JPH06263674A - ペルフルオロ−2−メチル−4−メトキシペンタンの製造法 - Google Patents

ペルフルオロ−2−メチル−4−メトキシペンタンの製造法

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JPH06263674A
JPH06263674A JP5236789A JP23678993A JPH06263674A JP H06263674 A JPH06263674 A JP H06263674A JP 5236789 A JP5236789 A JP 5236789A JP 23678993 A JP23678993 A JP 23678993A JP H06263674 A JPH06263674 A JP H06263674A
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バルター、ナバルリーニ
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    • C07C41/01Preparation of ethers
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】94%以上の選択性でペルフルオロ−2−メチ
ル−4−メトキシペンタンを製造する方法であって、ペ
ルフルオロ−4−メチル−2−ペンテンを−40°〜5
0℃の温度でペルフルオロメチルハイポフルオライトと
反応させる方法。 【効果】ペルフルオロ−2−メチル−4−メトキシペン
タンは電子検査の流体として好適であり、冷却液および
熱媒液用として特に好適である。好ましい特性は沸点が
かなり高く(85℃)、流動点が低いこと(−100
℃)未満、ASTM D97−66,NOM30−71
に準拠)である。出発物質であるペルフルオロ−4−メ
チル−2−ペンテンはペルフルオロプロペンの周知の二
量体であり、ペルフルオロプロペンのアニオン性二量体
化によって製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下記式のペルフルオロ
−2−メチル−4−メトキシペンタンの製造法に関す
る。
【0002】電子検査用に、Ausimont S.p.A. からGald
enの商標で販売されている低分子量ペルフルオロポリエ
ーテルが用いられている。このペルフルオロポリエーテ
ルは、下記の式を有する。 (式中、n/mの比は通常は40である。)これらの生
成物は、ペルフルオロプロペンのオキシ重合によって得
られる。電子検査においてそれらが高性能を示すのは、
下記のような特性を合せ持っていることによるものであ
る:高い化学的および熱的安定性、流動点と沸点との大
きな差、エレクトロニクスに用いられる材料との完全な
相溶性、低温でも低粘性を示すことおよび毒性がないこ
と。流動点と沸点との間の差が大きいことおよびこれら
の生成物の粘度が低いことは、分子中にエーテル性酸素
原子が含まれることに帰因している。
【0003】Galdenの製造は複雑なことが多い一連の化
学反応に基づいているので、同様な特性を有する生成物
を提供することができる単純な方法を利用することがで
きれば好都合であろう。一見して、ペルフルオロアルコ
キシペルフルオロアルカン、すなわちペルフルオロポリ
エーテルと類似の構造を有する化合物、を製造すること
ができるであろう方法は、下記の式による過フッ化アル
ケンとペルフルオロアルキルハイポフルオライトとの反
応に基づいている。
【0004】しかしながら、ペルフルオロアルキルハイ
ポフルオライトを非対称オレフィンに付加させると2つ
の異性体(III) および(IV)が形成されることは周知であ
る。例えば、K.K. Johriら、Journal of Organic Chemi
stry, 1983, 48, 242-250 を参照されたい。電子検査で
は、検査流体が検査の全期間中一定の化学物理的特性を
示すのが極めて望ましいので、化合物の混合物を使用す
ることは望ましくない。
【0005】特定の非対称ペルフルオロポリオレフィン
および特定のペルフルオロアルキルハイポフルオライト
を前記の反応に用いると、反応が極めて高い選択性およ
び極めて高い収率で起きるので、事実上純粋なペルフル
オロアルコキシペルフルオロアルカン(ペルフルオロ−
2−メチル−4−メトキシペンタン)が得られること
を、意外にも見出した。したがって、本発明の目的は、
高純度のペルフルオロ−2−メチル−4−メトキシペン
タンの製造法を提供することである。もう一つの目的
は、容易に入手可能な出発物質から出発して極めて高収
