JP2018035248A - 離型フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、離型フィルムとして特定の末端変性ポリアミド樹脂を用いることにより、密着性、靭性、離型性、追従性、耐汚染性、および耐熱性等に優れた離型フィルムを提供する。【解決手段】本発明離型フィルムは、下記一般式(I)で表される末端構造を1〜20質量%含有する末端変性ポリアミド(A)を用いてなる。−X−(R1−O)m−R2(I)(上記一般式(I)中、mは2〜100の範囲を表す。R1は炭素数2〜10の2価の炭化水素基を、R2は炭素数1〜30の1価の炭化水素基をそれぞれ表す。−X−は−NH−、−N(CH3)−または−(C=O)−を表す。一般式(I)中に含まれるm個のR1は、同じでも異なってもよい。)【選択図】 なし

Description

本発明は、離型フィルムとして特定の末端変性ポリアミド樹脂を用いることにより、密着性、靭性、離型性、追従性、耐汚染性、および耐熱性等に優れた離型フィルムに関するものである。
スポーツ用品、自動車・航空機部品、および電気・電子機器の製造工程において、離型フィルムが使用されている。特に、プリント配線基板、フレキシブルプリント配線基板、多層プリント配線基板などの製造において離型フィルムは欠かせないものとなっている。例えば、フレキシブルプリント基板の製造工程において、フレキシブルプリント基板とカバーレイフィルムを熱硬化性の接着剤を介して加熱したプレス機にて接着する工程において、カバーレイフィルムとプレス機との接着を防止する役割を果たす。離型フィルムに要求される特性は、接着防止に加えてフレキシブルプリント基板および銅箔への接着性と離型性、熱硬化性接着剤のはみ出しを抑制するための高温での追従性、剥離する際にフィルムが割れないための靭性、および剥離後にフレキシブルプリント基板および銅箔への耐汚染性が必要となる。
離型フィルムを構成する樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、および主鎖中にポリアルキレンオキサイド構造を有するポリアミド系樹脂が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
近年生産性向上の観点から、熱プレス工程の高温化が要求されており、これらの離型フィルムに対しては、さらなる耐熱性の向上が重要となっており、熱プレス工程後も密着性、離型性、追従性、耐汚染性といった機能を発現することが求められている。
特開2004−2593号公報
しかしながら、ポリブチレンテレフタレート系樹脂からなるフィルムでは、熱プレス工程を高温化することで離型性が低下するとともに、熱分解の進行によって発生するオリゴマー成分およびによりプリント配線基板と銅箔を汚染し、さらに熱分解によってテトロヒドロフランがガス成分として発生し密着性を低下させる課題があった。ポリプロピレン系樹脂からなるフィルムでは、耐熱性に劣り離型性が不十分となる課題があった。主鎖中にポリアルキレンオキサイド構造を有するポリアミド系樹脂からなるフィルムでは、熱プレス工程を高温化することで、加熱時の酸化劣化により密着性、離型性が低下する課題があった。同時に主鎖中のポリアルキレンオキサイド構造の酸化劣化による断裂が生じることで分子量が低下し靭性が低下するとともに、オリゴマー成分発生によりプリント配線基板と銅箔を汚染する課題があった。
そこで本発明の目的は、上記課題に鑑み、離型フィルムとして特定の構造を有する末端変性ポリアミド樹脂を用いることにより、高温で熱プレス後において優れた特性を発言する離型フィルムを提供することにある。より具体的には密着性、靭性、離型性、追従性、耐汚染性、および耐熱性等に優れた離型フィルムを提供することにある。
本発明者らは、密着性、靭性、離型性、追従性、耐汚染性、および耐熱性の両立を達成させるべく離型フィルムの検討を重ねた結果、ポリアミド樹脂の末端に、特定の構造を特定量含有する末端変性ポリアミド樹脂を用いることにより、上記した課題を解決できることを見出し、本発明に達した。すなわち本発明は、以下の構成を有する。
[1]下記一般式(I)で表される末端構造を1〜20質量%含有する末端変性ポリアミド樹脂(A)を用いてなる離型フィルム。
−X−(R−O)−R (I)
(上記一般式(I)中、mは2〜100の範囲を表す。Rは炭素数2〜10の2価の炭化水素基を、Rは炭素数1〜30の1価の炭化水素基をそれぞれ表す。−X−は−NH−、−N(CH)−または−(C=O)−を表す。一般式(I)中に含まれるm個のRは、同じでも異なってもよい。)
[2]末端変性ポリアミド樹脂(A)が、さらに下記一般式(II)で表される末端構造を0.1〜5質量%含有する前記[1]記載の離型フィルム。
−Y−R (II)
(上記一般式(II)中、Rは炭素数1〜30の1価の炭化水素基を表す。前記一般式(I)におけるXが−NH−または−N(CH)−の場合、上記一般式(II)における−Y−は−(C=O)−を表し、前記一般式(I)におけるXが−(C=O)−の場合、上記一般式(II)におけるYは−NH−または−N(CH)−を表す。)
[3]末端変性ポリアミド樹脂(A)が、前記一般式(I)で表される末端構造と前記一般式(II)で表される末端構造を合計60〜250[mol/t]含有し、かつ前記一般式(I)で表される末端構造の含有量[mol/t]と前記一般式(II)で表される末端構造の含有量[mol/t]の比((I)/(II))が0.3〜2.5である前記[2]に記載の離型フィルム。
[4]末端変性ポリアミド樹脂(A)が、アミノ末端基とカルボキシル末端基を合計50〜150[mol/t]含有し、かつアミノ末端基の含有量[mol/t]とカルボキシル末端基の含有量[mol/t]の比(アミノ末端基/カルボキシル末端基)が0.5〜2.5である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の離型フィルム。
[5]空気雰囲気下、180℃の条件下45分間滞留前後の重量平均分子量保持率が80%以上である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の離型フィルム。
本発明によれば、特定の末端構造で変性された末端変性ポリアミド樹脂を離型フィルムとして使用することにより、密着性、靭性、離型性、追従性、耐汚染性、および耐熱性等に優れた離型フィルムを得ることができる。
次に、本発明の離型フィルムを構成する末端変性ポリアミド樹脂について具体的に説明する。
本発明の実施形態において用いられる末端変性ポリアミド樹脂は、アミノ酸、ラクタムおよび「ジアミンとジカルボン酸との混合物」から選ばれる1種以上を主たる原料として得ることができるポリアミド樹脂であって、ポリアミド樹脂を構成するポリマーの少なくとも一部が、変性された構造をポリマーの末端基に有するものである。ポリアミド樹脂の主たる構造単位を構成する化学構造としては、アミノ酸またはラクタムを原料とする場合、炭素数が4〜20の範囲のものであることが好ましい。また、ジアミンとジカルボン酸とを原料とする場合は、ジアミンの炭素数は2〜20の範囲であることが好ましく、ジカルボン酸の炭素数は2〜20の範囲であるこが好ましい態様である。原料の代表例としては、次のものが挙げられる。
すなわち、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸。ε−カプロラクタム、ω−ウンデカンラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム。エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカンジアミン、ウンデカンジアミン、ドデカンジアミン、トリデカンジアミン、テトラデカンジアミン、ペンタデカンジアミン、ヘキサデカンジアミン、ヘプタデカンジアミン、オクタデカンジアミン、ノナデカンジアミン、エイコサンジアミン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,8−ジアミノオクタンなどの脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンなどの脂環式ジアミン;キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミンなどのジアミン。シュウ酸、マロン酸、スクシン酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸;これらジカルボン酸のジアルキルエステル、およびジクロリドなどが挙げられる。
本発明の実施形態においては、これらの原料から誘導されるポリアミドホモポリマーまたはコポリマーを用いることができる。ポリアミドが2種以上混合されてポリアミド樹脂となっていることも許容される。本発明の実施形態においては、機械特性および溶融滞留時の熱安定性をより向上させる観点から、上に例示した原料に由来する構造単位を、変性された構造を除いたポリアミド樹脂を構成する全構造単位100モル%中、80モル%以上有することが好ましく、90モル%以上有することがより好ましく、100モル%有することがさらに好ましい態様である。また、上に例示した原料に由来する重合構造は、直鎖構造であることが好ましい。
