JPH06256333A - ケテン二量体の製造方法 - Google Patents

ケテン二量体の製造方法

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JPH06256333A
JPH06256333A JP6041789A JP4178994A JPH06256333A JP H06256333 A JPH06256333 A JP H06256333A JP 6041789 A JP6041789 A JP 6041789A JP 4178994 A JP4178994 A JP 4178994A JP H06256333 A JPH06256333 A JP H06256333A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機溶媒の実質的な不在下で、ケテン二量体
を良好な収率、高純度で高生産性で製造する方法を提供
することである。 【構成】 三級アミン(反応体及び溶媒/希釈剤の両方
として使用する)との反応による脂肪酸ハライドからケ
テン二量体の製造方法であって、少なくとも1.15モ
ルの三級アミンを脂肪酸ハライド1モルに対して使用
し、かつその方法を付加的な溶媒の実質的な不在下で行
い、それにより、製造されたケテン二量体を三級アミン
のストリッピング、続いて酸抽出による三級アミンハロ
ゲン化水素塩の生成された結晶の分離により得ることを
特徴とするケテン二量体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脂肪酸ハライド及び三
級アミンからのケテン二量体の製造方法に関し、更に詳
しくは、脂肪酸ハライドに対し三級アミンを反応体及び
溶媒/希釈剤の両方として使用し、かつ他の溶媒を実質
的にさらに加えることなく、反応させ、それにより、ケ
テン二量体を含む反応混合物を生成させ、該混合物から
過剰の三級アミンのストリッピングを行ない、続いて酸
抽出によるハライド水素三級アミンの生成結晶の分離を
行なうことにより得られるケテン二量体の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】長鎖
“アルキル”ケテン二量体(AKD)は、通常、分散剤
としてカチオン性澱粉またはカチオン性合成ポリマーを
含む水性分散液の形態でサイジング剤として製紙工業で
広く使用されている。長鎖アルキルケテン二量体は脂肪
酸ハライドからハロゲン化水素の除去により製造され
る。中間体ケテンは高度に反応性であり、二量化する。
通常、長鎖アルキルケテン二量体の製造は、有機溶媒中
の脂肪酸クロリド基質への三級アミンの添加により、ま
たは有機溶媒中の三級アミンへの脂肪酸クロリドの添加
により行われる。三級アミンは、通常、脂肪酸クロリド
1モルに対し少しのモル過剰、例えば、三級アミン1.1
モルで使用される。三級アミンは脂肪酸クロリドから塩
化水素を除去し、アミン塩酸塩の結晶が生成される。こ
れらの結晶および少し過剰のアミンが、その後、反応混
合物から除去される。これは、通常、酸抽出により行わ
れ、それにより、残存三級アミンが酸抽出媒体に可溶性
のアミン塩に変換される。製造されたAKDは有機抽出
相からの溶媒の蒸発により得られる。商用の方法におい
て、酸抽出媒体は、通常、アルカリによる中和により処
理されてアミン塩から遊離アミンを放出し、最後に三級
アミンがその方法で再使用するために脱水される。
【0003】使用される有機溶媒は原料及び最終生成物
に対し不活性である。不活性溶媒として、アルカン、シ
クロアルカンまたは芳香族炭化水素が使用し得る。通
常、トルエンの如き芳香族炭化水素及び1,2−ジクロ
ロプロパンが商用の方法に使用される。溶媒の量は、通
常、かなり多く、殆どの場合、脂肪酸クロリド1部に対
し少なくとも0.8 部の溶媒が使用される。溶媒は脂肪酸
ハライド及びAKDの溶媒として、また反応中に生成さ
れた結晶を離して保ち、それにより、原料と最終生成物
の混入をもたらす結晶の成長を防止するための希釈剤と
して作用する。混入によるこのような結晶の成長は低下
された収率をもたらす。トルエンの如き有機溶媒による
