JPH0627359Y2 - 穴明けパンチ構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は穴明けパンチ構造の改良に関する。

（従来の技術） 穴明けパンチとしては、ヒンジ軸により互いに回動自在
に結合された一対のレバーを有し、該一対のレバーのう
ち、一方のレバーの先端部にパンチ用突起部が、他方の
レバーの先端部にパンチ用突起部と対応するパンチ用穴
部が各々設けられ、パンチ用突起部とパンチ用穴部とに
より、鉄板、アルミニウム板或いはプラスチック板等の
ワークを挟圧してワークに穴を明ける構造のものが知ら
れている。

この構造の穴明けパンチは、一方のレバーのパンチ用突
起部と他方のレバーのパンチ用穴部との間にワークを配
置し、両方のパンチをヒンジ軸を中心に互いに回動させ
て、パンチ用突起部をパンチ用穴部に挿入させることに
より、ワークに穴を明けるものである。

（考案が解決しようとする課題） しかるに、前記構造の穴明けパンチを用いてワークに穴
を明けると、パンチ用突起部とパンチ用穴部とによって
ワークに穴が明けられた後、パンチ用突起部がワークに
形成された穴に嵌まり込んでしまい、パンチ用突起部が
ワークの穴から抜け難くなることがある。そのため、パ
ンチ用突起部をワークの穴から抜き出す工程が必要にな
るので、従来の穴明け構造によると、穴明け作業の能率
が良くない。

前記に鑑み、本考案は、穴明け後、パンチ用突起部がワ
ークに形成された穴に嵌まり込み、パンチ用突起部がワ
ークの穴から抜け難くなことを防止するものである。

（課題を解決するための手段） 前記の目的を達成するため、本考案は、ワークに穴が明
けられた後、パンチ用突起部がワークの穴から抜けよう
とする際、スプリングの付勢力によってワークをパンチ
用穴部の方へ押圧するものである。

具体的に本考案の講じた解決手段は、ヒンジ軸により互
いに回動自在に結合された一対のレバーを有し、該一対
のレバーのうち、一方のレバーの先端部にパンチ用突起
部が、他方のレバーの先端部に該パンチ用突起部と対応
するパンチ用穴部が各々設けられ、該パンチ用突起部と
パンチ用穴部とによりワークに穴を明ける穴明けパンチ
の構造を対象とし、前記一対のレバーの先端部に、前記
パンチ用突起部を通る前記ヒンジ軸の中心軸線と略平行
な線上において該パンチ用突起部を挾む両側に前記パン
チ用突起部よりも突出するワーク押圧用の一対の押圧部
材がスプリングにより付勢されて設けられている構成と
するものである。

（作用） 前記の構成により、パンチ用突起部とパンチ用穴部とに
よりワークに穴を明ける際には、パンチ用突起部はスプ
リングの付勢力に抗してパンチ用穴部に挿入されること
で、ワークには穴が明けられる。

一方、ワークに穴が明けられた後、パンチ用突起部がワ
ークの穴から抜け出ようとする際には、スプリングによ
り付勢され、パンチ用突起部よりも突出する一対の押圧
部材がワークをパンチ用穴部側へ押圧しているため、ワ
ークがパンチ用突起部に付いて来ないので、パンチ用突
起部は容易にワークの穴から抜け出る。この場合、押圧
部材が、前記パンチ用突起部を通る前記ヒンジ軸の中心
軸線と略平行な線上において該パンチ用突起部を挾む両
側に該パンチ用突起部から略等距離に設けられているの
で、ワークが該パンチ用突起部を中心に前記線上で傾斜
することがなく、パンチ用突起部はスムーズにワークの
穴から抜け出る。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図〜第４図は本考案の一実施例に係る穴明けパンチ
構造が適用されたエアーニッパーを示しており、同図に
おいて、１は円筒状の胴体、３，４はヒンジ軸５により
Ｘ字状に回動自在に結合された一対のレバーである。該
一対のレバーのうち、一方のレバー３の先端部における
対向面３ａには小短柱状のパンチ用突起部７が突設され
ていると共に、他方のレバー４の先端部における対向面
４ａには、パンチ用突起部７の外径より若干大きい内径
を有し該レバー４を貫通するパンチ用穴部９が前記パン
チ用突起部７と対向して設けられている。

