JP3721522B2 - 車両車軸アセンブリに使用する歯車及びこの歯車を製造する方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は一般に歯車及び歯車を製造する方法、ことに車両車軸アセンブリに使用するのに適する歯車用改良された構造と、これを製造する方法に関する。
【0002】
車軸アセンブリは、多くの車両に一般的に使われる公知の構造のものである。このような車軸アセンブリは、車両のエンジンから1対の接地車輪に回転動力を伝えるようにした若干の部品を備えている。典型的には車軸アセンブリは、支持体内に回転可能に支えたケース内に配置した差動装置を備えている。この差動装置は、入力駆動軸(車両エンジンから延びる)と1対の出力車軸(各車両車輪に延びる)との間に連結してある。よく知られている方式では入力駆動軸による差動装置ケーシングの回転によって出力車軸の対応する回転が生ずる。差動装置は、入力軸から2本の出力軸にトルクを配分すると共にこのような各出力軸を若干の条件のもとで互いに異なる速度で回転する。従って車両が旋回を行う際にこの車両の両車輪にトルクが加えられ外側車輪を内側車輪より早く回転させる。
【0003】
駆動軸と差動装置ケースとの間の回転駆動連結は通常1対の互いにかみ合う歯車によって行う。典型的には、駆動軸の一端部にこれと一緒に回転するようにピニオン歯車を取付けると共に、差動装置ケースにこれと一緒に回転するようにリング・ギヤを取付ける。ピニオン歯車とリング・ギヤとは相互にかみあい、駆動軸の回転により差動装置を対応して回転させる。「車軸歯車」(axle gear)という用語は、これ等のピニオン歯車及びリング・ギヤを交換可能に指して言うように使用する。
【0004】
差動装置については、横軸を通常ケース内にこれと一緒に回転するように取付ける。1対のピニオンかみ合い歯車(pinion mate gears)は、横軸の各端部に回転自在に取付けてある。これ等のピニオンかみ合い歯車は、各車軸にスプラインばめした1対の側部歯車すなわちサイド・ギヤと協働する。すなわちケースを回転するときは、ピニオンかみ合い歯車は、各サイド・ギヤを回転させ、従って各車軸を回転させる。よく知られているように各ピニオンかみ合い歯車及びサイド・ギヤ車は、車両が直線に沿い走行するときは相対的には回転しない。しかし車両が旋回するときは、ピニオンかみ合い歯車及びサイド・ギヤは、外側車輪が内側車輪より早く回転できるように比較的わずかな量だけ回転する。「差動歯車」(differential gears)という用語はこの場合これ等のピニオン歯車及びサイド・ギヤを交換可能に指して言うように使用する。
【0005】
歯車を製造する方法の分野では、若干の所望の作動特性が得られるように歯車に種種の金属処理を施すことが知られている。種種の形式の歯車に施す公知の金属処理の1例ははだ焼きである。一般にはだ焼きした歯車は、その残りの内部領域(心と称する)よりかなり硬い比較的薄い外層(ケース(case)と称する)を特長とする。すなわちはだ焼きした歯車は、心にまで深く浸透するよりもむしろ、歯車の歯の輪郭に追従する硬化したケースを持つ。
【0006】
浸炭は、はだ焼き歯車に対しひんぱんに使われる金属処理法の1つである。一般に浸炭は、炭素に富んだふん囲気の存在のもとに歯車を比較的高い温度に加熱し次いで冷却するものである。歯車の加熱及び冷却により歯車全体[ケース(case)及び心(core)の両方]を硬化させる。心の硬化の程度は、とくに鋼内の炭素の初期含量と、歯車を加熱する温度と、冷却能(cooling rate)とに依存する。しかしケースに関しては、高温により炭素をふん囲気から歯車の表面に拡散させる。この炭素拡散により歯車のケースは、引続いて冷却するときに、この歯車の心より一層硬くなる。歯車内への炭素の浸透深さ(従ってはだ焼きしたケースの深さ)は、この歯車を処理する温度値とこのような処理の持続時間とに正比例する。
【0007】
【発明の概要】
