JPH06253891A - (R)−α−メチルベンジルアミンの製造法 - Google Patents
(R)−α−メチルベンジルアミンの製造法Info
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- JPH06253891A JPH06253891A JP7999593A JP7999593A JPH06253891A JP H06253891 A JPH06253891 A JP H06253891A JP 7999593 A JP7999593 A JP 7999593A JP 7999593 A JP7999593 A JP 7999593A JP H06253891 A JPH06253891 A JP H06253891A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 (R)−と(S)−体をふくむα−メチルベ
ンジルアミンに、不斉的に(S)−α−メチルベンジル
アミンを代謝する微生物を作用させて(S)−α−メチ
ルベンジルアミンを代謝させ、残存する(R)−α−メ
チルベンジルアミンを採取することにより光学純度の高
い(R)−α−メチルベンジルアミンをえる。微生物と
しては、アシネトバクター属、アンシロバクター属、コ
リネバクテリウム属、パラコッカス属、シュードモナス
・レプチリボラ、シュードモナス・オレオボランス、の
何れかに属する微生物を用いる。 【効果】 光学分割剤、光学活性医薬、農薬の合成中間
体として有用な、光学純度の高い(R)−α−メチルベ
ンジルアミンを効率的に製造することができる。
ンジルアミンに、不斉的に(S)−α−メチルベンジル
アミンを代謝する微生物を作用させて(S)−α−メチ
ルベンジルアミンを代謝させ、残存する(R)−α−メ
チルベンジルアミンを採取することにより光学純度の高
い(R)−α−メチルベンジルアミンをえる。微生物と
しては、アシネトバクター属、アンシロバクター属、コ
リネバクテリウム属、パラコッカス属、シュードモナス
・レプチリボラ、シュードモナス・オレオボランス、の
何れかに属する微生物を用いる。 【効果】 光学分割剤、光学活性医薬、農薬の合成中間
体として有用な、光学純度の高い(R)−α−メチルベ
ンジルアミンを効率的に製造することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩基性光学分割剤とし
て、また光学活性医薬農薬などの合成中間体として有用
な(R)−α−メチルベンジルアミンの製造法に関す
る。
て、また光学活性医薬農薬などの合成中間体として有用
な(R)−α−メチルベンジルアミンの製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術と問題点】(R)−α−メチルベンジルア
ミンの製法としては、ラセミ体と光学活性有機酸とのジ
アステレオマー塩形成法による光学分割法(例えば、特
開昭56−26848号)、ケイ皮酸塩の優先晶出法
(Chem.Lett.1981年951頁)が知られ
ている。またクロマト分離法(J.Chromato
g.502巻、154頁、1992年)があるがこれら
の方法は操作が繁雑である。その為、近年生化学的方法
が研究されて、不斉エステル化法(特開平3−1979
7号、J.A.C.S.111巻、3094頁、198
7年)、ラセミ体の不斉資化法(特開平1−17439
8号)、オメガ−アミノ酸トランスアミナーゼを用いる
方法(特開平3−103192号)、微生物によるアセ
トフェノンのアミノ化(特開平4−365490号)が
知られている。これらの方法も操作が繁雑であったり、
生成濃度が低くてコスト的になお改良が望まれる。
ミンの製法としては、ラセミ体と光学活性有機酸とのジ
アステレオマー塩形成法による光学分割法(例えば、特
開昭56−26848号)、ケイ皮酸塩の優先晶出法
(Chem.Lett.1981年951頁)が知られ
ている。またクロマト分離法(J.Chromato
g.502巻、154頁、1992年)があるがこれら
の方法は操作が繁雑である。その為、近年生化学的方法
が研究されて、不斉エステル化法(特開平3−1979
