JPH0627200B2 - メタクリル系樹脂成形材料 - Google Patents

メタクリル系樹脂成形材料

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JPH0627200B2
JPH0627200B2 JP17289086A JP17289086A JPH0627200B2 JP H0627200 B2 JPH0627200 B2 JP H0627200B2 JP 17289086 A JP17289086 A JP 17289086A JP 17289086 A JP17289086 A JP 17289086A JP H0627200 B2 JPH0627200 B2 JP H0627200B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、メタクリル系樹脂成形材料に関するものであ
る。詳しく述べると、架橋されかつヘイズの少ない透明
な成形物を得るためのメタクリル系樹脂成形材料に関す
るものである。
(従来の技術) 一般に、メチルメタクリレートを主成分とするメタクリ
ル系樹脂は、その優れた耐候性および卓越した透明性に
より照明用カバー、自動車用部品、看板、装飾品、雑貨
等種々の分野で用いられているが、前記メタクリル系樹
脂は線状重合体であるために、耐熱性、耐溶剤性、耐衝
撃性、表面硬度が不充分であるという欠点があった。例
えば、耐熱性に関しては100℃程度が限界であり、耐
熱性を必要とする各分野のからの要求には充分応えられ
ないのが現状である。例えば、自動車用部品としてのヘ
ッドランプ用カバーとしては使用できず、またテールラ
ンプの場合、従来品に比べてランプ自体の大型化あるい
は照度増大からくる発熱量の増加およびコスト低減に伴
なう薄肉化の両面から耐熱性の向上が要求され、また自
動車、二輪車(オートバイ)のメーターカバー、太陽熱
エネルギー利用の温水器カバー等直射日光下での温度が
非常に上昇する部品への用途の広がりが期待されるの
で、水の沸点以上でも充分耐え得るメタクリル系樹脂の
開発が期待されている。
従来、メタクリル系樹脂の耐熱性向上を目的として、メ
チルメタクリレートとα−メチルスチレンを共重合させ
る方法(米国特許第 3,135,723号)、メチルメタクリレ
ート、α−メチルスチレンおよび無水マレイン酸を共重
合させる方法(特公昭45-31,953号、特公昭49-10,156
号)、メチルメタクリレート、α−メチルスチレンおよ
びマレイミドを共重合させる方法(特開昭48-95,490
号)等数多くの方法が提案されている。
しかしながら、これらの方法はいずれも耐熱性は向上す
るものの、重合速度が著しく遅かったり、重合率が上昇
せずに高い重合率が得られなかったり、また比較的短時
間で効率よく重合体が得られても、重合体の帯色が強
く、透明性、耐候性、表面硬度、機械的強度等が低下す
るなど一長一短で、工業的生産が極めて難かしく、実用
化に至っていないのが現状である。
一方、一般に線状重合体に架橋構造を導入すれば、耐熱
性、耐溶剤性等が向上することは考えられるが、架橋重
合体は、すでに三次元構造を形成しているので、この架
橋重合体を射出成形法、押出成形法、移送成形法により
成形することは不可能である。また、鋳込重合法により
成形する場合には、ボイド、発泡等を生じ易いので複雑
な形状のものは成形できないだけでなく、その生産性も
低いという欠点がある。
このような欠点を解決するために、メチルメタクリレー
ト系シラップ組成物において、構成部分として炭素原子
数4〜8を直鎖状脂肪族二価アルコールのジ(メタ)ア
クリレートを1〜25重量%含有してなる組成物が提案
されている(特開昭57- 167,340号)。しかしながら、
このような組成物は、鋳込重合成形法は採用できても射
出成形法、移送成形法等が採用できないので作業性が悪
くかつ成形品の形状が自ずから制限されるばかりでな
く、寸法安定性が悪いという欠点があった。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者らは、さきに前記問題点を解決するために、ア
ルキルメタクリレート系単量体またはその重合体を含有
するシラップに特定量の架橋剤を配合した部分架橋ゲル
状重合体よりなるメタクリル系樹脂成形材料を提案した
(特開昭60- 202,128号)。しかしながら、シラップに
架橋剤を配合して部分架橋重合させる場合、通常、該シ
ラップ中に存在するアルキルメタクリレート系重合体と
生成する架橋重合体の親和性が不充分なために、重合の
進行に伴なって相分離し、微笑粒子の生成により、得ら
れる部分架橋ゲル状重合体は乳濁不透明となる。この不
透明な部分架橋ゲル状重合体は、加熱加圧成形により完
全に固化すると透明性を回復するが、完全に透明ではな
く、ヘイズのある重合体となる。しかもこのような重合
体は温度変化により基体と析出粒子との屈折率差が大き
くなり、ヘイズが増大するという欠点があった。
したがって、本発明の目的は、新規なメタクリル系樹脂
成形材料を提供することにある。本発明の他の目的は、
架橋された成形物を得るためのメタクリル系樹脂成形材
料を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、
透明性を低下させることなく耐熱性、耐溶剤性等の物性
に優れかつヘイズの少ない架橋された成形物を得るため
のメタクリル系樹脂成形材料を提供することにあり、さ
らには透明性を低下させることなく、耐熱性、耐溶剤性
等の物性に優れかつ特に高温においてもヘイズの少ない
架橋された成形物を得るための貯蔵安定性に優れたメタ
クリル系樹脂成形材料を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) これらの諸目的は、(A)(a)アルキルメタクリレー
ト単量体またはアルキルメタクリレートを主成分とする
α,β−エチレン性不飽和単量体混合物よりなる樹脂原
料に(b) 0.05 〜 0.8重量%の(メタ)アクリレート
系架橋剤を配合して部分重合してなる粘度 0.05 〜3000
ポイズ(20℃における)を有するアルキルメタクリレ
ート系シラップと、(B)該シラップと架橋剤との総量
に対して5〜50重量%の架橋剤とよりなる架橋性シラ
