JPH06249120A - 多気筒内燃機関用点火装置 - Google Patents

多気筒内燃機関用点火装置

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JPH06249120A
JPH06249120A JP3992893A JP3992893A JPH06249120A JP H06249120 A JPH06249120 A JP H06249120A JP 3992893 A JP3992893 A JP 3992893A JP 3992893 A JP3992893 A JP 3992893A JP H06249120 A JPH06249120 A JP H06249120A
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JP
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ignition
signal
cylinder
internal combustion
combustion engine
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Application number
JP3992893A
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English (en)
Inventor
Hiroyasu Nito
博康 仁藤
Tomoyuki Ogawa
知之 小川
Kazuo Watanabe
和男 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mahle Electric Drive Systems Co Ltd
Original Assignee
Kokusan Denki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】信号発電機の構造を複雑にすることなく、機関
の始動性を向上させ、低速時の機関の動作を安定にする
ことができる多気筒内燃機関用点火装置を提供する。 【構成】内燃機関の3つの気筒に対してそれぞれ点火回
路IG1 〜IG3 を設け、マイクロコンピュータMCに
より演算したそれぞれの気筒の点火位置でそれぞれの気
筒用の点火回路に点火信号を与える。機関の回転速度が
設定値以下のときの各気筒の点火位置でタイミング信号
を発生する信号コイルLs を設け、内燃機関の回転速度
が設定値以下のときに信号コイルLs が発生するタイミ
ング信号を点火信号として3つの点火回路IG1 〜IG
3 に同時に与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロコンピュータ
を用いて点火位置を制御する多気筒内燃機関用の点火装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロコンピュータを用いて点火位置
を制御する多気筒内燃機関用点火装置においては、点火
信号が与えられたときに点火用の高電圧を発生する点火
回路を内燃機関のn個(nは2以上の整数)の気筒に対
してそれぞれ設け、マイクロコンピュータにより演算し
た各気筒の点火位置で各気筒用の点火回路に点火信号を
与えることにより、点火動作を行わせるようにしてい
る。
【0003】内燃機関の回転角度情報と速度情報とをマ
イクロコンピュータに与えるため、内燃機関の回転に同
期して信号を発生する信号発電機が用いられる。この種
の目的に用いられる信号発電機は、複数のリラクタを有
するロータと、該ロータのリラクタにより磁束変化が生
じさせられてパルス状の信号を発生する信号発電子とか
らなっている。多気筒内燃機関用点火装置に用いる信号
発電機においては、ロータが等角度間隔で設けられた気
筒数分のタイミング信号発生用リラクタと、該タイミン
グ信号発生用リラクタに対して不等間隔で設けられた1
つの気筒判別信号発生用リラクタとを備えており、信号
発電子は、機関が1回転する毎に、機関の各気筒に対応
したタイミング信号を発生すると共に、1つの気筒判別
