JPH06262679A - 超高分子量ポリオレフィン二軸延伸フィルム及びその 製造方法 - Google Patents

超高分子量ポリオレフィン二軸延伸フィルム及びその 製造方法

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JPH06262679A
JPH06262679A JP5157699A JP15769993A JPH06262679A JP H06262679 A JPH06262679 A JP H06262679A JP 5157699 A JP5157699 A JP 5157699A JP 15769993 A JP15769993 A JP 15769993A JP H06262679 A JPH06262679 A JP H06262679A
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和雄 八木
Masanori Motooka
正則 本岡
Hiroyuki Takeda
寛之 武田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 少なくとも極限粘度[η]が5.0dl/g
以上の超高分子量ポリオレフィンAで、且つ一旦固化し
た後の縦方向の延伸倍率が3倍以上及び横方向の延伸倍
率が3倍以上であって、破断強度が720kg/cm2
以上であることを特徴とする超高分子量ポリオレフィン
二軸延伸フイルム。この製造方法は、超高分子量ポリオ
レフィンAと、その融点を越える沸点を有する炭化水素
系可塑剤Bを含み、且つメルトフローレートが0.00
5ないし50g/10minである混合物を押出し、一
旦固化した後、超高分子量ポリオレフィンの融点未満の
延伸温度で、縦方向の延伸倍率が3倍以上及び横方向の
延伸倍率が3倍以上に二軸延伸する。 【効果】 各種材料との複合化による補強材にも使用で
き、また、微孔を有するものは、選択膜、エレクトレッ
ト等への利用も可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超高分子量ポリオレフ
ィン二軸延伸フィルム及びその製造方法に関するもので
あり、より詳しくは、超高分子量ポリオレフィンと特定
の炭化水素系可塑剤との混合物から得られた二軸延伸フ
ィルム(以下、単に「超高分子量ポリオレフィン二軸延
伸フィルム」という場合がある。)及びその製造方法に
関し、特に、一旦固化した後の縦方向の延伸倍率が3倍
以上及び横方向の延伸倍率が3倍以上であって、破断強
度が720kg/cm2 である超高分子量ポリオレフィ
ン二軸延伸フィルム、及び、その二軸延伸フィルムの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】超高分子量ポリオレフィンの代表例であ
る超高分子量ポリエチレンは、汎用のポリエチレンに比
べ、耐衝撃性、耐摩耗性、耐薬品性、引張強度等に優れ
ており、エンジニアリングプラスチックとして用途が拡
がりつつある。しかしながら汎用のポリエチレンに比較
して溶融粘度が極めて高く、流動性が悪いため、従来の
押出成形によって成形することは非常に難しく、その殆
どは圧縮成形によって成形されており、一部ロッドなど
が極めて低速で押出成形されているのが現状であった。
【0003】また、超高分子量ポリオレフィンの製造方
法としては、超高分子量ポリエチレンの粉末を焼結した
後、ポリエチレンの融点以上の温度に加熱して2枚のベ
ルト間で加熱、圧着、冷却してフィルムを製造する方法
(特公昭48−11576号公報)、あるいは燒結した
超高分子量ポリエチレンシートを二次転移点以上ないし
融点未満の温度範囲で加圧ロールで配向させる方法(特
開昭53−45376号公報)などが提案されている
が、いずれも超高分子量ポリエチレンの粉末を燒結させ
てシートで作るので成形に長時間を要し、また後者の方
法では超高分子量ポリエチレンは溶融粘度が高く流動性
