JPH06261751A - 新規プロテアーゼ及びそれを生産するバチルス バディウス jt0127菌株 - Google Patents
新規プロテアーゼ及びそれを生産するバチルス バディウス jt0127菌株Info
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- JPH06261751A JPH06261751A JP8751092A JP8751092A JPH06261751A JP H06261751 A JPH06261751 A JP H06261751A JP 8751092 A JP8751092 A JP 8751092A JP 8751092 A JP8751092 A JP 8751092A JP H06261751 A JPH06261751 A JP H06261751A
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- Japan
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- protease
- strain
- enzyme
- producing
- phenylalanine
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Abstract
(57)【要約】
【目的】アミノ酸の端を特異的に切断する新規なプロテ
アーゼを提供すること及びそれを生産するバチルス バ
ディウス JT0127菌株を提供すること。 【構成】下記の理化学的性質を有する新規プロテアーゼ (1)ロイシン及びフェニルアラニンのアミノ基側を切
断する (2)カゼインをエンド型に分解し低分子化する (3)SDS−PAGE下で分子量約34000 (4)紫外線吸収スペクトル λmax=280nm (5)至適pH 6〜8 (6)至適温度 45〜55℃及びバチルス バディウ
ス(Bacillus badius) JT0127
(微工研菌寄第12722号)である上記プロテアーゼ
の生産菌。 【効果】N末端に、ロイシン、フェニルアラニンを配す
るペプチドを効率よく製造できる。
アーゼを提供すること及びそれを生産するバチルス バ
ディウス JT0127菌株を提供すること。 【構成】下記の理化学的性質を有する新規プロテアーゼ (1)ロイシン及びフェニルアラニンのアミノ基側を切
断する (2)カゼインをエンド型に分解し低分子化する (3)SDS−PAGE下で分子量約34000 (4)紫外線吸収スペクトル λmax=280nm (5)至適pH 6〜8 (6)至適温度 45〜55℃及びバチルス バディウ
ス(Bacillus badius) JT0127
(微工研菌寄第12722号)である上記プロテアーゼ
の生産菌。 【効果】N末端に、ロイシン、フェニルアラニンを配す
るペプチドを効率よく製造できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なプロテアーゼ及
びそれを生産するバチルス バディウス(Bacill
us badius)新菌株に関する。
びそれを生産するバチルス バディウス(Bacill
us badius)新菌株に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、プロテアーゼ処理した食品蛋白質
から、多くの生理活性ペプチドが見いだされ、機能性食
品への利用が見込まれている。それらペプチドの構造活
性相関の研究から活性発現に必須なアミノ酸配列が明ら
かになっている。このため、末端にある特定のアミノ酸
あるいは特定のアミノ酸配列を有するペプチドを効率よ
く得るためには、そのアミノ酸の端を特異的に切断する
ことが可能なプロテアーゼが望まれる。
から、多くの生理活性ペプチドが見いだされ、機能性食
品への利用が見込まれている。それらペプチドの構造活
性相関の研究から活性発現に必須なアミノ酸配列が明ら
かになっている。このため、末端にある特定のアミノ酸
あるいは特定のアミノ酸配列を有するペプチドを効率よ
く得るためには、そのアミノ酸の端を特異的に切断する
ことが可能なプロテアーゼが望まれる。
【0003】このような基質特異性を有するプロテアー
ゼのなかで、ロイシンやフェニルアラニンなど疎水性ア
ミノ酸のアミノ基側を良く切断する代表的な酵素とし
て、サーモリシンが生化学工業(株)から市販されてい
る。これは、至適pH7〜8、適温度70℃である。ま
た、ロイシン、フエニルアラニン以外に、グリシン、セ
リンのアミノ酸基側をも切断することが知られている。
特定の生理活性ペプチドを効率よく得るためには、より
