JPH06263671A - 多価フェノール系化合物および多価フェノール系化合物の製造方法 - Google Patents

多価フェノール系化合物および多価フェノール系化合物の製造方法

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JPH06263671A
JPH06263671A JP5318979A JP31897993A JPH06263671A JP H06263671 A JPH06263671 A JP H06263671A JP 5318979 A JP5318979 A JP 5318979A JP 31897993 A JP31897993 A JP 31897993A JP H06263671 A JPH06263671 A JP H06263671A
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phenol compound
acid
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義則 増田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(1): 【化1】(式中、R1 は炭素数1〜12のアルキル基
を、R2 は水素原子、ヒドロキシ基または炭素数1〜4
のアルキル基を、nは1または2の整数を示す。)で表
される多価フェノール系化合物。 【効果】 比較的低粘度であり、かつ低分子量物を含ま
ず、分子量分布幅の狭い分岐鎖状分子の新規な多価フェ
ノール系化合物を提供できる。エポキシ樹脂の原料およ
びエポキシ樹脂の硬化剤として使用でき、架橋密度の高
い硬化物を提供できる。また、ポリエステル、ポリカー
ボネート、ポリウレタンのポリオール成分として使用可
能な化合物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な多価フェノール系
化合物および多価フェノール系化合物の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】多価フェノール系化合物はエポキシ樹脂
の硬化剤またはエポキシ樹脂の原料等として使用されて
いる有用な化合物である。
【0003】近年、多価フェノール系化合物が用いられ
る分野、特に電気・電子材料の分野においては、電子回
路の高集積化や表面実装法の普及に伴い、より耐熱性、
耐薬品性、機械特性等に優れた樹脂が切望されている。
【0004】従来より、こうした多価フェノール系化合
物としては、主にフェノールノボラック樹脂やオルソク
レゾールノボラック樹脂等が使用されていたが、一般に
取り扱いが不便であった。また、一般にエポキシ樹脂の
硬化剤として使用される多価フェノール系化合物は、得
られる硬化物の耐熱性、耐薬品性、機械特性等の点か
ら、低分子量物を含有せず、しかも分子量分布幅の狭い
分岐鎖状分子が要望されるが、従来知られているフェノ
ールノボラック樹脂等は低分子量物を含有する分子量分
布幅の広い直鎖状分子の混合物から構成されるものと考
えられているため、架橋密度の高い硬化物を得ることは
困難であり、その結果、硬化物として満足するものは得
られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、比較的低粘
度で取り扱い性がよく、かつ低分子量物を含まず、分子
量分布幅の狭い分岐鎖状分子の多価フェノール系化合物
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
技術の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記一
般式(1)で表される特定構造を持つ多価フェノール系
化合物が、本発明の目的に合致することを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、一般式(1):
【0008】
【化5】
【0009】(式中、R1 は炭素数1〜12のアルキル
基を、R2 は水素原子、ヒドロキシ基または炭素数1〜
4のアルキル基を、nは1または2の整数を示す。)で
表される多価フェノール系化合物、および、一般式
(2):
【0010】
【化6】
【0011】(式中、R1 は炭素数1〜12のアルキル
基を示す。)で表される2,6−ジホルミル−4−アル
キルフェノールと、一般式(3):
【0012】
【化7】
【0013】(式中、R2 は水素原子、ヒドロキシ基ま
たは炭素数1〜4のアルキル基を、nは1または2の整
数を示す。)で表されるフェノール類を、酸触媒の存在
下に、反応させることを特徴とする多価フェノール系化
合物の製造方法に関する。
【0014】本発明の前記一般式(1)で表される多価