率で前記の生成物を得ることができる方法を提供するこ
とである。
【0006】これらおよび他の目的は、ペルフルオロ−
2−メチル−4−メトキシペンタンを少なくとも94%
の選択性で製造する本発明の方法によって達成される。
この方法は、ペルフルオロ−4−メチル−2−ペンテン
(ペルフルオロプロペンの二量体) をペルフルオロメチルハイポフルオライトと−40°〜
+50°の温度で反応させることを特徴としする。温度
は0°〜+30℃であるのが好ましい。
【0007】反応は、下記の操作にしたがって行うのが
好ましい。すなわち、CFOFガス流を、反応条件下
で不活性な溶媒に所望により溶解したペルフルオロ−4
−メチル−2−ペンテンから成る液相に連続して通気す
る。ガス状CFOFは不活性ガス、例えばNまたは
Heで希釈することができる。そのような場合には、不
活性ガス/CFOFの容積比は、一般に0.5〜10
であり、通常0.5〜3である。反応の全期間中不活性
ガスの不存在下で操作を行うことができるが、CF
Fを反応の初期においてのみ希釈し、次にこれを希釈し
ない状態で用いることもでき、この操作により反応速度
が増加する。即ち、ペルフルオロ−4−メチル−2−ペ
ンテンの約2から10%が反応してしまうまでCF
Fを希釈し、次にこれを希釈しない状態で用いることも
できる。
【0008】溶媒が用いられる場合には、例えば、CF
Cl−CFClのようなクロロフルオロカーボン
や、Ausimont製のFomblin のようなペルフルオロポリエ
ーテルを用いることができる。一般的に、1Nl/時か
ら15Nl/時の範囲のCFOFの流速が、液相中の
ペルフルオロ−4−メチル−2−ペンテンの1モルに対
して用いられる。反応は実施例3に示されるように回分
式で行うこともできるが、商業的規模では、前記のよう
に液相中のペルフルオロ−4−メチル−2−ペンテンに
ガス状CFOF流を供給することによって半連続的に
操作するのが一般に好ましい。
【0009】反応生成物は、 と、少量のその異性体 と、少量のペルフルオロアルカン である。
【0010】化合物(I) の量と化合物(I) および(VI)の
総量との比率として計算した反応選択性は、少なくとも
約94%であり、更に一般的には少なくとも95%であ
る。通常、オレフィンの転化率は定量的である。反応が
終了したならば、未反応のCFOFを除去する。この
目的には、反応を半連続的に操作するときには、不活性
ガスを反応器に流して、液相に含まれる未反応のCF
OFをストリッピングする。次に、反応生成物(I) およ
び(VI)を、溶媒を用いている場合にはこの溶媒から、お
よび通常はペルフルオロアルカン(VII) から蒸留によっ
て分離する。
【0011】既に説明したように、ペルフルオロ−2−
メチル−4−メトキシペンタンは、電子検査の流体とし
て好適である。このような用途では、これを冷却液とし
ておよび熱媒液として用いるのが特に好適である。これ
に関連する生成物の好ましい特性は、沸点がかなり高い
こと(85℃)および流動点が低いこと(−100℃未
満、ASTM D97−66,NOM30−71に準
拠)である。
【0012】本発明の方法に用いられる出発生成物は容
易に入手可能である。ペルフルオロ−4−メチル−2−
ペンテンはペルフルオロプロペンの周知の二量体であ
る。これをペルフルオロプロペンのアニオン性二量体化
によって製造することができることは、周知のことであ
る。CFOFは、例えばG.H. Cady およびK.B. Kello
gg、J. Am. Chem. Soc.,70, 3986, 1948に記載の方法に
よって製造することができる。下記の例は本発明を説明
するためのものであり、発明の範囲を制限するものと解
釈すべきではない。
【0013】実施例1 機械撹拌機、温度計、−78℃までの冷却装置および反
応器の底まで達するガス供給パイプを備えた100ml
のガラス製反応器を用いた。反応器に、ペルフルオロ−
4−メチル−2−ペンテン30.4g(0.1モル)
と、下記の式を有するペルフルオロポリエーテル、 Fom
blin Y VAC 06/6 から成る溶媒85gを供給した。 (式中、n/mの比は約25であり、数平均分子量は約
1,800である。)次いで、反応器の内部温度を+3
0℃に保持しながら、CFOF 1Nl/時とN
0.5Nl/時とのガス状流を最初に液相に通じ、通気
を1時間継続した後、N流を止め、CFOFを1N
l/時で更に3時間供給した。反応が終了したならば、
He流(1Nl/時)を室温で1時間通気して、溶液に
含まれる未反応のCFOFをストリッピングした。真
空下にてストリッピングした後、粗反応生成物から生成
物36.8gが得られ、ガスクロマトグラフィおよび19
