JPH06269836A - チタンおよびチタン合金圧延素材の加熱方法 - Google Patents
チタンおよびチタン合金圧延素材の加熱方法Info
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- JPH06269836A JPH06269836A JP5057338A JP5733893A JPH06269836A JP H06269836 A JPH06269836 A JP H06269836A JP 5057338 A JP5057338 A JP 5057338A JP 5733893 A JP5733893 A JP 5733893A JP H06269836 A JPH06269836 A JP H06269836A
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- heating
- titanium
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- hardened layer
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/10—Greenhouse gas [GHG] capture, material saving, heat recovery or other energy efficient measures, e.g. motor control, characterised by manufacturing processes, e.g. for rolling metal or metal working
Abstract
(57)【要約】
【目的】 チタンおよびチタン合金を棒,線,管材等に
熱間加工する際の素材加熱において、表面の酸化硬化層
の生成を抑制し、かつ生産効率の高い加熱を行い、熱間
加工材の酸化硬化層の低減を図る。 【構成】 チタンおよびチタン合金圧延素材の加熱に際
し、表面の酸化硬化層の厚さが増大しない温度以下まで
は燃焼雰囲気加熱炉で一次加熱し、引き続く高温域には
誘導加熱炉にて加熱温度に応じた所定時間内の加熱を行
うことにより、圧延後の切削加工等に有害な酸化硬化層
を抑制する。
熱間加工する際の素材加熱において、表面の酸化硬化層
の生成を抑制し、かつ生産効率の高い加熱を行い、熱間
加工材の酸化硬化層の低減を図る。 【構成】 チタンおよびチタン合金圧延素材の加熱に際
し、表面の酸化硬化層の厚さが増大しない温度以下まで
は燃焼雰囲気加熱炉で一次加熱し、引き続く高温域には
誘導加熱炉にて加熱温度に応じた所定時間内の加熱を行
うことにより、圧延後の切削加工等に有害な酸化硬化層
を抑制する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チタンおよびチタン合
金を、棒,線,管材等に熱間加工する際の素材の加熱方
法に関するものである。
金を、棒,線,管材等に熱間加工する際の素材の加熱方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】チタンおよびチタン合金は、優れた耐食
性,高い比強度といった特性から、その棒および線材
は、航空機用部材,海水用ロープまたメガネフレーム
等、多岐に使用されている。
性,高い比強度といった特性から、その棒および線材
は、航空機用部材,海水用ロープまたメガネフレーム
等、多岐に使用されている。
【0003】一方、チタンは酸化力が極めて高く、酸素
が容易に内部に侵入し、高温域になると酸化硬化層が増
大する。そのため、圧延素材のビレットを熱間で棒,
線,管材に圧延すると、加熱時の酸化硬化層が圧延後も
残存する。そのために圧延材の表面を切削加工等で除去
しているが、残存した酸化硬化層が切削工具を欠損させ
たり、材料の破断などが発生し、生産性が極めて悪くな
る。また、酸化硬化層に起因する成品表面割れ等の欠陥
も発生するという問題が生じている。
が容易に内部に侵入し、高温域になると酸化硬化層が増
大する。そのため、圧延素材のビレットを熱間で棒,
線,管材に圧延すると、加熱時の酸化硬化層が圧延後も
残存する。そのために圧延材の表面を切削加工等で除去
しているが、残存した酸化硬化層が切削工具を欠損させ
たり、材料の破断などが発生し、生産性が極めて悪くな
る。また、酸化硬化層に起因する成品表面割れ等の欠陥
も発生するという問題が生じている。
【0004】例えば、Ti-6A1-4V合金の圧延素材を通常
