JPH06269579A - 繊維構造体及びその製法 - Google Patents

繊維構造体及びその製法

Info

Publication number
JPH06269579A
JPH06269579A JP5058684A JP5868493A JPH06269579A JP H06269579 A JPH06269579 A JP H06269579A JP 5058684 A JP5058684 A JP 5058684A JP 5868493 A JP5868493 A JP 5868493A JP H06269579 A JPH06269579 A JP H06269579A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
heat
fibers
thermoplastic elastomer
elastic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5058684A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3454363B2 (ja
Inventor
Hideo Isoda
英夫 磯田
Tadaaki Hamaguchi
忠昭 濱口
Mitsuhiro Sakuta
光浩 作田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP5868493A priority Critical patent/JP3454363B2/ja
Publication of JPH06269579A publication Critical patent/JPH06269579A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3454363B2 publication Critical patent/JP3454363B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 クッション性、耐へたり性、耐熱耐久性、及
び座り心地の良いクッション材の提供。 【構成】 非弾性捲縮短繊維をマトリックスとした密度
が0.005〜0.10g/cm3 である繊維構造体にお
いて、熱接着成分に非弾性巻縮短繊維を構成するポリマ
−の融点より少なくとも40℃以上低い融点を有する熱
可塑性エラストマーと熱接着成分より少なくとも30℃
高い熱可塑性エラストマ−とからなる弾性複合繊維が弾
性複合繊維同士及び非弾性捲縮短繊維とが三次元的に形
成された接点で熱融着した部分が散在している繊維構造
体。およびこの弾性複合繊維を混綿、開繊して弾性複合
繊維同士及び複合繊維と非弾性捲縮短繊維との三次元的
な繊維接点を形成させた後、熱接着成分の融点より少な
くとも10℃以上高い温度で熱処理し、少なくとも一部
の繊維接点を熱接着させる繊維構造体の製法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非弾性捲縮短繊維をマ
トリックスとし、その中に熱可塑性エラストマ−からな
る弾性複合繊維により接点を熱接着されたネットワ−ク
構造を形成した繊維構造体に関する。更には、家具、ベ
ッド、電車、自動車等のクッション材としたとき、優れ
たクッション性、優れた抗へたり性と耐熱耐久性を有す
るリサイクルが可能な繊維構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、家具、ベッド、電車、自動車等の
クッション材で、発泡ウレタン、非弾性捲縮繊維詰綿、
及び非弾性捲縮繊維を接着した樹脂綿や硬綿などが使用
されている。
【0003】しかしながら、発泡ウレタンはクッション
材としての耐久性は良好だが、床つき感が大きく、透湿
透水性に劣り蓄熱性があるため蒸れやすく、かつ、燃焼
時の発生熱量が大きいため難燃性付与にはハロゲン化物
の添加が必要となり、火災時には多量の有毒ガス発生に
よる中毒の問題と、リサイクルが困難なため焼却される
場合、焼却炉の損傷が大きく、かつ、有毒ガス除去に経
費が掛かる。このため埋め立てされることが多くなった
が、地盤の安定化が困難なため埋め立て場所が限定され
経費も高くなっていく問題がある。また、加工性は優れ
るが製造中に使用される薬品の公害問題などもある。ま
た、ポリエステル繊維詰綿では繊維間が固定されていな
いため、使用時形態が崩れたり、繊維が移動して、か
つ、捲縮のへたりで嵩高性の低下や弾力性の低下が問題
になる。
【0004】ポリエステル繊維を接着剤で接着した樹脂
綿、例えば接着剤にゴム系を用いたものとして特開昭6
0−11352号公報、特開昭61−141388号公
報、特開昭61−141391号公報等がある。又、ウ
レタンを用いたものとして特開昭61−137732号
公報等がある。これらのクッション材は耐久性に劣り、
且つリサイクルも出来ない等の問題、及び加工性の煩雑
さや製造中に使用される薬品の公害問題などもある。
【0005】ポリエステル硬綿、例えば特開昭58−3
1150号公報、特開平2−154050号公報、特開
平3−220354号公報等があるが、用いている熱接
着繊維の接着成分が脆い非晶性のポリマ−を用いるため
(例えば特開昭58−136828号公報、特開平3−
249213号公報等)接着部分が脆く、使用中に接着
部分が簡単に破壊されて形態や弾力性が低下するなどの