が悪いので、融点未満の温度で加圧ロールで配向させて
も薄いフィルムを得ることは、殆ど不可能であった。
【0004】一方、二軸延伸ポリプロピレンフィルム
(OPPフィルム)の如く、フィルムを二軸延伸して高
強力・薄肉フィルムを製造することは良く知られている
が、通常のポリプロピレンと異なり超高分子量ポリオレ
フィンは高強度化に繋がる延伸可能な温度領域での粘度
が極端に高いので二軸延伸フィルムを得ることは殆ど不
可能であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況に鑑み、本
発明者らは、超高分子量ポリオレフィンの二軸延伸フィ
ルムを得る方法について鋭意検討した結果、超高分子量
ポリオレフィンに特定の炭化水素系可塑剤を混合するこ
とにより、二軸延伸フィルムが得られることが分かり、
本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、少な
くとも極限粘度[η]が5dl/g以上の超高分子量ポ
リオレフィンAで、且つ一旦固化した後の縦方向の延伸
倍率が3倍以上及び横方向の延伸倍率が3倍以上であっ
て、破断強度が720kg/cm2 以上であることを特
徴とする超高分子量ポリオレフィン二軸延伸フィルム、
および、少なくとも極限粘度[η]が5.0dl/g以
上の超高分子量ポリオレフィンAと、該超高分子量ポリ
オレフィンの融点を越える沸点を有する炭化水素系可塑
剤Bを含み、且つメルトフローレートが0.005ない
し50g/10minである混合物を押出し、一旦固化
した後、前記超高分子量ポリオレフィンの融点未満の延
伸温度で、縦方向の延伸倍率が3倍以上及び横方向の延
伸倍率が3倍以上に二軸延伸することを特徴とする、破
断強度が720kg/cm2 以上である超高分子量ポリ
オレフィン二軸延伸フィルムの製造方法、を提供するも
のである。
【0007】本発明で用いる超高分子量ポリオレフィン
Aは、デカリン溶媒135℃における極限粘度[η]が
5dl/g以上、好ましくは7ないし30dl/gの範
囲のものである。[η]5dl/g未満のものは、分子
量が低く超高分子量ポリオレフィンの特徴である高強度
フィルムが得られない虞れがあり、一方[η]の上限は
とくに限定はされないが、30dl/gを越えるものは
後述の炭化水素系可塑剤Bを添加しても溶融粘度が高く
押出成形性に劣る。かかる超高分子量ポリオレフィンA
は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−
1−ペンテン、1−ヘキセン等を所謂チーグラー重合に
より重合することにより得られるポリオレフィンの中
で、はるかに分子量が高い範疇のものである。中でもエ
チレンを主体とした超高分子量ポリエチレンは、耐寒
性、耐衝撃性、自己潤滑性等に優れているので好まし
い。
【0008】本発明の方法に用いる炭化水素系可塑剤B
は、沸点が前記超高分子量ポリオレフィンAの融点
(A)を越えるもの、好ましくは、沸点が融点(A)+
10℃以上で且つ融点(B)が350℃以下、さらに好
ましくは、沸点が融点(A)+50℃以上で融点(B)
が40ないし120℃及び分子量が2000以下の炭化
水素系可塑剤である。
【0009】沸点が超高分子量ポリオレフィンAの融点
(A)以下のものは、前記超高分子量ポリオレフィンA
と混合して溶融押出した原反シートが発泡するので良好
な二軸延伸フィルムが得られない虞がある。また常温で
液状のものは少量であれば押出成形性を阻害しないが、
多量に用いると例えばスクリュー押出機等を用いる場合
に、スクリューと混合物とが共回りを起こして定常な押
出成形ができない場合があるので、融点(B)が40℃
以上の炭化水素系可塑剤が最も好ましい。
【0010】又、炭化水素系可塑剤Bの分子量は、超高
分子量ポリオレフィンAに混合し、混合物のMFRを
0.005ないし50g/10min、好ましくは0.
01ないし50g/10min、更に好ましくは、0.
