JPH1150369A - 生分解性複合長繊維不織布 - Google Patents

生分解性複合長繊維不織布

Info

Publication number
JPH1150369A
JPH1150369A JP20748697A JP20748697A JPH1150369A JP H1150369 A JPH1150369 A JP H1150369A JP 20748697 A JP20748697 A JP 20748697A JP 20748697 A JP20748697 A JP 20748697A JP H1150369 A JPH1150369 A JP H1150369A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheath
core
nonwoven fabric
biodegradable
long
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20748697A
Other languages
English (en)
Inventor
Kasumi Kin
霞 金
Akitaka Kawano
晃敬 川野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Paper Co Ltd
Priority to JP20748697A priority Critical patent/JPH1150369A/ja
Publication of JPH1150369A publication Critical patent/JPH1150369A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、微生物によって容易に分解さ
れ、さらにその分解速度もコントロールでき、しかも耐
熱性と柔軟性と風合とシート強度に優れる不織布を提供
することにある。 【解決手段】熱可塑性の脂肪族ポリエステル樹脂を芯鞘
複合紡糸用口金から押出し紡糸し、支持体上に捕集・集
積してウェブを形成した後、ウェブを部分的に熱圧着し
てなる生分解性芯鞘複合長繊維不織布において、前記芯
鞘複合長繊維の鞘成分が、L−乳酸単位またはD−乳酸
単位を80モル%以上を含有するポリ乳酸重合体からな
り、芯成分が1,4−ブタンジオールとコハク酸から合
成されるポリブチレンサクシネート重合体をウレタン結
合により高分子量化した重合体からなり、且つ前記複合
長繊維の鞘成分が10〜90重量%からなる生分解性複
合長繊維不織布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、柔軟性と
強度に優れ、生分解性を有し、さらにその生分解速度を
コントロール可能な複合長繊維不織布に関するものであ
り、医療・衛生資材、一般工業資材などの広い分野で使
用可能である。
【0002】
【従来の技術】長繊維を構成繊維とするスパンボンド不
織布は、短繊維を構成繊維とする短繊維不織布に比べ
て、高強度で且つ比較的安価であるため、種々の用途に
使用されている。このスパンボンド不織布を構成する繊
維素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
エステル、ポリアミドなどの重合体が一般的である。し
かし、これらの素材からなるスパンボンド不織布は、微
生物などによる生分解性が無く、普通の自然環境下では
化学的に非常に安定である。
【0003】従って、使い捨て型の不織布は、使用後、
焼却あるいは埋立といった方法で処理されているのが現
状である。日本では焼却処理が広く行われているが、多
大の費用が必要とされるだけでなく、たとえばポリアミ
ドであるナイロン系の長繊維不織布の場合には、シアン
ガスのような有毒ガスが発生する恐れもあるので、廃棄
プラスチックスによる公害が発生しつつあり、この廃棄
プラスチックス処理の問題をどのように解決していくか
が、自然環境保護や生活環境保護の点で大きな社会問題
となっている。
【0004】一方埋立に関しては、素材が化学的に安定
であるため、土中で長期間にわたって元の状態のまま残
るという問題がある。このような問題を解決する方法と
して、生分解性を有する素材を用いることで、短期間の
うちに自然に分解される新しいスパンボンド不織布が要
望されている。
【0005】微生物分解性を有する重合体として、キチ
ンなどの多糖類、カット・グット(腸線)や再生コラー
ゲンなどの蛋白質やポリペプチド(ポリアミノ酸)、微
生物が自然界で作るポリ−3−ヒドロキシブチレートや
ポリ−3−ヒドロキシバリレートやポリ−3−ヒドロキ
シカプロレートのような微生物ポリエステル、ポリグリ