耐久性に劣る問題がある。改良法として、交絡処理する
方法が特開平4−245965号公報等で提案されてい
るが、接着部分の脆さは解決されず弾力性の低下が大き
い問題がある。また、加工時の煩雑さもある。更には接
着部分が変形しにくくソフトなクッション性を付与しに
くい問題もある。このため、接着部分を柔らかい、且つ
変形しても回復するポリエステルエラストマ−を用いた
熱接着繊維が特開平4−240219号公報で、同繊維
を用いたクッション材がWO−91/19032号公報
で提案されている。この繊維構造物に使われる接着成分
はポリエステルエラストマ−のハ−ドセグメントの酸成
分にテレフタル酸を50〜80モル%含有し、ソフトセ
グメントとしてのポリアルキレングリコ−ルの含有量が
30〜50重量%を限定すると、他の酸成分組成として
融点が180℃以下となるには、特公昭60−1404
号公報に記載された繊維と同一と認められるので、イソ
フタル酸等を含有し非晶性が増すことになり、低溶融粘
度として熱接着部分の形成を良くしてアメーバー状の接
着部を形成しているが塑性変形しやいため、耐熱抗圧縮
性が低下する問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を改良し、優れたクッション性、へたり性、
優れた耐熱耐久性、及び着座時蒸れ難く座り心地の良い
クッション材となり、リサイクルが可能な繊維構造体を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討を行った結果、熱可塑性エラ
ストマ−からなる複合繊維で伸縮性を有するネットワ−
ク構造を形成することで目的を達成できることを知見
し、本発明に到達した。即ち本発明は、非弾性捲縮短繊
維(A)と弾性複合繊維(B)が三次元的に混合されて
なる繊維構造体であり、上記弾性複合繊維(B)は、非
弾性捲縮短繊維(A)を形成するポリマーの融点より4
0℃以上低い融点を有する熱可塑性エラストマー(C)
と、該熱可塑性エラストマーより30℃以上高い融点を
有する熱可塑性エラストマー(D)よりなり、熱可塑性
エラストマー(C)が複合繊維の表面に少なくとも2分
の1以上露出しており、繊維(A)と繊維(B)あるい
は繊維(B)と繊維(B)が三次元的に形成された接点
で熱融着により接着した部分が散在しており、密度が
0.005〜0.10g/cm3 であることを特徴とする
繊維構造体および非弾性捲縮短繊維と熱接着成分に非弾
性巻縮短繊維を構成するポリマ−の融点より少なくとも
40℃以上低い融点を有する熱可塑性エラストマー
(C)と熱接着成分より少なくとも30℃高い融点を有
する熱可塑性エラストマ−(D)とからなり、前者
(C)が繊維表面に少なくとも1/2以上露出した弾性
複合繊維とを混綿、開繊して弾性複合繊維同士及び複合
繊維と非弾性捲縮短繊維との三次元的な繊維接点を形成
させた後、熱接着成分となる熱可塑性エラストマー
(C)の融点より少なくとも10℃以上高い温度で熱処
理し、繊維接点のうち、少なくとも一部の繊維接点を熱
接着させることを特徴とする繊維構造体の製法である。
【0008】本発明の繊維構造体は非弾性捲縮繊維のマ
トリックスの中に熱接着成分となる熱可塑性エラストマ
−とネットワ−ク構造を支える熱可塑性エラストマ−と
からなる弾性複合繊維が該繊維同士の接点及び非弾性捲
縮短繊維との接点が熱融着により接着された良好な伸縮
性を有する接着点および伸縮性を有する熱可塑性エラス
トマ−からなる3次元ネットワ−ク構造を作っている。
良好な伸縮性を有する接着点および3次元ネットワ−ク
構造でマトリックスの非弾性巻縮繊維が接続されている
ので大変形を受けても接着点や3次元ネットワ−ク構造
が破壊されないで変形し、歪みを除去すると、エラスト
マ−の伸縮性が発現し元の構造に回復できる。本発明と
WO91/19032号公報との本質的な差異は、本発
明が熱可塑性エラストマ−からなる弾性複合繊維で3次
元ネットワ−ク構造を作っている点である。本発明では
弾性複合繊維でネットワ−クを形成しているため、極端
に伸張されてもが弾性複合繊維からなる伸縮性の優れた
3次元ネットワ−ク構造全体で伸ばされ、非弾性巻縮繊
維自身は大きく伸張されず、従って接着点も破壊されな
いが、WO91/19032号公報では接着点間が非弾
性体からなる繊維で直線的に結ばれており、大変形を受
けると繊維自身に伸張歪みを受け、接着点に大きな力が
集中して構造が破壊するか、または接着成分が紡錘状に
集中している部分と接着成分が流出して芯成分のみ残っ
た部分があり、芯成分のみの部分は細い非弾性繊維で且
つ、充分な熱延伸がされていないので力学特性も劣るた
め応力集中により繊維自身が破壊する場合がある。従っ
て、本発明の繊維構造体の方が全体がエラストマ−の伸
縮性をもつ弾性複合繊維で三次元ネットワ−ク状に連結
されている点から、WO91/19032号公報記載の
繊維構造体より耐へたり性、耐久性、及びクッション性
は優れたものとなる。
【0009】本発明繊維構造体の密度は0.005〜
0.1g/cm3 である。この密度が0.1g/cm3 以上
では、繊維密度が過度に高くなり熱可塑性エラストマ−
同士が過密に相互融着しやすくなり、厚み方向の弾力性
が著しく低下し、通気性も少なくなり蒸れやすくなるの
でクッション材として適さない。他方、この密度が0.
005g/cm3 未満では、マトリックスとなる非弾性捲
縮短繊維の構成本数が少なくなりクッション材としての
反発力が失われるので好ましくない。この点で特開昭5