フェノール系化合物の具体例としては、たとえば、以下
に示す化合物があげられる。
【0015】
【化8】
【0016】
【化9】
【0017】
【化10】
【0018】
【化11】
【0019】
【化12】
【0020】
【化13】
【0021】
【化14】
【0022】前記化8〜化14において、R1 は炭素数
1〜12、好ましくは1〜4のアルキル基を、R2 はヒ
ドロキシ基または炭素数1〜4のアルキル基を表す。R
1 の炭素数が12を越える場合には、エポキシ樹脂の硬
化剤等として使用した場合に得られる硬化物の耐熱性が
低下するので好ましくない。R2 の炭素数が4を越える
場合には、2,6−ジホルミル−4−アルキルフェノー
ルとの反応性が低下するため好ましくない。なお、前記
化8〜化14に示した多価フェノール系化合物はフェノ
ール類として同一配向性の化合物の1種を使用した場合
の例示であるが、一分子中のR2 は同一の置換基である
必要はなく、異なった置換基を有するフェノール類を使
用した混合物でもよい。また、例示はしていないが、フ
ェノール類として配向性の異なる化合物の2種以上を使
用した場合には、それぞれのフェノール類の配向に従っ
た数種の多価フェノール系化合物の混合物が得られる。
【0023】前記一般式(1)で表される新規な多価フ
ェノール系化合物は、一般式(2):
【0024】
【化15】
【0025】(式中、R1 は炭素数1〜12のアルキル
基を示す。)で表される2,6−ジホルミル−4−アル
キルフェノールと、一般式(3):
【0026】
【化16】
【0027】(式中、R2 は水素原子、ヒドロキシ基ま
たは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)で表されるフ
ェノール類を、酸触媒の存在下に、縮合反応させること
により容易に製造できる。
【0028】一般式(2)で表される2,4−ジホルミ
ル−4−アルキルフェノールの具体例としては、2,6
−ジホルミル−4−メチルフェノール、2,6−ジホル
ミル−4−エチルフェノール、2,6−ジホルミル−4
−n−プロピルフェノール、2,6−ジホルミル−4−
i−プロピルフェノール、2,6−ジホルミル−4−n
−ブチルフェノール、2,6−ジホルミル−4−t−ブ
チルフェノール、2,6−ジホルミル−4−オクチルフ
ェノール、2,6−ジホルミル−4−ノニルフェノー
ル、2,6−ジホルミル−4−ドデシルフェノール等が
あげられる。なお、かかる2,6−ジホルミル−4−ア
ルキルフェノールは、2,6−ジメチロール−4−アル
キルフェノールを、パラジウム、白金、二酸化マンガン
等の触媒存在下に、酸化することにより製造される(特
公昭60−29371号公報、特公平4−43059号
公報参照)。
【0029】また、一般式(3)で表されるフェノール
類の具体例としては、フェノール、レゾルシノール、ピ
ロガロール等、oークレゾール、mークレゾール、pー
クレゾール等のクレゾール類、2,3ーキシレノール、
2,4ーキシレノール、2,5ーキシレノール、2,6
ーキシレノール、3,4ーキシレノール、3,5ーキシ
レノール等のキシレノール類や、エチルフェノール、n
−プロピルフェノール、i−プロピルフェノール、n−
ブチルフェノール、t−ブチルフェノール等の各種のア
ルキルフェノール類があげられる。これらフェノール類
は1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用で
きる。
【0030】フェノール類の使用量は、通常、2,6−
ジホルミル−4−アルキルフェノールの1モル部に対
し、4〜60モル部程度、好ましくは8〜32モル部と
される。4モル部未満では高分子量物の生成が多くな
り、60モル部を越えると反応速度が遅くなり、反応に
長時間を要し好ましくない。
【0031】縮合反応に用いる酸触媒としては、例えば
有機酸、無機酸、金属塩、ルイス酸等があげられる。具
体的には、有機酸としてはギ酸、シュウ酸、マロン酸、
コハク酸、酢酸、モノクロル酢酸、ジクロル酢酸、トリ
クロル酢酸、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホ
ン酸、フェノールスルホン酸、キシレンスルホン酸、ト
リフルオロメタンスルホン酸等があげられ、無機酸とし
ては塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、臭化水素酸、リン酸
等があげられ、金属塩としては酢酸亜鉛、塩化亜鉛、酢
酸マグネシウム等があげられ、ルイス酸としては三フッ
化ホウ素、四塩化チタン、塩化アルミニウム等があげら
れる。これらのなかでも、特に選択性が良く、反応速度
を適度にコントロールできるという点で、パラトルエン
スルホン酸や塩酸等の強酸触媒等を用いるのが好まし
