JPH06255620A - 金属板コイルの外周紙供給方法とその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属コイルの包装紙の供給装置におけるセン
タリングを行い、コイル端面における包装紙のひだ成形
のピッチを正確に維持して、優れた梱包荷姿を得る金属
板コイルの外周紙供給方法とその装置を提供する。 【構成】 ダウンエンドタイプにした金属板コイルの外
周部周面に梱包紙を装着しながら該コイルの両端面から
内径部周端縁部に亙たって該包装紙の両側部を折り込み
装着する金属板コイルの梱包にあたり、梱包紙ケースか
ら外周部周面用梱包紙を包装紙載置部に引き出して金属
板コイル外周部に供給する外周紙供給装置による外周紙
供給方法において、前記包装紙載置部の包装紙載置幅を
金属板コイル幅未満にセットして後梱包紙ケースから外
周部周面用梱包紙を引き出し載置すると共に、該外周紙
の中央表面長手方向を複数の押えロールで押え、次いで
包装紙載置部の包装紙載置幅を金属板コイル幅にセット
換えし、外周紙をコイル外周装着装置に供給することを
特徴とする金属板コイルの外周紙供給方法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は金属板コイルの外周紙供
給方法とその装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】クレードルロールに金属板コイルを載置
して金属板コイルを包装する梱包手段が知られている
が、本出願人はさきに特開平２−１６６０２５号公報に
おいて、包装材の供給方法を提案した。即ち図１３に示
すように予め裁断した１個分の包装材を収納ケース２に
収納し、供給装置１で順次１個分ずつ供給するが、包装
材は吸引バット４−１で吸引引き出されてコイルの包装
装置７に搬送される。図において３：駆動装置、４：外
周紙供給装置、５：受けテーブルエアシリンダーであ
る。

【０００３】更に本出願人は特開平１−２４０４１８号
公報において、外周紙装着紙折り装置を提案した。即ち
図１４に示すように、コの字形に成形した紙１５を、コ
イル９へ搬送装置７−１で紙１５を吸引しつつ、ベルト
を用いて等速で送る。コイル９上へ来た紙１５の先端を
テーピング装置３２でコイル９に接着する。そこでクレ
ードルロール１０でコイル９を回転させる。

【０００４】コイル９が回転すると、コの字形に成形さ
れた紙１５は、コイル９の内周速と外周速の差から、コ
イル９内周側へ紙ひだ３１が発生する。その紙ひだ３１
を直接ブラシ状ローラ７−２へ送り込むと紙シワが多数
発生するため、シャトルバー３３を駆動モータによって
駆動し、紙ひだ３１の成形を連続的に行い、周速に対応
するために分割された各々自由に回転することのできる
ブラシ状ローラ７−２へ順次紙ひだ３１を送り込んでゆ
く。ブラシ状ローラ７−２へ送り込まれた紙ひだ３１
は、同ローラによってコイルの反回転側に折り込まれ
る。続いてブラシ状ローラと同じ構造をしたゴムローラ
７−３でプレスされ、確実な折目を付けられる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】収納ケースに収納され
た巻紙状の包装紙の先端を把持し、供給テーブル上にコ
の字形に成形しつつ引き出してコイルに包装紙を供給す
る装置において、引き出し中に紙中心とテーブル中心が
合致せず、コイルへの包装紙の供給がアンバランスとな
り梱包荷姿が悪化する。又紙送り装置は装置の移動によ
る紙先端の移送と、ベルト回転によるコイル上部への移
送及びベルト回転によるひだ折り中の送りを行うが、こ
れらの工程においてベルト吸着力を確実に維持する必要
があり、不足時は移送停止、ひだ成形のピッチ不良とな
る。本発明は金属コイルの包装紙の供給装置におけるセ
ンタリングを行い、コイル端面における包装紙のひだ成
形のピッチを正確に維持して、優れた梱包荷姿を得る金
属板コイルの外周紙供給方法とその装置を提供するもの
である。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の要旨は以下の通
りである。 ダウンエンドタイプにした金属板コイルの外周部周面
に梱包紙を装着しながら該コイルの両端面から内径部周
端縁部に亙たって該包装紙の両側部を折り込み装着する
金属板コイルの梱包にあたり、梱包紙ケースから外周部
周面用梱包紙を包装紙載置部に引き出して金属板コイル
外周部に供給する外周紙供給装置による外周紙供給方法
において、前記包装紙載置部の包装紙載置幅を金属板コ
イル幅未満にセットして後梱包紙ケースから外周部周面
用梱包紙を引き出し載置すると共に、該外周紙の中央表
面長手方向を複数の押えロールで押え、次いで包装紙載
置部の包装紙載置幅を金属板コイル幅にセット換えし、
外周紙をコイル外周装着装置に供給することを特徴とす
る金属板コイルの外周紙供給方法。