信号を発生する。この信号発電機の出力は波形整形回路
を通して適当な波形に変換されてマイクロコンピュータ
のI/Oポートに入力される。
【0004】マイクロコンピュータは、タイミング信号
の発生周期から内燃機関の回転速度を演算し、気筒判別
信号とその前後に発生するタイミング信号との間の時間
間隔の不均一性を利用してタイミング信号を特定して、
各タイミング信号を特定の気筒に対応させ、各気筒に対
応するタイミング信号の発生位置をその気筒の点火位置
を計測する際の基準位置とする。
【0005】マイクロコンピュータはまた、演算された
回転速度における点火位置を、予め記憶されたマップ
(各回転速度と点火位置との関係を与えるテーブル)を
用いて補間法により演算し、演算した点火位置を次の点
火位置とする。この点火位置を与えるデータは各気筒の
基準位置(各気筒用のタイミング信号の発生位置)から
その点火位置まで機関が回転するのに要する時間(点火
位置計測時間)の形でRAMに記憶される。
【0006】マイクロコンピュータは、各気筒の基準位
置を与えるタイミング信号が発生する毎にタイマに点火
位置計測時間をセットして該タイマを起動させ、該タイ
マが計時動作を完了したときに各気筒用の点火回路に点
火信号を与える。
【0007】またマイクロコンピュータを用いて点火位
置を制御する点火位置制御装置としては、機関が単位角
度回転する毎にパルスを発生する回転角度検出用エンコ
ーダを設けて、このエンコーダの出力パルス数を計数す
ることにより、マイクロコンピュータがスロットル開度
等に応じて演算した点火位置を計測する方式のもの等も
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】マイクロコンピュータ
を用いて点火位置を演算する内燃機関用点火装置におい
て、マイクロコンピュータの電源として機関により駆動
される発電機の出力を用いる場合には、機関の始動時に
発電機の出力が確立するまでの間マイクロコンピュータ
を動作させることができないため、機関の始動回転数が
高くなり、機関の始動性が悪くなるという問題があっ
た。
【0009】またマイクロコンピュータの電源としてバ
ッテリを用いる場合でも、機関の低速時においては、機
関の行程の変化に伴う回転速度の変動が激しいため、前
述のように、マイクロコンピュータにより、予測される
次の点火位置を演算して、タイミング信号の発生位置か
ら予測された点火位置を与える時間を計測することによ
り点火位置を求める方法をとった場合には、演算された
所期の点火位置で点火動作を行わせることができなくな
ることがあり、機関の回転速度の変動に伴って点火位置
が大きく変動して機関の動作が不安定になるという問題
があった。
【0010】上記のような諸問題を解決するため、内燃
機関の低速時に機関に取付けた信号発電機から各気筒の
点火回路に直接点火信号を与えることが提案されてい
る。この様にすれば、マイクロコンピュータの電源が確
立されていない場合でも、点火動作を行わせることがで
きるため、機関の始動回転数を低くすることができ、機
関の始動性を良好にすることができる。また信号発電機
が機関の低速時に適した点火位置でタイミング信号を発
生するようにしておけば、機関の低速時の動作を安定に
することができる。
【0011】しかしながら、従来は、低速時に信号発電
機から直接点火回路に点火信号を与える構成をとる場合
に、各気筒毎に信号発電子を設けていたため、気筒数分
の信号発電子が必要になり、信号発電機の構造が複雑に
なるという問題があった。
【0012】本発明の目的は、信号発電子の数を増加さ
せることなく、機関の低速時の動作を安定にし、機関の
始動性を良好にすることができるようにした多気筒内燃
機関用点火装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、内燃機関のn
個(nは2以上の整数)の気筒に対してそれぞれ設けら
れて点火信号が与えられたときにそれぞれの気筒を点火
するための点火用高電圧を発生するn個の点火回路と、
マイクロコンピュータにより演算したそれぞれの気筒の
点火位置でそれぞれの気筒用の点火回路に点火信号を与
える点火位置制御装置とを備えた多気筒内燃機関用点火
