JPH06272195A - 両面艶消し塗被紙の製造方法 - Google Patents

両面艶消し塗被紙の製造方法

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JPH06272195A
JPH06272195A JP26130291A JP26130291A JPH06272195A JP H06272195 A JPH06272195 A JP H06272195A JP 26130291 A JP26130291 A JP 26130291A JP 26130291 A JP26130291 A JP 26130291A JP H06272195 A JPH06272195 A JP H06272195A
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良彦 西条
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晃 北出
Shiro Tsukitani
士郎 築谷
Koji Kusumi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 両面の白紙表面性と印刷後表面性が均一で優
れた両面艶消し塗被紙の製造方法を提供することを目的
とする。 【構成】 坪量80g/m2 の原紙の両面に夫々20g
/m2 の塗料を塗布して塗被紙を製造し、該塗被紙5の
両面を夫々2回表面粗さRmaxが5〜25μm の硬質粗面
化ロール3にニップ圧200Kg/cmで圧接して艶消し処
理を施した後、ASTM規格D−2240によるショア
ーD硬度88°弾性ロール1,1間を通過させて、紙の
2次元表面粗さRaが表面0.13μm 、裏面0.14μ
m の両面艶消し塗被紙を製造した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、両面艶消し塗被紙の製
造方法に関する。更に詳しく述べれば、本発明は、両面
の白紙表面性並びに印刷後の表面性が優れた両面艶消し
塗被紙の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】艶消し塗被紙は、印刷に際しその上品で
落ちついた印刷効果が得られるので、単色印刷から高級
多色印刷の分野まで広く使われており、需要は更に伸び
つつある。
【0003】従来の艶消し塗被紙は、原紙に塗料を塗
布、乾燥させた後白紙光沢度を低く抑えるため金属ロー
ルによる処理を軽く施して仕上げて製品化されていた
が、白紙光沢度及び印刷光沢度の何れもが低い水準にあ
り(マット−マット調)、この方法による塗工紙の表面
性は劣っているという欠点がある。
【0004】これに対して、サチンホワイトが含有する
塗被紙を特定の表面粗さを有する硬質粗面化ロールで処
理し、低白紙光沢で高印刷光沢を得る方法(特公昭59
−53956号公報)が提案されている。更には予め金
属ロールと弾性ロールよりなるキャレンダーで塗被紙表
面を平滑及び緻密にした後、特定の粗面粗さを有する粗
面化ロールで処理して、乾燥して得られる塗被紙を粗面
化ロールと弾性ロールを組合わせたキャレンダーに通し
て塗布面の処理を施す方法を提案した(特願平2−22
6711号)。これらの方法では粗面化ロールの粗さと
塗被紙の粗面化ロール及び弾性ロールへの接触回数を組
み合わせて、艶消し塗被紙の平滑性を改善し、それによ
って白紙表面性並びに印刷後の表面性を改善しようとい
うもので、それなりの効果は得られている。
【0005】しかしながら、これらの方法によれば弾性
ロールのショアーD硬度の程度により粗面化ロールと最
後に接触した面の平滑性がどうしても劣り、両面の平滑
性を同時に均一に改善出来ないという欠点があった。
【0006】一方、両面艶消し塗被紙の表面性を改善す
る方法としては、塗被紙の両面を粗面化ロールで別々に
処理した後に弾性プラスチックロール間を通過させて両
面の均一性を改善する艶消しカレンダーが提案されてい
る(特公昭47−85号公報)。この装置は、従来2本
の弾性ロールの間を艶消し塗被紙を通過させると、粗面
化ロールによって付与されていた艶消しが部分的に再び
押し消され、ロール表面の不均一性のために不規則な光
沢(大理石状や斑紋光沢)が付与されていたことを改善
するためになされたもので、この装置によれば塗被紙に
付与された艶消しは、2本の滑らかな弾性ロールによっ
て再び消されることはなく、いくらか弱められるが、安
定化されることにより一応の効果が得られるというもの
である。
【0007】しかしながら、この装置では塗被紙は粗面
化ロールに1回しか圧接されないので、弾性ロールに2
回圧接される面は1回のみしか圧接されない面に比べて
塗被紙の艶消しがより一層弱められるという欠点があ
る。このため弾性ロールに2回圧接される面の粗面化ロ
ールの表面粗さをやや粗くして対処しているが、表面平
滑性の均一化に関しては依然として十分ではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、かかる
現状に鑑み、粗面化ロールと弾性ロールとの組み合わせ
による処理条件について鋭意研究した結果、粗面化ロー
ルの粗さと塗被紙の粗面化ロールへの接触回数並びに弾
性ロールとの組み合わせにおいて、塗被紙の艶消しを十
分に施しておいて、処理の最後に特定の硬さを有する弾
性ロール間に艶消し塗被紙を通過させることによって艶
消し処理後の弾性ロール処理による艶消しの消滅が軽減
され、しかも両面の平滑性の水準が高い状態で均一化さ
れることを見出し本発明を完成するに至った。
【0009】従って、本発明の目的は、従来技術の有す
る欠点を解決し、とりわけ両面艶消し塗被紙の両面の平
滑性が改善され、白紙表面性並びに印刷後の表面性に優
