JPH06270025A - ネジ締め機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的はネジを空気吸着装置を用いずに
把持することができるネジ締め機を得るにある。 【構成】 ネジ回転用ビットに固定した把持部材の先端
に常時半径方向外方に拡開するヘッド部を設け、上記把
持部材にシリンダーチューブを嵌合し、このシリンダー
チューブをエアーシリンダー、またはソレノイドによっ
て上記把持部材と相対的に軸方向に移動することによっ
て上記ヘッド部を半径方向内方に縮径し、このヘッド部
によってネジの頭部を把持できるようにしたネジ締め
機。上記シリンダーチューブをソレノイドのプランジャ
によって形成したネジ締め機。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ネジ締め機、特に自動
化ラインで使用するネジ締め機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】以下図５及び図６によって従来より実施
されているネジ締め機を説明する。１はネジ締め機、２
はネジ吸着用のマウスピース、３はこのマウスピース２
の先端に設けたネジ嵌入部、４は上記マウスピース２を
軸方向に摺動自在に支持した軸受ハウジング、５はこの
軸受ハウジング４によって回転自在に支持され、その先
端が上記マウスピース２を貫通して突出されるネジ回転
用ビット、６は上記マウスピース２を上記軸受ハウジン
グ４に相対的に軸方向に下方に押圧するスプリング、７
は上記ビット５の駆動装置、８は上記マウスピース２の
内面と上記ネジ回転用ビット５の外周間に形成された通
気孔、９はこの通気孔８に連通するよう上記軸受ハウジ
ング４内に設けた通気孔、１０はこの通気孔９に連通す
るよう上記軸受ハウジング４に設けた吸気装置、１１は
従来の（＋）または（−）ネジ、１２及び１３は上記ネ
ジ締め機１によって締め付けられる上記ネジ１１によっ
て互いに結合されるワークである。

【０００３】図５及び図６に示した従来のネジ締め機に
おいては、吸気装置１０を動作させるとマウスピース２
の先端より通気孔８及び９を介して空気が吸引されるよ
うになるから、図５の矢印Ａで示すようにネジ締め機１
全体を移動してそのマウスピース２の先端をホルダー
（図示せず）上のネジ１１の頭部に接近せしめると、ネ
ジ１１の頭部がマウスピース２の先端の嵌入部３に吸着
されるようになるから、このネジ締め機１をネジ１１と
共に、ネジ１１を結合すべき機構部に移動し、ネジ締め
機１を押し下げれば、マウスピース２が図６に示すよう
に軸受ハウジング４に相対的に上昇し、ネジ回転用ビッ
ト５が相対的に下降してネジ１１の頭部の（＋）または
（−）の溝にビット５の先端が係合し、ネジ締めできる
ようになる。

【０００４】このようなネジ締め機１は各種の製造工程
で極めて多く使用されており、ネジ締め機１をロボット
ハンド装置に装着して自動的にネジ締めができるように
した自動化装置も多く実用化されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】然しながら、被締め付
け部材であるワーク１２が、プリント基板やプラスチッ
ク・ワークの場合、ネジ１１の締め付けによりワーク材
料が削られてゴミが発生しやすく、上記従来のネジ締め
機ではネジ吸着のため吸気装置１０を使用しているた
め、マウスピース２と軸受ハウジング４の間にこのゴミ
が送られてつまり、マウスピース２が上下方向に動かな
くなれば、ネジの締め付け、取り出しに不都合を生ずる
ようになり、また、吸気装置１０のフィルターの目づま
りも発生するため稼動時、頻繁に掃除を強いられるよう
になる。

【０００６】従来のネジ締め機１では、ビット５が回転
してもマウスピース２は回転しない構造でありネジ１１
を把持し、締め付け作業を開始するときネジ１１の外周
面とマウスピース２の内周面が滑り、滑り磨耗粉が発生
する。更に、ビット５とマウスピース２は偏芯しがち
で、磨耗に大きく影響する。

