JP3664601B2 - ベニヤ単板巻戻しにおける糸部材の姿勢矯正装置 - Google Patents

ベニヤ単板巻戻しにおける糸部材の姿勢矯正装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベニヤ単板の巻玉を次段工程へ巻戻す際、ベニヤ単板のガイドとして巻き付けられている糸部材の姿勢を矯正する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、図16に示す如く、ベニヤレースによって切削されたベニヤ単板1は、巻取位置において、サイドドライブロールに押し付けられて回転する巻取りリール2に適宜径の巻玉3となるまで巻取られ、巻玉ストックエリヤ4において一旦保管した後、またはそのまま、巻玉ストックエリヤ4の終端まで移送架5で移送し、次いで巻戻し位置6にて、巻取りリール2の両軸部をリール支柱7に固着されたリール受8に回転可能に支持した後、巻玉3の上方外周にタッチベルト9を当接させて巻戻し、次段工程のベニヤドライヤ10の搬送コンベヤ11に接続している搬出コンベヤ12へ移乗させている。
【0003】
即ち、上段の巻玉ストックエリヤ4の巻戻し位置6では、通常、原板用の比較的薄いベニヤ単板1が、ベニヤドライヤ10の上段の搬送コンベヤ11へ巻戻され、移乗されており、巻戻し後の空の巻取りリール2は、上段の巻戻し位置6から、斜め下方へ延びる返送架13よりリールストックエリヤ14へ返送され、また、下段の巻戻し位置6では、通常、原板用のベニヤ単板1のほぼ倍の厚みを有する中板用のベニヤ単板1が巻戻され、これを上段の搬送コンベヤ11に比して搬送速度が遅い下段の搬送コンベヤ11へ移乗させるものであり、巻戻し後の空の巻取りリール2は、下段の巻戻し位置6から、斜め上方へ延びる返送架13よりリールストックエリヤ14へ返送されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、巻戻し位置6から巻戻されるベニヤ単板1は、搬出コンベヤ12上へ移乗され、且つ安定的に搬送されるまで、ほぼ自重で落下する状態となり、非常に不安定となる。この落下時、例えば、上段の比較的薄いベニヤ単板1においては繊維方向に亘って発生しているヤニ筋、干割れ部分に裂断を来し易く、また下段のものにおいては、1本の原木でも辺材、芯材等、低級部分から切削されたベニヤ単板1を巻取っているので、上段のものに比してほぼ倍の厚みを有していても、上記記載と同様に、繊維方向に亘って裂断し易い傾向がある。
【0005】
さらに、小幅状のベニヤ単板1を巻取っている場合には、巻玉3から巻戻されて自重で落下する途上に、その先端からカールしたり、偏位搬送し易く、また、巻戻しが途切れた状態となる。
【0006】
しかして、ベニヤ単板1が裂断したり、途切れた場合、若しくは偏位搬送した場合には、その都度、作業者がベニヤ単板1の巻戻し、若しくは搬送状態を修正する必要を生じ、作業性を著しく阻害していた。
【0007】
これに対して、ベニヤ単板1巻戻し時、巻玉3搬入側ほぼ半分を開放状態、また搬出側ほぼ半分を複数列の駆動案内帯によって緊張状態に縣回すると共に、この駆動案内帯を構成する各プーリー軸のうち、巻玉3上部に位置するプーリー軸を巻玉上面に対して揺動自在とした方式が提案されている。これによれば、巻玉からのベニヤ単板の巻戻し方向を逆方向として、ベニヤ単板1の繰出し位置と搬出コンベヤ12までの段差が解消され、一応の成果が得られている。
【0008】
しかしながら、この方式においては、巻玉3を巻戻し位置6へ搬入する毎に、巻玉3上部に位置するプーリー軸を巻玉上面から開放させ、搬入後に閉鎖する必要がある。また、巻玉3からベニヤ単板1を巻戻すに際し、巻玉3の外周に接触して摩擦力を発生させるため、巻玉3のほぼ半分に複数列の駆動案内帯を接触させねばならず、各駆動案内帯個々の緊張制御、各駆動案内帯間の同調制御が複雑化となる。さらに、巻玉3の搬出側ほぼ半分を複数列の駆動案内帯によって緊張状態に縣回している関係上、占有空間が大となって装置が大掛かりとならざるを得ない。
【0009】
特に、ベニヤ単板1の巻取りに際し、巻玉3の長手方向に亘って糸部材が複数列ベニヤ単板1のガイドとして巻き付けられることがある。この場合、ベニヤ単板1を巻戻しながら、この糸部材を回収しなければならない。しかしながら、ベニヤ単板1を巻取って巻玉3としたとき、糸部材の終端が巻玉3となったベニヤ単板1の繊維に絡み付き、真下に垂れ下がらなくなることがある。また、巻取り後の巻玉3が移送架5の緩い下り勾配によって移送される途上、或いは巻玉ストックエリヤ4で待機している間、糸部材の自重は軽いので、垂れ下がっているうちに風に吹かれて、巻玉3の表面の毛羽立った繊維に糸部材の中途が絡んで、垂れ下がる位置が狂うことがある。