の燃焼雰囲気加熱炉のみにて950℃で90分加熱した
後、棒圧延した場合、圧延材表面には約200μmの酸
化硬化層が生成する。なお、この酸化硬化層の厚さは、
Ti-6A1-4V合金の場合は断面硬度にてHvが400以
上、チタンの場合は、Hvが300以上となる表面から
の厚さと定めた。このような厚い酸化硬化層が生じると
圧延後の切削加工にて切削工具の欠損が起こる。
の燃焼雰囲気加熱炉のみにて950℃で90分加熱した
後、棒圧延した場合、圧延材表面には約200μmの酸
化硬化層が生成する。なお、この酸化硬化層の厚さは、
Ti-6A1-4V合金の場合は断面硬度にてHvが400以
上、チタンの場合は、Hvが300以上となる表面から
の厚さと定めた。このような厚い酸化硬化層が生じると
圧延後の切削加工にて切削工具の欠損が起こる。
【0005】この加熱時の表面酸化を防ぐために、従来
技術として、特公昭36−8163号公報には、素材表
面に予め酸化防止剤や水ガラスを塗布して加熱する方法
が記載されている。
技術として、特公昭36−8163号公報には、素材表
面に予め酸化防止剤や水ガラスを塗布して加熱する方法
が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法で
は、塗布された酸化防止剤や水ガラスは局部的に剥がれ
やすく、さらに剥がれた箇所が表面ムラになる問題があ
る。また、素材に酸化防止剤を一本毎塗布する工程、さ
らに圧延後に酸化防止剤を除去する工程が付加されるた
め、生産効率が極めて低い。
は、塗布された酸化防止剤や水ガラスは局部的に剥がれ
やすく、さらに剥がれた箇所が表面ムラになる問題があ
る。また、素材に酸化防止剤を一本毎塗布する工程、さ
らに圧延後に酸化防止剤を除去する工程が付加されるた
め、生産効率が極めて低い。
【0007】その他、加熱雰囲気をアルゴンガス等の無
酸化雰囲気として加熱する方法もあるが、実操業上、加
熱炉内を無酸化雰囲気に置換するために長時間を要する
こと、また置換したとしても、加熱素材の出し入れ時に
大気が加熱炉内に混入して、完全な無酸化状態とはなら
ないという問題がある。
酸化雰囲気として加熱する方法もあるが、実操業上、加
熱炉内を無酸化雰囲気に置換するために長時間を要する
こと、また置換したとしても、加熱素材の出し入れ時に
大気が加熱炉内に混入して、完全な無酸化状態とはなら
ないという問題がある。
【0008】本発明は、チタンおよびチタン合金を棒,
線,管材等に熱間加工する際の素材加熱において、表面
の酸化硬化層の生成を抑制し、且つ生産効率の高い加熱
を行い、圧延材の酸化硬化層の低減を図るものである。
線,管材等に熱間加工する際の素材加熱において、表面
の酸化硬化層の生成を抑制し、且つ生産効率の高い加熱
を行い、圧延材の酸化硬化層の低減を図るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、チタンお
よびチタン合金を棒,線,管材等に熱間加工する際の素
材の加熱方法において、酸化硬化層の発生を抑制し、且
つ生産効率の高い加熱を行うためには、加熱を二段階に
分けて、一次加熱では、酸化はするものの圧延後の切削
加工等に有害な酸化硬化層の厚さが増大しない温度域ま
では燃焼雰囲気中で加熱しておき、急激に酸化硬化層が
増大する高温域は、誘導加熱炉にて所定の酸化硬化層の
厚さ以下となる条件で加熱すれば、加熱時の酸化硬化層
を抑制し、その結果、圧延材の酸化硬化層の低減が可能
であることを見出したものである。
よびチタン合金を棒,線,管材等に熱間加工する際の素
材の加熱方法において、酸化硬化層の発生を抑制し、且
つ生産効率の高い加熱を行うためには、加熱を二段階に
分けて、一次加熱では、酸化はするものの圧延後の切削
加工等に有害な酸化硬化層の厚さが増大しない温度域ま
では燃焼雰囲気中で加熱しておき、急激に酸化硬化層が
増大する高温域は、誘導加熱炉にて所定の酸化硬化層の
厚さ以下となる条件で加熱すれば、加熱時の酸化硬化層
を抑制し、その結果、圧延材の酸化硬化層の低減が可能
であることを見出したものである。
【0010】本発明は、次の通りである。 (1) チタンおよびチタン合金の圧延素材を燃焼雰囲気の
加熱炉で一次加熱した後、引き続いて誘導加熱炉で二次
加熱して所定の加工温度とする、連続的に加熱する方法
において、前記一次加熱を表面の酸化硬化層の厚さが増
大を開始する温度以下で行うとともに、前記二次加熱温
度に応じて予め定めた加熱時間内で行う。
加熱炉で一次加熱した後、引き続いて誘導加熱炉で二次
加熱して所定の加工温度とする、連続的に加熱する方法
