JPH0625405Y2 - エアバッグ用カバー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は自動車のステアリングホイール等に取り付けら
れるエアバツグ用のカバーに関する。

［従来の技術］ 自動車のステアリングホイールに取り付けられるエアバ
ツグでは、車両急減速時等にバツグを膨らませてステア
リングホイールと乗員との間に介在させるようになって
いる。

この種のエアバツグでは、バツクはステアリングホイー
ルに支持されるベースプレートへ折り畳んだ状態で取り
付けられ、通常はカバーで覆われてカバーとベースプレ
ートとの間に格納されている。カバーには、ベースプレ
ートとの対向側、すなわち乗員側に薄肉部が形成され、
バツグ膨張時にこの薄肉部で破られて展開されバツグを
ステアリングホイールと乗員との間に介在させるように
なっている。

しかしながら、従来のこの種のエアバツグにあっては、
カバーの周囲に枠状に形成された金属製の芯材が埋設さ
れ、芯材を介してカバーがベースプレートに支持されて
おり、バツグ膨張時にバツグの膨張により芯材の端部が
カバーの外部へ露出してその角がバツグと接触すること
を考慮し、バツグの耐摩耗性を高くしてバツグを芯材の
端部との接触に耐えるようにしなくてはならなかった。

一方、この種のエアバツグでは、ベースプレートがステ
アリングホイールへ押込可能に支持されて通常はホーン
のスイツチとして作用されるようになっているものがあ
る。すなわち、通常はカバーを押し込むことによりホー
ンを鳴らせるようになっている。この場合、カバーは芯
材によって剛性が高められ、押込時に所定の押込量でホ
ーンを鳴らせるようになっている。

しかしながら、この種のエアバツグにあってはホーンの
操作性を考慮してステアリングホイールのリブに対応し
てカバーの本体部の周囲から耳部が突出されているのが
一般的であり、この場合には芯材による剛性が耳部まで
及ばず、耳部の剛性が低くなっている。このため、耳部
を押し込んでホーンを鳴らす場合には、耳部の剛性が低
いことを考慮して深く押し込む必要があった。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案は上記事実を考慮し、本体部の周囲から耳部が突
出するエアバツグ用カバーであって、バツグを補強する
ことなくバツグの耐摩耗性を上げることができ、且つ本
体部から耳部にかけて広い範囲に亘って高剛性とするこ
とができるエアバツグ用カバーを得ることが目的であ
る。

［課題を解決するための手段］ 本考案に係るエアバツグ用カバーでは、本体部の周囲に
枠状の主芯材が埋設されるとともに耳部に副芯材が埋設
され、副芯材が主芯材の反ベース側の端部をその周囲略
全域に亘って被覆する枠状部を備えることを特徴として
いる。

［作用］ 上記構成の本考案では、主芯材により本体部が高剛性と
されるとともに副芯材により耳部が高剛性とされ、本体
部から耳部にかけて広い範囲に亘って高剛性とされる。

また、主芯材は反ベース側の端部が副芯材の枠状部によ
って周囲略全域に亘って被覆され、バツグ膨張時に副芯
材の枠状部によって反ベース側の端部がバツグと直接接
触しないようにされる。

［実施例］ 第１図から第４図には、本考案に係るエアバツグ用カバ
ーの実施例が適用されたエアバツグ１０が示されてい
る。

エアバツグ１０は第４図に示される如く、ベースプレー
ト１２が図示しない支持手段によりステアリングホイー
ル１４のハブ１４Ａに略平行に接離可能に支持され、図
示しないホーンのスイツチとしても作用されるようにな
っている。すなわち、押込操作によりベースプレート１
２がステアリングホイール１４のハブ１４Ａに接近する
方向（第４図下方）へ移動されたときに図示しないホー
ンが鳴るようになっている。

ベースプレート１２には、バツグ１６、インフレータ１
８及び本考案実施例に係るカバー２４が取り付けられて
いる。

バツグ１６はベースプレート１２の乗員側（第４図上
側）に折り畳まれた状態で配置されている。このバツグ
１６は開口側の縁がベースプレート１２の略中央部にリ
ングプレート２６を介して取り付けられている。リング
プレート２６は図示しないボルトでベースプレート１２
に締め付けられバツグ１６の開口側の縁をベースプレー
ト１２に押し付けている。

インフレータ１８は円柱状で、ベースプレート１２の略
中央部に貫通されてバツグ１６に挿入された状態で配置
されている。インフレータ１８には外周にフランジ１８
Ａが形成され図示しないボルトでベースプレート１２の
反乗員側（第４図下側）の面に固着されている。

このインフレータ１８は図示しない加速度センサにより
車両急減速時に作動されてガスをバツグ１６内に送り込
み、バツグ１６を膨張させるようになっている。

カバー２４は柔軟に変形可能な材料、例えばウレタンで
形成されている。このカバー２４はベースプレート１２
の乗員側（第４図上側）に配置され、ベースプレート１
２との間にバツグ１６を格納している。このカバー２４
には、ベースプレート１２との対向部に薄肉部２８（第
３図にも図示）が形成され、バツグ膨張時にはこの薄肉
部２８で破断されて展開されるようになっている。ま
た、カバー２４は通常時はホーン作動部として作用され
るようになっている。すなわち、ホーンを鳴らすときに
は、カバー２４が加圧されて押し込まれ、この押込によ
りベースプレート１２がステアリングホイール１４のハ
ブ１４Ａに接近する方向へ移動されるようになってい
る。