装置に係わるものである。
【0014】本発明においては、内燃機関の回転速度が
設定値以下のときの各気筒の点火位置でタイミング信号
を発生する信号発電機と、内燃機関の回転速度が設定値
以下のときに信号発電機が発生するタイミング信号を点
火信号として複数の点火回路に同時に与える同時トリガ
回路とを設けた。
【0015】内燃機関が3気筒以上の奇数気筒内燃機関
であって、奇数の気筒の点火位置が(360/n)度離
れている場合には、(360/n)度間隔で設けられた
n個のタイミング信号発生用リラクタ及び該タイミング
信号発生用リラクタに対して不等間隔で設けられた気筒
判別信号発生用リラクタを有するロータと、該ロータに
対向させられた1つの信号発電子とを備えて、信号発電
子がタイミング信号を(360/n)度間隔で発生する
ように構成された信号発電機を用いればよい。また点火
位置が(720/n)度離れた(n/2)個の第1の気
筒群と、点火位置が第1の気筒群の点火位置に対して
(360/n)度の位相差を有する(n/2)個の第2
の気筒群とを有する4気筒以上の偶数気筒内燃機関に適
用する場合には、(720/n)度間隔で設けられたタ
イミング信号発生用リラクタ及び該タイミング信号発生
用リラクタに対して不等間隔で設けられた気筒判別信号
発生用リラクタを有するロータと、(360/n)度間
隔で配置されてロータに対向させられた第1の信号発電
子及び第2の信号発電子とを備えた信号発電機を用い
る。この場合、内燃機関の回転速度が設定値以下のとき
には、第1の信号発電子から得られるタイミング信号を
第1の気筒群用の点火回路に点火信号として同時に与
え、第2の信号発電子から得られるタイミング信号を第
2の気筒群用の点火回路に点火信号として同時に与え
る。
【0016】なお本発明においては、機関の回転速度が
設定値以下の場合に、必ずしも全ての気筒用の点火回路
に同時に点火信号を与える必要はなく、機関の一部の気
筒のみを点火するだけで機関の低速回転を維持すること
ができる場合には、一部の気筒用の点火回路にのみ点火
信号を同時に与える構成をとることもできる。例えば3
気筒内燃機関の場合には、2気筒を点火するだけでも低
速時の回転を維持できるので、回転速度が設定値以下の
場合に、信号発電機から2つの気筒用の点火回路にのみ
点火信号を与えるようにしてもよい。
【0017】
【作用】上記のように、機関の回転速度が設定値以下の
場合に、信号発電機から複数の気筒用の点火回路に同時
に点火信号を与えるようにすると、信号発電子の数を少
なくすることができるため、信号発電機の構造を複雑に
することなく、機関の低速時の動作を安定にし、機関の
始動性を良好にすることができる。
【0018】
【実施例】図1は3気筒内燃機関に適用する本発明の実
施例を示したもので、同図においてLe は内燃機関に取
付けられた磁石発電機内に設けられたエキサイタコイ
ル、Ls は内燃機関に取付けられた信号発電機の信号発
電子内に設けられた信号コイルである。T1 〜T3 はそ
れぞれ第1の気筒ないし第3の気筒用の点火コイルで、
各点火コイルは、一端が接地された1次コイル及び2次
コイルを有している。点火コイルT1 〜T3 のそれぞれ
の1次コイルの非接地側の端子にコンデンサC1 〜C3
の一端が接続され、これらのコンデンサの他端と接地間
に放電用のスイッチを構成するサイリスタTh1〜Th3が
それぞれ接続されている。エキサイタコイルLe の非接
地側の端子がダイオードD1 〜D3 を介してサイリスタ
Th1〜Th3のアノードとコンデンサC1 〜C3 の一端と
の接続点にそれぞれ接続され、点火コイルT1 〜T3 の
2次コイルには内燃機関の第1ないし第3の気筒にそれ
ぞれ取付けられた点かプラグP1 〜P3 が接続されてい
る。
【0019】この例では、エキサイタコイルLe とダイ
オードD1 とコンデンサC1 とサイリスタTh1と点火コ
イルT1 と点火プラグP1 とにより第1の気筒用の点火
回路IG1 が構成され、エキサイタコイルLe と、ダイ
オードD2 とコンデンサC2とサイリスタTh2と点火コ
イルT2 と点火プラグP2 とにより第2の気筒用の点火
回路IG2 が構成されている。更にエキサイタコイルL