全ての処理は、勿論、環境上の観点から望ましくなく、
厳格な安全手段を必要とする。更に、製造されたAKD
から全ての溶媒を除去することは極めて困難であり、こ
うしてこれは、通常、約0.1 〜0.6 重量%の溶媒を含
み、これは勿論望ましくなく、しかもこれはサイジング
剤としてのAKDの使用時に問題を生じる。こうして、
溶媒は、製紙機から流出し、乾燥機から排出される製造
された紙中に存在する。
【0004】ケテン二量体の製造において不活性有機溶
媒の量を減少しようとする試みは成功しなかった。これ
は、主として、結晶成長及び生成された結晶の形状のた
めである。三級アミンのハロゲン化水素塩の結晶の樹枝
状の成長は、“針状形”結晶及び/または樹枝状の側分
枝を有する結晶を生じ、反応混合物の望ましくない程に
高い粘度をもたらす。こうして、反応器内容物を攪拌す
ることが非常に困難になり、伝熱の問題が生じる。加え
て、ほんの少量の不活性有機溶媒の存在下で生じる結晶
の成長は、通常、混入及び実質的に減少された収率をも
たらす。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、脂肪酸ハライ
ド及び三級アミンからのケテン二量体の製造方法を提供
することを目的とするものであり、その方法では、三級
アミンを反応体及び溶媒/希釈剤の両方として使用し、
かつその方法を付加的な溶媒の実質的な不在下で行う。
こうして、本発明は請求項に更に特定された方法に関す
る。更に詳しくは、本発明は脂肪酸ハライド及び三級ア
ミンからのケテン二量体の製造方法に関するものであ
り、その方法では、少なくとも1.15モルの三級アミンを
脂肪酸ハライド1モルに対し使用し、かつその方法を付
加的な溶媒の実質的な不在下で行い、それにより、製造
されたケテン二量体を三級アミンのストリッピング、続
いて酸抽出によるハロゲン化水素三級アミンの生成結晶
の分離により得る。
【0006】本発明によれば、三級アミンを反応体及び
溶媒/希釈剤の両方として使用して脂肪酸ハライドから
ケテン二量体を製造することが可能であることがわかっ
た。これにより、本発明の方法は付加的な溶媒を完全に
省き、かつ溶媒に関連する全ての問題を回避することを
可能にし、しかも通常の溶媒をベースとする方法と同様
の良好な収率及び高純度の生成物を与える。本発明の方
法において、三級アミンは脂肪酸ハライドに対し大きな
モル過剰で使用でき、即ち、通常の量よりも多量の三級
アミンが使用でき、それ故、反応中に生成した結晶の成
長及び形状に関連する問題が回避でき、または少なくと
も最小にし得る。過剰の三級アミンを使用する技術上及
び経済上の両方で運転可能な方法を提供するために、三
級アミンのストリッピング、続いて酸抽出により反応混
合物を処理することが必要であることがわかった。スト
リッピング工程の不在下では、抽出工程で望ましくない
程に多量の酸を使用して有機ケテン二量体相から過剰の
三級アミン及び生成した結晶を分離することが必要であ
り、そして水性抽出相の処理は、遊離アミンを放出する
ために中和工程で非常に多量のアルカリの使用を必要と
する。更に、放出された三級アミンを含む水の脱水は望
ましくない程に多量の脱水剤を必要とし、または通常の
量よりも多量の三級アミンがその方法で再使用される前
に蒸留される必要がある。ストリッピング工程は、回収
された三級アミンがその方法で再使用し得る点で更に有
利である。こうして、本発明の方法のストリッピング工
程は反応混合物の処理を容易にし、かつ処理薬品の量ま
たは容積を減少することを可能にする。それ故、酸抽出
工程の前の未反応アミンのストリッピングと組み合わせ
た過剰の三級アミンの使用は、経済上だけでなく技術上
有利な方法をもたらす。こうして、本発明の方法は、生
産性を増大し、かつ反応装置を良く利用することを可能
にする。
【0007】本発明の方法は付加的な溶媒の実質的な不
在下で行われ、これは脂肪酸ハライドの量を基準とし
て、10重量%以下の物質(これは溶媒/希釈剤として作
用し、かつ原料及び最終生成物に対し不活性である)、
例えば、トルエン等が、その方法中に存在することを意