特異性の高いプロテアーゼが望まれていた。
ゼのなかで、ロイシンやフェニルアラニンなど疎水性ア
ミノ酸のアミノ基側を良く切断する代表的な酵素とし
て、サーモリシンが生化学工業(株)から市販されてい
る。これは、至適pH7〜8、適温度70℃である。ま
た、ロイシン、フエニルアラニン以外に、グリシン、セ
リンのアミノ酸基側をも切断することが知られている。
特定の生理活性ペプチドを効率よく得るためには、より
特異性の高いプロテアーゼが望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、アミノ酸の端
を特異的に切断することが可能なプロテアーゼを提供す
ること、特に、ロイシン、フエニルアラニンのアミノ基
側の切断をより厳密に行うプロテアーゼを提供すること
を目的とする。
を特異的に切断することが可能なプロテアーゼを提供す
ること、特に、ロイシン、フエニルアラニンのアミノ基
側の切断をより厳密に行うプロテアーゼを提供すること
を目的とする。
【0005】本発明者らは、前記目的を達成するべく、
以下に記す方法により微生物を分離した。まず、相模湾
沖合いから得られた海底泥試水を小麦粉を懸濁した寒天
プレート上に塗布、培養し、出現したコロニーのうちコ
ロニー周辺に透明帯を生じた菌を分離し、菌体外酵素生
産菌とした。それらの培養上清とインスリンB鎖を反応
させ、生じたペプチドを分析し、疎水性アミノ酸のアミ
ノ基側の切断が最も厳密であった菌としてバチルス バ
ディウス(Bacillus badius)を分離し
た。該菌株が生産するプロテアーゼが前記条件を満足す
るものであることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
以下に記す方法により微生物を分離した。まず、相模湾
沖合いから得られた海底泥試水を小麦粉を懸濁した寒天
プレート上に塗布、培養し、出現したコロニーのうちコ
ロニー周辺に透明帯を生じた菌を分離し、菌体外酵素生
産菌とした。それらの培養上清とインスリンB鎖を反応
させ、生じたペプチドを分析し、疎水性アミノ酸のアミ
ノ基側の切断が最も厳密であった菌としてバチルス バ
ディウス(Bacillus badius)を分離し
た。該菌株が生産するプロテアーゼが前記条件を満足す
るものであることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】本発明の菌株は、以下に述べるとおり、菌
学的性質からBacillus badiusと同定さ
れるが、いくつかの点においてこれと相違し、また他の
公知菌株とも相違する。従って、本発明者らは、本菌株
を新規な菌株と認定して、Bacillus badi
us JT0127と命名し、工業技術院微生物工業技
術研究所に微工研菌寄第12722号として寄託した。
学的性質からBacillus badiusと同定さ
れるが、いくつかの点においてこれと相違し、また他の
公知菌株とも相違する。従って、本発明者らは、本菌株
を新規な菌株と認定して、Bacillus badi
us JT0127と命名し、工業技術院微生物工業技
術研究所に微工研菌寄第12722号として寄託した。
【0007】[菌学的性質]本発明のBacillus
badius JT0127は、以下に示すような菌
学的性質を示す。
badius JT0127は、以下に示すような菌
学的性質を示す。
【0008】(A)形態的性質 (a)形状とコロニーの色 桿状 淡いピンク系オレンジ色 (b)サイズ 幅 0.8〜1.0μm 長さ 1.5〜3.0μm (C)胞子 有(楕円形) (d)鞭毛 有(周毛) (e)グラム染色性 陽性
【0009】(B)ペプトンー酵母エキス寒天培地での
生育状況 寒天培地上でピンク系オレンジ色のコロニーを形成す
る。培地中の鉄イオン濃度が低い場合には、若干の色調
変化を起こす。
生育状況 寒天培地上でピンク系オレンジ色のコロニーを形成す
る。培地中の鉄イオン濃度が低い場合には、若干の色調
変化を起こす。
【0010】(C)生理的性質 (a)硝酸塩の還元:陰性 (b)クエン酸の還元:陰性 (c)0Fテスト:oxidative (d)VPテスト:陰性 (e)MRテスト:陰性 (f)オキシダーゼ:陰性 (g)カタラーゼ:陽性 (h)ウレアーゼの生成:陰性 (i)エスクリンの分解:陰性 (j)NaCl存在下での生育:NaCl 0% 生育
不良 NaCl 3% 生育良好 NaCl 5% 生育良好
不良 NaCl 3% 生育良好 NaCl 5% 生育良好
【0011】上記菌株の菌学的性質に基づき、「Ber
gey’s Manual ofSystematic
Bacteriology 第1版」(1984年発
