JPH0627303B2 - 冷間鍛造用軟磁性ステンレス鋼 - Google Patents
冷間鍛造用軟磁性ステンレス鋼Info
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- JPH0627303B2 JPH0627303B2 JP60163747A JP16374785A JPH0627303B2 JP H0627303 B2 JPH0627303 B2 JP H0627303B2 JP 60163747 A JP60163747 A JP 60163747A JP 16374785 A JP16374785 A JP 16374785A JP H0627303 B2 JPH0627303 B2 JP H0627303B2
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- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
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- C22C38/00—Ferrous alloys, e.g. steel alloys
- C22C38/60—Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing lead, selenium, tellurium, or antimony, or more than 0.04% by weight of sulfur
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は電磁バルブ、電磁クラッチおよび内燃機関の電
子燃料噴射装置等に用いられる冷間鍛造性、被削性、電
磁気特性、耐食性に優れた冷間鍛造用軟磁性ステンレス
鋼に関する。
子燃料噴射装置等に用いられる冷間鍛造性、被削性、電
磁気特性、耐食性に優れた冷間鍛造用軟磁性ステンレス
鋼に関する。
(従来技術) 従来、軟磁性ステンレス鋼に要求される特性として、最
大透磁率、磁束密度および保磁力などの磁気特性と、電
気抵抗、耐食性、被削性等があり、特に優れた磁気特性
を得るため2Si-13 Cr鋼、1Si- 0.20 Al -13 Cr鋼等が
開発された一部、実用に供せられている。近年、軟磁性
ステンレス鋼の用途開発が進み、電子燃料噴射装置のボ
ディやコアーなどの複雑な形状を有する部品に適用され
るようになり、前記特性に加えてさらに冷間鍛造性と被
削性の優れた鋼の開発が要求されていた。
大透磁率、磁束密度および保磁力などの磁気特性と、電
気抵抗、耐食性、被削性等があり、特に優れた磁気特性
を得るため2Si-13 Cr鋼、1Si- 0.20 Al -13 Cr鋼等が
開発された一部、実用に供せられている。近年、軟磁性
ステンレス鋼の用途開発が進み、電子燃料噴射装置のボ
ディやコアーなどの複雑な形状を有する部品に適用され
るようになり、前記特性に加えてさらに冷間鍛造性と被
削性の優れた鋼の開発が要求されていた。
上記要求に対して、たとえば、1 Si- 13 Cr -0.2 Al鋼
等のC量を0.01%程度まで低減させ、かつ0.018 %の
S、0.2 %のPbを添加した鋼が開発され、一部で使用さ
れている。
等のC量を0.01%程度まで低減させ、かつ0.018 %の
S、0.2 %のPbを添加した鋼が開発され、一部で使用さ
れている。
(解決しようとする問題点) しかし、これらの鋼についても引張り強さが、44.5kgf
/mm2、絞りが75%、限界加工率が47%と十分な冷間鍛
造性を得るものでなく、前記の電子燃料噴射装置のボデ
ィやコアーなどの複雑な形状を有する部品を冷間鍛造す
ることは困難であり、より優れた冷間鍛造性と被削性お
よび電磁気特性を有する軟磁性ステンレス鋼の開発が望
まれてた。
/mm2、絞りが75%、限界加工率が47%と十分な冷間鍛
造性を得るものでなく、前記の電子燃料噴射装置のボデ
ィやコアーなどの複雑な形状を有する部品を冷間鍛造す
ることは困難であり、より優れた冷間鍛造性と被削性お
