JPH0626500Y2 - 画像形成装置の用紙搬送路開閉装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、複写機やプリンター等の画像形成装置におけ
る用紙搬送路に関し、特に、用紙搬送路におけるジャム
処理の動作を容易に行うことが出来るように構成したガ
イド板の開閉機構に関する。

（従来の技術） 複写機等のような画像形成装置においては、一対のガイ
ド板を所定の間隔を介して配置し、そのガイド板によっ
て用紙搬送路を規制するように構成しており、そのガイ
ド板に設けた孔等から搬送ローラ装置を構成するローラ
を用紙搬送路に向けて突出させて、その用紙の搬送の動
作を行うことが出来るようにしている。

前記したような画像形成装置においては、用紙搬送路内
でジャム等が発生した場合には、一方のガイド板を開い
て用紙搬送路を解放し、その用紙搬送路の途中で停止し
ている用紙を容易に除去することが出来るようにされて
おり、特に、ジャム等が発生しやすい部分では、そのガ
イド板を開閉可能に構成している。

そして、前記したようにして、用紙搬送路の一方のガイ
ド板を開くことによって、ジャムを生じたりして用紙搬
送路に停止している用紙の除去等の作業を行い、その後
で、その開いたガイド板を元の位置に戻して固定し、画
像形成装置による記録紙の作成作業を再開出来るように
なっている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記したような従来の装置においては、
開閉可能なガイド板を、その用紙搬送路の巾全体にわた
って開くことが出来るように構成されているものであ
り、画像形成装置において大サイズの用紙を使用出来る
ような装置の場合には、ガイド板の巾が大きく、重いも
のとなるために、開閉に際しての操作性が悪化するとい
う問題が発生している。

つまり、通常の小型の複写機等の場合には、Ｂ４サイズ
の用紙の縦送りに対応させて、その用紙搬送路の巾を設
定するので、用紙搬送路の巾が比較的狭いものであり、
開閉可能に設けるガイド板の重量等は操作に支障が発生
するように重くなることはなく、そのガイド板の強度等
に問題が発生することもないものである。

ところが、比較的大型の複写機等のように、Ａ３サイズ
や、Ａ２サイズの横送りで用紙の搬送を行うことが出来
るような装置においては、用紙搬送路の巾が非常に大き
いものとなることによって、そのガイド板を全体として
開閉させるようにすることは、そのガイド板の重量と剛
性、および操作性等の点で、多くの問題が発生する。

さらに、複写機等の装置において、両面コピーや多重コ
ピー等の機能を備えたものにおいては、用紙搬送路の途
中の部分に反転機構や中間トレイ等を設けることが必要
であり、それ等の機構を多数の用紙トレイ等からの給紙
路に接続することにより、画像形成装置の用紙搬送路の
構成が非常に複雑に組合せられている。

そして、前記したよう複雑に構成された用紙搬送路にお
いて、そのガイド板を開閉可能に設けてガイド板を揺動
させたり、他の搬送ローラ装置等のメンテナンスを行う
ための余裕部分が限定される等の問題があり、装置の設
計に苦慮する原因ともなっている。

（考案の目的） 本考案は、上記したような従来より用いられている装置
の欠点を解消するもので、用紙搬送路の略半分の巾の部
分のみを開閉可能に構成するとともに、対向する固定側
のガイド板の一部を取外し可能に設けて、他の装置のメ
ンテナンスの作業をその対向するガイド板を外した部分
から行い得るようにする装置を提供することを目的とし
ている。

（問題点を解決するための手段および作用） 本考案の画像形成装置の用紙搬送路開閉装置は、所定の
間隔をおいて対向して一対のガイド板を配置し用紙搬送
路を構成し、該用紙搬送路を構成する一方のガイド板
を、その用紙の搬送における基準線側の一部を開閉可能
な揺動板として形成し、他方のガイド板の一部を固定板
部材に対して取外し可能な可動ガイド板として構成して
なる装置である。