れた両面艶消し塗被紙の製造方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、原紙に塗料を
塗布、乾燥して得られる塗被紙を粗面化ロールに圧接し
て艶消し塗被紙を製造する方法において、JIS B
0601で定義される表面粗さRmax が8〜25μmで
ある硬質の粗面化ロールに少なくとも2回圧接して艶消
し処理を施した後、ASTM規格D−2240によるシ
ョアーD硬度80〜90の範囲の弾性ロール同士のニッ
プ間を通過させて該艶消し塗被紙の両面を処理し、JI
S B 0601で定義される紙の2次元表面粗さRa
が0.12〜0.15μmの範囲にあることを特徴とす
る両面艶消し塗被紙の製造方法である。
【0011】本発明において用いる塗被液用顔料として
は、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、水酸化ア
ルミニウム、サチンホワイト、酸化亜鉛、硫酸バリウ
ム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、タルク、シリ
カ、活性白土、珪藻土、プラスチックピグメント等の一
般に塗被紙用塗料に用いられる顔料を挙げることがで
き、とりわけ重質炭酸カルシウムを主成分とし、これら
の顔料を適宜選択して組み合わされたものが好適に用い
られる。
【0012】本発明において用いる塗被液用接着材とし
ては、カゼイン、大豆蛋白、酵母蛋白、澱粉、酸化澱
粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン化澱
粉、酵素変性澱粉等の変性澱粉、セルロース誘導体のよ
うな天然接着剤及びスチレン・ブタジエン系共重合体、
メチルメタクリレート・ブタジエン系共重合体等の共役
ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル、メ
タクリル酸エステル重合体或いは共重合体等のアクリル
系共重合体ラテックス、エチレン・酢酸ビニル共重合体
のような酢酸ビニル系重合体ラテックス、ポリビニルア
ルコールのような合成接着剤等が挙げられ、これらの接
着剤の一種又は2種以上が用いられ、顔料100重量部
当り5〜30重量部配合して用いられる。
【0013】本発明で用いられる塗被紙の調製に際して
は、分散剤、流動変性剤、消泡剤、着色剤等の通常の塗
被紙用塗被液に配合される各種助剤が必要に応じて適宜
選択して配合される。
【0014】前記の如く調製された塗被液は、木材パル
プから構成され、公知の抄紙機で抄造された原紙の両面
に所望に応じて片面当り10〜35g/m2 の範囲で塗
被されるが、塗被方式に関しては特に限定されず、一般
の塗被紙の製造に用いられるブレードコーター、エアー
ナイフコーター、バーコーター、ロールコーター、チャ
ンプレックスコーター等の中から適宜選択して用いら
れ、単層或いは多層に塗被され、3〜8%の水分まで乾
燥されて巻き取られる。
【0015】このようにして得られた塗被紙は、JIS
B 0601で定義される表面粗さRmax が8〜25
μmの範囲の粗面化ロールと弾性ロールの間を圧接して
通過させられ、艶消しが施される。硬質の粗面化ロール
の材質は特に限定されず、鉄鋼製乃至合金製ロールにサ
ンドブラスト法、腐食法等によってロールの表面に所望
の粗さを付与したもの並びにその表面にクロムメッキ処
理したものが本発明のために好適に用いられる。粗面化
ロールと組み合わされて用いられる弾性ロールは、コッ
トン、アスベスト、ウール、プラスチック等で作成され
た公知のものが用いられる。
【0016】本発明では塗被紙の粗面化ロールによる艶
消し処理は、塗被紙の表面及び裏面に少なくとも2回施
された後に最後にASTM規格D−2240によるショ
アーD硬度80〜90の範囲の2本の弾性ロールのニッ
プ間を通過させられて圧接される。驚いたことに、粗面
化ロールで少なくとも2回艶消しを施し、最後に前記し
たショアー硬度の弾性ロールで処理すると、粗面化ロー
ルによる艶消しを施こす際の塗被紙表面への悪い影響が
後に接触する弾性ロールにより緩和され、両面の平滑性
が向上し、しかも均一な艶消し面が得られることが判明
した。
【0017】しかしながら、粗面化ロールの表面粗さR
max が8μm未満では満足すべき艶消し効果が得られ
ず、又表面粗さRmax が25μmを越えると艶消し塗被
紙の表面に粗さが目立つので本発明では不都合である。
【0018】又、仕上げの最後として通過させるための
弾性ロールは、コットン、アスベスト、プラスチック等
で作成されたASTM規格D−2240によるショアー
D硬度80〜90の範囲のものが好適に用いられる。弾
性ロールのショアーD硬度が80未満では柔らか過ぎて
艶消し面の平滑性を向上させることができず、90を越
えると所望のニップ巾が得られないため艶消し塗被紙の
表面に十分な平滑性を与えることができず、艶消し部が
部分的に消えて、一部にまだらが発生し均一性に欠ける
ので本発明には適さない。
【0019】粗面化ロールと組み合わせて用いられる弾
性ロールのショアーD硬度には特に限定されないが、仕
上げの最後として通過させるための弾性ロールと同じ硬
度を用いるのが好都合である。
【0020】本発明では6段以上のスーパーキャレンダ
ーに粗面化ロールを2本以上組み込み、塗被紙の表及び
裏の各面が粗面化ロールにそれぞれ少なくとも2回、通
常2〜3回圧接して通過せられた後にショアーD硬度8
0〜90の範囲から選ばれた硬度の弾性ロールで処理さ
れることが必要で、粗面化ロールによる処理が2回未満
ではその後の弾性ロールとの接触により艶消し効果が著
しく損なわれる。
【0021】このようにして得られる艶消し塗被紙の表
面はJIS B 0601で定義される粗さRaが0.