8−197312号公報等に記載されるテ−プ、リボ
ン、シ−ト等の補強と曲げ易さを目的とした2次元的緻
密構造物とは異なるものである。
【0010】なお、本発明の繊維構造体中における伸縮
性の3次元ネットワ−ク構造を作っている該弾性複合繊
維の好ましい含有量は、10重量%以上70重量%以
下、より好ましくは20重量%以上50重量%以下であ
る。5重量%未満では、3次元ネットワ−ク構造が少な
くなり、耐へたり性、耐久性、クッション性が劣るので
好ましくない。70重量%以上では非弾性捲縮繊維の持
つ剛直性に由来する嵩高性や反発力が低下し、床つき感
が大きくなるのでクッション材としては適さなくなる。
また、クッション材は厚み方向に圧縮されて反発する素
材のため、その性能を発現させるには少なくとも5mm以
上とするのが好ましく、10mm以上とするのがより好ま
しい。
【0011】本発明の繊維構造体を構成するマトリック
スの非弾性捲縮短繊維(A)は、熱可塑性ポリマ−を用
いることで再生が可能なものなら特に限定されないが、
力学特性、耐熱特性、燃焼時の有毒ガス発生等を考慮す
ると、好ましくは、ポリエステル繊維であり、例えば、
ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)、ポリエチレン
ナフタレ−ト(PEN)、ポリシクロヘキシレンジメチ
レンテレフタレ−ト(PCHDT)、ポリブチレンテレ
フタレ−ト(PBT)、ポリアリレ−ト等、及びそれら
の共重合ポリエステルなどから選ばれた重合体を紡糸、
延伸、捲縮を付与した捲縮短繊維または、紡糸時、上記
重合体から熱的性質の異なる2種類の重合体を組み合わ
せ複合紡糸するか、非対称冷却法を用いて潜在捲縮能を
付与し、延伸後必要に応じ機械捲縮を掛け、または、及
び、そのまま立体捲縮を発現させた捲縮短繊維である。
これらのポリエステル捲縮短繊維の繊度や繊維断面形
状、力学特性などは所望する用途から決められるが、通
常、繊度は3〜500デニ−ル、好ましくは4〜200
デニ−ルである。断面形状は中空断面、多角形あるいは
多葉形の中空異形断面が好ましいる。なかでも、構造体
に成形された後でもモジュラスが高く(常温及び加熱下
での歪みに対する塑性変形による捲縮のへたりが少なく
なる)、例えばPETでは、好ましくは初期引張り抵抗
度で30g/デニ−ル以上、より好ましくは40g/デ
ニ−ル以上で、断面2次モ−メントの大きい断面形状、
好ましくは丸断面比の1.3倍以上、より好ましくは
1.5倍以上のものを用いると抗圧縮性や耐熱耐へたり
性を向上できるので特に好ましい。また、及び、立体捲
縮を有する繊維、好ましくは捲縮度で20%以上、より
好ましくは25%以上のものを用いると耐へたり性やク
ッション性が向上するので特に好ましい。この理由は、
耐熱耐へたり性、抗圧縮性の立体捲縮を有する非弾性捲
縮短繊維と伸縮性を有する弾性複合繊維とが熱接着接合
され、構造体全体が伸縮性を有する3次元ネットワ−ク
構造にできるのでどのような方向に大きい力が掛かった
り、大変形を与えられても個々の弾性複合繊維が少しず
つ変形して力や歪みをネットワ−ク構造全体で吸収でき
るため、マトリックスの非弾性巻縮繊維の受けるダメ−
ジを著しく軽減することで耐熱耐へたり性やクッション
性が向上する。
【0012】本発明の繊維構造体を構成する伸縮性の優
れた三次元ネットワ−ク構造を形成する弾性複合繊維
(B)は、熱接着成分となる熱可塑性エラストマ−とネ
ットワ−ク構造を支える熱可塑性エラストマ−とで形成
される。熱接着成分となる熱可塑性エラストマ−は、該
非弾性捲縮短繊維を構成するポリマ−の融点より40℃
以上、特には60℃以上低いことが好ましい。融点差が
40℃より少ないと、融着加工時の好ましい熱処理温度
が熱可塑性エラストマ−の融点より少なくとも10℃以
上高い温度、より好ましくは20℃以上高い温度とする
ため、該非弾性捲縮短繊維に対して過酷な温度となり、
該非弾性捲縮短繊維の捲縮のへたりや力学特性の低下を
招き、繊維構造体としての特性が劣るものとなる。ま
た、ネットワ−ク構造を形成する熱可塑性エラストマ−
の融点より高い温度で熱処理により接着点を形成したの
では、弾性複合繊維が溶融してネットワ−ク構造を形成
できないので(このためネットワ−ク構造を支える熱可
塑性エラストマ−が熱接着成分である熱可塑性エラスト
マ−の融点より少なくとも30℃高い融点、好ましくは
40℃以上高い融点とする。)熱接着成分となる熱可塑
性エラストマ−の融点は140℃以上190℃以下が好
ましい。更には、熱接着成分である熱可塑性エラストマ
−は、少なくとも繊維表面の1/2以上を占めないと接
着点が減少し、有効な伸縮性ネットワ−ク構造が形成で
きない。熱接着成分が繊維表面全体を占めることは接点
の全てで熱接着でき、有効な伸縮性ネットワ−ク構造が
形成できるので好ましい。また、ネットワ−ク構造を支
える熱可塑性エラストマ−が熱接着成分である熱可塑性
エラストマ−の融点より少なくとも30℃高い融点、好
ましくは40℃以上高い融点とするのに、伸縮性成分の
ソフトセグメントの含有量を少なくした場合は、伸張回
復性の良好な熱接着成分の熱可塑性エラストマ−で包ま
れているので、変形したネットワ−ク構造が容易に元の
構造に回復できる。この様な場合、構造体中の該弾性複
合繊維は表面の熱可塑性エラストマ−がやや流動不充分
な状態に保持されているほうが好ましい。該弾性複合繊
維を構成する熱可塑性エラストマ−の熱接着成分とネッ