本発明の実施形態において用いられる末端変性ポリアミド樹脂の融点(Tm)は、200℃以上であることが好ましい。ここで、末端変性ポリアミド樹脂の融点は、示差走査熱量測定(DSC)により求めることができる。測定方法は、次のとおりである。末端変性ポリアミド樹脂5〜7mgを秤量する。窒素雰囲気下中、20℃から昇温速度20℃/分でTm+30℃まで昇温する。引き続き、降温速度20℃/分で20℃まで降温する。再度20℃から昇温速度20℃/分でTm+30℃まで昇温したときに現れる吸熱ピークの頂点の温度を、融点(Tm)と定義する。
融点が200℃以上の末端変性ポリアミド樹脂としては、下記のポリアミドおよびこれらの共重合体の末端に、変性された構造を有する末端変性ポリアミド樹脂が挙げられる。耐熱性、靭性などの必要特性に応じて、これらを2種以上用いることができる。
ポリアミドとしては、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリウンデカンアミド(ポリアミド11)、ポリドデカンアミド(ポリアミド12)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリペンタメチレンアジパミド(ポリアミド56)、ポリテトラメチレンセバカミド(ポリアミド410)、ポリペンタメチレンセバカミド(ポリアミド510)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリデカメチレンセバカミド(ナイロン1010)、ポリデカメチレンドデカミド(ナイロン1012)、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)、ポリメタキシリレンセバカミド(MXD10)、ポリパラキシリレンセバカミド(PXD10)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド10T)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド11T)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド12T)、ポリペンタメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド5T/6T)、ポリ−2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミドM5T/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ポリアミド66/6T/6I)、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンテレフタルアミド(ポリアミドMACMT)、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンイソフタルアミド(ポリアミドMACMI)、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ポリアミドMACM12)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンテレフタルアミド(ポリアミドPACMT)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンイソフタルアミド(ポリアミドPACMI)、およびポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ポリアミドPACM12)などが挙げられる。
とりわけ好ましいポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド56、ポリアミド410、ポリアミド510、ポリアミド610、ポリアミド6/66、ポリアミド6/12、ポリアミド9T、およびポリアミド10Tなどの末端に、変性された構造を有するポリアミドを挙げることができる。
本発明の実施形態において用いられる末端変性ポリアミド樹脂は、下記の一般式(I)で表される末端構造を有する。下記一般式(I)で表される末端構造は、アルキレンオキシド構造を有するため、得られるポリマーの分子運動性が高く、また、アミド基との親和性に優れている。ポリアミド樹脂の末端にある下記の一般式(I)で表される構造が、ポリアミド分子鎖の間に介在して、ポリマーの自由体積がより増加し、絡み合いがより減少する。その結果、ポリマーの分子運動性がさらに増大可能となることにより、離型フィルムとしたときの追従性を向上させることができる。同時に、アルキレンオキシド構造を末端に有することで、酸化劣化時の分子量の変化を最小限に抑制することが可能となる。このような効果は、ポリアルキレンオキシド構造をポリアミド樹脂の主鎖に主として有する場合に比べて、極めて高い効果である。
−X−(R−O)−R (I)
上記の一般式(I)中、nは2〜100の範囲を表す。nが大きいほど、追従性効果が効果的に奏される。nは5以上であることが好ましく、より好ましくは8以上であり、さらに好ましくは16以上である。一方、nが小さいほど、耐熱性をより高く維持することができる。nは70以下であることが好ましく、より好ましくは50以下である。ポリアミド樹脂の主たる構造単位に由来する特性を維持するという観点からは、上記の一般式(I)で表される構造を末端のみに有することが好ましい態様である。
上記の一般式(I)中、Rは炭素数2〜10の2価の炭化水素基を表す。ポリアミド樹脂の主たる構造単位との親和性の観点から、炭素数2〜6の炭化水素基がより好ましく、より好ましくは炭素数2〜4の炭化水素基である。末端変性ポリアミド樹脂の熱安定性および着色防止の観点から、Rは飽和炭化水素基であることが好ましい。
としては、例えば、エチレン基、1,3−トリメチレン基、イソプロピレン基、1,4−テトラメチレン基、1,5−ペンタメチレン基、および1,6−ヘキサメチレン基などが挙げられ、n個のRは、異なる炭素数の炭化水素基の組合せとすることができる。
は、炭素数2価の飽和炭化水素基および炭素数3の2価の飽和炭化水素基から少なくとも構成されることが好ましい。ポリアミド樹脂の主たる構造単位との親和性に優れるエチレン基および自由体積の大きいイソプロピレン基から構成されることがより好ましく、追従性効果をより効果的に発現させることができる。この場合、一般式(I)で表される末端構造はエチレン基を10個以上、かつイソプロピレン基を6個以下含有することが好ましく、所望に近い量の末端構造をポリアミド樹脂に導入することができ、追従性効果をより高めることができる。
また、Rは炭素数1〜30の1価の炭化水素基を表す。Rの炭素数が少ないほどポリアミド樹脂の主たる構造単位との親和性に優れるため、Rは炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。末端変性ポリアミド樹脂の熱安定性および着色防止の観点から、Rは1価の飽和炭化水素基であることがさらに好ましい態様である。
上記の一般式(I)中、−X−は−NH−、−N(CH)−または−(C=O)−を表す。これらのうちポリアミド樹脂の主たる構造単位との親和性に優れている−NH−がより好ましく用いられる。
本発明の実施形態において用いられる末端変性ポリアミド樹脂は、一般式(I)で表される末端構造を、末端変性ポリアミド樹脂を構成するポリマーの少なくとも一部の末端基に有することが好ましい。
本発明の実施形態において用いられる末端変性ポリアミド樹脂は、一般式(I)で表される末端構造を、末端変性ポリアミド樹脂100質量%中1〜20質量%含むことが好ましい。一般式(I)で表される末端構造の含有量が1質量%未満であると、密着性と離型性のバランスを制御しにくく、かつ追従性を向上させることができない。
一般式(I)で表される末端構造の含有量は、3質量%以上であることがより好ましく、さらに好ましくは5質量%以上である。一方、一般式(I)で表される末端構造の含有量が20質量%を超えると、溶融滞留時における一般式(I)で表される構造の熱分解によるガス成分の増加を抑制しにくく、密着性が低下し、耐汚染性も低下する。また、末端変性ポリアミド樹脂の分子量をより高くすることができることから、靭性をより向上させることができる。上記一般式(I)で表される末端構造の含有量は、15質量%以下であることがより好ましく、さらに好ましくは10質量%以下である。
本発明の実施形態において、末端変性ポリアミド樹脂中における一般式(I)で表される末端構造の含有量は、例えば、末端変性ポリアミド樹脂を製造する際に用いられる、後述する一般式(III)で表される末端変性用化合物の配合量により、所望の範囲に調整することができる。
本発明の実施形態において用いられる末端変性ポリアミド樹脂は、さらに下記の一般式(II)で表される末端構造を有することが好ましい態様である。
前述のとおり、一般式(I)で表される末端構造を導入することにより、末端変性ポリアミド樹脂を用いてなる離型フィルムの追従性を向上させ、密着性と離型性のバランスを制御することができるが、熱プレス加工時などの長期間にわたる高温での滞留時に、一般式(I)で表される末端構造の熱分解が進行しやすいという傾向がある。特に、ポリアミド樹脂のアミノ末端基とカルボキシル末端基が、一般式(I)で表される末端構造の熱分解触媒として作用するため、アミノ末端基量とカルボキシル末端基量を低減することにより、一般式(I)で表される末端構造の熱分解を抑制し、一般式(I)で表される末端構造による優れた追従性効果を維持しながら、熱安定性をより向上させることができる。
