防止することができる。
【0027】図6は減速時のエンジン27の振動変化を
示すグラフであり、実線はは本実施例のマウント装置1
を使用した場合の振動変化を示し、破線はマウント装置
1を使用しない場合の振動変化を示している。このグラ
フからも明らかなように、マウント装置1を使用した場
合では、最初にピストン3が1回だけ往復動しようとす
る分だけ大きく往復振動するが、その後は小さな振幅と
なって徐々に減衰されることが分かる。又、マウント装
置1を使用しない場合との違いは、大きな振動の繰り返
しが継続しないことの点で明らかである。
【0028】又、この実施例のマウント装置1によれ
ば、車両が凸凹道等の悪路を走行している場合にも、上
記のようにエンジン27の大きな揺れに起因する衝撃を
緩和することができる。
【0029】そして、この実施例のマウント装置1で
は、ピストン3の一方の移動端位置にのみ対応して、仕
切壁17に通孔20及びオリフィス21が設けられてい
る。そのため、ピストン3の中立位置Pを中心に、移動
方向の片方のみに主要の移動ストロークをとればよく、
全体としてピストン3の移動ストロークを大きくとる必
要がなくなる。この構成を、シリンダ61の両端に二つ
の仕切壁68,69及び二つの端室70,71等を設て
なる従来技術と比較した場合に、一つの端室19のみを
有する簡易化された構造となり、シリンダ2やロッド1
1がピストン3の片方の移動ストローク分だけ短くな
る。その結果、シリンダ2の軸方向の寸法を小型化する
ことができ、延いてはマウント装置1としての軸方向の
寸法を小型化することができる。従って、マウント装置
1として、その収容スペースを車体28とエンジン27
との間に容易に見出すことが可能となり、搭載性の向上
を図ることができる。
【0030】つまり、この実施例のマウント装置1によ
れば、エンジン27の細かな振動に起因する騒音の発生
防止と、エンジン27の大きな振動に起因する衝撃の発
生防止との両立を図ることができ、併せてマウント装置
1の小型化を図ることができて、車体28への搭載性を
向上させることができるのである。
【0031】(第2実施例)次に、この発明における内
燃機関のマウント装置を具体化した第2実施例を図7に
従って説明する。
【0032】図7はこの実施例のマウント装置41を示
す断面図である。マウント装置41は内部に作動液を収
容したシリンダ42を備えている。シリンダ42の内部
には、ピストン43が往復動可能に設けられている。シ
リンダ42はピストン43の移動方向における両端が端
壁44,45によりそれぞれ閉塞されており、その一方
の端壁45の外面には第1の連結部材46が固着されて
いる。ピストン43にはロッド47の基端が連結され、
その先端は反対側の端壁44から外部へ突出され、その
先端には第2の連結部材48が固着されている。
【0033】シリンダ42の内部下側には、ピストン4
3の全移動範囲に渡って一つの仕切壁49が設けられ、
その仕切壁49によりシリンダ42の内部が、主室50
と副室51とに区画されている。又、仕切壁49の一端
側、即ちピストン43の移動端位置近傍には、通孔52
及びオリフィス53が形成されている。又、副室51に
は、その通孔52を開閉するための逆止弁54が配置さ
れている。この逆止弁54は、通孔52を通じて主室5
0から副室51へ向かう作動液の流れのみを許容し、そ
の逆方向の流れを規制するようになっている。
【0034】主室50の中央寄り位置はピストン43の
中立位置Pとなっており、その中立位置Pからピストン
43の移動方向両側へそれぞれ所定距離Lだけ離れた位
置には、主室50と副室51とを連通させる連通路5
5,56がそれぞれ形成されている。
【0035】この実施例において、上記のマウント装置
41は図示しないエンジンと車体との間に介在されてい
る。即ち、第1の連結部材46が車体に連結され、第2
の連結部材48がエンジンに連結されている。又、その
取付け状態において、ピストン43が中立位置Pとなる
ように設定されている。
【0036】従って、車両の停止時には、マウント装置
41は図7に実線で示すように、ピストン43を中立位
置Pに配置した状態となる。そして、車両の定常走行時
には、ピストン43が中立位置Pにあることから、両連
通路55,56によりピストン3の両側の主室50が互
いに連通され、その主室50にてピストン43の往復動
がある程度だけ許容される。そのため、エンジンから発
生する細かな振動はピストン43の振動によって吸収さ
れ、車体へ伝わることなく減衰される。その結果、エン
ジンの細かな振動に起因した車内騒音の発生を未然に防
止することができる。
【0037】一方、車両の急発進時、減速時或いは悪路
走行時にエンジンが大きく揺れた場合には、ピストン4
3が中立位置Pから移動端位置まで大きく一旦移動され
る。例えば、図7において、ピストン43が一方の端壁
45に近接する位置まで大きく一旦移動されると、主室
50の作動液は仕切壁49の通孔52を経て副室51へ
と流れ、更に両連通路55,56を経て主室50へと戻
される。その後、図7に2点鎖線で示すように、エンジ
ンの揺れ返しにより、ピストン43が移動端位置から逆
方向へ移動しようとすると、通孔52が逆止弁54によ
って閉ざされる。よって、副室51から主室50へ向か
う作動液の流れは通孔52にて規制され、オリフィス5
3にてある程度だけ制限されてピストン43の急激な戻
りが抑えられる。このため、エンジンより発生する大き
な揺れの反力は、ピストン43からシリンダ42へと伝
達されて車体で受け止められ、最初の揺れを除いて揺れ
による衝撃を緩和或いは防止することができる。