ップ組成物を部分的に重合させて全重合体含有量が80
重量%を越えない範囲で重合体の含有率を前記架橋性シ
ラップ組成物中の重合体含有率よりも4〜65重量%増
加させた部分架橋ゲル状重合体よりなるメタクリル系樹
脂形成材料により達成される。
(作用) 本発明における樹脂原料(a)として使用される単量体
としては、アルキルメタクリレート単独あるいはアルキ
ルメタクリレートおよびこれと共重合し得るα,β−エ
チレン性不飽和単量体との混合物がある。このような単
量体混合物の場合には、アルキルメタクリレートが50
モル%以上であることが望ましく、また60モル%以上
であることが好ましい。アルキルメタクリレートとして
は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n
−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレー
ト、n−ブチルメタクリレート、sec - ブチルメタクリ
レート、tert - ブチルメタクリレート等があるが、メ
チルメタクリレートが特に好ましい。
共重合性単量体としては、主成分として使用されるアル
キルメタクリレート(例えばメチルメタクリレート)以
外の他のアルキルメタクリレート(例えば上記アルキル
メタクリレートや2-エチルヘキシルメタクリレート、ラ
ウリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート
等)、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−
プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n
−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、ラウリルアクリレート等のアルキルアクリレート、
シクロヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルア
クリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3
−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブ
チルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピ
ルアクリレート等のヒドロキシアルキルアクリレート、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ
プロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタ
クリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2
−ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタクリレート等の
ヒドロキシアルキルメタクリレート、アクリル酸、メタ
クリル酸、アクリル酸ネオジム、アクリル酸鉛、アクリ
ル酸ホウ素等のアクリル酸塩、メタクリル酸ネオジム、
メタクリル酸鉛、メタクリル酸ホウ素等のメタクリル酸
塩、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アク
リルアミド、メタクリルアミド、スチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、無水マレイン酸等がある。
本発明においてシラップの部分架橋に使用される(メ
タ)アクリレート系架橋剤(b)としては、分子内に少
なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有する架橋剤
であればいずれも使用できる。一例を挙げると、例えば
後述の架橋剤(B)以外にトリエチレングリコールジメ
タクリレート(3G)、テトラエチレングリコールジメ
タクリレート(4G)、ポリエチレングリコールジメタ
クリレート(エチレンオキサイドのくり返し単位数9)
(9G)、ポリエチレングリコールジメタクリレート
(エチレンオキサイドのくり返し単位数14)(14
G)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(エチ
レンオキサイドのくり返し単位数23)(23G)、ポ
リプロピレングリコールジメタクリレート(プロピレン
オキサイドのくり返し単位数9)(P−9G)、2,2′
−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロ
パン、テトラエチレングリコールジアクリレート(A−
4G)、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチ
レンオキサイドのくり返し単位数9)(A−9G)、ポ
リエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキサ
イドのくり返し単位数14)(A−14G)、1,3−ブ
チレングリコールジアクリレート(A−BG)、1,6−
ヘキサンジオールジアクリレート(A−HD)、ポリプ
ロピレングリコールジアクリレート(プロピレンオキサ
イドのくり返し単位数9)(AP−9G)、2,2′−ビ
ス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパ
ン、2,2′−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニ
ル)プロパン、テトラメチロールメタンテトラアクリレ
ート(A−TMMT)等がある。
前記(メタ)アクリレート系架橋剤(b)は、前記樹脂
原料(a)に対して 0.05 〜 0.8重量%、好ましくは
0.1〜 0.6重量%、最も好ましくは0.1〜0.4重量%配合
して部分架橋重合に供せられる。すなわち、 0.05 重量
%未満ではヘイズ減少効果が不充分であり、一方、 0.8
重量%を越えると、シラップの生成反応において重合の
進行に伴ない急激にゲルを生成するため、重合体含有率
の低いシラップしか得られないからである。
このような樹脂原料(a)と(メタ)アクリレート系架
