JPH0626A - 接木ロボット - Google Patents

接木ロボット

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Publication number
JPH0626A
JPH0626A JP4161512A JP16151292A JPH0626A JP H0626 A JPH0626 A JP H0626A JP 4161512 A JP4161512 A JP 4161512A JP 16151292 A JP16151292 A JP 16151292A JP H0626 A JPH0626 A JP H0626A
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JP
Japan
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rootstock
stock
cutting
scion
cotyledon
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Application number
JP4161512A
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English (en)
Inventor
Haruki Otsuki
晴樹 大月
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Original Assignee
Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Publication date
Application filed by Iseki and Co Ltd, Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd filed Critical Iseki and Co Ltd
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Publication of JPH0626A publication Critical patent/JPH0626A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業性の良い、コンパクトな台木搬送装置
を持つ接木ロボットの提供。 【構成】 台木苗供給板は台木苗供給者側に開口した台
木胚軸受け溝を有する水平方向に平面を持つ折り曲げ片
とその折り曲げ片両側の傾斜片とからなる。また、台木
苗供給装置から受け取った台木苗を切断位置および接合
位置25へ順次回転搬送する伸縮自在の台木搬送アーム
34は台木苗を受け取るときには、そのアーム34を伸
ばすので、台木苗供給装置およびその近傍の装置部材と
台木搬送装置18との干渉のおそれがなくなる。胚軸ハ
ンド37と根固定ハンド38で台木苗を受け取ると、台
木搬送装置18の回転搬送姿勢が安定し、搬送スピード
を上げられる。そして、根固定ハンド38と胚軸ハンド
37により受け取った台木苗は切断前に一時的に子葉ハ
ンド(台木首吊片39と円筒ローラ41)で子葉の展開
基部背面を懸架して、台木苗の自重で首吊り状態にして
つかみ直し、胚軸の切断位置を決める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は台木苗と穂木苗を自動的
に供給・接ぎ木する接木苗製造用の接木ロボットに関
し、特に、接木ロボットの台木供給装置と搬送装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の接木苗製造用のロボットは例えば
実開平3−27933号公報、実開平4−49935号
公報等に開示されているような装置が知られている。前
記公報記載の接木ロボットは、円盤台の外周部に放射状
に複数個設けられた苗支持孔に予め配置された台木苗お
よび同一構造の円盤台に配置された穂木苗をそれぞれ3
60度回転させながら、該円盤台に隣接して、やはり3
60度の回転をする台木処理円盤部および穂木処理円盤
部にそれぞれ突出して設けられる固定ハンドに一つずつ
各苗を受け渡し、各苗処理円盤部がそれぞれ所定角度回
転した位置で、切断装置で台木苗および穂木苗をそれぞ
れ切断し、これらの苗をさらに所定角度回転させて台木
と穂木が接合できる位置に回転搬送させ、台木と穂木を
クリップで接合する装置である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来の接
木ロボットをさらに改良して、使いがっての良い接木ロ
ボットを提供することを目的とする。
【0004】より詳細には、本発明は接木ロボットの台
木の供給・切断・接合機構を操作性の優れたものにする
台木供給装置と搬送装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は次の
構成によって達成される。
【0006】すなわち、穂木苗供給板に配置される穂木
苗および台木苗供給板に配置される台木苗とを各々の苗
の搬送装置で各々の切断位置まで搬送し、それぞれ切断
した台木苗と穂木苗をさらに各々の搬送装置で接合位置
まで搬送して接合する接木ロボットにおいて、台木苗供
給板は台木苗供給側に開口した台木胚軸受け溝を有する
横方向に面を持つ折り曲げ片とその折り曲げ片の両側の
傾斜片とから接木ロボット、または、台木苗と穂木苗を
それぞれ切断した後、接合する接合ロボットにおいて、
台木苗供給装置から受け取った台木苗を切断位置および
接合位置へ順次搬送する伸縮自在の台木搬送アームと、
