JPH06272747A - 車両用歯車及びその表面硬化処理方法 - Google Patents
車両用歯車及びその表面硬化処理方法Info
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- JPH06272747A JPH06272747A JP5892593A JP5892593A JPH06272747A JP H06272747 A JPH06272747 A JP H06272747A JP 5892593 A JP5892593 A JP 5892593A JP 5892593 A JP5892593 A JP 5892593A JP H06272747 A JPH06272747 A JP H06272747A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 歯面の亀裂を防いで疲労強度及び耐衝撃性の
高い車両用歯車を提供する。 【構成】 歯車1の歯先面2に深さD1の焼入れ層11
を形成する一方、歯車1の歯底面3に深さD2の焼入れ
層12を形成し、深さD2を深さD1より浅く設定すると
ともに、歯車1の歯面4に形成する焼入れ層13の深さ
を高周波焼入れにより歯先面2から歯底面3に向けて漸
次減少させる。
高い車両用歯車を提供する。 【構成】 歯車1の歯先面2に深さD1の焼入れ層11
を形成する一方、歯車1の歯底面3に深さD2の焼入れ
層12を形成し、深さD2を深さD1より浅く設定すると
ともに、歯車1の歯面4に形成する焼入れ層13の深さ
を高周波焼入れにより歯先面2から歯底面3に向けて漸
次減少させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用のトランスミッ
ションなどの動力伝達装置に用いられる歯車の改良及び
その処理方法に関する。
ションなどの動力伝達装置に用いられる歯車の改良及び
その処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両のトランスミッションなどの動力伝
達装置に使用される歯車は機械構造用の鋼により形成さ
れ、ホブ切りなどの塑性加工後に耐摩耗性を向上させる
ために熱処理による表面硬化処理を施しており、ガス滲
炭法等による滲炭処理を加えて表層部に炭素含有率を向
上させた滲炭層を形成するとともに、拡散処理を施して
表層部に加えられた炭素を拡散した後に、表層部に形成
した滲炭層に油焼入れを加える。この油焼入れによって
表層部を表面硬化させることで耐摩耗性を向上させた車
両用歯車が知られている。
達装置に使用される歯車は機械構造用の鋼により形成さ
れ、ホブ切りなどの塑性加工後に耐摩耗性を向上させる
ために熱処理による表面硬化処理を施しており、ガス滲
炭法等による滲炭処理を加えて表層部に炭素含有率を向
上させた滲炭層を形成するとともに、拡散処理を施して
表層部に加えられた炭素を拡散した後に、表層部に形成
した滲炭層に油焼入れを加える。この油焼入れによって
表層部を表面硬化させることで耐摩耗性を向上させた車
両用歯車が知られている。
【0003】さらに、滲炭後の焼入れ深さが歯車の曲げ
疲労強度に影響を与えることが知られており、特に、歯
底面の焼入れ層を浅く形成したほうが曲げ疲労強度を向
上させるため、滲炭処理の以前に歯底面に防炭処理(薬
品などによりマスクを形成して金属表面からの炭素の浸
透を防止する処理)を施して歯底面の焼入れ深さを浅く
して曲げ疲労強度を向上させた車両用歯車も知られてい
る。
疲労強度に影響を与えることが知られており、特に、歯
底面の焼入れ層を浅く形成したほうが曲げ疲労強度を向
上させるため、滲炭処理の以前に歯底面に防炭処理(薬
品などによりマスクを形成して金属表面からの炭素の浸
透を防止する処理)を施して歯底面の焼入れ深さを浅く
して曲げ疲労強度を向上させた車両用歯車も知られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の車両用歯車では、歯底面の焼入れ層を浅く形成する
一方、歯面には歯底面の焼入れ層より深い均一な焼入れ
層を形成するため、滲炭処理によってすべての歯底面に
高精度の焼入れ層を形成することは工業的に困難であっ
た。
来の車両用歯車では、歯底面の焼入れ層を浅く形成する
一方、歯面には歯底面の焼入れ層より深い均一な焼入れ
層を形成するため、滲炭処理によってすべての歯底面に
高精度の焼入れ層を形成することは工業的に困難であっ