本考案の画像形成装置の用紙搬送路開閉装置は、上記し
たように構成しているので、一方のガイド板を揺動させ
る場合でも、そのガイド板の全体を揺動させなくとも、
ジャム紙の除去等を行うことが出来るものであり、その
作業が容易に行い得るものとなる。

また、揺動側のガイド板を開いた後で、他方のガイド板
の一部を外した場合には、装置の奥の部分に対して容易
にアプローチが出来るものであり、他の部品のメンテナ
ンス等を行うことが出来るものとなる。

（実施例） 図示された例に従って、本考案の画像形成装置の用紙搬
送路開閉装置の構成を説明する。

第１図に示されるように、本考案の用紙搬送路５は、上
ガイド板１０と下ガイド板１５とから構成され、それ等
の上下のガイド板１０、１５を所定の間隔を介して配置
して、その間に用紙を案内するように構成している。

本考案の前記したガイド板機構を用いる画像形成装置に
おいては、用紙は図の手前側の端部を基準線とし、その
基準線に沿って搬送が行われるような、サイドレジスト
レーション方式の装置として構成されているものであ
る。

第１図に示される本考案の実施例において、上ガイド板
１０はその側部に突出した設けたブラケット１１、１１
………を用いて、本体フレームにネジ等で固定するよう
にしており、その一部を可動ガイド板１２として構成し
ている。

この可動ガイド板１２は、用紙搬送路の上部に配置した
他の機器のメンテナンス等を行う際に、上ガイド板から
外して、そのメンテナンスの作業空間を得ることが出来
るようにされるもので、可動ガイド板１２の奥の側に差
込み片１３、１３を設けて、その差込み片１３を上ガイ
ド板に設けた保持部材に係合させるように構成してい
る。また、前記可動ガイド板１２の手前側（基準線側）
には、上ガイド板と同様にブラケット１４、１４を設け
ていて、そのブラケットを介して本体フレームにネジ止
め等の手段により、固定するようになっている。

本考案の上記したように構成された上ガイド板１０に対
向して、用紙搬送路の下面を規制する下ガイド板１５
は、第２図にも示されるように、用紙搬送路の巾方向の
手前側の略半分を揺動板１６として構成し、他の部分は
固定位置に設けている。

そして、前記揺動板１６の一方の端部をヒンジ１７によ
って支持し、第１図に示されるような状態で開くことが
出来るようにする。また、揺動板１６の側部にはレバー
１８を設けておき、該レバー１８を用いて揺動板の開閉
の動作を行うことが出来るようにするが、このレバー１
８は揺動板に対するラッチ機構を兼ねたものとして構成
することも可能である。

さらに、第２図に示されるように本考案の前記した用紙
搬送路においては、一般の用紙搬送路の場合と同様に、
複数の搬送ローラ装置６、７、７ａ……を配置している
が、これらの搬送ローラ装置のうち、駆動ローラは上ガ
イド板に対して設けており、その駆動軸が用紙搬送路を
横断する状態で、長いものとして構成され、その所定の
位置にローラ部材が配置される。

前記駆動ローラに対して用紙を押圧するためのピンチロ
ーラは、揺動板１６に対してその軸が支持されているも
ので、該揺動板１６が開閉される場合には、該ピンチロ
ーラが共に揺動されて、駆動ローラから離間されるよう
になっている。

なお、上記した用紙搬送路に配置される複数のローラ装
置において、搬送ローラ装置の駆動ローラは、搬送ロー
ラ装置７、７ａに対応するものが、上ガイド板とともに
固定位置に配置される。また、可動ガイド板１２の部分
に配置される搬送ローラ装置６の駆動ローラは、その軸
の端部にギヤ等を設けておき、可動ガイド板１２を用紙
搬送路にセットした際に、その駆動系が接続され得るよ
うに構成しても良い。これとは別に、可動ガイド板の搬
送ローラ装置６は、駆動ローラに設けずに、対向したフ
リーローラの間に用紙を案内する形式のものとして構成
することも可能である。