本発明は、車両車軸アセンブリに使用するのに適する歯車用の改良された構造とこのような構造を製造する方法とに関する。初めにはだ焼きできる炭素鋼合金の棒状素材のビレットを、歯車用の所望の形状に形成する。次いでこの歯車を、浸炭によりはだ焼きする。この場合歯車は炭素に富んだふん囲気に比較的高い温度で所定の時限にわたり露出される。最後に歯車を急冷し焼戻しする。この方法により製造した歯車は、歯のピッチ線に沿って測ったときに、比較的薄く、歯元(root)の近くで測ったときの1つの歯の厚さの約2.5%ないし4.5%のケースを持つ。歯車のケースは、歯車の歯元心[root core](35RCないし50RC)に比べて比較的硬い(58RCないし63RC)。
【0008】
本発明の種種の目的及び利点は、添付図面による好適な実施例についての以下の説明から明らかである。
【0009】
【実施例】
図1にははだ焼きした歯車の一般構造を表わす歯車10の一部分を例示してある。歯車10にはその周辺のまわりに任意所望の形状又は構成を持つ複数の歯11(そのうち1つだけを示してある)を設けてある。歯車10は、比較的軟らかい内部心13を囲む比較的硬い外側ケース12を持つ。外側ケース12は、歯11のピッチ線で測った寸法14により示した厚さを持つ。歯11は、歯元半径(root radius)が歯11の面と合一する。歯11の長さに沿う中央位置で測った寸法15により指示された幅を持つ。この歯車10の一般構造は、車軸及び差動歯車を作る方法についての説明を通じて参照する。
【0010】
図2には、本発明により前記したような車軸歯車又は差動歯車を作る方法の流れ図を例示してある。初めに焼入れできる合金鋼の棒状原料(bar stock)たとえばSAE8625又は4320鋼を選定する。選定する原料は、このような歯車に通常選定する原料より幾分焼入れしやすい(合金又は炭素の増大した含量によって)。材料のビレットは棒状原料からせん断し歯車素材に鍜造する。この鍜造素材は次いで機械加工して歯車の所望の形状に形成する。若干の例では歯車は材料のビレットから直接機械加工してもよい。いずれの場合でも次いで歯を切削し歯車に形成する。この歯車は、すぐ歯かさ歯車形、まがり歯かさ歯車形又はハイポイド歯車の形状を持つように作る。
【0011】
機械加工した歯車10は次いで浸炭によりはだ焼き処理を行う。この浸炭は、歯車10を炭素に富んだ環境内で約1540°Fに約8時間にわたり加熱することにより行う。ただし温度及び持続時間は歯車の寸法によって変る。このような加熱により炭素が歯車10の表面に浸透して外側ケース12及び内部心13を生成する。歯車10の加熱により又その内部心13内の金属をオーステナイト状態に変える。次に浸炭歯車16は、これと油浴内で急冷することにより迅速に冷却する。この迅速な冷却により歯車10の金属をオーステナイト状態からマルテンサイト状態に変換する。最後に急冷によって歯車10内に生ずる内部応力は、この歯車を約350°Fで約1 1/2時間にわたり焼戻しすることにより解放する。
【0012】
この浸炭処理の結果として、歯車10の外側ケース12及び内部心13が共に硬化する。外側ケース12は58RCないし63RCの範囲内に硬化する。歯車を作るように選定した材料は公知の材料よりいくぶん硬化しやすいから歯元心すなわち内部心13はたとえば35RCないし50RCの範囲内に硬化する。又浸炭温度が従来使われている浸炭温度よりいくぶん低いので、歯車10内への炭素の浸透深さ[従ってその外側ケース12の厚さ]は公知の歯車より幾分薄い。従って外側ケース12の厚さ14は典型的には歯11の幅の2.5%ないし4.5%である。すなわち本発明方法により形成する歯車10は、比較的硬い内部心13を囲む比較的薄い外側ケース12を持つ。図3は図2に示した方法により作った歯車の特性を示す。
【0013】
すなわち図2に例示した本発明方法により作った歯車の外側ケース12は従来の方法により作られた歯車の外側ケースよりはるかに薄い。又本発明方法により作った歯車の内部心13は従来の方法により作られた歯車の内部心13よりはるかに硬い。この構造は歯11の曲げ荷重特性を向上させることが認められている。さらにこの向上は、歯11の接触荷重(contact load)特性すなわち表面摩耗(surface wear)特性を低下させないで得られる。すなわち本発明の歯車10は、著しく増大した歯の曲げ強さ、増大した衝撃抵抗及び伸長した疲労寿命を持つ。これ等はすべて歯11の接触応力又は表面摩耗抵抗の著しい変化をあまり伴わないで得られる。
【0014】