た。
【0005】そこで本発明は、歯面の亀裂を防いで曲げ
疲労強度の高い車両用歯車を提供するとともに、工業的
に実用性の高い車両用歯車の製造方法を提供する。
疲労強度の高い車両用歯車を提供するとともに、工業的
に実用性の高い車両用歯車の製造方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、歯車の歯先面
に第1の深さの焼入れ層を形成する一方、前記歯車の歯
底面に第2の深さの焼入れ層を形成し、前記第2の深さ
を前記第1の深さより浅く形成するとともに、前記歯車
の歯面に形成する焼入れ層の深さを前記歯先面から歯底
面に向けて漸次減少させる。
に第1の深さの焼入れ層を形成する一方、前記歯車の歯
底面に第2の深さの焼入れ層を形成し、前記第2の深さ
を前記第1の深さより浅く形成するとともに、前記歯車
の歯面に形成する焼入れ層の深さを前記歯先面から歯底
面に向けて漸次減少させる。
【0007】また、炭素鋼に歯切り加工を加えて所定の
車両用歯車を形成する第1工程と、前記車両用歯車に滲
炭処理を加える第2工程と、前記車両用歯車に拡散処理
を加える第3工程と、前記車両用歯車の焼ならしを行う
第4工程と、前記車両用歯車の歯先面から所定の間隔で
配設したコイルにより高周波焼入れを加える第5工程と
を結合する。
車両用歯車を形成する第1工程と、前記車両用歯車に滲
炭処理を加える第2工程と、前記車両用歯車に拡散処理
を加える第3工程と、前記車両用歯車の焼ならしを行う
第4工程と、前記車両用歯車の歯先面から所定の間隔で
配設したコイルにより高周波焼入れを加える第5工程と
を結合する。
【0008】
【作用】したがって、歯底面の焼入れ層を歯先面の焼入
れ層より浅い第2の深さにより形成するとともに、歯面
の焼入れ層の深さを歯先面から歯底面に向けて漸次減少
させたため、歯面の曲げ方向への疲労強度(以下曲げ疲
労強度)及び耐衝撃性を向上することが可能となり、亀
裂の発生を防止しながら歯面の耐摩耗性を確保すること
ができる。
れ層より浅い第2の深さにより形成するとともに、歯面
の焼入れ層の深さを歯先面から歯底面に向けて漸次減少
させたため、歯面の曲げ方向への疲労強度(以下曲げ疲
労強度)及び耐衝撃性を向上することが可能となり、亀
裂の発生を防止しながら歯面の耐摩耗性を確保すること
ができる。
【0009】また、形成した車両用歯車に滲炭、拡散、
焼きならしを順次施してから歯先面から所定の間隔をお
いて配設したコイルにより高周波焼入れを加えるため、
車両用歯車の表面層は高い耐摩耗性を備える一方、コイ
ルに近接する歯先面が歯底面より優先的に加熱され、車
両用歯車の歯面に形成する焼入れ層の深さを歯先面から
歯底面に向けて漸次減少させることができ、これら焼入
れ層の深さをコイルと歯先面の間隔に応じて高精度で形
成可能なため、車両用歯車に高い曲げ疲労強度及び耐摩
耗性を備えた表面硬化層を形成することができる。
焼きならしを順次施してから歯先面から所定の間隔をお
いて配設したコイルにより高周波焼入れを加えるため、
車両用歯車の表面層は高い耐摩耗性を備える一方、コイ
ルに近接する歯先面が歯底面より優先的に加熱され、車
両用歯車の歯面に形成する焼入れ層の深さを歯先面から
歯底面に向けて漸次減少させることができ、これら焼入
れ層の深さをコイルと歯先面の間隔に応じて高精度で形
成可能なため、車両用歯車に高い曲げ疲労強度及び耐摩
耗性を備えた表面硬化層を形成することができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明を車両用の平歯車に適用した場
合の実施例を図1に示す。
合の実施例を図1に示す。
【0011】図1において、歯車1は車両のトランスミ
ッションなどに使用される所定の歯数の歯10を突設し
た平歯車で、歯底面3は所定の半径の歯底円上の所定の
幅に形成される一方、歯底円の外周の歯先円上には所定
の幅の歯先面2が突設され、歯先面2と歯底面3との間
には所定の曲率を備えた歯面4、4が形成される。
ッションなどに使用される所定の歯数の歯10を突設し
た平歯車で、歯底面3は所定の半径の歯底円上の所定の
幅に形成される一方、歯底円の外周の歯先円上には所定
の幅の歯先面2が突設され、歯先面2と歯底面3との間
には所定の曲率を備えた歯面4、4が形成される。
【0012】歯10の歯先面2の内部には表面から半径
方向の内側に向けて所定の深さD1の焼入れ層11が形
成される一方、歯底面3の内部には表面から同じく半径