02〜0.15μmの範囲にあり、0.02μm未満で
は艶消しの効果がなくなり、0.15μmを越えると粗
さが目立ち、平滑性が不十分になるので本発明には適さ
ない。
【0022】本発明の所望の効果を得るためには、塗被
紙は硬質粗面化ロール及びチルドロールの表面温度が5
5℃以下、好ましくは45℃以下で圧接処理される。そ
のため必要に応じて空気冷却、水冷却等を応用したロー
ル冷却装置が設置される。
【0023】塗被紙が圧接して通紙される場合のニップ
の加圧条件は、塗被紙の塗料の配合、粗面化ロールの表
面粗さ、ロールの温度等の組み合わせにより決定される
が、100〜300kg/cmの範囲内の圧力を適宜選択し
て用いられる。
【0024】本発明によれば、白紙の平滑性が極めて高
く、官能評価による白紙表面性及び印刷後の表面性が優
れた両面艶消し塗被紙及びその製造方法が提供出来る。
【0025】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論本発明はこれによって限定されるもの
ではない。尚、以下において部及び%とあるのは、すべ
て重量部及び重量%を示す。
【0026】実施例1 顔料としてカオリン(米国 エンゲルハードミネラルズ
アンド ケミカルズ(EMC)社製、商品名 ウルト
ラホワイト90)40部及び平均粒径4μmの重質炭酸
カルシウム(自社製、粉砕炭酸カルシウム)60部を混
合機に入れ、これに攪拌しながら酸化澱粉(王子コンス
ターチ社製、商品名 王子エースA)7部及びラテック
ス(旭化成社製、商品名 L−1537)12部、更に
顔料当り分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.3%、
潤滑材としてステアリン酸カルシウム0.5%、蛍光染
料0.2%を順次添加し、十分混合分散した後、25%
アンモニア水溶液を用いてpHをアルカリ性に調節して
塗被液を製造した。
【0027】この塗被液を広葉樹晒クラフトパルプを用
いて公知の抄紙機で抄造された坪量80g/m2 の原紙
の両面に片面当り20g/m2 ブレードコーター(三菱
重工業社製)により塗布し、公知の乾燥機で乾燥して紙
水分6%の塗被紙を製造した。
【0028】この塗被紙を図2に示される如きJIS
B 0601で定義される表面粗さRmax が15μmの
硬質粗面化ロール2本並びにショアーD硬度88°の弾
性ロール5本を配したスーパーキャレンダーで温度40
℃及びニップ圧200kg/cmで圧接しながらスピード7
00m/分で紙の裏面(抄紙機のワイヤー面)を上にし
て通紙して処理を施し、艶消し塗被紙を製造した。
【0029】なお、図1及び図2は塗被紙の一つの面が
少なくとも2回粗面化ロールに圧接され、ついで塗被紙
の両面が弾性ロールに圧接されるスーパーキャレンダー
に塗被紙が通紙される状態を示すスーパーキャレンダー
の側面図、図3及び図4は塗被紙の一つの面が少なくと
も2回粗面化ロールに圧接され、ついで塗被紙の片面の
みが弾性ロールに圧接されるスーパーキャレンダーに塗
被紙が通紙される状態を示すスーパーキャレンダーの側
面図であって、図中1は弾性ロールを、2はチルドロー
ルを、3は粗面化ロールを、4はペーパーロールを示
し、5は塗被紙を示す。
【0030】この艶消し塗被紙の品質評価を以下の方法
で行った。品質評価の方法 (1)白紙光沢度 JIS P 8142に
従い、角度75度で測定した。 (2)白紙の2次元表面粗さ 表面粗さ測定器(SE−
3AK型、小坂研究所製)を使用し、中心線平均粗さで
示した。 (3)白紙表面性 艶消し塗被紙を目視によ
り評価し、最も良いものから順に○、□、△、▲で表示
した。○□、□△及び△▲はそれぞれの中間を示す。 (4)印刷後表面性 艶消し塗被紙を三菱ダイ
ヤ印刷機(三菱重工業社製)で印刷し、目視により最も
良いものから順に○、□、△、▲で表示した。○□、□
△及び△▲はそれぞれの中間を示す。 (5)白紙の平滑度 王研式平滑度計(旭精工
社製)を用いて測定した。
【0031】実施例2 粗面化ロールの表面粗さを10μmとした図2に示すス
ーパーキャレンダーを用い図2に示す如く通紙した以外
は実施例1と同様にして艶消し塗被紙を製造し、その品
質を評価した。
【0032】実施例3 顔料としてカオリン(ウルトラホワイト90)40部、
平均粒径2μmの重質炭酸カルシウム(自社製)50
部、平均粒径2μmのサチンホワイト10部を使用し、
図1に示されるスーパーキャレンダーの弾性ロールのシ
ョアーD硬度を84°とした以外は実施例1と同様にし
て艶消し塗被紙を製造し、その品質を評価した。
【0033】実施例4 図1に示されるスーパーキャレンダーの弾性ロールのシ
ョアーD硬度を86°とした以外は実施例3と同様にし
て艶消し塗被紙を製造し、その品質を評価した。
【0034】実施例5 図1に示されるスーパーキャレンダーの粗面化ロールの
表面粗さを23μmとした以外は実施例4と同様にして
艶消し塗被紙を製造し、その品質を評価した。
【0035】比較例1 弾性ロールのショアーD硬度を86°とした図4に示す