7号、J.A.C.S.111巻、3094頁、198
7年)、ラセミ体の不斉資化法(特開平1−17439
8号)、オメガ−アミノ酸トランスアミナーゼを用いる
方法(特開平3−103192号)、微生物によるアセ
トフェノンのアミノ化(特開平4−365490号)が
知られている。これらの方法も操作が繁雑であったり、
生成濃度が低くてコスト的になお改良が望まれる。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上に述べた
ような(R)−α−メチルベンジルアミン製造技術の問
題点を克服すべく種々研究を重ねた結果、新たに、アシ
ネトバクター属、コリネバクテリウム属、アンシロバク
ター、パラコッカス属の微生物、またシュードモナス・
オレオボランス、シュードモナス・レプチリボラ、の菌
種に属する微生物が(S)−α−メチルベンジルアミン
を不斉的に代謝して(R)−α−メチルベンジルアミン
を残留することを発見し、さらに研究を重ねた結果、本
発明を完成するに至った。これらの微生物が(S)−α
−メチルベンジルアミンを不斉的に代謝することはこれ
迄知られていない。前出特開平1−174398でシュ
ードモナス・オレオボラス、コリネバクテリウム・ハイ
ドロカーボクラスツムが挙げられているが実施例が示さ
れず具体的証明に欠けている。
ような(R)−α−メチルベンジルアミン製造技術の問
題点を克服すべく種々研究を重ねた結果、新たに、アシ
ネトバクター属、コリネバクテリウム属、アンシロバク
ター、パラコッカス属の微生物、またシュードモナス・
オレオボランス、シュードモナス・レプチリボラ、の菌
種に属する微生物が(S)−α−メチルベンジルアミン
を不斉的に代謝して(R)−α−メチルベンジルアミン
を残留することを発見し、さらに研究を重ねた結果、本
発明を完成するに至った。これらの微生物が(S)−α
−メチルベンジルアミンを不斉的に代謝することはこれ
迄知られていない。前出特開平1−174398でシュ
ードモナス・オレオボラス、コリネバクテリウム・ハイ
ドロカーボクラスツムが挙げられているが実施例が示さ
れず具体的証明に欠けている。
【0004】
【発明の具体的な説明】本発明において使用する微生物
はアシネトバクター(Acinetobacter)
属、コリネバクテリウム(Corynebacteri
um)属、アンシロバクター(Ancylobacte
r)属、パラコッカス(Paracoccus)属、シ
ュードモナス・オレオボランス(Pseudomona
s oleovrans)、シュードモナス・レプチリ
ボラ(Pseudomonasreptilivor
a)、に属する(S)−α−メチルベンジルアミンを不
斉的に代謝する微生物である。具体的菌株としては、例
えば、アシネトバクター・ルオフィイ(Acineto
bacter lwofii)ATCC21683、コ
リネバクテリウム・アセトアシドフィルム(Coryn
ebacteriumacetoacidophilu
m)ATCC13870、アンシロバクター属菌種(A
ncylobacter sp.)ATCC2137
3、パラコッカス・デニトリフィカンス(Paraco
ccus denitrificans)ATCC19
367、シュードモナス・オレオボランスATCC80
62、シュードモナス・レプチリボラIFO3461な
どがあげられる。これらの菌株はATCC(アメリ
カ)、またはIFO(大阪、発酵研究所)から入取でき
る。また(S)−α−メチルベンジルアミンの不斉的代
謝能に基いて自然界から分離できる。本発明者らは新た
に自然界からアシネトバクター・ルオフィイ近縁と考え
られる近株MBA−15を分離した。この菌株は生命工
学工業技術研究所特許微生物寄託センターにFERM
P−13432の寄託番号で寄託されている。その分類
学的性質は次のとおりである。
はアシネトバクター(Acinetobacter)
属、コリネバクテリウム(Corynebacteri
um)属、アンシロバクター(Ancylobacte
r)属、パラコッカス(Paracoccus)属、シ
ュードモナス・オレオボランス(Pseudomona
s oleovrans)、シュードモナス・レプチリ