コリドやポリラクチドなどの合成脂肪族ポリエステルな
どが知られている。しかし、これらの重合体から繊維を
製造する場合は、スパンボンドに不可欠な溶融紡糸性が
とても乏しく、一般に使われているスパンボンド不織布
製造装置では加工できない問題がある。また素材のコス
トが極めて高いため、使い捨ておむつや生理用品のカバ
ーストックなどの衛生材料、拭き取り布、包装材料など
の一般使い捨て生活資材としては不向きである。
【0006】以上の問題を解決するために、特開平4−
57953号公報においては微生物分解性重合物のポリ
カプロラクトンを3〜30%含むポリエチレンからなる
スパンボンド不織布を提案した。しかし、ポリエチレン
は半永久的に分解することがないので、本来の意味での
微生物分解性スパンボンド不織布とはいえない。また、
特開平5−214648号公報には、ポリ−ε−カプロ
ラクトンおよび/またはポリ−β−ポロピオラクトンか
らなるスパンボンド不織布を提案している。この場合、
微生物分解性を完全にもたせることができたが、ポリ−
ε−カプロラクトンの融点が60℃前後で、ポリ−β−
ポロピオラクトンの融点が100℃前後であり、熱安定
性が不良であるので、実用材料に向かない問題点があ
る。
【0007】また、特開平7−48768号公報、特開
平7−34369号公報において、さらに本発明者ら
は、特開平8−60513号公報においてはグリコール
と脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体成分を構成単位
として含むことを特徴とする脂肪族ポリエステル樹脂に
よる長繊維不織布を提案した。この不織布は前記問題を
ほぼ解決したものの、実用上紡糸性と生分解性をともに
満足するものは得られていないのが実状である。
【0008】すなわち、溶融紡糸に適し、長繊維不織布
に使うことのできる上記脂肪族ポリエステルとしては、
たとえば1,4−ブタンジオールとコハク酸から合成さ
れる脂肪族ポリエステル重合物であるポリブチレンサク
シネートのような樹脂の場合は溶融紡糸性が良好で、強
度と風合の優れる生分解性長繊維不織布が得られるが、
樹脂の融点が115℃以下で、用途によっては、特に産
業資材用では耐熱性が不十分という難点がある。また、
分解速度のコントロールが困難である欠点もある。一般
に、分解性ポリマーは、目的や用途によって分解速度や
寿命の異なるものが必要とされる。したがって、分解速
度を広範囲に変えられるような、分解性ポリマーが好ま
しい。更に広範囲且つ自由に分解性を変えられるものが
望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、微生物によって容易に分解され、さらにその分解速
度もコントロールでき、しかも耐熱性と柔軟性と風合と
シート強度に優れる不織布を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる現
状に鑑み、生分解速度をコントロールでき、紡糸性がよ
く、耐熱性、風合い、柔軟性、強度の優れる不織布につ
いて鋭意研究した。その結果、本発明者らは、芯鞘型複
合長繊維不織布において、芯成分に紡糸性と生分解性の
優れるポリブチレンサクシネート樹脂を用い、鞘成分に
分解速度が若干遅く、融点が高くて耐熱性に優れるポリ
乳酸樹脂を用い、且つ繊維軸に直交する繊維断面に占め
る鞘成分の割合を特定の範囲としてこれらを組み合わせ
ることにより、生分解速度がコントロールでき、したが
って広範囲の生分解速度を複合不織布に付与することが
でき、しかも紡糸性がよく、得られる複合不織布は、耐
熱性、柔軟性、地合い、生分解性及び強度に優れること
を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】すなわち、本発明は、熱可塑性の脂肪族ポ
リエステル樹脂を加熱溶融し、押出し紡糸機の芯鞘複合
紡糸用口金から押出し紡糸し、紡出された連続長繊維フ
ィラメント群をエジェクターからの高速エアーで延伸
し、帯電させて開繊して支持体上に捕集・集積してウェ
ブを形成した後、該ウェブを部分的に熱圧着してなる生
分解性芯鞘複合長繊維不織布において、前記芯鞘複合長
繊維の鞘成分が、L−乳酸単位またはD−乳酸単位を8
0モル%以上を含有するポリ乳酸重合体からなり、芯成
分が1,4−ブタンジオールとコハク酸から合成される
ポリブチレンサクシネート重合体をウレタン結合により
高分子量化した重合体からなり、且つ前記複合長繊維に
おいて、鞘成分が10〜90重量%であることを特徴と
する生分解性複合長繊維不織布に関するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の芯樹脂として用いる脂肪