スーパーキャレンダーを用い図4に示す如く通紙した以
外は実施例1と同様にして艶消し塗被紙を製造し、その
品質を評価した。
【0036】比較例2 弾性ロールのショアーD硬度を86°としたスーパーキ
ャレンダーを用い図3に示す如く通紙した以外は実施例
3と同様にして艶消し塗被紙を製造し、その品質を評価
した。
【0037】比較例3 図2に示されるスーパーキャレンダーの弾性ロールのシ
ョアーD硬度を78°とした以外は実施例1と同様にし
て艶消し塗被紙を製造し、その品質を評価した。
【0038】比較例4 図2に示されるスーパーキャレンダーの粗面化ロールの
表面粗さを28μmとした以外は実施例2と同じにして
艶消し塗被紙を製造し、その品質を評価した。
【0039】比較例5 図1に示されるスーパーキャレンダーの弾性ロールのシ
ョアーD硬度を92°とした以外は実施例3と同様にし
て艶消し塗被紙を製造し、その品質を評価した。
【0040】比較例6 図1に示されるスーパーキャレンダーの粗面化ロールの
表面粗さを6μmとした以外は実施例3と同様にして艶
消し塗被紙を製造し、その品質を評価した。
【0041】実施例1〜5で得られた結果を表1に、比
較例1〜2で得られた結果を表2に、比較例3〜6で得
られた結果を表3に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】本発明法による艶消し塗被紙は、塗料に配
合している重質炭酸カルシウムの粒径の違い又はサチン
ホワイトの有無により印刷前の艶消し塗被紙の白紙光沢
度と平滑度に大きな違いはあるが(実施例1〜2と実施
例3〜5の比較)、本発明法による艶消し塗被紙の両面
の均一性及び表面粗さ、印刷後の両面の均一性、印刷面
の仕上がり具合が優れているのが表1から分かる。
【0046】一方、艶消し塗被紙がスーパーキャレンダ
ーから離れる際に片面のみ弾性ロールに圧接させ、その
反対面は粗面化ロールに圧接させたままにすると(比較
例1と2)弾性ロールと接触しない面の表面粗さの数値
は高く、平滑度の数値は低く、印刷後の仕上がり表面も
極めて悪いものしか得られない。
【0047】また、艶消し塗被紙を最後の仕上げとして
弾性ロール間を通過させても、弾性ロールのショアーD
硬度が低いと(比較例3)表面を平坦にする効果は得ら
れず、塗被紙の両面の表面粗さは高く、平滑度は低い。
この場合、弾性ロールのショアーD硬度が高いと(比較
例5)、平坦化する効果が得られず、表面が荒れて光沢
むらを生じ、結果として印刷後の表面性が優れない。
【0048】更に、スーパーキャレンダーの弾性ロール
の硬度が適正であっても、粗面化ロールの表面粗さが小
さいと平滑性並びに光沢度が極端に高くなり、艶消しの
特徴がなくなり、逆に表面粗さが大きいと、平滑性がな
くなり、得られる艶消し塗被紙の表面が粗く、印刷後の
表面性も極めて悪いものとなる。
【0049】
【発明の効果】本発明法は塗被紙を粗面化ロールに圧接
して両面艶消し塗被紙を製造するに際し、少なくとも2
回粗面化ロールで処理した後に最終処理として硬度を特
定した弾性ロール間を通過させることにより両面の白紙
表面性と印刷後の表面性が均一で優れた両面塗被紙の製
造方法を提供出来るという効果を奏する。
【0050】
【図1】塗被紙の一つの面が少なくとも2回粗面化ロー
ルに圧接され、ついで塗被紙の両面が弾性ロールに圧接
されるスーパーキャレンダーに塗被紙が通紙される状態
を示すスーパーキャレンダーの側面図
【図2】塗被紙の一つの面が少なくとも2回粗面化ロー
ルに圧接され、ついで塗被紙の両面が弾性ロールに圧接
されるスーパーキャレンダーに塗被紙が通紙される状態
を示す図1とは異なるスーパーキャレンダーの側面図
【図3】塗被紙の一つの面が少なくとも2回粗面化ロー
ルに圧接され、ついで塗被紙の片面のみが弾性ロールに
圧接されるスーパーキャレンダーに塗被紙が通紙される
状態を示すスーパーキャレンダーの側面図
【図4】塗被紙の一つの面が少なくとも2回粗面化ロー
ルに圧接され、ついで塗被紙の片面のみが弾性ロールに
圧接されるスーパーキャレンダーに塗被紙が通紙される
状態を示す図3とは異なるスーパーキャレンダーの側面
【符号の説明】
1…弾性ロール 2…チルドロール 3…粗面化ロール 4…ペーパーロール 5…塗被紙
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 塗被紙の一つの面が少なくとも2回粗面化ロ
ールに圧接され、ついで塗被紙の両面が弾性ロールに圧
接されるスーパーキャレンダーに塗被紙が通紙される状
態を示すスーパーキャレンダーの側面図
【図2】 塗被紙の一つの面が少なくとも2回粗面化ロ
ールに圧接され、ついで塗被紙の両面が弾性ロールに圧
接されるスーパーキャレンダーに塗被紙が通紙される状
態を示す図1とは異なるスーパーキャレンダーの側面図
【図3】 塗被紙の一つの面が少なくとも2回粗面化ロ
ールに圧接され、ついで塗被紙の片面のみが弾性ロール
に圧接されるスーパーキャレンダーに塗被紙が通紙され
る状態を示すスーパーキャレンダーの側面図