【0010】
上記記載のように、糸部材が巻玉3から真下に垂れ下がらなく、予定していた位置からずれている場合には、ベニヤ単板1を巻戻すときに、糸部材を回収することが困難となる。
本発明は上記記載のような課題を解決すべく、ベニヤ単板の巻玉を次段工程へ巻戻す際、ベニヤ単板のガイドとして巻き付けられている糸部材の姿勢を矯正することを目的としたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
したがって、本発明のベニヤ単板巻戻しにおける糸部材の姿勢矯正装置では、巻玉の下流側に対し、前進時に巻玉の長手方向に複数列ガイドとして巻き付けられている糸部材に当接して保持し、下降時に保持した各糸部材を緊張状態とする矯正体を設置したことにより、前記課題を解決している。
【0012】
また、昇降機構を介して昇降自在とした移動ブロックに進退機構を介して矯正体を巻玉の下流側に対して進退自在とし、前記矯正体の前進時に巻玉の長手方向に複数列ガイドとして巻き付けられている糸部材に当接して保持し、前記矯正体の下降時に保持した各糸部材を緊張状態としたことにより、前記課題を解決している。
【0013】
また、昇降機構を介して昇降自在とした移動ブロックに流体シリンダを取り付け、そのピストンロッドの先端にアームを介して旋回可能に取り付けた矯正体を巻玉の下流側に対して旋回しながら進退自在とし、前記矯正体が前進する時に、巻玉の長手方向に複数列ガイドとして巻き付けられている糸部材に当接して保持し、前記矯正体が昇降機構によって下降する時に、保持した各糸部材を緊張状態としたことにより、前記課題を解決している。
【0014】
また、巻玉の下流側に対して、前進時に巻玉の長手方向に複数列ガイドとして巻き付けられている糸部材に当接して保持し、後退時に保持した各糸部材を緊張状態とする矯正体を進退機構を介して設置したことにより、前記課題を解決している。
【0015】
これらの場合、矯正体の巻玉に面する側に、好適には、糸部材を吸着して保持する吸着孔を形成したり、或いは糸部材の絡み付きによって保持を容易とする粘着シートを貼り付けたり、糸部材の絡み付きによって保持を容易とする微細な凸部を形成して、糸部材の保持を容易としている。
【0016】
【作用】
巻玉の下流側に対して、矯正体が前進して当接する時に、巻玉の長手方向に複数列ガイドとして巻き付けられている糸部材を吸着、或いは絡み付き保持する。矯正体が下降する時に、保持した各糸部材を巻玉の位置からほぼ真下へ徐々に引っ張っるので、仮に糸部材の中途がベニヤ単板の繊維に絡み付いていたとしても糸部材を緊張させる。矯正体の下降限において、糸部材と矯正体の保持状態が解除されると、複数列の糸部材は巻玉から真下に垂れ下がった状態となり、その姿勢が矯正される。
【0017】
また、巻玉の下流側に対して、矯正体が前進して当接する時に、巻玉の長手方向に複数列ガイドとして巻き付けられている糸部材を吸着、或いは絡み付き保持する。矯正体が後退する時に、保持した各糸部材を巻玉の位置から横方向へ徐々に引っ張っるので、仮に糸部材の中途がベニヤ単板の繊維に絡み付いていたとしても糸部材を緊張させる。矯正体の後退限において、糸部材と矯正体の保持状態が解除されると、各糸部材は横方向から真下に垂れ下がった状態となり、その姿勢が矯正される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。尚、既に説明した部品については同一番号を付し、重複して説明しない。
まず、図1,図2に基づいて、ベニヤ単板1の巻戻し工程の一実施例より説明する。巻玉ストックエリヤ4の終端に設置された左右一対のリール支柱7に向かって、緩い下降勾配を有する移送架5が設置され、この移送架5上に巻玉3を巻き付けた巻取りリール2の両端軸受部分を乗せている。この移送架5の下流に位置する前記一対のリール支柱7の内側には、両端軸受部分を回転可能に支持するリール受8が設置され、このリール受8の上方位置には、軸受部分の上部に対して揺動自在としたリール押え15を設置して巻戻し位置6が構成されている。
【0019】
前記巻戻し位置6の上流側、移送架5の下方位置に設置された機枠16の搬送方向と直交する両側に支持台17を設置し、この支持台17に取り付けられた軸受18に支持軸19を軸受けし、この支持軸19の軸方向へ任意間隔を置いて大径の基端部プーリ20を複数個取り付けている。各基端部プーリ20の支持軸19上の両側には、中間域から先端に向かって上方に屈曲している一対の支持腕21が各々回転可能に支持されており、この一対の支持腕21の先端間隔内に小径の先端部プーリ22を各々回転可能に支持し、大径の基端部プーリ20と小径の先端部プーリ22間に駆動案内帯23を掛け渡すと共に、各支持腕21の任意位置を連結梁24によって一体的に連結し、この連結梁24の両端を前記機枠16に枢支された流体シリンダ25のピストンロッド26に取り付けている。