行、発行元WILLIAMS&WILKINS)の記載
に準じて、本菌株は、バチルス バディウス(Baci
llus badius)であると同定された。
gey’s Manual ofSystematic
Bacteriology 第1版」(1984年発
行、発行元WILLIAMS&WILKINS)の記載
に準じて、本菌株は、バチルス バディウス(Baci
llus badius)であると同定された。
【0012】さらに、公知の同種標準株(IAM 11
059株)と比較したところ、寒天培地上におけるコロ
ニーの色調が異なること、IAM 11059株は、B
BP様の酵素を生産しない点で相違するので、同菌の新
菌株であり、「Bacillus badius JT
0127」と表示することとした。
059株)と比較したところ、寒天培地上におけるコロ
ニーの色調が異なること、IAM 11059株は、B
BP様の酵素を生産しない点で相違するので、同菌の新
菌株であり、「Bacillus badius JT
0127」と表示することとした。
【0013】[酵素の取得法]上記Bacillus
badius JT0127株の生産するプロテアーゼ
をBBPと称する。Bacillus badius
JT0127株を用いて本発明のプロテアーゼBBPを
得るには、該菌株を適当な培地に接種し、常法にしたが
って培養すればよい。
badius JT0127株の生産するプロテアーゼ
をBBPと称する。Bacillus badius
JT0127株を用いて本発明のプロテアーゼBBPを
得るには、該菌株を適当な培地に接種し、常法にしたが
って培養すればよい。
【0014】本発明で使用される培地は、本発明のJT
0127株菌が増殖し、プロテアーゼBBPを生産し得
るものならば任意の培地でよく、例えば、炭素源、窒素
源、ビタミン源としてペプトン、カザミノ酸、酵母エキ
スなどが用いられる。また、この他に鉄、カルシウム、
マグネシウム、リンなどの無機塩類が添加される。
0127株菌が増殖し、プロテアーゼBBPを生産し得
るものならば任意の培地でよく、例えば、炭素源、窒素
源、ビタミン源としてペプトン、カザミノ酸、酵母エキ
スなどが用いられる。また、この他に鉄、カルシウム、
マグネシウム、リンなどの無機塩類が添加される。
【0015】本発明における培養は、好気的条件下で、
例えば通気攪拌法や振とう培養法で行う。培養温度は1
0〜35℃の範囲なら良いが、菌の生育も良好で酵素生
産量も高い20〜25℃が望ましい。初発pHは、培地
中の無機塩の沈澱が少ない中性付近が、培養中のpH
は、中性付近から甚だしくずれないところが、それぞれ
好ましい。培養時間は、15〜25時間程度であり、プ
ロテアーゼ活性が最高に達したときに培養を終了すれば
よい。
例えば通気攪拌法や振とう培養法で行う。培養温度は1
0〜35℃の範囲なら良いが、菌の生育も良好で酵素生
産量も高い20〜25℃が望ましい。初発pHは、培地
中の無機塩の沈澱が少ない中性付近が、培養中のpH
は、中性付近から甚だしくずれないところが、それぞれ
好ましい。培養時間は、15〜25時間程度であり、プ
ロテアーゼ活性が最高に達したときに培養を終了すれば
よい。
【0016】このようにして得られた培養液中より目的
とするプロテアーゼの分離精製は、一般の酵素精製法に
準じて行うことができる。すなわち、遠心分離方法また
はろ過法などによって菌体、培地固形物を除去した上清
またはろ液を得る。これらの分離液に可溶性塩類を添加
し蛋白を沈澱させる塩析法、噴霧乾燥法、凍結乾燥法な
どにより本発明のプロテアーゼを得る。さらに、イオン
交換クロマトグラフィー及びゲルフィルトレーションク
ロマトグラフィーなどの精製法を組み合わせ、精製す
る。
とするプロテアーゼの分離精製は、一般の酵素精製法に
準じて行うことができる。すなわち、遠心分離方法また
はろ過法などによって菌体、培地固形物を除去した上清
またはろ液を得る。これらの分離液に可溶性塩類を添加
し蛋白を沈澱させる塩析法、噴霧乾燥法、凍結乾燥法な
どにより本発明のプロテアーゼを得る。さらに、イオン
交換クロマトグラフィー及びゲルフィルトレーションク
ロマトグラフィーなどの精製法を組み合わせ、精製す
る。
【0017】このようにして得られた本発明のプロテア
ーゼBBPの活性は、以下に示す方法によって測定する
ーゼBBPの活性は、以下に示す方法によって測定する
【0018】[力価の測定方法] 基質溶液:0〜2mMの塩化カルシウムを含む50mM
トリスー塩酸緩衝液中、ハマルステン氏法カゼイン(和
光純薬社製)を0.6%(w/v)に溶解し、特に記さ
ない限り、pHを8.0に調製した。 酵素液:前記酵素を1mMの塩化カルシウムを含む50