族ポリエステル樹脂としては、1,4−ブタンジオール
とコハク酸から合成されるポリブチレンサクシネート重
合体にさらにイソシアネートを添加し、ポリブチレンサ
クシネート重合体の間をポリウレタン結合させたもの
で、数平均分子量が10,000以上で融点110〜1
20℃の範囲にあり、且つ、JIS K 7210に記
載された方法(190℃;2160g荷重)で測定した
メルトフローレート(MFR)が10〜70g/10分
程度のものが好ましい。
【0013】つまり、MFRが10g/10分未満のポ
リブチレンサクシネートをウレタン結合させたものは溶
融粘度が高すぎて得られる不織布が硬い風合いのものと
なるので好ましくないことになる。逆にMFRが70g
/10分を超えると、糸切れが発生しやすくなり、得ら
れる複合長繊維不織布の風合いが低下するだけではな
く、強度も低くなるので好ましくない。
【0014】なお、芯成分の上述したところの樹脂に、
必要に応じて、例えば酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸
収剤等の他、滑剤、ワックス類、着色剤、結晶化促進剤
等の各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で添
加することができる。
【0015】本発明において、鞘成分に使用されるポリ
乳酸重合体は、L−乳酸単位またはD−乳酸単位を80
モル%以上含有するポリ乳酸重合体が好適である。乳酸
モノマーは光学活性の炭素を有しており、そのため、ポ
リ乳酸には、光学異性体である、D体とL体とのあるこ
とが知られているが、両者を共重合すると融点は低下
し、光学純度があまり低くなると融点が低すぎて、本発
明の目的の一つである耐熱性が得られなくなる。鞘成分
に使用されるポリ乳酸重合体における乳酸単位の光学純
度(L体またはD体の比率)は好ましくは80モル%以
上、より好ましくは95モル%以上、更に好ましくは9
8モル%以上である。
【0016】一般には乳酸を発酵法で生産するとL体が
生産されるので、工業的にはL−乳酸の方が大量且つ安
価に入手し易く、本発明に係わるポリ乳酸重合体は通常
L−乳酸を主体とするものである。しかしながら、D−
乳酸を主体とする重合体であっても、L−乳酸の場合と
同様の物性のものを得ることができる。
【0017】上述した本発明の鞘樹脂として用いるポリ
乳酸重合体も芯樹脂と同様に、JIS K 7210に
記載された方法(200℃;2160g荷重)で測定し
たメルトフローレート(MFR)が10〜70g/10
分程度のものが好ましい。つまり、MFRが10g/1
0分未満のポリ乳酸は溶融粘度が高すぎて得られる不織
布が硬い風合いのものとなるので好ましくないことにな
る。逆にMFRが70g/10分を超えると、糸切れが
発生しやすくなり、得られる複合長繊維不織布の風合い
が低下するだけではなく、強度も低くなるので好ましく
ない。
【0018】更に、鞘成分に用いられるポリ乳酸のMF
Rと芯成分に用いられるポリブチレンサクシネートをウ
レタン結合させたもののMFRとの差は0〜30以内に
あることが望ましい。この差が30を超えると、溶融伸
長特性が違いすぎることによって生ずる歪みで、紡糸性
が悪くなる。
【0019】また、ポリ乳酸樹脂には、芯成分のポリブ
チレンサクシネートをウレタン結合させたものと同様に
本発明においては、必要に応じて、例えば酸化防止剤、
熱安定剤、紫外線吸収剤等の他、滑剤、ワックス類、着
色剤、結晶化促進剤等の各種添加剤を本発明の効果を損
なわない範囲内で添加することができる。
【0020】本発明における生分解性複合長繊維よりな
る不織布において、鞘成分の重量比率は10%以上90
%以下であることが望ましい。鞘の重量比率が10%未
満の場合は、耐熱性の効果が十分に発揮できず、また、
鞘の重量比率は90%を超える場合は、生分解速度のコ
ントロールをしにくくなるのと、柔軟性と紡糸性が劣る
ので、好ましくない。以上の規定範囲以内で、芯と鞘と
の比率を調節することによって、使用目的に合う生分解
速度になるようにコントロールすることができる。
【0021】本発明に用いられる複合長繊維の繊度が1
0デニール以下であることを望ましい。長繊維の繊度が
10デニールを超えると、繊維径が太くなりすぎ、得ら
れる不織布が硬くなり風合いが低下するという不都合を
生ずることがある。
【0022】次に、複合長繊維の断面形状としては、円
形断面の他に異形あるいは扁平とすることもできる。
【0023】本発明に係わる複合長繊維不織布の目付重
量はとくに規定するものではないが、5〜200g/m
2であることが望ましい。この理由としては、不織布の
