JP4573622B2 - 生分解性不織布およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は生分解性不織布およびその製造方法に関し、特に、機械的物性に優れるとともに、柔軟性及びヒートシール特性に優れた、ポリ乳酸系の、生分解性不織布およびその製造方法に関する。
従来より、機能性のある不織布の一つに、自己接着性繊維からなる不織布がある。この自己接着性繊維からなる不織布は、加熱によって繊維の一部が溶融して繊維相互が接着一体化したもので、ヒートシール特性を有するものである。
近年、石油を原料とする合成繊維は、焼却時の発熱量が多いため、自然環境保護の見地から見直しが必要とされ、自然界において生分解する脂肪族ポリエステルからなる繊維が開発されており、環境保護への貢献が期待されている。脂肪族ポリエステルの中でも、ポリ乳酸系重合体は、比較的高い融点(約180℃)を有することから、広い分野に使用されることが期待されている。
ポリ乳酸系重合体を用いて自己接着性繊維からなる不織布を得ようとした際に、芯部にポリ乳酸を配し、鞘部にD−乳酸とL−乳酸との共重合体(D、L−乳酸共重合体)を配して、芯部よりも鞘部を低融点とした芯鞘型複合繊維により不織布を構成させるものが知られている(特許文献1、特許文献2)。
この場合に、熱加工安定性を考慮すると、芯部と鞘部の融点差は大きい方が好ましいため、鞘部の共重合体は融点が低いもの(120℃程度の共重合体)を選択することがよいと考えられる。しかし、D、L−乳酸共重合体において、融点120℃程度のものは、結晶性が低いため、熱接着工程において収縮したり熱ロールに融着したりする等のトラブルが発生しやすく、しかも得られる不織布は耐熱性に劣るものとなる。また、これに代えて鞘成分にポリ乳酸以外の融点の低い重合体を選択した場合は、ガラス転移温度(Tg)も低い場合が多く、このようなものを用いていわゆるスパンボンド法により不織布を得ようとすると、スパンボンド法はノズル孔より吐出した糸条が牽引細化されるまでの距離が極めて短いため、冷却過程で十分に冷え切らずにゴム状弾性を示したり、ブロッキングを起こして糸条を得にくくなったりするなどの問題があった。
特開平07−310236号公報 特開平07−133511号公報
本発明は、構成繊維の製糸性及び開繊性が良好で、スパンボンド法によって製造することが可能であり、得られた不織布は、機械的物性に優れるとともに、柔軟性に優れており、さらにはヒートシール性を併せ持つ生分解性不織布及びその製造方法を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討をした結果、芯成分に特定の重合体を選択し、特定の製造方法で不織布を製造することによって、上記課題を達成することができるという知見を得て、本発明に到達した。
すなわち本発明は、芯部が鞘部により被覆された芯鞘型複合繊維を構成繊維とする不織布であって、前記構成繊維の鞘部が、D体とL体の共重合比がモル比でD体/L体=100/0〜95/5またはD体/L体=5/95〜0/100であるポリ乳酸系重合体によって形成され、前記構成繊維の芯部が、鞘部を構成する前記ポリ乳酸系重合体よりも融点の低い重合体によって形成され、前記不織布は、部分的に熱圧着されており、前記部分的な熱圧着部においては、鞘部が加圧により破壊され、該破壊された鞘部の内部から外部に溶出した芯部の重合体によって構成繊維同士が熱接着されていることを特徴とする生分解性不織布を要旨とするものである。
また本発明は、D体とL体の共重合比がモル比でD体/L体=100/0〜95/5またはD体/L体=5/95〜0/100であるポリ乳酸系重合体と、前記ポリ乳酸系重合体よりも低融点の重合体とを個別に溶融し、繊維横断面において前記低融点の重合体が芯部を形成しかつ前記ポリ乳酸系重合体が鞘部を形成するような芯鞘型複合紡糸口金を介して溶融紡糸し、前記口金より紡出した紡出糸条を冷却し、4000m/分〜6000m/分の牽引速度にて牽引細化して開繊し、得られた長繊維を堆積させて不織ウェブを形成し、この不織ウェブを、芯部の重合体が溶融または軟化し、かつ鞘部のポリ乳酸系重合体は溶融または軟化しない温度で部分的に熱圧着することで、鞘部を加圧により破壊させ、芯部の重合体を前記破壊させた鞘部の内部から外部へ溶出させるとともに、この溶出した芯部の重合体によって前記長繊維同士を熱接着して一体化させることを特徴とする生分解性不織布の製造方法を要旨とするものである。