よび電磁気特性を有する軟磁性ステンレス鋼の開発が望
まれてた。
(問題点を解決するための手段) 本発明はかかる従来鋼の欠点に鑑みてなしたものであ
り、本発明者等は、13 Cr 鋼の電磁気特性と冷間鍛造
性、被削性に及ぼす各種合金元素の影響について調査し
た結果、磁気特性は、Si、Al、Ti添加と低C+N化によ
って改善され、また、電気特性は、Si、Alの複合添加に
よる相乗作用により大巾に向上し、一方冷間鍛造性は、
Ti添加と低C+N化によって改善され、さらに被削性は
少量のSとPb添加によって大幅に向上すること、また冷
間鍛造性に対して多量のSi、Al添加は冷間鍛造性を大幅
に損うが、0.10〜0.30%のPb添加による冷間鍛造性への
影響が小さいこと、S量の1.5 〜4倍のZr添加によっ
て、Sの冷間鍛造性への影響を無害化することを見い出
した。
り、本発明者等は、13 Cr 鋼の電磁気特性と冷間鍛造
性、被削性に及ぼす各種合金元素の影響について調査し
た結果、磁気特性は、Si、Al、Ti添加と低C+N化によ
って改善され、また、電気特性は、Si、Alの複合添加に
よる相乗作用により大巾に向上し、一方冷間鍛造性は、
Ti添加と低C+N化によって改善され、さらに被削性は
少量のSとPb添加によって大幅に向上すること、また冷
間鍛造性に対して多量のSi、Al添加は冷間鍛造性を大幅
に損うが、0.10〜0.30%のPb添加による冷間鍛造性への
影響が小さいこと、S量の1.5 〜4倍のZr添加によっ
て、Sの冷間鍛造性への影響を無害化することを見い出
した。
特に、TiはC+N量が0.06%程度と通常の値の場合には
冷間鍛造性は殆ど改善されず、しかも磁気特性の改善も
わずかである。ところが、C+N量が0.04%以下と極低
域においては0.1 %程度のTiの添加によって、磁気特
性、冷間鍛造性ともに大巾に向上する。
冷間鍛造性は殆ど改善されず、しかも磁気特性の改善も
わずかである。ところが、C+N量が0.04%以下と極低
域においては0.1 %程度のTiの添加によって、磁気特
性、冷間鍛造性ともに大巾に向上する。
Tiのこの作用は、相当量のC+N量を含む場合、すべて
のC+NをTiで固定すると大きなTiC、TiNの析出物が形
成されてしまい、これによって冷間鍛造性が低下してし
まうが、C+N量が0.04%以下と非常に少ない場合には
すべてのC+NをTiで固定化すると無害で小さなTiC、T
iN析出物のみが形成され、もっぱらC+Nの侵入型の固
溶強化作用のみが消滅して、冷間鍛造性、磁性特性が大
巾に向上すると考えられる。
のC+NをTiで固定すると大きなTiC、TiNの析出物が形
成されてしまい、これによって冷間鍛造性が低下してし
まうが、C+N量が0.04%以下と非常に少ない場合には
すべてのC+NをTiで固定化すると無害で小さなTiC、T
iN析出物のみが形成され、もっぱらC+Nの侵入型の固
溶強化作用のみが消滅して、冷間鍛造性、磁性特性が大
巾に向上すると考えられる。
本発明はこれらの知見をもとに13Cr鋼においてC+N量
を0.04%以下とするとともに0.4 〜1.10%のSiと0.31〜
0.60%Alと0.02〜0.25%のTiを含有させ、電磁気特性を
大巾に改善すると同時に冷間鍛造性を改善したものであ
り、さらに、 0.010〜0.030 %のSと、0.10〜0.30%の
Pbと、0.02〜0.10%のZrを複合添加し、冷間鍛造性を損
うことなく被削性をも改善したものである。よって、本
発明鋼は4000以上の最大透磁率と、13000 G以上の磁束
密度(B20)と、1.2Oe 以下の保磁力と優れた磁気特性
を有し、かつ、電気抵抗が70μΩ-cm以上と優れた電気
特性を有し、冷間加工性についても引張り強さが40.0kg
f/mm2以下、限界加工率が50%以上と、優れた冷間鍛造
性を有し、さらに被削性についてもSUS 416 以上と優れ
た冷間鍛造用軟磁性ステンレス鋼であり、電磁バルブ、
電磁クラッチ、内燃機関の電子燃料噴射装置などに適し
た鋼である。
を0.04%以下とするとともに0.4 〜1.10%のSiと0.31〜
