JPH062727B2 - 新規な二官能性ペルフルオロ化合物及びその製造方法 - Google Patents

新規な二官能性ペルフルオロ化合物及びその製造方法

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JPH062727B2
JPH062727B2 JP2030916A JP3091690A JPH062727B2 JP H062727 B2 JPH062727 B2 JP H062727B2 JP 2030916 A JP2030916 A JP 2030916A JP 3091690 A JP3091690 A JP 3091690A JP H062727 B2 JPH062727 B2 JP H062727B2
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fluoride
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隆 阿部
永二 林
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は新規な二官能性ペルフルオロ化合物であるヨウ
化ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリド及びその
製造方法に関するものである。さらに詳しくいえば、本
発明は、例えば界面活性剤、農薬、医薬品、フッ素系ア
イオノマーなどのフッ素含有製品の合成中間体として、
あるいはヨウ素光解離レーザーの素材などとして有用な
二官能性ペルフルオロ化合物及びこのものを容易に入手
しうる原料を用いて、高収率で経済的に有利に製造する
方法に関するものである。
従来の技術 従来、ペルフルオロアルキルヨージド類は、ペルフルオ
ロアルキル基とヨウ素との結合が比較的弱く、熱や光に
より容易にその結合が開裂することから、ペルフルオロ
アルキル基を導入するための化合物として知られてお
り、例えば界面活性剤、農薬、医薬品などのフッ素含有
製品の合成原料として用いられている。
一方、ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリドはそ
の官能基(SO2F基)を利用することによりフッ素系界面
活性剤に誘導することができるので、該界面活性剤の合
成原料として重要である。
したがって、同一ペルエフルオロアルキル基上に反応基
としてCF2I基及びSO2Fを持たせると、これらの両反応基
を巧みに利用することによりフッ素系素材としての幅広
い展開が可能となる。
これまで、これらの反応基を有する化合物としては、ペ
ルフルオロスルトンとテトラフルオロエチレンとのオリ
ゴマー化反応による化合物(A)、さらに化合物(A)をテロ
ゲンとして利用したテトラフルオロエチレンとのオリゴ
マー化反応による炭素鎖伸長生成物(B)が知られてい
る。〔J.Fluorine Chem.,19{1982)p.403;"Synthesis An
d Application of Axa-Perfluoroalkane Sulfonic Acids",Shanhai Inst. of Org. Chem., Scien
tia Sinica,21(1978)p.773〕。
(A)+nCF2=CF2→I(CF2CF2)nCF2CF2OCF2CF2SO2F (B) しかしながら、これらの化合物は分子中にエーテル結合
を有するため、α‐炭素上の炭素‐フッ素結合が比較的
弱くなり、例えば食塩電解用のイオノマーの原料とした
場合は、ペルフルオロカーボン鎖が裂断しやすくなるた
め、利用範囲が制限されるのを免れない。
発明が解決しようとする課題 本発明は、種々の含フッ素化合物の合成原料やヨウ素光
解離レーザー(ソーラーポンプトレーザー)の新素材と
して有用な新規な二官能性ペルフルオロ化合物であるヨ
ウ化ペルフルオロアルカンスルホニルフルオリド及びこ
のものを容易に入手しうる原料を用いて、簡単な操作で
収率よく製造する方法を提供することを目的としてなさ
れたものである。
課題を解決するための手段 本発明者らは、新素材として有用なヨウ化ペルフルオロ
アルカンスルホニルフルオリドを開発するために鋭意研
究を重ねた結果、原料としてフルオロスルホニル基を含
有するペルブルオロカルボン酸フルオリド又はペルフル
オロ‐β‐スルトンとヨウ化リチウムとを用い、この混
合物を加熱処理することにより、フルオロスルホニル基
をそのまま分子中に保持した新規なヨウ化ペルフルオロ
アルカンが得られることを見出し、この知見に基いて本