【図4】 塗被紙の一つの面が少なくとも2回粗面化ロ
ールに圧接され、ついで塗被紙の片面のみが弾性ロール
に圧接されるスーパーキャレンダーに塗被紙が通紙され
る状態を示す図3とは異なるスーパーキャレンダーの側
面図
【符号の説明】 1…弾性ロール 2…チルドロール 3…粗面化ロール 4…ペーパーロール 5…塗被紙 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、両面艶消し塗被紙の製
造方法に関する。更に詳しく述べれば、本発明は、両面
の白紙表面性並びに印刷後の表面性が優れた両面艶消し
塗被紙の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】艶消し塗被紙は、印刷に際しその上品で
落ちついた印刷効果が得られるので、単色印刷から高級
多色印刷の分野まで広く使われており、需要は更に伸び
つつある。
【0003】従来の艶消し塗被紙は、原紙に塗料を塗
布、乾燥させた後白紙光沢度を低く抑えるため金属ロー
ルによる処理を軽く施して仕上げて製品化されていた
が、白紙光沢度及び印刷光沢度の何れもが低い水準にあ
り(マット−マット調)、この方法による塗工紙の表面
性は劣っているという欠点がある。
【0004】これに対して、サチンホワイトが含有する
塗被紙を特定の表面粗さを有する硬質粗面化ロールで処
理し、低白紙光沢で高印刷光沢を得る方法(特公昭59
−53956号公報)が提案されている。更には予め金
属ロールと弾性ロールよりなるキャレンダーで塗被紙表
面を平滑及び緻密にした後、特定の粗面粗さを有する粗
面化ロールで処理して、乾燥して得られる塗被紙を粗面
化ロールと弾性ロールを組合わせたキャレンダーに通し
て塗布面の処理を施す方法を提案した(特願平2−22
6711号)。これらの方法では粗面化ロールの粗さと
塗被紙の粗面化ロール及び弾性ロールへの接触回数を組
み合わせて、艶消し塗被紙の平滑性を改善し、それによ
って白紙表面性並びに印刷後の表面性を改善しようとい
うもので、それなりの効果は得られている。
【0005】しかしながら、これらの方法によれば弾性
ロールのショアーD硬度の程度により粗面化ロールと最
後に接触した面の平滑性がどうしても劣り、両面の平滑
性を同時に均一に改善出来ないという欠点があった。
【0006】一方、両面艶消し塗被紙の表面性を改善す
る方法としては、塗被紙の両面を粗面化ロールで別々に
処理した後に弾性プラスチックロール間を通過させて両
面の均一性を改善する艶消しカレンダーが提案されてい
る(特公昭47−85号公報)。この装置は、従来2本
の弾性ロールの間を艶消し塗被紙を通過させると、粗面
化ロールによって付与されていた艶消しが部分的に再び
押し消され、ロール表面の不均一性のために不規則な光
沢(大理石状や斑紋光沢)が付与されていたことを改善
するためになされたもので、この装置によれば塗被紙に
付与された艶消しは、2本の滑らかな弾性ロールによっ
て再び消されることはなく、いくらか弱められるが、安
定化されることにより一応の効果が得られるというもの
である。
【0007】しかしながら、この装置では塗被紙は粗面
化ロールに1回しか圧接されないので、弾性ロールに2
回圧接される面は1回のみしか圧接されない面に比べて
塗被紙の艶消しがより一層弱められるという欠点があ
る。このため弾性ロールに2回圧接される面の粗面化ロ
ールの表面粗さをやや粗くして対処しているが、表面平
滑性の均一化に関しては依然として十分ではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、かかる
現状に鑑み、粗面化ロールと弾性ロールとの組み合わせ
による処理条件について鋭意研究した結果、粗面化ロー
ルの粗さと塗被紙の粗面化ロールへの接触回数並びに弾
性ロールとの組み合わせにおいて、塗被紙の艶消しを十
分に施しておいて、処理の最後に特定の硬さを有する弾
性ロール間に艶消し塗被紙を通過させることによって艶
消し処理後の弾性ロール処理による艶消しの消滅が軽減
され、しかも両面の平滑性の水準が高い状態で均一化さ
れることを見出し本発明を完成するに至った。
【0009】従って、本発明の目的は、従来技術の有す
る欠点を解決し、とりわけ両面艶消し塗被紙の両面の平
滑性が改善され、白紙表面性並びに印刷後の表面性に優
れた両面艶消し塗被紙の製造方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、原紙に塗料を
塗布、乾燥して得られる塗被紙を粗面化ロールに圧接し
て艶消し塗被紙を製造する方法において、JIS B
0601で定義される表面粗さRmaxが8〜25μm
である硬質の粗面化ロールに少なくとも2回圧接して艶
消し処理を施した後、ASTM規格D−2240による
ショアーD硬度80〜90の範囲の弾性ロール同士のニ
ップ間を通過させて該艶消し塗被紙の両面を処理し、J
IS B 0601で定義される紙の2次元表面粗さR
aが0.12〜0.15μmの範囲にあることを特徴と
する両面艶消し塗被紙の製造方法である。