mMトリスー塩酸緩衝液(pH8.0)を用いて適宜に
溶解希釈した。 反応停止液:5%トリクロル酢酸
トリスー塩酸緩衝液中、ハマルステン氏法カゼイン(和
光純薬社製)を0.6%(w/v)に溶解し、特に記さ
ない限り、pHを8.0に調製した。 酵素液:前記酵素を1mMの塩化カルシウムを含む50
mMトリスー塩酸緩衝液(pH8.0)を用いて適宜に
溶解希釈した。 反応停止液:5%トリクロル酢酸
【0019】40℃に保温した基質溶液500μlに酵
素液100μlを加え、正確に20分間反応させる。反
応は、反応停止液を添加することにより停止させ、室温
下20分放置する。生じた沈澱を遠心分離により除去し
て、得られたトリクロル酢酸可溶部の280nmにおけ
る吸光度(ODT)を測定する。盲験として、酵素液1
00μlに、40℃に保温した反応停止液500μlを
加え、さらに基質溶液500μlを加えて20分間放置
する。ここで生じた沈澱を同様な操作を行い、得られた
トリクロル酢酸可溶部の280nmにおける吸光度(O
DB)を測定する。 1分間あたり吸光度(ΔOD=O
DT ーODB)を0.002上昇させる活性を1ヌニッ
トとする。
素液100μlを加え、正確に20分間反応させる。反
応は、反応停止液を添加することにより停止させ、室温
下20分放置する。生じた沈澱を遠心分離により除去し
て、得られたトリクロル酢酸可溶部の280nmにおけ
る吸光度(ODT)を測定する。盲験として、酵素液1
00μlに、40℃に保温した反応停止液500μlを
加え、さらに基質溶液500μlを加えて20分間放置
する。ここで生じた沈澱を同様な操作を行い、得られた
トリクロル酢酸可溶部の280nmにおける吸光度(O
DB)を測定する。 1分間あたり吸光度(ΔOD=O
DT ーODB)を0.002上昇させる活性を1ヌニッ
トとする。
【0020】[酵素の理化学的性質]以下、BBPの理
化学的性質について詳細に説明する。 (1)作用:カゼイン、インスリンB鎖、小麦蛋白など
の蛋白質をエンド型に分解し、低分子化する。 (2)基質特異性:切断箇所がロイシン及びフェニルア
ラニンのアミノ基側である。 (3)至適温度:前述の力価測定方法に基づき、pHを
8.0に調製した反応用液中で種々の温度で測定を行
い、50℃における活性を100とし、各温度の相対活
性を求めた結果を図1のグラフに示した。このグラフか
ら、至適温度は、45〜55℃である。
化学的性質について詳細に説明する。 (1)作用:カゼイン、インスリンB鎖、小麦蛋白など
の蛋白質をエンド型に分解し、低分子化する。 (2)基質特異性:切断箇所がロイシン及びフェニルア
ラニンのアミノ基側である。 (3)至適温度:前述の力価測定方法に基づき、pHを
8.0に調製した反応用液中で種々の温度で測定を行
い、50℃における活性を100とし、各温度の相対活
性を求めた結果を図1のグラフに示した。このグラフか
ら、至適温度は、45〜55℃である。
【0021】(4)至適pH:前述の力価測定方法に基
づき、反応温度を40℃に設定した反応液中で測定を行
い、pH7.0における活性を100とし、各pHにお
ける相対活性を求めた結果を図2のグラフに示した。こ
のグラフから、至適pHは、6.0〜8.0である。 (5)温度安定性:1mMの塩化カルシウムを含む50
mMトリスー塩酸緩衝液(pH8.0)にタンパク濃度
として20μg/ml濃度に酵素を加え、50℃で熱処
理し、処理時間後の残存活性を求めた結果を図3に示し
た。100分後の残存活性は、約50%である。
づき、反応温度を40℃に設定した反応液中で測定を行
い、pH7.0における活性を100とし、各pHにお
ける相対活性を求めた結果を図2のグラフに示した。こ
のグラフから、至適pHは、6.0〜8.0である。 (5)温度安定性:1mMの塩化カルシウムを含む50
mMトリスー塩酸緩衝液(pH8.0)にタンパク濃度
として20μg/ml濃度に酵素を加え、50℃で熱処
理し、処理時間後の残存活性を求めた結果を図3に示し
た。100分後の残存活性は、約50%である。
【0022】(6)金属イオンの影響:前述の力価測定
方法に基づき、反応液中での濃度が2mMになるように
各金属を含む溶液(50mMトリスー塩酸緩衝液pH
8.0)を加え、盲験として50mMトリスー塩酸緩衝
液を加えたときの活性を100とし、残存活性を求めた
結果を表1に示した。
方法に基づき、反応液中での濃度が2mMになるように
各金属を含む溶液(50mMトリスー塩酸緩衝液pH
8.0)を加え、盲験として50mMトリスー塩酸緩衝
液を加えたときの活性を100とし、残存活性を求めた
結果を表1に示した。
【0023】
【表1】 表1から明かな通り、Cu2+、Hg2+の存在下で酵素の