以下本発明の原理及び作用方式を好適な実施例について詳しく説明したが、本発明はなおその精神を逸脱しないで種種の変化変型を行うことができるのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較的軟らかい内部心を囲む比較的硬い外側ケースを持つ歯車の1枚の歯の縦断面図である。
【図2】本発明による歯車を製造する方法の流れ図である。
【図3】図2の方法により製造した歯車の特性を示す図表である。
【図4】図2及び図3に示す方法によつて作られた各歯車の特徴を例示する図表である。
【符号の説明】
10 車両車軸アセンブリ用の歯車
11 歯
12 外側ケース
13 歯元心(内部心)
14 内側ケースの厚さ
【産業上の利用分野】
本発明は一般に歯車及び歯車を製造する方法、ことに車両車軸アセンブリに使用するのに適する歯車用改良された構造と、これを製造する方法に関する。
【0002】
車軸アセンブリは、多くの車両に一般的に使われる公知の構造のものである。このような車軸アセンブリは、車両のエンジンから1対の接地車輪に回転動力を伝えるようにした若干の部品を備えている。典型的には車軸アセンブリは、支持体内に回転可能に支えたケース内に配置した差動装置を備えている。この差動装置は、入力駆動軸(車両エンジンから延びる)と1対の出力車軸(各車両車輪に延びる)との間に連結してある。よく知られている方式では入力駆動軸による差動装置ケーシングの回転によって出力車軸の対応する回転が生ずる。差動装置は、入力軸から2本の出力軸にトルクを配分すると共にこのような各出力軸を若干の条件のもとで互いに異なる速度で回転する。従って車両が旋回を行う際にこの車両の両車輪にトルクが加えられ外側車輪を内側車輪より早く回転させる。
【0003】
駆動軸と差動装置ケースとの間の回転駆動連結は通常1対の互いにかみ合う歯車によって行う。典型的には、駆動軸の一端部にこれと一緒に回転するようにピニオン歯車を取付けると共に、差動装置ケースにこれと一緒に回転するようにリング・ギヤを取付ける。ピニオン歯車とリング・ギヤとは相互にかみあい、駆動軸の回転により差動装置を対応して回転させる。「車軸歯車」(axle gear)という用語は、これ等のピニオン歯車及びリング・ギヤを交換可能に指して言うように使用する。
【0004】
差動装置については、横軸を通常ケース内にこれと一緒に回転するように取付ける。1対のピニオンかみ合い歯車(pinion mate gears)は、横軸の各端部に回転自在に取付けてある。これ等のピニオンかみ合い歯車は、各車軸にスプラインばめした1対の側部歯車すなわちサイド・ギヤと協働する。すなわちケースを回転するときは、ピニオンかみ合い歯車は、各サイド・ギヤを回転させ、従って各車軸を回転させる。よく知られているように各ピニオンかみ合い歯車及びサイド・ギヤ車は、車両が直線に沿い走行するときは相対的には回転しない。しかし車両が旋回するときは、ピニオンかみ合い歯車及びサイド・ギヤは、外側車輪が内側車輪より早く回転できるように比較的わずかな量だけ回転する。「差動歯車」(differential gears)という用語はこの場合これ等のピニオン歯車及びサイド・ギヤを交換可能に指して言うように使用する。
【0005】
歯車を製造する方法の分野では、若干の所望の作動特性が得られるように歯車に種種の金属処理を施すことが知られている。種種の形式の歯車に施す公知の金属処理の1例ははだ焼きである。一般にはだ焼きした歯車は、その残りの内部領域(心と称する)よりかなり硬い比較的薄い外層(ケース(case)と称する)を特長とする。すなわちはだ焼きした歯車は、心にまで深く浸透するよりもむしろ、歯車の歯の輪郭に追従する硬化したケースを持つ。
【0006】
浸炭は、はだ焼き歯車に対しひんぱんに使われる金属処理法の1つである。一般に浸炭は、炭素に富んだふん囲気の存在のもとに歯車を比較的高い温度に加熱し次いで冷却するものである。歯車の加熱及び冷却により歯車全体[ケース(case)及び心(core)の両方]を硬化させる。心の硬化の程度は、とくに鋼内の炭素の初期含量と、歯車を加熱する温度と、冷却能(cooling rate)とに依存する。しかしケースに関しては、高温により炭素をふん囲気から歯車の表面に拡散させる。この炭素拡散により歯車のケースは、引続いて冷却するときに、この歯車の心より一層硬くなる。歯車内への炭素の浸透深さ(従ってはだ焼きしたケースの深さ)は、この歯車を処理する温度値とこのような処理の持続時間とに正比例する。