【０００７】ダウンエンドタイプにした金属板コイル
の外周部周面に梱包紙を装着しながら該コイルの両端面
から内径部周端縁部に亙たって該包装紙の両側部を折り
込み装着する金属板コイルの梱包にあたり、梱包紙ケー
スから外周部周面用梱包紙を包装紙載置部に引き出して
金属板コイル外周部に供給する外周紙供給装置におい
て、前記包装紙載置部を中央テーブルとその両側に幅方
向移動可能にした幅移動テーブルから構成し、包装紙載
置部の上方長手方向に複数の押えロール機構を昇降駆動
可能に設け、前記中央テーブルと各幅移動テーブル間に
外周紙先端クランプ引き出しアームを走行可能に配置
し、包装紙載置部の金属板コイル側の両側部に包装紙載
置部の側面の外周紙両側部を吸引保持しながら外周紙を
コイル外周装着装置に供給するベルト式吸引搬送装置を
各々接近離間可能でかつコイル側に移動可能に配置した
ことを特徴とする金属板コイルの外周紙供給装置。

【０００８】ベルト式吸引搬送装置のベルト自体に気
体誘引孔を設置し気体誘引孔を吸引装置に連通したこと
を特徴とする記載の金属板コイルの外周紙供給装置。 ベルト式吸引搬送装置にベルト送り方向の出側が下と
なる角度θを与えたことを特徴とする記載の金属板コ
イルの外周紙供給装置。 ベルト式吸引搬送装置の上流側に空気噴射のノズルを
併設したことを特徴とする記載の金属板コイルの外周
紙供給装置。

【０００９】以下本発明を図面について説明する。本発
明は上述の特開平２−１６６０２５号公報及び特開平１
−２４０４１８号公報に開示される外周紙の供給装置及
び外周紙装着装置に適用し得るが格別限定されない。

【００１０】本発明においてはダウンエンドタイプにし
た金属板コイルの周面に梱包紙を装着し、次いで、外周
部周面に梱包紙を装着しながら、該コイルの両端面から
内径部周端縁部に亙たって包装紙の両側部を折り込み装
着する金属板コイルの梱包にあたり、梱包紙ケースから
外周部周面用梱包紙を包装紙載置部に引き出して金属板
コイル外周部に供給する外周紙供給装置を設ける。

【００１１】図１，図２に示すように外周紙供給装置の
包装紙載置部８は中央テーブル１３とその両側に幅方向
移動可能にした幅移動テーブル１１，１２から構成す
る。又、前記中央テーブル１３と各幅移動テーブル１
１，１２間に外周紙先端クランプ引き出しアームにクラ
ンプ装置２０，２１を設け走行可能に配置する。外周紙
先端クランプは公知の紙つかみ機構をもたせてある。更
に本発明においては図３に示すように、包装紙載置部の
上方長手方向に押えロール１４を懸架して昇降自在に設
ける。押えロール１４は略等間隔に＃１〜＃ｎとする。

【００１２】実験によると巻紙状の包装紙１５の先端を
把持して引き出す際、引き出し開始時は紙先端中心はテ
ーブル中心と合致しているが、引き出しにつれてケース
２の左右の引き出し抵抗差により先端以後の紙中心がテ
ーブル中心からずれる（図５）。即ち包装紙１５の両側
の垂下量ｔは中心ずれαを形成する。又引き出し中の包
装紙中央付近はテーブル上にあるが、両側は引き出しに
伴いテーブル側面に垂下する。

【００１３】このとき垂下量＝（紙幅−テーブル幅）／
２が好ましいが、垂下量が少ないと垂下部ｗは斜めにな
り、引き出し搬送に伴う空気圧により浮力を受け、左右
の浮力差により紙先端以後の紙中心がテーブル中心から
ずれる（図６）。従って引き出し後オペレーターが手で
中心合わせを行う必要がある。

【００１４】本発明は引き出し途中で押えロールにて
引き出し中の紙中心を拘束する（図３）。更にテーブ
ル１１，１２をテーブル１３側に移動させて垂下量を一
定長以上に保持したテーブル幅にて紙引き出しを行い、
紙引き出し完了後テーブル１１，１２を外側に移動させ
てテーブル幅をコイル幅に設定する（図４）ことにより
安定した外周紙の供給が可能である。