方向の内側に向けて所定の深さD2の焼入れ層12が形
成される。なお、深さD1とD2は、D1>D2の関係を満
足する。
方向の内側に向けて所定の深さD1の焼入れ層11が形
成される一方、歯底面3の内部には表面から同じく半径
方向の内側に向けて所定の深さD2の焼入れ層12が形
成される。なお、深さD1とD2は、D1>D2の関係を満
足する。
【0013】さらに、歯先面2と歯底面3との間を接続
する歯面4の内部には焼入れ層11、12を接続する焼
入れ層13が形成される。この焼入れ層13は、歯先面
2の焼入れ層11と接続する位置で円周方向に深さD3
を備える一方、歯底面3の焼入れ層12と接続する位置
では同じく円周方向に深さD4を備えており、これら深
さD3、D4は、D1≒D3>D4≒D2の関係を満たしてい
る。
する歯面4の内部には焼入れ層11、12を接続する焼
入れ層13が形成される。この焼入れ層13は、歯先面
2の焼入れ層11と接続する位置で円周方向に深さD3
を備える一方、歯底面3の焼入れ層12と接続する位置
では同じく円周方向に深さD4を備えており、これら深
さD3、D4は、D1≒D3>D4≒D2の関係を満たしてい
る。
【0014】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
説明する。
【0015】歯先面2の内部に形成した焼入れ層11は
歯車1に形成された焼入れ層11〜13のうち最も深い
D1の深さを備えているため、歯先面2は充分表面を硬
化して耐摩耗性に優れる一方、歯底面3の内部に形成し
た焼入れ層12の深さD2は歯車1に形成された焼入れ
層11〜13のうち最も浅いため、歯先面2の硬化層
(焼入れ層)深さは低いが高い靭性を備えており、歯1
0に加わる曲げ方向の疲労強度を向上させることができ
る。
歯車1に形成された焼入れ層11〜13のうち最も深い
D1の深さを備えているため、歯先面2は充分表面を硬
化して耐摩耗性に優れる一方、歯底面3の内部に形成し
た焼入れ層12の深さD2は歯車1に形成された焼入れ
層11〜13のうち最も浅いため、歯先面2の硬化層
(焼入れ層)深さは低いが高い靭性を備えており、歯1
0に加わる曲げ方向の疲労強度を向上させることができ
る。
【0016】さらに、歯面4の内部に形成した焼入れ層
13は焼入れ層11と接続する位置で最も深いD3の深
さを備える一方、焼入れ層12と接続する位置で最も浅
いD4の深さを備えるため、歯面4の硬化層深さは歯先
面2から歯底面3に向けて漸次減少する。
13は焼入れ層11と接続する位置で最も深いD3の深
さを備える一方、焼入れ層12と接続する位置で最も浅
いD4の深さを備えるため、歯面4の硬化層深さは歯先
面2から歯底面3に向けて漸次減少する。
【0017】このため、歯車1が図示しない歯車と摺接
する摺接面4Aの図中下端と歯底面3との間の曲げ疲労
強度及び耐衝撃性を向上させて亀裂の発生を抑制するこ
とができ、歯車1が他の歯車に摺接する歯10の先端部
の焼入れ層11の深さを歯底面3の焼入れ層12の深さ
より増大させたため、歯10の耐摩耗性を確保するとと
もに耐久性を向上することができる。
する摺接面4Aの図中下端と歯底面3との間の曲げ疲労
強度及び耐衝撃性を向上させて亀裂の発生を抑制するこ
とができ、歯車1が他の歯車に摺接する歯10の先端部
の焼入れ層11の深さを歯底面3の焼入れ層12の深さ
より増大させたため、歯10の耐摩耗性を確保するとと
もに耐久性を向上することができる。
【0018】次に、上記歯先面2から歯底面3に向けて
焼入れ層11〜13の深さを漸次減少させる車両用歯車
の表面硬化処理方法を説明する。
焼入れ層11〜13の深さを漸次減少させる車両用歯車
の表面硬化処理方法を説明する。
【0019】まず、約0.2〜0.4%(重量比)の炭
素を含む鋼に歯切り加工を加えて所定の歯車1を形成し
た後に、歯車1に滲炭処理が加える。この滲炭処理は例
えばガス滲炭法等によって約920゜Cを所定時間保持
して行われる。
素を含む鋼に歯切り加工を加えて所定の歯車1を形成し
た後に、歯車1に滲炭処理が加える。この滲炭処理は例
えばガス滲炭法等によって約920゜Cを所定時間保持
して行われる。
【0020】滲炭処理が終了すると約850゜Cまで冷
却した後に所定時間この温度を保持する拡散処理を行っ
て、歯車の表層部に浸透した炭素を拡散させて焼入れ性
を向上させる。
却した後に所定時間この温度を保持する拡散処理を行っ
て、歯車の表層部に浸透した炭素を拡散させて焼入れ性