0.60%Alと0.02〜0.25%のTiを含有させ、電磁気特性を
大巾に改善すると同時に冷間鍛造性を改善したものであ
り、さらに、 0.010〜0.030 %のSと、0.10〜0.30%の
Pbと、0.02〜0.10%のZrを複合添加し、冷間鍛造性を損
うことなく被削性をも改善したものである。よって、本
発明鋼は4000以上の最大透磁率と、13000 G以上の磁束
密度(B20)と、1.2Oe 以下の保磁力と優れた磁気特性
を有し、かつ、電気抵抗が70μΩ-cm以上と優れた電気
特性を有し、冷間加工性についても引張り強さが40.0kg
f/mm2以下、限界加工率が50%以上と、優れた冷間鍛造
性を有し、さらに被削性についてもSUS 416 以上と優れ
た冷間鍛造用軟磁性ステンレス鋼であり、電磁バルブ、
電磁クラッチ、内燃機関の電子燃料噴射装置などに適し
た鋼である。
すなわち、本発明鋼は重量比にしてC0.03 %以下、Si
0.40 〜1.10%、Mn 0.50 %以下、Cr 9.0〜19.0%、Al
0.31 〜0.60%、S 0.010〜0.030%、Pb 0.10 〜0.30
%、Ti 0.02 〜0.25%、Zr 0.02〜0.10%、N 0.03 %
以下を含有し、かつ、C+N 0.04 %以下、Si+Al 1.3
5 %以下で、残部Feならびに不純物元素からなるもの
で、第2発明鋼は第1発明鋼にSe 0.010〜0.050%、Ca
0.002〜0.02%、Te 0.010〜0.02%のうち1種ないし2
種以上を含有させて、第1発明鋼の被削性をさらに改善
したものである。
0.40 〜1.10%、Mn 0.50 %以下、Cr 9.0〜19.0%、Al
0.31 〜0.60%、S 0.010〜0.030%、Pb 0.10 〜0.30
%、Ti 0.02 〜0.25%、Zr 0.02〜0.10%、N 0.03 %
以下を含有し、かつ、C+N 0.04 %以下、Si+Al 1.3
5 %以下で、残部Feならびに不純物元素からなるもの
で、第2発明鋼は第1発明鋼にSe 0.010〜0.050%、Ca
0.002〜0.02%、Te 0.010〜0.02%のうち1種ないし2
種以上を含有させて、第1発明鋼の被削性をさらに改善
したものである。
以下に本発明鋼の成分限定理由について説明する。
Cは、固溶強化作用によって冷間鍛造性を害するととも
に磁性特性にも悪影響を与える元素であり、本発明にお
いてはできるだけ低下させることが望ましくその上限を
0.03%とした。なお、冷間鍛造性、磁性特性をさらに向
上させるためには好ましくは0.015 %以下にすることが
望ましい。
に磁性特性にも悪影響を与える元素であり、本発明にお
いてはできるだけ低下させることが望ましくその上限を
0.03%とした。なお、冷間鍛造性、磁性特性をさらに向
上させるためには好ましくは0.015 %以下にすることが
望ましい。
Siは最大透磁率、磁束密度、保磁力などの磁気特性を改
善し、しかも電気抵抗を増加させる元素であり、軟磁性
鋼としては重要な元素であり、少なくとも0.40%以上含
有させる必要がある。
善し、しかも電気抵抗を増加させる元素であり、軟磁性
鋼としては重要な元素であり、少なくとも0.40%以上含
有させる必要がある。
しかし、Siは固溶強度化作用によって冷間鍛造性を害す
る元素であもありその上限を1.10%とした。MnはSiと同
様に製鋼時の脱酸に必要な元素であり、磁気特性を損う
ことのない範囲とし、その上限を0.50%とした。
る元素であもありその上限を1.10%とした。MnはSiと同
様に製鋼時の脱酸に必要な元素であり、磁気特性を損う
ことのない範囲とし、その上限を0.50%とした。
Crはステンレス鋼の耐食性を付与する基本的な元素であ
り、少なくとも9.0 %以上含有させる必要がある。
り、少なくとも9.0 %以上含有させる必要がある。
しかしながら、その含有量が増加すると磁束密度など磁
気特性を損うのでその上限を19.0%とした。なお、磁性
特性をより向上させるためには、好ましくは14.0%以下
にすることが望ましい。
気特性を損うのでその上限を19.0%とした。なお、磁性