【0020】
各基端部プーリ20の上流側対向位置には、基端部プーリ20の曲率に沿った円弧形状をその対向面に有している補助枠27が前記機枠16上より設置され、この補助枠27に支承された3個のプーリ28間にベルトを掛け渡した折り返し案内部材29を、前記基端部プーリ20に設置している。この折り返し案内部材29の直近下段には、前記機枠16の搬送方向の上下流位置に支承された一対の軸30間に、複数列のベルトを掛け渡した折り返しコンベヤ31が接続されている。
【0021】
前記支持軸19の一側に取り付けられたチエンホイール32と、前記機枠16に設置された原動機33間にチエン34を掛け渡して、各駆動案内帯23を図1中、反時計方向へ回動自在に制御しており、また、前記折り返し案内部材29は、駆動案内帯23との協同作用によってベニヤ単板1の挟持反転を保証している。
【0022】
しかして、前記流体シリンダ25のピストンロッド26の伸縮に伴って、搬送方向と直交する方向に複数列設置された駆動案内帯23は、支持軸19位置を支点として自由端である先端部プーリ22を巻玉3方向へ揺動自在とすることにより、前記巻玉3の外周の下部に接近・離間自在の構成としているものであり、まず、巻玉3よりベニヤ単板1を巻戻すに際しては、流体シリンダ25の後部ポートに流体を供給して縮小限位置にあるピストンロッド26を伸長させることにより、リール受8にその両端が支承されている巻玉3の外周下部に、複数列の駆動案内帯23を押し付け状態に当接させる。
【0023】
次いで、原動機33の駆動によって、駆動案内帯23を図1中、反時計方向へ回動させると、巻玉3のベニヤ単板1自由端は駆動案内帯23との摩擦力によって巻戻され、駆動案内帯23上に移乗された状態で折り返し案内部材29へ案内される。この時、折り返しコンベヤ31は、駆動案内帯23並びに下流側のベニヤドライヤの搬送コンベヤとほぼ同一速度に制御されており、折り返し案内部材29の曲率に沿って駆動案内帯23との間で挟持反転されるベニヤ単板1を受け取り、この折り返しコンベヤ31を経由してベニヤドライヤへベニヤ単板1を搬送するものである。
【0024】
流体シリンダ25の伸長動に伴って、駆動案内帯23は、常時、巻玉3の外周下部に押し付け状態となっており、ベニヤ単板1の繰り出しによって巻玉3径が減少するにつれ、支持腕21は基端部プーリ20を支点として、先端部プーリ22側が図1中、反時計方向へ回動することになる。各駆動案内帯23は基端部プーリ20と先端部プーリ22間に無端状に掛け渡されたベルト状のものであるが、等径のプーリ間に掛け渡されたものでなく、基端部プーリ20を先端部プーリ22に比して大径としている。したがって、各プーリの半径差分だけ、駆動案内帯23を巻玉3の外周下部に押し付けたときに余裕が生じ、巻玉3の外周下部に駆動案内帯23を或幅の面状で押し付けることができる。この面状に押し付けることにより、駆動案内帯23と巻玉3の下部との接触面積が増大してより多くの摩擦力を発生させることができ、巻玉3からベニヤ単板1を安定的に巻戻すことが可能となる。また、基端部プーリ20が大径であるので、ベニヤ単板1の折り返す曲率も大となり、ベニヤ単板1を円滑に折り返し搬送できる。さらに、支持腕21は中間域から先端に向かって上方へ屈曲状に形成されているので、巻玉3径の減少に伴って、駆動案内帯23の上部軌道の下端と支持腕21の上端が干渉して当接したり、駆動案内帯23が回動停止する等の不都合は回避され、巻取りリール2からのベニヤ単板1繰り出しを確実としている。
【0025】
次に、巻取りリール2の軸芯方向へ任意間隔を置いて複数列の糸部材35をガイドとしてベニヤ単板1と共に巻取る場合があるが、以下に、ガイドとして巻き付けられた糸部材35を回収しながら、ベニヤ単板1を巻戻す実施例を説明する。
図3、図4に示すように、前記連結梁24の下流側前面に通直の繰り出しロール36を軸支すると共にその軸の端部に原動機37を設置し、一方、各支持腕21の先端部近傍に掛け渡した受け枠38の各支持腕21間隔内に、分割状の繰り出しロール接離用の流体シリンダ39を取り付け、そのピストンロッド40の先端に分割状の繰り出しロール41を各々回転可能に支持している。
【0026】
しかして、前記記載の如く、複数列の駆動案内帯23を巻玉3の外周下部に当接させると共に、受け枠38に取り付けられた流体シリンダ39のピストンロッド40を伸長させることにより、分割状の繰り出しロール41を通直の繰り出しロール36へ向かって移動させる。この移動途上、巻玉3の軸芯方向へ任意間隔を置いて、ベニヤ単板1のガイドとして巻き付けられ、巻玉3外周から垂れ下がった状態の複数列の糸部材35の先端近傍を巻き込み、両ロール36,41間で挟持状態とする。