重量目付が200g/m2を超えると不織布が硬くなり
すぎ、風合いが硬くなることがあり、またその目付が5
g/m2未満では、不織布の強度が低すぎることと、安
定して製造するのが難しくなることがある。
【0024】本発明の複合長繊維は従来公知の複合繊維
用の溶融紡糸装置を用いて得ることができる。口金から
押し出され、エジェクターにより高圧エアーで延伸され
て形成された多数の長繊維は、衝突板に当てて摩擦帯電
させ、電荷による反発力で開繊させる。この場合、帯電
方法として、コロナ放電処理を行うことも可能である。
均一に開繊された多数の長繊維は、次いで支持体上に堆
積される。
【0025】本発明においては、支持体上に集積された
多数の長繊維は、規則的な間隔で繊維同士の自己融着区
域を設けることによって熱接着される。この自己融着区
域は、支持体上に集積した多数の長繊維を、加熱した凹
凸ロールと平滑ロールの間に導入し、加熱および加圧処
理を施すことにより、凹凸ロールの凸部に対応したシー
ト部分が融着することによって形成される。
【0026】この場合、ロールの温度は鞘樹脂の融点よ
り5℃〜35℃低めの範囲が好適である。ロール温度と
樹脂の融点の差が5℃未満であると、ロールによる熱圧
着処理時に繊維がロールに付着し、製造トラブルの原因
となるため好ましくない。逆にロール温度と樹脂の融点
の差が35℃を越えると、自己融着部分の形成が不十分
となり、シートの強度が著しく低下するばかりでなく、
毛羽立ちが激しく好ましくない。
【0027】凹凸ロールと平滑ロールで熱圧着処理を施
す場合の圧力は、10〜80kg/cm、好ましくは2
0〜60kg/cmである。圧力が10kg/cm未満
では、熱圧着処理による自己融着区域の形成が不十分と
なることがあり、80kg/cmを越えると、自己融着
区域がフィルム状になり、不織布の風合いが損なわれる
ことがある。
【0028】自己融着区域を形成する方法としては、集
積された連続長繊維フィラメント群からなるウェブを、
凹凸ロールと超音波ホーンの間に導入し、超音波処理を
施すことにより、凸部に対応した点融着部分を形成する
ことも可能である。
【0029】本発明においては、個々の自己融着区域の
面積は、0.03〜4mm2の範囲であることが好まし
い。自己融着区域の面積が0.03mm2未満では、シ
ート強度が不足するため好ましくない。逆に、自己融着
面積が4mm2を越えると、シートが硬くなり好ましく
ない。自己融着区域の面積の総和は、長繊維不織布の全
表面積の2〜30%であることが好ましい。自己融着区
域の面積の総和が2%未満では、不織布シート強度が不
足するため好ましくない。逆に、自己融着面積が30%
を越えると、不織布シートが硬くなり好ましくない。
【0030】以上のようにして得られた長繊維不織布シ
ートは、優れた耐熱性と柔軟性と強度を有し、しかも堆
肥中、湿った土中、活性汚泥を含む水中、海水中等で微
生物により完全に分解可能であり、その分解速度もコン
トロールでき、必要に応じて種々加工されて、衛生材
料、医療用基材、衣料用基材、家庭用基材、産業用基材
等に使用される。
【0031】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明は勿論これらに限定されるものでは
ない。尚、以下の実施例において、部および%は、全て
重量部および重量%である。
【0032】実施例1 芯成分としてメルトフローレート30、融点114℃の
ポリブチレンサクシネートをウレタン結合させたものの
樹脂(昭和高分子製、商品名:ビオノーレ)を準備し、
鞘成分としてL−乳酸単位を98モル%を含有し、メル
トフローレート20のポリ乳酸樹脂を準備した。次に芯
鞘複合紡糸用口金を用いて、上記の樹脂を芯成分が80
%、鞘成分が20%の比率で加熱して溶融し、多数の微
細孔から押し出した後、エジェクターにより高速エアー
で延伸して長繊維を形成し、移動するワイヤー上に堆積
した。長繊維の繊度は2.4dであった。
【0033】次いで、この長繊維の堆積体を155℃に
加熱した凹凸ロールと平滑ロールの間に導入し、凹凸ロ
ールの凸部に対応する部分を融着することにより、目付
40g/m2の長繊維不織布シートを得た。ロールの線
圧は40kg/cmであり、得られた個々の自己融着区
域の面積は0.12mm2であり、自己融着区域の面積の
総和は4%であった。得られた長繊維不織布を下記の試
験方法で試験し、その品質を評価した。結果は表1に示
した。
【0034】試験方法 (1)微生物分解速度:大きさ10cm×25cmの長
繊維不織布40枚を、東京都江東区の野外(東京都江東
区東雲1丁目10番6号、王子製紙株式会社、東雲研究
