JPH06257014A - 脂肪族ポリエステル繊維 - Google Patents

脂肪族ポリエステル繊維

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JPH06257014A
JPH06257014A JP5042667A JP4266793A JPH06257014A JP H06257014 A JPH06257014 A JP H06257014A JP 5042667 A JP5042667 A JP 5042667A JP 4266793 A JP4266793 A JP 4266793A JP H06257014 A JPH06257014 A JP H06257014A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】繊維化工程上のトラブルがなく、膠着防止性に
優れた生分解性の脂肪族系ポリエステル繊維を提供する
ことにある。 【構成】(a)平均粒径が4ミクロン以下であって、か
つ粒径が10ミクロン以上の粗粒子数が組成物中20ケ
/mm↑3以下の割合で存在する微粒子、または(b)
α−オレフィンと不飽和カルボン酸との共重合体であっ
て、1〜2価の金属のイオンを含むイオン性共重合体が
配合されてなる脂肪族ポリエステル繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生分解性を有する脂肪族
ポリエステル系繊維に関するものであり、より詳細に
は、優れた生分解性を有する脂肪族ポリエステル繊維に
あって、繊維および該繊維集合体を製造する際、工程ト
ラブルがなく順調に製造を行うことのできる繊維に関す
る。
【0002】
【従来の技術】プラスチック類は、本来、天然素材が持
つ様々な欠点を改良し克服するために主としてその使用
時、製造時の特性が改良されて、現在では、それらは人
々の生活を豊かなものとし、日常生活になくてはならな
いものになってきている。しかしながら、これらプラス
チック製品は天然物のように自然に帰らないものであ
り、これまでにその使用後の処理、とくにそれが環境に
与える悪影響についてはなおざりにされてきたと言わざ
るを得ない。たとえば、テグス、ロ−プ、網、魚網等の
合成製品は、それが使用後そのまま海や山野に放置され
ると鳥や海洋生物に絡み付き、それらを殺傷することに
なるのである。これらの問題を解決するために、焼却や
埋め立て、さらに回収再生も行われているが、これらの
処理には多大な費用を要するため、またその使い捨て製
品の膨大な増加により、処理が追い付かず、また埋め立
て地がなく、地球環境に重大な影響を及ぼすところまで
きている。このような状況下にあって、近年、自然環境
のなかでバクテリアや微生物によって分解されて自然に
帰る高分子材料、すなわち生分解性プラスチックが急速
に注目されるようになってきた。
【0003】本発明は、この生分解性プラスチックをよ
り有効に利用する発明に関するものであり、繊維並びに
繊維製品の使用中は充分な特性を有し、使用廃棄後は自
然界で一定期間が過ぎると自然に崩壊し、分解して環境
汚染を起こさないように指向する、該繊維並びに繊維製
品を得んとするものである。
【0004】生分解性プラスチックとして、近年、脂肪
族ポリエステル系樹脂が注目されており、本発明者等は
その繊維化の検討を進めてきた。しかしながら、脂肪族
ポリエステルはそのガラス転移点が室温より低いため、
繊維化する時に膠着が発現するため紡糸速度を高くする
ことができず、生産性が低いという問題があった。
【0005】通常、芳香族ポリエステルからなる繊維の
製造法において、とくに多成分系の共重合ポリエステル
になる程、ポリマ−の結晶化速度が遅くなり、紡糸時の
繊維間膠着の発生、延伸時の解舒不良による断糸とが頻
発する問題点があることが知られている。
【0006】すなわち、溶融ポリマ−を紡糸口金より押
し出して繊維状とし、繊維束をケンスに収めるか、ボビ
ンに巻き取る際に単繊維間あるいは繊維束間での膠着が