トワ−ク構造を支える成分の複合比率は、20/80〜
70/30の範囲が適当である。該弾性複合繊維の形態
は、サイドバイサイド型でもよいが、好ましくは上述の
理由からシ−スコア型が望ましい。また、曲げ剛さを向
上できる中空のシ−スコア型とすることでクッション材
の弾発性の高いものとすることができるのでより好まし
い。
【0013】熱可塑性エラストマ−の組成は、実用上の
問題が無い範囲で特に限定されないが、ハ−ドセグメン
トは結晶性の高いものを、ソフトセグメントは分子量の
比較的大きいポリエ−テルまたはポリエステルをブロッ
ク共重合したものを用いると熱接着部分及び3次元ネッ
トワ−ク構造を形成する弾性複合繊維の伸縮性及び耐熱
性が良好となるため、クッション材の耐熱、抗へたり性
が向上するので好ましい使用形態である。本発明のより
好ましい使用形態は、非弾性捲縮繊維をポリエステルと
する時、熱可塑性エラストマ−を接着性の良好なポリエ
ステル系とすることである。ポリエステル系エラストマ
−としては、熱可塑性ポリエステルをハ−ドセグメント
とし、ポリアルキレンジオ−ルをソフトセグメントとす
るポリエステルエ−テルブロック共重合体、または、脂
肪族ポリエステルをソフトセグメントとするポリエステ
ルエステルブロック共重合体が例示できる。ポリエステ
ルエ−テルブロック共重合体のより具体的な事例として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン2・6ジ
カルボン酸、ナフタレン2・7ジカルボン酸、ジフェニ
ル4・4’ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、1・
4シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン
酸、琥珀酸、アジピン酸、セバチン酸ダイマ−酸等の脂
肪族ジカルボン酸または、これらのエステル形成性誘導
体などから選ばれたジカルボン酸の少なくとも1種と、
1・4ブタンジオ−ル、エチレングリコ−ル、トリメチ
レングリコ−ル、テトレメチレングリコ−ル、ペンタメ
チレングリコ−ル、ヘキサメチレングリコ−ル等の脂肪
族ジオ−ル、1・1シクロヘキサンジメタノ−ル、1・
4シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族ジオ−ル、ま
たはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジ
オ−ル成分の少なくとも1種、および平均分子量が約3
00〜5000のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピ
レングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、エチ
レンオキシド−プロピレンオキシド共重合体等のポリア
ルキレンジオ−ルのうち少なくとも1種から構成される
三元ブロック共重合体である。ポリエステルエステルブ
ロック共重合体としては、上記ジカルボン酸とジオ−ル
及び平均分子量が約300〜3000のポリラクトン等
の脂肪族ポリエステルのうち少なくとも各1種から構成
される三元ブロック共重合体である。熱接着性、耐加水
分解性、伸縮性、耐熱性等を考慮すると、ジカルボン酸
としてはテレフタル酸、または、及びナフタレン2・6
ジカルボン酸、ジオ−ル成分としては1・4ブタンジオ
−ル、ポリアルキレンジオ−ルとしてはポリテトラメチ
レングリコ−ルの3元ブロック共重合体が特に好まし
い。
【0014】ハ−ドセグメントを構成するポリエステル
は結晶性の良好なものほど塑性変形しにくく、かつ、耐
熱抗へたり性が向上する。溶融熱成形後更に結晶化処理
すると耐熱抗へたり性が一段と向上する。この理由は明
らかではないが、テレフタル酸または、およびナフタレ
ン2・6ジカルボン酸の含有量が多いと示差走査型熱量
計(DSC)による融解曲線において、融点以下の温度
で吸熱ピークをより明確に発現する。このことから類推
するに、疑似結晶化様の架橋点が形成され、耐熱抗へた
り性が向上しているのではないかと考えられる。好まし
いテレフタル酸、または、およびナフタレン2・6ジカ
ルボン酸量は酸成分として90モル%以上、より好まし
くは100モル%である。テレフタル酸、または、およ
びナフタレン2・6ジカルボン酸が90モル未満では結
晶性が劣るので塑性変形し易く、且つ、耐熱抗へたり性
が劣る。溶融熱成形後更に結晶化処理しても耐熱抗へた
り性が向上しにくくなる。
【0015】本発明の複合繊維を構成する熱可塑性エラ
ストマ−は、グリコ−ル成分として1−4ブタンジオ−
ルおよびポリテトラメチレングリコ−ルがブロック共重
合され、且つ、ポリテトラメチレングリコ−ルの共重合
量が10重量%以上、80重量%以下とするのが好まし
い。ゴム弾性に由来する回復性はポリテトラメチレング
リコ−ルの共重合量に比例する。同時に融点と耐熱性が
低下していく。ポリテトラメチレングリコ−ルの共重合
量が10重量%以下ではゴム弾性による回復性がかなり
低下してくる。他方80重量%以上では融点が低下して
耐熱性が劣ること、及び粘着性が発現し加工時の弾性複
合繊維を均一に分散開繊することが困難になるので好ま
しくない。本発明の熱接着成分である熱可塑性エラスト
マー(C)の好ましい組成はポリテトラメチレングリコ
−ルの共重合量は40重量%以上70重量%以下、より