また、レバー３，４の後端部は、胴体１の内部に収納さ
れて、胴体１の内部でスプリング（図示していない）に
より開方向へ付勢されており、これにより、レバー３，
４の先端部も開方向へ付勢されている。そして、胴体１
の後端部に設けられたエアー導入部１１から高圧エアー
胴体１の内部に導入されると、胴体１の内部に摺動自在
に収納され先端部に係合面を有する摺動部材（図示して
いない）がレバー３，４の先端側へ移動し、該摺動部材
の係合面とレバー３，４とが係合して、レバー３，４の
先端部を閉方向へ回動させる。尚、同図において、１３
は高圧エアー導入の開閉を行なう開閉レバーである。

一方のレバー３の先端部の反対向面３ｂには、パンチ用
突起部７を通るヒンジ軸５の中心軸と略平行な線上に延
びるスプリング支持部材１５が取り付けられている。ス
プリング支持部材１５のパンチ用突起部７を挾む両側に
は貫通孔１７が設けられており、該貫通孔１７には、上
端にナット１９が螺合されると共にパンチ用突起部７よ
りも若干長い支持棒２１が挿入されている。そして、支
持棒２１の下端には円板状の押圧部材２３が固持されて
いると共に、押圧部材２３とスプリング支持部材１５と
の間にはコイルスプリング２５が縮装されており、これ
により、押圧部材２３はパンチ用穴部９側へ付勢されて
いる。

本実施例の穴明けパンチ構造は以上のように構成されて
いるので、パンチ用突起部７とパンチ用穴部９との間に
ワーク２７をセットした後、エアー導入部１１から高圧
エアーを導入すると、レバー３，４の先端部は互いに接
近する方向に回動し、押圧部材２３がワーク２７に当接
する。さらに、高圧エアーを導入すると、パンチ用突起
部７はコイルスプリング２５の付勢力に抗してパンチ用
穴部９に没入し、ワーク２７には穴が明けられる。この
とき、押圧部材２３がワーク２７をコイルスプリング２
５の弾力により押圧しつつ、スプリング支持部材１５の
貫通孔１７は支持棒２１の外周をスライドしながら下降
する。

ワーク２７に穴が明けられると、高圧エアーを排出して
レバー３，４の先端部を開方向へ回動させる。すると、
ワーク２７は、コイルスプリング２５により付勢された
支持部材２３によってパンチ用穴部９側へ押圧されるた
め、パンチ用突起部７に付いて来ないので、パンチ用突
起部７はワーク２７の穴からスムーズに抜け出る。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案に係る穴明けパンチ構造に
よると、一方のレバーの先端にスプリングにより付勢さ
れパンチ用突起部よりも突出する一対の押圧部材が設け
られているため、パンチ用突起部がワークの穴から抜け
出ようとする際、押圧部材がワークをパンチ用穴部側へ
押圧するので、ワークはパンチ用突起部に付いて来な
い。

この場合、押圧部材が、パンチ用突起部を通るヒンジ軸
の中心軸線と略平行な線上においてパンチ用突起部を挾
む両側に設けられているので、ワークが該パンチ用突起
部を中心に前記線上で傾斜することなくパンチ用突起部
はスムーズにワークの穴から抜け出る。このため、本考
案によると、ワークの剛性如何に拘らず、穴明け後、パ
ンチ用突起部がワークの穴から抜け難くなる状態を確実
に防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本考案の一実施例である穴明けパンチ
構造を示し、第１図は一部分の正面図、第２図は一部分
の側面図、第３図は一部分の平面図、第４図は全体の側
面図である。 ３…一方のレバー ４…他方のレバー ５…ヒンジ軸 ７…パンチ用突起部 ９…パンチ用穴部 ２３…押圧部材 ２５…コイルスプリング（スプリング） ２７…ワーク

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ヒンジ軸により互いに回動自在に結合され
   た一対のレバーを有し、該一対のレバーのうち、一方の
   レバーの先端部にパンチ用突起部が、他方のレバーの先
   端部に前記パンチ用突起部と対応するパンチ用穴部が各
   々設けられ、前記パンチ用突起部とパンチ用穴部とによ
   りワークに穴を明ける穴明けパンチの構造であって、前
   記一方のレバーの先端部に、前記パンチ用突起部を通る
   前記ヒンジ軸の中心軸線と略平行な線上において該パン
   チ用突起部を挾む両側に前記パンチ用突起部よりも突出
   するワーク押圧用の一対の押圧部材がスプリングにより
   付勢されて設けられていることを特徴とする穴明けパン
   チ構造。