JPH06256505A - 透明コポリアミドからなる成形体 - Google Patents

透明コポリアミドからなる成形体

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JPH06256505A
JPH06256505A JP5327923A JP32792393A JPH06256505A JP H06256505 A JPH06256505 A JP H06256505A JP 5327923 A JP5327923 A JP 5327923A JP 32792393 A JP32792393 A JP 32792393A JP H06256505 A JPH06256505 A JP H06256505A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明コポリアミドからなる成形体。 【構成】 透明コポリアミドは、a)長鎖成分として
の、C−原子9〜12個を有するモノマー96〜20重
量部及びb)部分芳香族ポリアミド用モノマー80〜4
重量部から構成されており、その際、ジアミン:H2
−R−NH2(式中、Rは、C−原子2〜12個を有す
る直鎖又は分枝鎖の脂肪族基又はC−原子7〜10個を
有する芳香脂肪族基又はC−原子6〜42個を有する脂
環式基であってよい)少なくとも1種は、C−原子9〜
36個を有する長鎖の脂肪族ジカルボン酸最大15モル
%により置換されていてよい、芳香族ジカルボン酸少な
くとも1種と、ほぼ等モル比で結合している。成形体
は、この透明コポリアミドからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長鎖モノマー成分を有
する透明コポリアミドからなる熱可塑性成形体に関す
る。特に、その優れた透明性と共に特別に高い靱性、優
れた耐溶剤性及び非常に僅かな吸水性を有するコポリア
ミドに関する。
【0002】本発明による成形体は、中空体、プレー
ト、棒、管、被覆、シート又は繊維、例えば保護部材又
はカバー部材もしくは装置及び設備、用具及び導管系の
導管として、液体及び気体用圧力タンクとして、必需品
及びスポーツ用具の耐摩擦性で耐衝撃性の被覆又は表張
りとして、又は医薬品及び趣味商品用の機械的に安定な
部品又は食料品に使用するもの並びにシート又は繊維と
して使用される。
【0003】
【従来の技術】欧州特許第313436号明細書は、大
抵が長鎖であるラクタム1種、テレフタル酸及び/又は
イソフタル酸及び大抵が置換されている脂環式ジアミン
1種から製造される透明な熱可塑性ポリアミドに関す
る。これらのコポリアミドは、比較的堅く、高い耐熱変
形性を有するが、その靱性及び耐溶剤性は、僅かであ
る。更に、これは高い溶融粘度を有し、このことは加工
を難しくする。
【0004】他の透明コポリアミドは、欧州特許第42
3472号明細書に記載されており、このコポリアミド
は、アルコール及び沸騰水に対して良好な耐性を有し、
かつデカメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレン
ジアミン、ジシカン(Dicycan)及びテレフタル酸及び/
又はイソフタル酸から重縮合される。このコポリアミド
も、とりわけ低い温度での不十分な衝撃強さ及び使用さ
れた高価な原料の故に、使用が限られている。
【0005】英国特許(GB−A)第2129370号
明細書に、その一つの層が、ビニルアルコール−コポリ
マーからなり、被覆層としての他の層が、種々のモノマ
ー、例えばラクタム、長鎖脂肪族ジカルボン酸及び/又
はテレフタル酸又はイソフタル酸及び脂肪族ジアミン、
もしくはキシリレンジアミンから製造された多数の脂肪
族ポリアミドからなっている食料品パッキング用多層シ
ートが記載されている。これらのポリアミドは、柔軟で
あるが、部分結晶性であり、即ち透明でなく、特に食料
品パッキングに好適である。それというのもPA12を
基礎とする生成物とは反対に良好な酸素障壁を有するか
らである。
【0006】特開昭63−120645号公報に、一つ
の層がポリカルボネートから形成され、他の層が、脂肪
族ジアミン及びテレフタル酸又はイソフタル酸100〜
60%及びラクタム又は脂肪族ジアミン及び脂肪族ジカ
ルボン酸40%までから製造された部分結晶性ポリアミ