すなわち、不織布化のために部分的に熱圧着する処理や、不織布を用いてヒートシールを行うための処理を施す際には、繊維の芯部の低融点重合体が溶融または軟化し、かつ鞘部のポリ乳酸系重合体は熱によって溶融や軟化を行わない温度で、熱処理加工することになる。このとき、芯部の低融点重合体は熱により溶融または軟化状態となり、一方、鞘部のポリ乳酸系重合体は、その熱による影響を受けずに、結晶配向した状態のまま、繊維形態を維持したままの状態となる。そして、この状態で加圧されることとなり、配向結晶した状態の鞘部のポリ乳酸系重合体のいわゆるマカロニ形態が加圧により一部破壊されて、芯部の溶融または軟化状態の低融点重合体が鞘部の外部へ溶出する。すると、この溶出した芯部の低融点重合体によって、繊維同士が熱接着される。
このような現象が生じる理由は、次の通りであると推定することができる。すなわち、芯部及び鞘部の重合体の融点差と、これらの重合体の硬さの差とによるものと推定することができる。つまり、芯部が溶融または軟化する温度において、この芯部には溶融または軟化した軟らかい重合体が存在し、一方、この芯部を、溶融または軟化しておらず本来の硬いままの状態のポリ乳酸系重合体が被覆している。そこに圧力が加わることにより、鞘部の硬いポリ乳酸系重合体が一部破壊されて、内部すなわち芯部の軟らかい低融点重合体が溶出することになる。
これに対し、鞘部の重合体がポリ乳酸系重合体のような硬質のものではなく弾力性を有した柔軟な重合体である場合や、芯部と鞘部との融点差が少なく芯部が溶融状態の際に鞘部もまた溶融状態であるとすると、芯部の重合体が良好に鞘部から溶出することができず、芯部の接着成分としての機能が十分に発揮されないことになる。
また本発明では、結晶配向性の良好な特定のポリ乳酸系重合体に着目し、この特定のポリ乳酸系重合体とこれよりも低融点の重合体とを芯鞘複合形態に配置させることにより、柔軟性と強力とを併せ持ち、かつ熱処理加工性に優れ、またヒートシール性を有する不織布を得ることが可能となったものである。
本発明によれば、冷却性および開繊性に優れた融点の高い特定のポリ乳酸系重合体を繊維外周の鞘部に位置させ、繊維内部の芯部には前記特定のポリ乳酸系重合体よりも低融点の重合体を位置させることにより、冷却性や開繊性が良く製糸性に優れ、しかも強力や柔軟性に優れた不織布とすることができる。
詳細には、繊維表面は冷却性に優れた特定のポリ乳酸系重合体が配されるため、溶融紡糸工程にて繊維表面は冷えやすく、このためスパンボンド法における距離の短い冷却工程でも十分に冷却されて、繊維同士の密着等が生じることがなく、また開繊性にも優れて、地合いの良好な不織布を得ることができる。
また本発明によれば、結晶配向性の良好な特定のポリ乳酸系重合体と、これよりも低融点の重合体とを芯鞘複合形態に配置させることにより、上述のように、柔軟性と強力とを併せ持ち、かつ熱処理加工性に優れ、またヒートシール性を有する不織布を得ることができる。
また、本発明の不織布は、熱処理の際に、繊維表面の鞘部を形成する重合体すなわちポリ乳酸が熱の影響を受けない温度で処理することが可能であるため、熱収縮等が発生せず、このため熱加工安定性に優れたものとなる。
本発明の不織布は、芯鞘複合繊維にて構成されており、この複合繊維は、その鞘部が、D体とL体の共重合比がモル比でD体/L体=100/0〜95/5またはD体/L体=5/95〜0/100であるポリ乳酸系重合体によって形成されており、かつその芯部が、鞘部を形成する前記ポリ乳酸系重合体よりも低融点の重合体によって形成されている。
本発明に用いるポリ乳酸系重合体は、上述のように、D体とL体の共重合比がモル比でD体/L体=100/0〜95/5またはD体/L体=5/95〜0/100であるD、L−乳酸共重合体である。D体とL体の共重合比がこの範囲であることにより、本発明において必要な結晶配向を得ることができる。この範囲を外れると、所望の結晶配向が得られず、上述したような熱接着性能等を発揮できなくなる。
このような共重合比率のポリ乳酸系重合体であると、融点を150℃〜180℃と高温に設定することができる。D体/L体=100/0または0/100のホモポリマーである場合は、その融点は、約180℃である。このような高融点であると、溶融紡糸後の冷却工程で冷却性が良好で配向結晶化しやすいものとなり、高い結晶性を有することになる。このため、ヒートシール加工等の熱処理加工時の収縮が発生しにくく、熱処理加工を安定に行うことができ、さらには得られる不織布は耐熱性に優れたものとなる。共重合比率が前記範囲を外れると、共重合体の融点が150℃未満となり、非晶性が高くなり、本発明の目的を達成し得ないことになる。