特性をより向上させるためには、好ましくは14.0%以下
にすることが望ましい。
Alは磁気特性と電気抵抗を改善する元素であり、特にSi
との複合添加による相乗効果によって電気抵抗を大巾に
向上する元素であり、これらの効果を得るには少なくと
も0.31%以上含有させる必要があり、その下限を0.31%
とした。
との複合添加による相乗効果によって電気抵抗を大巾に
向上する元素であり、これらの効果を得るには少なくと
も0.31%以上含有させる必要があり、その下限を0.31%
とした。
しかし、0.60%を越えてAlを含有すると本発明の優れた
冷間鍛造性を損うので上限を0.60%とした。
冷間鍛造性を損うので上限を0.60%とした。
Sは少量の添加によって被削性を著しく改善する元素で
あり、少なくとも0.010 %以上含有させる必要がある。
しかし、S量を多く含有させると冷間鍛造性、耐食性を
損うので上限を0.030 %とした。
あり、少なくとも0.010 %以上含有させる必要がある。
しかし、S量を多く含有させると冷間鍛造性、耐食性を
損うので上限を0.030 %とした。
Pbは被削性を改善する元素であり、特にSとの複合添加
によって優れた被削性が得られるもので、少なくとも0.
10%以上含有させる必要がある。
によって優れた被削性が得られるもので、少なくとも0.
10%以上含有させる必要がある。
しかし、Pbを多く含有させる冷間鍛造性、熱間加工性を
損うので上限を0.30%とした。
損うので上限を0.30%とした。
Tiは最大透過率、磁束密度、保磁力などの磁気特性を大
巾に改善するとともにC+N量が0.04%以下と極低減に
おいては、C+Nを微細な炭窒化物に固定化することに
よって、引張り強さ、限界加工率などの冷間鍛造性を大
巾に改善する元素であり、本発明においては最も重要な
元素である。これらの効果を得るには少なくとも0.02%
以上含有させる必要があり、その下限を0.02%とした。
巾に改善するとともにC+N量が0.04%以下と極低減に
おいては、C+Nを微細な炭窒化物に固定化することに
よって、引張り強さ、限界加工率などの冷間鍛造性を大
巾に改善する元素であり、本発明においては最も重要な
元素である。これらの効果を得るには少なくとも0.02%
以上含有させる必要があり、その下限を0.02%とした。
なお、より優れた磁気特性、冷間鍛造性を得るにはC+
N量の3倍を目標に添加すべきであり、0.05%以上含有
させることが望ましい。
N量の3倍を目標に添加すべきであり、0.05%以上含有
させることが望ましい。
しかし、0.25%以上のTiを含有させてもその効果が飽和
するので、上限を0.25%とした。
するので、上限を0.25%とした。
ZrはMnS を球状化して、冷間鍛造性を改善する元素であ
り、少なくとも0.02%以上含有させる必要がある。しか
し、Zrを多く含有させると介在物量が増加し、冷間鍛造
性を損うので上限を0.10%とした。
り、少なくとも0.02%以上含有させる必要がある。しか
し、Zrを多く含有させると介在物量が増加し、冷間鍛造
性を損うので上限を0.10%とした。
NはCと同様に固溶強化作用によって冷間鍛造性を損う
元素であり、本発明においてはできるだけ低下させるこ
とが望ましくその上限を0.03%以下とした。
元素であり、本発明においてはできるだけ低下させるこ
とが望ましくその上限を0.03%以下とした。
なお、冷間鍛造性をより向上させるには0.020%以下に
することが望ましい。
することが望ましい。
C+Nはいずれも固溶強化作用によって冷間鍛造を損う
元素である。本発明においては引張り強さ40.0kgf /m
m2以下、限界加工率50%以上と優れた冷間鍛造性を得る
ことを目的とするものであり、C+N量をできるだけ低
下させることが必要であり、上限を0.04%とした。
元素である。本発明においては引張り強さ40.0kgf /m
m2以下、限界加工率50%以上と優れた冷間鍛造性を得る
ことを目的とするものであり、C+N量をできるだけ低
下させることが必要であり、上限を0.04%とした。
Si+Alはいずれも磁気特性、電気特性を改善する元素で