例えば、ポリアミド樹脂のカルボキシル末端基に、一般式(III)で表される末端変性用化合物を反応させることにより、一般式(I)で表される末端構造のみを導入する場合、アミノ基末端基量が高くなり、一般式(I)で表される構造の熱分解が進行しやすくなる。一方、アミノ末端基に下記一般式(II)で表される末端構造を導入することにより、一般式(I)で表される構造の熱分解を抑制することができることから、発生したガスおよびオリゴマー起因による密着性低下、靭性低下、および耐汚染性の低下を抑制することができる。
−Y−R (II)
(上記一般式(II)中、Rは炭素数1〜30の1価の炭化水素基を表す。Rの炭素数が少ないほどポリアミド樹脂の主たる構造単位との親和性に優れるため、炭素数1〜30の炭化水素基が好ましい。末端変性ポリアミド樹脂の熱安定性および着色防止の観点から、Rは1価の飽和炭化水素基がさらに好ましい。)
前記の一般式(I)におけるXが−NH−または−N(CH)−の場合、上記の一般式(II)における−Y−は−(C=O)−を表し、前記の一般式(I)におけるXが−(C=O)−の場合、上記の一般式(II)におけるYは−NH−または−N(CH)−を表す。
通常、ポリアミド樹脂の末端は、アミノ末端基とカルボキシル末端基からなり、後述する一般式(III)で表される末端変性用化合物がアミノ末端基を有する場合、この末端変性用化合物はポリアミド樹脂のカルボキシル末端基と反応し、一般式(I)におけるXが−NH−または−N(CH)−となる。この場合、ポリアミド樹脂のもう一方の末端であるアミノ末端基を、後述する一般式(IV)で表される末端変性用化合物により封鎖し、一般式(II)におけるYは−(C=O)−となる。一方、後述する一般式(III)で表される末端変性用化合物がカルボキシル末端基を有する場合、その末端変性用化合物はポリアミド樹脂のアミノ末端基と反応し、一般式(I)におけるXが−(C=O)−となる。この場合、ポリアミド樹脂のもう一方の末端であるカルボキシル末端基を、一般式(IV)で表される末端変性用化合物により封鎖し、一般式(II)におけるYは−NH−または−N(CH)−となる。
本発明で用いられる末端変性ポリアミド樹脂は、一般式(II)で表される末端構造を、末端変性ポリアミド樹脂100質量%中0.1〜5質量%含むことが好ましい。一般式(II)で表される末端構造の含有量が0.1質量%以上であると、末端変性ポリアミド樹脂中の一般式(I)で表される構造の熱分解を抑制し、熱安定性をより向上させることができ、発生したガスおよびオリゴマー起因による密着性低下、靭性低下、および耐汚染性低下を抑制することができる。一般式(II)で表される末端構造の含有量は、0.2質量%以上であることがより好ましく、さらに好ましくは0.4質量%以上である。
一方、一般式(II)で表される末端構造の含有量が5質量%以下であると、靭性および熱安定性をより向上させることができ、発生したガスおよびオリゴマー起因による密着性低下、靭性低下、および耐汚染性低下を抑制することができる。一般式(II)で表される末端構造の含有量は3質量%以下であることがより好ましく、さらに好ましくは1質量%以下である。
本発明において、末端変性ポリアミド樹脂中における一般式(II)で表される末端構造の含有量は、例えば、末端変性ポリアミド樹脂を製造する際に用いる後述する一般式(IV)で表される末端変性用化合物の配合量により、所望の範囲に調整することができる。
また、本発明で用いられる末端変性ポリアミド樹脂は、一般式(I)で表される末端構造と一般式(II)で表される末端構造を、合計60〜250mol/t含有することが好ましい。これらの末端構造を末端変性ポリアミド樹脂1t中に合計60mol以上含むことにより、追従性を十分に発現するとともに、熱分解の抑制により、熱分解にて発生したガスおよびオリゴマー起因による靭性低下を抑制することができる。これらの末端構造の合計含有量は、70mol/t以上であることがより好ましく、さらに好ましくは80mol/t以上である。
一方、末端変性ポリアミド樹脂1t中に、一般式(I)で表される末端構造と一般式(II)で表される末端構造を合計250mol/t以下含有することにより、離型性、靭性および熱安定性をより向上させることができ、熱分解により発生したガスおよびオリゴマー起因による密着性低下ならびに耐汚染性を抑制することができる。これらの末端構造の合計含有量は、225mol/tであることがより好ましく、さらに好ましくは200mol/t以下である。
本発明において、末端変性ポリアミド樹脂中における一般式(I)で表される末端構造と一般式(II)で表される末端構造の合計量は、例えば、末端変性ポリアミド樹脂を製造する際に用いる後述する一般式(III)で表される末端変性用化合物および一般式(IV)で表される末端変性用化合物の配合量により、所望の範囲に調整することができる。
さらに、本発明で用いられる末端変性ポリアミド樹脂は、一般式(I)で表される末端構造の含有量[mol/t]と一般式(II)で表される末端構造の含有量[mol/t]の比((I)/(II))が、0.3〜2.5であることが好ましい。ポリアミド樹脂は、溶融滞留時に熱分解による分子量低下と同時に、アミノ末端基とカルボキシル末端基との重合反応による分子量増大が進行する。前記のモル比((I)/(II))が1から離れるほど、封鎖されるアミノ末端基量とカルボキシル末端基量の差が大きくなることを示しており、差が大きくなるほど溶融滞留時の重合反応は進みにくく、熱分解による分子量低下のほうが大きくなるため、溶融滞留時の溶融粘度や分子量低下が大きくなる傾向にある。また、溶融滞留時に重合反応が進行しにくく末端基が重合反応に消費されないため、上述したように末端基が一般式(I)で表される末端構造の熱分解触媒となり、一般式(I)で表される末端構造の熱分解を促進するため、離型フィルムにおける追従性および靭性が低下すると同時に、溶融滞留時に発生したガス成分やオリゴマー成分により耐汚染性も低下する。上記のモル比((I)/(II))を0.3以上とすることにより、追従性を向上させることができるとともに、末端変性ポリアミド樹脂中の上記一般式(I)で表される構造の熱分解をより抑制し、熱安定性をより向上させることができるため、優れた追従性を有するだけでなく、靭性低下を抑制することができる。
モル比((I)/(II))は、好ましくは0.5以上であり、より好ましくは0.6以上であり、さらに好ましくは0.8以上である。一方、モル比((I)/(II))を2.5以下とすることにより、溶融滞留時の末端変性ポリアミド樹脂中の一般式(I)で表される末端構造の熱分解をより抑制し、離型フィルムにおける追従性を高く維持することができるとともに、靭性低下を抑制することができる。モル比((I)/(II))は、より好ましくは2.2以下であり、さらに好ましくは2.0以下である。
ここで、末端変性ポリアミド樹脂中の、一般式(I)で表される末端構造および一般式(II)で表される末端構造の含有量は、それぞれH−NMR測定によって求めることができる。測定方法と計算方法は、次のとおりである。
まず、末端変性ポリアミド樹脂の濃度50mg/mL重水素化硫酸溶液を調製し、積算回数256回にてH−NMR測定を行う。Rのスペクトル積分値、Rのスペクトル積分値、Rのスペクトル積分値およびポリアミド樹脂骨格の繰り返し構造単位のスペクトル積分値から、各末端構造の含有量(質量%、mol/t)および、末端構造(II)の含有量(mol/t)に対する末端構造(I)の含有量(mol/t)の比(「モル比」と記載されることもある)を算出することができる。
本発明において、末端変性ポリアミド樹脂中における上記のモル比((I)/(II))は、例えば、末端変性ポリアミド樹脂を製造する際に用いる後述する一般式(III)で表される末端変性用化合物および一般式(IV)で表される末端変性用化合物の配合比により、所望の範囲に調整することができる。
本発明で用いられる末端変性ポリアミド樹脂は、アミノ末端基とカルボキシル末端基を合計50〜150mol/t含有することが好ましい。これらの末端基を末端変性ポリアミド樹脂1t中に合計50mol以上含むことにより、離型フィルムとして十分な密着性を発現することができる。これらの末端基の合計含有量は、より好ましくは60mol/t以上であり、さらに好ましくは80mol/t以上である。
一方、末端変性ポリアミド樹脂中にアミノ末端基とカルボキシル末端基を、合計150mol/t以下含有させることにより、溶融滞留時における末端変性ポリアミド樹脂中の上記一般式(I)で表される構造の熱分解や分子量増加をより抑制し、熱安定性をより向上させることができ、離型フィルムとしての追従性を向上することができるとともに、熱分解による発生したガスおよびオリゴマー起因による密着性低下、靭性低下、および耐汚染性低下を抑制することができる。
さらに、本発明で用いられる末端変性ポリアミド樹脂は、アミノ末端基の含有量[mol/t]とカルボキシル末端基の含有量[mol/t]の比(アミノ末端基/カルボキシル末端基)が、0.5〜2.5であることが好ましい。前述のとおり、アミノ末端基量とカルボキシル末端基量の差が大きくなるほど溶融滞留時の重合は進みにくく、熱分解による分子量低下の方が大きくなるため、溶融滞留時の溶融粘度や分子量低下が大きくなる傾向にある。また、溶融滞留時に重合が進行しにくく末端基量が重合反応に消費されないため、上述したように末端基が一般式(I)の熱分解触媒となり、一般式(I)で表される末端構造の熱分解を促進するため、離型フィルムとしての追従性が低下する傾向となる。上記のモル比(アミノ末端基/カルボキシル末端基)を0.5以上とすることにより、溶融滞留時における末端変性ポリアミド樹脂中の一般式(I)で表される構造の熱分解や分子量増加をより抑制し、熱安定性をより向上させ、離型性および追従性を向上することができるとともに、熱分解による発生したガスおよびオリゴマー起因による密着性低下、靭性低下、および耐汚染性低下を抑制することができる。モル比(アミノ末端基/カルボキシル末端基)は、より好ましくは0.6以上であり、さらに好ましくは0.8以上である。