発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一般式 FSO2−CnF2n−I …(I) (式中のnは2〜5の整数である) で表わされるヨウ化ペルフルオロアルカンスルホニルフ
ルオリドを提供するものである。
本発明方法に従えば、この式(I)の二官能性ペルフルオ
ロ化合物は、一般式 (式中のnは2〜5の整数である) で表わされるペルフルオロカルボン酸フルオリド、又は
一般式 で表わされるペルフルオロ‐β‐スルトン類と、ヨウ化
リチウムとを、100〜300℃の温度において反応させるこ
とにより、製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明方法において原料として用いられる前記一般式(I
I)で表わされるω(フルオロスルホニル)ペルフルオロ
カルボン酸フルオリドとしては、例えばFSO2−CF2CF2
COF、FSO2−CF2CF2CF2−COF、FSO2−CF2CF2CF2CF2−CO
F、FSO2−CF(CF3)−COF、FSO2−CF(C2F5)−COF、FSO2
CF(C3F7)−COFなどを挙げることができる。
また、同様に原料として用いられる一般式(III)で表わ
されるペルフルオロ‐β‐スルトンとしては、例えば、 などを挙げることができる。
一方、本発明方法において他方の原料として用いられる
ヨウ化リチウムは無水物であってもよいし、また水和物
であってもよいが、目的化合物の収率及び純度の点から
無水物の方が好ましい。このヨウ化リチウムの使用量
は、化学量論量あるいはそれよりやや過剰量であるのが
好ましく、例えば一方の原料であるω‐(フルオロスル
ホニル)ペルフルオロカルボン酸フルオリド又はペルフ
ルオロ‐β‐スルトン1モルに対し、1.2〜1.5モルの範
囲で選ぶのが有利である。
本発明方法において、反応温度、100〜300℃、好ましく
は150〜230℃の範囲の温度で選ばれる。この温度が100
℃未満では転化率が低すぎて実用的でないし、300℃を
超えると分解などの副反応が生じるようになり、好まし
くない。反応時間は原料の種類や処理温度などによって
左右され、一概に定めることはできないが、一般に5秒
ないし24時間程度である。
さらに、反応は減圧下、大気圧下、加圧下のいずれの圧
力下においても行うことができるし、またバッチ式又は
連続式のいずれの方法も可能である。また、該反応にお
いては、反応形態に応じて、窒素、ヘリウム、アルゴ
ン、二酸化炭素などの不活性ガウや、ヨウ化リチウムと
反応しないペルフルオロカーボンなどの不活性液体を希
釈剤として用いてもよい。この場合、希釈倍率として
は、100倍以下が好ましい。
該反応を連続式に行う場合には、所定温度に保持された
ヨウ化リチウム充填層に、原料のω‐(フルオロスルホ
ニル)ペルフルオロカルボン酸フルオリド又はペルフル
オロ‐β‐スルトンを連続的に供給して反応させること
により、容易に相当するヨウ化ペルフルオロアルカンス
ルホニルフルオリドを得ることができる。反応器の材質
については特に制限はないが、通常ステンレス製のもの
やハステロイ製のものが用いられる。また、該充填層の
形式については特に制限はなく、固定床、移動床、流動
床など、いずれの形式のものも用いることができる。
発明の作用、効果 本発明方法によると、容易に入手しうるω‐(フルオロ
スルホニル)ペルフルオロカルボン酸フルオリド又はペ
ルフルオロ‐β‐スルトンを原料に用いて、極めて簡単
なプロセスにより高収率で二官能性化合物であるフルオ
ロスルホニル基をもつ含フッ素アルキルヨージドを得る
ことができるので、該方法は二官能性ペルフルオロ化合
物類の工業的製法として有用である。
また、本発明の二官能性ペルフルオロ化合物類は文献未
載の新規化合物であって、界面活性剤、農薬、医薬品な
どのフッ素含有製品の合成原料として工業的価値の極め
て高いものである。特に、以下の製造工程図に示すよう
に、界面活性作用に大きく影響する別種の官能基をもつ
界面活性剤を製造するための合成中間体として有用であ
る。
さらに、本発明化合物の中で は紫外線吸収極大が長波数側にシフトしており(λmax
=288nm,ε=275・mol-1・cm-1)、ヨウ素光解離レー
ザー(ソーラーポンプトレーザー)としての利用が可能
である。
実施例 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらの例によってなんら限定されるものでは
ない。
実施例1 原料としてプロパンスルトンを電解フッ素化して得た生
成物をそのまま用いた。この生成物には、ペルフルオロ
(3-フルオロスルホニルプロピオニルフルオリド)が50.