台木を把持するための少なくとも二つの把持用のハンド
を前記台木搬送アームの先端に設けた台木把持部とを有
する台木搬送装置を備えた接木ロボットである。
【0007】ここで、台木把持部は台木根鉢部分を把持
する一対の根固定ハンド、台木胚軸部を把持する一対の
胚軸ハンドまたは台木子葉展開基部を把持する一対の子
葉ハンドを備えることができる。
【0008】そして、台木把持部の根固定ハンドと胚軸
ハンドは台木供給装置から台木を受け取り切断位置に搬
送する間および台木切断後、子葉一枚残した台木を切断
位置から穂木との接合位置に搬送する間に台木を把持
し、台木切断前には子葉ハンドで台木胚軸の子葉展開基
部のみを把持する構成とすることができる。
【0009】また、子葉ハンドは台木切断時に切断刃の
動作の軌跡の外側に台木に残す子葉一枚を移動できる構
成とすることにより、残りの子葉を切り落とし、穂木と
の接合に備える。
【0010】上記子葉ハンドは円筒ローラと該円筒ロー
ラに対向する位置に移動可能な台木首吊具から構成する
ことができる。この場合には、台木切断直前以外は台木
首吊具は円筒ローラに対向する位置にはなく、台木切断
前に台木首吊具と円筒ローラとで台木胚軸の子葉展開基
部のみ支持することで、台木の胚軸の切断位置を決め
る。そして、切断時に台木首吊片を円筒ローラの対向位
置から外し、同時に接木ロボットの天板部から降下する
子葉押えと円筒ローラとで台木側に残す子葉を固定する
ことができる。
【0011】
【作用】本発明の接木ロボットでは、それぞれの供給位
置から台木苗と穂木苗を受け取った台木搬送装置および
穂木搬送装置はそれぞれ苗の切断位置に搬送して、ここ
で切断された台木と穂木は接合位置で接合される。
【0012】台木苗供給板の胚軸受け溝は台木苗供給側
に開口しており、また折り曲げ片に台木子葉の背面を接
触させるように配置するだけで、以後の切断、接合に適
した正しい位置に自動的に台木苗を配置したことにな
る。また、子葉を支えるので、台木苗が安定して配置さ
れる。
【0013】また、台木搬送装置の台木搬送アームは台
木苗を受け取るときには、搬送アームを伸ばすので、台
木苗供給装置およびその近傍の装置部材と台木搬送装置
との干渉のおそれがなくなる。同様に接合部でのクリッ
プ接合装置との干渉も防げる。そして、例えば、胚軸ハ
ンドと根固定ハンドの二つのハンドで台木苗を受け取る
と、台木搬送装置の搬送姿勢が安定し、搬送スピードを
上げられる。そして、台木搬送装置の根固定ハンドと胚
軸ハンドにより受け取った台木苗は切断前に一時的に子
葉ハンドで子葉の展開基部背面を懸架して、台木苗の自
重で首吊り状態にしてから根固定ハンドと胚軸ハンドで
つかみ直し、子葉展開基部を把持して、胚軸の切断位置
を決める。このように、植物の種類により胚軸の子葉展
開基部の直径がほぼ一定していることを利用して、切断
位置を定めることができる。
【0014】また、切断工程に入る前に台木を把持し直
すことにより、台木供給位置での台木苗姿勢に精度がい
らないため、手動でセットする場合にはラフなセットで
よいし、また自動給苗する場合も苗姿勢を検知し、修正
する複雑な機構が不要となる。
【0015】子葉ハンドは台木を供給位置から切断位置
に搬送中に円筒ローラに対向する位置に移動する首吊片
と円筒ローラで構成すると、台木を首吊り状態で懸架す
る際に胚軸部分が容易にずりおち、また、曲がっている
胚軸の矯正ができる。また、首吊片は台木の片葉切断時
および台木と穂木の接合時には、円筒ローラ対向位置か
ら待避させ、切断刃との干渉およびクリップとの干渉を
防ぐことができる。また、台木の切断時には台木を首吊
り状態にしたまま、子葉ハンドを持ち上げることによ
り、台木切断時に深切りしても、残す方の子葉が自立で
き、ミスなく穂木との接合できる。
【0016】
【実施例】本発明の実施例を以下、図面と共に説明す
る。本実施例の接木ロボットの上面図を図1(天板を外
した図)に、その部分(接木部)拡大図を図2に、前面
図を図3(前面カバーを外した図)に、側面図を図4
(側面カバーを外した台木側の側面図)にそれぞれ示
す。接木ロボットはクリップフイーダ部1と接木部2か
らなり、接木部2は台木部3と穂木部5およびその中間
の接合部6からなっている。
【0017】クリップフィーダ部1のクリップボウル7
外周からクリップガイドレール9を設け、その先端部に
接木部2を隣接させる。また、台木と穂木の各々を把
持、搬送するためのそれぞれのロボットマニュピュレー
タ10、11および苗供給板13、14を接木部2の天
板15(図3)に懸架している。一枚の天板15に全て
のムーブメントを組み付けたため、寸法精度がよくな
る。また、天板15は接木ロボットのカバーと強度部材
の役割を果たしており、台木と穂木の切断カスの飛散を
防ぐ。図1の接木部2部分の拡大図を図2に示す。台木
部3は台木苗の供給装置17と台木苗の搬送装置18お
よび台木切断装置19からなり、また、穂木部5も同様
に穂木苗供給装置21、穂木搬送装置22、穂木切断装
置23からなっている。
【0018】台木苗供給装置17に人手により供給され
る台木苗は図1の矢印(イ)の方向に回転する台木搬送
装置18により台木切断装置19の位置(切断位置)ま
で搬送され、ここで、切断装置19が回転して(図4参
照)その切断刃により台木苗の子葉を一枚残して、その
他の子葉部分は切り落とされる。台木切断装置19は先
端に切断刃を取り付けた回転式カッターであり、図1の
矢印(ハ)方向に回転する。切断されて子葉一枚残した
台木は矢印(ロ)方向に搬送され、接合部2で接合装置
25により穂木と接合される。
【0019】また、同様に人手により穂木供給装置21
に供給された穂木苗は穂木搬送装置22により矢印