好ましくは50重量%以上60重量%以下である。耐熱
性の保持から、ハ−ドセグメントの繰り返し単位を大き
くすると、ゴム弾性に由来する回復性も保持するためポ
リテトラメチレングリコ−ルの平均分子量も大きくする
必要があるが、大きくしすぎると相溶性を失い重合が進
まなくなるので適当な分子量を設定する必要がある。好
ましい平均分子量は500以上5000以下、特に好ま
しくは1000以上3000以下である。5000以上
のものを用いると低温での特性が著しく低下するので好
ましくない。他方、三次元ネットワ−ク構造を支える成
分である熱可塑性エラストマー(D)は、適度の伸縮性
以外に、熱接着成分より高融点で、かつ、形態保持の機
能も必要なため、ハ−ドセグメントの繰り返し単位を大
きくし、ゴム弾性に由来する回復性も保持するためポリ
テトラメチレングリコ−ルの平均分子量も相溶性の関係
から300以上の大きい分子量のものを用いるのが好ま
しい。ポリテトラメチレングリコ−ルの共重合量は10
重量%以上50重量%以下、より好ましくは20重量%
以上40重量%以下である。なお、本発明における好ま
しいポリエステルエ−テル共重合体の分子量は40℃フ
ェノ−ル/テトラクロルエタン混合溶媒中で測定した相
対粘度(η sp/c)が、ソフトセグメント含有量の多い熱
接着成分では1.8以上である。1.8未満では、流動
性は良くなり接着点形成性は良くなるが、接着点の回復
性が劣り、該弾性複合繊維が形成する3次元ネットワ−
ク構造の接続点の塑性変形が増加し、繊維構造体の耐へ
たり性、耐久性が劣るので好ましくない。熱接着成分の
より好ましい相対粘度は2.0以上2.5以下である。
2.5以上では200℃以下での熱接着時に流動性がや
や低下するので、接着点形成が不充分となる場合があ
る。他方、三次元ネットワ−ク構造を支える成分は、ソ
フトセグメント量が少ないため、相対粘度はやや低くな
る。好ましい相対粘度は1.0以上、より好ましくは
1.5以上とすることで、回復性とタフさを付与でき
る。
【0016】本発明のより好ましい実施形態では弾性複
合繊維のエラストマ−成分にポリテトラメチレングリコ
−ルの共重合量が多いため熱安定性が250℃以上の高
温では熱分解による分子量低下が著しくなる。このため
本発明では積極的に抗酸化剤を好ましくは1重量%以
上、より好ましくは2重量%以上5重量%以下含有させ
る。このような組成とすることで高温での紡糸も可能と
なり、三次元ネットワ−ク構造を支える成分のハ−ドセ
グメントを結晶性の高い高融点のもの、例えば酸成分と
してテレフタレ−ト、ナフタレ−ト、グリコ−ル成分に
エチレングリコ−ル、ブタンジオ−ル、シクロヘキシレ
ンジメタノ−ルなどを用いた繰り返し単位の大きいもの
を使用することが可能となり、該弾性複合繊維が形成す
る伸縮性の三次元ネットワ−ク構造を耐熱抗へたり性と
することが出来る。更には、融点および分子量の高いエ
ラストマ−を用いて熱接着を空気中で200℃以上の高
温で溶融熱接着せしめることが可能であり、この時の分
子量低下を押さえられる。かくして、エラストマ−の分
子量を高く保持出来るので本発明の繊維構造体は耐熱抗
へたり性の向上と共に、ゴム弾性による回復性も著しく
向上する。本発明に用いる好ましい抗酸化剤としては、
従来公知のヒンダ−ドフェノ−ル化合物やヒンダ−ドア
ミン化合物がある。が特には燃焼時有毒ガスの出ないヒ
ンダ−ドフェノ−ル化合物が好ましい。本発明の繊維集
合体を構成する好ましいポリエステルエ−テル共重合体
は、例えば特開昭55−120626号公報等の従来公
知の方法で得ることができるが、抗酸化剤は重合時多量
に添加すると昇華して重合缶の詰まりなどのトラブルと
なり、かつ添加効果が激減するので、重合後加圧下で練
込むのが好ましい。
【0017】非弾性捲縮短繊維マトリックス中に該弾性
複合繊維を均一に散在させるには、以下の手段で達成で
きる。すなわち、本発明の伸縮性の優れた接着点と3次
元ネットワ−ク構造を形成する該弾性複合繊維は従来公
知の方法例えば、サイドバイサイド型、シ−スコア型な
どの構造に紡糸して得ることができる。しかして、熱成
形までの加工時立体捲縮が発現していると、特にエラス
トマ−は粘着性があり、糸糸の摩擦係数が高いためカ−
ド開繊時開繊が不良となりやすい。このため、開繊し易
い機械捲縮をふよするのが好ましい。機械捲縮は捲縮数
が5〜30山/インチ、捲縮率が5〜30%の範囲であ
れば使用できるが、好ましくは捲縮数が10〜25山/
インチ、捲縮率が10〜25%である。仕上げ油剤は摩
擦係数が低くなる油剤を使用するのが特に好ましい。ゆ
えに、特開平4−240219号公報の如く潜在捲縮能
を発現させ低収縮化した立体捲縮繊維とするのは好まし
くない。本発明のより好ましい繊維集合体構造にする複
合繊維を得る好ましい延伸条件は延伸温度を温浴40〜
70℃で破断延伸倍率の0.8〜0.9倍で延伸し、次
いで100℃以下で緊張熱処理して収縮率を低減させ、
機械巻縮を付与し、機械巻縮が伸びないように低張力で
カッタ−に供給、切断することで得られる。高収縮化し
ていると成形後の繊維構造体が層間剥離し易くなるので
出来るだけ収縮率を下げるのが好ましい。なお、開繊/
混繊は通常のカ−ドで行い、得られた開繊/混繊散在さ
れて弾性複合繊維同士及び複合繊維と非弾性捲縮短繊維
との三次元的な繊維接点を形成させたウエッブは次いで
積層圧縮し、熱風や不活性ガスまたはスーパーヒ−トし
た蒸気にて熱接着成分となる熱可塑性エラストマーの融