い。酸触媒の使用量は、反応速度を適度に制御し、副生
成物の生成を抑えられることから、2,6−ジホルミル
−4−アルキルフェノール100重量部に対して、通常
0.001〜10重量部程度、好ましくは0.01〜5
重量部とされる。
【0032】また、前記触媒を使用するに当たっては、
適当な助触媒を用いてもよい。助触媒の具体例として
は、チオグリコール酸、チオグリセロール、ベンゼンチ
オール等のチオール類があげらる。これらのなかでも、
後処理の容易さや、溶解性の点からチオグリコール酸を
用いるのが好ましい。助触媒の使用量は、反応速度を適
度に制御し、副生成物の生成を抑えられることから、
2,6−ジホルミル−4−アルキルフェノール100重
量部に対して、通常10重量部程度以下、好ましくは
0.001〜5重量部程度とされる。
【0033】なお、本発明の縮合反応では特に溶媒は必
要とされないが、適当な溶媒を用いて反応を行なっても
なんら差し支えない。用いられる溶媒の具体例として
は、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、ブチルアルコール、イソアミルアル
コール等のアルコール類、エチルセロソルブアセテー
ト、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ等のグリコー
ルエーテル類、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類等があげ
られる。
【0034】反応温度は通常20〜200℃程度とされ
る。反応速度を適度に制御し、副生成物の生成を抑えら
れることから、50〜100℃とするのがよい。
【0035】反応終了後は、アルカリ性物質を添加し
て、酸触媒(助触媒を使用した場合は酸触媒および助触
媒)を中和する。使用されるアルカリ性物質としては、
アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、ア
ルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ
土類金属炭酸塩およびアンモニア、有機アミン類等があ
げられる。これらの中でも副反応が少なく、取り扱いが
容易なことから、アルカリ金属水酸化物、たとえば水酸
化ナトリウム等が好適である。アルカリ性物質はそのま
ま添加してもよく、また水溶液として添加してもよい
が、中和熱による急な発熱を避けることから、通常0.
1〜50重量%程度、好ましくは1〜20重量%の水溶
液として添加するのがよい。
【0036】中和の後は、系内に有機溶媒等を添加し
て、反応生成物を溶解し、さらに水で中和により生成し
た塩や金属イオンを洗浄する。有機溶媒としては、酢酸
エチル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、メチルイ
ソブチルケトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキ
サン、ヘプタン、シクロヘキサン等が好適であり、また
水としてはイオン交換水が好適である。
【0037】本発明によれば、前記一般式(1)で表さ
れる新規な多価フェノール系化合物が得られるが、通常
本発明で得られる反応生成物中には、該多価フェノール
系化合物の他に、未反応のフェノール類等を含有してい
る。かかる未反応のフェノール類は減圧蒸留、水蒸気蒸
留等により容易に除去することができ、前記一般式
(1)で表される新規な多価フェノール系化合物は容易
に単離できる。また、前記一般式(1)で表される新規
な多価フェノール系化合物は、該多価フェノール系化合
物がフェノール類等と共に未反応の2,6−ジホルミル
−4−アルキルフェノールと縮合した高分子量物等を含
む場合がある。こうした高分子量物等は、再沈、再結晶
等の手段により除去することも可能であるが、そのまま
新規な多価フェノール系化合物との混合物として各種用
途に供することもできる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、比較的低粘度であり、
かつ低分子量物を含まず、分子量分布幅の狭い分岐鎖状
分子の新規な多価フェノール系化合物を提供できる。か
かる本発明の新規な多価フェノール系化合物は、エポキ
シ樹脂の硬化剤およびエポキシ樹脂の原料等として使用
でき、架橋密度の高い硬化物を提供できる。また、本発
明の新規な多価フェノール系化合物は、ポリエステル、
ポリカーボネート、ポリウレタンのポリオール成分とし
ても使用可能である。
【0039】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0040】実施例1 撹拌機及び還流冷却管付きの反応器に窒素気流下で2,
6−ジホルミル−4−メチルフェノール7.5g(0.