ドからなる3層−ラミネートが請求されており、これは
酸素及び炭酸に対する良好な障壁作用に基づき、飲料瓶
に使用することができる。これらの生成物は、カプロラ
クタム及びヘキサメチレンジアミン及びテレフタル酸又
はイソフタル酸から多数構成されており、かつ飲料瓶に
必要である機械的堅牢性を得るために、ポリカルボネー
トの高い溶融粘度を有すべきである。これらは、本発明
で請求された透明コポリアミドとは著しく異なる。
【0007】特開昭62−290725号公報で、脂肪
族ジアミン、イソフタル酸又はテレフタル酸75〜10
0%及びラクタム又は脂肪族ジアミン及び脂肪族ジカル
ボン酸25〜0%が重縮合されたポリアミドからなるパ
ッキング用中空体が保護されている。使用されるモノマ
ー、ヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸、イソフタ
ル酸及びカプロラクタムは、ポリアミドに良好な障壁特
性を与えるが、モノマーの移動を妨害し、更に、生成物
は、比較的高い吸湿性を示す。
【0008】同じことが、脂肪族ジアミン、イソフタル
酸又はテレフタル酸10〜100%及び短鎖ラクタム又
は脂肪族ジアミン又は脂肪族ジカルボン酸からなるポリ
アミド90〜0%からなるポリアミドから吹込成形され
た透明シートが請求されている特開昭62−14396
9号公報にも当てはまる。
【0009】無定形高透明ポリアミドに関する重要な要
求は、水性及び有機溶剤に対する高い靱性及び耐応力亀
裂性である。これらの特性は、従来、高い堅牢性及び剛
性と共に、満足できる量で達成されなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、一方で、特に剛性で堅く、かつ冷時耐衝撃性であ
り、他方では、良好な耐溶剤性を有し、更に低い吸水性
に基づき機械特性の僅かの変化を条件が整えられた状態
で示す透明ポリアミドから成形体を製造することであっ
た。
【0011】
【課題を解決するための手段】この課題は、請求項1記
載の特徴を有する成形体により解決された。これは、特
に、成形体は、長鎖及び短鎖のモノマーから選択された
組合せから重縮合されたコポリアミドからなり、かつ成
形体は、一方では良好に透明であり、他方では、条件が
整えられた状態で僅かに変化するだけの満足な剛性、堅
牢性及び高い靱性を有することにより解決された。
【0012】本発明による成形体に使用されるコポリア
ミドの有利なモノマーは、一方では、長鎖C9〜C12
ラクタム、例えばラウリンラクタム又は相応するω−ア
ミノカルボン酸、例えばω−アミノラウリン酸又は長鎖
ジアミンとC−原子9〜12個を有するジカルボン酸と
の組合せ、例えばドデカンジアミン/ドデカンジ酸又は
ドデカンジアミン/セバシン酸又はドデカンジアミン/
36−ダイマー酸であり、他方では、4〜70重量部の
部分芳香族ポリアミド用モノマーであり、その際、ジア
ミン:H2N−R−NH2(式中、Rは、C−原子2〜1
2個を有する直鎖又は分枝鎖の脂肪族基又はC−原子7
〜10個を有する芳香脂肪族基又はC−原子6〜42個
を有する脂環式基であってよい)少なくとも1種は、C
−原子9〜36個を有する長鎖の脂肪族ジカルボン酸最
大15モル%により置換されていてよい、芳香族ジカル
ボン酸少なくとも1種と、ほぼ等モル比で結合してい
る。
【0013】96〜30重量部になる有利なジアミン
は、広く開いて配置された置換基又は付加的な官能性基
を有する脂環式ジアミン、例えば3,3′−ジメチル−
4,4′−ジアミノ−ジシクロヘキシル−メタン又は
4,4′−ジアミノ−ジシクロヘキシル−2,2−プロ
パン又は4,4′−ジアミノ−ジシクロヘキシル−メタ
ン又は1,3−及び1,4−ビス−アミノメチル−シク
ロヘキサン、即ち一般式I:
【0014】
【化3】
【0015】[式中、x=0〜6、R′=相互に無関係
に、H−、CH3−、C25−、イソプロピル−、t−
ブチル−]に関係づけることができるもの、一般式II:
【0016】
【化4】
【0017】のもの及び/又は分枝鎖又は非分枝鎖を有
する脂肪族C6〜C12−ジアミンであり、これは、芳香
族ジカルボン酸、たとえばイソフタル酸、テレフタル
酸、2.6ナフタリンジカルボン酸、5−t−ブチルイ
ソフタル酸とほぼ当モル比で結合する。
【0018】有利な実施形では、モノマーa対bの比