1ないし10g/10minの範囲にするものであれ
ば、特に限定はされないが、分子量が2000を越える
ものは、MFRを上記範囲にするには、多量に添加する
ことになり、延いては、フィルムにした場合に超高分子
量ポリオレフィン本来の特徴である優れた特性を発揮で
きない虞がある。尚本発明におけるMFRは、ASTM
D1238に準拠するが、ポリプロピレンは条件L、ポ
リ4−メチル−1−ペンテンは条件Tとし、ポリエチレ
ンを含むその他のポリオレフィンは条件Eとした。
【0011】本発明に用いる前記炭化水素系可塑剤Bと
しては、具体的には、n−デカン、n−ドデカン、ドコ
サン、トリコサン、テトラコサン等のn−アルカン、流
動パラフイン、灯油、パラフインワックス、低分子量ポ
リエチレンあるいは低分子量ポリプロピレン、低分子量
ポリブテン等のα−オレフィンオリゴマー等の脂肪族炭
化水素系化合物、ナフタリン、テトラリン、ジエチルベ
ンゼン、デカリン、低分子量ポリスチレン等の芳香族炭
化水素系化合物あるいはその水素化誘導体、C 5 系石油
樹脂、あるいはそれらのハロゲン化物、カプリン酸、ラ
ウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、
オレイン酸、エルカ酸等の高級脂肪酸、カプリルアルコ
ール、ラウリルアルコール、パルミチルアルコール、ス
テアリルアルコール等の高級脂肪族アルコール、パルミ
チン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド
等の高級脂肪酸アミド、ステアリン酸カルシウム、ラウ
リン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸、ス
テアリン酸モノグリセリド、オレイン酸モノグリセリ
ド、ステアリン酸ジグリセリド等の高級脂肪酸エステル
等が挙げられる。前記超高分子量ポリオレフィンAとし
て超高分子量ポリエチレンを選択した場合には、前記炭
化水素系可塑剤Bとしては相溶性の点からパラフイン系
ワックスが好ましい。
【0012】前記パラフイン系ワックスとしては、飽和
脂肪族炭化水素化合物を主体とするもので、具体的には
ドコサン、トリコサン、テトラコサン、トリアコンタン
等の炭素数22以上のn−アルカンあるいはそれらを主
成分とした低級n−アルカン等との混合物、石油から分
離精製された所謂パラフィンワックス、エチレンあるい
はエチレンと他のα−オレフィンとを共重合して得られ
る低分子量重合体である中・低圧法ポリエチレンワック
ス、高圧法ポリエチレンワックス、エチレン共重合ワッ
クスあるいは中・低圧法ポリエチレン、高圧法ポリエチ
レン等のポリエチレンを熱減成等により分子量を低下さ
せたワックス及びそれらのワックスの酸化物あるいはマ
レイン酸変性物等の酸化ワックス、マレイン酸変性ワッ
クス等が挙げられる。
【0013】本発明における融点は、ASTM D34
17により、示差走査型熱量計(DSC)により測定し
た値である。また分子量はGPC法(ゲル・パーミエー
ション・クロマトグラフィー)により、次の条件で測定
した得た重量平均分子量(Mw)である。 装置:ウオーターズ社製 150C型 カラム:東洋曹達工業(株)製 TSK GMH−6 (6mm Φ×600mm ) 溶媒:o−ジクロルベンゼン (ODCB) 温度:135℃ 流量:1.0ml/min 注入温度:30mg/20ml ODCB (注入量400 μl ) 尚、東洋曹達工業(株)製及びプレツシャー・ケミカル
社製の標準ポリエチレンを用いてユニバーサル法により
カラム溶出体積は較正した。
【0014】本発明の方法は、前記超高分子量ポリオレ
フィンAに前記炭化水素系可塑剤Bを添加混合してMF
Rを0.005ないし50g/10min、好ましくは
0.01ないし50g/10min、更に好ましくは
0.1ないし10g/10minの範囲にした混合物を
溶融混練後ダイより押出し、一旦固化した後前記超高分
子量ポリオレフィンAの融点未満の温度で二軸延伸する
ことにより、前記高強度の超高分子量ポリオレフィン二
軸延伸フィルムを製造する方法である。