において、前記一次加熱を表面の酸化硬化層の厚さが増
大を開始する温度以下で行うとともに、前記二次加熱温
度に応じて予め定めた加熱時間内で行う。
【0011】(2) 上記(1)のチタン圧延材の加熱は、一
次加熱温度を680℃以下とし、二次加熱における加熱
時間を式(1)を満足する時間とする; t≦〔4800/(T+273)〕2 ・・・(1) T:加熱温度(℃) t:加熱時間(分)。
次加熱温度を680℃以下とし、二次加熱における加熱
時間を式(1)を満足する時間とする; t≦〔4800/(T+273)〕2 ・・・(1) T:加熱温度(℃) t:加熱時間(分)。
【0012】(3) α+β型チタン合金圧延素材の加熱
は、一次加熱温度を780℃以下とし、二次加熱におけ
る加熱時間を式(2)を満足する時間とする; t≦〔5900/(T+273)〕2 ・・・(2) T:加熱温度(℃) t:加熱時間(分)。
は、一次加熱温度を780℃以下とし、二次加熱におけ
る加熱時間を式(2)を満足する時間とする; t≦〔5900/(T+273)〕2 ・・・(2) T:加熱温度(℃) t:加熱時間(分)。
【0013】(4) β型チタン合金圧延素材は、一次加熱
温度を780℃以下とし、二次加熱における加熱時間を
式(3)を満足する時間とする; t≦〔5600/(T+273)〕2 ・・・(3) T:加熱温度(℃) t:加熱時間(分)。
温度を780℃以下とし、二次加熱における加熱時間を
式(3)を満足する時間とする; t≦〔5600/(T+273)〕2 ・・・(3) T:加熱温度(℃) t:加熱時間(分)。
【0014】
【作用】本発明者らは、圧延後の切削加工の作業性と圧
延材表面の酸化硬化層の厚さの関係について調べた。そ
の結果、切削工具の損傷の少ない加工を行うためには、
圧延材の酸化硬化層の厚さは約60μm以下にする必要
があることを究明した。圧延材の酸化硬化層の厚さを低
減させるためには、圧延素材の加熱時に生成する酸化硬
化層の厚さを低減すればよい。圧延の圧下率による変動
があるものの、少なくとも加熱時に生成する酸化硬化層
の厚さを60μm以下にすれば、圧延材の酸化硬化層の
厚さも60μm以下に低減可能である。しかしながら、
工業生産にて通常使用される連続的な燃焼雰囲気加熱炉
では、少なくとも酸化硬化層の厚さを60μm以下にす
るような短時間加熱は難しい。
延材表面の酸化硬化層の厚さの関係について調べた。そ
の結果、切削工具の損傷の少ない加工を行うためには、
圧延材の酸化硬化層の厚さは約60μm以下にする必要
があることを究明した。圧延材の酸化硬化層の厚さを低
減させるためには、圧延素材の加熱時に生成する酸化硬
化層の厚さを低減すればよい。圧延の圧下率による変動
があるものの、少なくとも加熱時に生成する酸化硬化層
の厚さを60μm以下にすれば、圧延材の酸化硬化層の
厚さも60μm以下に低減可能である。しかしながら、
工業生産にて通常使用される連続的な燃焼雰囲気加熱炉
では、少なくとも酸化硬化層の厚さを60μm以下にす
るような短時間加熱は難しい。
【0015】チタン合金は、結晶構造が稠密六方晶(α
相:hcp)のα型合金,αと体心立方晶(β相:bcc)の
二相のα+β型合金及びβ型合金の三種類がある。α型
にはTi-5A1-2.5Sn合金等、α+β型にはTi-6A1-4AV,Ti
-3A1-2.5V合金等、β型にはTi-3A1-8V-6Cr-4Mo-4Zr,Ti
-15V-3Cr-3Sn-3A1合金等がある。
相:hcp)のα型合金,αと体心立方晶(β相:bcc)の
二相のα+β型合金及びβ型合金の三種類がある。α型
にはTi-5A1-2.5Sn合金等、α+β型にはTi-6A1-4AV,Ti
-3A1-2.5V合金等、β型にはTi-3A1-8V-6Cr-4Mo-4Zr,Ti
-15V-3Cr-3Sn-3A1合金等がある。
【0016】そこで、チタンJIS2種,α型のTi-5AI
-2.5Sn合金,α+β型のTi-6AI-4V合金およびβ型のTi-
3AI-8V-6Cr-4Mo-4Zr合金を用いて、酸化硬化層の生成と
加熱温度の影響を調べた結果、チタンでは680℃程度
以下の温度域において、数時間の加熱を行なっても、僅
かに酸化するものの酸化硬化層の厚さはそれぼど顕著に
は増大しないことが判明した。また、α型,α+β型お
よびβ型のチタン合金は、780℃程度以下の温度域で
は酸化硬化層の厚さはさほど増大しないことがわかっ
た。これは、合金成分のAl,Sn,Moによって、耐
酸化性がチタンに較べて向上するためである。