活性が著しく阻害される。
活性が著しく阻害される。
【0024】(7)分子量:SDSポリアクリルアミド
電気泳動法により測定した結果、分子量は、約3400
0である。 (8)紫外部吸収スペクトル:λmax=280nm (9)溶解性:水に可溶
電気泳動法により測定した結果、分子量は、約3400
0である。 (8)紫外部吸収スペクトル:λmax=280nm (9)溶解性:水に可溶
【0025】
[JT0127株の培養法]培地は、ペプトン0.5%
及び酵母エキス0.1と、無機塩類として塩化マグネシ
ウム0.2%、塩化カルシウム0.1%、クエン酸鉄
0.01%、それに塩化ナトリウム3%を蒸留水100
mlに溶解し、1規定水酸化ナトリウム水溶液pH6.
5に調製したものである。この液体培地100mlを5
00mlのこぶ付きフラスコに入れ、オートクレーブ滅
菌した後、予め培養しておいたJT0127株を接種
し、25℃にて、24時間、160回転/分で振とう培
養した。この培養液を20分間、8000回転/分で遠
心分離し、得られた上清の酵素活性は、150000ユ
ニットであった。
及び酵母エキス0.1と、無機塩類として塩化マグネシ
ウム0.2%、塩化カルシウム0.1%、クエン酸鉄
0.01%、それに塩化ナトリウム3%を蒸留水100
mlに溶解し、1規定水酸化ナトリウム水溶液pH6.
5に調製したものである。この液体培地100mlを5
00mlのこぶ付きフラスコに入れ、オートクレーブ滅
菌した後、予め培養しておいたJT0127株を接種
し、25℃にて、24時間、160回転/分で振とう培
養した。この培養液を20分間、8000回転/分で遠
心分離し、得られた上清の酵素活性は、150000ユ
ニットであった。
【0026】[BBP酵素の精製法]上記によって得ら
れた約800mlの培養液から硫安沈澱とカラムクロマ
トグラフィー(フェニルトヨパール 東ソー社製)から
なる精製法により電気泳動で1バンドを与える精製酵素
がタンパク量で2.16mg得られた。 [BBPによるインスリンB鎖ジスルフォネート(ウ
シ)の切断]
れた約800mlの培養液から硫安沈澱とカラムクロマ
トグラフィー(フェニルトヨパール 東ソー社製)から
なる精製法により電気泳動で1バンドを与える精製酵素
がタンパク量で2.16mg得られた。 [BBPによるインスリンB鎖ジスルフォネート(ウ
シ)の切断]
【0027】1mMの塩化カルシウムを含む50mMト
リスー塩酸緩衝液(pH8.0)中でインスリンB鎖ジ
スルフォネート(生化学工業社製)と1/500量のB
BPを25℃で反応させ、反応時間毎の生成物を常法に
より、液体クロマトグラフ及びアミノ酸分析計で確認し
た。その結果、主な切断箇所は、ロイシン、フェニルア
ラニンのアミノ基側であった。反応4時間後のクロマト
グラム中のピーク1は、アミノ酸分析の結果、Leu-Cys-
Gly-Ser-His、ピーク2は、Phe-Val-Pro-Lys-Hisであ
る。さらに反応させても、これらがさらに切断されたピ
ークは出現しなかった。その結果を図4のチャートに示
す。
リスー塩酸緩衝液(pH8.0)中でインスリンB鎖ジ
スルフォネート(生化学工業社製)と1/500量のB
BPを25℃で反応させ、反応時間毎の生成物を常法に
より、液体クロマトグラフ及びアミノ酸分析計で確認し
た。その結果、主な切断箇所は、ロイシン、フェニルア
ラニンのアミノ基側であった。反応4時間後のクロマト
グラム中のピーク1は、アミノ酸分析の結果、Leu-Cys-
Gly-Ser-His、ピーク2は、Phe-Val-Pro-Lys-Hisであ
る。さらに反応させても、これらがさらに切断されたピ
ークは出現しなかった。その結果を図4のチャートに示
す。
【0028】
【効果】市販されているサーモリンは、主に基質のロイ
シン、フェニルアラニンのアミノ基側を切断するが、グ
リシン、セリンのアミノ基側も切断することが知られて
いる。これに対し、本発明の酵素BBPは、基質特異性
がより厳密である。このため、N末端にこれらのアミノ
酸を配するペプチドを効率よく製造できる。
シン、フェニルアラニンのアミノ基側を切断するが、グ
リシン、セリンのアミノ基側も切断することが知られて
いる。これに対し、本発明の酵素BBPは、基質特異性
がより厳密である。このため、N末端にこれらのアミノ
酸を配するペプチドを効率よく製造できる。
【0029】他の用途として、本発明の酵素BBPとフ
ェニルアラニンのカルボキシル基側を切断する酵素との
併用で天然蛋白質素材からフェニルアラニンを含まない
ペプチドを得ることができ、フェニルケトン尿症患者用
食品素材製造用酵素として利用可能である。さらに、蛋
白の一次構造を決定するために必要な部分分解ペプチド