味する。付加的な溶媒が10%より多い量で存在する場合
には、製造されたAKDは、それが余りに多い溶媒を含
む点で、不利である。しかしながら、この制限に至るま
で、本発明の方法は既知の溶媒をベースとする方法と較
べて生産性の利点を与える。脂肪酸ハライドを基準とし
て、5重量%以下が適しており、好ましくは2重量%以
下の付加的な溶媒が、その方法で使用される。本発明の
方法の最大の利点は、勿論、付加的な溶媒の使用を完全
に避けることが可能であることである。
【0008】本発明の方法の原料は、12〜22個の炭素原
子を有する脂肪酸ハライドが適しており、好ましくは16
〜18個の炭素原子を有する脂肪酸ハライド、またはこの
ような脂肪酸ハライドの混合物である。脂肪酸ハライド
は飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のハライドであってもよ
く、幾つかの例として、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、パルミトレイ
ン酸、オレイン酸等のハライドが挙げられる。また、天
然産の脂肪酸、例えば、ココヤシ及び牛脂からの脂肪酸
のハライドが勿論使用し得る。脂肪酸ハライドは通常塩
化物であり、ステアリン酸クロリドが特に技術上重要で
ある。
【0009】本発明の方法に使用される三級アミンはモ
ノアミンまたはジアミンであってもよい。三級アミンは
溶媒の代わりに使用されるので、それは反応状態で液体
である必要がある。三級アミンは容易に蒸発して完結し
た反応後に反応混合物からの三級アミンのストリッピン
グを促進すべきである。三級アミンは式R123
(式中、R1 、R2 及びR3 は互いに独立に1〜6個の
炭素原子を有するアルキル基、アルケニル基またはシク
ロアルキル基であってもよく、またはR1 及びR2 が一
緒になって6個まで、好ましくは4〜5個の炭素原子を
有するアルキレン鎖を形成し得る)のモノアミンである
ことが適当であり、それにより、該アミンは、炭素原子
の合計数が反応状態で液体であるアミンを与えるように
選ばれる。脂肪族アミンが好ましい。好適なアミンの例
として、トリエチルアミン、ジエチルメチルアミン、N
−メチルピロリジンおよびN−メチルピペリジンが挙げ
られる。また、2種以上のアミンのブレンドの使用は、
勿論、本発明の範囲内である。トリエチルアミン(TE
A)が、主としてその物理的性質及び経済上の理由のた
めに好ましい三級アミンである。本発明の方法における
三級アミンは、脂肪酸ハライドからハロゲン化水素を除
去する機能及び夫々の反応相用の溶媒/希釈剤として作
用して、反応混合物が濃厚になりすぎたり、また粘稠に
なりすぎたりすることを防止する機能の両方を満足す
る。また、反応中に製造されたAKDは未反応アミンと
同様に溶媒/希釈剤効果に寄与する。ハロゲン化水素を
除去する機能及び溶媒/希釈剤機能を満足するために、
三級アミンは少なくとも1.15モルの量で使用されること
が適当であり、またその反応が脂肪酸ハライド1モルに
対し少なくとも1.5 モルで行われるように過剰の三級ア
ミンが使用されることが適当である。上限は重要ではな
いが、主として自明の実施上の理由のために決められる
のであり、その方法に寄与せず、除去される必要がある
だけのような量のアミンを添加するように決められるも
のではない。通常、上限は10モルを越えず、殆どの場
合、それは5モルを越えない。脂肪酸ハライド1モルに
対し1.8 〜10モル、特に2〜4モルの量の三級アミンが
使用されることが好ましい。
【0010】本発明の方法において、脂肪酸ハライドに
対し過剰の三級アミンの大部分がストリッピング工程で
除去されることが好ましい。ストリッピングにより除去
し得る三級アミンの比率は、勿論、アミンの初期の過剰
量及び使用される装置に依存する。三級アミンのモル過
剰の少なくとも60重量%が酸抽出の前にストリッピング
により除去されることが好適である。反応混合物中の三
級アミン含量のこの減少は、三級アミンの過剰量を除去
するための単一工程として酸抽出を使用する方法と比較
して生産性の利点を与える。三級アミンのモル過剰の好