ボラ(Pseudomonasreptilivor
a)、に属する(S)−α−メチルベンジルアミンを不
斉的に代謝する微生物である。具体的菌株としては、例
えば、アシネトバクター・ルオフィイ(Acineto
bacter lwofii)ATCC21683、コ
リネバクテリウム・アセトアシドフィルム(Coryn
ebacteriumacetoacidophilu
m)ATCC13870、アンシロバクター属菌種(A
ncylobacter sp.)ATCC2137
3、パラコッカス・デニトリフィカンス(Paraco
ccus denitrificans)ATCC19
367、シュードモナス・オレオボランスATCC80
62、シュードモナス・レプチリボラIFO3461な
どがあげられる。これらの菌株はATCC(アメリ
カ)、またはIFO(大阪、発酵研究所)から入取でき
る。また(S)−α−メチルベンジルアミンの不斉的代
謝能に基いて自然界から分離できる。本発明者らは新た
に自然界からアシネトバクター・ルオフィイ近縁と考え
られる近株MBA−15を分離した。この菌株は生命工
学工業技術研究所特許微生物寄託センターにFERM
P−13432の寄託番号で寄託されている。その分類
学的性質は次のとおりである。
【0005】菌株MBA−15の分類学的性質。 1.肉汁寒天培地に生育した菌の形態 好気性桿菌で0.8〜1.0×5.0〜8.0ミクロン
の大きさであり、多形性はなく、非運動性で、べん毛を
もたぬ。胞子をつくらず、グラム陰性で抗酸性はない。
光沢のあるやゝ黄味がかった灰白色のコロニーをつく
る。pH5〜9で生育し、20〜37℃で生育し、26
〜37℃でよく生育する。
の大きさであり、多形性はなく、非運動性で、べん毛を
もたぬ。胞子をつくらず、グラム陰性で抗酸性はない。
光沢のあるやゝ黄味がかった灰白色のコロニーをつく
る。pH5〜9で生育し、20〜37℃で生育し、26
〜37℃でよく生育する。
【0006】2.生理的性質 可溶性色素をつくらず、リトマスミルクを還元せず、ゼ
ラチンを液化しない。硝酸塩を還元し、MRテスト、V
Pテストは陰性。インドール、硫化水素を生成せず、で
ん粉を液化しない。クエン酸を利用し、無機窒素を利用
する。カタラーゼをもち、オキシダーゼをもたぬ。ウレ
アーゼ陽性、OFテスト(糖を利用しない)、D−グル
コース、L−アラビノース、D−キシロース、D−マン
ノース、D−フラクトース、D−ガラクトース、D−マ
ルトース、シュクロース、ラクトース、トレハロース、
D−ソルビトール、D−マニトール、イノシトール、グ
リセロール、でん粉を利用しない。
ラチンを液化しない。硝酸塩を還元し、MRテスト、V
Pテストは陰性。インドール、硫化水素を生成せず、で
ん粉を液化しない。クエン酸を利用し、無機窒素を利用
する。カタラーゼをもち、オキシダーゼをもたぬ。ウレ
アーゼ陽性、OFテスト(糖を利用しない)、D−グル
コース、L−アラビノース、D−キシロース、D−マン
ノース、D−フラクトース、D−ガラクトース、D−マ
ルトース、シュクロース、ラクトース、トレハロース、
D−ソルビトール、D−マニトール、イノシトール、グ
リセロール、でん粉を利用しない。
【0007】以上の諸性質を分類書(Bergey’s
Manual of Systematic Bac
teriology 第1巻、1984年)に従って検
さくすると、アシネトバクター属に属する細菌と同定さ
れる。さらに、より最近の文献(Journal of
Systematic Bacteriology3
6巻、228〜240頁、1986年)について検討す
ると、アシネトバクター・ルオフィイに近い菌種と考え
られるが結論をだすにはより詳細な検討を必要とするの
でアシネトバクター属菌種とのみ同定して寄託した。
Manual of Systematic Bac
teriology 第1巻、1984年)に従って検
さくすると、アシネトバクター属に属する細菌と同定さ
れる。さらに、より最近の文献(Journal of
Systematic Bacteriology3
6巻、228〜240頁、1986年)について検討す
ると、アシネトバクター・ルオフィイに近い菌種と考え