あるが、多く含有させると冷間鍛造性を損う元素でもあ
り、本発明は優れた冷間鍛造性を得ることを目的とする
ものであり、Si+Alの上限を1.35%とした。
あるが、多く含有させると冷間鍛造性を損う元素でもあ
り、本発明は優れた冷間鍛造性を得ることを目的とする
ものであり、Si+Alの上限を1.35%とした。
Se、Ca、Teはいずれも被削性を改善する元素である。よ
り優れた被削性を得るにはSeは0.010 %、Caは0.002
%、Teは0.01%以上含有させる必要があり、その下限を
Se 0.010%、Ca 0.002%、Te 0.01%とした。
り優れた被削性を得るにはSeは0.010 %、Caは0.002
%、Teは0.01%以上含有させる必要があり、その下限を
Se 0.010%、Ca 0.002%、Te 0.01%とした。
しかし、Teを0.20%越えて含有させると磁気特性、冷間
鍛造性を害し、かつSeを0.050 %を越えて含有させると
耐食性、冷間鍛造性を損い、さらにCaは0.02%を越えて
含有させると冷間鍛造性を損うので、その上限をSe 0.0
50%、Ca 0.02 %、Te 0.20 %とした。
鍛造性を害し、かつSeを0.050 %を越えて含有させると
耐食性、冷間鍛造性を損い、さらにCaは0.02%を越えて
含有させると冷間鍛造性を損うので、その上限をSe 0.0
50%、Ca 0.02 %、Te 0.20 %とした。
(実施例) つぎに本発明鋼の特徴を従来鋼、比較鋼と比べて実施例
でもって明らかにする。
でもって明らかにする。
第1表はこれらの供試鋼の化学成分を示すものである。
第1表においてA〜P鋼は本発明鋼で、Q〜W鋼は比較
鋼で、X〜Z鋼は従来鋼である。
鋼で、X〜Z鋼は従来鋼である。
第2表は第1表の供試鋼について、900 ℃×2Hr保持
し、ついで冷却速度100 ℃/Hrという熱処理を施したA
〜Z鋼の引張り強さ、限界加工率、磁束密度、保磁力、
耐食性、電気抵抗、被削性を示したものである。
し、ついで冷却速度100 ℃/Hrという熱処理を施したA
〜Z鋼の引張り強さ、限界加工率、磁束密度、保磁力、
耐食性、電気抵抗、被削性を示したものである。
引張り強さについては、JIS 4 号試験片を用いて測定し
たものであり、限界加工率については、日本塑性加工学
会冷間鍛造分科会基準、冷間据込み性試験方法(暫定基
準)にもとづいて、試験片として直径14φ、高さ21mm、
ノッチ付を用い、圧縮試験を行い割れ発生率50%時の据
込率を測定したものである。磁気特性については、直流
型BHトレーサーを用いて、試験片として外径24φ、内径
16φ、厚さ16mmのリングを作製し、磁束密度、保磁力を
測定したものである。
たものであり、限界加工率については、日本塑性加工学
会冷間鍛造分科会基準、冷間据込み性試験方法(暫定基
準)にもとづいて、試験片として直径14φ、高さ21mm、
ノッチ付を用い、圧縮試験を行い割れ発生率50%時の据
込率を測定したものである。磁気特性については、直流
型BHトレーサーを用いて、試験片として外径24φ、内径
16φ、厚さ16mmのリングを作製し、磁束密度、保磁力を
測定したものである。
また、耐食性については、5%NaCl、35℃水溶液にて塩
水噴霧試験を行いその発銹率を測定し発銹率が5〜25
%以下のものを〇とし、発銹率が25%以上のものを×
とした。電気抵抗にについてはホイーストンブッジ法に
より試験片として1.2 φ×500 mm線を用いて測定したも
のである。
水噴霧試験を行いその発銹率を測定し発銹率が5〜25
%以下のものを〇とし、発銹率が25%以上のものを×
とした。電気抵抗にについてはホイーストンブッジ法に
より試験片として1.2 φ×500 mm線を用いて測定したも
のである。
被削性については、10mm厚の試験片を用いて回転数725
r.p.m 、ドリルSKH 5 φ、荷重4kgで穿孔試験を行い、
穴明けに要する時間を測定したものである。
r.p.m 、ドリルSKH 5 φ、荷重4kgで穿孔試験を行い、
穴明けに要する時間を測定したものである。
第2表より知られるように、従来鋼であるX鋼は耐食性