【0027】
次いで、原動機33の駆動によって、駆動案内帯23を図3中、反時計方向へ回動させると共に、通直の繰り出しロール36を駆動案内帯23と同期的に制御させ、両ロール36,41を互いに逆方向へ回動させることによって、巻玉3からベニヤ単板1を巻戻しながら、巻玉3にガイドとして巻き付けられている各糸部材35を繰り出すものである。したがって、駆動案内帯23上に移乗されたベニヤ単板1は折り返し案内部材29へ案内され、前記記載と同様、ベニヤドライヤへ搬入されることになり、また、挟持繰り出しされた糸部材35は直下に位置する回収箱42へ回収されることになる。
【0028】
次に、糸部材35を回収する他の実施例を図5、図6に基づいて説明する。
前記移送架5の下方位置には、或る間隔を置いて左右一対のリール支柱7に向かう一対の水平梁43が設置され、また、各水平梁43の前後部に回転可能に支持されたプーリ44間に各々タイミングベルト45が掛け渡されている。この一対のタイミングベルト45は連結軸46によって同調されており、減速機付きモータ47の正逆動に伴って前後回動されると共に、この回動量はモータ47に内蔵されるパルス発信器によって制御されている。
【0029】
一対のタイミングベルト45の上下の軌道間隔内に搬送方向と平行に敷設されたリニヤウエイ48上に、前記タイミングベルト45に取り付けられたリニヤブロック49を各々載置している。各リニヤブロック49間に搬送方向と直交する方向に亘って走行体50を取り付け、この走行体50に搬送方向と直交する方向へ或る間隔を置いて支持体51を複数個突出させた状態で設置している。各支持体51の先端に二叉状の把持体52を開閉自在に設置すると共に、各支持体51の下端にはノズル53が前記把持体52に接近して位置するように取り付けられ、このノズル53は送風ダクト54を通じて送風機55に連結されている。
【0030】
一方、前記巻戻し位置6の下流側に前記機枠16より設置された架台56上に、前記糸部材35に対応する複数個の糸巻車57を支承すると共に、各糸巻車57はトルクリミッタ58を介して原動機59が接続されている。また、糸巻車57の胴部60のほぼ半周状に沿った位置に、或る間隔を置いて糸案内ガイド61を取り付けている。
【0031】
上記実施例によれば、減速機付きモータ47を駆動させて、タイミングベルト45を正転させると、リニヤブロック49はリニヤウエイ48上を摺動して前進し、リニヤブロック49に取り付けられている走行体50が前進限近傍に至るとき、走行体50に取り付けられ、開いた状態にある各把持体52が、巻玉3の軸芯方向へ任意間隔を置いて、ベニヤ単板1のガイドとして巻き付けられ、巻玉3外周から垂れ下がった状態の複数列の糸部材35を、その中間位置で把持できる状態となる。次いで、把持体52を閉じて糸部材35の先端近傍を把持した後、各把持体52に付設されているノズル53からエヤーを噴出させると、糸部材35は把持体52によって把持されている部位から先端の自由端部分が、下流側に位置する糸巻車57へ向かって吹き付けられることになる。
【0032】
この時、糸巻車57は図6中、反時計方向へ回動されており、吹き付けられた状態の糸部材35の自由端部分は、糸巻車57の胴部60の下部に至り、胴部60と糸案内ガイド61間に発生している噴出気流(吹き出し気流)に乗って胴部60に巻き付き、絡み付くことになる。一定時間経過後、各把持体52を開放させると、糸巻車57の継続回動に伴って、糸部材35は巻玉3と糸巻車57間で緊張状態に維持されるが、糸巻車57はトルクリミッタ58を介して原動機59の駆動を常時受動しているので、過度の負荷は回避できるものである。
【0033】
この状態下、前記記載の如く、複数列の駆動案内帯23を巻玉3の外周下部に当接させると、巻玉3からベニヤ単板1が巻戻されることになり、この巻戻しの開始に伴って、過負荷状態が解除されて糸巻車57が回動される。したがって、駆動案内帯23上に移乗されたベニヤ単板1は折り返し案内部材29へ案内され、前記記載と同様、折り返しコンベヤ31を経由してベニヤドライヤへ搬入されることになり、また、巻玉3にガイドとして巻き付けられている各糸部材35は糸巻車57に巻取られることになる。尚、上記実施例における走行体50は、減速機付きモータ47の正転・逆転によってタイミングベルト45を前・後回動させることにより、進退しているが、これに限定されることなく、流体シリンダの伸縮動、ラック・ピニオン動、クランク運動等に代替してもよい。
【0034】