(ニ)方向に搬送され、切断位置で矢印(ヘ)方向に回
転する穂木切断装置23によりその胚軸部分より上の組
織を残して、一部胚軸部と根部が切り落とされる。そし
て、子葉部分を持つ穂木は矢印(ホ)方向に搬送され、
台木と接合部2において、クリップフィーダ部1から供
給されるクリップで接合され、接木操作が完了し、接木
部2の下方に落下・回収される。
【0020】次いで、台木供給装置17の説明をする。
まず、台木供給装置17について主に図2と図3と図
5により説明する。図5に台木苗供給板13(図5
(a)は上面図、図5(b)は前面図)の要部を示すよ
うにまず、台木苗供給板13の水平状の平面を持つ折り
曲げ片13aの台木胚軸径よりも大きな胚軸受け溝13
bがあり、さらに、両子葉の裏面に接触する角度を持つ
台木受け取り構造を持つ保持部13cを有している。従
来、子葉展開基部で保持する台木苗供給板があったが、
これでは台木苗の保持が安定しなく、台木を切断位置に
搬送する際の搬送スピードを上げると、風圧で台木の保
持位置がずれることがあった。しかし、本実施例の台木
苗供給板13はその受け溝13bの径を台木苗の子葉展
開基部の径より大きくしているので台木苗の子葉が保持
部13cに安定に保持される。また、台木苗の品種また
は生育段階の違いにより胚軸径が違っていても、大きい
受け溝13bを設けているので対応できる。さらに、台
木苗供給板13は子葉裏面に接触する角度を持って保持
部13bが設けられているので、台木苗を供給する時に
子葉の向きを正確にセットしなくても略同一方向に苗を
供給板13上に載せる事ができる。
【0021】また、台木の切断位置では台木搬送装置1
8の台木把持部35(図6)が台木のつかみ替えを行う
ので、位置修正を行うため、作業者は台木苗供給板13
上での台木のセット位置精度を落とすことが可能になっ
た。
【0022】台木苗供給板13の受け溝13bの開口は
接木ロボットの側壁面に向くように形成しても良い。こ
の場合は台木苗を接木ロボットの側壁側の比較的大きな
空間部分から苗供給板13にセットすることができる。
こうすると作業者が右利きでも左利きでも、苗を供給し
易くなる。また自動給苗時に、苗供給方向と苗搬送方向
の軌跡が干渉しない有利さもある。
【0023】また、本実施例では台木苗供給板13は一
枚の板で作製してあるが、これを調整可能な間隔を設け
た2枚の並列配置の保持板からなり該保持板は台木苗の
対向する方向に開いた両子葉の裏面に接触する角度を持
ち、台木を受け取る構造としても良い。
【0024】次に台木搬送装置18について説明する。
台木苗供給板13にセツトされた台木苗は台木搬送装置
18で把持されて、切断位置と接合位置に順次搬送され
る。台木搬送装置18の詳細図を図6に示す。図6
(a)は上面図であり、図6(b)は側面図であり、図
6(c)は搬送装置先端部の下面図である。
【0025】台木搬送装置18の台木搬送用回転アクチ
ュエータ29は天板15に支持され、該アクチュエータ
29の下部には台木搬送アーム支持体30が該アクチュ
エータ回転軸31を中心に回転自在に支持されている。
台木搬送アーム支持体30には、該支持体30に支持さ
れた台木搬送アーム押出シリンダ33、該シリンダ33
に固定された台木搬送アーム34と該搬送アーム34先
端の台木把持部35(台木胚軸ハンド37と台木根固定
ハンド38と台木首吊片39と円筒ローラ41)が設け
られている。前記両ハンド37、38は台木搬送アーム
34のボックス42内に設けられたエアシリンダ(図示
せず)により台木を把持するように開閉制御される。図
6(b)のハンド37、38部分の下視図である図6
(c)に示すように台木胚軸ハンド37は台木の胚軸を
傷つけないために該ハンド37内側はゴム製となってい
る。また、台木根固定ハンド38は台木根鉢43(図6
(b))の形を崩さないために、台木根鉢43の円筒状
の側面を把持するような湾曲板でできている。
【0026】また、台木搬送アーム34には台木子葉展
開基部40(図9参照)を保持するための台木首吊片3
9と円筒ローラ41およびこれらを支持する台木首吊片
支持アーム45および台木首吊片39を水平面方向に回
転させるための前記支持アーム45下面に取り付けられ
た首吊片回転アクチュエータ46からなる台木首吊具4
7が設けられている。また、台木搬送アーム支持体30
には、穂木との接合時に前記台木首吊具47を鉛直方向
に回転させ、台木子葉を持ち上げるための台木子葉持ち
上げ用回転アクチュエータ49も設けられている。
【0027】台木苗供給板13上の台木苗のセット位置
まで押し出された台木搬送アーム34先端の台木胚軸ハ
ンド37と台木根固定ハンド38の作動エアシリンダが
作動して台木苗を把持する(図9)。このとき子葉展開
基部40はハンド37より距離をおいて上方にある。こ
れらハンド37、38の作動と同時に台木搬送アーム用
回転アクチュエータ29も作動して、前記ハンド37、
38で把持した台木苗を切断位置まで搬送する。切断位
置では前記ハンド37、38は所定時間オフとするが、
このとき、既に台木首吊片39(台木苗供給板13で苗
を受け取るときには図6(a)の破線位置にある)が図
6(a)の実線位置に来ているので、台木苗の子葉展開
基部40は首吊片39で支持された状態となる(図6
(b))。この直後に台木胚軸ハンド37と台木根固定
ハンド38が再び胚軸を把持し、台木がその胚軸方向の
設定切断位置に把持されたことになる。
【0028】この台木首吊具47は台木の子葉展開基部
40を首吊片39で支え、台木を首吊状態にして台木の
切断位置の位置決めをするものであり、同一植物では同
一品種の苗の子葉展開基部40の太さの違いが0.2〜