e と、ダイオードD3とコンデンサC3 とサイリスタTh
3と点火コイルT3 と点火プラグP3 とにより第3の気
筒用の点火回路IG3 が構成されている。
【0020】これらの点火回路はコンデンサ放電式の回
路として周知のものである。エキサイタコイルLe が図
示の矢印方向の正の半サイクルの電圧を出力すると、ダ
イオードD1 ,D2 及びD3 と点火コイルT1 ,T2 及
びT3 の1次コイルとを通してコンデンサC1 ,C2 及
びC3 が図示の極性に充電される。内燃機関の点火位置
でサイリスタTh1〜Th3のゲートに点火信号が与えられ
ると、該サイリスタが導通してコンデンサC1 〜C3 の
電荷を点火コイルT1 〜T3 の1次コイルに放電させ
る。これにより点火コイルT1 〜T3 の2次側に点火用
の高電圧が発生し、点火プラグP1 〜P3 に火花が生じ
る。
【0021】即ち、この点火装置では、点火回路IG1
〜IG3 のサイリスタTh1〜Th3にそれぞれ点火信号が
与えられたときに第1ないし第3の気筒の点火動作が行
われる。なお本発明において、各気筒用の点火回路の回
路構成は図示のものに限られるものではなく、点火信号
が入力されたときに点火用の高電圧を発生するものであ
ればいかなるものでもよい。
【0022】信号コイルLs は、図2に示すような信号
発電機内に設けられている。図2において、1は120
度間隔で配置されたタイミング信号発生用リラクタ(誘
導子)101a〜101cと、タイミング信号発生用リ
ラクタに対して不等間隔で(リラクタ101a〜101
cとの間の間隔が等しくならない位置に)配置された気
筒判別信号発生用リラクタ102とを回転体103の外
周に設けたロータ、2はロータ1に対向する磁極部20
1を先端に有する鉄心と該鉄心に巻回された信号コイル
Ls と該鉄心に磁気結合された永久磁石(図示せず。)
とを備えた公知の誘導子形の信号発電子で、ロータ1
は、図面上反時計方向に回転させられる。なおロータ1
の回転体103としては、内燃機関に取付けられたフラ
イホイール等を用いることができる。
【0023】この信号発電機においては、タイミング信
号発生用リラクタ101a〜101cがそれぞれ信号発
電子2の磁極部102に対向し始める際に、図3に示す
ようにタイミング信号Vp1〜Vp3を発生し、リラクタ1
01a〜101cがそれぞれ信号発電子2の磁極部10
2との対向を終える際にそれぞれ信号コイルLs にタイ
ミング信号Vn1〜Vn3を発生する。またリラクタ102
が信号発電子2の磁極部102に対向し始める際及び該
信号発電子の磁極部との対向を終える際にそれぞれ信号
コイルLs に極性が異なる気筒判別信号Va 及びVb を
発生する。本実施例では、タイミング信号Vp1〜Vp3が
それぞれ内燃機関の回転速度が設定値以下のときの第1
ないし第3の気筒の点火位置(通常は最小進角位置)で
発生するように信号発電子2の位置が設定されている。
【0024】信号コイルLs から得られる正極性の気筒
判別用信号Va 及び正極性のタイミング信号Vp1〜Vp3
は、ダイオードD4 と抵抗R1 とを通して点火位置制御
装置を構成するマイクロコンピュータMCの入力ポート
に入力されている。
【0025】なお図1においては、簡単にするためこれ
らの信号がマイクロコンピュータMCに直接入力される
ように図示されているが、実際の回路では、信号Va 及
びVp1〜Vp3が適当な波形整形回路でパルス波形等に波
形整形されてからマイクロコンピュータに入力される。
【0026】マイクロコンピュータMCは、タイミング
信号Vp1〜Vp3の発生周期から内燃機関の回転速度を演
算する。マイクロコンピュータはまた、気筒判別信号V
a とその前後に発生するタイミング信号Vp1及びVp2と
の間の時間間隔の不均一性を利用してタイミング信号V
p1〜Vp3がそれぞれ第1の気筒ないし第3の気筒用の基
準位置を与える信号であることを判別する。
【0027】マイクロコンピュータはまた、演算された
回転速度における点火位置を、回転数と点火位置との関
係を与えるマップを用いて補間法により演算し、演算し
た点火位置を与えるデータを各気筒の基準位置(各気筒
用のタイミング信号の発生位置)からその点火位置まで