上記実施例は糸巻車57が固定的に設置された場合を説明しているが、次に糸巻車57を進退自在の構成とする実施例を説明する。図7に示す如く、前記機枠16の両端位置に敷設されたリニヤウエイ62にリニヤブロック63を介して架台56を取り付け、この架台56に機枠16に設置された流体シリンダ64のピストンロッド65を取り付け、巻玉3の軸芯方向へ任意間隔を置いて、ベニヤ単板1のガイドとして巻き付けられ、巻玉3外周から垂れ下がった状態の複数列の糸部材35の先端近傍まで、架台56を進退自在としたものである。また、前記架台56の一側上部に排風機66を設置し、一方、糸巻車57の胴部60に吸引孔(図示せず)を開口し、この排風機66と各糸巻車57の胴部60間を排風ダクト67を介して連通状態とすると共に、各糸巻車57の胴部60に沿った位置に或る間隔を置いて設置される糸案内ガイド61の先端部に、クサビ状の切り込み68を形成している。
【0035】
この実施例によれば、流体シリンダ64の伸長動に伴って架台56をリニヤウエイ62に沿って巻玉3方向へ移動させ、架台56が前進限近傍に至るとき、巻玉3の軸芯方向へ任意間隔を置いて、ベニヤ単板1のガイドとして巻き付けられ、巻玉3外周から垂れ下がった状態の複数列の糸部材35の先端近傍と糸案内ガイド61のクサビ状の切り込み68部分が係合する状態となる。次いで、排風機66を作動させて、各糸巻車57の胴部60と糸案内ガイド61間に排風気流(吸引気流)を発生させると、糸部材35の先端自由端はこの気流により、糸巻車57の胴部60の下部より巻き付き、絡み付くことになる。したがって、糸巻車57の継続回動に伴って、糸部材35は巻玉3と糸巻車57間で緊張状態に維持され、前記記載と同様、巻玉3からのベニヤ単板1巻戻しに同期して、巻玉3にガイドとして巻き付けられている各糸部材35は糸巻車57に巻取られることになる。尚、上記実施例における架台56は、流体シリンダ64の伸縮動によって進退自在とされているが、これに限定されることなく、前記記載のような減速機付きモータの正転・逆転によるタイミングベルトの前・後回動、ラック・ピニオン動、クランク運動等に代替してもよい。
【0036】
上記各実施例においては、巻玉3の軸芯方向へ任意間隔を置いて、ベニヤ単板1のガイドとして巻き付けられた複数列の糸部材35は、巻玉3外周からほぼ真下に垂れ下がった状態を前提として説明してきた。しかしながら、ベニヤ単板1を巻取って巻玉3としたとき、ガイドとして巻き付けられた糸部材35の終端が、巻玉3となったベニヤ単板1の繊維に絡み付き、真下に垂れ下がらなくなることがある。また、巻取り後の巻玉3が移送架5の緩い下り勾配によって移送される途上、或いは巻玉ストックエリヤ4で待機している間、糸部材35の自重は軽いので、垂れ下がっているうちに風に吹かれて、巻玉3の表面の毛羽立った繊維に糸部材35の中途が絡んで、垂れ下がる位置が狂うことがある。
【0037】
このような場合、糸部材35を回収することができなくなるので、次に、図9、図10に基づいて糸部材35の姿勢を矯正する実施例を説明する。
巻玉ストックエリヤ4の待機位置には、一対の移送架5の搬送面に対して突出・没入自在としたストッパ69が設置され、巻戻し位置6にて先の巻玉3の巻戻し作業中、次の巻玉3を待機させている。このストッパ69の近傍位置に一対の垂直な縦梁70を設置し、この縦梁70の内側を案内として移動ブロック71を昇降機構を介して昇降自在としている。図示例においては流体シリンダ72を昇降機構として昇降自在としている。各移動ブロック71の上端にはアーム73がピン結合されており、また各移動ブロック71の下端には進退機構として流体シリンダ74が傾動自在に支持されている。この流体シリンダ74のピストンロッド75の先端は前記アーム73の中間域に接続され、各アーム73の先端は矯正体76の両端に接続され、流体シリンダ74の作動で矯正体76を巻玉3に対して、アームのピン結合部を支点として旋回しながら、接近・離間自在の構成としている。この矯正体76の巻玉3に面する側には、図10に示すように、糸部材35を吸着保持する吸着孔77が複数形成され、また矯正体76の一端は可撓性の排風ダクト78を介して排風機79に接続されている。
【0038】