激しく、紡糸原糸を得ることが困難となる。さらに続い
て、延伸、捲縮および切断等を行うとさらに膠着、融着
が生じて良好な繊維を得ることができない。とくに、生
産量を大とするため、合計デニ−ル数の大きい繊維束を
取り扱う場合には、繊維製造工程での上記の問題点が顕
著となる。また、たとえ不完全ながら繊維化が行えたと
しても、たとえば紡績糸や不織布化する場合、カ−ド通
過性が不良であったり、後工程での粘着等のトラブルが
続発し、紡績糸や不織布とすることができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、繊維
化工程性が良好であり、優れた生分解性を有する脂肪族
ポリエステル繊維を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、炭素数2〜6
の脂肪族炭素と炭素数2〜6の脂肪族炭素とがエステル
結合を介して結合している繰り返し単位を主として有す
るポリエステルと、(a)平均粒径が4ミクロン以下で
あって、かつ粒径が10ミクロン以上の粗粒子数が組成
物中20ケ/mm↑3以下の割合で存在する微粒子、ま
たは(b)α−オレフィンと不飽和カルボン酸との共重
合体であって、1〜2価の金属のイオンを含むイオン性
共重合体とからなる生分解性を有する脂肪族ポリエステ
ル繊維である。
【0009】本発明において、重要な要件は脂肪族ポリ
エステルに、(a)平均粒径が4ミクロン(μ)以下で
あって、かつ粒径が10μ以上の粗粒子数が組成物中2
0ケ/mm↑3以下の割合で存在する微粒子、または
(b)α−オレフィンと不飽和カルボン酸との共重合体
であって、1〜2価の金属のイオンを含むイオン性共重
合体を配合することにある。
【0010】上記(a)成分である微粒子は、平均粒径
が4μ以下、好ましくは3μ以下、とくに好ましくは2
μ以下であり、かつ、脂肪族ポリエステル中において、
粒径が10μ以上の粗粒子が20ケ/mm↑3以下、好
ましくは16ケ/mm↑3以下、とくに好ましくは12
ケ/mm↑3以下で存するものが用いられる。平均粒径
が4μを越える微粒子または粗粒子数が20ケ/mm↑
3を越えて脂肪族ポリエステル中に存する微粒子を用い
ると、紡糸あるいは延伸時に、繊維の切断等が起こりや
すく、膠着トラブルを解消できたとしても、順調に繊維
を製造することができない。射出成形物または接着剤用
ポリエステルフィルム等では、平均粒径が4μを越える
微粒子または粗粒子数が20ケ/mm↑3を越えてポリ
エステル中に存する微粒子であっても工程性はとくに問
題とならない場合が多いが、繊維用では上記の制限が必
要であり、用いる微粒子が大幅に制約される。
【0011】本発明における粗粒子数は、微粒子含有ポ
リマ−を薄片とし、顕微鏡で観察して粒径10μを越え
る粒子数を数えたものであり、粒径が30μを越える粒
子がある場合には便宜上1ケを8ケと数えたものであ
る。また、微粒子の配合量が大で微粒子の重なりにより
数の判定がしにくい場合には、ポリマ−組成および重合
度がほぼ同一であって微粒子を含有しないポリマ−を溶
融混合して、微粒子含有ポリマ−を希釈して観察し、元
の配合量に換算して求めた。
【0012】微粒子の種類としてはシリカ、アルミナ、
炭酸カルシウム、アルカリまたはアミンシリケ−ト、酸
化チタン等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上
混合して用いることもできる。しかし、これらの微粒子
でも平均粒径が4μを越えるもの、配合原料微粒子とし
ては平均粒径が4μ以下であってもポリマ−中で凝集し
て粗粒子数が20ケ/mm↑3を越えるようなもの等は
用いることができない。平均粒径が4μを越える微粒
子、たとえば平均粒径が5μの天然シリカ、平均粒径が
10μのタルク、平均粒径が12ミクロンの雲母等が市
販されてはいるが、無論これらのものは使用できない。
【0013】上記微粒子の配合量は組成物全量に対して
0.3〜16重量%、好ましくは0.3〜13重量%、
