JPH06253898A - L−カルニチン、アセチルカルニチンの高感度測定法 - Google Patents

L−カルニチン、アセチルカルニチンの高感度測定法

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JPH06253898A
JPH06253898A JP6945693A JP6945693A JPH06253898A JP H06253898 A JPH06253898 A JP H06253898A JP 6945693 A JP6945693 A JP 6945693A JP 6945693 A JP6945693 A JP 6945693A JP H06253898 A JPH06253898 A JP H06253898A
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JP
Japan
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carnitine
amount
acetylcarnitine
measurement
sample
Prior art date
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JP6945693A
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English (en)
Inventor
Yoshichika Takamura
義親 高村
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Yamasa Shoyu KK
Original Assignee
Yamasa Shoyu KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来法より10〜100程度測定感度を向上
せしめた、L−カルニチンまたはアセチルカルニチンの
新規な測定法を提供する。 【構成】 消費(または生成)アセチルCoA量を下記
式で表わされるアシルCoAサイクリング法により測定
し、消費(または生成)アセチルCoA量から試料中の
L−カルニチン量(またはアセチルカルニチン量)を定
量する。 【式1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アシルCoAサイクリ
ング法を用いたL−カルニチンまたはアセチルカルニチ
ンの高感度測定法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】L−カルニチンはビタミンBT とも称さ
れ、脂肪酸のミトコンドリア膜の通過などの脂肪酸代謝
に重要な働きをしている物質である。しかし、透析患者
においては、L−カルニチンの欠乏がしばしば観察さ
れ、これは腎臓でのL−カルニチンの合成が制限される
ためであるとされている。L−カルニチンが欠乏すると
脂肪酸代謝などに異常を起こすことから、血中、尿中な
どのL−カルニチンの測定はこれらの代謝異常をモニタ
リングする意味で重要である。また、上述の脂肪酸代謝
以外にも、L−カルニチンの測定は筋傷害、糖尿病など
の診断、副こう丸の機能検査、輸精管の閉塞部位同定な
どに有用であるとされている。
【0003】従来、L−カルニチンの測定としては、ア
セチルCoAの存在下、L−カルニチンにカルニチンア
セチルトランスフェラーゼを作用させ、生成したCoA
SHを直接測定する方法、あるいは上記反応により生成
したCoASHをさらに下記に示すような一連の反応に
付し、最終反応のNADH変化量を測定することにより
L−カルニチンを定量する方法などが報告されている。
【式5】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来法はせいぜい2〜5μg/ml濃度のL−カルニチン
までしか測定することができず、このような測定感度で
は到底実用に供しうるものではない。したがって、本発
明の目的は、さらに測定感度を向上せしめ、0.04〜
0.5μg/ml濃度のL−カルニチンまたはアセチル
カルニチンを測定できる新規な方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成すべく鋭意検討した結果、L−カルニチンまたはアセ
チルカルニチンの測定にアシルCoAサイクリング法が
応用できることを見いだし、本発明を完成させた。
【0006】したがって、本発明は、試料中のL−カル
ニチン量を酵素的に測定する方法であって、下記式
(1)で表わされる酵素反応により消費されたアセチル
CoA量を下記式(2)で表わされるアシルCoAサイ
クリング法により測定し、消費アセチルCoA量から試
料中のL−カルニチン量を定量することを特徴とする、
L−カルニチンの測定法に関するものである。
【0007】
【式6】
【式7】
【0008】また、本発明は、試料中のアセチルカルニ
チン量を酵素的に測定する方法であって、下記式(3)
で表わされる酵素反応により生成したアセチルCoA量
を下記式(2)で表わされるアシルCoAサイクリング
法により測定し、生成アセチルCoA量から試料中のア
セチルカルニチン量を定量することを特徴とする、アセ
チルカルニチンの測定法に関するものである。
【0009】
【式8】
【式9】
【0010】以下、本発明について詳述する。 1.L−カルニチンの測定 測定対象のL−カルニチンを含有する試料は、L−カル