【0015】本発明の方法は、超高分子量ポリオレフィ
ンAと炭化水素系可塑剤Bとの混合物のMFRが上記範
囲内であれば超高分子量ポリオレフィンAの量は、特に
限定はされないが、通常は超高分子量ポリオレフィンA
が15ないし80重量%、好ましくは30ないし70重
量%(混合物を100重量%とする)の範囲である。超
高分子量ポリオレフィンAの量が15重量%未満では炭
化水素可塑剤Bの量が多過ぎて、押出された原反シート
の延伸性が損われる場合がある。一方、超高分子量ポリ
オレフィンAの量が80重量%を越える量では、たとえ
前記炭化水素可塑剤Bを添加してもMFRが0.005
以上にならず、溶融押出しが困難であり、押出された原
反フィルムの肌荒れが激しく、また二軸延伸時にも多大
な応力を必要とし、延伸性にも劣る。
【0016】超高分子量ポリオレフィンAと炭化水素系
可塑剤Bとの溶融混練は、例えばヘンシエルミキサー、
V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレン
ダー等で混合後、一軸押出機、二軸押出機等のスクリュ
ー押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で、通常、
融点以上ないし350℃、好ましくは融点+50℃以上
ないし300℃の温度で行い得る。溶融混練はフィルム
の押出成形に先立ち別途行ってもよいし、スクリュー押
出機等で溶融混練しながらダイよりフィルムを押出す連
続法によって行ってもよい。
【0017】押出温度は、通常150ないし350℃、
好ましくは190ないし300℃の温度で行い得る。押
出温度が150℃未満では溶融粘度が高く押出性に劣
り、一方350℃を越えると超高分子量ポリオレフィン
が熱劣化により分子量が低下する虞がある。前記方法に
より押出されたフィルムは、超高分子量ポリオレフィン
Aの融点(A)未満の温度、好ましくは融点(A)未満
の温度以下ないし60℃以上の温度で二軸延伸される。
延伸温度が融点(A)以上の温度では、延伸による配向
が不十分であり、機械的強度を発揮できない。また延伸
温度が60℃以下では、延伸に多大な応力を必要とする
ので好ましくない。
【0018】押出された原反フィルムを二軸延伸する方
法は、インフレーションフィルム法による同時二軸延伸
法、あるいはテンター法による同時二軸延伸法、もしく
はロール等により縦方向に延伸後、テンターにより横方
向に延伸する逐次二軸延伸法が挙げられる。二軸延伸時
の延伸温度が融点(A)未満の温度で且つ超高分子量ポ
リオレフィンAの引張試験における降伏点応力が消失す
る温度以上の温度範囲であればいずれの方法に拠っても
二軸延伸できるが、降伏点応力が消失する温度未満の温
度で延伸する場合は、逐次延伸法では横延伸時にフィル
ムが縦割れを起こすので、同時二軸延伸法を採用するの
が好ましい。
【0019】押出されたフィルムを二軸延伸する際に
は、ダイより押出された溶融状態のフィルムが冷却され
て、一旦固化した後再度フィルムを前記温度範囲内に加
熱して行うものであり、この方法は温度範囲の制御が容
易であるので好ましい。したがって、本発明における二
軸延伸する際の延伸倍率は、溶融状態で押出されたフィ
ルムが冷却されて、一旦固化した後の延伸倍率を意味
し、通常、縦方向が3倍以上、好ましくは5ないし20
倍、横方向が3倍以上、好ましくは5ないし20倍程度
である。延伸倍率が3倍未満では延伸による機械的強度
の発現ができない。
【0020】尚、延伸倍率が20倍を越えると、延伸に
より成形された超高分子量ポリオレフィン二軸延伸フィ
ルムの厚さが原反フィルムの400分の1以下となるの
で延伸操作が困難である場合がある。本発明に用いる超
高分子量ポリオレフィンAには、前記炭化水素系可塑剤
Bに加えて、耐熱安定剤、耐候安定剤、滑剤、アンチブ
ロッキング剤、スリップ剤、顔料、染料、無機充填剤等
通常ポリオレフィンに添加して使用される各種添加剤を
本発明の目的を損わない範囲で配合しておいてもよい。
【0021】本発明の超高分子量ポリオレフィン二軸延
伸フィルムの厚さは、用途に応じて適宜選択され得るが
通常50ないし0.5μ、好ましくは20ないし2μの