点より少なくとも10℃以上高い温度で加熱融着処理し
て、繊維接点のうち少なくとも一部の繊維接点を熱接着
させ、冷却される。さらに本発明のより好ましい繊維構
造体を得るには、次いで、前述の理由から、熱可塑性ポ
リエステルエ−テル共重合体の融点より少なくとも20
℃以上低い温度で疑似結晶化処理すると回復性が向上す
るので好ましい。10%程度の圧縮歪みを付与して、熱
処理すると回復性がより向上するのでより好ましい。
【0018】かくして得られた本発明のより好ましい繊
維構造体は、繊維クッションでは従来不可能と思われて
いた発泡ポリウレタンに近い耐熱耐久性と耐へたり性、
優れたクッション性を有すると共に着用時蒸れにくい、
及びリサイクルも可能なクッション材として供すること
が可能となった。
【0019】
【実施例】
【0020】実施例1〜2及び比較例1〜5 熱接着成分の作成 酸成分としてジメチルテレフタレ−ト(DMT)又はお
よびジメチルイソフタレ−ト(DMI)又はナフタレン
2・6ジカルボン酸(DMN)とグリコ−ル成分として
1−4ブタンジオ−ル(BG)およびポリテトラメチレ
ングリコ−ル(PTMG)を少量の触媒と安定剤ととも
に仕込み、公知の方法にてエステル交換反応後昇温減圧
しつつ重縮合してポリエステルエ−テルブロック共重合
エラストマ−を生成した。生成したポリエステルエ−テ
ルブロック共重合エラストマ−をペレット化し後加熱真
空乾燥し、抗酸化剤としてチバガイギ−社製アイオノッ
クス330を0〜3重量%混合して再度溶融混練りし、
ペレット化したものを乾燥した加熱不活性ガスにて水分
を充分に除去し熱接着成分に供した。得られたポリエス
テルエ−テルブロック共重合体の処方及び融点を表1に
示す。比較のため、酸成分としてジメチルテレフタレ−
ト(DMT)又はおよびジメチルイソフタレ−ト(DM
I)とグリコ−ル成分としてエチレングリコ−ル(E
G)を少量の触媒と安定剤とともに仕込み、公知の方法
にてエステル交換反応後昇温減圧しつつ重縮合して低融
点非弾性ポリエステルを生成し、ペレット化し、加熱真
空乾燥し、次いで2軸押出機で抗酸化剤を添加練込み、
再度ペレット化し、乾燥して熱接着成分に供した。得ら
れた低融点非弾性ポリエステルの処方及び融点を表1に
示す。
【0021】
【表1】
【0022】熱接着繊維の作成 得られたポリエステルエ−テルブロック共重合体を、熱
接着成分を鞘成分に、伸縮性三次元ネットワ−ク構造を
支える成分、または比較のポリブチレンテレフタレ−ト
(PBT)とポリエチレンテレフタレ−ト(PET)を
芯成分にし、鞘芯の重量比を50/50で常法により紡
糸温度を260℃〜285℃にて紡糸し未延伸糸を得
た。次いで、50℃の温浴で3.4倍に延伸し、次いで
乾熱90℃にて定長熱処理し、仕上げ油剤を付与した後
クリンパ−にて機械捲縮を付与し、機械捲縮が伸びない
張力でカッタ−に供給し51mmに切断して4デニ−ルの
熱接着複合短繊維を作成した。得られた繊維の特性を表
2に示す。なお、繊維中の鞘成分のポリエステルエ−テ
ルブロック共重合体および、低融点非弾性ポリエステル
の相対粘度は溶液粘度に加成性が成立するとして、各紡
糸条件と同一の条件で両成分に芯成分を供給して得た繊
維の相対粘度と繊維中の組成比で補正した相対粘度とし
て求めた。
【0023】
【表2】
【0024】繊維構造体の作成 得られた機械捲縮を持つ熱接着複合短繊維を30%と、
常法にて作成した13デニ−ルの中空で外側に突起を3
個有する断面で立体捲縮を有するPET短繊維を70%
とをカ−ドにて混繊−開繊して得たウエッブを密度0.
03g/cm3 となるよう圧縮し150℃〜210℃の熱
風で5分間熱処理し、平板のクッション材に成形し、一
旦冷却後、密度が0.04g/cm3 となるよう圧縮し、
100℃の熱風で30分再熱処理し冷却してクッション
材を得た。比較のため、密度を0.004g/cm3 のも
のと0.12g/cm3 のものを再熱処理しないで同様に
作成した。クッション材の作成条件と仕上がり状態を表
3に、得られたクッション材のその他の特性を表4に示
す。なお、70℃の圧縮残留歪み、常温での繰り返し圧
縮残留歪み及び、反発弾性はJISK−6401の方法
による。25%圧縮硬さはボ−ルドウイン社製テンシロ
ンにてφ150mmの円盤でクッション材の厚みの25%
圧縮時の圧縮力として測定する。座り心地は、30℃室
内でパネラ−10人に各1時間座らせて、床つき感と座
り心地、蒸れ感を評価した。なお、臀部や大腿部が痛く
なり1時間座れないものは座り心地は不良とした。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】本発明の実施例1〜2のクッション材は弾
性複合繊維により伸縮性ネットワ−ク構造を作っている
ので優れたクッション性、優れた高温の耐熱耐へたり
性、及び常温でも優れた耐へたり性を示す。更に床つき
感を殆ど感じず、蒸れにくく、長時間着座ができるクッ
ション材である。特に、本発明の最も好ましい実施様態
の実施例は発泡ウレタンに近い耐熱耐久性と耐へたり性
を示し、座り心地が良好なクッション材である。鞘に融
点を下げるため非晶性の成分を共重合させた公知のエラ
ストマ−、芯が非弾性ポリエステルから成る弾性複合繊
維を用いた場合を比較例1に示す。接着点は充分にアメ
−バ−状に形成しており、紡錘状の節も形成している
が、エラストマ−が塑性変形し易く、且つ、芯部を囲む
エラストマ−成分が無くなっており、ネットワ−クが非