センター内)に、土中25cmの深さに埋設し、1ヶ月
毎に3枚つづ取り出して、不織布の形態変化を観察し、
形態がバラバラになり、重量減が50%以上になる時間
(月)を測定し、12ヶ月間観察を行った。
【0035】(2)柔軟性:得られた長繊維不織布の柔
軟性を、官能で評価した。評価は以下の5段階で行っ
た。 5・・・ 柔軟性が極めて良好である。 4・・・ 柔軟性が良好である。 3・・・ 柔軟性は普通である。 2・・・ 柔軟性が劣る。 1・・・ 柔軟性が極めて劣る。
【0036】(3)紡糸性:樹脂の紡糸性を、溶融紡糸
時の糸切れの多少で評価した。評価は以下の5段階で行
った。 5・・・ 糸切れはなく、紡糸性は極めて良好である。 4・・・ 糸切れは殆どなく、紡糸性は良好である。 3・・・ 糸切れは少しあるが、問題とはならず、紡糸性
は普通である。 2・・・ 糸切れがかなりあり、紡糸性は悪い。 1・・・ 糸切れが非常に多く、紡糸性は極めて悪い。 (4)引張強度:JIS L 1906に示された方法
で行った。
【0037】実施例2 芯成分としてメルトフローレート30、融点114℃の
ポリブチレンサクシネートをウレタン結合させたものの
樹脂(昭和高分子製、商品名:ビオノーレ)を準備し、
鞘成分としてL−乳酸単位を95モル%を含有し、メル
トフローレート20のポリ乳酸樹脂を準備した。次に芯
鞘複合紡糸用口金を用いて、上記の樹脂を芯成分が50
%、鞘成分が50%の比率で加熱して溶融し、多数の微
細孔から押し出した後、エジェクターにより高速エアー
で延伸して長繊維を形成し、移動するワイヤー上に堆積
した。長繊維の繊度は1.7dであった。
【0038】次いで、この長繊維の堆積体を142℃に
加熱した凹凸ロールと平滑ロールの間に導入し、凹凸ロ
ールの凸部に対応する部分を融着することにより、目付
42g/m2の長繊維不織布シートを得た。ロールの線
圧は20kg/cmであり、得られた個々の自己融着区
域の面積は1.0mm2であり、自己融着区域の面積の総
和は15%であった。得られた長繊維不織布を前記の試
験方法で試験し、その品質を評価した。結果は表1に示
した。
【0039】実施例3 芯成分としてメルトフローレート30、融点114℃の
ポリブチレンサクシネートをウレタン結合させたものの
樹脂(昭和高分子製、商品名:ビオノーレ)を準備し、
鞘成分としてL−乳酸単位を85モル%を含有し、メル
トフローレート20のポリ乳酸樹脂を準備した。次に芯
鞘複合紡糸用口金を用いて、上記の樹脂を芯成分が30
%、鞘成分が70%の比率で加熱して溶融し、多数の微
細孔から押し出した後、エジェクターにより高速エアー
で延伸して長繊維を形成し、移動するワイヤー上に堆積
した。長繊維の繊度は4.4dであった。
【0040】次いで、この長繊維の堆積体を125℃に
加熱した凹凸ロールと平滑ロールの間に導入し、凹凸ロ
ールの凸部に対応する部分を融着することにより、目付
41g/m2の長繊維不織布シートを得た。ロールの線
圧は60kg/cmであり、得られた個々の自己融着区
域の面積は2.0mm2であり、自己融着区域の面積の総
和は10%であった。得られた長繊維不織布を前記の試
験方法で試験し、その品質を評価した。結果は表1に示
した。
【0041】実施例4 芯成分としてメルトフローレート30、融点114℃の
ポリブチレンサクシネートをウレタン結合させたものの
樹脂(昭和高分子製、商品名:ビオノーレ)を準備し、
鞘成分としてL−乳酸単位を99モル%を含有し、メル
トフローレート20のポリ乳酸樹脂を準備した。次に芯
鞘複合紡糸用口金を用いて、上記の樹脂を芯成分が15
%、鞘成分が85%の比率で加熱して溶融し、多数の微
細孔から押し出した後、エジェクターにより高速エアー
で延伸して長繊維を形成し、移動するワイヤー上に堆積
した。長繊維の繊度は5.2dであった。
【0042】次いで、この長繊維の堆積体を164℃に
加熱した凹凸ロールと平滑ロールの間に導入し、凹凸ロ
ールの凸部に対応する部分を融着することにより、目付
39g/m2の長繊維シートを得た。ロールの線圧は3
0kg/cmであり、得られた個々の自己融着区域の面
積は0.28mm2であり、自己融着区域の面積の総和は
8%であった。得られた長繊維不織布を前記の試験方法
で試験し、その品質を評価した。結果は表1に示した。
【0043】比較例1 鞘成分としてL−乳酸単位を75モル%を含有し、メル
トフローレート20のポリ乳酸樹脂を使用した以外は、
実施例1と同様にして長繊維不織布シートを得た。得ら
れた長繊維不織布を前記試験方法で試験し、その品質を
評価した。結果は表1に示した。
【0044】比較例2 芯成分が5%、鞘成分が95%の比率で加熱して溶融
し、多数の微細孔から押し出した後、エジェクターによ