【００１５】本発明においては、巻紙状の包装紙の先端
を把持し供給テーブルにコの字形に成形しつつ引き出し
てコイルに包装紙を供給するが、包装材のコイルへの供
給時はテーブル幅＝コイル幅に設定される。一方包装材
の幅はコイル幅＋（コイル肉厚×２）＋（内折代×２）
に予め裁断され、内折代は例えば１００mmである。

【００１６】梱包紙ケース２から引き出された包装紙１
５の載置部８では、中央テーブル１３の上面に昇降可能
な押えロールを数カ所配設し、紙先端がロール通過後順
次下降させ、一方テーブル幅をコイル幅に設定後上昇さ
せる。又テーブル幅は垂下量を一定値（例えば６００m
m）以上とした幅に設定した後引き出しを行い、引き出
し完了後コイル幅に設定するテーブル幅を制御する。

【００１７】即ち収納ケース内の巻紙中心はテーブル中
心となっているので、先端を把持し引き出す際紙先端中
心はテーブル中心と合致している。従って引き出しに伴
い先端通過後順次押えロールにて紙を拘束すると、先端
以後のケースの抵抗差に打ち勝つので、紙中心はテーブ
ル中心に維持される。又、垂下量を一定量以上として紙
引き出しを行うので引き出し搬送に伴う空気圧により浮
力を受けることなく、紙中心はテーブル中心に維持さ
れ、供給包装紙の中心位置が確保され、梱包荷姿は向上
する。

【００１８】本発明のこれらの作動はタイマー又は光学
センサーを用いて自動化できるが、この制御シーケンス
の一例は引き出し開始（テーブル幅min)、テーブル幅設
定（紙幅−一定値×２）、先端＃ｉ押えロール通過（ｉ
＝１〜３）、＃ｉ押えロール下降、引き出し完了、＃４
押えロール下降、テーブル幅設定（コイル幅）、押えロ
ール上昇となり、作業サイクルを完了する。

【００１９】本発明の外周紙供給装置においては包装紙
載置部８の金属板コイル９側の両側部に包装紙載置部の
側面の外周紙１５両側部を吸引保持しながら、外周紙１
５をコイル外周装着装置に供給するベルト式吸引搬送装
置を各々接近離間可能でかつコイル側に移動可能に配置
する。又ベルト式吸引搬送装置７のベルト自体に気体誘
引孔１９を設置し、気体誘引孔１９を吸引装置（図示せ
ず）に連通せしめる。

【００２０】金属コイルは例えば外径８００〜２２００
mm、内径２０，２４，２８，３０インチ、幅５５０〜１
８８０mmの各種サイズがあるが、ベルト式吸引搬送装置
７は図６に示すように、内折り部Ｈを与えられた外周紙
１５を吸引搬送するが、コイルＭＩＮ外径−ｈ₁ 、コイ
ルＭＡＸ内径＋Ｈ−ｈ₂ に相当するコイル端面にセット
されることが好ましい。ところで実験によると、外周紙
垂下部がベルト吸引部を外れると紙移送ができない（吸
引部がすべてのコイルサイズを満足しない）ので、図７
（ａ）の範囲を外れる恐れがある。又吸引面積（ベルト
格納開口部−ベルト面積）が少なくかつベルト廻りだけ
で紙がベルトに吸引される力が不足し、ひだ折りに充分
な紙送りができずひだピッチの均一性が保てない。

【００２１】更に紙先端の紙くせによるめくれｄ、コイ
ル肉厚の小さい時の斜め垂下部ｔ′は外周紙１５の一部
が吸引部を外れ負圧が減少して吸引できず紙送りができ
ない（図１１，１２）。又、巻付け中の紙加工抵抗によ
り未巻付け部（巻付け残り部）に浮き上りＵが生じ、尾
端に到るに従って紙センター移動が累積し左右均一な梱
包ができない（図１０）等の問題が発生する。

【００２２】本発明は、図７（ａ）に示すように、各種
サイズのコイル肉厚のすべての垂下部の範囲内になるよ
うにベルト１６の吸引口部３０を配置すると共に、図８
に示すように吸引力を高めるためベルト１６自体に吸引
孔１９を設置する。従って各種サイズのすべてのコイル
肉厚に相当しかつ紙センター移動量を加味した範囲内
に、ベルト吸引口部３０を設置することを得る。又図９
に示すようにベルト吸引搬送装置の吸引前にノズル２５
を設け、エアブローにて外周紙の垂下部先端の紙くせを
修正し、送りベルト吸引部全面に紙が覆うようにする。
ノズル２５は先端側に１０°程度の角度βを持たせると
有効である。