は、95〜40:60〜5、特に90〜45:55〜1
0である。
【0019】本発明によるコポリアミドは、モノマー成
分の統計的分布を有する。これらは、高い透明性により
優れているが、部分的に融点を有する。他方、ガラス転
移点は、30〜130℃である。これらは、室温及び−
40℃の温度での非常に高い靱性及び溶剤、例えばメタ
ノール、イソプロパノール、アセトン、n−ヘキサン、
トルエン又は中性並びに酸性及びアルカリ性水性溶剤に
対して、請求された、良好な耐性を示す。
【0020】堅牢性及び剛性は、広い限度内で調整でき
るので、例えば引張E−モジュール(Zug E-Modul:DIN
53457)は、1000〜2300N/mm2で、又は耐熱
変形性は、50〜100℃で変化しうる。
【0021】本発明による成形体のコポリアミドは、当
然、慣用法で、他のホモポリアミドと、有利にPA6、
PA11又はPA12又はエラストマーコポリアミド
と、同様に他の市販のポリアミドと混ぜて、有利に、透
明なブレンドにし、このことにより有利な方法で、良好
な離型性及び柔軟性が得られる。これらは、公知技術水
準により公知の使用できる添加剤、例えば顔料、安定
剤、充填剤等々を含有してもよい。
【0022】本発明による成形体は、中空体、プレー
ト、棒、管、シート、外被膜及び繊維の群から選択され
ている。
【0023】
【実施例】記載の透明コポリアミドを、次ぎの実施例に
より説明する。
【0024】例1 容量150lのオートクレーブ中に、ラウリンラクタム
30.0kg、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミ
ノジシクロヘキシルメタン12.3kg、テレフタル酸
8.4kg、酢酸0.090kg、亜リン酸0.015
kg及び水5kgを、予加熱し窒素で排気した受け器を
介して充填した。オートクレーブを295〜305℃ま
で加熱し、4バールまで放圧した。0バールまでの放圧
を270℃で行った。溶融ポンプ(Schmelzepumpe)及び
加熱された穴ノズルを介して棒を注出し、長さ2mの冷
水浴に通し、かつ造粒装置を用いて均一な顆粒に切断し
た。
【0025】透明顆粒は、100℃で、15時間真空中
で乾燥させ、アーブルグ型(Typ Arburg)射出成形機を用
いて、約250℃の温度で射出成形して、試験体にし
た。
【0026】生成物は、m−クレゾール中、0.5%で
の相対溶液粘度1.77及び270℃/122.6Nで
の溶融粘度1830Pa・sを有した。
【0027】試験体の検査は、次ぎの値を示した: 衝撃強さ、 23℃/乾燥 (DIN53453): 無破損 ノッチ衝撃強さ、 23℃/乾燥 kJ/m2 (DIN53453): 12 ノッチ衝撃強さ、 −40℃/乾燥 kJ/m2 (DIN53453): 5.3 破断強さ、 23℃/乾燥 N/mm2 (DIN53455): 42 破断伸び、 23℃/乾燥 % (DIN53455): 220 引張E−モジュール、23℃/乾燥 N/mm2 (DIN53457): 1850 例2 例1と同じ方法で、オートクレーブ中に、ラウリンラク
タム30.5kg、3,3’−ジメチル−4,4’−ジ
アミノジシクロヘキシルメタン4.6kg、テレフタル
酸3.1kg、酢酸0.15kg、亜リン酸0.025
kg及び水10lを充填し、300℃で重縮合させた。
生成物を乾燥後に射出成形して試験体にした。
【0028】特性は、次ぎの通りであった: 相対粘度(0.5%m−クレゾール) : 1.73 溶融粘度(270℃/122.6N) Pa・s : 200 TG及び融点 ℃ :50及び151 衝撃強さ、 (DIN53453): OB ノッチ衝撃強さ、 23℃/乾燥 kJ/m2 (DIN53453): 17 破断強さ、 23℃/乾燥 N/mm2 (DIN53455): 48 破断伸び、 23℃/乾燥 % (DIN53455): 310 引張E−モジュール、23℃/乾燥 N/mm2 (DIN53457): 1550 例3 他の実施法で、同じオートクレーブ中に、ラウリンラク
タム17.5kg、ヘキサメチレンジアミン5.0k
g、テレフタル酸7.0kg、酢酸0.120kg及び
亜リン酸0.10kgを水5kgと一緒に充填し、加圧
下に295℃まで加熱した。放圧及び排気工程後に、生
成物を紡糸ポンプを用いてロープとして注出し、冷却
し、造粒した。射出成形機を用いて乾燥させた透明顆粒
