JPH06253876A - α−メチルベンジルアミンの製造法 - Google Patents

α−メチルベンジルアミンの製造法

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JPH06253876A
JPH06253876A JP8773793A JP8773793A JPH06253876A JP H06253876 A JPH06253876 A JP H06253876A JP 8773793 A JP8773793 A JP 8773793A JP 8773793 A JP8773793 A JP 8773793A JP H06253876 A JPH06253876 A JP H06253876A
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JP
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methylbenzylamine
carbamate
phenylethyl
alkyl
substrate
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JP8773793A
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Kiyoshi Nakayama
清 中山
Akiko Morita
彰子 森田
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BIO-LE KK
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BIO LE KK
BIO-LE KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アルキル(1−フェニルエチル)カルバメー
トにロドコッカス属、アースロバクター属、コリネバク
テリウム属またはシュードモナス属の微生物またはその
処理物を作用させて、α−メチルベンジルアミンを生成
させて、これを採取することによりα−メチルベンジル
アミンを製造する。微生物としてアースロバクター属ま
たはロドコッカス属の微生物を用いるときは光学活性の
α−メチルベンジルアミンがえられる。 【効果】 光学分割剤、光学活性医薬などの合成中間体
として有用な光学活性のα−メチルベンジルアミンを効
率的に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩基性光学分割剤とし
て、また光学活性医薬などの合成中間体として有用な光
学活性また光学不活性のα−メチルベンジルアミンの製
造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術と問題点】光学活性α−メチルベンジルア
ミンの製法としては、ラセミ体と光学活性有機酸とのジ
アステレオマー塩形成による光学分割(例えば特開昭5
6−26848号)、ケイ皮酸塩の優先晶出法(Che
m.Lett.,1981年,951頁)、クロマト分
離法(J.Chromatog.,502巻,154
頁,1992年)があるが操作が繁雑である。その為、
近年生化学的方法が研究されて、不斉エステル化法(特
開平3−19797号、J.A.C.S.111巻,3
094頁,1987年)、ラセミ体の不斉資化法(特開
平1−174398号)、オメガーアミノ酸トランスア
ミナーゼを用いる方法(特開平3−103192号)、
微生物によるアセトフェノンのアミノ化(特開平4−3
65490号)が知られている。これらの方法も操作が
繁雑であったり、生成濃度が低くてコスト的になお改良
が望まれる。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上に述べ
たような既存の技術の問題点を克服すべく研究を重ね、
α−メチルベンジルアミンから高収率でコスト的にも有
利に製造できるアルキル(1−フェニルエチル)カルバ
メートが微生物により加水分解されてα−メチルベンジ
ルアミンを生成することを発見し、さらに、アースロバ
クター属細菌およびロドコッカス属細菌による加水分解
は不斉的に進行して(S)−α−メチルベンジルアミン
が生成して、(R)−リッチなアルキル(1−フェニル
エチル)カルバメートが残留することを発見して、さら
に研究を重ねた結果本発明を完成するに至った。本発明
によれば、アルキル(1−フェニルエチル)カルバメー
トから微生物の作用によりα−メチルベンジルアミン
を、またアースロバクター属細菌、ロドコッカス属細菌
を用いることにより(S)−α−メチルベンジルアミン
を不斉水解により直接えることができ、またその不斉水
解後に残留する(R)−リッチの基質の加水分解により
(R)−α−メチルベンジルアミンをえることができ
る。
【0004】
【発明の具体的説明】本発明に使用する微生物は、アー
スロバクター属、ロドコッカス属、コリネバクテリウム
属、またはシュードモナス属に属し、アルキル(1ーフ
ェニルエチル)カルバメートに作用してα−メチルベン
ジルアミンを生成する微生物である。具体的菌株として
は、例えばアースロバクター・パラフィネウス(Art
hrobacter paraffineus)ATC