芯部の重合体は、鞘部のポリ乳酸系重合体よりも低融点の重合体を用いる。この芯部の重合体は、鞘部のポリ乳酸系重合体よりも融点が40℃以上低いことが好ましく、また結晶融点を有することが好ましい。芯部の重合体が鞘部のポリ乳酸系重合体よりも低融点であることにより、上述したような熱接着性能等を発揮する熱接着成分として機能することができる。また芯部の重合体の融点が鞘部のポリ乳酸系重合体の融点よりも40℃以上低いことで、部分的に熱圧着するための熱エンボス処理や、ヒートシール処理などの熱処理加工の際に、鞘部が熱の影響を受けることなく、加圧により破壊されて、溶融または軟化した芯部の重合体を良好に溶出させることができる。結晶融点を有するとは、DSC曲線において明瞭な融点ピークを有することをいう。芯部の重合体が結晶融点を有することにより、ある特定の温度で冷えやすいため、製糸性が良好となる。
芯部の重合体の例として、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸とを構成成分とする脂肪族ポリエステルや、脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ヒドロキシカルボン酸を構成成分とする脂肪族ポリエステル共重合体や、ポリエチレンなどが挙げられる。なかでも、脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ヒドロキシカルボン酸を構成成分とする脂肪族ポリエステル共重合体を用いることが、後述の理由により好ましい。
脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、これらの混合物を用いてもよい。得られる共重合体の物性を考慮して、1,4−ブタンジオールを用いることが好ましい。
脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカン二酸等が挙げられ、これらの誘導体である酸無水物を用いてもよい。得られる共重合体の物性を考慮して、コハク酸または無水コハク酸、あるいはこれらとアジピン酸との混合物であることが好ましい。
脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ3−3メチル乳酸、ロイシン酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、メチル乳酸、カプロラクトン、バレロラクトン等が挙げられる。これらの脂肪族ヒドロキシカルボン酸は2種以上併用してもよい。なかでも乳酸を用いることが好ましい。
さらに、脂肪族ヒドロキシカルボン酸に光学異性体が存在する場合には、D体、L体またはラセミ体のいずれを使用してもよく、また、脂肪族ヒドロキシカルボン酸は、固体、液体またはオリゴマーであってもよい。
脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸とを構成成分とする脂肪族ポリエステルとしては、具体的には、ポリエチレンサクシネートやポリブチレンサクシネートなどが挙げられる。
脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ヒドロキシカルボン酸を構成成分とする脂肪族ポリエステル共重合体として、具体的には、脂肪族ジオールが1,4−ブタンジオールであり、脂肪族ジカルボン酸がコハク酸であり、脂肪族ヒドロキシカルボン酸が乳酸である脂肪族ポリエステル共重合体を、好ましく用いることができる。このような脂肪族ポリエステル共重合体としては、例えば特許第3418070号明細書に記載されているものを使用することが好ましい。このような脂肪族ポリエステル共重合体としては、具体的には、三菱化学社製、商品名GSPla(結晶融点110℃)を好ましく用いることができる。この三菱化学社製、商品名GSPlaを用いた場合は、芯成分の脂肪族ポリエステル共重合体は成分中に乳酸を共重合しているため、鞘成分のポリ乳酸系重合体との相溶性が向上する。従って、溶融紡糸工程において紡糸口金から溶融された糸条は高速紡糸に適している。つまり、芯成分に鞘成分が追随する形で、糸状が単一成分で牽引されるのと同様に牽引細化されるのである。