巻戻し位置6にて先の巻玉3が巻戻されている間、移動ブロック71の上昇限位置において、アーム73を進退機構(流体シリンダ74)の作動で図9中、反時計方向へ回動させて、次の巻玉3の下流側の長手方向へ矯正体76を押し付けて当接させる。この当接時、巻玉3にガイドとして巻き付けられている複数列の糸部材35は、吸着孔77を介して矯正体76に吸着保持される。糸部材35の吸着保持後、流体を制御して矯正体76の巻玉3に対する位置をロックしたまま、昇降機構(流体シリンダ72)の作動によって移動ブロック71を下降させる。移動ブロック71が下降すると、各糸部材35は矯正体76に吸着保持されたまま、徐々に巻玉3との間で引っ張られる状態となる。したがって、仮に、ガイドとして巻き付けられていた糸部材35の終端が、巻玉3となったベニヤ単板1の繊維に絡み付いていたり、巻玉3の表面の毛羽立った繊維に糸部材35の中途が絡んで、垂れ下がる位置が狂っていたとしても、移動ブロック71が下降限位置に至るまでに緊張状態となり、繊維との絡み付きが解消される。矯正体76の下降限において、糸部材35と矯正体76の保持状態が解除されると、複数列の糸部材35は、巻玉3外周からほぼ真下に垂れ下がった状態となり、その姿勢が矯正されることになる。尚、上記実施例においては、矯正体76の進退機構を流体シリンダ74としているが、これに限定されることなく、ラック・ピニオン動、クランク運動等に代替してもよい。また移動ブロック71の昇降機構を流体シリンダ72としているが、これも同様に、前記記載のような減速機付きモータの正転・逆転によるタイミングベルトの前・後回動、ラック・ピニオン動、クランク運動等に代替してもよい。
【0039】
矯正後、先の巻玉3の巻戻し完了にともない、ストッパ69を搬送面から没入させ、この巻玉3を巻戻し位置6まで移送させる。このとき、矯正体76は下限位置にあるので移送には支障を来さない。
尚、上記実施例は説明の便宜上、巻玉ストックエリヤ4の待機位置において、先の巻玉3が巻戻し位置6で巻戻している間に実施するとしているが、これを巻戻し位置6において、巻戻し作業に先立って実施する場合もある。
【0040】
次に、図11に基づいて糸部材35の姿勢を矯正する他の実施例を説明する。前記巻戻し位置6の下流側、すなわち、一対の移送架5に設置されたリール受8の下流側にリニヤウエイ80を敷設し、このリニヤウエイ80上にリニヤブロック81を移動自在に乗せ、このリニヤブロック81にブラケット82を介して、前記記載と同様の矯正体76を取り付けている。移送架5のさらに下流側には、前記矯正体76を巻玉3に対して、接近・離間自在とする進退機構が設置されている。図示例においてはこの進退機構として流体シリンダ83が採用されており、そのピストンロッド84の先端を前記ブラケット82に接続している。
【0041】
この実施例においては、まず、進退機構(流体シリンダ83)の作動によって、矯正体76を後退限位置、或いは巻玉3に干渉しない位置まで後退させる。巻玉3は移送架5上を移動してリール受8位置に至り、このリール受8とリール押え15によって巻玉3の軸受部分を回転自在に支持する。このとき、各駆動案内帯23は巻玉3から離れた下限位置にて待機している。次いで、流体シリンダ83のピストンロッド84を伸長させて、矯正体76をリニヤウエイ80に沿って巻玉3の下流側の長手方向へ押し付けて当接させる。この当接時、前記記載と同様、巻玉3にガイドとして巻き付けられている複数列の糸部材35は、吸着孔77を介して矯正体76に吸着保持される。糸部材35の吸着保持後、流体シリンダ83のピストンロッド84を縮小させると、矯正体76はリニヤウエイ80上、後退し始める。この矯正体76の後退途上、各糸部材35は矯正体76に吸着保持されたまま、図11に二点鎖線に示すように、徐々に巻玉3との間で引っ張られる状態となる。したがって、仮に、ガイドとして巻き付けられていた糸部材35の終端が、巻玉3となったベニヤ単板1の繊維に絡み付いていたり、巻玉3の表面の毛羽立った繊維に糸部材35の中途が絡んで、垂れ下がる位置が狂っていたとしても、矯正体76が後退限位置に至るまでに緊張状態となり、繊維との絡み付きが、解消される。その後、矯正体76が後退限位置に至ると、各糸部材35は矯正体76との吸着保持が解除され、複数列の糸部材35は巻玉3位置より横方向に引っ張られていた状態から、自重で巻玉3外周からほぼ真下に垂れ下がった状態となり、その姿勢が矯正されることになる。
尚、上記実施例における矯正体76の進退機構は、流体シリンダ83の伸縮動としているが、これに限定されることなく、前記記載のような減速機付きモータの正転・逆転によるタイミングベルトの前・後回動、ラック・ピニオン動、クランク運動等に代替してもよい。また、上記実施例は説明の便宜上、巻戻し位置6において、巻戻し作業に先立って実施するとしているが、これを巻玉ストックエリヤ4の待機位置において、先の巻玉3が巻戻し位置6で巻戻している間に実施する場合もある。
【0042】