ましくは少なくとも70重量%、最も好ましくは少なくと
も80重量%が酸抽出の前にストリッピングにより除去さ
れる。
【0011】以下に、硬化された牛脂肪酸クロリド及び
トリエチルアミンからのAKDの製造のための本発明の
方法に適した条件を説明する。その他の脂肪酸ハライド
及びその他の三級アミンに適した条件は、例えば、脂肪
酸ハライド及び製造されたAKDの夫々の融点、及び三
級アミンの物理的性質を考慮して当業者により容易に決
められる。その方法は、最初に三級アミンを反応器に仕
込み、初期にこれを少なくとも40℃の温度に加熱するこ
とにより行われることが適切である。その温度は、三級
アミン及び酸ハライドの夫々の沸点/融点に依存する。
TEAを使用する方法において、初期の加熱は40〜60℃
の温度で適切に行われる。その後、酸ハライドが加熱さ
れた三級アミン相に(適当に連続方法で表面下で)添加
され、添加時間は少なくとも0.5 時間であることが適切
である。その添加は1〜4時間の期間内、好ましくは1
〜2時間の範囲内に行われることが好ましい。脂肪酸ハ
ライドと三級アミンの反応は発熱であり、こうしてその
反応は、通常、冷却下で行われ、反応中の温度は50〜60
℃の範囲内、好ましくは50〜55℃の範囲内に保たれるこ
とが適切である。その反応は、酸ハライドが添加された
直後に殆ど完結される。これは、連続方法が所望により
運転し得ることの指標である。本発明の方法は長い反応
後の時間を必要とせず、こうしてまたこの局面において
通常の溶媒をベースとする方法と比較して有利である。
何となれば、それらは、通常、2〜2.5 時間の反応後の
時間を必要とするからである。更に別の利点は、より大
きな生産量及び増大された生産性をもたらすより小さい
バッチ容積という事実である。
【0012】完結した反応後に、製造されたケテン二量
体が三級アミンのハロゲン化水素塩の生成した結晶及び
残存三級アミンから分離される。本発明の方法によれ
ば、製造されたケテン二量体は三級アミンのストリッピ
ング、続いて酸抽出による三級アミンのハロゲン化水素
塩の生成した結晶の分離により得られる。ストリッピン
グ工程後に反応混合物中に存在する残存三級アミンは、
相当するアミン塩への変換により酸抽出工程で除去し得
る。ストリッピング工程は減圧下で適切に50〜60℃、好
ましくは55〜57℃の温度で行われる。酸抽出工程は、無
機酸、例えば、塩酸または硫酸(塩酸が適当である)の
添加により行われる。酸水溶液が使用されることが好ま
しい。抽出工程は攪拌下で約60℃〜約80℃の温度で適切
に行われる。酸の濃度はスラリー中に残存しているアミ
ンの量に依存する。計算は40〜60重量%の水のトリエチ
ルアミン塩溶液を生成する濃度で酸の過剰に基いてい
る。酸抽出工程で生成した水相はAKDから分離され
る。
【0013】AKDは、それ自体通常の方法で処理で
き、通常、水洗が行われて不純物を除去し、続いて脱水
工程が行われて残存している水を除去する。水洗は攪拌
下で50〜90℃の温度で適切に行われる。脱水工程は、通
常、減圧で約30分〜約1時間にわたって約80〜約90℃の
温度に加熱することを伴う。所望により、AKDの目的
とする用途の純度要件に応じて、残存し得るごくわずか
な量の三級アミンのハロゲン化水素塩及び固体残渣を除
去するために、濾過工程が最後の工程として行われても
よい。
【0014】本発明の方法により製造されたAKDは、
通常の方法により製造されたAKDと同様に純粋であ
り、加えて、それは無溶媒であり、しかもサイジング剤
として使用される場合に問題を生じない。この分野にお
いて、それは通常のように水性分散液(これはアニオン
性、カチオン性又は両性の分散剤を含むことができる)
中で使用し得る。通常、AKD分散液はアニオン性分散
剤、例えば、リグノスルホネート又は縮合芳香族スルホ
ン酸のナトリウム塩、及びカチオン性ポリマー、例え
ば、カチオン性澱粉またはカチオン性合成ポリマー、例
えば、ポリアクリルアミド、ポリアミン等を含む。
【0015】上記のストリッピング工程で回収された三
級アミンは、勿論、直接再使用し得る。上記の酸抽出工
程後に得られた水相は、三級アミンを再使用するために