芯部の重合体としてポリエチレンを用いる場合は、具体的には、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等を用いることができる。
鞘部を構成するポリ乳酸系重合体に、芯部を構成する低融点の重合体を、本発明の目的を達成し得る範囲で、具体的には鞘部の全重合体量に対して30質量%程度まで、ブレンドしてもよい。すなわち、鞘部においても、熱接着成分となる低融点の重合体を存在させておき、熱接着機能を担わせてもよい。本発明においては、このようなブレンド体をも含めて「ポリ乳酸系重合体」と総称する。
高速紡糸に適したポリマーの粘度を選択することも、本発明における好ましい条件である。すなわち、芯部の重合体の粘度は、ASTM−D−1238に記載の方法に準じて、温度210℃、荷重20.2N(2160gf)で測定したメルトフローレイト(以下、「MFR」と略記する)が40〜70g/10分であることが好ましい。MFRが40g/10分未満であると、粘性が高すぎて、製造工程において溶融時のスクリューへの負担が大きくなる。一方、MFRが70g/10分を超えると、粘度が低すぎて、芯鞘断面化が不安定になるばかりか、紡糸工程において糸切れが多発しやすく操業性を損なう傾向となる。
一方、鞘部のポリ乳酸系重合体のMFRは、ASTM−D−1238に記載の方法に準じて、温度210℃、荷重20.2N(2160gf)で測定して、50〜80g/10分であることが好ましく、さらには55〜75g/10分であることが好ましい。MFRが50g/分未満であると、粘性が高すぎて、製造工程において溶融時のスクリューへの負担が大きくなる。反対にMFRが80g/分を超える場合は、粘度が低すぎるため紡糸工程において糸切れが多発しやすく操業性を損なう傾向となる。
なお、鞘部のポリ乳酸系重合体のMFRより芯部の重合体のMFRの方を小さくすることにより、すなわち鞘部のポリ乳酸系重合体よりも芯部の重合体の方が高粘度であるようにすることにより、安定した芯鞘断面形状の繊維を得ることができる。
本発明の不織布を構成する芯鞘複合長繊維は、鞘部にポリ乳酸系重合体を配置させるため、紡糸・延伸工程で糸条は十分に冷却され、次の開繊工程において良好な開繊が施される。このため、得られる不織布の地合は良好である。
本発明の不織布を構成する芯鞘型複合長繊維における芯部を形成する重合体(芯成分)と鞘部を形成する重合体(鞘成分すなわちポリ乳酸系重合体)との複合比は、質量比で、(芯成分)/(鞘成分)=4/1〜1/1であることが好ましい。芯成分の複合比が4/1より大きくなると、製造工程において鞘成分すなわちポリ乳酸系重合体ポリマーの計量押出しが不安定となり、糸条の製糸性が悪くなる。一方、芯成分の複合比が1/1よりも小さくなると、得られた不織布の接着性・ヒートシール性が劣る傾向となる。従って、同複合比が、質量比で、(芯成分)/(鞘成分)=2/1〜1/1であることがより好ましい。
芯成分に低融点の重合体を用い、鞘成分にポリ乳酸系重合体を用いた芯鞘型複合長繊維からなる不織布に、上述のような良好なヒートシール性能が発現する理由は、定かではないが、芯鞘比がある程度影響していると考えることができる。芯鞘比は、上述のごとく、質量比で、(芯成分)/(鞘成分)=4/1〜1/1であり、芯成分である低融点の重合体の方がリッチになっている。このため、硬いポリ乳酸系重合体にて形成された鞘部の厚みが薄くなり、加圧によりこわれやすく、したがって、溶融した芯部の重合体が溶出しやすくなって、良好なヒートシール性能が発現すると考えられる。
本発明の不織布を構成する芯鞘型複合繊維の単糸繊度は、0.5〜11デシテックスであることが好ましい。単糸繊度が0.5デシテックス未満となると、紡糸延伸工程において糸切れが頻繁に発生し、操業性が悪化するとともに、得られる不織布の機械的強度が劣るため、実用的でなくなる。一方、単糸繊度が11デシテックスを超えると、紡出糸条の冷却性に劣る傾向となる。これらの理由により、単糸繊度は、2〜8デシテックスがより好ましい。
本発明の不織布の目付は、その不織布の用途によって適宜選択すればよく、特に限定しないが、一般的には10〜300g/mの範囲が好ましい。より好ましくは15〜200g/mの範囲である。目付が10g/m未満では、地合および機械的強力に劣り、実用的ではない。逆に、目付が300g/mを超えると、コスト面で不利となる。