ついては優れているが、磁束密度が12,100Gと磁気特性
については低いものであり、また、必要量のTiを含有
しないことによって引張り強さが47kgf /mm2、限界加
工率が44%と冷間鍛造性についても劣るものであり、さ
らに電気抵抗、被削性について劣るものである。
ついては優れているが、磁束密度が12,100Gと磁気特性
については低いものであり、また、必要量のTiを含有
しないことによって引張り強さが47kgf /mm2、限界加
工率が44%と冷間鍛造性についても劣るものであり、さ
らに電気抵抗、被削性について劣るものである。
また、Y鋼はAl量が0.20%と低く、かつ必要量のTiを含
有していないため磁束密度などの磁気特性、電気特性に
ついては劣るものであり、かつ引張り強さが45kgf /m
m2と冷間鍛造性についても劣るものであり、さらにS量
が低いことによって被削性についても劣るものである。
さらに、Z鋼についてはY鋼と同様にAl量が低く、かつ
必要量のTiを含有していないので、電磁気特性、冷間鍛
造性が劣るものである。
有していないため磁束密度などの磁気特性、電気特性に
ついては劣るものであり、かつ引張り強さが45kgf /m
m2と冷間鍛造性についても劣るものであり、さらにS量
が低いことによって被削性についても劣るものである。
さらに、Z鋼についてはY鋼と同様にAl量が低く、かつ
必要量のTiを含有していないので、電磁気特性、冷間鍛
造性が劣るものである。
また、比較鋼であるQ鋼はZrを含有しないことにによっ
て冷間鍛造性、被削性が劣り、他方0.10% を越えて含有
するR鋼は冷間鍛造性が低下している。
て冷間鍛造性、被削性が劣り、他方0.10% を越えて含有
するR鋼は冷間鍛造性が低下している。
S鋼はPbを含有しないことによって被削性が劣る一方、
T鋼は0.30% を越えているために被削性は大幅に改善さ
れているものの冷間鍛造性は劣っている。
T鋼は0.30% を越えているために被削性は大幅に改善さ
れているものの冷間鍛造性は劣っている。
U鋼は S含有量が0.005%と低いことにによって被削性が
劣る一方、V鋼は0.042%と多量に含有するために被削性
は大幅に改善されているものの耐食性、冷間鍛造性が劣
っている。
劣る一方、V鋼は0.042%と多量に含有するために被削性
は大幅に改善されているものの耐食性、冷間鍛造性が劣
っている。
W鋼は必要量のTiを含有しないことによって磁気特性、
冷間鍛造性、被削性が劣るものである。
冷間鍛造性、被削性が劣るものである。
(本発明の効果) これらに対して本発明鋼であるA〜P鋼は、C、N等の
固溶強化作用によって冷間鍛造性を劣化させる元素の含
有量を極力低下させるとともに0.02〜0.25%のTi、0.40
〜0.40〜1.10%のSi、0.31〜0.60%のAl、0.50%以下の
Mn、9.0 〜19.0%のCr、0.010〜0.030 %のS、0.10〜
0.30%のPb、0.02〜0.10 %のZrを含有させたことによって引張り強さが40kgf /
mm2以下、限界加工率が50%以上と優れた冷間鍛造性を
有しており、磁気特性についても磁束密度13000 G 以
上、かつ保磁力が1.2 Oe以下と優れており、さらに、耐
食性、電気抵抗、被削性についても優れているものであ
る。
固溶強化作用によって冷間鍛造性を劣化させる元素の含
有量を極力低下させるとともに0.02〜0.25%のTi、0.40
〜0.40〜1.10%のSi、0.31〜0.60%のAl、0.50%以下の
Mn、9.0 〜19.0%のCr、0.010〜0.030 %のS、0.10〜
0.30%のPb、0.02〜0.10 %のZrを含有させたことによって引張り強さが40kgf /
mm2以下、限界加工率が50%以上と優れた冷間鍛造性を
有しており、磁気特性についても磁束密度13000 G 以
上、かつ保磁力が1.2 Oe以下と優れており、さらに、耐
食性、電気抵抗、被削性についても優れているものであ
る。
上述のように、本発明鋼はC、Nの含有量を極力低減さ
せるとともに適量のTiを含有させ、かつSi、Mnの上限を