橋剤(b)との配合物からシラップを形成させるには、
ラジカル重合開始剤の存在下に30〜100℃、好まし
くは50〜100℃の温度で0.5〜10時間、好まし
くは1〜5時間反応を行なって部分架橋重合させること
により 0.5 〜3000ポイズ、好ましくは 0.2〜1000ポイ
ズの粘度(20℃で測定)のシラップが得られる。この
シラップ中の重合体の重合度は1000〜 30000、好ましく
は3000〜 30000であり、その含量は3〜30重量%、好
ましくは3〜20重量%である。
重合開始剤は、前記樹脂原料(a)と(メタ)アクリレ
ート系架橋剤(b)との合計量に対して0.0002 〜 0.1
重量%、好ましくは 0.0005 〜 0.05 重量%使用され
る。重合開始剤としては種々のものが使用できるが、低
温活性重合開始剤を使用すれば、シラップ生成反応にお
いてほぼ完全に消費されるので、最終的に得られるシラ
ップ組成物中に重合開始剤が残存せず、安定性が増大す
る。
低温活性重合開始剤としては、例えば10時間半減期を
得るための分解温度が50℃以下の過酸化物およびアゾ
化合物ラジカル重合開始剤がよい。
このシラップの保存安定性を高める上で、シラップを得
るための重合過程で低温活性重合開始剤は、できるだけ
消失することが好ましいので、前記分解温度は26〜4
5℃が好ましく、特に26〜41℃が好ましい。
このような低温活性重合開始剤としては、例えば(I)
アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、イ
ソブチリルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカ
ノエート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、
ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジミリス
チルパーオキシジカーボネート、2,2′−アゾビス(4
−メトキシ−2,4-ジメチルバレロニトリル)、(II)ジ
−(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、
ジ−(メトキシイソプロピル)パーオキシジカーボネー
ト、ジ−(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネ
ート、(III)ジ−(3−メチル−3−メトキシブチ
ル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ
ネオデカノエート、2,2′−アゾビス(2,4-ジメチルバ
レロニトリル)等があり、これらのうち、好ましくは
(I)および(II)のグループに属する化合物であり、
特に好ましくは(I)のグループに属する化合物であ
る。
前記シラップ生成のための部分架橋重合反応において
は、必要により連鎖移動剤が配合される。連鎖移動剤と
しては、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、イ
ソプロピルメルカプタン、n−ブチルメルカプタ、t−
ブチルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン、n−
オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、エ
チルチオグリコレート、メルカプトエタノール、チオ−
β−ナフトール、チオフェノール等がある。その使用量
は、樹脂原料(a)と(メタ)アクリレート系架橋剤
(b)との総量に対して 0.005〜 0.5重量%、好ましく
は 0.01〜 0.5重量%である。
このようにして得られるアルキルメタクリレート系シラ
ップ(A)には、該シラップ(A)と架橋剤(B)との
総量に対して5〜50重量%、好ましくは5〜40重量
%、最も好ましくは5〜30重量%の架橋剤(B)が配
合されて架橋メタクリル系樹脂用シラップ組成物が得ら
れる。すなわち、5重量%未満では最終的に得られる成
形物の耐熱性の向上が認められず、一方、50重量%を
越えると最終的に得られる成形物が脆弱で実用に耐えな
い。
シラップ(A)に配合される架橋剤(B)としては(メ
タ)アクリレート系架橋剤であることが必要であり、特
に、分子内に少くとも2個の(メタ)アクリロイル基を
有し、前記(メタ)アクリロイル基の間に存在する主鎖
の原子数が10以下の単量体であり、さらに好ましくは
下式I〜III MA−O−(CH−O−MA (I) (ただし、式中、nは3〜6の整数であり、MAはメタ
クリロイル基を表わす。) [ただし、式中、RはH、CH、CまたはC
OHの基を、RはH、CH(ただし、RはH、CHの基を表わす)またはCH
OHの基を、RはHまたはCHの基をそれぞれ表
わしR、RおよびRは同時に水素ではなく、
(M)Aはメタクリロイル基またはアクリロイル基を表
わす。] (ただし、式中、RはHまたはCHであり、またn
は1または2である。)で表わされる単量体である。
これらの単量体の具体的な例示としては、プロピレング
リコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコール
ジメタクリレート(BD)、1,6−ヘキサンジオールジ
メタクリレート(HD)、1,3−ブチレングリコールジ
メタクリレート(BG)、ジメチロールエタンジメタク
リレート、1,1−ジメチロールプロパンジメタクリレ
ート、2,2−ジメチロールプロパンジメタクリレー
ト、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチ
ロールエタントリメタクリレート(TMET)、トリメ
チロールプロパントリアクリレート(A−TMPT)、
トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMP
T)、テトラメチロールメタントリアクリレート、テト
ラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロ
ールメタンジメタクリレート、エチレングリコールジア
クリレート、エチレングリコールジメタクリレート(1
G)、ジエチレングリコールジアクリレート(A−2