り高速エアーで延伸して長繊維を形成し、移動するワイ
ヤー上に堆積した以外は、実施例1と同様にして長繊維
不織布シートを得た。得られた長繊維不織布を前記試験
方法で試験し、その品質を評価した。結果は表1に示し
た。
【0045】
【表1】
【0046】表1から明らかなように、本発明によれ
ば、耐熱性、柔軟性、強度が良好で、生分解性を持つ複
合長繊維不織布が得られた。さらに、得られた不織布に
おいては、樹脂の配合率によって、微生物分解速度はコ
ントロールすることもできる(実施例1〜4)。これに
対して、鞘成分に使用されるポリ乳酸重合体の光学純度
は80%以下になると、融点が低くなり、十分な耐熱性
が得られない(比較例1)。また、鞘成分の重量比率が
90%を超える場合は、得られたシートは、土中に12
ヶ月間埋めても生分解は十分に進まず、分解速度のコン
トロールができておらず、紡糸性と柔軟性にも劣る(比
較例2)。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる長
繊維不織布は、耐熱性、柔軟性と、強度および微生物に
よる完全分解性を有しており、その微生物分解速度もコ
ントロールできる。本発明に示した構成に従い、微生物
による分解が可能でかつ熱可塑性を有する特定の脂肪族
ポリエステル樹脂を溶融紡糸後、長繊維同士を自己融着
することにより、容易に製造することが可能となった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性の脂肪族ポリエステル樹脂を芯鞘
    複合紡糸用口金から押出し紡糸し、支持体上に捕集・集
    積してウェブを形成した後、ウェブを部分的に熱圧着し
    てなる生分解性芯鞘複合長繊維不織布において、前記芯
    鞘複合長繊維の鞘成分が、L−乳酸単位またはD−乳酸
    単位を80モル%以上を含有するポリ乳酸重合体からな
    り、芯成分が1,4−ブタンジオールとコハク酸から合
    成されるポリブチレンサクシネート重合体をウレタン結
    合により高分子量化した重合体からなり、且つ前記複合
    長繊維の鞘成分が10〜90重量%であることを特徴と
    する生分解性複合長繊維不織布。
JP20748697A 1997-08-01 1997-08-01 生分解性複合長繊維不織布 Pending JPH1150369A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20748697A JPH1150369A (ja) 1997-08-01 1997-08-01 生分解性複合長繊維不織布

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20748697A JPH1150369A (ja) 1997-08-01 1997-08-01 生分解性複合長繊維不織布

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1150369A true JPH1150369A (ja) 1999-02-23

Family

ID=16540541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20748697A Pending JPH1150369A (ja) 1997-08-01 1997-08-01 生分解性複合長繊維不織布

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1150369A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006118100A (ja) * 2004-10-25 2006-05-11 Unitika Ltd 生分解性不織布およびその製造方法
JP2006183191A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Unitika Ltd 生分解性不織布およびその製造方法
WO2007070075A1 (en) * 2005-12-15 2007-06-21 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Biodegradable continuous filament web
KR100959632B1 (ko) 2009-05-07 2010-05-27 주식회사 삼우티씨씨 생분해성 원사 조성물 및 이를 이용한 생분해성 원사 및 백