規制することによって磁気特性を損うことなく冷間鍛造
性を改善したものであり、S、Pb、Zrの複合添加によよ
り冷間鍛造性を損うことなく被削性を改善し、さらに適
量のCrとTiを含有させることによって耐食性についても
優れており、本発明鋼は電磁バルブ、電磁クラッチ、内
燃機関の電子燃料噴射装置等に適した冷間鍛造用軟磁性
ステンレス鋼であり高い実用性を有するものである。
せるとともに適量のTiを含有させ、かつSi、Mnの上限を
規制することによって磁気特性を損うことなく冷間鍛造
性を改善したものであり、S、Pb、Zrの複合添加によよ
り冷間鍛造性を損うことなく被削性を改善し、さらに適
量のCrとTiを含有させることによって耐食性についても
優れており、本発明鋼は電磁バルブ、電磁クラッチ、内
燃機関の電子燃料噴射装置等に適した冷間鍛造用軟磁性
ステンレス鋼であり高い実用性を有するものである。
第1図は磁束密度とSi、Ti量との関係を示した線図で、
第2図は限界加工率とSi、Ti,Zr量との関係を示した線
図で、第3図は限界加工率とZr/S,Sとの関係を示し
た線図で、第4図は比電気抵抗の増加量とAl、Si量との
関係を示した線図である。
第2図は限界加工率とSi、Ti,Zr量との関係を示した線
図で、第3図は限界加工率とZr/S,Sとの関係を示し
た線図で、第4図は比電気抵抗の増加量とAl、Si量との
関係を示した線図である。
Claims (2)
- 【請求項1】重量比にしてC 0.03 %以下、 Si 0.40〜
1.10%、Mn 0.05 %以下、Cr 9.0〜19.0%、Al 0.31〜
0.60%、S 0.010〜0.030 %、Pb 0.10 〜0.30%、Ti
0.02 〜0.25%、Zr 0.02 〜0.10%、N 0.03 %以下含
有し、かつC+N 0.040%以下、Si+Al 1.35 %以下
で、残部Feならびに不純物元素からなることを特徴とす
る冷間鍛造用軟磁性ステンレス鋼。 - 【請求項2】重量比にしてC 0.03 %以下、Si 0.40〜
1.10%、Mn 0.05 %以下、Cr 9.0〜19.0%、Al 0.31〜
0.60%、S 0.010〜0.030 %、Pb 0.10 〜0.30%、Ti
0.02 〜0.25%、Zr 0.02 〜0.10%、N 0.03 %以下含
有し、かつC+N 0.040%以下、Si+Al 1.35 %以下
で、さらにSe 0.010〜0.050%、Ca 0.002〜0.02%、Te
0.01 〜0.20%のうち1種ないし2種以上を含有し、残
部Feならびに不純物元素からなることを特徴とする冷間
鍛造用軟磁性ステンレス鋼。
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- 1985-07-24 JP JP60163747A patent/JPH0627303B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
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- 1986-07-18 US US06/886,675 patent/US4714502A/en not_active Expired - Fee Related
- 1986-07-24 DE DE3624969A patent/DE3624969C2/de not_active Expired - Fee Related
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---|---|
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US4714502A (en) | 1987-12-22 |
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DE3624969A1 (de) | 1987-01-29 |
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