一方、モル比(アミノ末端基/カルボキシル末端基)を2.5以下とすることにより、溶融滞留時における末端変性ポリアミド樹脂中の一般式(I)で表される構造の熱分解をより抑制し、離型フィルムとしての離型性、耐汚染性を向上させることができるとともに、熱分解による発生したガスおよびオリゴマー起因による密着性低下、靭性低下、および耐汚染性低下を抑制することができる。モル比(アミノ末端基/カルボキシル末端基)は、より好ましくは2.4以下であり、さらに好ましくは2.3以下である。
ここで、末端変性ポリアミド樹脂中のアミノ末端基量は、83.5質量%フェノール−エタノール溶液に末端変性ポリアミド樹脂を溶解し、チモールブルーを指示薬として使用し、塩酸水溶液で滴定することにより測定することができる。また、末端変性ポリアミド樹脂中のカルボキシル末端基量は、ベンジルアルコールに末端変性ポリアミド樹脂を195℃の温度で溶解し、フェノールフタレインを指示薬として使用し、水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定することにより測定することができる。
本発明において、末端変性ポリアミド樹脂のアミノ末端基の含有量とカルボキシル末端基の含有量の比は、例えば、末端変性ポリアミド樹脂を製造する際に用いる後述する一般式(III)で表される末端変性用化合物および一般式(IV)で表される末端変性用化合物の配合比や、反応時間により所望の範囲に調整することができる。
本発明で用いられる末端変性ポリアミド樹脂は、180℃の条件下45分間滞留前後における重量平均分子量保持率((滞留後重量平均分子量/滞留前重量平均分子量)×100)が、80%以上であることが好ましい。この重量平均分子量保持率を80%以上とすることにより、靭性をより向上させることができる。重量平均分子量保持率は、より好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。
この重量分子量保持率は、末端変性ポリアミド樹脂を240℃の温度に設定したホットプレス機にて50μmのフィルムを作製し、滞留前の重量平均分子量を測定した。次いで、180℃に設定したホットプレス機にて45分間滞留させた後に、同様に重量平均分子量を測定し、滞留前の重量平均分子量により除して100を乗ずることにより、算出することができる。本発明においては、フレキシブルプリント基板の作製を想定して、180℃を選択した。
本発明において、末端変性ポリアミド樹脂の重量平均分子量保持率は、例えば、末端変性ポリアミド樹脂を製造する際に用いる後述する一般式(III)で表される末端変性用化合物および一般式(IV)で表される末端変性用化合物の配合量や、反応時間により所望の範囲に調整することができる。
本発明で用いられる末端変性ポリアミド樹脂は、樹脂濃度0.01g/mlの98%硫酸溶液の25℃の温度における相対粘度(ηr)が、1.3〜3.0の範囲であることが好ましい。ηrを1.3以上とすることにより、靭性を向上させることができる。相対粘度(ηr)は、より好ましくは1.4以上であり、さらに好ましくは1.5以上である。一方、ηrを3.0以下とすることにより、離型性と密着性をバランスよく制御することができる。
本発明において、末端変性ポリアミド樹脂の相対粘度は、例えば、末端変性ポリアミド樹脂を製造する際に用いる後述する一般式(III)で表される末端変性用化合物および一般式(IV)で表される末端変性用化合物の配合量や、反応時間により、所望の範囲に調整することができる。 本発明で用いられる末端変性ポリアミド樹脂の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した重量平均分子量(Mw)は、15,000以上であることが好ましい。Mwを15,000以上とすることにより、靭性をより向上させることができる。重量平均分子量(Mw)は、より好ましくは18,000以上であり、さらに好ましくは20,000以上である。また、Mwは50,000以下であることが好ましい。Mwを50,000以下とすることにより、追従性をより向上させることができる。重量平均分子量(Mw)は、より好ましくは45,000以下であり、さらに好ましくは40,000以下である。
本発明における重量平均分子量(Mw)は、溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノール(0.005N−トリフルオロ酢酸ナトリウム添加)を用い、カラムとしてShodex HFIP−806M(2本)およびHFIP−LGを用いて、30℃の温度でGPC測定して得られるものである。分子量基準物質として、ポリメチルメタクリレートを使用する。
本発明において、末端変性ポリアミド樹脂の重量平均分子量(Mw)は、例えば、末端変性ポリアミド樹脂を製造する際に用いる後述する一般式(III)で表される末端変性用化合物および一般式(IV)で表される末端変性用化合物の配合量や、反応時間により所望の範囲に調整することができる。
本発明で用いられる末端変性ポリアミド樹脂は、融点+60℃、せん断速度9728sec−1の条件における溶融粘度が、30Pa・s以下であることが好ましい。融点+60℃、せん断速度9728sec−1の条件における溶融粘度を30Pa・s以下とすることにより、離型フィルムにおける追従性を向上することができる。この溶融粘度は、より好ましくは20Pa・s以下であり、さらに好ましくは15Pa・s以下であり、さらに好ましくは10Pa・s以下である。
この溶融粘度は、末端変性ポリアミド樹脂の融点+60℃の温度で、末端変性ポリアミド樹脂を溶融させるため5分間滞留させた後に、せん断速度9728sec−1の条件下で、キャピラリーフローメーターによって測定することができる。本発明においては、溶融粘度を評価するための指標として、溶融良流動化の効果が現れやすく、かつ、短時間の滞留では熱分解が進行しにくい温度条件として融点+60℃を選択し、フィルム作製時を想定したせん断速度として9728sec−1を選択した。
本発明において、末端変性ポリアミド樹脂の溶融粘度は、例えば、末端変性ポリアミド樹脂を製造する際に用いる後述する一般式(III)で表される末端変性用化合物および一般式(IV)で表される末端変性用化合物の配合量や、反応時間により所望の範囲に調整することができる。
本発明で用いられる末端変性ポリアミド樹脂は、融点+60℃の条件下60分間滞留前後における、一般式(I)で表される末端構造の含有量保持率((滞留後含有量/滞留前含有量)×100)が、80%以上であることが好ましい。一般式(I)で表される末端構造の含有量保持率を80%以上とすることにより、溶融滞留時における末端変性ポリアミド樹脂中の一般式(I)で表される末端構造の熱分解をより向上させることができ、離型フィルムにおける追従性を向上することができるとともに、熱分解による発生したガスおよびオリゴマー起因による密着性低下、靭性低下、および耐汚染性低下を抑制することができる。一般式(I)で表される末端構造の含有量保持率は、より好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。
この含有量保持率は、末端変性ポリアミド樹脂について、上述したH−NMR測定によって一般式(I)で表される末端構造の含有量を求め、次いで、キャピラリーフローメーター中において、末端変性ポリアミド樹脂の融点+60℃の温度で60分間滞留させた後に、同様に一般式(I)で表される末端構造の含有量を求め、溶融滞留前の一般式(I)で表される末端構造の含有量により除して100を乗ずることにより、算出することができる。本発明においては、溶融粘度を評価するための指標として、溶融良流動化の効果が現れやすく、かつ、短時間の滞留では熱分解が進行しにくい温度条件として融点+60℃を選択した。
本発明において、末端変性ポリアミド樹脂における一般式(I)で表される末端構造の含有量保持率は、例えば、末端変性ポリアミド樹脂を製造する際に用いる後述する一般式(III)で表される末端変性用化合物および一般式(IV)で表される末端変性用化合物の配合量や、反応時間により所望の範囲に調整することができる。
本発明で用いられる末端変性ポリアミド樹脂は、融点+60℃の条件下60分間滞留前後における溶融粘度保持率((滞留後溶融粘度/滞留前溶融粘度)×100)が、80〜120%であることが好ましい。この溶融粘度保持率を80%以上とすることにより、機械特性をより向上させることができる。溶融粘度保持率は、より好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは90%以上であり、さらに好ましくは95%以上である。一方、溶融粘度保持率を120%以下とすることにより、追従性を向上させることができる。溶融粘度保持率は、より好ましくは115%以下であり、さらに好ましくは110%以下である。