9wt%含まれていた。
先ず、無水ヨウ化リチウム1.87gを含む30ml容量のス
テンレス製反応器に前記生成物4.15g〔この中にペルフ
ルオロ(3-フルオロスルホニルプロピオニルフルオリ
ド)2.11gを含有〕を仕込み、脱気後180℃で約5時間反
応させた。反応後、先ず反応器を−78℃に冷却しなが
らニードル弁を開いて低沸点分(主として一酸化炭素)
を大気中に放出させたのち、室温で残留する反応生成物
を真空ライン操作により移送したところ、薄紫色の化合
物3.93gが得られた。このものをガスクロマトグラフィ
ー〔キャリヤーガス:He、液相:KeLF#9030%、担
体:60〜80メッシュ クロモソーブPAW〕、IR、19F
-NMR,Mass,元素分析(炭素)などにより分析したとこ
ろ、ペルフルオロ(2-ヨウ化エタンスルホニルフルオリ
ド)1.51gが得られた。その収率は仕込んだ原料に基づ
くと69.6モル%であった。
前記ペルフルオロ(2-ヨウ化エタンスルホニルフルオリ
ド)は新規化合物で、沸点94.5〜95.5℃、n▲20 D▼1.3
902、d▲20 D▼2.2167であり、室温では薄い紫色の液体
であった 該化合物の分光学的データは次のようである。19 FNMRデータ ケミカルシフト(ppm:CFCl3基準) −54.6 (t−d) −101.3 (d−t) 48.8 (t−t) (d:doublet,t:triplet) カップリングコンスタント(Hz) −=6.8 −=7.7 −=6.4 IRデータ asym ν(SO2):1467cm-1 実施例2 原料として2‐(フルオロスルホニル)テトラフルオロ
プロピオニルフルオリドを用いた以外は、実施例1と同
様にして反応を行った。
すなわち、2‐(フルオロスルホニル)テトラフルオロ
プロピオニルフルオリド3.89gと無水ヨウ化リチウム2.7
2gを75ml容量のモネル製反応器中で150℃で約7時間
反応させたところ、赤紫色の液体2.50gが得られた。こ
のものを実施例1と同様に分析したところ、1-ヨウ化テ
トラフルオロエタンスルホニルフルオリドが0.81g得ら
れた。その収率は仕込んだ原料に基づくと23.7モル%で
あった。
該化合物は文献未載の新規化合物で、その物性値は沸点
103.5〜104.0℃、n▲20 D▼1.4002、d▲20 4▼2.2832で
あり、室温では薄い色の液体であった。
該化合物の分光学的データは次のようである。
NMRデータ ケミカルシフト(ppm:CFCl3基準) −73.9 (d−d) −131.4 (q−d) 38.5 (q−d) (d:doublet,q:qualtet) カップリングコンスタント(Hz) −=13.0 −=11.7 −=5.1 IRデータ asym ν(SO2):1463cm-1 実施例3 原料として、式 で表わされる1,2,2‐トリフルオロ‐2‐ヒドロキシ‐
1‐トリフルオロメルエタンスルホン酸スルトンを用い
た以外は、実施例1と同様の方法で反応を行った。
すなわち、標記のβ‐スルトン2.7gと無水ヨウ化リチ
ウム2.44gを30mlステンレス製反応器中で100℃で20時間
反応させたところ、赤紫色液状反応生成物が1.80g得ら
れた。このものを実施例1と同様に分析したところ、1
‐ヨウ化テトラフルオロエタンスルホニルフルオリドが
0.86g得られた。その収率は、仕込んだ原料基準で23.5
モル%であった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 FSO2−CnF2n−I (式中のnは2〜5の整数である) で表わされるヨウ化ペルフルオロアルカンスルホニルフ
    ルオリド。
  2. 【請求項2】一般式 (式中のnは2〜5の整数である) で表わされるペルフルオロカルボン酸フルオリドとヨウ
    化リチウムとを、100〜300℃の温度において反応させる
    ことを特徴とする請求項1記載のヨウ化ペルフルオロア
    ルカンスルホニルフルオリドの製造方法。
  3. 【請求項3】一般式 (式中のmは1〜3の整数である) で表わされるペルフルオロ‐β‐スルトン類と、ヨウ化
    リチウムとを、100〜300℃の温度において反応させるこ
    とを特徴とする請求項1記載のヨウ化ペルフルオロアル
    カンスルホニルフルオリドの製造方法。
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