05モル)とフェノール150.6g(1.6モル)を
仕込み撹拌しながら80℃まで昇温した。これに酸触媒
としてパラトルエンスルホン酸0.075g(0.43
6×10-3モル)を加え、1時間反応させた後、助触媒
としてチオグリコール酸0.075g(0.436×1
-3モル)を加え、さらに5時間反応させて反応を完結
させた。反応終了後、温度を80℃に保ったまま4重量
%濃度の水酸化ナトリウム水溶液1.308g(1.3
08×10-3モル)を加えて触媒を中和し、そのまま5
分間撹拌した後、メチルイソブチルケトン300ml及
び水100mlを加えて室温まで冷却した。これを分液
ロートに移し、しばらく静置した後分液した。さらに有
機層をイオン交換水で洗液が中性を示すまで洗浄した。
その後、有機層中の溶媒を蒸留により除去し、引続き過
剰分のフェノールを120℃から180℃(750mm
Hgから5mmHg)の条件下に留去し、目的とする多
価フェノール系化合物(前記化8に相当する化合物)7
0%を含有する樹脂を得た。この樹脂を、さらにクロロ
ホルム溶液中で再結晶により精製して、GPCによる純
度99.9%の目的とする多価フェノール系化合物(前
記化8に相当する化合物)12.67gを(2,6−ジ
ホルミル−4−メチルフェノールよりの収率52%で)
得た。得られた多価フェノール系化合物のNMRのデー
タを以下に示す。また、得られた多価フェノール系化合
物のGPCチャートを図1に示す。
【0041】( 1HーNMRスペクトルデータ) 溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド δ(ppm):2.01(3H,s)、5.71(2
H,s)、6.43(2H,s)、6.67(8H,
d)、6.82(8H,d)、8.01(1H,s)、
9.18(4H,s)
【0042】(13CーNMRスペクトルデータ) 溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド δ(ppm):20.91,47.53,114.8
9,120.08,126.89,128.07,13
2.22,134.70,149.43,155.36
【0043】実施例2 撹拌機及び還流冷却管付きの反応器に窒素気流下で2,
6−ジホルミル−4−メチルフェノール7.5g(0.
05モル)とoークレゾール173.0g(1.6モ
ル)を仕込み、撹拌しながら80℃まで昇温した。これ
に酸触媒としてパラトルエンスルホン酸0.075g
(0.436×10-3モル)を加え、1時間反応させた
後、助触媒としてチオグリコール酸0.075g(0.
436×10-3モル)を加え、さらに11時間反応させ
て反応を完結させた。反応終了後、温度を80℃に保っ
たまま4重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液1.30
8g(1.308×10-3モル)を加えて触媒を中和
し、そのまま5分間撹拌した後、メチルイソブチルケト
ン300ml及び水100mlを加えて室温まで冷却し
た。これを分液ロートに移し、しばらく静置した後分液
した。さらに有機層をイオン交換水で洗液が中性を示す
まで洗浄した。その後、有機層中の溶媒を蒸留により除
去し、引続き過剰分のoークレゾールを120℃から1
80℃(750mmHgから5mmHg)の条件下に留
去し、目的とする多価フェノール系化合物(前記化9に
相当する化合物)69%を含有する樹脂を得た。この樹
脂を、クロロホルム溶液で加熱溶解させ四塩化炭素溶液
より再沈させることにより精製して、GPCによる純度
98.2%の目的とする多価フェノール系化合物(前記
化9に相当する化合物)13.32gを(2,6−ジホ
ルミル−4−メチルフェノールよりの収率49%で)得
た。得られた多価フェノール系化合物のNMRのデータ
を以下に示す。また、得られた多価フェノール系化合物
のGPCチャートを図2に示す。
【0044】( 1HーNMRスペクトルデータ) 溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド δ(ppm):2.00(3H,s)、2.03(12
H,s)、5.60(2H,s)、6.41(2H,
s)、6.59(4H,d)、6.65(4H,d)、
6.69(4H,s)、7.80(1H,s)、9.0
1(4H,s)
【0045】(13CーNMRスペクトルデータ) 溶媒:ジメチルスルホキシド δ(ppm):16.15,20.93,47.60,
114.14,123.05,126.61,127.