本発明の不織布を構成する繊維を形成するための重合体には、本発明の目的を大きく損なわない限りにおいて、顔料、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、難燃剤、末端封鎖剤、可塑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、充填材等を添加することも可能である。例えば、結晶核剤としてのタルクを芯部と鞘部との双方に配合することが好適である。
次に、本発明の生分解性不織布の好ましい製造方法について説明する。本発明の生分解性不織布は、スパンボンド法によって長繊維不織布として効率よく製造することができる。
まず、ポリ乳酸系重合体と低融点の重合体とを用意する。そして、用意したそれぞれの重合体を個別に溶融計量し、低融点の重合体が芯部を形成するとともにポリ乳酸系重合体が鞘部を形成する芯鞘型複合紡糸口金を介して溶融紡糸し、この紡糸口金より紡出した紡出糸条を従来公知の横吹き付けや環状吹き付け等の冷却装置を用いて冷却せしめた後、吸引装置を用いて牽引細化して引き取る。
また、鞘成分にポリ乳酸系重合体と低融点の重合体とのブレンド体を使用する場合に、そのブレンドする方法としては、ポリ乳酸系重合体チップと低融点重合体チップとを用意し、チップ同士を計量混合し、エクストルーダ内で溶融混合しながら溶融紡糸を行うドライブレンド法や、予め両者を所定量ブレンドしたチップを用いるコンパウンド法のいずれであってもよい。また、ブレンドチップにさらに一方のチップを混ぜ合わせてもよい。
牽引細化の際の牽引速度は、4000〜6000m/分に設定することが好ましく、4500〜6000m/分であることがさらに好ましい。牽引速度が4000m/分未満であると、糸条において、十分に分子配向が促進されず、得られる不織布の寸法安定性が劣りやすくなる。一方、牽引速度が6000m/分を超えると紡糸安定性に劣りやすくなる。
牽引細化した複合長繊維は、公知の開繊器具にて開繊した後、スクリーンコンベアなどの移動式捕集面上に開繊堆積させて不織ウエブを形成する。その後、この不織ウエブに熱エンボス装置などの熱圧着装置を用いて部分的に熱圧着を施して、長繊維不織布を形成する。
熱エンボス装置におけるロールの温度は、芯成分の低融点の共重合体が溶融または軟化する温度に設定すればよく、詳細には処理時間や線圧等に応じて適宜選択する。具体的にはロールの表面温度は、芯成分の重合体の融点よりも20℃低い温度から20℃高い温度までの範囲に設定することが好ましい。ただし、鞘成分のポリ乳酸系重合体が溶融または軟化して、破壊による芯成分の溶出を阻害することがないように、この鞘成分のポリ乳酸系重合体の融点よりも30℃以上低いことが好ましく、40℃以上低いことがさらに好ましい。
芯成分の重合体の融点よりも20℃を超えて、低い温度に設定すると、熱接着成分である芯部の低融点の重合体が十分に溶融または軟化しないため、十分に接着できずに強度低下が生じやすく、また毛羽立ちやすいものとなる。一方、芯成分の重合体の融点よりも20℃高い温度を超えて高い温度に設定すると、鞘成分が熱の影響を受けやすくなって、熱収縮が発生したり、機械的強力に乏しい不織布となってしまったりする。
上記の温度条件で熱処理することにより、鞘部が熱収縮等の熱の影響を受けない温度で熱処理することができるため、熱加工安定性が良好で、得られる不織布の柔軟性を向上させることができる。
[実施例]
次に、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例における各種物性値は、次の方法により測定した。
(1)融点(℃):示差走査型熱量計(パーキンエルマ社製、DSC−2型)を用いて、試料質量を5mg、昇温速度を10℃/分として測定し、得られた融解吸熱曲線の最大値を与える温度を融点(℃)とした。
(2)開繊性:形成された不織ウエブを目視することにより、下記の3段階にて評価した。
○:構成繊維の大部分が分繊され、密着糸及び収束糸が認められなかった。
△:密着糸及び収束糸がわずかであるが認められた。
×:構成繊維の大部分が密着し、開繊性が不良であった。
(3)目付(g/m):試料長が10cm、試料幅が5cmの試料片10点を作成し、標準状態で各試料片の質量(g)を秤量し、得られた値の平均値を単位面積あたりに換算し、目付(g/m)とした。
(4)引張強力(N/5cm幅)及び破断伸度(%):試料長20cm、試料幅5cmの試料片各10点を作製し、各試料について、定速伸張型引張試験機(オリエンテック社製テンシロンUTM−4−1−100)を用い、つかみ間隔10cm、引張速度20cm/分で伸張し、得られた切断時破断荷重(N/5cm幅)の平均値を引張強力(N/5cm幅)とした。また、上記条件で得られた切断時の伸度(%)の平均値を破断伸度とした。