【０００７】本発明は上記の欠点を除くようにしたもの
である。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明のネジ締め機は、
ネジ回転用ビットと、このビットを回転駆動する駆動装
置と、上記ビットに固着したネジ把持部材と、このネジ
把持部材に形成した半径方向外方に拡開したヘッド部
と、上記ネジ把持部材に軸方向に摺動自在に嵌合せしめ
たシリンダーチューブと、このシリンダーチューブを上
記ネジ把持部材と相対的に軸方向に移動して上記ヘッド
部を半径方向内方に縮径せしめるため上記シリンダーチ
ューブに係合されたアームと、このアームを軸方向に移
動せしめるためのエアーシリンダーとより成ることを特
徴とする。

【０００９】また、本発明のネジ締め機は、ネジ回転用
ビットと、このビットを回転駆動する駆動装置と、上記
ビットに固着したネジ把持部材と、このネジ把持部材に
形成した半径方向外方に拡開したヘッド部と、上記ネジ
把持部材に軸方向に摺動自在に嵌合せしめたシリンダー
チューブと、このシリンダーチューブを上記ネジ把持部
材と相対的に軸方向に移動して上記ヘッド部を半径方向
内方に縮径せしめるため上記シリンダーチューブに係合
されたアームと、このアームを軸方向に移動せしめるた
めのソレノイドとより成ることを特徴とする。

【００１０】更に、本発明のネジ締め機は、ネジ回転用
ビットと、このビットを回転駆動する駆動装置と、上記
ビットに固着したネジ把持部材と、このネジ把持部材に
形成した半径方向外方に拡開したヘッド部とソレノイド
とより成り、上記ソレノイドが上記ネジ把持部材の外周
に配置したソレノイドコイルと、上記ネジ把持部材に軸
方向に摺動自在に嵌合せしめた、上記ヘッド部を縮径す
るためのプランジャとを有することを特徴とする。

【００１１】

【実施例】以下図面によって本発明の実施例を説明す
る。

【００１２】本発明においては図１〜図２に示すよう
に、従来のマウスピース２に代えて軸方向のスリ割り溝
１４によって円周方向に複数に分離され、更に半径方向
外方に拡開されたヘッド部１５をその先端に有する把持
部材１６を用い、この把持部材１６をネジ止め等により
ネジ回転用ビット５の上部に固定せしめる。

【００１３】また、上記把持部材１６の外周面にはシリ
ンダーチューブ１７を軸方向に摺動自在なるよう嵌合
し、このシリンダーチューブ１７の先端部内径は上記把
持部材１６の拡開状態のヘッド部１５の外径より十分小
さくし、図１の矢印Ｂに示すように上記シリンダーチュ
ーブ１７を上記把持部材１６に相対的に軸方向に下方に
移動すれば、上記シリンダーチューブ１７の先端部が上
記把持部材１６のヘッド部１５を半径方向内方に縮径
し、これによってネジ１１の頭部を把持できるようにす
る。

【００１４】なお、上記把持部材１６に相対的に上記シ
リンダーチューブ１７を軸方向に上下に移動せしめるた
めにはシリンダーチューブ１７の中間部外周に円周方向
に延びる凹溝１８を形成し、この凹溝１８に嵌入する環
状部１９をその一端を有するアーム２０の他端にエアー
シリンダー２１のシリンダーピストンを連結し、このエ
アーシリンダー２１を空気吐出装置２２によって駆動せ
しめるようにする。

【００１５】本発明のネジ締め機は上記のような構成で
あるから、ネジ１１の頭部の溝にネジ締め機１のネジ回
転用ビット５の先端を係合した状態で上記空気吐出装置
２２よりエアーシリンダー２１内に空気を供給すれば、
図１の矢印Ｂで示すように上記シリンダーチューブ１７
が上記アーム２０を介して上記把持部材１６に相対的に
軸方向に下降し、その先端により上記把持部材１６のヘ
ッド部１５が半径方向内方に押圧されネジ１１の頭部を
把持するようになる。

【００１６】上記把持部材１６のヘッド部１５によって
把持されたネジ１１を釈放する場合には、上記空気吐出
装置２２よりの空気流路を切り替え上記エアーシリンダ
ー２１により上記アーム２０を持ち上げれば良い。