機関が回転するのに要する時間(点火位置計測時間)の
形にしてRAMに記憶させる。
【0028】マイクロコンピュータは、第1ないし第3
の気筒の基準位置をそれぞれ与えるタイミング信号Vp1
〜Vp3が発生する毎にタイマに点火位置計測時間をセッ
トして該タイマを起動させ、該タイマが計時動作を終了
したときに(点火位置計測時間の計測を終了したとき
に)第1ないし第3の気筒用の点火信号Vi1〜Vi3を発
生する。これらの点火信号は、ダイオードD5 ないしD
7 を通して点火回路IG1 〜IG3 のサイリスタTh1〜
Th3のゲートにそれぞれ与えられる。
【0029】以上の各部の構成は、マイクロコンピュー
タを用いて点火位置を制御する点火装置の構成として既
に公知である。
【0030】本発明においては、内燃機関の回転速度が
設定値(例えばアイドリング回転数の上限値)以下のと
きに、信号コイルLs から直接第1ないし第3の気筒用
の点火回路IG1 〜IG3 に点火信号を与える。本実施
例では、信号コイルLs の非接地側端子にダイオードD
8 を通して抵抗R2 の一端が接続され、抵抗R2 の他端
に抵抗R3 〜R5 の一端が接続されている。抵抗R3 〜
R5 の他端がそれぞれダイオードD9 〜D11を通してサ
イリスタTh1〜Th3のゲートに接続され、信号コイルL
s が正極性のタイミング信号Vp1〜Vp3を発生したとき
に点火回路IG1 〜IG3 のサイリスタTh1〜Th3に同
時に点火信号が与えられるようになっている。
【0031】なお信号コイルLs が気筒判別信号Va を
発生したときにもサイリスタTh1〜Th3に信号が与えら
れるが、この信号が発生したときには、既に点火動作が
行われて、コンデンサC1 〜C3 の放電が完了している
ので、点火動作には影響がない。
【0032】機関の回転速度が設定値以上になったとき
に、信号コイルLs から直接与えられる点火信号を無効
にするため、抵抗R2 と抵抗R3 〜R5 との接続点Aと
接地間に点火信号切換回路SCが設けられている。この
実施例の点火信号切換回路SCは、マイクロコンピュー
タMCにより制御されるスイッチからなっていて、機関
の回転速度が設定値を超えたときにマイクロコンピュー
タMCが点火信号切換回路SCにトリガ信号を与えて、
該切換回路を構成するスイッチを導通させるようになっ
ている。またマイクロコンピュータMCは、機関の回転
速度が設定値以下のときには、点火信号Vi1〜Vi3を出
力しないようになっている。
【0033】上記の実施例において、機関の回転速度が
設定値以下のときには、点火信号切換回路SCを構成す
るスイッチが遮断しているため、信号コイルLs がタイ
ミング信号Vp1〜Vp3を発生したときに点火回路IG1
〜IG3 のサイリスタTh1〜Th3に同時に点火信号が与
えられ、点火回路IG1 〜IG3 の点火プラグP1 〜P
3 で同時に火花が発生する。これにより、点火位置にあ
る気筒が点火される。機関の回転速度が設定値を超える
とマイクロコンピュータMCが点火信号切換回路SCを
構成するスイッチを導通させるため、図1のA点が接地
され、信号コイルLs 側からダイオードD8 及び抵抗R
2 を通して与えられる点火信号は全て点火回路から側路
される。従って、機関の回転速度が設定値を超える領域
では、マイクロコンピュータMCから出力される点火信
号Vi1〜Vi3が点火回路IG1 〜IG3 のサイリスタT
h1〜Th3に与えられて第1ないし第3の気筒が点火され
る。
【0034】上記の実施例では、ダイオードD8 〜D11
と、抵抗R2 〜R5 と、点火信号切換回路SCとによ
り、内燃機関の回転速度が設定値以下のときに信号発電
機が発生するタイミング信号を点火信号として複数の点
火回路に同時に与える同時トリガ回路が構成されてい
る。
【0035】上記実施例のように、機関の低速時に3つ
の気筒用の点火回路に1つの信号発電子から同時に点火
信号を与えるようにすると、信号発電子を1つだけ設け
れば良いため、3つの信号発電子を設けていた従来の点
火装置に比べて、信号発電機の構造を簡単にすることが
できる。
【0036】上記の実施例では、3気筒内燃機関を例に
とったが、信号発電機の構成を変更することにより、更