を向上させる。
【0021】次に、拡散処理が終了した後は、歯車1を
炉外に取り出して空気中で冷却する焼きならしが行われ
る。
炉外に取り出して空気中で冷却する焼きならしが行われ
る。
【0022】この焼きならし処理が終了した後に、歯車
1の外周にコイルを配設、又は予め配設したコイルの内
周に歯車1を配設して高周波焼入れを行う。
1の外周にコイルを配設、又は予め配設したコイルの内
周に歯車1を配設して高周波焼入れを行う。
【0023】この高周波焼入れは、歯車1の外周、すな
わち、歯先面2と図示しない環状のコイルとの間に所定
の間隙を設けてコイルに高周波電流を流すもので、高周
波電流は歯車1の表面、すなわち、歯先面2、歯面4、
歯底面3の表層部を流れて鋼の抵抗加熱により焼入れを
行う。
わち、歯先面2と図示しない環状のコイルとの間に所定
の間隙を設けてコイルに高周波電流を流すもので、高周
波電流は歯車1の表面、すなわち、歯先面2、歯面4、
歯底面3の表層部を流れて鋼の抵抗加熱により焼入れを
行う。
【0024】このとき、歯車1の表面を流れる高周波電
流の密度はコイルから遠ざかるに従って減少し、すなわ
ち、歯先面2から歯底面3に向かって徐々に電流密度が
減少するため加熱量も減少し、歯先面2は優先的に加熱
されて最も深いD1の焼入れ層11を形成する一方、歯
底面3には最も浅い焼入れ層12を形成し、歯面4には
歯先面2から歯底面3へ向けて深さがD3からD4へと漸
次減少した焼入れ層13を高精度で形成することがで
き、車両用歯車に高精度の表面硬化層を形成することが
可能となって、曲げ疲労強度を向上させた耐久性の高い
車両用歯車を提供することができる。
流の密度はコイルから遠ざかるに従って減少し、すなわ
ち、歯先面2から歯底面3に向かって徐々に電流密度が
減少するため加熱量も減少し、歯先面2は優先的に加熱
されて最も深いD1の焼入れ層11を形成する一方、歯
底面3には最も浅い焼入れ層12を形成し、歯面4には
歯先面2から歯底面3へ向けて深さがD3からD4へと漸
次減少した焼入れ層13を高精度で形成することがで
き、車両用歯車に高精度の表面硬化層を形成することが
可能となって、曲げ疲労強度を向上させた耐久性の高い
車両用歯車を提供することができる。
【0025】この焼入れ層11、12の深さD1、D
2は、電流の容量及び周波数等が同一の条件では歯先面
2と図示しないコイルとの間に設けた間隙によりD1>
D2の関係を保持しながら焼入れ層11〜13の深さD1
〜D4を高精度で変化させることが可能となり、要求さ
れる曲げ強度に応じて前記間隙を設定することにより所
望の曲げ疲労強度を備えた歯車1を容易に製造すること
ができる。
2は、電流の容量及び周波数等が同一の条件では歯先面
2と図示しないコイルとの間に設けた間隙によりD1>
D2の関係を保持しながら焼入れ層11〜13の深さD1
〜D4を高精度で変化させることが可能となり、要求さ
れる曲げ強度に応じて前記間隙を設定することにより所
望の曲げ疲労強度を備えた歯車1を容易に製造すること
ができる。
【0026】なお、上記実施例において焼入れ層11〜
13の深さD1〜D4をD1≒D3>D4≒D2の関係を満た
すよう設定したが、D1>D3>D4>D2としてもよい。
13の深さD1〜D4をD1≒D3>D4≒D2の関係を満た
すよう設定したが、D1>D3>D4>D2としてもよい。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、歯底面の
焼入れ層を歯先面の焼入れ層より浅い第2の深さで形成
するとともに、歯面の焼入れ層の深さを歯先面から歯底
面に向けて漸次減少させたため、歯先面から歯底面へ向
かって歯面の曲げ疲労強度及び耐衝撃性を漸次向上する
ことが可能となり、さらに、歯底面から歯先面へ向けて
漸次硬化層深さを増大でき、歯面に亀裂が発生すること
を防止しながら耐摩耗性を向上することができる。
焼入れ層を歯先面の焼入れ層より浅い第2の深さで形成
するとともに、歯面の焼入れ層の深さを歯先面から歯底
面に向けて漸次減少させたため、歯先面から歯底面へ向
かって歯面の曲げ疲労強度及び耐衝撃性を漸次向上する
ことが可能となり、さらに、歯底面から歯先面へ向けて
漸次硬化層深さを増大でき、歯面に亀裂が発生すること
を防止しながら耐摩耗性を向上することができる。
【0028】また、滲炭焼入れの後に歯先面とコイルと
の間に所定の間隔を備えて高周波焼入れを施したため、
歯車の歯面には歯先面から歯底面へ向けて深さが漸次減