この溶融粘度保持率は、末端変性ポリアミド樹脂の融点+60℃の温度で、末端変性ポリアミド樹脂を溶融させるため5分間滞留させた後に、せん断速度9728sec−1の条件下で、キャピラリーフローメーターによって測定した溶融粘度(滞留前溶融粘度)と、末端変性ポリアミド樹脂の融点+60℃の温度で、末端変性ポリアミド樹脂を60分間滞留させた後に、せん断速度9728sec−1の条件下で、キャピラリーフローメーターによって測定した溶融粘度(滞留前溶融粘度)から、(滞留後溶融粘度/滞留前溶融粘度)×100により算出することができる。
本発明においては、溶融粘度保持率を評価するための指標として、溶融良流動化の効果が現れやすく、かつ、短時間の滞留では熱分解が進行しにくい温度条件として融点+60℃を選択し、フィルム製造を想定したせん断速度として9728sec−1を選択した。
本発明において、末端変性ポリアミド樹脂の溶融粘度保持率は、例えば、末端変性ポリアミド樹脂を製造する際に用いる後述する一般式(III)で表される末端変性用化合物および一般式(IV)で表される末端変性用化合物の配合量や、反応時間により所望の範囲に調整することができる。
本発明で用いられる末端変性ポリアミド樹脂は、窒素雰囲気下、融点+60℃の条件下40分間滞留前後における質量減少率が、4%以下であることが好ましい。この質量減少率を4%以下とすることにより、加工時の熱分解によって発生したガス起因による機械的特性の低下をより抑制することができる。質量減少率は、3%以下であることがより好ましい。この質量減少率は、熱質量分析装置(TGA)を用いて測定することができる。
本発明においては、質量減少率を評価するための指標として、溶融良流動化の効果が現れやすく、かつ、短時間の滞留では熱分解が進行しにくい温度条件として融点+60℃を選択した。
本発明において、末端変性ポリアミド樹脂の質量減少率は、例えば、末端変性ポリアミド樹脂を製造する際に用いる後述する一般式(III)で表される末端変性用化合物および一般式(IV)で表される末端変性用化合物の配合量や、反応時間により所望の範囲に調整することができる。
次に、本発明の実施形態において用いられる末端変性ポリアミド樹脂の製造方法について説明する。
本発明の実施形態に用いられる末端変性ポリアミド樹脂の製造方法としては、例えば、(1)ポリアミド樹脂と末端変性用化合物、必要に応じてその他の成分を、ポリアミド樹脂の融点以上において溶融混練する方法や、これらを溶液中において混合した後に溶媒を除く方法、および、(2)ポリアミド樹脂の主たる構造単位を構成する原料と末端変性用化合物、必要に応じてその他の成分を添加して反応させる方法(反応時添加方法)などが挙げられる。具体的には、末端変性ポリアミド樹脂の原料を反応容器に仕込み、窒素置換して、加熱をすることにより反応させる。この際の反応時間が短すぎると、分子量が上がらないだけでなく、オリゴマー成分が増加することから、機械的物性が低下するため、反応時間に占める窒素フローの時間は15分以上であることが好ましい。一方、反応時間が長すぎると、熱分解が進行し着色などが生じるため、反応時間に占める窒素フローの時間は8時間以下であることが好ましい。
本発明の実施形態において用いられる末端変性用化合物としては、例えば、飽和脂肪族化合物、不飽和脂肪族化合物および芳香族化合物などが挙げられる。これらを2種以上用いることができる。流動性をより向上させる観点から、この末端変性用化合物は、飽和脂肪族化合物または芳香族化合物が好ましく、飽和脂肪族化合物がより好ましく用いられる。
飽和脂肪族化合物としては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカンおよびシクロドデカンなどの単環シクロアルカン化合物や、デカヒドロナフタレンなどの二環式シクロアルカン化合物などの環式飽和脂肪族化合物や、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカンおよびヘプタデカンなどの炭素数が1〜15の炭化水素化合物などの鎖式飽和脂肪族化合物などが挙げられる。環式飽和脂肪族化合物は分岐構造を有してもよく、鎖式飽和脂肪族化合物は直鎖構造であっても分岐構造であっても用いることができる。
前記の一般式(I)で表される末端構造を有する末端変性ポリアミド樹脂の場合は、例えば、アミノ酸、ラクタムならびに/もしくはジアミンおよびカルボン酸を重合する際に、下記の一般式(III)で表される末端変性用化合物をアミノ酸、ラクタム、ジアミンおよびカルボン酸の合計に対して、1〜20質量%含有させて、ポリアミド樹脂の末端に末端変性用化合物を結合させることにより、前記の一般式(I)で表される末端構造を1〜20質量%含有する末端変性ポリアミド樹脂を得ることができる。
H−X−(R−O)−R (III)
上記の一般式(III)中、nは2〜100の範囲を表す。このnは、前記の一般式(I)におけるnと同様に、5以上が好ましく、より好ましくは8以上であり、さらに好ましくは16以上がさらに好ましい。一方、nは70以下が好ましく、より好ましくは50以下である。
は、炭素数2〜10の2価の炭化水素基を表し、Rは、炭素数1〜30の1価の炭化水素基を表す。それぞれ、一般式(I)におけるRおよびRとして例示したものが挙げられる。X−は、−NH−、−N(CH)−または−O(C=O)−を示す。ポリアミドの末端との反応性に優れる−NH−がより好ましい。
次に、本発明の実施形態で用いられる末端変性ポリアミド樹脂が、前記の一般式(I)で表される末端構造および前記の一般式(II)で表される末端構造を有する場合を例に説明する。
このような末端変性ポリアミド樹脂の製造方法としては、例えば、ポリアミド樹脂の原料と前記の一般式(III)で表される末端変性用化合物および下記の一般式(IV)で表される末端変性用化合物を重合時に反応させる方法や、ポリアミド樹脂と末端変性用化合物とを溶融混練する方法などが挙げられる。重合時に反応させる方法としては、例えば、ポリアミド樹脂の原料と末端変性用化合物をあらかじめ混合した後、加熱して縮合を進行させる方法や、主成分となる原料の重合途中に末端変性用化合物を添加して結合させる方法などが挙げられる。
前記の一般式(II)で表される末端構造を有する末端変性ポリアミド樹脂の場合は、例えば、アミノ酸、ラクタムならびに/もしくはジアミンおよびカルボン酸を重合する際に、下記の一般式(IV)で表される末端変性用化合物をアミノ酸、ラクタム、ジアミンおよびカルボン酸の合計に対して、0.1〜5質量%含有させて、ポリアミド樹脂の末端に末端変性用化合物を結合させることにより、前記の一般式(II)で表される末端構造を0.1〜5質量%含有する末端変性ポリアミド樹脂を得ることができる。
H−Y’−R (IV)
上記一般式(IV)中、Rは炭素数1〜30の1価の炭化水素基を表す。前記の一般式(II)と同様に、末端変性ポリアミド樹脂の熱安定性および着色防止の観点から、Rは1価の飽和炭化水素基がさらに好ましい。前記の一般式(III)におけるX’−が−NH−または−N(CH)−の場合、上記の一般式(IV)における−Y’−は、−O(C=O)−を表し、前記の一般式(III)におけるX’−が−O(C=O)−の場合、上記の一般式(IV)におけるY’−は−NH−または−N(CH)−を表す。
一般式(III)で表される末端変性用化合物の数平均分子量は、500〜10000であることが好ましい。数平均分子量を500以上とすることにより、離型フィルムとしたときの追従性をより向上させることができる。数平均分子量は、より好ましくは600以上であり、さらに好ましくは800以上である。一方、数平均分子量を10000以下とすることにより、ポリアミド樹脂の主たる構造単位との親和性をより向上させることができ、成形品の機械特性をより向上させることができる。数平均分子量は、より好ましくは5000以下であり、さらに好ましくは2500以下であり、さらに好ましくは1500以下である。
一般式(III)で表される末端変性用化合物の具体的な例としては、メトキシポリ(エチレングリコール)アミン、メトキシポリ(トリメチレングリコール)アミン、メトキシポリ(プロピレングリコール)アミン、メトキシポリ(テトラメチレングリコール)アミン、メトキシポリ(エチレングリコール)ポリ(プロピレングリコール)アミン、メトキシポリ(エチレングリコール)カルボン酸、メトキシポリ(トリメチレングリコール)カルボン酸、メトキシポリ(プロピレングリコール)カルボン酸、メトキシポリ(テトラメチレングリコール)カルボン酸およびメトキシポリ(エチレングリコール)ポリ(プロピレングリコール)カルボン酸などが挙げられる。2種類のポリアルキレングリコールが含まれる場合、ブロック重合構造をとっていてもよく、ランダム共重合構造をとることもできる。また、上記した末端変性用化合物を、2種以上用いることもできる。
一般式(IV)で表される末端変性用化合物の具体的な例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキン酸などの脂肪族モノカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、メチルシクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、エチル安息香酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、イコシルアミンなどの脂肪族モノアミン、シクロヘキシルアミン、メチルシクロヘキシルアミンなどの脂環式モノアミン、ベンジルアミン、およびβ−フェニルエチルアミンなどの芳香族モノアミンなどが挙げられる。上記した末端変性用化合物を、2種以上用いることもできる。