【0007】
【発明の概要】
本発明は、車両車軸アセンブリに使用するのに適する歯車用の改良された構造とこのような構造を製造する方法とに関する。初めにはだ焼きできる炭素鋼合金の棒状素材のビレットを、歯車用の所望の形状に形成する。次いでこの歯車を、浸炭によりはだ焼きする。この場合歯車は炭素に富んだふん囲気に比較的高い温度で所定の時限にわたり露出される。最後に歯車を急冷し焼戻しする。この方法により製造した歯車は、歯のピッチ線に沿って測ったときに、比較的薄く、歯元(root)の近くで測ったときの1つの歯の厚さの約2.5%ないし4.5%のケースを持つ。歯車のケースは、歯車の歯元心[root core](35RCないし50RC)に比べて比較的硬い(58RCないし63RC)。
【0008】
本発明の種種の目的及び利点は、添付図面による好適な実施例についての以下の説明から明らかである。
【0009】
【実施例】
図1にははだ焼きした歯車の一般構造を表わす歯車10の一部分を例示してある。歯車10にはその周辺のまわりに任意所望の形状又は構成を持つ複数の歯11(そのうち1つだけを示してある)を設けてある。歯車10は、比較的軟らかい内部心13を囲む比較的硬い外側ケース12を持つ。外側ケース12は、歯11のピッチ線で測った寸法14により示した厚さを持つ。歯11は、歯元半径(root radius)が歯11の面と合一する。歯11の長さに沿う中央位置で測った寸法15により指示された幅を持つ。この歯車10の一般構造は、車軸及び差動歯車を作る方法についての説明を通じて参照する。
【0010】
図2には、本発明により前記したような車軸歯車又は差動歯車を作る方法の流れ図を例示してある。初めに焼入れできる合金鋼の棒状原料(bar stock)たとえばSAE8625又は4320鋼を選定する。選定する原料は、このような歯車に通常選定する原料より幾分焼入れしやすい(合金又は炭素の増大した含量によって)。材料のビレットは棒状原料からせん断し歯車素材に鍜造する。この鍜造素材は次いで機械加工して歯車の所望の形状に形成する。若干の例では歯車は材料のビレットから直接機械加工してもよい。いずれの場合でも次いで歯を切削し歯車に形成する。この歯車は、すぐ歯かさ歯車形、まがり歯かさ歯車形又はハイポイド歯車の形状を持つように作る。
【0011】
機械加工した歯車10は次いで浸炭によりはだ焼き処理を行う。この浸炭は、歯車10を炭素に富んだ環境内で約1540°Fに約8時間にわたり加熱することにより行う。ただし温度及び持続時間は歯車の寸法によって変る。このような加熱により炭素が歯車10の表面に浸透して外側ケース12及び内部心13を生成する。歯車10の加熱により又その内部心13内の金属をオーステナイト状態に変える。次に浸炭歯車16は、これと油浴内で急冷することにより迅速に冷却する。この迅速な冷却により歯車10の金属をオーステナイト状態からマルテンサイト状態に変換する。最後に急冷によって歯車10内に生ずる内部応力は、この歯車を約350°Fで約1 1/2時間にわたり焼戻しすることにより解放する。
【0012】
この浸炭処理の結果として、歯車10の外側ケース12及び内部心13が共に硬化する。外側ケース12は58RCないし63RCの範囲内に硬化する。歯車を作るように選定した材料は公知の材料よりいくぶん硬化しやすいから歯元心すなわち内部心13はたとえば35RCないし50RCの範囲内に硬化する。又浸炭温度が従来使われている浸炭温度よりいくぶん低いので、歯車10内への炭素の浸透深さ[従ってその外側ケース12の厚さ]は公知の歯車より幾分薄い。従って外側ケース12の厚さ14は典型的には歯11の幅の2.5%ないし4.5%である。すなわち本発明方法により形成する歯車10は、比較的硬い内部心13を囲む比較的薄い外側ケース12を持つ。図3は図2に示した方法により作った歯車の特性を示す。
【0013】
すなわち図2に例示した本発明方法により作った歯車の外側ケース12は従来の方法により作られた歯車の外側ケースよりはるかに薄い。又本発明方法により作った歯車の内部心13は従来の方法により作られた歯車の内部心13よりはるかに硬い。この構造は歯11の曲げ荷重特性を向上させることが認められている。さらにこの向上は、歯11の接触荷重(contact load)特性すなわち表面摩耗(surface wear)特性を低下させないで得られる。すなわち本発明の歯車10は、著しく増大した歯の曲げ強さ、増大した衝撃抵抗及び伸長した疲労寿命を持つ。これ等はすべて歯11の接触応力又は表面摩耗抵抗の著しい変化をあまり伴わないで得られる。