(5)T字剥離強力(N/3cm幅):幅3cm以上の試料を用意し、この試料を二枚重ねにして、ヒートシール機のシール幅を1cm、ヒートシール圧力1kgf/cm、ヒートシール時間1秒、ヒートシール温度130℃で、上記試料の幅方向にわたってヒートシール加工した。このとき、ヒートシール部から二枚重ねの各試料の一端部までの長さは、後述のつかみ間隔の関係上、2.5cm以上とした。ヒートシール部から二枚重ねの各試料の他端部までの長さは、任意とした。そして、ヒートシール加工されたシートを幅3cmになるように必要に応じて裁断し、これをT字剥離強力の測定試料として10点作製した。各測定試料毎に、定速伸張型引張試験機(オリエンテック社製テンシロンUTM−4−1−100)を用い、つかみ間隔5cm、引張速度20cm/分で伸張し、ヒートシール部をT字形に剥離させた。そして、T字剥離時の荷重の最大値と最小値とをそれぞれ読みとり、その平均値(第1の平均値)を求め、測定試料10点を測定して得られた10個の第1の平均値についての平均値をT字剥離強力とした。本発明においては、このT字剥離強力が3.0N/3cm幅以上である場合に、ヒートシール性が良好で実用的であると評価した。
(6)圧縮剛軟度(g):試料長が10cm、試料幅が5cmの試料片5点を作成し、各試料毎に横方向に曲げて円筒状物とし、各々その端部を接合したものを圧縮剛軟度測定用試料とした。次いで、各測定試料毎に、その円筒の軸方向について、定速伸張型引張試験機(オリエンテック社製テンシロンUTM−4−1−100)を用い、圧縮速度5cm/分で圧縮し、得られた最大荷重値(g)の平均値を圧縮剛軟度(g)とした。なお、圧縮剛軟度は、値が小さいほど柔軟性が優れていることを意味するものである。
(実施例1)
芯成分として、融点110℃、MFR60g/10分の、脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸及び乳酸を構成成分とする脂肪族ポリエステル共重合体(三菱化学社製 商品名GSPla;以下、「P1」と略記する)を用意した。また、鞘成分として、融点168℃、MFR70g/分のL−乳酸/D−乳酸=98.6/1.4モル%のL−乳酸/D−乳酸共重合体(以下、「P2」と略記する)を用意した。
さらに、P1をベースとして、結晶核剤としてのタルクを20質量%練り込み含有したマスターバッチと、P2をベースとして同様に結晶核剤としてのタルクを20質量%練り込み含有したマスターバッチとを用意した。
そして、P1とP2との複合比が質量比でP1:P2=2:1となるように、またタルクがP1、P2溶融重合体中にそれぞれ1.0質量%となるように、P1とP2と上記2種類のマスターバッチとを個別に計量した後、それぞれを個別のエクストルーダ型溶融押し出し機を用いて温度200℃で溶融し、芯鞘複合繊維横断面となる紡糸口金を用いて、単孔吐出量1.38g/分の条件下で溶融紡糸した。
紡出糸条を公知の冷却装置にて冷却した後、引き続いて紡糸口金の下方に設けたエアーサッカーにて牽引速度4600m/分で牽引細化し、公知の開繊器具を用いて開繊し、移動するスクリーンコンベア上にウエブとして捕集堆積させた。なお、堆積させた複合長繊維の単糸繊度は、3.0デシテックスであった。
次いで、このウエブをエンボスロールと表面平滑な金属ロールとからなる熱エンボス装置に通して熱処理を施し、目付50g/mの生分解性長繊維不織布を得た。熱エンボス条件としては、両ロールの表面温度を105℃とし、エンボスロールは、個々の面積が0.6mmの円形の彫刻模様で、圧接点密度が20点/cm、圧接面積率が15%のものを用いた。
(実施例2)[芯鞘比変更]
P1とP2との複合比が質量比でP1:P2=1:1となるようにした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、生分解性長繊維不織布を得た。
(実施例3)[繊度変更]
単孔吐出量を3.5g/分として、長繊維の繊度を6.3デシテックスとした。また牽引速度を5500m/分とした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、生分解性長繊維不織布を得た。
(実施例4)[添加剤1]
P1及びP2をベースとして、タルクに代えて二酸化チタンを20質量%練り込み含有したマスターバッチを用いた。そして、それ以外は実施例1と同様にして、生分解性長繊維不織布を得た。