弾性ポリマ−で連結しているため、耐熱耐へたり性が悪
く、クッション材としては劣る特性を示す。形態的には
同一で、熱接着成分が非弾性ポリマ−の場合を比較例2
に示す。接着成分が脆く、塑性変形を容易に生じるため
特に耐熱性が悪く、常温での耐へたり性も劣り、伸縮性
がないので硬い風合いとなるため、床つき感は少ないが
臀部や大腿部が圧迫されて痛くなり長時間の着座が困難
なクッション材である。弾性複合繊維の接着成分との融
点差が少ない場合を比較例3に示す。弾性複合繊維の芯
成分がネットワ−ク構造形成に関与しないため、接着点
の数が少なくなり、耐熱耐久性やクッション性がやや劣
るものとなる。密度が本発明の範囲を外れて少ない場合
を比較例4に示す。定歪みを付与した場合嵩高なため個
々の繊維がうける応力が著しく小さくなるので50%歪
みでのへたりは悪くないが、ふかふかすぎてクッション
材には使えないものである。比較例5は本発明を外れる
高密度としたときである。ほとんどポリマ−の塊状にな
り50%圧縮するには塊を潰す大きな圧縮力が必要なた
め繰り返し圧縮残留歪みと25%圧縮硬さは測定器の能
力を越えていて測定が困難であった。当然座り心地もポ
リマ−の上に座るのと同じで最悪であった。なお、実施
例1〜2のクッション材を45°メセナミン法および4
5°アルコ−ルランプ法で難燃性の評価を行った結果、
実施例1〜2のクッション材は全て合格した。比較に発
泡ポリウレタンを評価した結果は不合格であった。ま
た、JISK−7217の方法で燃焼ガスの毒性指数を
測定した結果は実施例1〜2のクッション材はすべて
5.1であり、発泡ポリウレタンは7.5と高く、本発
明の好ましい実施形態での繊維構造体が安全性の高いこ
とを示す。
【0028】
【発明の効果】本発明の繊維構造体は、非弾性捲縮短繊
維のマトリックス中に熱可塑性エラストマ−からなる弾
性複合繊維により、非弾性捲縮短繊維を熱可塑性エラス
トマ−成分で熱接着された極めて伸縮性の優れた3次元
ネットワ−ク構造を形成した繊維構造体であるため、優
れたクッション性、優れた耐熱耐久性、優れた耐へたり
性を示し、着用時蒸れにくく、床つき感がなく座り心地
の良いクッション材に適した繊維構造体である。特に本
発明の最も好ましい実施形態の繊維構造体は発泡ポリウ
レタンに近い優れた耐熱耐久性、優れた耐へたり性を示
し、発泡ポリウレタンに比べ、安全性の高い快適なクッ
ション材に最適な繊維構造体及びその製法である。ま
た、該弾性複合繊維が熱可塑性ポリマ−からなる繊維構
造体であるので、開繊再成形することで再び繊維構造体
としてリサイクルができ、地球環境の保全にも極めて有
用である。本発明の繊維構造体の有用な用途としては、
特に使用条件が過酷な自動車用、鉄道車両用及び船舶用
に最適である。勿論、家具、ベット用途にも適してい
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非弾性捲縮短繊維(A)と弾性複合繊維
    (B)が三次元的に混合されてなる繊維構造体であり、
    上記弾性複合繊維(B)は、非弾性捲縮短繊維(A)を
    形成するポリマーの融点より40℃以上低い融点を有す
    る熱可塑性エラストマー(C)と、該熱可塑性エラスト
    マーより30℃以上高い融点を有する熱可塑性エラスト
    マー(D)よりなり、熱可塑性エラストマー(C)が複
    合繊維の表面に少なくとも2分の1以上露出しており、
    繊維(A)と繊維(B)あるいは繊維(B)と繊維
    (B)が三次元的に形成された接点で熱融着により接着
    した部分が散在しており、密度が0.005〜0.10
    g/cm3 であることを特徴とする繊維構造体。
  2. 【請求項2】 非弾性捲縮短繊維と熱接着成分に非弾性
    巻縮短繊維を構成するポリマ−の融点より少なくとも4
    0℃以上低い融点を有する熱可塑性エラストマー(C)
    と熱接着成分より少なくとも30℃高い融点を有する熱
    可塑性エラストマ−(D)とからなり、前者(C)が繊
    維表面に少なくとも1/2以上露出した弾性複合繊維と
    を混綿、開繊して弾性複合繊維同士及び複合繊維と非弾
    性捲縮短繊維との三次元的な繊維接点を形成させた後、
    熱接着成分となる熱可塑性エラストマー(C)の融点よ
    り少なくとも10℃以上高い温度で熱処理し、繊維接点
    のうち、少なくとも一部の繊維接点を熱接着させること
    を特徴とする繊維構造体の製法。
JP5868493A 1993-03-18 1993-03-18 繊維構造体及びその製法 Expired - Lifetime JP3454363B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5868493A JP3454363B2 (ja) 1993-03-18 1993-03-18 繊維構造体及びその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5868493A JP3454363B2 (ja) 1993-03-18 1993-03-18 繊維構造体及びその製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06269579A true JPH06269579A (ja) 1994-09-27
JP3454363B2 JP3454363B2 (ja) 2003-10-06