【0038】つまり、この実施例のマウント装置41に
おいても、エンジンの細かな振動に起因する騒音の発生
防止と、エンジンの大きな振動に起因する衝撃の発生防
止との両立を図ることができる。
【0039】又、この実施例では、シリンダ42の下側
に仕切壁49を設けて主室50と副室51とを区画して
いることから、シリンダ42の軸方向における寸法を更
に小型化することができる。よって、マウント装置41
としての小型化を更に図ることができ、もって車体への
搭載性を更に向上させることができる。
【0040】尚、この発明は前記各実施例に限定される
ものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一
部を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記第1実施例では、エンジン27の後側にマウ
ント装置1を配置したが、エンジンの前側にマウント装
置を配置してもよい。
【0041】(2)前記第1実施例では、横置きタイプ
のエンジン27に具体化したが、縦置きタイプのエンジ
ンに具体化することもできる。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、シリンダ内部にピストンを往復動可能に設け、その
ピストンにロッドを連結してシリンダの端から外部へ突
出させ、シリンダ内部を仕切壁によって主室と副室とに
区画し、ピストンの一方の移動端位置近傍にて仕切壁に
通孔及びオリフィスを設け、その通孔に主室から副室へ
向かう流体の流れのみを許容する逆止弁を設け、主室に
おけるピストンの中立位置からピストンの移動方向両側
へそれぞれ所定距離だけ離れた範囲でピストンの両側の
主室と副室との間を連通させる連通路を設けている。従
って、ピストンの両側の主室は連通路により連通されピ
ストンの往復動が許容されて、内燃機関で発生する細か
な振動がピストンの振動によって吸収される。一方、内
燃機関が大きく揺れた場合には、ピストンが中立位置か
ら移動端位置まで大きく一旦移動され、その揺れ返しの
際には逆止弁及びオリフィスの作用によりピストンの急
激な戻りが抑えられる。又、ピストンの中立位置を中心
に移動方向の片方のみに主要の移動ストロークをとれば
よい。その結果、内燃機関の細かな振動に起因する騒音
の発生と内燃機関の大きな振動に起因する衝撃の発生と
を共に防止することができ、併せて装置の小型化を図る
ことができて車体への搭載性を向上させることができる
という優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を具体化した第1実施例における内燃
機関のマウント装置を示す断面図である。
【図2】第1実施例においてマウント装置の主要部の作
用を説明する断面図である。
【図3】第1実施例においてマウント装置の主要部の作
用を説明する断面図である。
【図4】第1実施例において、マウント装置をエンジン
と車体との間に取付けた状態を示す図である。
【図5】第1実施例において、急発進時のエンジンの振
動変化を示すグラフである。
【図6】第1実施例において、減速時のエンジンの振動
変化を示すグラフである。
【図7】この発明を具体化した第2実施例における内燃
機関のマウント装置を示す断面図である。
【図8】従来技術のマウント装置を示す断面図である。
【符号の説明】
2…シリンダ、3…ピストン、6…第1の連結端、11
…ロッド、12…第2の連結端、17…仕切壁、18…
主室、19…副室としての端室、20…通孔、21…オ
リフィス、22…逆止弁、25…溝、26…バイパス管
(25,26は連通路を構成している)、27…内燃機
関としてのエンジン、28…車体、42…シリンダ、4
3…ピストン、47…ロッド、49…仕切壁、50…主
室、51…副室、52…通孔、53…オリフィス、54
…逆止弁、55,56…連通路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に流体が収容されると共にピストン
    が往復動可能に設けられ、そのピストンの移動方向にお
    ける両端が閉塞されて、その一端が第1の連結端として
    内燃機関及び車体のうちの一方に連結されるシリンダ
    と、 基端が前記ピストンに連結され、先端が前記第1の連結
    端と反対側の前記シリンダの端から外部へ突出されて第
    2の連結端として前記内燃機関及び前記車体のうちの他
    方に連結されるロッドと、 前記シリンダの内部を前記ピストンの移動するところの
    主室と前記ピストンの移動しないところの副室とに区画
    する一つの仕切壁と、 前記ピストンの一方の移動端位置近傍において前記仕切
    壁に設けられた通孔及びオリフィスと、 前記通孔の開閉用として設けられ、前記主室から前記副
    室へ向かう流体の流れのみを許容する逆止弁と、 前記主室の中央寄り位置を前記ピストンの中立位置と
    し、その中立位置から前記ピストンの移動方向両側へそ
    れぞれ所定距離だけ離れた範囲で前記ピストンの両側の
    主室と前記副室との間を連通させる連通路とを備えたこ
    とを特徴とする内燃機関のマウント装置。
JP15696792A 1992-06-16 1992-06-16 内燃機関のマウント装置 Pending JPH062737A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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