とくに好ましくは1.0〜10重量%の範囲である。
0.3重量%未満では微粒子の配合効果が不十分であ
り、一方16重量%を越えると繊維化工程性が逆に低下
することがあるので好ましくない。
【0014】本発明において、脂肪族ポリエステルに配
合し得るもう一つの成分は、(b)α−オレフィンと不
飽和カルボン酸との共重合体であって、1〜2価の金属
のイオンを含むイオン性共重合体である。かかるイオン
性共重合体は、一般に「アイオノマ−」と呼ばれている
ものである。具体的には、エチレン/アクリル酸共重合
体、エチレン/メタクリル酸共重合体、エチレン/マレ
イン酸共重合体、エチレン/イタコン酸共重合体等のカ
ルボキシル基の一部または全部が1〜2価の金属で中和
されているものが挙げられ、金属としては、ナトリウ
ム、カリウム、リチウム、亜鉛、マグネシウム、カルシ
ウム等が挙げられる。また、アイオノマ−中、不飽和カ
ルボン酸は0.7〜25モル%、とくに1.0〜20モ
ル%占めるのが好ましい。
【0015】アイオノマ−中のカルボキシル基の金属に
よる中和度は10〜100%、とくに15〜80%が好
ましい。市販アイオノマ−として、デュポン社の「サ−
リン」、三井・デュポン・ポリケミカル社の「ハイミラ
ン」等がある。
【0016】アイオノマ−の配合量は、組成物全量に対
して0.5〜20重量%、好ましくは1.0〜15重量
%、とくに好ましくは2.0〜10重量%の範囲であ
る。0.5重量%未満ではアイオノマ−の配合効果が不
十分であり、一方20重量%を越えると繊維物性が低下
し、さらに繊維化工程性が逆に低下することがあるので
好ましくない。
【0017】上記微粒子またはアイオノマ−の配合時期
は、脂肪族ポリエステルの重合途中あるいは重合終了後
に重合装置中に添加してもよく、紡糸前にペレット状あ
るいは溶融状態で混合・配合することもできる。ただ、
重合条件あるいは配合条件によっては非混合性の異物を
生成したり、着色を生じたりすることがある。したがっ
て、微粒子を配合する場合は、該ポリエステル中への分
散性をよくするために、低粘度の反応系へ添加して重合
反応を行い、高粘度の重合系で充分に攪拌、分散させる
ことが好ましい。またアイオノマ−を配合する場合は、
アイオノマ−の耐熱性等を考慮してポリエステルの重合
末期、または紡糸前にポリエステルチップと混合・配合
することが好ましい。
【0018】本発明においては、脂肪族ポリエステルに
特定の微粒子を配合させることにより、該微粒子が繊維
表面である種の梨地効果を発揮し、繊維間の摩擦抵抗を
低下させるために、繊維間の膠着防止効果が発現される
と考えられる。また、脂肪族ポリエステルにアイオノマ
−を配合させることにより、紡糸時の糸状へドラフトが
かかった場合にポリエステルの配向結晶化が進み、この
結果、紡糸糸状の繊維間膠着が防止されると考えられ
る。
【0019】本発明は脂肪族ポリエステルを繊維化する
際の工程時の膠着を解決したものであり、本発明の繊維
は長繊維、短繊維、モノフィラメント等のいずれにも応
用でき、織物、編物、不織布等へ用いることができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例に何ら限定されない。 実施例1 酸成分としてコハク酸とアジピン酸(モル比、90:1
0)、グリコ−ル成分としてブタンジオ−ル1,4を用
い、平均粒径0.045μのシリカゾル(日産化学工業
社製:スノ−テックス0Lおよび20L、0L:20L
=7:3)を組成物全量に対して4重量%になるように
添加し、常法によりエステル化ならびに重縮合を行って
ポリエステルを合成し、さらにこのポリエステルにヘキ
サメチレンジイソシアナ−トを反応させて数平均分子量
45000、融点100℃の高分子量化された脂肪族ポ
リエステルを得た。該脂肪族ポリエステル中のシリカの
分散性は良好であり、粗粒子数は0ケ/mm↑3であっ
た。
【0021】得られた脂肪族ポリエステルのペレットを
押出機に供給し、孔径0.4mmの紡糸孔を100個有
する口金より紡糸ヘッド温度170℃で押し出し、12