【００２３】本発明は図７（ｂ）に示すようにベルト式
吸引搬送装置７にベルト１６の送り方向の出側が下とな
る角度θを与える。即ち外周紙１５はベルト回転により
コイル上面に移送されるが、移送中は側面の移送抵抗や
コイル外径に沿ってガイドされる抵抗があり、未巻付け
部分に紙の浮上りが発生し紙のセンターが移動し左右均
一な梱包ができない。従って移送中の紙垂下部をコイル
方向へ下方に押付けるようにベルトに角度θをつけると
有効である。

【００２４】

【発明の効果】本発明により金属コイルの包装紙のセン
タリングを行い、コイル端面におけるひだ成形のピッチ
を正確にして優れた梱包荷姿を得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の外周紙供給装置の説明図である。

【図２】本発明の外周紙供給装置で、（ａ）は平面図、
（ｂ）は側面図、（ｃ）は正面図である。

【図３】本発明の押えロール配置で、（ａ）は平面図、
（ｂ）は側面図、（ｃ）は正面図である。

【図４】本発明の垂下量引き出し制御で、（ａ）は平面
図、（ｂ）は側面図、（ｃ）は正面図である。

【図５】引き出し抵抗差による中心ずれで、（ａ）は平
面図、（ｂ）は側面図、（ｃ）は正面図である。

【図６】浮力による中心ずれで、（ａ）は平面図、
（ｂ）は側面図、（ｃ）は正面図である。

【図７】（ａ）は本発明の部分側面図であり、（ｂ）は
本発明の部分説明図である。

【図８】（ａ）は本発明の作用の平面図、（ｂ）は
（ａ）の側面図である。

【図９】本発明の作用の説明図である。

【図１０】従来例の作用の説明図である。

【図１１】（ａ）は従来例の他の作用の側面図、（ｂ）
は正面図である。

【図１２】（ａ）は従来例の更に他の作用の側面図、
（ｂ）は正面図である。

【図１３】従来例の紙供給装置の説明図である。

【図１４】従来例の紙装着装置の説明図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 琢司 北九州市小倉北区金鷄町６−29 (72)発明者 青柳 泰彦 大分市牧２−１−38 牧12矢野ビル502号

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ダウンエンドタイプにした金属板コイル
   の外周部周面に梱包紙を装着しながら該コイルの両端面
   から内径部周端縁部に亙たって該包装紙の両側部を折り
   込み装着する金属板コイルの梱包にあたり、梱包紙ケー
   スから外周部周面用梱包紙を包装紙載置部に引き出して
   金属板コイル外周部に供給する外周紙供給装置による外
   周紙供給方法において、前記包装紙載置部の包装紙載置
   幅を金属板コイル幅未満にセットして後梱包紙ケースか
   ら外周部周面用梱包紙を引き出し載置すると共に、該外
   周紙の中央表面長手方向を複数の押えロールで押え、次
   いで包装紙載置部の包装紙載置幅を金属板コイル幅にセ
   ット換えし、外周紙をコイル外周装着装置に供給するこ
   とを特徴とする金属板コイルの外周紙供給方法。
2. 【請求項２】 ダウンエンドタイプにした金属板コイル
   の外周部周面に梱包紙を装着しながら該コイルの両端面
   から内径部周端縁部に亙たって該包装紙の両側部を折り
   込み装着する金属板コイルの梱包にあたり、梱包紙ケー
   スから外周部周面用梱包紙を包装紙載置部に引き出して
   金属板コイル外周部に供給する外周紙供給装置におい
   て、前記包装紙載置部を中央テーブルとその両側に幅方
   向移動可能にした幅移動テーブルから構成し、包装紙載
   置部の上方長手方向に複数の押えロール機構を昇降駆動
   可能に設け、前記中央テーブルと各幅移動テーブル間に
   外周紙先端クランプ引き出しアームを走行可能に配置
   し、包装紙載置部の金属板コイル側の両側部に包装紙載
   置部の側面の外周紙両側部を吸引保持しながら、外周紙
   をコイル外周装着装置に供給するベルト式吸引搬送装置
   を各々接近離間可能で、かつコイル側に移動可能に配置
   したことを特徴とする金属板コイルの外周紙供給装置。
3. 【請求項３】 ベルト式吸引搬送装置のベルト自体に気
   体誘引孔を設置し、気体誘引孔を吸引装置に連通したこ
   とを特徴とする請求項２記載の金属板コイルの外周紙供
   給装置。
4. 【請求項４】 ベルト式吸引搬送装置にベルト送り方向
   の出側が下となる角度θを与えたことを特徴とする請求
   項２記載の金属板コイルの外周紙供給装置。
5. 【請求項５】 ベルト式吸引搬送装置の上流側に空気噴
   射のノズルを併設したことを特徴とする請求項２記載の
   金属板コイルの外周紙供給装置。