上記各実施例においては、矯正体76に吸着孔77を形成して、糸部材35を吸着保持しながら姿勢を矯正しているが、保持状態を吸着孔77に代替して、矯正体76の巻玉3に面する側に、糸部材35との絡み付きによる保持を発生させる、接着テープ、ガムテープ等の粘着性シートを貼り付ける場合もある。また、この他に、図12に示すように、マジックテープ、砥粒が付着されているサンディングペーパー等の高摩擦部材を取り付けたり、または矯正体の表面を打撃によって凹凸を形成したり、ヤスリ掛け或いはローレット加工を施して微細な凸部85を形成して糸部材35との絡み付きによる保持を発生させることもある。この場合、矯正体76の下降、或いは後退によって糸部材35との緊張状態を発生させるのは、粘着シートによる絡み付き保持、或いは微細な凸部85による絡み付き保持による。尚、吸着保持を発生させる吸着孔77、或いは絡み付き保持を発生させる粘着シート、微細な凸部85は、矯正体76の巻玉3に面する側の全面に形成しても良いが、図12に示すように、巻玉3の長手方向に任意間隔を置いてガイドとして巻き付けられている糸部材35の位置の近傍に或幅で形成しても良い。
【0043】
また、前記糸巻車57の胴部60を図13に示すように、両端鍔部分から内方の谷部に向かって下り勾配となる鼓型状とし、この谷部をV字状の溝部86とすると共に、谷部を境に左右2個の構成部品を嵌め込み方式、或いは螺着方式等によって着脱自在に構成することにより、回収後の糸部材35の胴部60からの取り出しを容易とする場合もある。この糸巻車57によれば、糸部材35の糸巻車57への巻き付き開始時、胴部60に至った糸部材35の先端部分が勾配に沿ってほぼ中央に位置する谷部のV字状の溝部86に至り、巻き付きが確実となるものである。また、糸部材35を巻取り終わった後、中央部を境に糸巻車57を左右に離脱させれば、巻取った糸部材35を糸巻車57から容易に取り出すことができ、逆に次回の作業に際しては、離脱した2個の部品を装着させれば足り、作業性の向上を期し得るものである。
【0044】
また、上記各実施例においては、前記糸巻車57の胴部60を表面平滑とした場合を前提として説明しているが、この胴部60に糸部材35の巻付けを容易とする接着テープ、ガムテープ等の粘着性シートを貼り付ける場合もある。また、この他に砥粒が付着されているサンディングペーパー等の高摩擦部材を胴部60に取り付けたり、またはこの胴部60の表面を打撃によって凹凸を形成したり、ヤスリ掛け或いは図14に示すように、ローレット加工を施して微細な凸部87を形成する等、胴部60自体を摩擦係数が大になるように加工して、胴部60に糸部材35の巻付けを容易とする場合がある。
【0045】
したがって、糸部材35の糸巻車57への巻き付き開始時、糸部材35の先端自由端部分が胴部60の表面部のいずれかに接触すれば、表面が粘着シートまたは微細な凸部87であるので容易に胴部60に絡み付くことになり、糸部材35の先端自由端部分が糸巻車57への巻付けを予定している位置より多少ずれたとしても、糸巻車57への巻付きは支障無く実施される。その後、糸巻車57の継続回動に伴って、糸部材35は巻玉3と糸巻車57間で緊張状態に維持され、前記記載と同様、巻玉3からのベニヤ単板1巻戻しに同期して、巻玉3にガイドとして巻き付けられている各糸部材35は糸巻車57に巻取られることになる。
【0046】
また、前記糸案内ガイド61を、図15に示すように、断面形状アーチ型とした偏平の半球状に形成し、糸巻車57の胴部60の表面から或間隔を置いて、糸部材35の導入側ほぼ半分を開放状態となるように覆い、糸巻車57を支持する架台56より取り付ける場合もある。これによれば、糸部材35はその巻き付け開始時に、先端がエヤーの噴出(吹き出し)或いは排風(吸引)によって、胴部60の下部と半球状の糸案内ガイド61の下部間より案内される。このとき、噴出気流(吹き出し気流)或いは排風気流(吸引気流)は、断面形状アーチ型の最頂部(最凹部)を偏平の半球状の下部から上部に向かって流れているので、糸部材35の先端はこの気流に乗って、糸案内ガイド61の最頂部を通って上部に至り、気流が途絶えた時点で自重にて胴部60上に落下することになる。したがって、糸部材35の先端は、糸巻車57の胴部60を半周以上巻掛かった状態であり、糸巻車57の図15中反時計方向への回動に伴い、容易に巻き付くことになる。
特に、前記記載の鼓型状とした胴部60であれば、糸案内ガイド61の上部から落下した糸部材35の先端部分は勾配に沿ってほぼ中央に位置する谷部のV字状の溝部86に至り、巻き付きが確実となるものである。
【0047】
尚、本実施例においては、説明の便宜上、図13,図14に示す構造の糸巻車57、図15に示す構造の糸案内ガイド61を、糸部材35の回収装置の必須構成として説明しているが、これらを別個独立して使用する場合もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベニヤ単板の巻戻しの実施例を示す側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】糸部材の回収装置の実施例を示す側面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】糸部材の回収装置の他の実施例を示す側面図である。