00m/分で巻き取った。巻き取った紡糸原糸は単繊維
間、繊維束間の膠着はほとんどなく、長時間安定に紡糸
を行うことができた。
【0022】この紡糸原糸を水浴中50℃で2.9倍に
延伸し、続いて水浴中60℃で7%収縮させ、スタッフ
ィング・ボックス型捲縮機で捲縮を行った後切断し、繊
度2.1デニ−ル、強度3.1g/デニ−ル、伸度40
%の繊維をとくにトラブルなく得ることができた。
【0023】この脂肪族ポリエステル繊維の綿を用い、
目付け40g/m↑2の不織布を作製した。不織布化工
程中、とくにトラブルは認められなかった。次いで得ら
れた不織布を土中に埋没させ観察したところ、約6か月
間はほとんどその形態を保持していたがその後2か月で
ほぼ完全に分解していた。
【0024】比較例1 実施例1において、シリカゾルを配合しない、コハク
酸、アジピン酸およびブタンジオ−ル1,4からなる脂
肪族ポリエステルを重合した。ついで実施例1と同じ紡
糸条件で紡糸を行ったところ、単繊維間および繊維束間
での膠着が激しく、紡糸原糸を得ることができなかっ
た。
【0025】実施例2 酸成分としてコハク酸、グリコ−ル成分としてエチレン
グリコ−ルを用い、平均粒径0.02μのアルミナ(日
本アエロジル社製:アルミニウムオキサイドC)を組成
物全量に対して3重量%になるように添加し、常法によ
りエステル化ならびに重縮合を行ってポリエステルを合
成し、さらにこのポリエステルにヘキサメチレンジイソ
シアナ−トを反応させて数平均分子量35000、融点
115℃の高分子量化された脂肪族ポリエステルを得
た。該脂肪族ポリエステル中のアルミナの分散性は良好
であり、粗粒子数は3ケ/mm↑3であった。
【0026】得られた脂肪族ポリエステルのペレットを
押出機に供給し、実施例1と同じ紡糸条件で紡糸を行っ
た。得られた紡糸原糸は単繊維間、繊維束間の膠着はほ
とんどなく、長時間安定に紡糸を行うことができた。ま
た、この紡糸原糸を用いて不織布を作製したがその工程
性は良好でトラブルの発生は見られなかった。次いで得
られた不織布を土中に埋没させ観察したところ、約6か
月間はほとんどその形態を保持していたがその後1か月
でほぼ完全に分解していた。
【0027】比較例2 実施例2において、アルミナを配合しない、コハク酸お
よびエチレングリコ−ルからなる脂肪族ポリエステルを
重合した。ついで実施例2と同じ紡糸条件で紡糸を行っ
たところ、単繊維間および繊維束間で膠着が見られ、延
伸工程での延伸性が不良であった。
【0028】実施例3 酸成分としてコハク酸、グリコ−ル成分としてブタンジ
オ−ル,4を用い、平均粒径0.08μの炭酸カルシウ
ム(竹原化学工業製:ネオライトSP)を組成物全量に
対して5重量%になるように添加し、常法によりエステ
ル化ならびに重縮合を行ってポリエステルを合成し、さ
らにこのポリエステルにヘキサメチレンジイソシアナ−
トを反応させて数平均分子量48700、融点120℃
の高分子量化された脂肪族ポリエステルを得た。該脂肪
族ポリエステル中の炭酸カルシウムの分散性は良好であ
り、粗粒子数は2ケ/mm↑3であった。
【0029】得られた脂肪族ポリエステルのペレットを
押出機に供給し、紡糸ヘッド温度を190℃にする以外
は実施例1と同じ紡糸条件で紡糸を行った。得られた紡
糸原糸は単繊維間、繊維束間の膠着はほとんどなく、長
時間安定に紡糸を行うことができた。また、この紡糸原
糸を用いて不織布を作製したがその工程性は良好でトラ
ブルの発生は見られなかった。次いで得られた不織布を
土中に埋没させ観察したところ、約6か月間はほとんど
その形態を保持していたがその後2か月でほぼ完全に分
解していた。
【0030】比較例3 実施例3において、炭酸カルシウムを配合しない、コハ
ク酸およびブタンジオ−ル1,4からなる脂肪族ポリエ
ステルを重合した。ついで実施例3と同じ紡糸条件で紡
糸を行ったところ、単繊維間および繊維束間で膠着が見
られ、延伸工程での延伸性が不良であった。
【0031】比較例4 実施例1において、シリカゾルの代わりに平均粒径0.