から製造された透明試験体は、次ぎの特性を有した: 相対粘度(0.5%m−クレゾール) : 1.57 溶融粘度(270℃/122.6N) Pa・s : 460 TG及び融点 ℃ :65及び223 衝撃強さ、 (DIN53453): 40%OB kJ/m2 : 60%24 ノッチ衝撃強さ、 23℃/乾燥 kJ/m2 (DIN53453): 6.2 破断強さ、 23℃/乾燥 N/mm2 (DIN53455): 56 破断伸び、 23℃/乾燥 % (DIN53455): 75 引張E−モジュール、23℃/乾燥 N/mm2 (DIN53457): 1900 例4〜6 後記の表は、種々の原料の組合せを用いた3種の重縮合
を示す。溶剤粘度及び引張棒(Zugstaeben)を用いて堅牢
値を測定した。
【0029】
【表1】
【0030】例7〜12 これらの検査も例1の方法工程に従って実施する。結果
並びに検査物質の組成を、第II表に示す。比較のため
に、種々のポリアミドの物理特性を、第III表に示す。
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長鎖のモノマー成分を有する透明コポリ
    アミドからなる成形体において、コポリアミドは、 a)長鎖成分としての、C−原子9〜12個を有するモ
    ノマー96〜20重量部及び b)部分芳香族ポリアミド用モノマー80〜4重量部か
    ら構成されており、その際、ジアミン:H2N−R−NH2(式
    中、Rは、C−原子2〜12個を有する直鎖又は分枝鎖
    の脂肪族基又はC−原子7〜10個を有する芳香脂肪族
    基又はC−原子6〜42個を有する脂環式基であってよ
    い)少なくとも1種は、C−原子9〜36個を有する長
    鎖の脂肪族ジカルボン酸最大15モル%により置換され
    ていてよい、芳香族ジカルボン酸少なくとも1種と、ほ
    ぼ等モル比で結合していることを特徴とする、透明コポ
    リアミドからなる成形体。
  2. 【請求項2】 長鎖のモノマー成分を有する透明コポリ
    アミドからなる成形体において、コポリアミドは、 a)長鎖成分としてのC−原子9〜12個を有するモノ
    マー96〜30重量部及び b)部分芳香族ポリアミド用モノマー70〜4重量部か
    ら構成されており、その際、ジアミン:H2N−R−NH2(式
    中、Rは、C−原子2〜12個を有する直鎖又は分枝鎖
    の脂肪族基又はC−原子7〜10個を有する芳香脂肪族
    基又はC−原子6〜42個を有する脂環式基であってよ
    い)少なくとも1種は、C−原子9〜36個を有する長
    鎖の脂肪族ジカルボン酸最大15モル%により置換され
    ていてよい、芳香族ジカルボン酸少なくとも1種と、ほ
    ぼ等モル比で結合していることを特徴とする、透明コポ
    リアミドからなる成形体。
  3. 【請求項3】 長鎖モノマーは、C−原子9〜12個を
    有するラクタム、C−原子9〜12個を有するω−アミ
    ノカルボン酸、C−原子9〜12個を有する脂肪族ジア
    ミン及びC−原子9〜12個を有する脂肪族ジカルボン
    酸の群から選択される、請求項1記載の成形体。
  4. 【請求項4】 ジアミンは、式I: 【化1】 [式中、x=0〜6、R′=相互に無関係に、H−、C
    3−、C25−、イソプロピル−、t−ブチル−]又
    はII: 【化2】 を有する、請求項1記載の成形体。
  5. 【請求項5】 モノマーa対bの比は、95〜40:6
    0〜5である、請求項1から4までのいずれか1項記載
    の成形体。
  6. 【請求項6】 比a対bは、90〜45:55〜10で
    ある、請求項5記載の成形体。
  7. 【請求項7】 芳香族ジカルボン酸少なくとも1種は、
    イソフタル酸、テレフタル酸、置換芳香族ジカルボン酸
    及びナフタリンジカルボン酸の群から選択される、請求
    項1から6までのいずれか1項記載の成形体。
  8. 【請求項8】 中空体、プレート、棒、管、シート、外
    被膜及び繊維の群から選択されている、請求項1から7
    までのいずれか1項記載の成形体。
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