また、ポリアミド樹脂を与える原料としては、前述のアミノ酸、ラクタムおよび「ジアミンとジカルボン酸との混合物」が例示される。
ポリアミド樹脂の原料と末端変性用化合物とを重合時に反応させる方法により、末端変性ポリアミド樹脂を製造する場合には、ポリアミド樹脂の融点以上で反応させる溶融重合法、ポリアミド樹脂の融点未満で反応させる固相重合法のいずれも用いることができる。一方、ポリアミド樹脂と末端変性用化合物とを溶融混練することにより、末端変性ポリアミド樹脂を製造する場合には、溶融混練温度をポリアミド樹脂の融点(Tm)よりも10℃以上40℃以下高い温度で反応させることが好ましい。例えば、押出機を用いて溶融混練する場合、押出機のシリンダー温度を前記範囲とすることが好ましい。溶融混練温度をこの範囲にすることにより、末端変性用化合物の揮発とポリアミド樹脂の分解を抑制しつつ、ポリアミド樹脂の末端と末端変性用化合物とを効率的に結合させることができる。
ポリアミド樹脂の原料と末端変性用化合物とを重合時に反応させる方法により、末端変性ポリアミド樹脂を製造する際、必要に応じて、重合促進剤を添加することができる。
重合促進剤としては、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸およびこれらのアルカリ金属塩、およびアルカリ土類金属塩などの無機系リン化合物などが好ましく、特に亜リン酸ナトリウムと次亜リン酸ナトリウムが好適に用いられる。重合促進剤は、ポリアミド樹脂の原料(末端変性用化合物を除く)100質量部に対して、0.001〜1質量部の範囲で使用することが好ましい。重合促進剤の添加量を0.001〜1質量部とすることにより、機械特性と含浸性のバランスにより優れる末端変性ポリアミド樹脂を得ることができる。
本発明の末端変性ポリアミド樹脂に、充填材、他種ポリマー、各種添加剤などを配合して、末端変性ポリアミド樹脂を含有するポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
充填材としては、一般に樹脂用フィラーとして用いられる任意のものを用いることができ、ポリアミド樹脂組成物から得られる成形品の強度、剛性、耐熱性、寸法安定性をより向上させることができる。充填材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミニウムウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状無機充填材、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、カオリン、マイカ、タルク、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、モンモリロナイト、アスベスト、アルミノシリケート、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素、炭化珪素、シリカなどの非繊維状無機充填材などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これら充填材は中空であってもよい。また、イソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤で処理されていてもよい。また、モンモリロナイトとして、有機アンモニウム塩で層間イオンをカチオン交換した有機化モンモリロナイトを用いてもよい。前記充填材の中でも、繊維状無機充填材が好ましく、ガラス繊維、炭素繊維がより好ましい。
他種ポリマーとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどのエラストマーや、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂、SAN樹脂、ポリスチレンなどを挙げることができる。これらを2種以上含有してもよい。ポリアミド樹脂組成物から得られる成形品の耐衝撃性を向上するためには、オレフィン系化合物および/または共役ジエン系化合物の(共)重合体などの変性ポリオレフィン、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどの耐衝撃性改良剤が好ましく用いられる。
オレフィン系化合物および/または共役ジエン系化合物の(共)重合体としては、エチレン系共重合体、共役ジエン系重合体、共役ジエン−芳香族ビニル炭化水素系共重合体などが挙げられる。
エチレン系共重合体としては、例えば、エチレンと、炭素数3以上のα−オレフィン、非共役ジエン、酢酸ビニル、ビニルアルコール、α,β−不飽和カルボン酸およびその誘導体などとの共重合体が挙げられる。炭素数3以上のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン−1などが挙げられる。非共役系ジエンとしては、例えば、5−メチリデン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエンなどが挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ブテンジカルボン酸などが挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸の誘導体としては、例えば、前記α,β−不飽和カルボン酸のアルキルエステル、アリールエステル、グリシジルエステル、酸無水物、イミドなどが挙げられる。
共役ジエン系重合体とは、少なくとも1種の共役ジエンの重合体を指す。共役ジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。また、これらの重合体の不飽和結合の一部または全部が水添により還元されていてもよい。
共役ジエン−芳香族ビニル炭化水素系共重合体とは、共役ジエンと芳香族ビニル炭化水素との共重合体を指し、ブロック共重合体でもランダム共重合体でもよい。共役ジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。芳香族ビニル炭化水素としては、例えば、スチレンなどが挙げられる。また、共役ジエン−芳香族ビニル炭化水素系共重合体の芳香環以外の二重結合以外の不飽和結合の一部または全部が水添により還元されていてもよい。
耐衝撃性改良剤の具体例としては、エチレン/メタクリル酸共重合体およびこれら共重合体中のカルボン酸部分の一部または全てをナトリウム、リチウム、カリウム、亜鉛、カルシウムとの塩としたもの、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体、エチレン/ブテン−1−g−無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
各種添加剤としては、例えば、酸化防止剤や耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体、ハロゲン化銅、ヨウ素化合物等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤および滑剤(脂肪族アルコール、脂肪族アミド、脂肪族ビスアミド、ビス尿素およびポリエチレンワックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラック等)、染料(ニグロシン、アニリンブラック等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートなどの非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンオキシド、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)などが挙げられる。これらを2種以上配合してもよい。
次に、本発明の末端変性ポリアミド樹脂および末端変性ポリアミド樹脂を含有するポリアミド組成物を用いてなる離型フィルムについて説明する。
本発明の離型フィルムの厚みは10〜500μmである。剥離しやすさの観点から、20μm以上がより好ましく、30μm以上がさらに好ましい。また、熱プレス加工時間短縮の観点から、300μm以下がより好ましく、200μm以下がさらに好ましい。
本発明の離型フィルムは、離型フィルム/一部穴の開いたポリイミドフィルム/エポキシ接着剤層/銅箔/エポキシ接着剤層/ポリイミドフィルムの順で積層した積層体を設定温度180℃で45分間5MPa熱プレス加工した後の、ポリイミドフィルムおよび銅箔と離型フィルムが、剥離している箇所がなく十分に密着していることが好ましい。
本発明の離型フィルムは、前記積層体を前記方法により熱プレス加工した後のポリイミドフィルムおよび銅箔からの離型フィルムが抵抗なく容易に剥離できることが好ましい。この離型性は、180℃剥離強度を測定することで、数値化することができる。
本発明の離型フィルムは、前記積層体を前記方法により熱プレス加工した後のポリイミドフィルムおよび銅箔から離型フィルムを剥離する際、フィルムが破断しない靭性を有することが好ましい。