12,127.95,131.25,132.08,1
34.63,149.32,153.29
【0046】実施例3 撹拌機及び還流冷却管付きの反応器に窒素気流下で2,
6−ジホルミル−4−メチルフェノール7.5g(0.
05モル)とmークレゾール173.0g(1.6モ
ル)を仕込み、撹拌しながら80℃まで昇温した。これ
に酸触媒としてパラトルエンスルホン酸0.075g
(0.436×10-3モル)を加え、1時間反応させた
後、助触媒としてチオグリコール酸0.075g(0.
436×10-3モル)を加え、さらに11時間反応させ
て反応を完結させた。反応終了後、温度を80℃に保っ
たまま4重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液1.30
8g(1.308×10-3モル)を加えて触媒を中和
し、そのまま5分間撹拌した後、メチルイソブチルケト
ン300ml及び水100mlを加えて室温まで冷却し
た。これを分液ロートに移し、しばらく静置した後分液
した。さらに有機層をイオン交換水で洗液が中性を示す
まで洗浄した。その後、有機層中の溶媒を蒸留により除
去し、引続き過剰分のmークレゾールを120℃から1
80℃(750mmHgから5mmHg)の条件下に留
去し、目的とする多価フェノール系化合物(前記化10
に相当する化合物)70%を含有する樹脂を得た。この
樹脂を、クロロホルム溶液で加熱溶解させ四塩化炭素溶
液より再沈させることにより精製して、GPCによる純
度92.7%の目的とする多価フェノール系化合物(前
記化10に相当する化合物)13.86gを(2,6−
ジホルミル−4−メチルフェノールよりの収率51%
で)得た。得られた多価フェノール系化合物のNMRの
データを以下に示す。また、得られた多価フェノール系
化合物のGPCチャートを図3に示す。
【0047】( 1HーNMRスペクトルデータ) 溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド δ(ppm):2.00(12H,s)、2.18(3
H,s)、5.73(2H,s)、6.28(2H,
s)、6.41(4H,s)、6.47(4H,d)、
6.57(4H,s)、8.01(1H,s)、9.0
0(4H,s)
【0048】(13CーNMRスペクトルデータ) 溶媒:ジメチルスルホキシド δ(ppm):16.14,20.91,47.58,
114.15,123.03,126.62,127.
10,127.97,131.24,132.09,1
34.61,149.31,153.30
【0049】実施例4 撹拌機及び還流冷却管付きの反応器に窒素気流下で2,
6−ジホルミル−4−メチルフェノール7.5g(0.
05モル)と2,6ーキシレノール195.5g(1.