【0011】本発明において用いる塗被液用顔料として
は、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、水酸化ア
ルミニウム、サチンホワイト、酸化亜鉛、硫酸バリウ
ム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、タルク、シリ
カ、活性白土、珪藻土、プラスチックピグメント等の一
般に塗被紙用塗料に用いられる顔料を挙げることがで
き、とりわけ重質炭酸カルシウムを主成分とし、これら
の顔料を適宜選択して組み合わされたものが好適に用い
られる。
【0012】本発明において用いる塗被液用接着材とし
ては、カゼイン、大豆蛋白、酵母蛋白、澱粉、酸化澱
粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン化澱
粉、酵素変性澱粉等の変性澱粉、セルロース誘導体のよ
うな天然接着剤及びスチレン・ブタジエン系共重合体、
メチルメタクリレート・ブタジエン系共重合体等の共役
ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステル、メ
タクリル酸エステル重合体或いは共重合体等のアクリル
系共重合体ラテックス、エチレン・酢酸ビニル共重合体
のような酢酸ビニル系重合体ラテックス、ポリビニルア
ルコールのような合成接着剤等が挙げられ、これらの接
着剤の一種又は2種以上が用いられ、顔料100重量部
当り5〜30重量部配合して用いられる。
【0013】本発明で用いられる塗被紙の調製に際して
は、分散剤、流動変性剤、消泡剤、着色剤等の通常の塗
被紙用塗被液に配合される各種助剤が必要に応じて適宜
選択して配合される。
【0014】前記の如く調製された塗被液は、木材パル
プから構成され、公知の抄紙機で抄造された原紙の両面
に所望に応じて片面当り10〜35g/mの範囲で塗
被されるが、塗被方式に関しては特に限定されず、一般
の塗被紙の製造に用いられるブレードコーター、エアー
ナイフコーター、バーコーター、ロールコーター、チャ
ンプレックスコーター等の中から適宜選択して用いら
れ、単層或いは多層に塗被され、3〜8%の水分まで乾
燥されて巻き取られる。
【0015】このようにして得られた塗被紙は、JIS
B 0601で定義される表面粗さRmaxが8〜2
5μmの範囲の粗面化ロールと弾性ロールの間を圧接し
て通過させられ、艶消しが施される。硬質の粗面化ロー
ルの材質は特に限定されず、鉄鋼製乃至合金製ロールに
サンドブラスト法、腐食法等によってロールの表面に所
望の粗さを付与したもの並びにその表面にクロムメッキ
処理したものが本発明のために好適に用いられる。粗面
化ロールと組み合わされて用いられる弾性ロールは、コ
ットン、アスベスト、ウール、プラスチック等で作成さ
れた公知のものが用いられる。
【0016】本発明では塗被紙の粗面化ロールによる艶
消し処理は、塗被紙の表面及び裏面に少なくとも2回施
された後に最後にASTM規格D−2240によるショ
アーD硬度80〜90の範囲の2本の弾性ロールのニッ
プ間を通過させられて圧接される。驚いたことに、粗面
化ロールで少なくとも2回艶消しを施し、最後に前記し
たショアー硬度の弾性ロールで処理すると、粗面化ロー
ルによる艶消しを施こす際の塗被紙表面への悪い影響が
後に接触する弾性ロールにより緩和され、両面の平滑性
が向上し、しかも均一な艶消し面が得られることが判明
した。
【0017】しかしながら、粗面化ロールの表面粗さR
maxが8μm未満では満足すべき艶消し効果が得られ
ず、又表面粗さRmaxが25μmを越えると艶消し塗
被紙の表面に粗さが目立つので本発明では不都合であ
る。
【0018】又、仕上げの最後として通過させるための
弾性ロールは、コットン、アスベスト、プラスチック等
で作成されたASTM規格D−2240によるショアー
D硬度80〜90の範囲のものが好適に用いられる。弾
性ロールのショアーD硬度が80未満では柔らか過ぎて
艶消し面の平滑性を向上させることができず、90を越
えると所望のニップ巾が得られないため艶消し塗被紙の
表面に十分な平滑性を与えることができず、艶消し部が
部分的に消えて、一部にまだらが発生し均一性に欠ける
ので本発明には適さない。
【0019】粗面化ロールと組み合わせて用いられる弾
性ロールのショアーD硬度には特に限定されないが、仕
上げの最後として通過させるための弾性ロールと同じ硬
度を用いるのが好都合である。
【0020】本発明では6段以上のスーパーキャレンダ
ーに粗面化ロールを2本以上組み込み、塗被紙の表及び
裏の各面が粗面化ロールにそれぞれ少なくとも2回、通
常2〜3回圧接して通過せられた後にショアーD硬度8
0〜90の範囲から選ばれた硬度の弾性ロールで処理さ
れることが必要で、粗面化ロールによる処理が2回未満
ではその後の弾性ロールとの接触により艶消し効果が著
しく損なわれる。
【0021】このようにして得られる艶消し塗被紙の表
面はJIS B 0601で定義される粗さRaが0.