0.3mmの範囲内にあるので、台木首吊具47で台木
の胚軸方向の切断位置を植物の種類毎に一定とすること
ができる。
【0029】切断時には、図4に示す台木搬送用回転ア
クチュエータ29の前面側の台木切断位置上部にある台
木子葉押え50が降りてきて、図7のように子葉を押え
る。こうして、子葉は円筒ローラ41と子葉押え50で
挟み込まれて切断装置19の切断刃で容易に子葉を一枚
残した台木が得られる。また、穂木との接合時には図8
に示すように、この台木首吊具47を鉛直方向に回転さ
せ、台木に残す子葉を持ち上げ、クリップが台木胚軸を
把持できるようにする。
【0030】台木苗供給板13にセットされた台木苗を
台木搬送アーム34が伸びて、把持部35は図9に示す
ように、内側にゴム製の当接片を持つ台木胚軸ハンド3
7と台木根固定ハンド38の二つのハンドで台木を受け
取るので、台木苗供給板13から切断位置への回転搬送
姿勢が安定し、搬送スピードを上げられる。また、台木
搬送装置18が台木供給位置から切断位置へと回転中
に、台木首吊片39は図6(a)の破線位置から実線位
置へと回転して胚軸の子葉展開基部40(図9)近傍に
当接する。
【0031】前述のように、台木苗の供給位置から台木
苗を切断位置に搬送し、切断工程に入る前に台木を把持
し直すことにより、台木苗供給板13上での台木苗姿勢
に精度がいらないため、手動でセットする場合ラフでよ
いし、また自動給苗する場合も苗姿勢を検知し、修正す
る複雑な機構が不要となる。
【0032】また、台木苗をその供給位置で懸架した場
合には台木根の重心は必ずしも胚軸中心にはないため、
胚軸が斜めに懸架されるおそれがある。また、胚軸自体
が曲がっている場合もあり、胚軸ハンド37と円筒ロー
ラ41のそれぞれの位置に対して所定の位置に台木胚軸
が位置するとは限らないため、胚軸が所定の位置よりも
胚軸ハンド37側に傾いていると円筒ローラ41を伸ば
した際に胚軸をはじきとばして胚軸ハンド37と根固定
ハンド38が胚軸を把持できない場合がある。そこで、
まず、胚軸ハンド37と根固定ハンド38で先に台木の
対応部分を把持し、その後、首吊片39と円筒ローラ4
1に懸架させるようにした。
【0033】また、台木根固定ハンド38を構成する一
対のプレート53(図6(c))の間隔は成形苗の根鉢
43の径よりも大きくなるように取り付け、プレート5
3端部を折り曲げているので、くずれやすい成形苗など
の根鉢43を力を加えないで保持する。そのため、台木
苗の搬送円周の接線の方向の動きと、遠心力方向の動き
を規制でき、搬送スピードを上げることができる。
【0034】なお、前記プレート状の台木根固定ハンド
38に代えて、搬送円周の法線方向に移動可能な苗把持
部に先端が二股状の針状の根固定具を併設し(図示せ
ず)、この針状の根固定具を搬送円周の法線方向に前進
させて、台木苗の根鉢43に突き刺して固定しても良
い。この場合も、台木根鉢43部分の固定により苗の固
定が確実となり、搬送スピードを上げることが可能とな
る。この針状の台木根固定具は穂木、台木に共通して設
けることができる。
【0035】また、台木首吊片39の台木胚軸接触部は
図6(a)に示すように胚軸径と略同寸法のテーパ形状
の凹部として、台木を切断位置で首吊り状態にしたと
き、この凹部により子葉展開基部40の葉脈部を支持し
て胚軸の中心線に対して直角方向の規制している。
【0036】また、円筒ローラ41はその長手方向中心
線に対して回転可能であるので、台木を首吊り状態で把
持して後に台木根の自重を利用して胚軸を下方にすべり
落とし、子葉展開基部40の裏側を懸架することができ
る。こうして、台木苗を台木苗供給位置から受け取った
後に、台木苗の上下方向の位置決めが自動的にできるた
め、台木苗供給位置での上下方向の位置決めが不要とな
り、供給ミスによる接合失敗がなくなる。これは、従来
技術が台木苗供給時の位置精度がその後の行程のすべて
の精度を決めていたため、歩止まりが悪かったことと対
照的である。
【0037】また、台木苗の胚軸曲がり等は自然現象と
して避けられないことであるが、台木首吊り時に首吊片
39と円筒ローラ41との間を胚軸を通すことで、その
修正が可能となる。さらに、台木苗の自重で懸架位置を
決めるため、懸架される位置が安定し、切断が確実とな
る。
【0038】また、台木切断時に子葉の向きが正確に懸
架されていないと、台木に残す側の子葉を一部切断して
しまうことがあるが、首吊り時に首吊片39と円筒ロー
ラ41の規制された間隔を胚軸が移動する間に、楕円形
をした胚軸の短径が円筒ローラ41に対して自然に垂直
方向に配置されるため、胚軸に対して決まった位置に付
き、子葉の向きも自動的に決まる。
【0039】首吊片39は首吊片回転アクチュエータ4
6で水平方向に回動可能するので、台木苗供給板13に
セットされた台木苗を受け取る時は、図6(a)の破線
にあるので、胚軸ハンド37と根固定ハンド38で台木
苗を受け取ることができる。そして、切断位置に台木苗
を搬送中に、首吊片39は回転して胚軸に当接する。ま
た、台木の片葉切断時および台木と穂木の接合時には、
首吊片39は図6(a)の破線位置に回動待避させ、切
断刃との干渉およびクリップとの干渉を防ぐことができ
る。
【0040】また、台木と穂木の接合時には図8に示す
ように台木を首吊り状態にしたまま、台木子葉持ち上げ
用回転アクチュエータ49により台木首吊片支持アーム
45を鉛直方向に持ち上げる。これは、台木切断時に深
切りすると、残す方の子葉が自立できないため、穂木と
の接合時に接合部がクリップの外に位置してしまい、接
合ミスとなるが、その時、この円筒ローラ41で台木の
残った子葉を持ち上げることでミスなく接合できる。ま