(実施例5)[添加剤2]
P2をベースとして、タルクに代えてカーボンを20質量%練り込み含有したマスターバッチを用い、カーボンの添加量がP2溶融重合体中に0.5質量%となるようにした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、生分解性不織布を得た。
(実施例6、実施例7)[目付変更]
不織布の目付を20g/m(実施例6)、100g/m(実施例7)とした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、生分解性長繊維不織布を得た。
(実施例8)[鞘成分ブレンド]
芯成分のためにP1を用意した。鞘成分のために、P1とP2とを質量比でP1/P2=20/80すなわちポリ乳酸がリッチとなるように溶融ブレンドしてなるブレンド体(以下、「P3」と略記する)を得た。
さらに、P1をベースとしてタルクを20質量%練り込み含有したマスターバッチと、P3をベースとして同様にタルクを20質量%練り込み含有したマスターバッチとを用意した。
そして、P1とP3との複合比が質量比でP1:P3=2:1となるように、またタルクがP1、P3溶融重合体中にそれぞれ1.0質量%となるように、P1と上記ブレンド体と2種類のマスターバッチとを個別に計量した後、それぞれを個別のエクストルーダ型溶融押し出し機を用いて温度200℃で溶融し、芯鞘型複合繊維横断面となる紡糸口金を用いて、単孔吐出量1.38g/分の条件下で溶融紡糸した。
紡出糸条を公知の冷却装置にて冷却した後、引き続いて紡糸口金の下方に設けたエアーサッカーにて牽引速度4600m/分で牽引細化し、公知の開繊器具を用いて開繊し、移動するスクリーンコンベア上にウエブとして捕集堆積させた。なお、堆積させた複合長繊維の単糸繊度は、3.0デシテックスであった。
次いで、このウエブをエンボスロールと表面平滑な金属ロールとからなる熱エンボス装置に通して熱処理を施し、目付20g/mの生分解性長繊維不織布を得た。熱エンボス条件としては、両ロールの表面温度を95℃とし、エンボスロールは、個々の面積が0.6mmの円形の彫刻模様で、圧接点密度が20点/cm、圧接面積率が15%のものを用いた。
(実施例9)[芯成分変更]
芯成分として、融点110℃、MFR20g/10分の脂肪族ポリエステル系重合体(昭和高分子化学社製のポリブチレンサクシネート 商品名ビオノーレ#1010;以下、「P4」と略記する)を用意した。また、鞘成分としてP2を用意した。さらに、P4をベースとして、結晶核剤としてのタルクを20質量%練り込み含有したマスターバッチと、P2をベースとして同様に結晶核剤としてのタルクを20質量%練り込み含有したマスターバッチとを用意した。
そして、P4とP2との複合比が質量比でP4:P2=2:1となるように、またタルクがP4、P2溶融重合体中にそれぞれ1.0質量%となるように、P4とP2と上記2種類のマスターバッチとを個別に計量した後、それぞれを個別のエクストルーダ型溶融押し出し機を用いて温度200℃で溶融し、芯鞘複合繊維横断面となる紡糸口金を用いて、単孔吐出量1.33g/分の条件下で溶融紡糸した。
紡出糸条を公知の冷却装置にて冷却した後、引き続いて紡糸口金の下方に設けたエアーサッカーにて牽引速度4000m/分で牽引細化し、公知の開繊器具を用いて開繊し、移動するスクリーンコンベア上にウエブとして捕集堆積させた。なお、堆積させた複合長繊維の単糸繊度は、3.0デシテックスであった。
次いで、実施例1と同様に、このウエブをエンボスロールと表面平滑な金属ロールとからなる熱エンボス装置に通して熱処理を施し、目付50g/mの生分解性長繊維不織布を得た。熱エンボス条件としては、両ロールの表面温度を105℃とし、エンボスロールは、個々の面積が0.6mmの円形の彫刻模様で、圧接点密度が20点/cm、圧接面積率が15%のものを用いた。
得られた実施例1〜9の生分解性長繊維不織布について、引張強力、ヒートシール性(T字剥離強力)、柔軟性について評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0004573622
実施例1〜9は、いずれも製糸性、開繊性は良好で、熱圧着において、収縮やエンボスロールに対する融着が生じることがなく、良好に繊維同士を接着し、機械的強力および柔軟性に優れたものであった。また、ヒートシール部付近には熱収縮が見られず、良好にシールされており、すなわち優れたヒートシール性を示すものであり、ヒートシールにより袋状物を得るなどの用途に適するものであった。