に多気筒の内燃機関に本発明を適用することもできる。
図4は4気筒内燃機関を点火する場合に用いる信号発電
機の構成を示したもので、この例では、2個のタイミン
グ信号発生用リラクタ101a及び101bが180度
間隔で設けられ、リラクタ101aの近傍に気筒判別信
号発生用リラクタ102が設けられている。またこの例
では第1及び第2の信号発電子2A及び2Bが設けられ
ていて、これらの信号発電子が90度間隔で配置されて
いる。
【0037】図4に示した信号発電機では、位相が進ん
だ位置に配置された第1の信号発電子2Aが図5(A)
に示すように、タイミング信号(Vp1,Vn1)及び(V
p3,Vn3)を180度間隔で発生し、タイミング信号V
n1が発生した後に気筒判別信号Va1,Vb1を発生する。
また位相が遅れた位置に配置された第2の信号発電子2
Bは、タイミング信号(Vp1,Vn1),(Vp3,Vn3)
に対して90度遅れた位置でそれぞれタイミング信号
(Vp2,Vn2)及び(Vp4,Vn4)を発生し、気筒判別
信号Va1,Vb1の発生位置から90度離れた位置で気筒
判別信号Va2,Vb2を発生する。
【0038】この例では、タイミング信号Vp1及びVp3
がそれぞれ回転速度が設定値以下のときの第1の気筒及
び第3の気筒の点火位置で発生し、タイミング信号Vp2
及びVp4がそれぞれ回転速度が設定値以下のときの第2
の気筒及び第4の気筒の点火位置で発生するように、信
号発電子2A及び2Bの取付位置が設定されている。こ
の場合には、機関の4つの気筒を、点火位置が180度
離れた2つの気筒を含む第1の気筒群(第1及び第3気
筒)と、第1の気筒群に対して点火位置が90度離れた
他の2つの気筒を含む第2の気筒群(第2及び第4気
筒)とに分ける。そして機関の回転速度が設定値以下の
ときに、信号発電子2Aから得られるタイミング信号V
p1及びVp3を第1の気筒群(第1及び第3気筒)用の点
火回路に同時に点火信号として与え、信号発電子2Bか
ら得られるタイミング信号Vp2及びVp4を第2の気筒群
(第2及び第4気筒)用の点火回路に同時に点火信号と
して与える。このように構成すると、機関の回転速度が
設定値以下のときに、第1の気筒群と第2の気筒群とが
交互に点火される。
【0039】図6は6気筒内燃機関を点火する場合に用
いる信号発電機の構成を示したもので、この場合には、
3個のタイミング信号発生用リラクタ101a〜101
cが120度間隔で設けられ、リラクタ101aの近傍
に気筒判別信号発生用リラクタ102が設けられてい
る。この例でも第1及び第2の信号発電子2A及び2B
が設けられていて、これらの信号発電子が60度間隔で
配置されている。
【0040】図6に示した信号発電機では、位相が進ん
だ位置に配置された第1の信号発電子2Aが図7(A)
に示すように、タイミング信号(Vp1,Vn1),(Vp
3,Vn3)及び(Vp5,Vn5)を120度間隔で発生
し、タイミング信号Vn1が発生した後に気筒判別信号V
a1,Vb1を発生する。また位相が遅れた位置に配置され
た第2の信号発電子2Bは、タイミング信号(Vp1,V
n1),(Vp3,Vn3)及び(Vp5,Vn5)に対してそれ
ぞれ90度の位相差を有するタイミング信号(Vp2,V
n2),(Vp4,Vn4),(Vp6,Vn6)を発生する。ま
た気筒判別信号Va1,Vb1の発生位置から60度離れた
位置で気筒判別信号Va2,Vb2を発生する。この例で
は、タイミング信号Vp1,Vp3及びVp5がそれぞれ、回
転速度が設定値以下のときの第1の気筒、第3の気筒及
び第5の気筒の点火位置で発生し、タイミング信号Vp
2,Vp4及びVp6がそれぞれ、回転速度が設定値以下の
ときの第2の気筒、第4の気筒及び第6の気筒の点火位
置で発生するように、信号発電子2A及び2Bの取付位
置が設定されている。
【0041】この場合は、機関の6つの気筒を、点火位
置が120度離れた3つの気筒を含む第1の気筒群(第
1、第3及び第5気筒)と、第1の気筒群に対して点火
位置が60度離れた他の3つの気筒を含む第2の気筒群
(第2、第4及び第6気筒)とに分ける。そして機関の
回転速度が設定値以下のときに、信号発電子2Aから得