本発明の離型フィルムは、前記積層体を前記方法により熱プレス加工した後のポリイミドフィルムおよび銅箔から離型フィルムを剥離した後、銅箔へのエポキシ系接着剤のはみ出しが発生しないことが好ましく、このエポキシ系接着剤のはみ出しは離型フィルムの追従性が優れるほど発生しにくい。この接着剤のはみ出しは、光学顕微鏡で観察しはみ出した距離を測定することで、追従性を数値化することができる。
本発明の離型フィルムは、前記積層体を前記方法により熱プレス加工した後のポリイミドフィルムおよび銅箔から離型フィルムを剥離した後、銅箔部分への汚染が少ないほど好ましい。
次に、本発明の離型フィルムの製造方法には、公知の方法を使用することができる。すなわち、インフレーション法、T−ダイ法、カレンダー法、切削法、流延法、エマルション法、ホットプレス法等の製造方法が使用できる。好ましくは、インフレーション法、T−ダイ法、キャスト法またはホットプレス法が使用できる。インフレーション法やT−ダイ法による製造法の場合、単軸あるいは二軸押出スクリューのついたエクストルーダ型溶融押出装置等が使用できる。本発明のフィルムを製造するための溶融押出温度は、好ましくは150〜350℃、より好ましくは200〜300℃である。また、溶融押出装置を使用し溶融混練する場合、着色抑制の観点から、ベントを使用し減圧下での溶融混練あるいは窒素気流下での溶融混練を行うことが好ましい。
本発明の離型フィルムは、離型性に加え、高温での熱安定性、密着性、靭性、追従性、および耐汚染性に優れることから、スポーツ用品部品、自動車・航空機部品、電気・電子部品、建築部材など各種用途に利用することができる。
次に、実施例を示し、本発明の末端変性ポリアミド樹脂およびそれを用いてなる離型フィルムについて、更に具体的に説明する。各実施例および各比較例における特性評価は、下記の方法にしたがって行った。
[原料]
実施例および比較例において、原料は次に示すものを用いた。
・ε−カプロラクタム:和光純薬工業(株)製 和光特級
・安息香酸:和光純薬工業(株)製 試薬特級
下記の構造式で表されるメトキシポリ(エチレングリコール)ポリ(プロピレングリコール)アミン:HUNTSMAN製“JEFFAMINE”(登録商標) M1000 (数平均分子量Mn1000)
下記の構造式で表されるメトキシポリ(エチレングリコール)ポリ(プロピレングリコール)アミン:HUNTSMAN製“JEFFAMINE”(登録商標) M2070 (数平均分子量Mn2000)
下記の構造式で表されるメトキシエチレングリコールポリ(プロピレングリコール)アミン:HUNTSMAN製“JEFFAMINE”(登録商標) M600 (数平均分子量Mn600)
下記の構造式で表されるポリ(エチレングリコール)ポリ(プロピレングリコール)ジアミン:HUNTSMAN製“JEFFAMINE”(登録商標) ED900 (数平均分子量Mn900)
[相対粘度(ηr)]
実施例および比較例により得られた末端変性ポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂の、樹脂濃度0.01g/mlの98%硫酸溶液について、25℃の温度でオストワルド式粘度計を用いて相対粘度を測定した。
[分子量]
実施例および比較例により得られた末端変性ポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂2.5mgを、ヘキサフルオロイソプロパノール(0.005N−トリフルオロ酢酸ナトリウム添加)4mlに溶解し、得られた溶液を0.45μmのフィルターでろ過した。得られた溶液を用いて、GPC測定により数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)(溶融滞留前重量平均分子量)を測定した。測定条件を、次に示す。
・ポンプ:e−Alliance GPC system(Waters製)
・検出器:示差屈折率計 Waters 2414(Waters製)
カラム:Shodex HFIP−806M(2本)+HFIP−LG
・溶媒:ヘキサフルオロイソプロパノール(0.005N−トリフルオロ酢酸ナトリウム添加)
・流速:1ml/分
・試料注入量:0.1ml
・温度:30℃
・分子量基準物質:ポリメチルメタクリレート。
[アミノ末端基量[NH]]
実施例および比較例により得られた末端変性ポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂0.5gを精秤し、フェノール/エタノール混合溶液(比率:83.5/16.5質量比)25mlを加えて、常温で溶解した後、チモールブルーを指示薬として、0.02規定の塩酸で滴定してアミノ末端基量(mol/t)を求めた。
[カルボキシル末端基量[COOH]]
実施例および比較例により得られた末端変性ポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂0.5gを精秤し、ベンジルアルコール20mlを加えて195℃の温度で溶解した後、フェノールフタレインを指示薬として、0.02規定の水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定してカルボキシル末端基量(mol/t)を求めた。
[末端構造含有量]
実施例および比較例により得られた末端変性ポリアミド樹脂について、日本電子(株)製FT−NMR JNM−AL400を用いてH−NMR測定を実施した。まず、測定溶媒として重水素化硫酸を用いて、試料濃度50mg/mLの溶液を調製した。積算回数256回にて、末端変性ポリアミド樹脂のH−NMR測定を実施した。一般式(I)で表される末端構造におけるRおよびR由来部分のピーク、一般式(II)で表される末端構造におけるR部分由来のピークおよびポリアミド樹脂骨格の繰り返し構造単位由来のピークを同定した。各ピークの積分強度を算出し、算出した積分強度と、それぞれの構造単位中の水素原子数とから、末端変性ポリアミド樹脂における一般式(I)で表される末端構造の含有量[I](mol/t、質量%)(滞留前含有量)および前記一般式(II)で表される末端構造の含有量[II](mol/t、質量%)をそれぞれ算出した。
[熱特性]
TAインスツルメント社製示差走査熱量計(DSC Q20)を用いて、実施例および比較例により得られた末端変性ポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂5〜7mgを秤量し、窒素雰囲気下、20℃の温度から昇温速度20℃/分で250℃の温度まで昇温した。昇温したときに現れる吸熱ピークの頂点を、Tm(融点)とした。
[溶融粘度]
実施例および比較例により得られた末端変性ポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂を、80℃の温度の真空乾燥器中で12時間以上乾燥した。溶融粘度の測定装置として、キャピラリーフローメーター((株)東洋精機製作所製、キャピログラフ1C型)を用いて、径0.5mm、長さ5mmのオリフィスにて、融点+60℃、せん断速度9728sec−1の条件で溶融粘度(滞留前溶融粘度)を測定した。ただし、末端変性ポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂を溶融させるため、5分間滞留させた後に測定を行った。この溶融粘度の値が小さいほど、高い流動性を有することを示す。
[溶融粘度保持率]
実施例および比較例により得られた末端変性ポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂を、80℃の温度の真空乾燥器中で12時間以上乾燥した。キャピラリーフローメーター((株)東洋精機製作所製、キャピログラフ1C型)を用いて、径0.5mm、長さ5mmのオリフィスにて、融点+60℃で60分間溶融滞留後、せん断速度9728sec−1の条件で溶融粘度(滞留後溶融粘度)を測定した。前述の方法により測定した溶融粘度(滞留前溶融粘度)と溶融粘度(滞留後溶融粘度)から、(滞留後溶融粘度/滞留前溶融粘度)×100により溶融粘度保持率[%]を算出した。
[重量平均分子量保持率]
実施例および比較例により得られた末端変性ポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂を、80℃の温度の真空乾燥器中で12時間以上乾燥した。ホットプレス機を用い、プレス温度を250℃として、末端変性ポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂を3分間加熱処理した後、110℃で5分間結晶化処理することにより、厚み50μmの試験用プレスシートを得た。次いで、得られた試験用プレスシートを、空気雰囲気下180℃のホットプレス機にて45分滞留処理した後、溶融滞留後の末端変性ポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂について、前述の分子量測定方法と同様のGPC測定により重量平均分子量(Mw)(滞留後重量平均分子量)を測定した。前述の方法により測定した重量平均分子量(滞留前重量平均分子量)と重量平均分子量(滞留後重量平均分子量)から、(滞留後重量平均分子量/滞留前重量平均分子量)×100により、重量平均分子量保持率[%]を算出した。
[含有量保持率]