C15590、ロドコッカス・エリスロポリス(Rho
dococcus erythropolis)IFO
12320、ロドコッカス属菌種(Rhodococc
us sp.)ATCC15108、同ATCC151
09、同ATCC15110、コリネバクテリウム・ホ
アギイイ(Corynebacterium hoag
ii)ATCC7005、シュードモナス・メンドシナ
Pseudomonas mendocina)AT
CC25411、シュードモナス・シュードアルカリゲ
ネス(Pseudomonas pseudoalka
ligenes)ATCC12815、同ATCC17
440、シュードモナス・プチダ(Pseudomon
asputida)IFO3738などが挙げられる。
これらの菌株はATCC(アメリカ)、IFO(大阪、
発酵研究所)から入取できる。
【0005】基質として用いるアルキル(1−フェニル
エチル)カルバメートは、α−メチルベンジルアミンと
クロロギ酸アルキルエステルとから文献(Tetrah
edron Asymmetry,3巻,281−28
6頁、1992年)記載の方法により容易に高収率で合
成できる。アルキル基としては、直鎖、分枝のC〜C
の低級アルキル基の化合物が普通用いられる。
【0006】上記微生物の培養の為の培地としては、通
常これらの微生物が生育しうるものであれば何れも使用
できる。例えば炭素源としてグルコース、フラクトー
ス、シュクロースなどの糖類、酢酸、クエン酸などの有
機酸類、エタノール、グリセロールなどのアルコール類
など、窒素源としてはペプトン、肉エキス、酵母エキ
ス、蛋白質加水分解物、有機酸アンモニウム、アミノ
酸、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウムなどが使用で
き、この他に、無機塩、微量金属塩、ビタミンなどが必
要に応じて適宜使用される。高い代謝活性を誘導させる
ために、α−メチルベンジルアミン、ベンゾイルギ酸、
ピルビン酸、アセトフェノンなどを培地に添加すること
も有用である。上記微生物の培養は生育可能な温度、す
なわち通常20〜40℃で、またpHは4〜10の範囲
で好気的に1〜10日間培養する。
【0007】基質、アルキル(1−フェニルエチル)カ
ルバメートに使用微生物を作用させる方法としては、上
記のように培養してえた微生物の培養液あるいは遠心分
離などによりえた菌体のけん濁液に基質を添加する方
法、菌体処理物(例えば菌体破砕物、粗酵素、精製酵素
などの菌体抽出物)あるいは、常法により固定化した菌
体または菌体処理物などに基質を接触させる方法、微生
物の培養時に基質を培地に添加して培養と同時に反応を
行う方法などがある。
【0008】反応液中の基質濃度は通常0.1〜10%
(w/v)が好ましい。微生物の生育と同時に反応させ
る場合、はじめから高濃度に添加して反応させると菌の
生育や反応が停止したり、きわめて遅くなるので、基質
の代謝に従って分割添加する方法がよい。反応温度は5
〜50℃で、反応はPH4〜10の範囲で特に6.0〜
8.0で行うことが好ましい。反応時間は基質濃度、菌
体あるいはその処理物の濃度、その他の条件によって変
るが、通常1〜150時間で終了するように条件を設定
するのが好ましい。菌の代謝活性がなくならぬ限り反応
は進行するので、より長時間かけて反応させてもよいが
効率的ではない。
【0009】かくして反応後反応液中に生成するα−メ
チルベンジルアミンは、反応液から遠心分離などの方法
により菌体を除いた後、上澄液をイオン交換樹脂処理や
酸性での抽出により反応液中に残留するアルキル(1−
フェニル)カルバメートを除いた後、アルカリ性での溶
媒抽出により固化することができる。
【0010】
【実施例】以下実施例により本発明をより具体的に説明
する。実施例においてα−メチルベンジルアミンの分
析、光学純度決定のための(R)一体と(S)一体の分
別定量は高速液体クロマトグラフィーによった。それら
の条件は次のとおりである。 α−メチルベンジルアミンの分折: カラム,SUMICHIRAL OA−5000(住友
化学):移動相,2mM硫酸銅−20%アセトニトリ
ル;流速,1.0ml/分;温度,30℃:検出,UV
254nm。 (R)一体と(S)一体の分別定量: カラム,L−カラムODS(化学品検査協会);移動
相:55%メチルアルコール;流速,1.0ml/分;
温度,室温;検出,UV 250nm。 なお分別定量の為の試料は2,3,4,6−テトラO−
アセチル−β−D−グルコピラノシルイソチオシアネー
ト誘導体とした後上記条件により分析した。実施例中の
物質濃度(%)は(W/V)で示した。
【0011】実施例1 グルコース1%、NH 0.2%、酵母エキス
0.3%、KHPO40.75%、KHPO
0.25%、MgSO・7HO 0.01%(p
H7.0)の組成の培地10mlを入れた太型試験管に
表1に示した微生物を植菌して、26℃で48時間振と
う培養した後、菌体を遠心分離により集めて、メチル
(フェニルエチル)カルバメートを0.2%の濃度にふ
くむ50mMの燐酸緩衝液(pH7.0)1.0mlに
加えて26℃で24時間振とう培養したところ、表1に
示した濃度にα−メチルベンジルアミンが生成した。
【0012】
【表1】
【0013】実施例2 実施例1の培地、培養法でアースロバクター・パラフィ
ネウスATCC1559を24時間培養した種培養1.