を得るための試薬として利用価値がある。
ェニルアラニンのカルボキシル基側を切断する酵素との
併用で天然蛋白質素材からフェニルアラニンを含まない
ペプチドを得ることができ、フェニルケトン尿症患者用
食品素材製造用酵素として利用可能である。さらに、蛋
白の一次構造を決定するために必要な部分分解ペプチド
を得るための試薬として利用価値がある。
【図1】本発明の酵素BBPの相対活性と温度との関係
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図2】本発明の酵素BBPの相対活性とpHとの関係
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図3】本発明の酵素BBPの残存活性と50℃におけ
る処理時間との関係を示すグラフである。
る処理時間との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の酵素BBPとインスリンB鎖ジスルフ
ォネートとの反応生成物の液体クロマトグラフのチャー
トである。
ォネートとの反応生成物の液体クロマトグラフのチャー
トである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:07) (72)発明者 水崎 茂暢 東京都品川区東品川4ー12ー62 日本たば こ産業株式会社内 (72)発明者 有田 正俊 神奈川県小田原市酒匂4ー13ー20 日本た ばこ産業株式会社海水総合研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 下記の理化学的性質を有する新規プロテ
アーゼ。 (1)ロイシン及びフェニルアラニンのアミノ基側を切
断する (2)カゼインをエンド型に分解し低分子化する (3)SDS−PAGE下で分子量約34000 (4)紫外線吸収スペクトル λmax=280nm (5)至適pH 6〜8 (6)至適温度 45〜55℃ - 【請求項2】バチルス バディウス(Bacillus
badius)JT0127(微工研菌寄第1272
2号)である請求項1記載の生産菌。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8751092A JPH06261751A (ja) | 1992-03-12 | 1992-03-12 | 新規プロテアーゼ及びそれを生産するバチルス バディウス jt0127菌株 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8751092A JPH06261751A (ja) | 1992-03-12 | 1992-03-12 | 新規プロテアーゼ及びそれを生産するバチルス バディウス jt0127菌株 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06261751A true JPH06261751A (ja) | 1994-09-20 |
Family
ID=13916987
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8751092A Pending JPH06261751A (ja) | 1992-03-12 | 1992-03-12 | 新規プロテアーゼ及びそれを生産するバチルス バディウス jt0127菌株 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06261751A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5597720A (en) * | 1992-05-27 | 1997-01-28 | Novo Nordisk A/S | Alkaline protease from bacillus sp. PD498, method of making and method of use |
-
1992
- 1992-03-12 JP JP8751092A patent/JPH06261751A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5597720A (en) * | 1992-05-27 | 1997-01-28 | Novo Nordisk A/S | Alkaline protease from bacillus sp. PD498, method of making and method of use |
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