US8268738B2 (en) 2008-05-30 2012-09-18 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Polylactic acid fibers
US8841386B2 (en) 2008-06-10 2014-09-23 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Fibers formed from aromatic polyester and polyether copolymer
US8927443B2 (en) 2006-04-07 2015-01-06 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Biodegradable nonwoven laminate
US9091004B2 (en) 2006-07-14 2015-07-28 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Biodegradable polylactic acid for use in nonwoven webs
US9260802B2 (en) 2006-07-14 2016-02-16 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Biodegradable aliphatic polyester for use in nonwoven webs
US9394629B2 (en) 2006-07-14 2016-07-19 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Biodegradable aliphatic-aromatic copolyester for use in nonwoven webs
US11236443B2 (en) 2008-06-06 2022-02-01 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Fibers formed from a blend of a modified aliphatic-aromatic copolyester and theremoplastic starch

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006118100A (ja) * 2004-10-25 2006-05-11 Unitika Ltd 生分解性不織布およびその製造方法
JP4573622B2 (ja) * 2004-10-25 2010-11-04 ユニチカ株式会社 生分解性不織布およびその製造方法
JP2006183191A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Unitika Ltd 生分解性不織布およびその製造方法
JP4573647B2 (ja) * 2004-12-28 2010-11-04 ユニチカ株式会社 ヒートシール構造体およびその製造方法
AU2006325484B2 (en) * 2005-12-15 2012-05-10 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Biodegradable continuous filament web
WO2007070075A1 (en) * 2005-12-15 2007-06-21 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Biodegradable continuous filament web
US8927443B2 (en) 2006-04-07 2015-01-06 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Biodegradable nonwoven laminate
US9091004B2 (en) 2006-07-14 2015-07-28 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Biodegradable polylactic acid for use in nonwoven webs
US9260802B2 (en) 2006-07-14 2016-02-16 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Biodegradable aliphatic polyester for use in nonwoven webs