た、台木切断時に子葉裏当てをした円筒ローラ41によ
り、子葉葉脈に沿って持ち上げるため、子葉をまっすぐ
に持ち上げることができる。
【0041】また、台木搬送装置18自体または首吊片
39と円筒ローラ41部分を上下方向に台木の胚軸の長
さ以上の距離を移動可能とすると、台木を持ち上げるよ
うにして受け取ることができる。この場合は、前述のよ
うに台木を胚軸ハンド37と根固定ハンド38で台木苗
供給板13から苗を受け取った後に首吊片39と円筒ロ
ーラ41で首吊り状態にする必要なくなり、苗受取時に
上下方向の位置決めができ、供給ミスによる接合失敗が
なくなる。また、苗受取後に首吊り状態にする場合と同
様に、苗の胚軸曲がりを首吊片39と円筒ローラ41の
上方移動時に修正が可能となり、苗の自重で懸架位置を
決めるため、懸架される位置が安定し、切断が確実に行
える。さらに、首吊片39と円筒ローラ41の規制され
た間隔を胚軸が移動する間に楕円形をした胚軸の短径が
円筒ローラ41に対して自然に垂直に配置されるため、
胚軸に対して決まった位置につき、子葉の向きも自動的
に決まる。さらに、成形苗に仕立てた台木苗をその供給
トレイ(図示せず)から直接引き抜くことができ、接木
操作が簡単になる。
【0042】なお、台木首吊片39の台木と接触する凹
部は円筒ローラ41と同様な円筒ローラ(図示せず)で
構成してもよい。このとき、両方の円筒ローラ表面の胚
軸接触部に胚軸径と略同寸法の溝(図示せず)を設ける
こともできる。当然この溝はテーパ形状としてもよい。
【0043】次に、穂木部について詳細に説明する。ま
ず、穂木部供給装置21について説明する。図2に明示
されるように穂木苗供給装置21には前面に開口した穂
木受け溝14cを形成した穂木苗供給板14が水平平面
を持つように設けられていて、この穂木受け溝14cに
人手により1本1本穂木苗の胚軸を挿入して、穂木苗を
支持させる。
【0044】穂木苗供給板14に支持された穂木苗は穂
木搬送装置22で把持されて、切断位置と接合位置に順
次搬送される。穂木搬送装置22の詳細図を図10に示
す。図10(a)は上面図(後述の穂木搬送用回転アク
チュエータ73の図示は省略)であり、図10(b)は
側面図である。穂木搬送装置22は穂木搬送用回転アク
チュエータ73と該アクチュエータ73の下部の穂木搬
送アーム支持体75が該アクチュエータ回転軸76を中
心に回転自在に支持されている。穂木搬送アーム支持体
75には、該支持体75に支持された穂木搬送アーム押
出シリンダ77、該シリンダ77により伸縮される穂木
搬送アーム79と該搬送アーム79先端には穂木把持部
80を構成する穂木子葉押えハンド81と穂木胚軸ハン
ド83、穂木根固定ハンド84が設けられている。前記
両ハンド81、83は穂木搬送アーム79先端のハンド
支持部材85内に設けられたエアシリンダ89により穂
木を把持するように開閉制御される。穂木子葉押えハン
ド81内側は穂木子葉を傷つけないためにゴム製となっ
ている。穂木供給位置では穂木胚軸ハンド83のみが穂
木を支え、切断位置で穂木子葉押えハンド81が子葉を
把持して、胚軸部位の切断の邪魔にならないようにする
(図11参照)。
【0045】穂木搬送アーム79の一側面には穂木根固
定ハンド84を支持するための支持板87が固定されて
いる。穂木根固定ハンド84はこの支持板87に水平位
置から垂直位置に、その固定ハンドアーム84aが回転
できるように空気圧駆動式のロータリーアクチュエータ
88が備え付けられている。この穂木根固定ハンド84
で穂木根近傍の胚軸を挟み込んで支持し、これを切断位
置で穂木胚軸を穂木切断装置23で切断する際には該ハ
ンド84を真下方向に回転させ(図12参照)、穂木根
が邪魔にならないようにする。
【0046】このように、穂木子葉押えハンド81と穂
木胚軸ハンド83と穂木根固定ハンド84等で穂木把持
部が構成される。
【0047】この穂木搬送アーム79は搬送アーム押出
シリンダ77で押し出されるが、その押し出し量は押し
出量調整シム91により調整される。また、穂木搬送ア
ーム押出シリンダ77下部には裏当てガイド92が固定
されていて、穂木搬送アーム79が後退した位置に来る
と、その裏当てガイド92先端のガイド片92aが穂木
の胚軸切断時に胚軸の裏当てをする(図12参照)。裏
当てガイド92が穂木切断時にそのガイド片92aによ
る胚軸の裏当て支持によりカッタによる切断が確実に行
える。なお、穂木切断装置の回転方向は図1、図12に
示す通りであり、台木切断装置19とは逆方向に回転さ
せる。その理由は台木切断時には子葉一枚を胚軸に残し
た状態で切断するのには胚軸側から子葉側に切断したほ
うが有利であるのに対して、穂木の胚軸の切断は裏当て
ガイド92先端のガイド片92aの押えを効かすため
と、胚軸が切断されてできるその先端の鋭角部の形が崩
れないようにするためである。
【0048】次に切断装置を図13により説明する。な
お、切断装置は台木部3、穂木部5にそれぞれ設けられ
ているが、両方に共通する機構からなるものである。図
13には台木部3側の切断装置を示す。図13(a)は
その上面図(接木ロボット上面から見た方向)であり、
図13(b)は図13(a)の矢印A方向(接木ロボッ
トの穂木部側の側壁側から見た方向)から見た側面図で
ある。カッタ駆動用モータ111は鉛直方向に向いた支
柱112に支持されていて、そのモータ111の回転軸
113にカッタアーム115が取り付けられている。こ
のカッタアーム115の先端に該アーム115と直交す
る方向に設けられた切断刃支持片116に切断刃117
が取り付けられている。カッタアーム115への切断刃
支持片116の取り付け位置はカッタアーム115に設
けられた調整ネジ119等の調整具で行う。また、カッ