G)、ジエチレングリコールジメタクリレート(2
G)、ジプロピレングリコールジメタクリレート(P−
2G)、ネオペンチルグリコールジアクリレート(A−
NPG)、ネオペンチルグリコールジメタクリレート
(NPGDM)等を挙げることができる。これらの架橋
剤(B)としては、特に1G、2G、BG、HD、NP
GDM、P−2G、TMPT、TMETおよびA−TM
PTが好ましい。
本発明によるメタクリル系樹脂成形材料は、前記シラッ
プ(A)と架橋剤(B)との混合物を重合開始剤の存在
下に加熱することにより重合させ、該混合物中に存在す
る単量体の全量が反応することなくその一部分が反応し
た段階で反応を停止することにより得られるゲル状の部
分重合体よりなるものである。
この場合、ゲル状部分重合体であるメタクリル系樹脂成
形材料中に存在する重合体の含有率は(A)(a)アル
キルメタクリレート単量体またはアルキルメタクリレー
トを主成分とするα,β−エチレン性不飽和単量体混合
物よりなる樹脂原料に、(b) 0.05 〜 0.8重量%の
(メタ)アクリレート系架橋剤を配合して部分重合して
なるアルキルメタクリレート系シラップと、(B)該シ
ラップと架橋剤との総量に対して5〜50重量%の架橋
剤とよりなる架橋性シラップ組成物中の重合体含有率よ
りも4〜65重量%増加した値で、かつ80重量%を越
えず、好ましくは10〜65重量%増加した値でかつ8
0重量%を越えず、最も好ましくは20〜65重量%増
加した値で、かつ80%重量%を越えない範囲である。
前記の重合体含有率の値が4重量%に満たない場合は生
成物がゲル状を呈さず、取り扱いが不便であり、65重
量%増加した値または80重量%の上限を越える場合は
成形時に良好な流動を示さず、ともに本発明の目的に沿
わない。
部分重合体中の重合体含有率は抽出法により求めること
ができる。
重合開始剤としては、種々のものが使用できるが、低温
活性重合開始剤と高温活性重合開始剤とを併用すれば、
前記ゲル状部分重合体の生成反応を低温活性重合開始剤
の作用により行なわせ、ついでこのようにして得られる
ゲル状成形材料をさらに加熱して所望の物品に成形する
際、前記高温活性重合開始剤の作用により行なうことが
できる。しかしながら、高温活性開始剤または低温活性
開始剤のいずれか一方の重合開始剤のみ使用も可能であ
る。
低温活性重合開始剤としては、前記のごときものがあ
り、好ましくは(I)および(II)のグループに属する
化合物であり、特に好ましくは(I)のグループに属す
る化合物である。また、前記低温活性重合開始剤の使用
量は、シラップ(A)と架橋剤(B)との合計量に対し
て 0.002〜1重量%、好ましくは 0.005〜 0.1重量%使
用される。また、高温活性重合開始剤としては、10時
間半減期を得るための分解温度が60〜220℃の過酸
化物等の重合開始剤が好ましく、成形サイクルを向上
し、保存安定性を保つためには90〜170℃、さらに
好ましくは120〜170℃の分解温度を有する重合開
始剤である。また、前記高温活性重合開始剤の使用量
は、シラップ(A)と架橋剤(B)との合計量に対して
0.02 〜 2.0重量%、好ましくは 0.05 〜 2.0重量%使
用される。
このような高温活性重合開始剤としては、例えば(IV)
t−ブチルクミルパーオキサイド、ジイソプロピルベン
ゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキ
サイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5
−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キシン−3、1,1,3,−テトラメチルブチルハイド
ロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5
−ジハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキ
サイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1,
2,2−テトラフェニル、1,2−エタンジオール、
(V)1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルパー
オキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシラウ
レート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチ
ルヘキサノエート、シクロヘキサノンパーオキサイド、
t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘ
キサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタ
ン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキ
シベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルジパーオキ
シイソフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキイソプロピ
ル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
(VI)m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイルパー
オキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、
2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、オクタ
ノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラ
ウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイ
ド、プロピオニルパーオキサイド、サクシニックアシッ
ドパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、1,1′
−アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)等
があり、これらのうち、好ましくは(IV)および(V)
のグループに属する化合物であり、特に好ましくは(I
V)のグループに属する化合物である。
前記のように、本発明によるメタクリル系樹脂成形材料
は、前記シラップ(A)と架橋剤(B)との混合物を前
記重合開始剤の存在下に加熱して重合させる。この重合
反応は10〜80℃、好ましくは35〜65℃の温度で10〜 200
分間、好ましくは20〜 150分間行なわれる。しかして、
低温活性および高温活性の両重合開始剤を併用する場合
には、低温活性重合開始剤はほぼ全量消費されるが高温
活性重合開始剤は、前記反応温度では分解せずにそのま
ま残留しているので、該成形材料を使用しての成形反応
時に消費される。
本発明によれば急冷などにより重合反応を停止すること
により、所望重合率のゲル状部分重合物を得ることがで
きるが、さらに本発明によれば前記シラップ(A)と架
橋剤(B)との混合物を前記重合開始剤の存在下に加熱
重合させるに当り、特定の調節剤の特定量を添加するこ
とにより、更に容易に所望重合率のゲル状重合体である
メタクリル系樹脂成形材料を得ることができる。このよ
うな特定の調節剤としては1,4(8)−p−メンタジエ
ン、2,6−ジメチル−2,4,6−オクタトリエン、
1,4−p−メンタジエン、1,4−シクロヘキサジエ
ン、およびα−メチルスチレン二量体がある。
このような調節剤は前記シラップ(A)と架橋剤(B)
との合計量に対して 0.0001 〜 0.5重量%、好ましくは
0.001〜 0.2重量%、最も好ましくは 0.005〜 0.1重量
%の範囲で使用することができる。調節剤の添加量が
0.0001重量%に満たない場合は本発明の調節効果が発揮
されず、添加量が 0.5重量%を越える場合は所望重合率
に到達することができない。
本発明の方法によれば所望の重合率は前記調節剤の量、
低温活性ラジカル重合開始剤の量、重合温度を選ぶこと
によって調整することができる。すなわち、低温活性開
始剤の量を減少させるにしたがって、低重合率のところ
で重合速度が著るしく緩やかとなる。また、調節剤の量
を多く用いるほど調節剤を使用しない場合に比べて低い
重合率で重合速度が緩やかとなり、かつ、そこに到達す
る時間も長くなる。また重合温度が低いほど、同一調合
組成ではより低重合率で重合速度が緩慢になる。
本発明の方法によれば重合の途中での急冷による重合反
応の停止あるいは重合開始剤の減少による重合速度の緩
慢化により所望重合率のゲル状重合体を得ることができ
るが、本発明の第2の方法によれば、より簡単な操作
で、再現性よく所望重合率のゲル状部分重合体を得るこ
とができ、さらに、保存安定性のよいゲル状部分重合体
を得ることができる。
なお、前記シラップ組成物または前記ゲル状部分重合体
には、必要により連鎖移動剤、着色剤、充填剤等の添加
剤または他の樹脂を配合することができる。例えば連鎖
移動剤としては、前記のごときものがある。また、着色
剤としては、通常の染顔料がいずれも使用できる。さら
に、充填剤としては、ガラス繊維、炭酸カルシウム、酸
化チタン、水酸化アルミニウム、粒子状カーボン、カー
ボン繊維、マイカフレーク、リン酸カルシウム、硫酸バ
リウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化
スズなどがある。また、前記ゲル状部分重合体の保存安
定性を維持するために、前記ゲル状部分重合体を製造す
る際に添加することのできなかった重合開始剤を前記ゲ
ル状部分重合体の成形反応の直前に前記ゲル状部分重合
体中に添加、混練することもできる。重合開始剤として
は前記のごときものがある。
本発明によるメタクリル系樹脂成形材料はベトつかず、
形状保持性を有しているので、シート、ロッド、ブロッ
ク、ペレットなど任意の形状で取り扱うことができる。
さらに常温または高められた温度で剪断応力を与えるこ
とにより流動するので鋳込み重合では達成できない複雑
な形状の製品を得ることができる。
本発明によるメタクリル系樹脂成形材料は、圧縮成形
法、押出成形法、移送成形法等により90〜180℃、
好ましくは100〜150℃の温度で1〜30分間、好
ましくは3〜15分間加熱して所望の形状を有する部品
に成形される。
(実施例) つぎに、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明す
る。
実施例において、ゲル状部分重合体の重合体含有率の測
定は次の方法で行なった。
ソックスレー抽出器にハイドロキノンモノメチルエーテ
ルを1,000ppm添加溶解したジクロロメタン150mlを入
れ、抽出用円筒濾紙の中に、前記のゲル状重合体15g
を細片状にして入れて、50℃に保たれた恒温水槽中で
20時間還流抽出を行ない、抽出後、抽出液を1,200ml
のメタノール中に入れ、ポリマー分を分離し、濾紙中の
ポリマー分と合わせて55℃で恒量になるまで減圧乾燥
し、重合体の重量を求める。
また、実施例で使用する略号は次のとおりである。
V−70 2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル) BPO ベンゾイルパーオキサイド PH−22 2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタ
ン PBD ジ−t−ブチルパーオキサイド 実施例1〜5 メチルメタクリレート(a)とネオペンチルグリコール
ジメタクリレート(NPGDM)(b)との総量に対し
て0.2重量%のNPGDM(b)および重合開始剤と
して0.002重量%のクミルパーオキシネオデカノエート
(PCND)を添加したメチルメタクリレートを60℃
の温度で反応させて第1表に示す重合度の部分架橋重合
体を含有するメチルメタクリレートシラップ(A)を調
製した。このシラップ(A)とNPGDM(B)との総
量に対して20重量%のNPGDM(B)を添加して架
橋メタクリル系樹脂用シラップ組成物を調製した。この
シラップ組成物に対して重合開始剤としてV−70 0.
003重量%、BPO 0.05重量%、PH−22 0.1重量