(比較例1)[熱エンボス条件変更]
熱圧着条件すなわち熱エンボス条件として、両ロールの表面温度を145℃とした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、生分解性長繊維不織布を製造した。
そうしたところ、両ロールの表面温度が高すぎたことにより鞘成分が軟化したため、不織布の熱圧着部の一部に孔があいてしまった。また不織布に熱収縮が生じ、このため実用的でなく、使用に耐えられる不織布ではなかつた。
(比較例2)[芯鞘成分入れ換え]
実施例1とは逆に、芯成分をP2とするとともに鞘成分をP1とした。またP2とP1との複合比が質量比でP2:P1=1:1となるようにした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、不織布を得ようとした。しかし、低融点成分が鞘成分に配された構成であったため、糸条の密着が発生し、このため開繊しにくく、不織布化が困難であった。
比較例1、2の結果についても表1に示す。

Claims (9)

  1. 芯部が鞘部により被覆された芯鞘型複合繊維を構成繊維とする不織布であって、前記構成繊維の鞘部が、D体とL体の共重合比がモル比でD体/L体=100/0〜95/5またはD体/L体=5/95〜0/100であるポリ乳酸系重合体によって形成され、前記構成繊維の芯部が、鞘部を構成する前記ポリ乳酸系重合体よりも融点の低い重合体によって形成され、前記不織布は、部分的に熱圧着されており、前記部分的な熱圧着部においては、鞘部が加圧により破壊され、該破壊された鞘部の内部から外部に溶出した芯部の重合体によって構成繊維同士が熱接着されていることを特徴とする生分解性不織布。
  2. 芯部の重合体の融点が鞘部のポリ乳酸系重合体の融点よりも40℃以上低いことを特徴とする請求項1記載の生分解性不織布。
  3. 芯部の重合体が結晶融点を有することを特徴とする請求項1または2記載の生分解性不織布。
  4. 芯部の重合体が、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ヒドロキシカルボン酸とを構成成分とする脂肪族ポリエステル共重合体であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の生分解性不織布。
  5. 芯部を形成する重合体と鞘部を形成する重合体との複合比が、質量比で、(芯部を形成する重合体)/(鞘部を形成する重合体)=4/1〜1/1の範囲であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載の生分解性不織布。
  6. 脂肪族ジオールが1,4−ブタンジオールであり、脂肪族ジカルボン酸がコハク酸であり、脂肪族ヒドロキシカルボン酸が乳酸であることを特徴とする請求項4記載の生分解性不織布。
  7. 鞘部を形成するポリ乳酸系重合体は、芯部を形成する脂肪族ポリエステル共重合体がブレンドされたものであることを特徴とする請求項4または6記載の生分解性不織布。
  8. スパンボンド長繊維不織布であることを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項記載の生分解性不織布。
  9. D体とL体の共重合比がモル比でD体/L体=100/0〜95/5またはD体/L体=5/95〜0/100であるポリ乳酸系重合体と、前記ポリ乳酸系重合体よりも低融点の重合体とを個別に溶融し、繊維横断面において前記低融点の重合体が芯部を形成しかつ前記ポリ乳酸系重合体が鞘部を形成するような芯鞘型複合紡糸口金を介して溶融紡糸し、前記口金より紡出した紡出糸条を冷却し、4000m/分〜6000m/分の牽引速度にて牽引細化して開繊し、得られた長繊維を堆積させて不織ウェブを形成し、この不織ウェブを、芯部の重合体が溶融または軟化し、かつ鞘部のポリ乳酸系重合体は溶融または軟化しない温度で部分的に熱圧着することで、鞘部を加圧により破壊させ、芯部の重合体を前記破壊させた鞘部の内部から外部へ溶出させるとともに、この溶出した芯部の重合体によって前記長繊維同士を熱接着して一体化させることを特徴とする生分解性不織布の製造方法。
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