範囲である。また、該フィルムは単独で用いてもよい
し、片面もしくは両面をコロナ放電処理等を行って、必
要に応じてアンカー処理を行い、他の樹脂もしくは紙、
セロファン、アルミニウム箔と積層して用いてもよい。
【0022】
【発明の効果】本発明の超高分子量ポリオレフィン二軸
延伸フィルムは、従来の通常のポリオレフィンフィルム
では得られない高引張強度、高衝撃強度を有し且つ高弾
性であるので包装材料等のポリオレフィンフィルム分野
に加えて高弾性、高強度フィルム分野への利用が可能と
なり各種材料との複合化による補強材にも使用できる。
さらには高延伸により超薄膜化が計れるためにコンデン
サーフィルム、絶縁紙にも使用できる。また本発明の超
高分子量ポリオレフィン二軸延伸フィルムは、均一に炭
化水素系可塑剤Bが分散されているので、例えばn−ヘ
キサン、n−ヘプタン等により抽出することにより副次
的に生成する微孔を利用した選択膜、エレクトレットフ
ィルム等の機能材料への適性にも優れている。
【0023】
【実施例】次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に
説明する。
【0024】<実施例1>超高分子量ポリエチレン
([η]=8.20dl/g)とパラフィンワックス
(融点=69℃、分子量=460)との50:50(重
量比)ブレンド物(MFR:0.037g/10mi
n)を次の条件下で二軸延伸フィルム成形を行った。前
記ブレンド物を30mmφ、L/D=25のスクリュー
押出機で溶融後ダイ幅30cmのコートハンガー型T−
ダイ(設定温度:280℃)よりシートを押出しロール
で冷却して厚み200μの均一なシートを得た。次いで
該シートから90mm×90mmの試料を切り出し二軸
延伸機(東洋精機製作所製)を用いて、延伸温度120
℃の条件下で種々の倍率で二軸延伸し均一な厚さの二軸
延伸フィルムを得た。該延伸フィルムの評価を以下の方
法で行った。
【0025】延伸性 4:切断なし、均一延伸 3:延伸ムラ、殆どなし 2:延伸ムラ、ややあり 1:延伸ムラ大引張試験 島津製作所製 IS−500型引張試験機を用いて室温
(23℃)にて測定した。試料片形状はJIS I号ダ
ンペルでクランプ間距離は80mm、引張速度20mm
/minとした。なお、初期弾性率は引張試験にて得ら
れる、応力−歪曲線の初期勾配から求めた。または破断
強度は同様に応力−歪曲線の破断応力から求めた。初期
弾性率と破断強度の算出に必要な試験片断面積は重量と
比重とから試験片の厚みを算出して求めた。試験片の比
重は密度勾配法で求めた。衝撃強度 フィルムインパクトテスター(東洋精機製作所製)で1
/2”φ球面の衝撃頭を用いて測定した。結果を表1に
示す。
【0026】
【0027】<比較例1>実施例1で用いたブレンド物
を、延伸倍率以外は全て実施例1と同じ条件にして二軸
延伸フィルム成形を行い、均一な厚さの二軸延伸フィル
ムを得た。得られた結果を表2に示す。
【0028】
【0029】<実施例2>超高分子量ポリエチレン
([η]=19.6dl/g)とパラフィンワックス
(融点=69℃、分子量=460)との40:60(重
量比)ブレンド物(MFR:0.006g/10mi
n)を用いる以外は実施例1と同様に行った。結果を表
3に示す
【0030】
【0031】<実施例3>超高分子量ポリプロピレン
([η]=8.02dl/g)とパラフィンワックス
(融点=69℃、分子量=460)との70:30(重
量比)ブレンド物(MFR:0.19g/10min)
を次の条件下でフィルム成形を行った。前記ブレンドを
20mmφ、L/D=20のスクリュー押出機(設定温
度220℃)で溶融混練後造粒を行った。得られたペレ
ットを用いて圧縮成形して90mm×90mm×300
μのシートを得た。次いで該シートを実施例1と同様な
方法縦5倍、横5倍の二軸延伸を行った。このときの操
作温度は150℃であり同時二軸延伸により厚さの均一
なフィルムを得ることができた。該延伸フィルムの評価
結果を表4に示す。
【0032】
【0033】<比較例2>超高分子量ポリエチレン
([η]=8.20dl/g)とパラフィンワックス