6モル)を仕込み、撹拌しながら80℃まで昇温した。
これに酸触媒としてパラトルエンスルホン酸0.075
g(0.436×10-3モル)を加え、1時間反応させ
た後、助触媒としてチオグリコール酸0.075g
(0.436×10-3モル)を加え、さらに25時間反
応させて反応を完結させた。反応終了後、温度を80℃
に保ったまま4重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液
1.308g(1.308×10-3モル)を加えて触媒
を中和し、そのまま5分間撹拌した後、メチルイソブチ
ルケトン300ml及び水100mlを加えて室温まで
冷却した。これを分液ロートに移し、しばらく静置した
後分液した。さらに有機層をイオン交換水で洗液が中性
を示すまで洗浄した。その後、有機層中の溶媒を蒸留に
より除去し、引続き過剰分の2,6ーキシレノールを1
20℃から180℃(750mmHgから5mmHg)
の条件下に留去し、目的とする多価フェノール系化合物
(前記化12に相当する化合物)52%を含有する樹脂
を得た。この樹脂を、クロロホルム溶液で加熱溶解させ
四塩化炭素溶液より再沈させることにより精製して、G
PCによる純度97.9%の目的とする多価フェノール
系化合物(前記化12に相当する化合物)12.64g
を(2,6−ジホルミル−4−メチルフェノールよりの
収率41%で)得た。得られた多価フェノール系化合物
のNMRのデータを以下に示す。また、得られた多価フ
ェノール系化合物のGPCチャートを図4に示す。
【0050】( 1HーNMRスペクトルデータ) 溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド δ(ppm):2.00(3H,s)、2.08(24
H,s)、5.57(2H,s)、6.44(2H,
s)、6.55(8H,s)、7.67(1H,s)、
7.67(1H,s)、7.95(4H,s)
【0051】(13CーNMRスペクトルデータ) 溶媒:ジメチルスルホキシド δ(ppm):16.84,21.03,47.82,
123.61,126.60,128.06,128.
91,131.95,135.03,149.36,1
51.13
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた多価フェノール系化合物
(前記化8に相当する化合物)のGPCチャートを表
す。低分子量物を含まず、分子量分布幅の狭い多価フェ
ノール系化合物が得られたことがわかる。 GPC:東ソー株式会社製 HLC−8020 カラム:東ソー株式会社製 TSK−GEL(G200
0HXL+G1000HXL) 溶媒:THF
【図2】 実施例2で得られた多価フェノール系化合物
(前記化9に相当する化合物)のGPCチャートを表
す。低分子量物を含まず、分子量分布幅の狭い多価フェ
ノール系化合物が得られたことがわかる。 GPC:東ソー株式会社製 HLC−8020 カラム:東ソー株式会社製 TSK−GEL(G200
0HXL+G1000HXL) 溶媒:THF
【図3】 実施例3で得られた多価フェノール系化合物
(前記化10に相当する化合物)のGPCチャートを表
す。低分子量物を含まず、分子量分布幅の狭い多価フェ
ノール系化合物が得られたことがわかる。 GPC:東ソー株式会社製 HLC−8020 カラム:東ソー株式会社製 TSK−GEL(G300
0HXL+G2000HXL) 溶媒:THF
【図4】 実施例4で得られた多価フェノール系化合物
(前記化12に相当する化合物)のGPCチャートを表
す。低分子量物を含まず、分子量分布幅の狭い多価フェ
ノール系化合物が得られたことがわかる。 GPC:東ソー株式会社製 HLC−8020 カラム:東ソー株式会社製 TSK−GEL(G300
0HXL+G2000HXL) 溶媒:THF

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1): 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜12のアルキル基を、R2
    水素原子、ヒドロキシ基または炭素数1〜4のアルキル
    基を、nは1または2の整数を示す。)で表される多価
    フェノール系化合物。
  2. 【請求項2】 一般式(2): 【化2】 (式中、R1 は炭素数1〜12のアルキル基を示す。)
    で表される2,6−ジホルミル−4−アルキルフェノー
    ルと、一般式(3): 【化3】 (式中、R2 は水素原子、ヒドロキシ基または炭素数1
    〜4のアルキル基を、nは1または2の整数を示す。)
    で表されるフェノール類を、酸触媒の存在下に、反応さ
    せることを特徴とする多価フェノール系化合物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 一般式(1): 【化4】 (式中、R1 は炭素数1〜12のアルキル基を、R2
    水素原子、ヒドロキシ基または炭素数1〜4のアルキル
    基を、nは1または2の整数を示す。)で表される多価
    フェノール系化合物を製造することを特徴とする請求項
    2記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007094436A1 (ja) * 2006-02-17 2007-08-23 Jsr Corporation 酸解離性基含有化合物及び感放射線性組成物
JP2013503208A (ja) * 2009-08-31 2013-01-31 エボニック オクセノ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング テトラフェノール(tp)置換構造を基礎とする有機燐化合物

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