02〜0.15μmの範囲にあり、0.02μm未満で
は艶消しの効果がなくなり、0.15μmを越えると粗
さが目立ち、平滑性が不十分になるので本発明には適さ
ない。
【0022】本発明の所望の効果を得るためには、塗被
紙は硬質粗面化ロール及びチルドロールの表面温度が5
5℃以下、好ましくは45℃以下で圧接処理される。そ
のため必要に応じて空気冷却、水冷却等を応用したロー
ル冷却装置が設置される。
【0023】塗被紙が圧接して通紙される場合のニップ
の加圧条件は、塗被紙の塗料の配合、粗面化ロールの表
面粗さ、ロールの温度等の組み合わせにより決定される
が、100〜300kg/cmの範囲内の圧力を適宜選
択して用いられる。
【0024】本発明によれば、白紙の平滑性が極めて高
く、官能評価による白紙表面性及び印刷後の表面性が優
れた両面艶消し塗被紙及びその製造方法が提供出来る。
【0025】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論本発明はこれによって限定されるもの
ではない。尚、以下において部及び%とあるのは、すべ
て重量部及び重量%を示す。
【0026】実施例1 顔料としてカオリン(米国 エンゲルハードミネラルズ
アンド ケミカルズ(EMC)社製、商品名 ウルト
ラホワイト90)40部及び平均粒径4μmの重質炭酸
カルシウム(自社製、粉砕炭酸カルシウム)60部を混
合機に入れ、これに攪拌しながら酸化澱粉(王子コンス
ターチ社製、商品名 王子エースA)7部及びラテック
ス(旭化成社製、商品名 L−1537)12部、更に
顔料当り分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.3%、
潤滑材としてステアリン酸カルシウム0.5%、蛍光染
料0.2%を順次添加し、十分混合分散した後、25%
アンモニア水溶液を用いてpHをアルカリ性に調節して
塗被液を製造した。
【0027】この塗被液を広葉樹晒クラフトパルプを用
いて公知の抄紙機で抄造された坪量80g/mの原紙
の両面に片面当り20g/mブレードコーター(三菱
重工業社製)により塗布し、公知の乾燥機で乾燥して紙
水分6%の塗被紙を製造した。
【0028】この塗被紙を図2に示される如きJIS
B 0601で定義される表面粗さRmaxが15μm
の硬質粗面化ロール2本並びにショアーD硬度88°の
弾性ロール5本を配したスーパーキャレンダーで温度4
0℃及びニップ圧200kg/cmで圧接しながらスピ
ード700m/分で紙の裏面(抄紙機のワイヤー面)を
上にして通紙して処理を施し、艶消し塗被紙を製造し
た。
【0029】なお、図1及び図2は塗被紙の一つの面が
少なくとも2回粗面化ロールに圧接され、ついで塗被紙
の両面が弾性ロールに圧接されるスーパーキャレンダー
に塗被紙が通紙される状態を示すスーパーキャレンダー
の側面図、図3及び図4は塗被紙の一つの面が少なくと
も2回粗面化ロールに圧接され、ついで塗被紙の片面の
みが弾性ロールに圧接されるスーパーキャレンダーに塗
被紙が通紙される状態を示すスーパーキャレンダーの側
面図であって、図中1は弾性ロールを、2はチルドロー
ルを、3は粗面化ロールを、4はペーパーロールを示
し、5は塗被紙を示す。
【0030】この艶消し塗被紙の品質評価を以下の方法
で行った。品質評価の方法 (1)白紙光沢度 JIS P 8142に
従い、角度75度で測定した。 (2)白紙の2次元表面粗さ 表面粗さ測定器(SE−
3AK型、小坂研究所製)を使用し、中心線平均粗さで
示した。 (3)白紙表面性 艶消し塗被紙を目視によ
り評価し、最も良いものから順に○、□、△、▲で表示
した。○□、□△及び△▲はそれぞれの中間を示す。 (4)印刷後表面性 艶消し塗被紙を三菱ダイ
ヤ印刷機(三菱重工業社製)で印刷し、目視により最も
良いものから順に○、□、△、▲で表示した。○□、□
△及び△▲はそれぞれの中間を示す。 (5)白紙の平滑度 王研式平滑度計(旭精工
社製)を用いて測定した。
【0031】実施例2 粗面化ロールの表面粗さを10μmとした図2に示すス
ーパーキャレンダーを用い図2に示す如く通紙した以外
は実施例1と同様にして艶消し塗被紙を製造し、その品
質を評価した。
【0032】実施例3 顔料としてカオリン(ウルトラホワイト90)40部、
平均粒径2μmの重質炭酸カルシウム(自社製)50
部、平均粒径2μmのサチンホワイト10部を使用し、
図1に示されるスーパーキャレンダーの弾性ロールのシ
ョアーD硬度を84°とした以外は実施例1と同様にし
て艶消し塗被紙を製造し、その品質を評価した。
【0033】実施例4 図1に示されるスーパーキャレンダーの弾性ロールのシ
ョアーD硬度を86°とした以外は実施例3と同様にし
て艶消し塗被紙を製造し、その品質を評価した。
【0034】実施例5 図1に示されるスーパーキャレンダーの粗面化ロールの
表面粗さを23μmとした以外は実施例4と同様にして
艶消し塗被紙を製造し、その品質を評価した。
【0035】比較例1 弾性ロールのショアーD硬度を86°とした図4に示す
スーパーキャレンダーを用い図4に示す如く通紙した以