Family

ID=13091388

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5868493A Expired - Lifetime JP3454363B2 (ja) 1993-03-18 1993-03-18 繊維構造体及びその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3454363B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007308831A (ja) * 2006-05-18 2007-11-29 Teijin Fibers Ltd 繊維クッション材およびその製造方法
JP2011241495A (ja) * 2010-05-17 2011-12-01 Teijin Fibers Ltd 複合繊維シートの製造方法および複合繊維シート

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1991019032A1 (en) * 1990-05-28 1991-12-12 Teijin Limited Novel cushioning structure and production thereof
JPH04357990A (ja) * 1991-05-31 1992-12-10 Unitika Ltd クツシヨン材用ポリエステル固綿
JPH05163658A (ja) * 1991-12-16 1993-06-29 Teijin Ltd クッション構造体およびその製造方法
JPH05163657A (ja) * 1991-12-13 1993-06-29 Teijin Ltd クッション構造体およびその製造方法
JPH05247819A (ja) * 1992-02-27 1993-09-24 Toyobo Co Ltd クッション材

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1991019032A1 (en) * 1990-05-28 1991-12-12 Teijin Limited Novel cushioning structure and production thereof
JPH04357990A (ja) * 1991-05-31 1992-12-10 Unitika Ltd クツシヨン材用ポリエステル固綿
JPH05163657A (ja) * 1991-12-13 1993-06-29 Teijin Ltd クッション構造体およびその製造方法
JPH05163658A (ja) * 1991-12-16 1993-06-29 Teijin Ltd クッション構造体およびその製造方法
JPH05247819A (ja) * 1992-02-27 1993-09-24 Toyobo Co Ltd クッション材

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007308831A (ja) * 2006-05-18 2007-11-29 Teijin Fibers Ltd 繊維クッション材およびその製造方法
JP2011241495A (ja) * 2010-05-17 2011-12-01 Teijin Fibers Ltd 複合繊維シートの製造方法および複合繊維シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP3454363B2 (ja) 2003-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0603853B1 (en) Structured fiber material and its production
JP3454363B2 (ja) 繊維構造体及びその製法
JP3204344B2 (ja) エラストマ−系熱接着複合繊維とその製法
JP3496724B2 (ja) 繊維構造体及びその製造法
JP3092679B2 (ja) クッション材
JP3157393B2 (ja) 繊維成型高弾性クッション材
JP3275973B2 (ja) エラストマ−系熱接着繊維およびその製法
JP3233227B2 (ja) クッション材及びその製法
JP3654366B2 (ja) 繊維系ワディング材およびその製法
JP3275974B2 (ja) ポリエステル系低収縮熱接着繊維
JP3102529B2 (ja) 繊維構造体
JP3646814B2 (ja) クッション材とその製法
JP3643649B2 (ja) 弾性不織布
JP3468341B2 (ja) 熱接着性ポリエステル繊維
JP3129557B2 (ja) 耐熱性繊維構造体
JP2001061605A (ja) 車両用座席
JP3610405B2 (ja) クッション性椅子
JPH06192916A (ja) 耐熱性エラストマ−系熱接着繊維
JPH0913219A (ja) 熱接着性繊維及びその製法
JPH11200221A (ja) 衝撃緩衝性能の改善された不織布構造体
JP3627826B2 (ja) マット及びその製法
JP4269387B2 (ja) 熱接着繊維およびクッション材
JP3637929B2 (ja) マット及びその製法
JPH08209452A (ja) ポリエステル系熱接着性複合繊維およびクッション構造体
JP3431092B2 (ja) 不織布積層網状体と製法及びそれを用いた製品

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080725

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080725

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090725

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090725

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100725

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100725

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110725

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120725

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130725

Year of fee payment: 10