少した焼入れ層を高精度で形成することができ、車両用
歯車に高精度の表面硬化処理を施すことが可能となっ
て、曲げ疲労強度及び耐摩耗性の高い車両用歯車を容易
に製造することが可能となる。
の間に所定の間隔を備えて高周波焼入れを施したため、
歯車の歯面には歯先面から歯底面へ向けて深さが漸次減
少した焼入れ層を高精度で形成することができ、車両用
歯車に高精度の表面硬化処理を施すことが可能となっ
て、曲げ疲労強度及び耐摩耗性の高い車両用歯車を容易
に製造することが可能となる。
【図1】本発明の実施例を示す歯車の断面図である。
1 歯車 2 歯先面 3 歯底面 4 歯面 11、12、13 焼入れ層
Claims (2)
- 【請求項1】 歯車の歯先面に第1の深さの焼入れ層を
形成する一方、前記歯車の歯底面に第2の深さの焼入れ
層を形成し、前記第2の深さを前記第1の深さより浅く
形成するとともに、前記歯車の歯面に形成する焼入れ層
の深さを前記歯先面から歯底面に向けて漸次減少させた
ことを特徴とする車両用歯車。 - 【請求項2】 炭素鋼に歯切り加工を加えて所定の車両
用歯車を形成する第1工程と、前記車両用歯車に滲炭処
理を加える第2工程と、前記車両用歯車に拡散処理を加
える第3工程と、前記車両用歯車の焼ならしを行う第4
工程と、前記車両用歯車の歯先面から所定の間隔で配設
したコイルにより高周波焼入れを加える第5工程とを結
合したことを特徴とする車両用歯車の表面硬化処理方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5892593A JPH06272747A (ja) | 1993-03-18 | 1993-03-18 | 車両用歯車及びその表面硬化処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5892593A JPH06272747A (ja) | 1993-03-18 | 1993-03-18 | 車両用歯車及びその表面硬化処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06272747A true JPH06272747A (ja) | 1994-09-27 |
Family
ID=13098413
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5892593A Pending JPH06272747A (ja) | 1993-03-18 | 1993-03-18 | 車両用歯車及びその表面硬化処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06272747A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6082852A (en) * | 1996-04-23 | 2000-07-04 | Fuji Xerox Co., Ltd | Recording apparatus, printer, and an ink tank therein |
GB2396592A (en) * | 2002-12-27 | 2004-06-30 | Lear Corp | Overhead storage system for a motor vehicle |
-
1993
- 1993-03-18 JP JP5892593A patent/JPH06272747A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6082852A (en) * | 1996-04-23 | 2000-07-04 | Fuji Xerox Co., Ltd | Recording apparatus, printer, and an ink tank therein |
GB2396592A (en) * | 2002-12-27 | 2004-06-30 | Lear Corp | Overhead storage system for a motor vehicle |
GB2396592B (en) * | 2002-12-27 | 2005-02-09 | Lear Corp | Overhead storage system for a motor vehicle |
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