タ駆動用モータ111の取り付け高さの調整は支柱11
2に設けられた調整ネジ120等の調整具で行う。
【0049】また、カッタアーム115には胚軸の切断
の邪魔にならないように、切断刃117が胚軸に当たる
前に切断刃117の回転軌跡内にある苗の子葉(切り落
とす子葉)を持ち上げるための子葉持ち上げガイド12
2が設けられている。なお、図2に示す穂木部の穂木切
断装置23は切断刃117が支柱112と同一鉛直面上
に来た状態を示している。
【0050】次にクリップ供給装置とクリップ接合装置
について図14〜16に示す。図1に示すようにクリッ
プ供給装置のクリップフィーダ部1はクリップボウル7
の内面に沿って螺旋状の上昇路を持つ振動型のパーツフ
ィーダ(振動システムNB−300:(株)モートロ
ン)にクリップ123(図14、図15、16参照)の
取手部123aの両端部をガイドする溝を形成した振動
トラフからなるクリップガイドレール9を接続して、そ
のガイドレール先端は接木部2に臨むクリップ掛け装置
124が接続している。
【0051】図14にはクリップガイドレール9に接続
するクリッブ掛け装置124(=クリップ接合装置2
5)の要部上面図を示し、図15、16にはその側面図
を示す。図14に示すように、このガイドレール9の先
端は接木部2の台木と穂木の接合部の直前で前記クリッ
プ123の取手部123aの両端部のガイド間隔を狭
め、クリップ123の把持部123bを開放するための
狭窄ガイドレール125が接続している。ここで把持部
123bを開放した状態で前進したクリップ123(図
14(a))が台木と穂木の接合位置に来ると、クリッ
プ開閉具126がクリップ123の取手部123aの付
勢を開放する方向に移動して(図14(b))、把持部
123bにより台木と穂木を接合状態に保つ。
【0052】クリップ123の前進は図15、16に示
す手順で次のようにして行われる。まず、クリップフィ
ーダ部1からガイドレール9を経て供給されるクリップ
123は狭窄ガイドレール125位置にくると(図15
(a))、クリップ押出シリンダ127が作動開始し
て、このシリンダ127に固定支持されている金属製の
クリップ押出具128が前進し、クリップ123を狭窄
ガイドレール125に乗せる(図15(b))。このと
きクリップ123の把持部123bが開放するが、ここ
でクリップ開閉具126が図14(b)のように作動す
るのでクリップ123は接木を締め付けることができ、
同時にクリップ押出具128が前進して、接木を落下さ
せる(図16(a))。クリップ押出具128の先端は
図示のようにクリップ把持部123bの上方コーナと同
一形状とし、しかもこの先端部から基部にかけて傾斜し
た形状をしているので、クリップ押出シリンダ127の
後退時には、次に狭窄ガイドレール125に供給される
クリップ123のクリップ把持部123bを乗り越える
ことができる(図16(b))。なお、クリップ掛け装
置124の上方にはクリップの有無を検知するセンサ1
29が設けられていて、クリップ123が供給されなく
なると、自動的に動作停止するようになっている。
【0053】次に本実施例の接木ロボットの作動の手順
を説明する。まず、接木ロボットの作動シーケンスを図
17を用いて説明する。台木苗供給板13にセットされ
た台木苗を押し出された台木搬送アーム34の先端の台
木胚軸ハンド37と台木根固定ハンド38でつかみ、こ
れを90度回転搬送させ、この間に台木の子葉展開基部
50を首吊片39で支持しながら台木を首吊状態にした
後、台木胚軸ハンド37と台木根固定ハンド38で台木
を持ち換えて、切断位置で子葉を一枚残して、その他の
子葉部分を切断する。
【0054】また、この台木苗の供給位置から切断位置
への搬送と同時に穂木苗供給板14にセットされた穂木
も押し出された穂木搬送アーム79先端の穂木子葉押え
ハンド81と穂木胚軸ハンド83と穂木根固定ハンド8
4で把持して、切断位置に搬送する。ここで胚軸を切断
しやすいように、穂木根を根固定ハンド84で切断刃の
軌跡の外に固定する。それぞれ切断された台木と穂木は
接合位置まで90度回転搬送され、ここでクリップ12
3により接合される。このときの台木に残された子葉と
穂木の対向する方向にある一対の子葉とは直交する方向
に接合される。そして台木搬送アーム34と穂木搬送ア
ーム79は初期位置である台木供給位置および穂木供給
位置に180度逆回転して戻る。
【0055】このとき本実施例の切断装置19、23は
切断刃117を回転させて使用する機械であるので、次
のような安全装置を持っている。まず、フットスイッチ
(図示せず)を台木側と穂木側に設けておく。こうして
台木苗と穂木苗はそれぞれ別人により各々の供給板1
3、14にセットする必要があり、二人のうちのいずれ
かの者がロボットを停止させたいときに、随時ロボット
を停止させることができる。また、接木ロボットの接木
部2前面は安全カバー(図示せず)で覆われているの
で、この安全カバーが開かれるとロボットが停止する。
さらに、クリップ123がなくなったことをクリップ有
無センサ129(図15、16)が検知すると、台木と
穂木の接木ができなくなるので、この場合も停止する。
ただし、この場合はクリップ123がセットされると、
リセットスイッチで作業が続行される。クリップ123
がなくなったとき以外に接木ロボットが停止した場合
は、接木ロボットの作業は最初からやり直す。
【0056】つぎに、タイムチャート(図18〜図2
0)を参照しながら接木ロボットの動作を説明する。ま
ず、台木部の各装置の動きを説明する。台木苗供給板1
3にセットされた台木苗をつかむために台木搬送アーム
押出シリンダ33にエアーが供給されて搬送アーム34