US9394629B2 (en) 2006-07-14 2016-07-19 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Biodegradable aliphatic-aromatic copolyester for use in nonwoven webs
US8268738B2 (en) 2008-05-30 2012-09-18 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Polylactic acid fibers
US11236443B2 (en) 2008-06-06 2022-02-01 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Fibers formed from a blend of a modified aliphatic-aromatic copolyester and theremoplastic starch
US8841386B2 (en) 2008-06-10 2014-09-23 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Fibers formed from aromatic polyester and polyether copolymer
US9163336B2 (en) 2008-06-10 2015-10-20 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Fibers formed from aromatic polyester and polyether copolymer
KR100959632B1 (ko) 2009-05-07 2010-05-27 주식회사 삼우티씨씨 생분해성 원사 조성물 및 이를 이용한 생분해성 원사 및 백

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4093595B2 (ja) 分解性ポリマー繊維の製造方法、製品、及び使用法
CN105442185B (zh) 尺寸上稳定的非织造纤维幅材及其制造和使用方法
US5688582A (en) Biodegradable filament nonwoven fabrics and method of manufacturing the same
US6787493B1 (en) Biodegradable formable filament nonwoven fabric and method of producing the same
US6509092B1 (en) Heat bondable biodegradable fibers with enhanced adhesion
JPH05195407A (ja) 熱塑性エンドレスフィラメントから成るスパンボンド不織布及びその製造方法
US6441267B1 (en) Heat bondable biodegradable fiber
MXPA03008883A (es) Fibras que contienen un copolimero de polihidroxialcanoato y un polimero de acido polilactico o mezclas coplolimericas.
JP4113989B2 (ja) 生分解性コポリマーを含む不織材料
JPH1150369A (ja) 生分解性複合長繊維不織布
JPH1143857A (ja) 生分解性不織布
JPH11286864A (ja) 生分解性不織布
JPH11117164A (ja) 生分解性積層体シート
JPH0995847A (ja) ポリ乳酸系長繊維不織布およびその製造方法
JP2001123371A (ja) 生分解性スパンボンド不織布
JPH1046462A (ja) 生分解性複合長繊維不織布
JP2024502488A (ja) 複数の異なる繊維種類を持つ単一層を有する不織布、並びにそれを製造する為の装置、システム及び方法
JP2000096416A (ja) 生分解性不織布
JP3966768B2 (ja) ポリ乳酸系長繊維不織布およびその製造方法
JP2001020170A (ja) 生分解性不織布およびその製造方法
JPH11302958A (ja) 生分解性不織布及びその製造方法
JP5235783B2 (ja) ポリ乳酸系潜在捲縮繊維
JP2002088630A (ja) 耐候性長繊維不織布
JPH0941223A (ja) 細繊維化可能な生分解性複合繊維及びこれを用いた繊維シート
JPH101855A (ja) 生分解性短繊維不織布及びその製造方法