JP4573622B2 - 生分解性不織布およびその製造方法 - Google Patents
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Description
鞘部を構成するポリ乳酸系重合体に、芯部を構成する低融点の重合体を、本発明の目的を達成し得る範囲で、具体的には鞘部の全重合体量に対して30質量%程度まで、ブレンドしてもよい。すなわち、鞘部においても、熱接着成分となる低融点の重合体を存在させておき、熱接着機能を担わせてもよい。本発明においては、このようなブレンド体をも含めて「ポリ乳酸系重合体」と総称する。
[実施例]
次に、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例における各種物性値は、次の方法により測定した。
(1)融点(℃):示差走査型熱量計(パーキンエルマ社製、DSC−2型)を用いて、試料質量を5mg、昇温速度を10℃/分として測定し、得られた融解吸熱曲線の最大値を与える温度を融点(℃)とした。
(2)開繊性:形成された不織ウエブを目視することにより、下記の3段階にて評価した。
△:密着糸及び収束糸がわずかであるが認められた。
×:構成繊維の大部分が密着し、開繊性が不良であった。
(3)目付(g/m2):試料長が10cm、試料幅が5cmの試料片10点を作成し、標準状態で各試料片の質量(g)を秤量し、得られた値の平均値を単位面積あたりに換算し、目付(g/m2)とした。
(4)引張強力(N/5cm幅)及び破断伸度(%):試料長20cm、試料幅5cmの試料片各10点を作製し、各試料について、定速伸張型引張試験機(オリエンテック社製テンシロンUTM−4−1−100)を用い、つかみ間隔10cm、引張速度20cm/分で伸張し、得られた切断時破断荷重(N/5cm幅)の平均値を引張強力(N/5cm幅)とした。また、上記条件で得られた切断時の伸度(%)の平均値を破断伸度とした。
(5)T字剥離強力(N/3cm幅):幅3cm以上の試料を用意し、この試料を二枚重ねにして、ヒートシール機のシール幅を1cm、ヒートシール圧力1kgf/cm2、ヒートシール時間1秒、ヒートシール温度130℃で、上記試料の幅方向にわたってヒートシール加工した。このとき、ヒートシール部から二枚重ねの各試料の一端部までの長さは、後述のつかみ間隔の関係上、2.5cm以上とした。ヒートシール部から二枚重ねの各試料の他端部までの長さは、任意とした。そして、ヒートシール加工されたシートを幅3cmになるように必要に応じて裁断し、これをT字剥離強力の測定試料として10点作製した。各測定試料毎に、定速伸張型引張試験機(オリエンテック社製テンシロンUTM−4−1−100)を用い、つかみ間隔5cm、引張速度20cm/分で伸張し、ヒートシール部をT字形に剥離させた。そして、T字剥離時の荷重の最大値と最小値とをそれぞれ読みとり、その平均値(第1の平均値)を求め、測定試料10点を測定して得られた10個の第1の平均値についての平均値をT字剥離強力とした。本発明においては、このT字剥離強力が3.0N/3cm幅以上である場合に、ヒートシール性が良好で実用的であると評価した。
(6)圧縮剛軟度(g):試料長が10cm、試料幅が5cmの試料片5点を作成し、各試料毎に横方向に曲げて円筒状物とし、各々その端部を接合したものを圧縮剛軟度測定用試料とした。次いで、各測定試料毎に、その円筒の軸方向について、定速伸張型引張試験機(オリエンテック社製テンシロンUTM−4−1−100)を用い、圧縮速度5cm/分で圧縮し、得られた最大荷重値(g)の平均値を圧縮剛軟度(g)とした。なお、圧縮剛軟度は、値が小さいほど柔軟性が優れていることを意味するものである。
(実施例1)
芯成分として、融点110℃、MFR60g/10分の、脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸及び乳酸を構成成分とする脂肪族ポリエステル共重合体(三菱化学社製 商品名GSPla;以下、「P1」と略記する)を用意した。また、鞘成分として、融点168℃、MFR70g/分のL−乳酸/D−乳酸=98.6/1.4モル%のL−乳酸/D−乳酸共重合体(以下、「P2」と略記する)を用意した。
(実施例2)[芯鞘比変更]
P1とP2との複合比が質量比でP1:P2=1:1となるようにした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、生分解性長繊維不織布を得た。
(実施例3)[繊度変更]
単孔吐出量を3.5g/分として、長繊維の繊度を6.3デシテックスとした。また牽引速度を5500m/分とした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、生分解性長繊維不織布を得た。
(実施例4)[添加剤1]
P1及びP2をベースとして、タルクに代えて二酸化チタンを20質量%練り込み含有したマスターバッチを用いた。そして、それ以外は実施例1と同様にして、生分解性長繊維不織布を得た。
(実施例5)[添加剤2]