本考案の前記したようなガイド板によって構成される用
紙搬送路は、複写機等の画像形成装置における用紙搬送
路の任意の位置に配置されることが可能であるが、例え
ば、第３図に示されるように、中間トレイ１からの用紙
搬送路５に設けることが可能である。

前記したような画像形成装置においては、片面複写済み
用紙として作成された用紙を中間トレイ１に収容し、そ
の用紙を用紙搬送路５を介して用紙トレイ等からの給紙
路に接続し、画像転写部分に向けて搬送し得るように構
成している。

そして、前記したように構成された用紙搬送路５におい
ては、その用紙搬送路の下部に余裕空間が少ないので、
下ガイド板を全部開閉可能に構成することには、スペー
スの点等から多くの難点がある。

さらに、用紙搬送路の直ぐ上の部分には中間トレイ１か
らの給紙装置が配置されているために、その給紙装置の
給紙ローラ２や用紙さばき装置３のメンテナンスを行う
際に、その下部に余裕部分を設けることが出来ないとい
う問題を発生している。

そこで、本考案の第１図に示されるように、上下のガイ
ド板を開閉出来るような機構を用いることによって、中
間トレイ１の給紙装置に対する点検等の作業を、充分な
余裕を持って行うことが出来るようにすることが可能に
なる。

なお、上記第２図に示されるような画像形成装置におい
て、中間トレイの給紙装置の点検を行う場合には、通常
のジャム処理の場合と同様にして、揺動板を開いた後
で、上ガイド板の可動ガイド板を引出しすことを行うこ
とにより、その給紙装置の下部に充分な余裕スペースを
形成する。そして、そのメンテナンス等の作業の後で、
可動ガイド板を元の位置にセットし、揺動板をセットし
てラッチすることによって、用紙搬送路を用紙が通過出
来る状態に戻すことが可能になる。

前記したように、用紙搬送路の手前側に基準線が設定さ
れた形式の画像形成装置においては、本考案の上記した
ような構成の用紙搬送路を設けることによって、ジャム
紙の処理の作業と、他の機器等の点検やメンテナンスを
容易に行い得るものとすることが出来るものであり、そ
のような機構のガイド板を、画像形成装置の用紙搬送路
の任意の位置に設けることが出来るものである。

そして、その用紙搬送路の形状や、その用紙搬送路の周
囲に配置される他の機器等との関係にしたがって、揺動
板や可動ガイド板を配置することによって、本考案の前
記した目的を容易に達成することが可能になる。

（考案の効果） 本考案の画像形成装置の用紙搬送路開閉装置は、上記し
たような構成を有するものであるから、一方のガイド板
を揺動させる場合でも、そのガイド板の全体を揺動させ
なくとも、ジャム紙の除去等を行うことが出来るもので
あり、その作業を容易に行うことが出来る。

また、揺動側のガイド板を開いた後で、他方のガイド板
の一部を外した場合には、装置の奥の部分に対して容易
にアプローチが出来るものであり、他の部品のメンテナ
ンス等を行うことが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の用紙搬送路の構成を示す斜視図、第２
図はその平面図であり、第３図は本考案の画像形成装置
の用紙搬送路開閉装置が適用され得る画像形成装置の用
紙搬送路を示す説明図である。 図中の符号 １……中間トレイ、２……給紙ローラ、３……用紙さば
き装置、５……用紙搬送路、１０……上ガイド板、１１
……ブラケット、１２……可動ガイド板、１３……差込
み片、１４……ブラケット、１５……下ガイド板、１６
……揺動板、１７……ヒンジ、１８……レバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】所定の間隔をおいて対向して一対のガイド
   板を配置して用紙搬送路を構成し、 該用紙搬送路を構成する一方のガイド板を、その用紙の
   搬送における基準線側の一部を開閉可能な揺動板として
   形成し、 他方のガイド板の一部を固定板部材に対して取外し可能
   な可動ガイド板として構成したことを特徴とする画像形
   成装置の用紙搬送路開閉装置。