3μの酸化チタン(チタン工業社製:KA−35)2重
量%を重合後期に配合して重合した。脂肪族ポリエステ
ル中の粗粒子数は25ケ/mm↑3であった。ついで実
施例1と同じ紡糸条件で紡糸を行ったが、紡糸中糸の切
断が頻発し、連続して紡糸を行うことができなかった。
【0032】実施例4 酸成分としてコハク酸とアジピン酸(モル比、90:1
0)、グリコ−ル成分としてブタンジオ−ル1,4を用
い、常法によりエステル化ならびに重縮合を行ってポリ
エステルを合成し、さらにこのポリエステルにヘキサメ
チレンジイソシアナ−トを反応させて数平均分子量45
000、融点100℃の高分子量化された脂肪族ポリエ
ステルを得た。該脂肪族ポリエステルペレットにアイオ
ノマ−(デュポン社製:サ−リン1555、エチレンと
約2モル%のメタクリル酸との共重合体であって、カル
ボキシル基の約2/3がナトリウムで中和されているも
の)のペレットを組成物全量に対して5重量%になるよ
うに配合して押出機に供給し、孔径0.4mmの紡糸孔
を100個有する口金より紡糸ヘッド温度170℃で押
し出し、1200m/分で巻き取った。巻き取った紡糸
原糸は単繊維間、繊維束間の膠着はほとんどなく、長時
間安定に紡糸を行うことができた。
【0033】この紡糸原糸を水浴中50℃で2.9倍に
延伸し、続いて水浴中60℃で7%収縮させ、スタッフ
ィング・ボックス型捲縮機で捲縮を行った後カット長5
1mmに切断し、繊度2.1デニ−ル、強度3.1g/
デニ−ル、伸度42%の繊維をとくにトラブルなく得る
ことができた。
【0034】この脂肪族ポリエステル繊維の綿を用い、
目付け40g/m↑2の不織布を作製した。不織布化工
程中、とくにトラブルは認められなかった。次いで得ら
れた不織布を土中に埋没させ観察したところ、約6か月
間はほとんどその形態を保持していたがその後2か月で
ほぼ完全に分解していた。
【0035】実施例5〜6 実施例4において、ポリエステルとしてコハク酸および
エチレングリコ−ルからなる脂肪族ポリエステル(実施
例5)、コハク酸およびブタンジオ−ル1,4からなる
脂肪族ポリエステル(実施例6)を用いる以外は同様に
してサ−リン1555配合脂肪族ポリエステル繊維を紡
糸した。得られた紡糸原糸は単繊維間、繊維束間の膠着
はほとんどなく、長時間安定に紡糸を行うことができ
た。また、こられの紡糸原糸を用いて不織布を作製した
がその工程性は良好でトラブルの発生は見られなかっ
た。次いで得られた各不織布を土中に埋没させ観察した
ところ、約6か月間はほとんどその形態を保持していた
がその後1〜2か月でほぼ完全に分解していた。
【0036】実施例7 実施例4において、サ−リン1555に変えてサ−リン
1554(エチレンとメタクリル酸との共重合体であっ
て、亜鉛で中和されているもの)を用いる以外は同様に
して脂肪族ポリエステル繊維を紡糸した。得られた紡糸
原糸は単繊維間、繊維束間の膠着はほとんどなく、長時
間安定に紡糸を行うことができた。また、この紡糸原糸
を用いて不織布を作製したがその工程性は良好でトラブ
ルの発生は見られなかった。次いで得られた各不織布を
土中に埋没させ観察したところ、約6か月間はほとんど
その形態を保持していたがその後2か月でほぼ完全に分
解していた。
【0037】
【発明の効果】本発明は、生分解性を有する脂肪族ポリ
エステルを繊維化する際、特定の粒径を有する微粒子ま
たはアイオノマ−を該ポリエステルに配合することによ
り、紡糸速度を高速にしても膠着等のトラブルが発生せ
ず、従来に比較して飛躍的に生産性を向上させることを
見出だしたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/62 306 V 7199−3B 6/84 301 G 7199−3B D06M 13/00 //(C08L 67/02 23:26)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素数2〜6の脂肪族炭素と炭素数2〜6
    の脂肪族炭素とがエステル結合を介して結合している繰
    り返し単位を主として有するポリエステルと、(a)平
    均粒径が4ミクロン以下であって、かつ粒径が10ミク
    ロン以上の粗粒子数が組成物中20ケ/mm↑3以下の
    割合で存在する微粒子、または(b)α−オレフィンと
    不飽和カルボン酸との共重合体であって、1〜2価の金
    属のイオンを含むイオン性共重合体とからなる脂肪族ポ
    リエステル繊維。
JP04266793A 1993-03-03 1993-03-03 生分解性繊維 Ceased JP3317456B2 (ja)

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