JPH06266939A - 自動販売機の商品取出口装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】商品取出口のフラッパを軽い力で押し開くこと
ができ、併せて商品の揺すり落としによる盗難対策も兼
ね備えた防盗性の高い商品取出口装置を提供することに
ある。 【構成】前面扉２の裏面側に設置した取出口フラッパ５
付きの取出口ボックス７に対し、その上面側の開放面に
駆動モータ９で回転する防盗蓋を兼ねた商品中継用の回
転式バケット８を設けて機内上部に設置の商品ラックへ
通じる商品落下通路を塞ぐとともに、回転式バケットの
ガイド溝８ｃと取出口 フラッパのガイドピン５ｂを組
合わせてバケットの回転中にフラッパを閉位置に鎖錠す
るフラッパ拘束手段を設け、さらに販売待機中に商品ラ
ックから不測に落下した商品を商品取出口の背後へ逸ら
せるガイド手段として、回転式バケットの上面側にバケ
ットの回転に従動して揺動する庇状の補助フラッパ１０
を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、スパイラル式商品ラッ
クなどを搭載した自動販売機に好適な商品取出口装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】まず、本発明の実施対象となるスパイラ
ル式商品ラックを搭載した自動販売機の基本的な構成概
要を図３に示す。図において、１は自動販売機のキャビ
ネット、２は前面扉、３はキャビネット１の庫内に上下
段に並べて配備したスパイラル式商品ラック、４は前面
扉２の下部に設置した商品取出口、５は商品取出口４の
前面に装備した取出口フラッパであり、商品６は種類別
に分けて商品ラック５のスパイラルワイヤ５ａの各ピッ
チ間に挟んで収納されている。

【０００３】かかる構成の商品販売動作は周知であり、
販売指令が与えられると選択された商品ラック４のベン
ドモータ４ｂが始動して商品６をピッチ送りし、スパイ
ラルワイヤ５ａが１回転する間に最前列に並んだ商品６
から順に前方に搬出して商品取出口４の中に投下され
る。そして、商品取出口４に入り込んだ商品６は客がフ
ラッパ５を開いて取り出す。

【０００４】一方、かかる自動販売機に対し、販売待機
中に商品取出口４より手や棒切れを差し入れるなどして
商品ラック３に収容されている商品６を商品取出口４へ
落として盗み出す不正な悪戯行為を防止する防盗手段と
して、商品ラック５に通じる商品取出口４の上面側（搬
出商品の入口）に開閉フラッパ４とリンク機構などで連
係した常開の防盗シャッタを設け、フラッパ４を手で押
し開くとこれに連動して防盗シャッタが後退位置から移
動して商品取出口４の上面入口を塞ぐようにした商品取
出口の防盗機構が、例えば特開平４−３１３１８５号と
して提案，実施されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した従
来の防盗機構は機能面で次記のような難点がある。すな
わち、 （１）商品取出口のフラッパと防盗シャッタとの間をリ
ンク機構で連係しているため、商品取出口に搬出された
商品を取り出す際にフラッパに大きな力を加えないとフ
ラッパが開かなず、客に不要な抵抗感を与える。

【０００６】（２）スパイラル式商品ラックを搭載した
自動販売機では、キャビネットを不正に激しく揺すると
商品ラックに収容されている商品がラックから脱落して
商品取出口に落ち込むことがあるが、従来の防盗機構で
は商品取出口のフラッパを閉じている間は防盗シャッタ
が開放位置に後退しているで、このような不正行為によ
る商品の盗み出しを防ぐことができない。

【０００７】本発明は上記の点にかんがみなされたもの
であり、その目的は前記課題を解決して商品取出口のフ
ラッパを軽い力で押し開くことができ、併せて商品の揺
すり落としによる盗難対策も兼ね備えた防盗性の高い商
品取出口装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の商品取出口装置は、前面に取出口フラッパ
を装備した上面開放形の取出口ボックスに対し、その上
面側に駆動モータで回転する防盗蓋を兼ねた商品中継用
の回転式バケットを設けて構成するものとする。

【０００９】また、前記構成の商品取出口装置は、次記
のような要件を付加して実施することができる。 （１）回転式バケットと取出口フラッパとの間を連係し
て、販売待機時のみフラッパの開放を許容し、バケット
の回転中はフラッパを閉位置に鎖錠するフラッパ拘束手
段を設ける。

【００１０】（２）販売待機中に商品ラックから不測に
落下した商品を商品取出口の背後へ逸らせるガイド手段
として、回転式バケットの上面側にバケットの回転に従
動して揺動する庇状の補助フラッパを設ける。