5mlを、30mlの同じ組成の培地に0.3%の濃度
にメチル(1−フェニルエチル)カルバメートを補った
培地を入れた300ml三角フラスコに植菌して、26
℃で振とう(220rpm)培養した。48時間の培養
後、培養液中に1.03g/リットルの濃度にα−メチ
ルベンジルアミンが生成した。
【0014】実施例3 実施例1の培地30mlを入れた300ml三角フラス
コに、アースロバクター・パラフィネウスATCC15
59を植菌して26℃で24時間振とう(220rp
m)培養した種培養1.5mlを、30mlの同じ培地
に0.2%の濃度にメチル(1−フェニルエチル)カル
バメートを補った培地を入れた300ml三角フラスコ
に植菌して、26℃で振とう(220rpm)培養し
た。48時間の培養後、培養液中に0.48g/リット
ルの濃度に(S)−α−メチルベンジルアミンが生成
し、その光学純度は100%であった。
【0015】実施例4 微生物としてロドコッカス属菌種ATCC15108を
用いるほか実施例3と同様に実施した。培養48時間の
培養液中に0.27g/リットルの濃度に(S)−α−
メチルベンジルアミンが生成し、その光学純度は100
%であった。
【0016】実施例5 実施例3において、メチル(1ーフェニルエチル)カル
バメートの代りにエチル(1−フェニルエチル)カルバ
メートを用いる他は実施例3と同様に実施した。48時
間の培養後、0.46g/リットルの濃度に(S)−α
−メチルベンジルアミンが生成し、その光学純度(e.
e.)は98%であった。
【0017】実施例6 実施例3と同様に実施してえた0.48g/リットルの
濃度に(S)−α−メチルベンジルアミンを含む培養液
480mlから菌体を遠心分離により除いた上澄液のp
Hを6.0として、強酸性イオン交換樹脂(ダイヤイオ
ンSKIB−H型)のカラムにとおしてα−メチルベン
ジルアミンを吸着させた。メチル(1−フェニルエチ
ル)カルバメートはカラムを通過した。イオン交換樹脂
からのα−メチルベンジルアミンの溶離は、8%アンモ
ニヤ水を樹脂に通じることにより行い、溶離液から酢酸
エチル抽出、濃縮により(S)−α−メチルベンジルア
ミン150mgを回収した。その光学純度は100%で
あった。
【0018】
【発明の効果】本発明によればアルキル(1−フェニル
エチル)カルバメートからα−メチルベンジルアミン、
光学純度の高い(S)−α−メチルベンジルアミンを効
率よく製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 13/00 C12R 1:38) (C12P 13/00 C12R 1:01) (C12P 13/00 C12R 1:40)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキル(1−フェニルエチル)カルバ
    メートにロドコッカス、アースロバクター、コリネバク
    テリウム、シュードモナスの何れかの属に属する微生物
    もしくはその処理物を作用させて、α−メチルベンジル
    アミンを生成させ、これを採取することを特徴とするα
    −メチルベンジルアミンの製造法。
  2. 【請求項2】 アルキル(1−フェニルエチル)カルバ
    メートに作用させる微生物がアースロバクター属または
    ロドコッカス属に属する微生物で、生成するα−メチル
    ベンジルアミンが(S)−α−メチルベンジルアミンで
    あることを特徴とする請求項1記載の方法。
JP8773793A 1993-03-09 1993-03-09 α−メチルベンジルアミンの製造法 Pending JPH06253876A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115184529A (zh) * 2022-06-29 2022-10-14 河北广祥制药有限公司 一种n-甲基苄胺有关物质的检测方法

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