JP4573647B2 - ヒートシール構造体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
リ乳酸系重合体とこれよりも低融点の重合体とを芯鞘複合形態に配置させることにより、柔軟性と強力とを併せ持ち、かつヒートシール性等の熱処理加工性を有する不織布を得、該不織布によりヒートシール構造体を得ることが可能となったものである。
いて、ウエブを構成する長繊維における芯部の低融点の重合体の融点を(Tm)℃とした
ときに、(Tm−80)℃〜(Tm−15)℃の加工温度で、かつロールの線圧を5〜3
0kg/cmとして、部分的に熱圧着を施すことにより仮熱圧着点を形成する。次いで、
上述の三次元的交絡処理を施すことによって、仮熱圧着点における構成長繊維同士の少な
くとも一部を剥離させて、この剥離状態の繊維を含めた長繊維の全体を相互に三次元的に
交絡させて全体として一体化することで、長繊維不織布を得ることができる。
次に、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例における各種物性値は、次の方法により測定した。
△:密着糸及び収束糸がわずかであるが認められた。
×:構成繊維の大部分が密着し、開繊性が不良であった。
芯成分として、融点110℃、MFR60g/10分の、脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸及び乳酸を構成成分とする脂肪族ポリエステル共重合体(三菱化学社製 商品名GSPla;以下、「P1」と略記する)を用意した。また、鞘成分として、融点168℃、MFR70g/分のL−乳酸/D−乳酸=98.6/1.4モル%のL−乳酸/D−乳酸共重合体(以下、「P2」と略記する)を用意した。
次に、このように仮熱圧着処理を施した長繊維不織ウエブに、針深14mm、パンチ密度90パンチ/cm2の条件でニードルパンチ処理を施し、生分解性長繊維不織布を得た。
P1とP2との複合比が質量比でP1:P2=1:1となるようにした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、生分解性長繊維不織布を得た。
P2をベースとして、タルクに代えてカーボンを20質量%練り込み含有したマスターバッチを用い、カーボンの添加量がP2溶融重合体中に0.5質量%となるようにした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、生分解性不織布を得た。
不織布の目付を100g/m2とした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、生分解性長繊維不織布を得た。
芯成分として、融点110℃、MFR20g/10分の脂肪族ポリエステル系重合体(昭和高分子化学社製のポリブチレンサクシネート 商品名ビオノーレ#1010;以下、「P4」と略記する)を用意した。また、鞘成分としてP2を用意した。さらに、P4をベースとして、結晶核剤としてのタルクを20質量%練り込み含有したマスターバッチと、P2をベースとして同様に結晶核剤としてのタルクを20質量%練り込み含有したマスターバッチとを用意した。
実施例1とは逆に、芯成分をP2とするとともに鞘成分をP1とした。またP2とP1との複合比が質量比でP2:P1=1:1となるようにした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、不織布を得ようとした。しかし、低融点成分が鞘成分に配された構成であったため、糸条の密着が発生し、このため開繊しにくく、不織布化が困難であった。
Claims (7)
- 生分解性不織布がヒートシールされた構成のヒートシール構造体であって、前記生分解性不織布は、芯部が鞘部により被覆された芯鞘型複合繊維を構成繊維とし、前記構成繊維同士が三次元的に交絡して一体化され、前記構成繊維の鞘部が、D体とL体の共重合比がモル比でD体/L体=100/0〜95/5またはD体/L体=5/95〜0/100であるポリ乳酸系重合体によって形成され、前記構成繊維の芯部が、鞘部を構成する前記ポリ乳酸系重合体よりも融点の低い重合体によって形成されたものであり、前記ヒートシール構造体は、前記生分解性不織布がヒートシールされることで、鞘部が加圧により破壊され、該破壊された鞘部の内部から外部へ溶出した芯部の重合体によって前記構成繊維同士が熱接着されたものであることを特徴とするヒートシール構造体。
- 芯部の重合体の融点が鞘部のポリ乳酸系重合体の融点よりも40℃以上低いことを特徴とする請求項1記載のヒートシール構造体。
- 芯部の重合体が結晶融点を有することを特徴とする請求項1または2記載のヒートシール構造体。
- 芯部の重合体が、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ヒドロキシカルボン酸とを構成成分とする脂肪族ポリエステル共重合体であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載のヒートシール構造体。
- 芯部を形成する重合体と鞘部を形成する重合体との複合比が、質量比で、(芯部を形成する重合体)/(鞘部を形成する重合体)=4/1〜1/1の範囲であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載のヒートシール構造体。
- 脂肪族ジオールが1,4−ブタンジオールであり、脂肪族ジカルボン酸がコハク酸であり、脂肪族ヒドロキシカルボン酸が乳酸であることを特徴とする請求項4記載のヒートシール構造体。
- 生分解性不織布がヒートシールされた構成のヒートシール構造体を製造するに際し、D体とL体の共重合比がモル比でD体/L体=100/0〜95/5またはD体/L体=5/95〜0/100であるポリ乳酸系重合体と、前記ポリ乳酸系重合体よりも低融点の重合体とを個別に溶融し、繊維横断面において前記低融点の重合体が芯部を形成しかつ前記ポリ乳酸系重合体が鞘部を形成するような芯鞘型複合紡糸口金を介して溶融紡糸し、前記口金より紡出した紡出糸条を冷却し、4000m/分〜6000m/分の牽引速度にて牽引細化して開繊し、得られた長繊維を堆積させて不織ウェブを形成し、この不織ウェブに三次元交絡処理を施して一体化させて得られた生分解性不織布をヒートシールすることで、鞘部を加圧により破壊させ、芯部の重合体を前記破壊させた鞘部の内部から外部へ溶出させるとともに、この溶出した芯部の重合体によって前記長繊維同士を熱接着することを特徴とするヒートシール構造体の製造方法。
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