P2をベースとして、タルクに代えてカーボンを20質量%練り込み含有したマスターバッチを用い、カーボンの添加量がP2溶融重合体中に0.5質量%となるようにした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、生分解性不織布を得た。
(実施例6、実施例7)[目付変更]
不織布の目付を20g/m2(実施例6)、100g/m2(実施例7)とした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、生分解性長繊維不織布を得た。
(実施例8)[鞘成分ブレンド]
芯成分のためにP1を用意した。鞘成分のために、P1とP2とを質量比でP1/P2=20/80すなわちポリ乳酸がリッチとなるように溶融ブレンドしてなるブレンド体(以下、「P3」と略記する)を得た。
(実施例9)[芯成分変更]
芯成分として、融点110℃、MFR20g/10分の脂肪族ポリエステル系重合体(昭和高分子化学社製のポリブチレンサクシネート 商品名ビオノーレ#1010;以下、「P4」と略記する)を用意した。また、鞘成分としてP2を用意した。さらに、P4をベースとして、結晶核剤としてのタルクを20質量%練り込み含有したマスターバッチと、P2をベースとして同様に結晶核剤としてのタルクを20質量%練り込み含有したマスターバッチとを用意した。
(比較例1)[熱エンボス条件変更]
熱圧着条件すなわち熱エンボス条件として、両ロールの表面温度を145℃とした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、生分解性長繊維不織布を製造した。
(比較例2)[芯鞘成分入れ換え]
実施例1とは逆に、芯成分をP2とするとともに鞘成分をP1とした。またP2とP1との複合比が質量比でP2:P1=1:1となるようにした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、不織布を得ようとした。しかし、低融点成分が鞘成分に配された構成であったため、糸条の密着が発生し、このため開繊しにくく、不織布化が困難であった。
Claims (9)
- 芯部が鞘部により被覆された芯鞘型複合繊維を構成繊維とする不織布であって、前記構成繊維の鞘部が、D体とL体の共重合比がモル比でD体/L体=100/0〜95/5またはD体/L体=5/95〜0/100であるポリ乳酸系重合体によって形成され、前記構成繊維の芯部が、鞘部を構成する前記ポリ乳酸系重合体よりも融点の低い重合体によって形成され、前記不織布は、部分的に熱圧着されており、前記部分的な熱圧着部においては、鞘部が加圧により破壊され、該破壊された鞘部の内部から外部に溶出した芯部の重合体によって構成繊維同士が熱接着されていることを特徴とする生分解性不織布。
- 芯部の重合体の融点が鞘部のポリ乳酸系重合体の融点よりも40℃以上低いことを特徴とする請求項1記載の生分解性不織布。
- 芯部の重合体が結晶融点を有することを特徴とする請求項1または2記載の生分解性不織布。
- 芯部の重合体が、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ヒドロキシカルボン酸とを構成成分とする脂肪族ポリエステル共重合体であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の生分解性不織布。
- 芯部を形成する重合体と鞘部を形成する重合体との複合比が、質量比で、(芯部を形成する重合体)/(鞘部を形成する重合体)=4/1〜1/1の範囲であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載の生分解性不織布。
- 脂肪族ジオールが1,4−ブタンジオールであり、脂肪族ジカルボン酸がコハク酸であり、脂肪族ヒドロキシカルボン酸が乳酸であることを特徴とする請求項4記載の生分解性不織布。
- 鞘部を形成するポリ乳酸系重合体は、芯部を形成する脂肪族ポリエステル共重合体がブレンドされたものであることを特徴とする請求項4または6記載の生分解性不織布。
- スパンボンド長繊維不織布であることを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項記載の生分解性不織布。
- D体とL体の共重合比がモル比でD体/L体=100/0〜95/5またはD体/L体=5/95〜0/100であるポリ乳酸系重合体と、前記ポリ乳酸系重合体よりも低融点の重合体とを個別に溶融し、繊維横断面において前記低融点の重合体が芯部を形成しかつ前記ポリ乳酸系重合体が鞘部を形成するような芯鞘型複合紡糸口金を介して溶融紡糸し、前記口金より紡出した紡出糸条を冷却し、4000m/分〜6000m/分の牽引速度にて牽引細化して開繊し、得られた長繊維を堆積させて不織ウェブを形成し、この不織ウェブを、芯部の重合体が溶融または軟化し、かつ鞘部のポリ乳酸系重合体は溶融または軟化しない温度で部分的に熱圧着することで、鞘部を加圧により破壊させ、芯部の重合体を前記破壊させた鞘部の内部から外部へ溶出させるとともに、この溶出した芯部の重合体によって前記長繊維同士を熱接着して一体化させることを特徴とする生分解性不織布の製造方法。
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