%、PBD 0.3重量%、および重合の調節剤として 0.0
1重量%の1,4(8)−p−メタンジエンを添加し、2枚
のガラス板で間隔5mmになるように組立てられたセルに
注入し、第1表に示す条件下に重合を行なって第1表に
示す重合体含有率の部分架橋ゲル状重合体を得た。この
ゲル状重合体を板状成形品から得られる金型中で第2表
に示す条件下にプレス成形を行なって板厚5m/mの架橋
ポリメチルメタクリレート板状成形品を得た。この板状
成形品について130℃で8時間加熱した後荷重たわみ
温度および23℃および130℃におけるヘイズ値を測
定したところ、第2表の結果が得られた。
なお、荷重たわみ温度はJIS K 7207(曲げ応力1
8.6kg/cm2)により測定した。またヘイズ値はJIS
K 7105により測定した。
比較例1〜5 メチルメタクリレートに対して重合開始剤として 0.002
重量%の2,2′−アゾビスイソブチロニトリルを添加
し、95℃の温度で反応させて第1表に示す重合度の線
状重合体を含有するメチルメタクリレートシラップを調
製した。このシラップ(A)とNPGDM(B)との総
量に対して20重量%のNPGDM(B)を添加して架
橋メタクリル系樹脂用シラップ組成物を調製した。この
シラップ組成物に対して重合開始剤としてV−70 0.0
03重量%、BPO 0.05 重量%、PH−22 0.1重量
%、PBD 0.3重量%、および重合の調節剤として 0.0
1重量%の1,4(8)−p−メンタジエンを添加し、2枚の
ガラス板で間隔5mmになるように組立てられたセルに注
入し、第1表に示す条件下に重合を行なって第1表に示
す重合体含有率の部分架橋ゲル状重合体を得た。このゲ
ル状重合体を板状成形品が得られる金型中で第2表に示
す条件下にプレス成形を行なって板厚5m/mの架橋ポリ
メチルメタクリレート板状成形品を得た。この板状成形
品について130℃で8時間加熱した後実施例1と同様
の試験を行なったところ、第2表の結果が得られた。
実施例6〜10 (b)として0.1重量%のトリメチロールプロパント
リメタクリレート(TMPT)を用い、実施例1〜5と
同様の方法で得られたメチルメタリレートシラップに、
該シラップ(A)と1,3−ブチレングリコールジメタク
リレート(BG)(B)との総量に対して20重量%の
BG(B)を添加して架橋メタクリル系樹脂用シラップ
組成物を調製した。このシラップ組成物に対して重合開
始剤としてV−70 0.003重量%、BPO 0.05 重量
%、PH−22 0.1重量%、PBD 0.3重量%、および
重合の調節剤として 0.01重量%の1,4(8)−p−メンタ
ジエンを添加し、2枚のガラス板で間隔5mmになるよう
に組立てられたセルに注入し、第1表に示す条件下に重
合を行なって第1表に示す重合体含有率の部分架橋ゲル
状重合体を得た。このゲル状重合体を板状成形品が得ら
れる金型中で第2表に示す条件下にプレス成形を行なっ
て板厚5m/mの架橋ポリメチルメタクリレート板状成形
品を得た。この板状成形品について130℃で8時間加
熱した後実施例1と同様の試験を行なったところ、第2
表の結果が得られた。
比較例6〜10 比較例1〜5と同様の方法で得られたメチルメタクリレ
ートシラップに、実施例6と同様の架橋剤(B)を添加
してシラップ組成物を調製したのち、同様な条件に重合
して第1表に示す重合体含有率の部分架橋ゲル状重合体
を得た。このゲル状重合体を板状成形品が得られる金型
中で第2表に示す条件下にプレス成形を行ない、得られ
た板状成形品について130℃で8時間加熱した後実施
例1と同様の試験を行なったところ、第2表の結果が得
られた。
実施例11〜15 (b)として0.1重量%のNPGDMを用い、実施例
1〜5と同様の方法で得られたメチルメタクリレートシ
ラップに、該シラップ(A)と1,6−ヘキサンジオール
ジメタクリレート(HD)(B)との総量に対して20
重量%のHD(B)を添加して架橋メタクリル系樹脂用
シラップ組成物を調製した。このシラップ組成物に対し
て重合開始剤としてV−70 0.003重量%、BPO 0.0
5 重量%、PH−22 0.1重量%、PBD 0.3重量%、
および重合の調節剤として 0.01 量量%の1,4(8)−p−
メンタジエンを添加し、2枚のガラス板で間隔5mmにな
るように組立てられたセルに注入し、第1表に示す条件
下に重合を行なって第1表に示す重合体含有率の部分架
橋ゲル状重合体を得た。このゲル状重合体を板状成形品
が得られる金型中で第2表に示す条件下にプレス成形を
行なって板厚5m/mの架橋ポリメチルメタクリレート板
状成形品を得た。この板状成形品について130℃で8
時間加熱した後実施例1と同様の試験を行なったとこ
ろ、第2表の結果が得られた。
比較例11〜15 比較例6〜10で得られたメチルメタクリレートシラッ
プに、実施例11と同様の架橋(B)を添加してシラッ
プ組成物を調製したのち、同様な条件に重合して第1表
に示す重合体含有率の部分架橋ゲル状重合体を得た。こ
のゲル状重合体を板状成形品が得られる金型中で第2表
に示す条件下にプレス成形を行ない、得られた板状成形
品について130℃で8時間加熱した後実施例1と同様
の試験を行なったところ、第2表の結果が得られた。
実施例16〜20 (b)として0.2重量%のTMPTを用い、実施例1
〜5と同様の方法で得られたメチルメタクリレートシラ
ップに、該シラップ(A)とトリメチロールプロパント
リメタクリレート(TMPT)(B)との総量に対して
20重量%のTMPT(B)を添加して架橋メタクリル
系樹脂用シラップ組成物を調製した。このシラップ組成
物に対して重合開始剤としてV−70 0.003重量%、B
PO 0.05重量%、PH−22 0.1重量%、PBD 0.3
重量%、および重合の調節剤として 0.01重量%の1,4
(8)−p−メタンジエンを添加し、2枚のガラス板で間
隔5mmになるように組立てられたセルに注入し、第1表
に示す条件下に重合を行なって第1表に示す重合体含有
率の部分架橋ゲル状重合体を得た。このゲル状重合体を
板状成形品が得られる金型中で第2表に示す条件下にプ
レス成形を行なって板厚5m/mの架橋ポリメチルメタク
リレート板状成形品を得た。この板状成形品について1
30℃で8時間加熱した後実施例1と同様の試験を行な