(融点=69℃、分子量=460)との50:50(重
量比)ブレンド物を用いて実施例1と同様の方法で21
0μのシートを得た。このあと操作温度120℃で縦4
倍横4倍の逐次二軸延伸を行い厚さの均一なフィルムを
得た。該二軸延伸フィルムの評価結果を表5に示す。
【0034】
【0035】<実施例4>実施例1の方法で超高分子量
ポリエチレン([η]=8.20dl/g)とパラフィ
ンワックス(融点=69℃、分子量=460)との5
0:50(重量比)ブレンド物を用いて500μの均一
なシートを得た。次いで該シートを延伸温度120℃に
てそれぞれ縦横4,5,6,7倍に同時二軸延伸し、該
延伸フィルムから試料を切り出し再びそれぞれ同一温度
にて2倍の同時二軸延伸を行うことにより延伸倍率が高
い均一な二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フ
ィルムの評価結果を表6に示す。
【0036】
【0037】<比較例3>超高分子量ポリエチレン
([η]=8.20dl/g)とパラフィンワックス
(融点=69℃、分子量=460)との50:50ブレ
ンド物を実施例1と同一条件下でシート成形を行った。
次いで該シートから試料を切り出した後室温にて二軸延
伸を試みた所、延伸ムラ及び破断が起こり均一な延伸を
行うことができなかった。
【0038】<比較例4>超高分子量ポリエチレン
([η]=8.20dl/g)を圧縮成形して100μ
のシートを得た。このときの操作条件は200℃であ
る。次いで該シートを用いて二軸延伸を試みた。延伸温
度を60,80,100,120℃としてそれぞれ延伸
を試みたがいずれの場合も引張応力が大きく延伸ムラと
破断により2倍以上の均一延伸は不可能であった。
【0039】<比較例5>超高分子量ポリエチレン
([η]=8.20dl/g)とパラフィンワックス
(融点=69℃、分子量=460)との10:90(重
量比)ブレンド物(MFR:83g/10min)を用
いて実施例1記載の方法でシート成形を試みたが、均一
な厚さのシートを成形することが出来なかった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも極限粘度[η]が5.0dl
    /g以上の超高分子量ポリオレフィンAで、且つ一旦固
    化した後の縦方向の延伸倍率が3倍以上及び横方向の延
    伸倍率が3倍以上であって、破断強度が720kg/c
    2 以上であることを特徴とする超高分子量ポリオレフ
    ィン二軸延伸フイルム。
  2. 【請求項2】 前記超高分子量ポリオレフィンAが該超
    高分子量ポリオレフィンの融点を越える沸点を有する炭
    化水素系可塑剤Bを含み、且つメルトフローレートが
    0.005ないし50g/10minである特許請求の
    範囲1項記載の二軸延伸フィルム。
  3. 【請求項3】 前記超高分子量ポリオレフィンが超高分
    子量ポリエチレンである特許請求の範囲1ないし2項の
    いずれか1項記載の二軸延伸フィルム。
  4. 【請求項4】 少なくとも極限粘度[η]が5.0dl
    /g以上の超高分子量ポリオレフィンAと、該超高分子
    量ポリオレフィンの融点を越える沸点を有する炭化水素
    系可塑剤Bを含み、且つメルトフローレートが0.00
    5ないし50g/10minである混合物を押出し、一
    旦固化した後、前記超高分子量ポリオレフィンの融点未
    満の延伸温度で、縦方向の延伸倍率が3倍以上及び横方
    向の延伸倍率が3倍以上に二軸延伸することを特徴とす
    る、破断強度が720kg/cm2 以上である超高分子
    量ポリオレフィン二軸延伸フィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記超高分子量ポリオレフィンが超高分
    子量ポリエチレンである特許請求の範囲4項記載の二軸
    延伸フィルムの製造方法。
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