られるが結論をだすにはより詳細な検討を必要とするの
でアシネトバクター属菌種とのみ同定して寄託した。
【0008】上記微生物を培養するための培地組成とし
ては、通常これらの微生物が生育しうるものであれば何
れも使用できる。例えば炭素源としてグルコース、フラ
クトース、シュクロースなどの糖類、酢酸、クエン酸な
どの有機酸類、エタノール、グリセロールなどのアルコ
ール類など、窒素源としてはペプトン、肉エキス,酵母
エキス,蛋白質加水分解物、有機酸アンモニウム,アミ
ノ酸,硫酸アンモニウム、塩化アンモニウムなどが使用
でき、この他に、無機塩、微量金属塩、ビタミンなどが
必要に応じて適宜使用される。高い代謝活性を誘導させ
るために、α−メチルベンジルアミン,ベンゾイルギ
酸,ピルビン酸,アセトフェノンなどを培地に添加する
ことも有用である。
ては、通常これらの微生物が生育しうるものであれば何
れも使用できる。例えば炭素源としてグルコース、フラ
クトース、シュクロースなどの糖類、酢酸、クエン酸な
どの有機酸類、エタノール、グリセロールなどのアルコ
ール類など、窒素源としてはペプトン、肉エキス,酵母
エキス,蛋白質加水分解物、有機酸アンモニウム,アミ
ノ酸,硫酸アンモニウム、塩化アンモニウムなどが使用
でき、この他に、無機塩、微量金属塩、ビタミンなどが
必要に応じて適宜使用される。高い代謝活性を誘導させ
るために、α−メチルベンジルアミン,ベンゾイルギ
酸,ピルビン酸,アセトフェノンなどを培地に添加する
ことも有用である。
【0009】上記微生物の培養は常温によればよく、例
えばpH4〜10、温度20〜40℃の範囲で好気的に
1〜10日間培養する。α−メチルベンジルアミンに対
する反応法としては、上記のように培養してえた微生物
の培養液あるいは遠心分離などによりえた菌体のけん濁
液に基質を添加する方法、菌体処理物(例えば菌体破砕
物、粗酵素、精製酵素などの菌体抽出物)あるいは、常
法により固定化した菌体または菌体処理物などに基質を
接触させる方法、微生物の培養時に基質を培地に添加し
て培養と同時に反応を行う方法などがある。
えばpH4〜10、温度20〜40℃の範囲で好気的に
1〜10日間培養する。α−メチルベンジルアミンに対
する反応法としては、上記のように培養してえた微生物
の培養液あるいは遠心分離などによりえた菌体のけん濁
液に基質を添加する方法、菌体処理物(例えば菌体破砕
物、粗酵素、精製酵素などの菌体抽出物)あるいは、常
法により固定化した菌体または菌体処理物などに基質を
接触させる方法、微生物の培養時に基質を培地に添加し
て培養と同時に反応を行う方法などがある。
【0010】反応液中の基質濃度は通常0.1〜10%
(w/v)が好ましい。微生物の生育と同時に反応させ
る場合、はじめから高濃度に添加して反応させると菌の
生育や反応が停止したり、きわめて遅くなるので、基質
の代謝に従って分割添加する方法がよい。反応温度は5
〜50℃で、反応はpH4〜10の範囲で特に6.5〜
8.0で行うことが好ましい。反応時間は基質濃度、菌
体あるいはその処理物の濃度、その他の条件によって変
るが、通常1〜150時間で終了するように条件を設定
するのが好ましい。菌の代謝活性がなくならぬ限り反応
は進行するので、より長時間かけて反応させてもよいが
効率的ではない。
(w/v)が好ましい。微生物の生育と同時に反応させ
る場合、はじめから高濃度に添加して反応させると菌の
生育や反応が停止したり、きわめて遅くなるので、基質
の代謝に従って分割添加する方法がよい。反応温度は5
〜50℃で、反応はpH4〜10の範囲で特に6.5〜
8.0で行うことが好ましい。反応時間は基質濃度、菌
体あるいはその処理物の濃度、その他の条件によって変
るが、通常1〜150時間で終了するように条件を設定
するのが好ましい。菌の代謝活性がなくならぬ限り反応
は進行するので、より長時間かけて反応させてもよいが
効率的ではない。
【0011】かくして反応後反応液中に残存する(R)
−α−メチルベンジルアミンは、反応液から遠心分離な
どの方法により菌体を除いた後、上澄液をアルカリ性と
して酢酸エチルで抽出し、抽出液から溶媒を留去し回収
する。必要により更に精製する。その他公知の方法を適