ったところ、第2表の結果が得られた。
比較例16〜20 比較例6〜10で得られたメチルメタクリレートシラッ
プに、実施例16と同様の架橋剤(B)を添加してシラ
ップ組成物を調製したのち、同様な条件に重合して第1
表に示す重合体含有率の部分架橋ゲル状重合体を得た。
このゲル状重合体を板状成形品が得られる金型中で第2
表に示す条件下にプレス成形を行ない、得られた板状成
形品について130℃で8時間加熱した後実施例1と同
様の試験を行なったところ、第2表の結果が得られた。
実施例21〜25 (b)として0.3重量%のエチレングリコールジメタ
クリレート(1G)を用い、実施例1〜5と同様の方法
で得られたメチルメタクリレートシラップに、該シラッ
プ(A)とトリメチロールエタントリメタクリレート
(TMET)(B)との総量に対して20重量%のTM
ET(B)を添加して架橋メタクリル系樹脂用シラップ
組成物を調製した。このシラップ組成物に対して重合開
始剤としてV−70 0.003重量%、BPO 0.05重量
%、PH−220.1重量%、PBD 0.3重量%、および
重合の調節剤として 0.01 重量%の1,4(8)−p−メタン
ジエンを添加し、2枚のガラス板で間隔5mmになるよう
に組立てられたセルに注入し、第1表に示す条件下に重
合を行なって第1表に示す重合体含有率の部分架橋ゲル
状重合体を得た。このゲル状重合体を板状成形品が得ら
れる金型中で第2表に示す条件下にプレス成形を行なっ
て板厚5m/mの架橋ポリメチルメタクリレート板状成形
品を得た。この板状成形品について130℃で8時間加
熱した後実施例1と同様の試験を行なったところ、第2
表の結果が得られた。
比較例21〜25 比較例6〜10で得られたメチルメタクリレートシラッ
プに、実施例21と同様の架橋剤(B)を添加してシラ
ップ組成物を調製したのち、同様な条件に重合して第1
表に示す重合体含有率の部分架橋ゲル状重合体を得た。
このゲル状重合体を板状成形品が得られる金型中で第2
表に示す条件下にプレス成形を行ない、得られた板状成
形品について130℃で8時間加熱した後実施例1と同
様の試験を行なったところ、第2表の結果が得られた。
実施例26〜30 (b)として0.5重量%の1Gを用い、実施例1〜5
と同様の方法で得られたメチルメタクリレートシラップ
に、該シラップ(A)とエチレングリコールジメタクリ
レート(1G)(B)との総量に対して20重量%の1
G(B)を添加して架橋メタクリル系樹脂用シラップ組
成物を調製した。このシラップ組成物に対して重合開始
剤としてV−70 0.003重量%、BPO 0.05重量%、
PH−22 0.1重量%、PBD 0.3重量%、および重合
の調節剤として 0.01重量%の1,4(8)−p−メンタジエ
ンを添加し、2枚のガラス板で間隔5mmになるように組
立てられたセルに注入し、第1表に示す条件下に重合を
行なって第1表に示す重合体含有率の部分架橋ゲル状重
合体を得た。このゲル状重合体を板状成形品が得られる
金型中で第2表に示す条件下にプレス成形を行なって板
厚5m/mの架橋ポリメチルメタクリレート板状成形品を
得た。この板状成形品について130℃で8時間加熱し
た後実施例1と同様の試験を行なったところ、第2表の
結果が得られた。
比較例26〜30 比較例6〜10で得られたメチルメタクリレートシラッ
プに、実施例26と同様の架橋剤(B)を添加してシラ
ップ組成物を調製したのち、同様な条件に重合して第1
表に示す重合体含有率の部分架橋ゲル状重合体を得た。
このゲル状重合体を板状成形品が得られる金型中で第2
表に示す条件下にプレス成形を行ない、得られた板状成
形品について130℃で8時間加熱した後、実施例1と
同様の試験を行なったところ、第2表の結果が得られ
た。
実施例31〜35 (b)として0.4重量%のNPGDMを用い、実施例
1〜5と同様の方法で得られたメチルメタクリレートシ
ラップに、該シラップ(A)とトリメチロールプロパン
トリアクリレート(A−TMPT)(B)との総量に対
して20重量%のA−TMPT(B)を添加して架橋メ
タクリル系樹脂用シラップ組成物を調製した。このシラ
ップ組成物に対して重合開始剤としてV−70 0.003重
量%、BPO 0.05重量%、PH−22 0.1重量%、P
BD 0.3重量%、および重合の調節剤として 0.01重量
%の1,4(8)−p−メタンジエンを添加し、2枚のガラス
板で間隔5mmになるように組立てられたセルに注入し、
第1表に示す条件下に重合を行なって第1表に示す重合
体含有率の部分架橋ゲル状重合体を得た。このゲル状重
合体を板状成形品が得られる金型中で第2表に示す条件
下にプレス成形を行なって板厚5m/mの架橋ポリメチル
メタクリレート板状成形品を得た。この板状成形品につ
いて130℃で8時間加熱した後実施例1と同様の試験
を行なったところ、第2表の結果が得られた。
比較例31〜35 比較例6〜10で得られたメチルメタクリレートシラッ
プに、実施例31と同様の架橋剤(B)を添加してシラ
ップ組成物を調製したのち、同様な条件に重合して第1
表に示す重合体含有率の部分架橋ゲル状重合体を得た。
このゲル状重合体を板状成形品が得られる金型中で第2
表に示す条件下にプレス成形を行ない、得られた板状成
形品について130℃で8時間加熱した後実施例1と同
様の試験を行なったところ、第2表の結果が得られた。
実施例36〜35 (b)として0.2重量%の1,6−ヘキサンジオールジ
アクリレート(A−HD)を用い、実施例1〜5と同様
の方法で得られたメチルメタクリレートシラップに、該
シラップ(A)に第3表に示す量のNPGDM(B)を
配合して架橋メタクリル系樹脂用シラップ組成物を調製
した。このシラップ組成物に対して重合開始剤としてV
−70 0.003重量%、BPO 0.05重量%、PH−22
0.1重長%、PBD 0.3重量%、および重合の調節剤と
して 0.01重量%の1,4(8)−p−メンタジエンを添加
し、2枚のガラス板で間隔5mmになるように組立てられ
たセルに注入し、第3表に示す条件下に重合を行なって
第3表に示す重合体含有率の部分架橋ゲル状重合体を得
た。このゲル状重合体を板状成形品が得られる金型中で
第4表に示す条件下にプレス成形を行なって板厚5m/m
の架橋ポリメチルメタクリレート板状成形品を得た。こ