処理される必要がある。このような処理は、通常のよう
に、遊離アミンを塩化水素塩から放出するアルカリ(苛
性ソーダが適当である)による中和を伴う。遊離アミン
中の少量の水は、その後、再使用の前に適切に除去して
水含量を1200ppm未満、好ましくは200 ppm未満に
する。アミンの脱水は、例えば、分別蒸留、薬品処理
(例えば、水素化カルシウムまたはモレキュラーシーブ
による)、またはこれらの組み合わせにより行ってもよ
い。本発明を以下の実施例により更に説明するが、これ
らの実施例は本発明を限定することを目的とするもので
はない。
【0016】
【実施例】
例1(比較例) この例では、AKDをトルエン法により製造した。トリ
エチルアミン(500 ppm 未満の水含量)111.5 g
(1.1 モル)及びトルエン226.8 g(2.49モル)をきれ
いな乾燥した1リットルのジャケット付き容器に添加し
た。その容器に攪拌棒、温度計、酸クロリド導入管、窒
素導入管及び水冷冷却器を介してガス出口を取り付け
た。その容器を窒素でパージし、内容物を50℃に加熱し
た。
【0017】牛脂肪酸クロリド289.0 g(1モル)を攪
拌しながらトリエチルアミン/トルエン混合物にポンプ
輸送した。酸クロリド添加の速度を、1.5 時間の全添加
時間を得るように調節した。酸クロリド添加中に、温度
を反応器及び酸クロリドフラスコの両方で窒素パージに
より52℃〜55℃に保った。酸クロリド添加が終了した
後、その反応スラリーを70℃に加熱し、2時間攪拌し
た。
【0018】その後、水132.8 gに添加し、60℃に温め
た濃塩酸(36%w/w)22.5gを使用して酸抽出工程を
行った。酸を反応スラリーに添加し、10分間攪拌し、15
分間にわたって分離した。下層のトリエチルアミン塩酸
塩の水層を排出した。水100mlの添加により水洗を行
い、30秒攪拌し、その後70℃で1.5 時間にわたって分離
した。脱水、濾過及びトルエンの蒸発を行った。AKD
256.5 gを得た。IR(赤外線分析)による純度(3−
アルキル−4−アルキリデニル−オキセタン−2−オン
の含量)は88.5%w/wのAKDを示した。GPC(ガ
スパーミエーションクロマトグラフィー)分析は以下の
結果を示した。高分子量 = 8.6% 中間(AKD)分子量=88.8% 低分子量 = 2.6%
【0019】例2 反応装置を、付加的な蒸留装置を用いて例1と同様にし
て組み立てた。冷却トラップ(−45℃)をトリエチルア
ミン受器と真空ポンプの間に置いた。トリエチルアミン
253.2 g(2.5 モル)を容器に添加し、50℃に加熱し
た。例1と同じ酸クロリド289.0 g(1モル)を添加中
50〜53℃の温度に保って例1と同様の方法で添加した。
酸クロリド添加が終了した後、その混合物が57℃で沸騰
し始めるまで真空を適用した。蒸留を1.5 時間行った。
酸抽出を、水121.1 gに濃塩酸62.2gを添加し、70℃に
温めることにより調製した。この酸を反応スラリーに添
加し、攪拌を10分間行い、15分間にわたって分離した。
下の水層を排出し、AKD層を80℃に加熱した。その
後、水100 mlを添加し、10秒攪拌し、1時間にわたっ
て分離した。水層を排出し、その後、生成物を減圧で脱
水し、続いて例1のようにして濾過した。AKD254.4
gを得た。IRによる純度は87.9%w/wのAKDを示
した。GPC分析は以下の結果を示した。 高分子量 = 9.6% 中間(AKD)分子量=87.3% 低分子量 = 3.1%
【0020】例3 例2と同じ装置を使用した。トリエチルアミン202.66g
(2モル)を容器に添加し、47℃に加熱した。例1と同
じ酸クロリド289.0 g(1モル)を2時間で添加し、そ
の添加中に冷却を使用して温度を53〜56℃に保った。酸
クロリド添加が終了した後、スラリーを57℃に加熱し、
10分間攪拌し、その後、例2と同様にして40分間蒸留し
た。水148.8 gに添加した濃塩酸52.7gを使用して酸抽
出を行った。酸抽出及び処理を例2のようにして行っ
た。AKD253.9 gを得た。IRによる純度は88.5%w