用して回収することができる。
−α−メチルベンジルアミンは、反応液から遠心分離な
どの方法により菌体を除いた後、上澄液をアルカリ性と
して酢酸エチルで抽出し、抽出液から溶媒を留去し回収
する。必要により更に精製する。その他公知の方法を適
用して回収することができる。
【0012】
【実施例】以下実施例により本発明をより具体的に説明
する。実施例においてα−メチルベンジルアミンの分
析、光学純度の決定のための(R)−体と(S)−体の
分別定量は高速液体クロマトグラフィーによった。それ
らの条件は次のとおりである。 α−メチルベンジルアミンの分析:カラム、SUMIC
HIRAL OA−5000(住友化学);移動相、2
mM硫酸銅−20%アセトニトリル;流速、1.0ml
/分;温度、30℃;検出、UV254nm。 (R)−体と(S)−体の分別定量:カラム、L−カラ
ムODS(化学品検査協会);移動相、55%メチルア
ルコール;流速、1.0ml/分;温度、室温、検出、
UV250nm。 なお分別定量の為の試料は2,3,4,6−テトラO−
アセチル−β−D−グルコピラノシルイソチオシアネー
ト誘導体とした後上記条件により分析した。実施例中の
物質濃度(%)は(W/V)で示した。
する。実施例においてα−メチルベンジルアミンの分
析、光学純度の決定のための(R)−体と(S)−体の
分別定量は高速液体クロマトグラフィーによった。それ
らの条件は次のとおりである。 α−メチルベンジルアミンの分析:カラム、SUMIC
HIRAL OA−5000(住友化学);移動相、2
mM硫酸銅−20%アセトニトリル;流速、1.0ml
/分;温度、30℃;検出、UV254nm。 (R)−体と(S)−体の分別定量:カラム、L−カラ
ムODS(化学品検査協会);移動相、55%メチルア
ルコール;流速、1.0ml/分;温度、室温、検出、
UV250nm。 なお分別定量の為の試料は2,3,4,6−テトラO−
アセチル−β−D−グルコピラノシルイソチオシアネー
ト誘導体とした後上記条件により分析した。実施例中の
物質濃度(%)は(W/V)で示した。
【0013】実施例1 ラセミ型α−メチルベンジルアミン0.2%、燐酸二カ
リウム0.75%、燐酸一カリウム0.25%、硫酸マ
グネシウム・7水塩0.01%、微量元素溶液5ml/
リットルの組成の滅菌培地(pH7.0)10mlを入
れた太型試験管にアシネトバクター属菌種MBA−15
を植菌して、26℃、295rpmで48時間振とう培
養した結果、(S)−体が代謝されて0.1%の濃度に
(R)−α−メチルベンジルアミンが残存した。その光
学純度(e.e.)は100%であった。微量元素溶液
の組成は次の化合物を水にとかして1リットルとしたも
のである:CaCl2・2H2O 10g,FeSO4
・7H2O 10g,MnSO4,・4H2O 5g,
Na2MoO4・2H2O 5g,CuSO4・5H2
O1g,ZnSO4・7H2O 1g,CoCl2・6
H2O 1g,NiCl2・6H2O 1g,H3BO
4 1g,EDTA・2Na 20g。
リウム0.75%、燐酸一カリウム0.25%、硫酸マ
グネシウム・7水塩0.01%、微量元素溶液5ml/
リットルの組成の滅菌培地(pH7.0)10mlを入
れた太型試験管にアシネトバクター属菌種MBA−15
を植菌して、26℃、295rpmで48時間振とう培
養した結果、(S)−体が代謝されて0.1%の濃度に
(R)−α−メチルベンジルアミンが残存した。その光
学純度(e.e.)は100%であった。微量元素溶液
の組成は次の化合物を水にとかして1リットルとしたも
のである:CaCl2・2H2O 10g,FeSO4
・7H2O 10g,MnSO4,・4H2O 5g,
Na2MoO4・2H2O 5g,CuSO4・5H2
O1g,ZnSO4・7H2O 1g,CoCl2・6
H2O 1g,NiCl2・6H2O 1g,H3BO
4 1g,EDTA・2Na 20g。
【0014】実施例2 実施例1で用いた培地に、グルコース1%、酵母エキス
0.03%を補った培地を用い、使用微生物としてシュ
ードモナス・レプチリボラIFO3461またはシュー
ドモナス・オレオボランスATCC8062を用いる他