-2.5Sn合金,α+β型のTi-6AI-4V合金およびβ型のTi-
3AI-8V-6Cr-4Mo-4Zr合金を用いて、酸化硬化層の生成と
加熱温度の影響を調べた結果、チタンでは680℃程度
以下の温度域において、数時間の加熱を行なっても、僅
かに酸化するものの酸化硬化層の厚さはそれぼど顕著に
は増大しないことが判明した。また、α型,α+β型お
よびβ型のチタン合金は、780℃程度以下の温度域で
は酸化硬化層の厚さはさほど増大しないことがわかっ
た。これは、合金成分のAl,Sn,Moによって、耐
酸化性がチタンに較べて向上するためである。
【0017】一方、チタンおよびチタン合金を棒,線お
よび管材に熱間加工するためには、その変形抵抗および
変形能からみて、チタンでは700℃以上、チタン合金
では800℃以上に加熱するのが望ましい。またチタン
では950℃超、チタン合金では1250℃超の温度に
加熱する必要はなく、酸化硬化層の厚さを増大するのみ
であるので、望ましい二次加熱温度の上限としては、チ
タンでは950℃,チタン合金では1250℃が望まし
い。
よび管材に熱間加工するためには、その変形抵抗および
変形能からみて、チタンでは700℃以上、チタン合金
では800℃以上に加熱するのが望ましい。またチタン
では950℃超、チタン合金では1250℃超の温度に
加熱する必要はなく、酸化硬化層の厚さを増大するのみ
であるので、望ましい二次加熱温度の上限としては、チ
タンでは950℃,チタン合金では1250℃が望まし
い。
【0018】素材加熱時の酸化硬化層の生成を抑制する
ためには、低温度の加熱が考えられるが、加工に必要な
加熱温度は、材料の変形抵抗および変形能を考慮して決
定されるものである。従って、上述したように加熱時間
の短縮が採り得る対策であるが、生産工程にて通常使用
される連続的な燃焼雰囲気加熱炉では短時間加熱は難し
い。一方、最初から誘導加熱炉にて加熱する方法も考え
られるが、製造コスト面また生産効率において必ずしも
有効でない。
ためには、低温度の加熱が考えられるが、加工に必要な
加熱温度は、材料の変形抵抗および変形能を考慮して決
定されるものである。従って、上述したように加熱時間
の短縮が採り得る対策であるが、生産工程にて通常使用
される連続的な燃焼雰囲気加熱炉では短時間加熱は難し
い。一方、最初から誘導加熱炉にて加熱する方法も考え
られるが、製造コスト面また生産効率において必ずしも
有効でない。
【0019】これらの結果から、圧延後の切削加工に有
害な酸化硬化層の厚さが増大しない温度域までは低温長
時間の一次加熱を行い、引き続いて熱間加工に必要な高
温域の二次加熱は加熱温度に応じて加熱時間を調整する
ことにより、加熱の酸化硬化層の厚さを低減することを
見出したものである。
害な酸化硬化層の厚さが増大しない温度域までは低温長
時間の一次加熱を行い、引き続いて熱間加工に必要な高
温域の二次加熱は加熱温度に応じて加熱時間を調整する
ことにより、加熱の酸化硬化層の厚さを低減することを
見出したものである。
【0020】次に、二次加熱条件、特に加熱時間を決定
するにあたり、熱間加工温度域に於いて加熱温度,時間
と酸化硬化層の厚さの関係を調査した。チタンJIS2
種,α型のTi-5AI-2.5Sn合金,α+β型のTi-6AI-4V合
金およびβ型のTi-3AI-8V-6Cr-4Mo-4Zr合金を用いて、
一次加熱として酸化硬化層の深さが増大しない温度、チ
タンでは680℃以下の600℃、またチタン合金では
780℃以下の700℃に各々1時間加熱した後、70
0〜1250℃の範囲内で1時間以内の種々の加熱を行
って酸化硬化層の厚さを調べた。その結果から、二次加
熱における加熱時間をチタンに対しては(1)式、αお
よびα+β型チタン合金に対しては(2)式、β型チタ
ン合金に対しては(3)式を満足する時間とすることに
よって、酸化硬化層の厚さは60μm以下に低減できる
ことを見出した。
するにあたり、熱間加工温度域に於いて加熱温度,時間
と酸化硬化層の厚さの関係を調査した。チタンJIS2
種,α型のTi-5AI-2.5Sn合金,α+β型のTi-6AI-4V合
金およびβ型のTi-3AI-8V-6Cr-4Mo-4Zr合金を用いて、
一次加熱として酸化硬化層の深さが増大しない温度、チ
タンでは680℃以下の600℃、またチタン合金では
780℃以下の700℃に各々1時間加熱した後、70
0〜1250℃の範囲内で1時間以内の種々の加熱を行
って酸化硬化層の厚さを調べた。その結果から、二次加
熱における加熱時間をチタンに対しては(1)式、αお