【００１７】図３は本発明の他の実施例を示し、この例
においては上記エアーシリンダー２１及び空気吐出装置
２２の代わりにソレノイド２３を用いる。

【００１８】図４は本発明の更に他の実施例を示し、こ
の例においては上記エアーシリンダー２１やソレノイド
２３及びアーム２０、シリンダーチューブ１７の代わり
に、把持部材１６の外周にソレノイドのコイル２４を同
心状に配置し、ソレノイドの筒状プランジャ２５を上記
把持部材１６の外周に軸方向に摺動自在に嵌合せしめ
る。

【００１９】

【発明の効果】上記のように本発明のネジ締め機によれ
ば、吸着方式によりネジを把持するものではないためゴ
ミを吸着して可動部にゴミが侵入するおそれがなく、頻
繁な掃除が避けられ、ネジ締め機の稼動効率を高くする
ことが出来ると共に、把持部材１６はネジ回転用ビット
５と共に回転しながらネジ１１を把持するため、ネジ１
１の外周面が把持部材１６のヘッド部１５の内周面を削
り磨耗粉を発生させる事態を防止できる大きな利益があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のネジ締め機の断面図である。

【図２】本発明のネジ締め機の把持部材のヘッド部の底
面図である。

【図３】本発明のネジ締め機の他の実施例を示す断面図
である。

【図４】本発明のネジ締め機の更に他の実施例を示す断
面図である。

【図５】従来のネジ締め機の断面図である。

【図６】従来のネジ締め機の締め付け状態を示す断面図
である。

【符号の説明】

１ ネジ締め機 ２ マウスピース ３ ネジ嵌入部 ４ 軸受ハウジング ５ ビット ６ スプリング ７ 駆動装置 ８ 通気孔 ９ 通気孔 １０ 吸気装置 １１ ネジ １２ ワーク １３ ワーク １４ スリ割り溝 １５ ヘッド部 １６ 把持部材 １７ シリンダーチューブ １８ 凹溝 １９ 環状部 ２０ アーム ２１ エアーシリンダー ２２ 空気吐出装置 ２３ ソレノイド ２４ コイル ２５ プランジャ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ネジ回転用ビットと、このビットを回転
   駆動する駆動装置と、上記ビットに固着したネジ把持部
   材と、このネジ把持部材に形成した半径方向外方に拡開
   したヘッド部と、上記ネジ把持部材に軸方向に摺動自在
   に嵌合せしめたシリンダーチューブと、このシリンダー
   チューブを上記ネジ把持部材と相対的に軸方向に移動し
   て上記ヘッド部を半径方向内方に縮径せしめるため上記
   シリンダーチューブに係合されたアームと、このアーム
   を軸方向に移動せしめるためのエアーシリンダーとより
   成ることを特徴とするネジ締め機。
2. 【請求項２】 ネジ回転用ビットと、このビットを回転
   駆動する駆動装置と、上記ビットに固着したネジ把持部
   材と、このネジ把持部材に形成した半径方向外方に拡開
   したヘッド部と、上記ネジ把持部材に軸方向に摺動自在
   に嵌合せしめたシリンダーチューブと、このシリンダー
   チューブを上記ネジ把持部材と相対的に軸方向に移動し
   て上記ヘッド部を半径方向内方に縮径せしめるため上記
   シリンダーチューブに係合されたアームと、このアーム
   を軸方向に移動せしめるためのソレノイドとより成るこ
   とを特徴とするネジ締め機。
3. 【請求項３】 ネジ回転用ビットと、このビットを回転
   駆動する駆動装置と、上記ビットに固着したネジ把持部
   材と、このネジ把持部材に形成した半径方向外方に拡開
   したヘッド部とソレノイドとより成り、上記ソレノイド
   が上記ネジ把持部材の外周に配置したソレノイドコイル
   と、上記ネジ把持部材に軸方向に摺動自在に嵌合せしめ
   た、上記ヘッド部を縮径するためのプランジャとを有す
   ることを特徴とするネジ締め機。