が前進する。台木受け取り位置で該アーム34先端の台
木胚軸ハンド37と台木根固定ハンド38の作動エアシ
リンダ(台木搬送アームボックス42内にある)が作動
して台木苗を把持する(図9)。これらハンド37、3
8の作動と同時に台木搬送用回転アクチュエータ29も
作動して、前記ハンド37、38で把持した台木を切断
位置まで搬送する。このとき、台木の切断位置裏側に円
筒ローラ41を当接させため、台木搬送アーム押出シリ
ンダ33はオフとなり、搬送アーム34は後退してい
る。切断位置では前記ハンド37、38は所定時間オフ
となる。このとき、既に台木首吊片39が図6(a)の
実線位置に来ているので、台木の子葉展開基部40は首
吊片39で支持された状態となる(図6(b))。この
直後に胚軸ハンド37と固定根ハンド38がオンとな
り、台木のその設定された胚軸の切断位置が決められた
ことになる。次いで、台木子葉押え50がオンとなり
(図7)、この状態で台木の子葉を一枚残して、他の子
葉が図7矢印のように切断刃117で切り落とされる。
ついで、回転アクチュエータ29が再びオンとなり、子
葉を一枚残した台木を接合位置付近まで搬送する。接合
位置付近では搬送アーム押出シリンダ33が再びオンと
なり、台木を穂木と接合される位置に前進する。回転ア
クチュエータ29はクリップ123が押し出されて接合
が完了するまで、オン状態を保つ。なお、図18のタイ
ムチャートのクリップ押出位置は後述するクリップ押し
出し第一段位置である。
【0057】接合位置では台木に残した一枚の子葉を接
合し易いように、円筒ローラ41で持ち上げるために、
台木子葉持ち上げ用回転アクチュエータ49が図8のよ
うに所定角度回転する。接合が終わると胚軸ハンド3
7、根固定ハンド38、搬送用回転アクチュエータ29
および子葉持ち上げ用回転アクチュエータ49はオフと
なり、それぞれが台木供給位置に戻る。
【0058】なお、台木搬送用回転アクチュエータ29
は二段式アクチュエータ(ニューエラー(株)製)であ
り、台木供給位置から切断位置までの90度の回転搬送
と切断位置から接合位置までの90度の回転搬送を順次
行うことができる。
【0059】次に穂木部の各種装置の作動を図19のタ
イムチャートを参照しながら説明する。穂木苗供給板1
4にセットされた穂木苗をつかむために穂木搬送アーム
押出シリンダ77にエアーが供給されて穂木搬送アーム
79が前進する。穂木受け取り位置で該搬送アーム79
先端の穂木胚軸ハンド83の作動エアシリンダ89が作
動して穂木苗の胚軸を把持する。この胚軸ハンド83の
作動と同時に穂木搬送用回転アクチュエータ73も作動
して、前記ハンド83で把持した穂木を切断位置まで搬
送する。このとき、穂木の胚軸の切断部の裏側を裏当て
ガイド片92aに当接させるため、穂木搬送アーム押出
シリンダ77はオフとなり、搬送アーム79は後退して
いる。また、穂木が切断位置まで搬送されている間に、
根固定ハンド84が穂木根を図12に示すように固定す
る。これは穂木の胚軸を図12矢印のように切断刃でカ
ットするときに、穂木根が切断刃の動作の邪魔にならな
いようにするためである。切断位置では子葉押えハンド
81が作動し、穂木の子葉を図12に示すように束ね
て、同じく子葉が切断刃の動作の邪魔にならないように
する。
【0060】穂木の胚軸がカットされると胚軸の一部と
穂木根は切り落とされ、残った胚軸と子葉は両ハンド8
1、83に把持されたままで、穂木搬送用回転アクチュ
エータ73の作動で接合位置付近に回転搬送される。接
合位置付近では搬送アーム押出シリンダ77が再びオン
となり、穂木を台木と接合される位置に前進させる。こ
の穂木搬送用回転アクチュエータ73はクリップ123
が押し出されて接合が完了するまで、オン状態を保つ。
なお、図19のタイムチャートのクリップ押出位置は後
述するクリップ押し出し第一段位置である。
【0061】なお、穂木搬送用回転アクチュエータ73
は台木搬送用回転アクチュエータ29と同様の二段式ア
クチュエータ(ニューエラー(株)製)である。
【0062】次に、クリップ供給部の各種装置の作動を
図20のタイムチャートを参照しながら説明する。接合
位置に台木と穂木が供給されると、図15(b)のクリ
ップ押出シリンダ127がクリップ123をクリップ押
出位置(第一段押し出し位置)まで押し出す。クリップ
押出シリンダ127は二段式のエアシリンダであり、こ
こで一旦クリップ押し出しを停止し、その間にクリップ
開閉具126(図14)が作動して、クリップの付勢端
部を開放することで、クリップ先端が閉じる。この開閉
具126の作動に同期して、図16(a)に示す位置ま
でクリップ押出シリンダ127は接合苗をさらに押し出
し(第二段押し出し位置)、接合苗受け部に落下させ
る。この後、クリップ123は元の位置に後退する。こ
の動作を各々の接合毎に繰り返す。
【0063】
【発明の効果】本発明の接木ロボットは、台木苗供給板
の受け溝と傾斜片により正しい位置に自動的に、安定し
て台木苗を配置できる。また、伸縮自在の台木搬送アー
ムと少なくとも二つのハンドを持つ台木把持部から構成
されているので、台木苗の供給位置から切断位置への搬
送スピードの向上する。また、台木把持部に子葉ハンド
を設けると、台木のつかみ直しにより、台木苗供給位置
での上下方向の位置決めが不要となり、供給ミスによる
接合失敗がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の接木ロボットの上面図で
ある。
【図2】 本発明の一実施例の接木ロボットの接木部の
上面図である。
【図3】 本発明の一実施例の接木ロボットの接木部の
前面図である。