ニチンを含有するものであれば特に限定されるものでは
なく、たとえば、尿、血液、体液などの生体試料などを
例示することができる。また、本発明方法では、このよ
うな生体試料に、必要に応じて脱脂、除蛋白、希釈、濃
縮などの各種処理などを施したものも試料として使用す
ることができる。また、上記式(1)に関与するアセチ
ルCoAおよびカルニチンアセチルトランスフェラーゼ
は既に市販されており、試薬会社から容易に入手可能で
ある。
【0011】反応は、測定対象試料中のL−カルニチン
含有予想量の2〜100倍量のアセチルCoAおよび
0.01〜10酵素単位(ユニット)の酵素量の酵素を
用い、pH7.0〜7.5、反応温度20〜40℃の条
件下で2〜30分程度反応させればよい。また、酵素反
応の前に酵素反応と同じ温度条件下で10分間程度プレ
インキュベーッションを行ってもかまわない。反応の停
止は、塩酸、硫酸などの酸添加による酵素変性、または
限外ろ過などの物理的な酵素除去により行うことができ
る。
【0012】本発明方法は、上記式(1)の酵素反応に
より消費されたアセチルCoA量を上記式(2)のアシ
ルCoAサイクリング法により測定し、消費アセチルC
oA量から試料中のL−カルニチン量を定量するもので
ある。アシルCoAサイクリング法は既に本発明者によ
って報告されている公知の方法であり(Biochim. Bioph
ys. Acta.,83,1-7(1985))、該方法に従って行えばよ
い。このようにして求めた消費アセチルCoA量から実
施例に示したように試料中のL−カルニチン量を測定す
ることができる。
【0013】2.アセチルカルニチンの測定 測定対象のアセチルカルニチンを含有する試料は、アセ
チルカルニチンを含有するものであれば特に限定される
ものではなく、たとえば、尿、血液、体液などの生体試
料などを例示することができる。このような生体試料
は、必要に応じて脱脂、除蛋白、希釈処理などを施して
本発明方法に供すればよい。また、上記式(3)に関与
するCoASHおよびカルニチンアセチルトランスフェ
ラーゼは既に市販されており、試薬会社から容易に入手
可能である。
【0014】反応は、測定対象試料中のアセチルカルニ
チン含有予想量の2〜100倍量のCoASHおよび
0.01〜10酵素単位(ユニット)の酵素量の酵素を
用い、pH7.0〜7.5、反応温度20〜40℃の条
件下で2〜30分程度反応させればよい。また、酵素反
応の前に酵素反応と同じ温度条件下で10分間程度プレ
インキュベーッションを行ってもかまわない。反応の停
止は、塩酸、硫酸などの酸添加による酵素変性、または
限外ろ過などの物理的な酵素除去により行うことができ
る。
【0015】本発明方法は、上記式(3)の酵素反応に
より生成したアセチルCoA量を上記式(2)のアシル
CoAサイクリング法により測定し、生成アセチルCo
A量から試料中のアセチルカルニチン量を定量するもの
である。アシルCoAサイクリング法は、上述したよう
に既に本発明者によって報告されている既知の方法であ
り(Biochim. Biophys. Acta.,83,1-7(1985))、該方法
に従って行えばよい。このようにして求めた生成アセチ
ルCoA量から実施例に示したように試料中のアセチル
カルニチン量を測定することができる。
【0016】
【発明の効果】本発明方法は、L−カルニチンまたはア
セチルカルニチンの測定にアシルCoAサイクリング法
を応用したものであり、このような方法を採用すること
により、従来法の10〜100倍の感度で目的物質を測
定することが可能である。具体的には、L−カルニチン
は0.04〜0.4μg/ml(0.25〜2.50n
mol/ml)の範囲で、アセチルカルニチンは0.0
5〜0.25μg/ml(0.2〜1.2nmol/m
l)の範囲で安定に測定することが可能となったのであ
る。
【0017】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明
する。 実施例1:L−カルニチンの測定 既知の濃度のL−カルニチンを含む下記反応組成1を用
意し、カルニチンアセチルトランスフェラーゼ添加前に
30℃、10分間プレインキュベーションし、酵素を添
加して30℃で30分間インキュベーションした。反応
後、限外ろ過膜(モルカットII)を用いて酵素を除去
した後、得られたろ液をサンプルとし、下記反応組成2
からなるアシルCoAサイクリング法に供し、30℃、
20分間インキュベートした。反応後、酢酸キナーゼ
(1ユニット)を添加し、30℃、20分間インキュベ
ートした後、中和済みのヒドロキシルアミン200μl
を添加し、30℃、20分間インキュベートした。反応
後、鉄試薬(Biochim. Biophys. Acta., 4, 301(195
0))600μlを添加し、450nmにおける吸光度を
測定した。得られた吸光度から消費アセチルCoA量を
求め、消費アセチルCoA量とL−カルニチン量の関係
を示す検量線を作成した。その結果を図1に示す。図1
から明らかなように、消費アセチルCoA量とL−カル
ニチン量の関係を示す検量線は良好な直線性を示し、
0.04〜0.4μg/mlの濃度範囲で測定可能であ
る。
【0018】 反応組成1; L−カルニチン 0.3〜2.5nmol アセチルCoA 25nmol 50mMトリスー塩酸緩衝液(pH7.2) 25μmol カルニチンアセチルトランスフェラーゼ 2μl(0.54ユニット) EDTA 250nmol 純粋 適当量(最終容量1ml)