実施例1と同様に実施した。5日間の培養後、シュード
モナス・レプチリボラの培養液中には0.5g/リット
ルの(R)−α−メチルベンジルアミン(e.e.10
0%)が残存し、シュードモナス・オレオボランスの培
養液中には1.2g/リットルの(R)−α−メチルベ
ンジルアミン(R体 76%)が残存していた。
0.03%を補った培地を用い、使用微生物としてシュ
ードモナス・レプチリボラIFO3461またはシュー
ドモナス・オレオボランスATCC8062を用いる他
実施例1と同様に実施した。5日間の培養後、シュード
モナス・レプチリボラの培養液中には0.5g/リット
ルの(R)−α−メチルベンジルアミン(e.e.10
0%)が残存し、シュードモナス・オレオボランスの培
養液中には1.2g/リットルの(R)−α−メチルベ
ンジルアミン(R体 76%)が残存していた。
【0015】実施例3 ラセミ型α−メチルベンジルアミン0.2%、グルコー
ス%、酵母エキス0.6%、燐酸二カリウム0.75
%、燐酸一カリウム0.25%、硫酸マグネシウム・7
水塩(pH7.0)の組成の培地で、使用菌としてコリ
ネバクテリウム・アセトアシドフィルムATCC138
70を用いる他実施例1と同様に実施したとき、6日間
の培養後1.03g/リットルの(R)−α−メチルベ
ンジルアミン(R体 99.8%)が培養液中に残存し
た。
ス%、酵母エキス0.6%、燐酸二カリウム0.75
%、燐酸一カリウム0.25%、硫酸マグネシウム・7
水塩(pH7.0)の組成の培地で、使用菌としてコリ
ネバクテリウム・アセトアシドフィルムATCC138
70を用いる他実施例1と同様に実施したとき、6日間
の培養後1.03g/リットルの(R)−α−メチルベ
ンジルアミン(R体 99.8%)が培養液中に残存し
た。
【0016】実施例4 実施例3の培地にピルビン酸1.0%を補った培地30
mlを入れた300ml三角フラスコにパラコッカス・
デニトリフィカンスATCC19367、アシネトバク
ター・ルオフィイATCC21683またはアンシロバ
クター属菌株ATCC21373を植菌するほか実施例
3と同様に実施した。7日間の培養後パラコッカス・デ
ニトリフィカンスATCC19367の培養液中には
0.87g/リットルの(R)−α−メチルベンジルア
ミン(e.e.100%)が、アシネトバクター・ルオ
フィイの培養液中には1.09g/リットルの(R)−
α−メチルベンジルアミン(e.e.82.2%)が、
アンシロバクター属菌株ATCC21373の培養液中
には1.02g/リットルの(R)−α−メチルベンジ
ルアミン(e.e.93.6%)が生成していた。
mlを入れた300ml三角フラスコにパラコッカス・
デニトリフィカンスATCC19367、アシネトバク
ター・ルオフィイATCC21683またはアンシロバ
クター属菌株ATCC21373を植菌するほか実施例
3と同様に実施した。7日間の培養後パラコッカス・デ
ニトリフィカンスATCC19367の培養液中には
0.87g/リットルの(R)−α−メチルベンジルア
ミン(e.e.100%)が、アシネトバクター・ルオ
フィイの培養液中には1.09g/リットルの(R)−
α−メチルベンジルアミン(e.e.82.2%)が、
アンシロバクター属菌株ATCC21373の培養液中
には1.02g/リットルの(R)−α−メチルベンジ
ルアミン(e.e.93.6%)が生成していた。
【0017】実施例5 実施例1の培地に0.035の酵母エキスを補った培地
を用いることと、培養中48時間と96時間に0.2%
の濃度にラセミ型α−メチルベンジルアミンをフィード
するほかは、実施例1と同様に実施した。培養7日で培
養中に0.3g/リットルの(R)−α−メチルベンジ
ルアミン(e.e.100%)が生成した。この培養液
90mlから菌体を遠心分離により除いた上澄液をpH
10.5にNaOH溶液で調整して、等量の酢酸エチル
で2回抽出後、溶媒を留去して(R)−α−メチルベン
ジルアミン240mgを回収した。その光学純度(e.
e.)は100%であった。
を用いることと、培養中48時間と96時間に0.2%
の濃度にラセミ型α−メチルベンジルアミンをフィード