よびα+β型チタン合金に対しては(2)式、β型チタ
ン合金に対しては(3)式を満足する時間とすることに
よって、酸化硬化層の厚さは60μm以下に低減できる
ことを見出した。
【0021】 t≦〔4800/(T+273)〕2 ・・・(1) t≦〔5900/(T+273)〕2 ・・・(2) t≦〔5600/(T+273)〕2 ・・・(3) ここでは、Tは加熱温度(℃)、tは加熱時間(分)で
ある。
ある。
【0022】チタンおよびα,α+β型およびβ型チタ
ン合金のそれぞれの二次加熱条件範囲を図1に示す。こ
こで、β型チタン合金は、Al,Moの耐酸化性向上成
分が含まれているものの、逆に耐酸化性を低下させるV
が多く含まれているために、αおよびα+β型チタン合
金に較べて高温域の耐酸化性がやや劣る。
ン合金のそれぞれの二次加熱条件範囲を図1に示す。こ
こで、β型チタン合金は、Al,Moの耐酸化性向上成
分が含まれているものの、逆に耐酸化性を低下させるV
が多く含まれているために、αおよびα+β型チタン合
金に較べて高温域の耐酸化性がやや劣る。
【0023】
【実施例】チタンのJIS2種材、また各種チタン合金
の圧延材ビレット(断面サイズ:106×106mm)を用い
て、種々の加熱条件にて加熱した後の酸化硬化層の厚さ
(チタンの場合は、断面硬度:Hv≧300、チタン合
金の場合は、Hv≧400となる表面からの厚さ)を調
査した結果を表1に示す。さらに、加熱後、圧延を行い
直径11mmの線材に圧延した後、丸孔逆ダイスを用い
て切削加工深さを0.1mmの皮削り加工を行った結果
も表1に示す。なお、一次加熱時間は全て60分とし、
二次加熱は大気雰囲気の誘導加熱炉にて加熱した。
の圧延材ビレット(断面サイズ:106×106mm)を用い
て、種々の加熱条件にて加熱した後の酸化硬化層の厚さ
(チタンの場合は、断面硬度:Hv≧300、チタン合
金の場合は、Hv≧400となる表面からの厚さ)を調
査した結果を表1に示す。さらに、加熱後、圧延を行い
直径11mmの線材に圧延した後、丸孔逆ダイスを用い
て切削加工深さを0.1mmの皮削り加工を行った結果
も表1に示す。なお、一次加熱時間は全て60分とし、
二次加熱は大気雰囲気の誘導加熱炉にて加熱した。
【0024】
【表1】
【0025】本発明例は、加熱時の酸化硬化層が60μ
m以下となっており、その結果、圧延後の切削加工でも
工具の欠損等はなく良好であった。
m以下となっており、その結果、圧延後の切削加工でも
工具の欠損等はなく良好であった。
【0026】
【発明の効果】本発明によって加熱時の酸化層を低減せ
しめ、その結果、圧延材の表面酸化硬化層を抑制し、そ
の後の切削加工等の負担を軽減することが可能となり、
且つ高い生産効率も得られて、その工業的効果は著し
い。
しめ、その結果、圧延材の表面酸化硬化層を抑制し、そ
の後の切削加工等の負担を軽減することが可能となり、
且つ高い生産効率も得られて、その工業的効果は著し
い。
【図1】 チタン合金の二次加熱条件(温度,時間)範
囲を示すグラフである。
囲を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石 王 章 文 光市大字島田3434番地 新日本製鐵株式会 社光製鐵所内 (72)発明者 左 田 野 豊 光市大字島田3434番地 新日本製鐵株式会 社光製鐵所内 (72)発明者 山 本 諭 光市大字島田3434番地 新日本製鐵株式会 社光製鐵所内 (72)発明者 高 橋 常 利 光市大字島田3434番地 新日本製鐵株式会 社光製鐵所内
Claims (4)
- 【請求項1】 チタンおよびチタン合金の圧延素材を燃
焼雰囲気の加熱炉で一次加熱した後、引き続いて誘導加
熱炉で二次加熱して所定の加工温度とする連続的に加熱
する方法において、 前記一次加熱を表面の酸化硬化層の厚さが増大を開始す
る温度以下で行うとともに、前記二次加熱を加熱温度に
応じて予め定めた加熱時間内で行うことを特徴とするチ
タンおよびチタン合金圧延素材の加熱方法。 - 【請求項2】 請求項1において、一次加熱温度を68
0℃以下とし、二次加熱における加熱時間を式(1)を
満足する時間とすることを特徴とするチタン圧延材の加
熱方法; t≦〔4800/(T+273)〕2 ・・・(1) T:加熱温度(℃) t:加熱時間(分)。 - 【請求項3】 請求項1において、一次加熱温度を78
0℃以下とし、二次加熱における加熱時間を式(2)を
満足する時間とすることを特徴とするαおよびα+β型