実施例および比較例により得られた末端変性ポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂を、80℃の温度の真空乾燥器中で12時間以上乾燥した。キャピラリーフローメーター((株)東洋精機製作所製、キャピログラフ1C型)を用いて、径0.5mm、長さ5mmのオリフィスにて、融点+60℃の温度で60分間溶融滞留を行った。溶融滞留後の末端変性ポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂について、前述の末端構造含有量測定方法と同様のH−NMR測定により末端変性ポリアミド樹脂における一般式(I)で表される末端構造の含有量[I](mol/t)(滞留後含有量)を算出した。前述の方法により測定した一般式(I)で表される末端構造の含有量[I](mol/t)(滞留前含有量)と、一般式(I)で表される末端構造の含有量[I](mol/t)(滞留後含有量)から、(滞留後含有量/滞留前含有量)×100により、含有量保持率を算出した。
[質量減少率]
実施例および比較例により得られた末端変性ポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂を、80℃の温度の真空乾燥器中で12時間以上乾燥した。任意部分を20mg切り出し、熱重量分析装置(パーキンエルマー社製、TGA7)を用い、窒素ガス雰囲気下、末端変性ポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂の融点+60℃の温度で40分間保持し、熱処理前後の質量減少率[%]を測定した。
[引張破断伸度]
実施例および比較例により得られた末端変性ポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂を、80℃の温度の真空乾燥器中で12時間以上乾燥した。東芝機械(株)製IS55EPN射出成形機を用いて、シリンダー温度は、末端変性ポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂の融点(Tm)+60℃とし、金型温度は80℃とし、射出時間と保圧時間は合わせて10秒、冷却時間は10秒の成形サイクル条件で、試験片厚み1/25インチ(約1.0mm)のASTM4号ダンベルの評価用試験片を射出成形した。得られたASTM4号ダンベル型試験片を、“テンシロン”(登録商標)UTA−2.5T(オリエンテック社製)に供し、ASTM−D638に準じて、23℃の温度で、湿度50%の雰囲気下で、歪み速度10mm/分で引張試験を行い、引張破断伸度を測定した。
(実施例1)
ε−カプロラクタム20g、イオン交換水20g、“JEFFAMINE”(登録商標)M1000 1.6g、安息香酸0.14gを反応容器に仕込み密閉し、窒素置換した。反応容器外周にあるヒーターの設定温度を290℃とし、加熱を開始した。缶内圧力が1.0MPaに到達した後、水分を系外へ放出させながら缶内圧力1.0MPaに保持し、缶内温度が240℃になるまで昇温した。缶内温度が240℃に到達した後、ヒーターの設定温度を270℃に変更し、1時間かけて常圧となるように缶内圧力を調節した(常圧到達時の缶内温度:243℃)。続けて、缶内に窒素を流しながら(窒素フロー)240分間保持して末端変性ポリアミド6樹脂を得た(最高到達温度:253℃)。続いて得られた末端変性ポリアミド6樹脂を、イオン交換水でソックスレー抽出を行い、未反応の末端変性用化合物を除去し、80℃の温度の真空乾燥器中で12時間乾燥した。このようにして得られた末端変性ポリアミド6樹脂の相対粘度は1.81、重量平均分子量は3.0万、融点(Tm)は220℃、溶融粘度は5.5Pa・sであった。その他の末端変性ポリアミド樹脂の物性を、表1に示す。
前記で得られた末端変性ポリアミド樹脂ペレットを80℃の温度の真空乾燥器中で12時間乾燥した後、ホットプレス機を用い、プレス温度を250℃として、末端変性ポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂を3分間加熱処理した後、110℃で5分間結晶化処理することにより、厚み50μmの離型フィルムを得た。得られた離型フィルムを幅3cm、長さ10cmの短冊状に裁断した。次いで、得られた離型フィルム/中央部に直径1cmの穴を有する厚み50μmのポリイミドフィルム(登録商標:カプトン、東レ・デュポン社製)/厚み20μmのエポキシ系接着剤層/厚み35μmの銅箔/厚み20μmのエポキシ系接着剤層/厚み50μmのポリイミドフィルム(登録商標:カプトン、東レ・デュポン社製)の順に積層した。次いで、厚み100μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルムで挟んだ後、ホットプレス機を用い、プレス温度を180℃として、60分間3MPaで加圧後、ポリテトラフルオロエチレン製フィルムを除去し、離型フィルムを有するフィルム積層体を得た。得られた離型フィルムを有するフィルム積層体を用い、次の条件で各特性を評価した。結果を表1に示す。
[密着性]
得られた幅3cm、長さ10cmの離型フィルムを有するフィルム積層体を観察し、離型フィルムとポリイミドフィルム間でボイドとして観察される剥離箇所がないものを◎、剥離箇所が1〜3個を○、剥離箇所が4〜6個を△、7個以上を×とした。
[離型性]
得られた幅3cm、長さ10cmの離型フィルムを有するフィルム積層体のポリイミドフィルム面と厚さ5mmのアルミ板を、両面テープを介して接着し、離型フィルムとフィルム積層体との180℃剥離強度の最大値を剥離速度300mm/minにて測定した。
[靭性]
得られた幅3cm、長さ10cmの離型フィルムを有するフィルム積層体から離型フィルムを剥離して得られた離型フィルムの引張破断伸度を引張速度10mm/minにて測定した。
[追従性]
得られた幅3cm、長さ10cmの離型フィルムを有するフィルム積層体から離型フィルムを剥離して得られたフィルム積層体中の、ポリイミドフィルムに施された直径1cmの穴から観察される銅箔部分を光学顕微鏡で観察し、銅箔部分へはみ出しているエポキシ系接着剤の最大距離を測定した。最大距離が5μm未満を◎、5μm以上10μm未満を○、10μm以上30μm未満を△、30μm以上を×とした。
[耐汚染性]
得られた幅3cm、長さ10cmの離型フィルムを有するフィルム積層体から離型フィルムを剥離して得られたフィルム積層体中の、ポリイミドフィルムに施された直径1cmの穴から観察される銅箔部分を観察し、曇りおよび樹脂付着が観察されないものを◎、部分的に曇りが観察されるものを◎、全体的に曇りが観察されるものを△、曇りと樹脂付着が観察されるものを×とした。
(実施例2〜28、比較例1〜7)
原料を表1〜4に示す組成に変更し、かつ缶内圧力を常圧とした後、缶内に窒素を流しながら保持する時間(窒素フロー時間)を表1〜4に示す時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして末端変性ポリアミド6樹脂とポリアミド6樹脂を得た。その後、実施例1と同様にして繊維強化ポリアミド樹脂組成物ペレットおよび試験片を成形し、各特性を評価した。結果を表1〜4に示す。
表1〜4から明らかなように実施例1〜28と比較例1〜7の比較より、一般式(I)で表される末端構造を特定量含有する末端変性ポリアミド6樹脂を用いてなる離型フィルムは、優れた密着性、靭性、離型性、追従性および耐汚染性を両立することができることがわかる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(I)で表される末端構造を1〜20質量%含有する末端変性ポリアミド樹脂(A)を用いてなる離型フィルム。
    −X−(R−O)−R (I)
    (上記一般式(I)中、mは2〜100の範囲を表す。Rは炭素数2〜10の2価の炭化水素基を、Rは炭素数1〜30の1価の炭化水素基をそれぞれ表す。−X−は−NH−、−N(CH)−または−(C=O)−を表す。一般式(I)中に含まれるm個のRは、同じでも異なってもよい。)
  2. 末端変性ポリアミド樹脂(A)が、さらに下記一般式(II)で表される末端構造を0.1〜5質量%含有する請求項1記載の離型フィルム。
    −Y−R (II)
    (上記一般式(II)中、Rは炭素数1〜30の1価の炭化水素基を表す。前記一般式(I)におけるXが−NH−または−N(CH)−の場合、上記一般式(II)における−Y−は−(C=O)−を表し、前記一般式(I)におけるXが−(C=O)−の場合、上記一般式(II)におけるYは−NH−または−N(CH)−を表す。)
  3. 末端変性ポリアミド樹脂(A)が、前記一般式(I)で表される末端構造と前記一般式(II)で表される末端構造を合計60〜250[mol/t]含有し、かつ前記一般式(I)で表される末端構造の含有量[mol/t]と前記一般式(II)で表される末端構造の含有量[mol/t]の比((I)/(II))が0.3〜2.5である請求項2に記載の離型フィルム。
  4. 末端変性ポリアミド樹脂(A)が、アミノ末端基とカルボキシル末端基を合計50〜150[mol/t]含有し、かつアミノ末端基の含有量[mol/t]とカルボキシル末端基の含有量[mol/t]の比(アミノ末端基/カルボキシル末端基)が0.5〜2.5である請求項1〜3のいずれかに記載の離型フィルム。
  5. 空気雰囲気下、180℃の条件下45分間滞留前後の重量平均分子量保持率が80%以上である請求項1〜4のいずれかに記載の離型フィルム。
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