するほかは、実施例1と同様に実施した。培養7日で培
養中に0.3g/リットルの(R)−α−メチルベンジ
ルアミン(e.e.100%)が生成した。この培養液
90mlから菌体を遠心分離により除いた上澄液をpH
10.5にNaOH溶液で調整して、等量の酢酸エチル
で2回抽出後、溶媒を留去して(R)−α−メチルベン
ジルアミン240mgを回収した。その光学純度(e.
e.)は100%であった。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、工業的安価に入取しう
るラセミ型のα−メチルベンジルアミンから、光学分割
剤として、また光学活性医薬農薬原料として有用な光学
純度の高い(R)−α−メチルベンジルアミンを製造す
ることができる。
るラセミ型のα−メチルベンジルアミンから、光学分割
剤として、また光学活性医薬農薬原料として有用な光学
純度の高い(R)−α−メチルベンジルアミンを製造す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 41/00 C12R 1:01)
Claims (1)
- 【請求項1】 (R)−と(S)−体の両方をふくむα
−メチルベンジルアミンに、(S)−α−メチルベンジ
ルアミン代謝能を有するアシネトバクター、コリネバク
テリウム、アンシロバクター、パラコッカスの何れかの
属に属する微生物、またはシュードモナス・オレオボラ
ンス、シュードモナス・レプチリボラ、の何れかの種に
属する微生物、またはそれらの処理物を作用させて、
(S)−α−メチルベンジルアミンを不斉的に代謝さ
せ、残存する(R)−α−メチルベンジルアミンを採取
することを特徴とする(R)−α−メチルベンジルアミ
ンの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7999593A JPH06253891A (ja) | 1993-03-01 | 1993-03-01 | (R)−α−メチルベンジルアミンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7999593A JPH06253891A (ja) | 1993-03-01 | 1993-03-01 | (R)−α−メチルベンジルアミンの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06253891A true JPH06253891A (ja) | 1994-09-13 |
Family
ID=13705890
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7999593A Pending JPH06253891A (ja) | 1993-03-01 | 1993-03-01 | (R)−α−メチルベンジルアミンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06253891A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5965432A (en) * | 1996-12-12 | 1999-10-12 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Method for improving optical purity of an amine compound |
-
1993
- 1993-03-01 JP JP7999593A patent/JPH06253891A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5965432A (en) * | 1996-12-12 | 1999-10-12 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Method for improving optical purity of an amine compound |
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