られるタイミング信号Vp1,Vp3及びVp5を第1の気筒
群(第1、第3及び第5気筒)用の点火回路に同時に点
火信号として与え、信号発電子2Bから得られるタイミ
ング信号Vp2,Vp4及びVp6を第2の気筒群(第2、第
4及び第6気筒)用の点火回路に同時に点火信号として
与える。この場合も、機関の回転速度が設定値以下のと
きに、第1の気筒群と第2の気筒群とが交互に点火され
る。
【0042】以上、3気筒、4気筒及び6気筒の多気筒
内燃機関を点火する場合について説明したが、一般に、
点火位置が(360/n)度離れた奇数の気筒を有する
3気筒以上の奇数気筒内燃機関を点火する場合には、
(360/n)度間隔で設けられたn個のタイミング信
号発生用リラクタ及び該タイミング信号発生用リラクタ
に対して不等間隔で設けられた気筒判別信号発生用リラ
クタを有するロータと、該ロータに対向させられた1つ
の信号発電子とを備えた信号発電機を用いて、該信号発
電子から、(360/n)度の間隔でタイミング信号を
発生させるようにすればよい。
【0043】また、点火位置が(720/n)度離れた
(n/2)個の第1の気筒群と、点火位置が前記第1の
気筒群の点火位置に対して(360/n)度の位相差を
有する(n/2)個の第2の気筒群とを有する4気筒以
上の偶数気筒内燃機関を点火する場合には、(720/
n)度間隔で設けられたタイミング信号発生用リラクタ
及び該タイミング信号発生用リラクタに対して不等間隔
で設けられた気筒判別信号発生用リラクタを有するロー
タと、(360/n)度間隔で配置されてロータに対向
させられた第1の信号発電子及び第2の信号発電子とを
備えた信号発電機を用いて、内燃機関の回転速度が設定
値以下のときに、第1の信号発電子から得られるタイミ
ング信号を第1の気筒群用の点火回路に点火信号として
与え、第2の信号発電子から得られるタイミング信号を
第2の気筒群用の点火回路に点火信号として与えるよう
にすればよい。
【0044】上記の実施例では、各リラクタが信号発電
子の磁極に対向し始める際に発生するタイミング信号
を、マイクロコンピュータに与える信号、及び低速時に
各点火回路に与える点火信号として用いたが、本発明に
おいて信号発電子から得られる信号の使い方は任意であ
る。例えば、各リラクタが信号発電子の磁極との対向を
終える際に発生する信号をタイミング信号として用いる
ようにしてもよい。また例えば、各リラクタが信号発電
子の磁極に対向し始める際に発生するタイミング信号を
マイクロコンピュータに与え、各リラクタが信号発電子
の磁極との対向を終える際に発生するタイミング信号を
低速時に点火回路に与える点火信号として用いるように
してもよい。
【0045】なお上記の実施例では、各リラクタが信号
発電子の磁極に対向し始める際に発生する信号を正極性
の信号とし、各リラクタが信号発電子の磁極との対向を
終える際に発生する信号を負極性の信号としたが、これ
らの信号の極性は逆にしてもよい。
【0046】上記の実施例では、点火信号切換回路SC
を設けて、機関の回転速度が設定値を超えたときに、信
号コイルから直接各気筒の点火回路に点火信号が与えら
れることがないようにしているが、信号コイルから直接
各気筒の点火回路に与える点火信号が最小進角位置で発
生する場合には、点火信号切換回路SCは省略できる。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、機関の
回転速度が設定値以下の場合に、信号発電機から複数の
気筒用の点火回路に同時に点火信号を与えるようにした
ので、気筒数分の信号発電子を設けることなく、機関の
低速時に各気筒の点火回路に定位置で点火信号を与える
ことができる。従って信号発電機の構造を複雑にするこ
となく、機関の低速時の動作を安定にし、機関の始動性
を良好にすることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す回路図である。
【図2】図1の実施例で用いる信号発電機の構成を概略
的に示した構成図である。
【図3】図2の信号発電機から得られる信号を示した波
形図である。
【図4】本発明を4気筒内燃機関用の点火装置に適用す
る場合に用いる信号発電機の構成を概略的に示した構成