FNMRによって測定した反応生成物の混合物の組成は
下記の通りであった。 化合物(I) 94%(重量) 化合物(VI) 4% 化合物(VII) 2%。 前記と同様にして測定した選択性は96%であった。オ
レフィンの転化率は100%であった。ペルフルオロア
ルカン(VII) は分別蒸留によって分離した。
【0014】実施例2 実施例1と同じ反応器に、ペルフルオロ−4−メチル−
2−ペンテン77.6g(0.26モル)を入れ、溶媒
を加えなかった。液相の温度を+30℃に保持しなが
ら、CFOF 0.7Nl/時とN0.5Nl/時
との気流を1時間供給した後、CFOF 1.5Nl
/時の流れを4.5時間供給した。反応が終了したなら
ば、He流を実施例1に記載したのと同様にして流し、
生成物100gを得た。実施例1に示したのと同じ分析
法によって測定した反応生成物の混合物の組成は下記の
通りである。 化合物(I) 95% 化合物(VI) 3.5% 化合物(VII) 1.5%。 選択性:96.5%、 オレフィンの転化率:100%。 ペルフルオロアルカン(VII) は分別蒸留によって分離し
た。
【0015】実施例3 この実施例では、回分式反応を記載する。ガラス反応器
で、真空ラインによってペルフルオロ−4−メチル−2
−ペンテン1g(0.0033モル)とCFCl3m
lを凝縮した。次いで、CFOF0.62g(0.0
06モル)も反応器中で凝縮した。反応器の温度を約1
5時間で25℃にして、反応器をこの温度に更に15時
間保持した。次いで、トラップ間蒸留(trap-to-trap-di
stillation) を行い、過剰のCFOFを−196℃の
トラップで除去した。次に、反応生成物の混合物をガス
クロマトグラフィおよび19FNMRによって分析した。
下記の生成物が得られた。 生成物(I) 90% 生成物(VI) 5% 生成物(VII) 5% 選択性: 94.7% オレフィン転化率:100%。
【0016】実施例4(比較例) ペルフルオロ−4−メチル−2−ペンテンとは異なる非
対称ペルフルオロモノオレフィンを用い、特に後述され
る条件以外は実施例3と同じ条件下で回分式操作を行っ
た。 (CFC=CF−CF−CF1g(0.00
33モル)、CFCl3mlおよびCFOF0.62
g(0.006モル)を反応器中で凝縮した。反応器の
温度を約15時間で25℃にして、反応器をこの温度に
更に15時間保持した。次に、過剰のCFOFを実施
例3と同様の方法で除去した。反応生成物の混合物をガ
スクロマトグラフィおよび19FNMRによって分析し
た。下記の生成物が得られた。 化合物(VIII)の選択性は61%にすぎなかった。オレフ
ィン転化率は62%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 バルター、ナバルリーニ イタリー国ボッファローラ、ティチーノ、 ビア、アルド、モロ、46/48 (72)発明者 シモネッタ、フォンタナ イタリー国ミラノ、ビア、オダツィオ、8

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも94%の選択性でペルフルオロ
    −2−メチル−4−メトキシペンタンを製造する方法で
    あって、ペルフルオロ−4−メチル−2−ペンテンを−
    40°〜50℃の温度でペルフルオロメチルハイポフル
    オライトと反応させることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】反応温度が0°〜+30℃である、請求項
    1に記載の方法。
  3. 【請求項3】ペルフルオロメチルハイポフルオライトの
    ガス流を、反応条件下で不活性な溶媒に所望により溶解
    したペルフルオロ−4−メチル−2−ペンテンから成る
    液相に連続的に通気する、請求項1または2に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】反応の初めに、CFOF流を不活性ガス
    で希釈する、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】溶媒がクロロフルオロカーボンおよびペル
    フルオロポリエーテルから成る群から選択される、請求
    項3または4に記載の方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法
    によって製造されるペルフルオロ−2−メチル−4−メ
    トキシペンタン。
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