【0019】 反応組成2; サンプル(アセチルCoAとして) 5〜80pmol マロン酸 250μmol 50mMトリスー塩酸緩衝液(pH7.2) 25μmol マロン酸脱炭酸酵素 5μl(1ユニット) ATP 4μmol 純粋 適当量(最終容量1ml)
【0020】実施例2:アセチルカルニチンの測定 既知の濃度のアセチルカルニチンを含む下記反応組成3
を用意し、カルニチンアセチルトランスフェラーゼ添加
前に30℃、10分間プレインキュベーションし、酵素
を添加して30℃で30分間インキュベーションした。
反応後、限外ろ過膜(モルカットII)を用いて酵素を
除去した後、得られたろ液をサンプルとし、以下実施例
1と同様に処理して生成アセチルCoA量とアセチルカ
ルニチン量の関係を示す検量線を作成した。その結果を
図2に示す。図2から明らかなように、生成アセチルC
oA量とアセチルカルニチン量の関係を示す検量線は良
好な直線性を示し、0.05〜0.25μg/mlの濃
度範囲で測定可能である。
【0021】 反応組成3; アセチルカルニチン 0.2〜1.2nmol CoASH 20nmol 50mMトリスー塩酸緩衝液(pH7.2) 25μmol カルニチンアセチルトランスフェラーゼ 1μl(0.27ユニット) EDTA 250nmol 純粋 適当量(最終容量1ml)
【0022】実施例3:pHの影響 各pHの緩衝液(pH5.3〜9.0)に2.5nmo
lのアセチルCoAを添加し、30℃、40分間インキ
ュベートした。その結果を図3に示す。図3から明らか
なように、アセチルCoAは中性付近で安定であること
が確認された。次に、実施例1及び2におけるトリスー
塩酸緩衝液の代わりに各pH(6.2〜9.0)の緩衝
液を用い、実施例1においてはL−カルニチンを1nm
ol、アセチルCoAを2.5nmolを使用し、実施
例2においてはアセチルカルニチンを1nmol使用す
る以外は各実施例と同様に処理し、それぞれの測定にお
けるpHの影響を調べた。その結果を図4及び5に示
す。図4及び5から明らかなように、本発明方法は中性
付近、好ましくはpH7.0〜7.5の範囲が適当であ
ることが確認できた。
【0023】実施例4:反応時間の影響 L−カルニチンの測定においてはL−カルニチンを1n
mol、アセチルCoAを2.5nmolを使用し、ア
セチルカルニチンの測定においてはアセチルカルニチン
を1.2nmolを使用し、反応時間を0〜60分間に
する以外は各実施例と同様に処理し、それぞれの測定に
おける反応時間の影響を調べた。その結果を図6及び7
に示す。図6及び7から明らかなように、本発明方法で
は反応時間として10分以上が適当であることが確認で
きた。
【0024】実施例5:酵素量の影響 L−カルニチンの測定においてはL−カルニチンを1n
mol、アセチルCoAを2.5nmolを使用し、ア
セチルカルニチンの測定においてはアセチルカルニチン
を0.8nmolを使用し、酵素量として0〜6μl使
用する以外は各実施例と同様に処理し、それぞれの測定
における酵素量の影響を調べた。なお、1μlの酵素量
は0.27ユニットに相当する。その結果を図8及び9
に示す。図8及び9から明らかなように、本発明方法で
は1ユニット以下の酵素量で十分であることが確認でき
た。
【0025】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、L−カルニチン測定における検量線を
示したものである。
【図2】図2は、アセチルカルニチン測定における検量
線を示したものである。
【図3】図3は、アセチルCoAのpH安定性を示した
ものである。
【図4】図4は、L−カルニチン測定におけるpHの影
響を示したものである。
【図5】図5は、アセチルカルニチン測定におけるpH
の影響を示したものである。
【図6】図6は、L−カルニチン測定における反応時間
の影響を示したものである。
【図7】図7は、アセチルカルニチン測定における反応
時間の影響を示したものである。
【図8】図8は、L−カルニチン測定における酵素量の
影響を示したものである。
【図9】図9は、アセチルカルニチン測定における酵素
量の影響を示したものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料中のL−カルニチン量を酵素的に測
    定する方法であって、下記式(1)で表わされる酵素反
    応により消費されたアセチルCoA量を下記式(2)で
    表わされるアシルCoAサイクリング法により測定し、
    消費アセチルCoA量から試料中のL−カルニチン量を
    定量することを特徴とする、L−カルニチンの測定法。 【式1】 【式2】
  2. 【請求項2】 試料中のアセチルカルニチン量を酵素的
    に測定する方法であって、下記式(3)で表わされる酵
    素反応により生成したアセチルCoA量を下記式(2)
    で表わされるアシルCoAサイクリング法により測定
    し、生成アセチルCoA量から試料中のアセチルカルニ
    チン量を定量することを特徴とする、アセチルカルニチ
    ンの測定法。 【式3】 【式4】
JP6945693A 1993-03-04 1993-03-04 L−カルニチン、アセチルカルニチンの高感度測定法 Pending JPH06253898A (ja)

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