図である。
【図5】(A)及び(B)は図4の信号発電機から得ら
れる信号の波形を示した波形図である。
【図6】本発明を6気筒内燃機関用の点火装置に適用す
る場合に用いる信号発電機の構成を概略的に示した構成
図である。
【図7】(A)及び(B)は図6の信号発電機から得ら
れる信号の波形を示した波形図である。
【符号の説明】
IG1 〜IG3 第1ないし第3気筒用の点火回路 Vi1〜Vi3 第1ないし第3気筒用の点火信号 MC 点火位置制御装置を構成するマイクロコンピュー
タ Le エキサイタコイル Ls 信号コイル D8 〜D11 同時トリガ回路を構成するダイオード R2 〜R5 同時トリガ回路を構成する抵抗 SC 点火信号切換回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のn個(nは2以上の整数)の
    気筒に対してそれぞれ設けられて点火信号が与えられた
    ときにそれぞれの気筒を点火するための点火用高電圧を
    発生するn個の点火回路と、マイクロコンピュータによ
    り演算したそれぞれの気筒の点火位置でそれぞれの気筒
    用の点火回路に点火信号を与える点火位置制御装置とを
    備えた多気筒内燃機関用点火装置において、 内燃機関の回転速度が設定値以下のときの各気筒の点火
    位置でタイミング信号を発生する信号発電機と、 前記内燃機関の回転速度が設定値以下のときに前記信号
    発電機が発生するタイミング信号を前記点火信号として
    複数の点火回路に同時に与える同時トリガ回路とを具備
    したことを特徴とする多気筒内燃機関用点火装置。
  2. 【請求項2】 前記内燃機関は点火位置が(360/
    n)度離れた奇数の気筒を有する3気筒以上の奇数気筒
    内燃機関であり、 前記信号発電機は、(360/n)度間隔で設けられた
    n個のタイミング信号発生用リラクタ及び該タイミング
    信号発生用リラクタに対して不等間隔で設けられた気筒
    判別信号発生用リラクタを有するロータと、該ロータに
    対向させられた1つの信号発電子とを備えていて、前記
    信号発電子がタイミング信号を(360/n)度間隔で
    発生するように構成されている請求項1に記載の多気筒
    内燃機関用点火装置。
  3. 【請求項3】 前記内燃機関は点火位置が(720/
    n)度離れた(n/2)個の第1の気筒群と、点火位置
    が前記第1の気筒群の点火位置に対して(360/n)
    度の位相差を有する(n/2)個の第2の気筒群とを有
    する4気筒以上の偶数気筒内燃機関であり、 前記信号発電機は、(720/n)度間隔で設けられた
    タイミング信号発生用リラクタ及び該タイミング信号発
    生用リラクタに対して不等間隔で設けられた気筒判別信
    号発生用リラクタを有するロータと、(360/n)度
    間隔で配置されて前記ロータに対向させられた第1の信
    号発電子及び第2の信号発電子とを備え、 前記内燃機関の回転速度が設定値以下のときには、前記
    第1の信号発電子から得られるタイミング信号が第1の
    気筒群用の点火回路に点火信号として与えられ、第2の
    信号発電子から得られるタイミング信号が第2の気筒群
    用の点火回路に点火信号として与えられることを特徴と
    する請求項1に記載の多気筒内燃機関用点火装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6357418B1 (en) 1999-05-10 2002-03-19 Kokusan Denki Co., Ltd. Internal combustion engine control system and apparatus therefor
JP2006249946A (ja) * 2005-03-08 2006-09-21 Iida Denki Kogyo Kk 内燃機関用点火装置の下限速度域における点火動作制御方法と点火時点制御装置。

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