【００１１】

【作用】上記の構成で、販売待機中は回転式バケットが
底面を上に向けて取出口ボックスの上面を塞いでおり、
商品取出口から手，棒切れなどを差し入れても、バケッ
トが邪魔をして機内の商品ラックまで届かず、不正に商
品を盗み出すことは不可能である。また、販売待機中に
キャビネットを激しく揺すって商品ラックから商品を不
正に脱落させたとしても、商品は商品取出口の上に着地
する以前に補助フラッパに当たって後方に逸らされるの
で、誤って商品が商品取出口に落ち込むことが防げる。

【００１２】一方、コイン投入によに正規な販売指令が
与えられると、商品ラックからの商品搬出に先立ってモ
ータ駆動により回転式バケットが待機位置から上向きに
反転し（同時に補助フラッパは先端がバケットの中に垂
れ下がる）、遅れて商品ラックから落下搬出した商品を
バケット内に受け止めた後、バケットが再度待機位置に
反転して商品を取出口ボックスの中に落し込むように中
継動作する。しかも、回転式バケットが回転している間
は、フラッパ拘束手段の働きで取出口フラッパが開かな
いように閉位置に鎖錠しているので、誤って商品取出口
へ差し入れた手がバケットとの間に挟まれて怪我をする
ようなトラブルが未然に回避される。そして、バケット
が待機位置に回転して商品がバケットから取出口ボック
ス内に落ち込んだ状態になると、同時に取出口フラッパ
の拘束が解除されるので、これにより客はフラッパを自
由に開放して商品を商品取出口から取り出すことかでき
るようになる。

【００１３】

【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。図１，図２において、商品取出口装置は取出
口フラッパ５を前方に向けて自動販売機の前面扉２の背
後に設置した上面開放形の取出口ボックス７と、該ボッ
クス７の上面側に設置した回転式バケット８と、バケッ
ト８の駆動モータ９と、バケット８の上方に配置した庇
状の補助フラッパ１０との組立体として成る。

【００１４】ここで、図２（ａ）〜（ｃ）で示すよう
に、取出口フラッパ５はその上縁に設けたヒンジ金具５
ａを介して取出口ボックス７の前面開口窓７ａの上縁に
揺動自在に軸支し、外方からの手動操作でボックス内へ
向けて押し開くように取付けてある。一方、バケット８
は断面円弧状になる樋形バケット本体の左右両端に一対
の円盤８ａを組合わせ、かつ該円盤８ａの中心から側方
へ突出した軸８ｂを取出口ボックス７の側壁に軸支する
とともに、軸８ｂの一方を駆動モータ９に連結して時計
方向に回転するようにしている。さらに、左右一対の円
盤８ａには、ガイド溝８ｃが位置を揃えて周上に切込み
形成されており、該ガイド溝８ｃに対向して取出口フラ
ッパ５の左右両側縁にはガイドピン５ｂが設け、これら
部品でフラッパ拘束機構を構成している。また、図１に
示した補助フラッパ１０は、前面扉２の裏面側に揺動自
在にヒンジ結合されており、そのフラッパ先端が前記し
た回転式バケット８の周面上に凭れ掛かって前傾姿勢に
担持されている。

【００１５】かかる構成で、販売待機時には回転式バケ
ット８が図１（ａ）のようにバケットの底面を上に向け
た姿勢で停止している。なお、この待機位置ではバケッ
ト８のガイド溝８ｃに取出口フラッパ５のガイドピン５
ｂが入り込めるように向かい合っており、したがってフ
ラッパ５を拘束なしに自由に開放することができる。一
方、この状態から正規の販売指令が与えられると、商品
ラック３（図３参照）からの商品搬出動作に先立って、
バケット８がモータ９の駆動により時計方向に１８０゜
回転して図１（ｂ）の位置に反転し、商品ラックから落
下搬出した商品６をバケット内に受け止める。なお、こ
の状態では補助フラッパ１０が垂下姿勢に垂れ下がって
おり、バケット８への商品投下を邪魔しない。。続いて
モータ９の駆動によりバケット８が時計方向に１８０゜
回転して図１（ｃ）のように再度反転し、ここでバケッ
ト８に受け止めた商品６を取出口ボックス７へ落とし込
むように中継する。そして、この状態になれば、図１
（ｄ）で示すように客はフラッパ５を押し開いてボック
ス７から商品６を自由に取り出すことができるようにな
る。しかも、この際には取出口フラッパ５は何等の拘束
力も受けない揺動自在の状態にあるので、極軽い力でフ
ラッパを押し開くことができる。