このカバー２４は乗員側（第４図上側）からみると、第
３図に示される如くステアリングホイール１４のリブ１
４Ｂに対応して本体部２４Ａの周囲から耳部２４Ｂが突
出れ、ホーン作動時には本体部２４Ａ又は耳部２４Ｂが
押し込まれるようになっている。

このカバー２４の内部には、インサート成形等により本
体部２４Ａに主芯材３０が埋設されているとともに耳部
２４Ｂに第２図に示される如く副芯材３２が埋設されて
いる。

主芯材３０は金属製で第１図に示される如く枠状に形成
され、カバー２４の本体部２４Ａの周囲全域に亘って設
けられて本体部２４Ａの剛性を高め、本体部２４Ａのど
の部分を押し込んでも所定の押込量でホーンを鳴らせる
ようにしている。この主芯材３０はベースプレート１２
の周囲に図示しないリベツト等で接合固着され、カバー
２４のベースプレート１２への支持用ともなっている。

副芯材３２は耳部２４Ｂの剛性を高め、耳部２４Ｂを押
し込んでも所定の押込量でホーンを鳴らせるようにして
いる。この副芯材３２は樹脂製で、第１図に示される如
く主芯材３０に対応して枠状部３８が一体に形成され、
この枠状部３８が主芯材３０の乗員側の端部（ベースプ
レート１２と反対側の端部）を周方向略全域に亘って被
覆した状態で耳部２４Ｂに埋設されている。枠状部３８
は主芯材３０に形成された爪４０による差込カシメによ
って主芯材３０に係止された状態でカバー２４の内部に
埋設されている。この枠状部３８は乗員側の面に湾曲面
を有する略Ｕ字形断面形状となっており、バツグ膨張時
に外部に露出してバツグ１６と当ってもバツグ１６との
当り部に角のないように構成されている。

次にエアバツグ１０の作用を説明する。

エアバツグ１０は通常時はバツグ１６がカバー２４内に
折り畳んだ状態で格納されて図示しないホーンのスイツ
チとして作用される。すなわち、ホーンを鳴らすときに
はカバー２４が加圧されて押し込まれ、この押込により
ベースプレート１２がステアリングホイール１４のハブ
１４Ａに接近する方向に移動されてホーンが鳴る。

ここで、カバー２４は主芯材３０により本体部２４Ａが
高剛性とされているとともに副芯材３２により耳部２４
Ｂも高剛性とされているので、本体部２４Ａから耳部２
４Ｂにかけて広い範囲に亘って高剛性とされ、本体部２
４Ａ又は耳部２４Ｂのいずれを押し込んだ場合であって
も同程度の押込量でホーンを鳴らすことができ、ホーン
の作動が確実である。

車両急減速時には、図示しない加速度センサによりイン
フレータ１８が作動されてバツグ１６内へガスが送り込
まれ、バツグ１６が膨張される。この膨張によってバツ
グ１６がカバー２４の薄肉部２８を破断してカバー２４
から突出され乗員とステアリングホイール１４との間に
介在される。

ここで、カバー２４は主芯材３０の乗員側の端部が副芯
材３２の枠状部３８によって被覆されているので、バツ
グ膨張時に副芯材３２の枠状部３８によって主芯材３０
の乗員側の端部がバツグ１６と接触しないようにされ、
また副芯材３２の枠状部３８が外部に露出してバツグ１
６と当ってもバツグ１６との当り部に角がなく、バツグ
１６を補強しなくてもバツグ１６の耐摩耗性を上げるこ
とができる。

また、耳部２８Ｂに副芯材３２があるためにハンドル本
体に対してエアバツグ作動時カバー２４を構成するパツ
ドは上下左右にずれ動くことができる。

［考案の効果］ 以上説明した如く、本考案に係るエアバツグ用カバーで
は、本体部の周囲に枠状の主芯材が埋設されるとともに
耳部に副芯材が埋設され、副芯材が主芯材の反ベース側
の端部をその周囲略全域に亘って被覆する枠状部を備え
るので、バツグを補強することなくバツグの耐摩耗性を
上げることができ、且つ本体部から耳部にかけて広い範
囲に亘って高剛性とすることができる優れた効果を有す
る。また、耳部に副芯材があるためにハンドル本体に対
してエアバツグ作動時パツドは上下左右にずれ動くこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図から第４図は本考案に係るエアバツグ用カバーの
実施例が適用されたエアバツグの構造を示し、第１図は
第４図のカバー内部の構造を示す要部分解斜視図、第２
図は第３図のII−II線に沿う断面図、第３図は第４図の
カバーを乗員側からみた全体正面図、第４図はエアバツ
グの全体構造を示す断面図である。 １０……エアバツグ、 １２……ベースプレート、 １６……バツグ、 ２４……カバー、 ２４Ａ……本体部、 ２４Ｂ……耳部、 ３０……主芯材、 ３２……副芯材、 ３８……枠状部。

フロントページの続き (72)考案者 神藤 宏明 愛知県豊田市トヨタ町１番地 トヨタ自動 車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−199149（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ベースとの間にバツクを折り畳んだ状態で
   格納するカバー本体部の周囲から耳部が突出されるエア
   バツグ用カバーであって、本体部の周囲に枠状の主芯材
   が埋設されるとともに耳部に副芯材が埋設され、副芯材
   が主芯材の反ベース側の端部をその周囲略全域に亘って
   被覆する枠状部を備えることを特徴とするエアバツグ用
   カバー。