外は実施例1と同様にして艶消し塗被紙を製造し、その
品質を評価した。
【0036】比較例2 弾性ロールのショアーD硬度を86°としたスーパーキ
ャレンダーを用い図3に示す如く通紙した以外は実施例
3と同様にして艶消し塗被紙を製造し、その品質を評価
した。
【0037】比較例3 図2に示されるスーパーキャレンダーの弾性ロールのシ
ョアーD硬度を78°とした以外は実施例1と同様にし
て艶消し塗被紙を製造し、その品質を評価した。
【0038】比較例4 図2に示されるスーパーキャレンダーの粗面化ロールの
表面粗さを28μmとした以外は実施例2と同じにして
艶消し塗被紙を製造し、その品質を評価した。
【0039】比較例5 図1に示されるスーパーキャレンダーの弾性ロールのシ
ョアーD硬度を92°とした以外は実施例3と同様にし
て艶消し塗被紙を製造し、その品質を評価した。
【0040】比較例6 図1に示されるスーパーキャレンダーの粗面化ロールの
表面粗さを6μmとした以外は実施例3と同様にして艶
消し塗被紙を製造し、その品質を評価した。
【0041】実施例1〜5で得られた結果を表1に、比
較例1〜2で得られた結果を表2に、比較例3〜6で得
られた結果を表3に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】本発明法による艶消し塗被紙は、塗料に配
合している重質炭酸カルシウムの粒径の違い又はサチン
ホワイトの有無により印刷前の艶消し塗被紙の白紙光沢
度と平滑度に大きな違いはあるが(実施例1〜2と実施
例3〜5の比較)、本発明法による艶消し塗被紙の両面
の均一性及び表面粗さ、印刷後の両面の均一性、印刷面
の仕上がり具合が優れているのが表1から分かる。
【0046】一方、艶消し塗被紙がスーパーキャレンダ
ーから離れる際に片面のみ弾性ロールに圧接させ、その
反対面は粗面化ロールに圧接させたままにすると(比較
例1と2)弾性ロールと接触しない面の表面粗さの数値
は高く、平滑度の数値は低く、印刷後の仕上がり表面も
極めて悪いものしか得られない。
【0047】また、艶消し塗被紙を最後の仕上げとして
弾性ロール間を通過させても、弾性ロールのショアーD
硬度が低いと(比較例3)表面を平坦にする効果は得ら
れず、塗被紙の両面の表面粗さは高く、平滑度は低い。
この場合、弾性ロールのショアーD硬度が高いと(比較
例5)、平坦化する効果が得られず、表面が荒れて光沢
むらを生じ、結果として印刷後の表面性が優れない。
【0048】更に、スーパーキャレンダーの弾性ロール
の硬度が適正であっても、粗面化ロールの表面粗さが小
さいと平滑性並びに光沢度が極端に高くなり、艶消しの
特徴がなくなり、逆に表面粗さが大きいと、平滑性がな
くなり、得られる艶消し塗被紙の表面が粗く、印刷後の
表面性も極めて悪いものとなる。
【0049】
【発明の効果】本発明法は塗被紙を粗面化ロールに圧接
して両面艶消し塗被紙を製造するに際し、少なくとも2
回粗面化ロールで処理した後に最終処理として硬度を特
定した弾性ロール間を通過させることにより両面の白紙
表面性と印刷後の表面性が均一で優れた両面塗被紙の製
造方法を提供出来るという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 楠見 公史 鳥取県米子市吉岡373番地 王子製紙株式 会社米子工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙に塗料を塗布、乾燥して得られる塗
    被紙を粗面化ロールに圧接して艶消し塗被紙を製造する
    方法において、JIS B 0601で定義される表面
    粗さRmax が8〜25μmである硬質の粗面化ロールに
    塗被紙の両面を夫々少なくとも2回圧接して艶消し処理
    を施した後、ASTM規格D−2240によるショアー
    D硬度80〜90の範囲の弾性ロール間を通過させて該
    艶消し塗被紙の両面を処理し、JIS B 0601で
    定義される紙の2次元表面粗さRaを0.12〜0.1
    5μmの範囲にすることを特徴とする両面艶消し塗被紙
    の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10337964A (ja) * 1997-06-05 1998-12-22 Pioneer Electron Corp 両面記録用受像紙製造装置及びその製造方法並びに両面記録用受像紙
JPH1134513A (ja) * 1997-07-11 1999-02-09 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写受像シート及びその製造方法
JP2009522455A (ja) * 2006-01-02 2009-06-11 メッツォ ペーパー インコーポレイテッド 光沢又は艶消し表面繊維紙匹を製造するためのカレンダリング方法及びマルチロールカレンダ

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