【００１６】なお、図１（ａ）の待機位置から（ｃ）図
の位置までバケット８が１回転する間の途中経路では、
バケット８の回転に連れてガイド溝８ｃも移動するの
で、ガイドピン５ｂがガイド溝８ｃに入り込めず、フラ
ッパ５は閉位置に鎖錠されたまま押し開くことができな
い。これにより、誤って商品取出口より差し入れた手が
バケット８との間の隙間に挟まれて怪我をするといった
トラブルが防げる。

【００１７】一方、図１（ａ）の販売待機状態では、バ
ケット８が取出口ボックス７の上面（搬出商品の入口）
を塞いでいる。したがって、悪戯行為でフラッパ５を押
し開いて商品取出口に手，棒切れなどを差し入れても、
バケット８が邪魔をして機内側の商品ラックまで届か
ず、これにより不正に商品を盗み出すことができない。
また、販売待機中に自動販売機のキャビネットを激しく
揺すった際に、商品ラックに収容されている一部の商品
がラックから万一脱落しても、図１（ａ）で表すように
商品取出口に向けて上方から落下して来た商品６は着地
前に補助フラッパ１０に突き当たり、フラッパの上を滑
動して取出口ボックス７の背後に導かれる。したがっ
て、脱落した商品が次回の販売時に正規の搬出商品と一
緒に商品取出口に取り出されるといった販売トラブルが
確実に防げる。

【００１８】

【発明の効果】以上述べたように、本発明の構成によれ
ば、次記の効果を奏する。 （１）販売待機時には防盗蓋を兼ねた回転式バケットが
商品ラックに通じる機内の商品搬出路を塞いでいるの
で、商品取出口より手などの差し入れて不正に商品を盗
み出すことが確実に防げるほか、キャビネットを激しく
揺すって商品ラックに収容されている商品を商品取出口
の中へ振り落とそうとしても、落下して来た商品は補助
フラッパに突き当たって通路の途中から商品取出口の背
後に逸れるので、このような悪戯行為で商品を不正に盗
み出すことができないなど、信頼性の高い防盗機能を実
現できる。

【００１９】（２）回転式バケットの回転中は取出口フ
ラッパが開かないように閉位置に鎖錠するフラッパ拘束
手段を設けたことにより、誤って商品取出口に手を差し
入れて怪我をすることが未然に防げる。 （３）回転式バケットは、取出口フラッパと切り離して
専用の駆動モータで回転操作するようにしたので、商品
取り出しの際に取出口フラッパを極軽い力を加えるだけ
で自由に押し開くことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例による商品取出口装置の動作説
明図であり、（ａ）は販売待機状態を表す図、（ｂ),
（ｃ）は回転式バケットの商品中継動作を表す図、
（ｄ）は商品取り出し操作を表す図

【図２】図１における商品取出口装置の各部品の構成を
表すであり、（ａ）は装置全体の組立外観図、（ｂ）は
回転式バケットの外観図、（ｃ）は取出口フラッパの外
観図

【図３】スパイラル式商品ラックを搭載した自動販売機
の基本的な構成概要図

【符号の説明】

２ 自動販売機の前面扉 ３ スパイラル式商品ラック ４ 商品取出口 ５ 取出口フラッパ ５ｂ ガイドピン（フラッパ拘束手段） ６ 商品 ７ 取出口ボックス ８ 回転式バケット ８ｃ ガイド溝（フラッパ拘束手段） ９ 駆動モータ １０ 補助フラッパ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】キャビネットの前面扉に設置して庫内の商
   品ラックから落下搬出した商品を取り出すための商品取
   出口装置であって、前面に取出口フラッパを装備した上
   面開放形の取出口ボックスに対し、その上面側に駆動モ
   ータで回転する防盗蓋を兼ねた商品中継用の回転式バケ
   ットを設けたことを特徴とする自動販売機の商品取出口
   装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の商品取出口装置において、
   回転式バケットと取出口フラッパとの間を連係して、販
   売待機時のみフラッパの開放を許容し、バケットの回転
   中はフラッパを閉位置に鎖錠するフラッパ拘束手段を設
   けたことを特徴とする自動販売機の商品取出口装置。
3. 【請求項３】請求項１記載の商品取出口装置において、
   販売待機中に商品ラックから不測に落下した商品を商品
   取出口の背後へ逸らせるガイド手段として、回転式バケ
   ットの上面側にバケットの回転に従動して揺動する庇状
   の補助フラッパを設けたことを特徴とする自動販売機の
   商品取出口装置。