チタン合金圧延素材の加熱方法; t≦〔5900/(T+273)〕2 ・・・(2) T:加熱温度(℃) t:加熱時間(分)。 - 【請求項4】 請求項1において、一次加熱温度を78
0℃以下とし、二次加熱における加熱時間を式(3)を
満足する時間とすることを特徴とするβ型チタン合金圧
延素材の加熱方法; t≦〔5600/(T+273)〕2 ・・・(3) T:加熱温度(℃) t:加熱時間(分)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05057338A JP3118342B2 (ja) | 1993-03-17 | 1993-03-17 | チタンおよびチタン合金圧延素材の加熱方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05057338A JP3118342B2 (ja) | 1993-03-17 | 1993-03-17 | チタンおよびチタン合金圧延素材の加熱方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06269836A true JPH06269836A (ja) | 1994-09-27 |
JP3118342B2 JP3118342B2 (ja) | 2000-12-18 |
Family
ID=13052788
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05057338A Expired - Fee Related JP3118342B2 (ja) | 1993-03-17 | 1993-03-17 | チタンおよびチタン合金圧延素材の加熱方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3118342B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015113508A (ja) * | 2013-12-12 | 2015-06-22 | 大同特殊鋼株式会社 | Ti合金の加熱方法 |
CN113600616A (zh) * | 2021-08-09 | 2021-11-05 | 成都先进金属材料产业技术研究院股份有限公司 | 提高两相钛合金抗高速冲击性能的热加工方法 |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1026140B1 (en) | 1999-01-29 | 2003-09-24 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Process of producing adamantanols |
JP4395926B2 (ja) | 1999-07-16 | 2010-01-13 | 三菱瓦斯化学株式会社 | アダマンタノール類の製造方法 |
EP1637526B1 (en) | 2003-06-20 | 2011-11-09 | Tokuyama Corporation | Curable polycyclic compounds and process for the production thereof |
CN102059248A (zh) * | 2010-11-11 | 2011-05-18 | 攀钢集团钢铁钒钛股份有限公司 | 普通热连轧机生产钛卷的方法 |
-
1993
- 1993-03-17 JP JP05057338A patent/JP3118342B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2015113508A (ja) * | 2013-12-12 | 2015-06-22 | 大同特殊鋼株式会社 | Ti合金の加熱方法 |
CN113600616A (zh) * | 2021-08-09 | 2021-11-05 | 成都先进金属材料产业技术研究院股份有限公司 | 提高两相钛合金抗高速冲击性能的热加工方法 |
CN113600616B (zh) * | 2021-08-09 | 2023-05-30 | 成都先进金属材料产业技术研究院股份有限公司 | 提高两相钛合金抗高速冲击性能的热加工方法 |
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JP3118342B2 (ja) | 2000-12-18 |
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