【図6】図5の作動説明一部切り欠き斜視図である。
【図7】糸部材の回収装置の他の実施例を示す平面図である。
【図8】図7のA−A線矢視図である。
【図9】糸部材の姿勢矯正装置の実施例を示す斜視図である。
【図10】矯正体の背面図である。
【図11】糸部材の姿勢矯正装置の他の実施例を示す斜視図である。
【図12】糸部材の姿勢矯正装置の他の実施例を示す平面図である。
【図13】糸巻車の他の実施例を示す側面図である。
【図14】糸巻車の他の実施例を示す斜視図である。
【図15】糸案内ガイドの他の実施例を示す側面図である。
【図16】従来装置を示す側面図である。
【符号の説明】
1…ベニヤ単板、2…巻取りリール、3…巻玉、4…巻玉ストックエリヤ、5…移送架、6…巻戻し位置、7…リール支柱、8…リール受、9…タッチベルト、10…ベニヤドライヤ、11…搬送コンベヤ、12…搬出コンベヤ、13…返送架、14…リールストックエリヤ、15…リール押え、16…機枠、17…支持台、18…軸受、19…支持軸、20…基端部プーリ、21…支持腕、22…先端部プーリ、23…駆動案内帯、24…連結梁、25…流体シリンダ、26…ピストンロッド、27…補助枠、28…プーリ、29…折り返し案内部材、30…軸、31…折り返しコンベヤ、32…チエンホイール、33…原動機、34…チエン、35…糸部材、36…通直の繰り出しロール、37…原動機、38…受け枠、39…流体シリンダ、40…ピストンロッド、41…分割状の繰り出しロール、42…回収箱、43…水平梁、44…プーリ、45…タイミングベルト、46…連結軸、47…減速機付きモータ、48…リニヤウエイ、49…リニヤブロック、50…走行体、51…支持体、52…把持体、53…ノズル、54…送風ダクト、55…送風機、56…架台、57…糸巻車、58…トルクリミッタ、59…原動機、60…胴部、61…糸案内ガイド、62…リニヤウエイ、63…リニヤブロック、64…流体シリンダ、65…ピストンロッド、66…排風機、67…排風ダクト、68…切り込み、69…ストッパ、70…縦梁、71…移動ブロック、72…流体シリンダ、73…アーム、74…流体シリンダ、75…ピストンロッド、76…矯正体、77…吸着孔、78…排風ダクト、79…排風機、80…リニヤウエイ、81…リニヤブロック、82…ブラケット、83…流体シリンダ、84…ピストンロッド、85…凸部、86…溝部、87…凸部

Claims (6)

  1. 巻玉の下流側に対し、前進時に巻玉の長手方向に複数列ガイドとして巻き付けられている糸部材に当接して保持し、下降時に保持した各糸部材を緊張状態とする矯正体を設置したことを特徴とするベニヤ単板巻戻しにおける糸部材の姿勢矯正装置。
  2. 昇降機構を介して昇降自在とした移動ブロックに進退機構を介して矯正体を巻玉の下流側に対して進退自在とし、前記矯正体の前進時に巻玉の長手方向に複数列ガイドとして巻き付けられている糸部材に当接して保持し、前記矯正体の下降時に保持した各糸部材を緊張状態としたことを特徴とするベニヤ単板巻戻しにおける糸部材の姿勢矯正装置。
  3. 昇降機構を介して昇降自在とした移動ブロックに流体シリンダを取り付け、そのピストンロッドの先端にアームを介して旋回可能に取り付けた矯正体を巻玉の下流側に対して旋回しながら進退自在とし、前記矯正体が前進する時に、巻玉の長手方向に複数列ガイドとして巻き付けられている糸部材に当接して保持し、前記矯正体が昇降機構によって下降する時に、保持した各糸部材を緊張状態としたことを特徴とするベニヤ単板巻戻しにおける糸部材の姿勢矯正装置。
  4. 巻玉の下流側に対して、前進時に巻玉の長手方向に複数列ガイドとして巻き付けられている糸部材に当接して保持し、後退時に保持した各糸部材を緊張状態とする矯正体を進退機構を介して設置したことを特徴とするベニヤ単板巻戻しにおける糸部材の姿勢矯正装置。
  5. 矯正体の巻玉に面する側には糸部材を吸着保持する吸着孔を形成した請求項1ないし4のいずれかに記載のベニヤ単板巻戻しにおける糸部材の姿勢矯正装置。
  6. 矯正体の巻玉に面する側には糸部材の絡み付き保持を容易とする粘着シートを貼り付けた、または矯正体の巻玉に面する側には糸部材の絡み付き保持を容易とする微細な凸部を形成した請求項1ないし4のいずれかに記載のベニヤ単板巻戻しにおける糸部材の姿勢矯正装置。
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