【図4】 本発明の一実施例の接木ロボットの接木部の
側面図である。
【図5】 本発明の実施例の台木苗供給板の構造を示す
図である。
【図6】 本発明の一実施例の接木ロボットの台木搬送
装置の図である。
【図7】 本発明の一実施例の接木ロボットの台木切断
時の台木搬送装置付近の図である。
【図8】 本発明の一実施例の接木ロボットの台木と穂
木の接合時の台木搬送装置の図である。
【図9】 本発明の一実施例の接木ロボットの台木の供
給装置から受け取った状態の台木搬送装置の図である。
【図10】 本発明の一実施例の接木ロボットの穂木搬
送装置の図である。
【図11】 本発明の一実施例の接木ロボットの穂木苗
切断前の穂木搬送装置の図である。
【図12】 本発明の一実施例の接木ロボットの穂木切
断時の穂木搬送装置付近の図である。
【図13】 本発明の一実施例の接木ロボットの切断装
置の図である。
【図14】 本発明の一実施例の接木ロボットのクリッ
プ掛け装置の上面図である。
【図15】 本発明の一実施例の接木ロボットのクリッ
プ掛け装置の側面図である。
【図16】 本発明の一実施例の接木ロボットのクリッ
プ掛け装置の側面図である。
【図17】 本発明の一実施例の接木ロボットの作動シ
ーケンスを示す図である。
【図18】 本発明の一実施例の接木ロボットの台木部
のタイムチャートを示す図である。
【図19】 本発明の一実施例の接木ロボットの穂木部
のタイムチャートを示す図である。
【図20】 本発明の一実施例の接木ロボットのクリッ
プ供給部のタイムチャートを示す図である。
【符号の説明】 1…クリップフィーダ部、2…接木部、3…台木部、5
…穂木部、6…接合部、9…クリップガイドレール、1
0…台木ロボットマニュピュレータ、11…穂木ロボッ
トマニュピュレータ、13…台木苗供給板、13a…折
り曲げ片、13b…台木受け溝、13c…傾斜片、14
…穂木苗供給板、15…天板、18…台木搬送装置、1
9…台木切断装置、22…穂木搬送装置、23…穂木切
断装置、25…クリップ接合装置、29…台木搬送用回
転アクチュエータ、33…台木搬送アーム押出シリン
ダ、34…台木搬送アーム、35…台木把持部、37…
台木胚軸ハンド、38…台木根固定ハンド、39…台木
首吊片、41…円筒ローラ、47…首吊具、49…子葉
持ち上げ用回転アクチュエータ、50…台木子葉押え、
73…穂木搬送用回転アクチュエータ、77…穂木搬送
アーム押出シリンダ、79…穂木搬送アーム、80…穂
木把持部、81…穂木子葉押えハンド、83…穂木胚軸
ハンド、84…穂木根固定ハンド、92…裏当てガイ
ド、117…切断刃、123…クリップ、124…クリ
ップ掛け装置、125…狭窄ガイドレール、126…ク
リップ開閉具、127…クリップ押し出しシリンダ、1
28…クリップ押し出し具

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 穂木苗供給板に配置される穂木苗および
    台木苗供給板に配置される台木苗とを各々の苗の搬送装
    置で各々の切断位置まで搬送し、それぞれ切断した台木
    苗と穂木苗をさらに各々の搬送装置で接合位置まで搬送
    して接合する接木ロボットにおいて、 台木苗供給板は台木苗供給側に開口した台木胚軸受け溝
    を有する横方向に面を持つ折り曲げ片とその折り曲げ片
    の両側の傾斜片とからなることを特徴とする接木ロボッ
    ト。
  2. 【請求項2】 台木苗と穂木苗をそれぞれ切断した後、
    接合する接合ロボットにおいて、 台木苗供給装置から受け取った台木苗を切断位置および
    接合位置へ順次搬送する伸縮自在の台木搬送アームと、 台木を把持するための少なくとも二つの把持ハンドを前
    記台木搬送アームの先端に設けた台木把持部とを有する
    台木搬送装置を備えたことを特徴とする接木ロボット。
  3. 【請求項3】 台木把持部は台木根部分を把持する一対
    の根固定ハンド、台木胚軸部を把持する一対の胚軸ハン
    ドまたは台木子葉展開基部を把持する一対の子葉ハンド
    を備えたことを特徴とする請求項2記載の接木ロボッ
    ト。
  4. 【請求項4】 台木把持部の根固定ハンドと胚軸ハンド
    は台木の供給位置から切断位置への搬送時および台木切
    断後の穂木との接合位置への搬送時に台木を把持し、子
    葉ハンドは切断直前に一時的に台木を把持し、かつ、切
    断時には切断刃の動作の軌跡の外側に台木に残す子葉を
    移動できる構成を有することを特徴とする請求項2記載
    の接木ロボット。
  5. 【請求項5】 子葉ハンドは円筒ローラと該円筒ローラ
    に対向する位置に移動可能な台木首吊片から構成される
    ことを特徴とする請求項3記載の接木ロボット。
  6. 【請求項6】 台木切断時には子葉ハンドの円筒ローラ
    と接木ロボットの天板部から降下する子葉押えにより台
    木側に残す子葉を固定する構成を有することを特徴とす
    る請求項5記載の接木ロボット。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100519733B1 (ko) * 1998-07-24 2006-02-28 학교법인 성균관대학 육묘 자동접목장치의 호접장치

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100519733B1 (ko) * 1998-07-24 2006-02-28 학교법인 성균관대학 육묘 자동접목장치의 호접장치

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