の板状成形品について130℃8時間加熱した後実施例
1と同様の試験を行なったところ、第4表の結果が得ら
れた。
比較例36〜50 比較例6〜10で得られたメチルメタクリレートシラッ
プに、第3表に示す量の架橋剤(B)を配合して架橋メ
タクリル系樹脂用シラップ組成物を調製し、実施例36
と同様の条件下に重合して第3表に示す重合体含有率の
部分架橋ゲル状重合体を得た。このゲル状重合体を板状
成形品が得られる金型中で第4表に示す条件下にプレス
成形を行ない、得られた板状成形品について130℃で
8時間加熱した後実施例1と同様の試験を行なったとこ
ろ、第4表の結果が得られた。
実施例56〜61 メチルメタクリレート(a)とNPGDM(b)との総
量に対して0.2重量%のNPGDM(b)、重合開始
剤として 0.02重量%のクミルパーオキシネオデカノエ
ートおよび第5表に示す種類および割合の連鎖移動剤を
添加したメチルメタクリレート混合物を所定の温度で反
応させて第5表に示す重合度の部分架橋重合体を含有す
るメチルメタクリレートシラップを調製した。このシラ
ップ(A)と第5表に示す架橋剤(B)との総量に対し
て20重量%の架橋剤(B)を添加して架橋メタクリル
系樹脂用シラップ組成物を調製した。このシラップ組成
物に対して重合開始剤としてV−70 0.003重量%、B
PO 0.05重量%、PH−22 0.1重量%、PBD 0.3
重量%、および重合の調節剤として 0.01重量%の1,4
(8)−p−メンタジエンを添加し、2枚のガラス板で間
隔5mmになるように組立てられたセルに注入し、第5表
に示す条件下に重合して第5表に示す重合体含有率の部
分架橋ゲル状重合体を得た。このケル状重合体を板状成
形品が得られる金型中で第6表に示す条件下にプレス成
形を行ない、得られた板状成形品について130℃で8
時間加熱した後実施例1と同様の試験を行なったとこ
ろ、第6表の結果が得られた。
(発明の効果) 以上述べたように、本発明は、(A)(a)アルキルメ
タクリレート単量体またはアルキルメタクリレートを主
成分とするα,β−エチレン性不飽和単量体混合物より
なる樹脂原料に(b) 0.05〜 0.8重量%の(メタ)ア
クリレート系架橋剤を配合して部分重合してなる粘度
0.05〜3000ポイズ(20℃におけ)を有するアルキルメ
タクリレート系シラップと、(B)該シラップと架橋剤
との総量に対して5〜50重量%の架橋剤とよりなる架
橋性シラップ組成物を部分的に重合させて全重量体含有
量が80重量%を越えない範囲で重合体の含有率を前記
架橋性シラップ組成物中の重合体含有率よりも4〜65
重量%増加させた部分架橋ゲル状重合体よりなるメタク
リル系樹脂成形材料であるから、前記アルキルメタクリ
レート系シラップ中の部分架橋重合体と該シラップ組成
物中に配合される架橋剤(B)との親和性が良好で、こ
のため前記部分架橋ゲル状重合体を加熱加圧して得られ
る成形物はヘイズの発生が極めて低く、特に高温におい
てその効果が著しいという利点がある。また、該成形材
料を過熱加圧して得られる成形物は架橋重合体であるた
めに、耐熱性および機械的強度が大であり、しかも透明
性が優れている。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(a)アルキルメタクリレート単量
    体またはアルキルメタクリレートを主成分とするα,β
    −エチレン性不飽和単量体混合物よりなる樹脂原料に
    (b) 0.05 〜 0.8重量%の(メタ)アクリレート系架
    橋剤を配合し部分重合してなる粘度 0.05 〜3000ポイズ
    (20℃における)を有するアルキルメタクリレート系
    シラップと、(B)該シラップと架橋剤との総量に対し
    て5〜50重量%の架橋剤とよりなる架橋性シラップ組
    成物を部分的に重合させて全重合体含有量が80重量%
    を越えない範囲で重合体の含有率を前記架橋性シラップ
    組成物中の重合体含有率よりも4〜65重量%増加させ
    た部分架橋ゲル状重合体よりなるメタクリル系樹脂成形
    材料。
  2. 【請求項2】アルキルメタクリレート系シラップの粘度
    が0.2〜1000ポイズである特許請求の範囲第1項
    に記載の成形材料。
  3. 【請求項3】架橋剤(B)が該シラップ(A)と該架橋
    剤(B)との総量に対して5〜40重量%である特許請
    求の範囲第1項または第2項に記載の成形材料。
  4. 【請求項4】(メタ)アクリレート系架橋剤(b)が、
    分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有
    する(メタ)アクリレート系架橋剤である特許請求の範
    囲第1項ないし第3項のいずれか一つに記載の成形材
    料。
  5. 【請求項5】(メタ)アクリレート系架橋剤(B)が分
    子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有し
    かつ該(メタ)アクリロイル基の間に存在する主鎖の原
    子数が10以下である特許請求の範囲第1項ないし第3
    項のいずれか一つに記載の成形材料。
  6. 【請求項6】(メタ)アクリレート系架橋剤(B)が一
    般式I (ただし、式中、MAはメタクリロイル基であり、また
    nは3〜6の整数である)、 一般式II [ただし、式中(M)Aはアクリロイル基またはメタク
    リロイル基、RはH、CH、CまたはCH
    OH、RはH、CH(ただし、RはHまたはCHである)またはCH
    OH、RはHまたはCHであり、R、Rおよび
    は同時にHではない。]、および一般式III (ただし、式中、RはHまたはCHであり、またn
    は1または2である)よりなる群から選ばれた式を有す
    る少なくとも1種の化合物である特許請求の範囲第1項
    ないし第5項のいずれか一つに記載の成形材料。
  7. 【請求項7】アルキルメタクリレートがメチルメタクリ
    レートである特許請求の範囲第1項ないし第6項のいず
    れか一つに記載の成形材料。
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