【0014】
以下本発明の原理及び作用方式を好適な実施例について詳しく説明したが、本発明はなおその精神を逸脱しないで種種の変化変型を行うことができるのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較的軟らかい内部心を囲む比較的硬い外側ケースを持つ歯車の1枚の歯の縦断面図である。
【図2】本発明による歯車を製造する方法の流れ図である。
【図3】図2の方法により製造した歯車の特性を示す図表である。
【図4】図2及び図3に示す方法によつて作られた各歯車の特徴を例示する図表である。
【符号の説明】
10 車両車軸アセンブリ用の歯車
11 歯
12 外側ケース
13 歯元心(内部心)
14 内側ケースの厚さ
Claims (1)
- 歯元心を囲む外側ケースを備えた複数の歯を持つ本体を備え、
前記外側ケースが少なくとも58RCの硬さを持ち、
前記歯元心が35RCないし50RCの範囲の硬さを持ち、
前記歯元の半径が前記歯の面に合一する前記歯の長さに沿う中央位置で測った幅の2.5%ないし4.5%の範囲にした、前記歯の1つのピッチ線で測った厚さを、前記外側ケースが持つ、
車軸歯車。
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US748011 | 1991-08-21 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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ATE172253T1 (de) | 1995-06-30 | 1998-10-15 | Picard Fa Carl Aug | Stammblatt einer säge, wie einer kreis- oder gattersäge, einer trennscheibe, einer schneide- oder einer schabvorrichtung |
DE10140444A1 (de) * | 2001-08-17 | 2003-02-27 | Zahnradfabrik Friedrichshafen | Verfahren zum Erhöhen der dynamischen Belastbarkeit eines verzahnten Bauteils |
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CS231078B1 (en) * | 1982-07-01 | 1984-09-17 | Karel Nozar | Gear wheels made of chrome-nickel-molybdenum steel |
US4885831A (en) * | 1988-09-26 | 1989-12-12 | Dana Corporation | Method for forming a contour hardened gear |
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1992
- 1992-08-19 DE DE4227447A patent/DE4227447C2/de not_active Expired - Fee Related
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- 1992-08-21 JP JP24399292A patent/JP3721522B2/ja not_active Expired - Fee Related
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DE4227447C2 (de) | 2003-08-21 |
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