/wのAKDを示した。GPC分析は以下の結果を示し
た。 高分子量 = 9.5% 中間(AKD)分子量=88.5% 低分子量 = 2.0%
【0021】例4 例2と同じ反応装置を使用した。ジエチルメチルアミン
(200 ppm未満の水含量)180.55g(2.07モル)を容
器に添加し、48℃に加熱した。例1と同じ酸クロリド23
7.0 g(0.82モル)を100 分で添加し、冷却を使用して
温度を52〜55℃に保った。酸クロリド添加が終了した
後、反応スラリーを56℃に加熱し、10分間攪拌し、その
後、例2と同様にしてアミンを40分間蒸留した。酸抽出
及び処理を例2と同様の方法で行い、酸抽出として水10
7.11gを含む濃塩酸40.89 gを使用した。AKD202.7
gを得た。IRによる純度は90.5%w/wのAKDを示
した。GPC分析は以下の結果を示した。 高分子量 = 6.1% 中間(AKD)分子量=92.9% 低分子量 = 6.1%

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三級アミンとの反応による脂肪酸ハライ
    ドからケテン二量体の製造方法であって、 少なくとも1.15モルの三級アミンを脂肪酸ハライド1モ
    ルに対して使用し、かつその方法を付加的な溶媒の実質
    的な不在下で行い、それにより、製造されたケテン二量
    体を三級アミンのストリッピング、続いて酸抽出による
    三級アミンハロゲン化水素塩の生成された結晶の分離に
    より得ることを特徴とするケテン二量体の製造方法。
  2. 【請求項2】 脂肪酸ハライドの量を基準として5重量
    %以下の付加的な溶媒が、その方法中に存在することを
    特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも1.5 モルの三級アミンを脂肪
    酸ハライド1モルに対して使用することを特徴とする請
    求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 三級アミンが式R123 N(式中、
    1 、R2 及びR3は互いに独立に1〜6個の炭素原子
    を有するアルキル基、アルケニル基またはシクロアルキ
    ル基であり、またはR1 及びR2 は一緒になって6個ま
    での炭素原子を有するアルキレン鎖を形成する)のアミ
    ンであることを特徴とする請求項1または3に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 三級アミンがトリエチルアミン、ジエチ
    ルメチルアミン、N−メチルピロリジンまたはN−メチ
    ルピペリジンであることを特徴とする請求項4に記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 脂肪酸ハライドが12〜22個の炭素原子を
    有する飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸の塩化物であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 その方法を付加的な溶媒の完全な不在下
    で行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 三級アミンのモル過剰の少なくとも60重
    量%をストリッピングにより除去することを特徴とする
    請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 三級アミンのストリッピングを減圧で行
    うことを特徴とする請求項1または8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 塩酸または硫酸を使用して、酸抽出を
    行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。
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