JPS585097Y2 - 内燃機関点火装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関点火装置に関し、特に内燃機関の回転
速度に関係なく良好な点火時期の得られるように改良さ
れた点火装置に関する。

第１図に示されるような従来の点火装置において、内燃
機関を回転させると、磁石発電機の発電コイル１にはこ
れに同期した第４図に示したような電圧が発生する。

この正の電圧によりダイオード２を経て電流が流れ充電
用コンデンサ３は充電される。

充電用コンデンサ３の放電回路に点火コイル５と直列に
接続きれている点火制御用サイリスタ４のゲートには電
流制限用の抵抗１０を通って発電コイル１の負の電圧に
より電流が流れ、サイリスタ４のカソード及びダイオー
ド８を経て発電コイル１に戻る。

この電流によりゲート・カソード間の電位差がサイリス
クのトリが電圧に達すると同時にサイリスタ４は導通し
、充電用コンデンサ３に蓄えられた電荷はサイリスタ４
のアノードからカソード、さらにダイオード９、点火コ
イルの１次コイル５を通って急激に放電する。

これにより点火コイルの２次コイル６に高電圧を誘起し
点火栓Ｉに点火火花が発生する。

しかし、高速回転になると、発電コイルに発生する電圧
は電機子反作用□により、第５図に示すようにその波形
が歪む。

特に正電圧に続く最初の負電圧ａの歪みは、予め定めら
れたトリガレベル電圧■に達する時期を遅らせ点火時期
遅れ時間ｔを生ずることになる。

このような電圧波形の歪みは内燃機関の高回転運転時に
おいて著しく、したがって点火時期の遅れも高速回転に
なるに従って大きくなる。

上述の従来装置における電圧波形の歪みをなくすために
、第２図に示すように発電コイル１の内部インピーダン
ス（または信号源の出力インピーダンス）より十分高い
抵抗１２とコンデンサ１１を直列に点火制御用サイリス
タ４のカソードに接続すると共にゲートを抵抗１２とコ
ンデンサ１１の接続点に接続し、コンデンサ１１の両端
子間の電圧により点火制御用サイリスタ４を導通状態に
する点火回路が提案されている。

このような回路では、第６図に示すように電圧波形の歪
、特にトリガ用負電圧波形の歪をなくすことができる。

しかし、内燃機関の低速回転時には抵抗１２を経てサイ
リスタ４のゲート［流れ込む電流が小さくサイリスタ４
を導通状態にするのに不十分であるため低速回転時に不
発火となる欠点がある。

本考案の目的は上述の点火装置を改良し、内燃機関の高
回転時に点火時期遅れがなく、また低速回転時にも確実
な点火の得られる点火装置を提供することである。

本考案においては、第２図の点火回路に、さらにトラン
ジスタを点火制御用サイリスタに並列に接続し、トラン
ジスタのコレクタ・エミッタ回路に点火制御用サイリス
タのゲートを接続したものである。

以下、本考案の実施例を第３．図について説明する。

発電コイル１に発生した正の電圧はダイオード２を経て
充電用コンデンサ３・を充電する。

次に、発電コイル１に発生した負の電圧により抵抗１２
、コンデンサ１１及びダイオード８を経てコンデンサ１
１の充電が始まり、コンデ／す１１の充電電圧がある微
少電圧になると発電コイル１の内部インピーダンスより
十分大きい抵抗１２を通りこの抵抗１２の一方の端子に
接続されたトランジスタ１４のベースに微少な電流が流
れる。

この微少電流はゲート電流供給用のトランジスタ１４の
ベースからエミッタ、サイリスタ４のカソード及びダイ
オード８を経て発電コイル１に戻る。

コンデンサ１１の充電電圧がトランジスタ１４の導通に
必要なベース・エミッタ電圧に達するとトランジスタ１
４は導通し、充電用コンデンサ３から電流が電流制限用
抵抗１３、トランジスタ１４のコレクタ、エミッタを経
てサイリスタ４のゲートに流れる。

これと同時にサイリスタ４は導通し、充電用コンデンサ
３の電荷はサイリスタ４を通り、ダイオード９、点火コ
イルの１次コイル５を介して急激に放電し、２次コイル
６に点火高電圧を誘起する。

なお、コンデンサ１１と抵抗１２により定まる時定数を
適当に変えることによりトランジスタ１４の導通時期、
したがって点火制御用サイリスタ４の導通時期を変えて
点火時期を調節することもできる。

本考案は上述のように内燃機関高回転時の電機子反作用
による発電コイルに発生する電圧の歪みを防止するため
・、点火時期制御用サイリスクのカソード回路に発電コ
イルの内部インピーダンスより大きなインピーダンス、
例えば抵抗を挿入すると共に低回転時にこの高インピー
ダンスに因り点火制御用サイリスタのゲート電流が減少
しサイリスタの動作が不安定になるのを防止するためサ
イリスクのゲートはさらにゲート電流供給用トランジス
タを接続し高インピーダンスの抵抗を通る微小電流によ
るトランジスタの導通を介して点火制御用サイリスクを
導通させるようにしているため高速回転時の点火時期の
遅れがなく、また低速回転時の不発火発生も防止できる
ため内燃機関の低回転から高回転領域に至るまで点火時
期をほぼ一定に保つことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の点火装置の回路図、第２図は、第１図の
点火回路において高速回転時の発電コイルに発生する電
圧波形の歪を防止するようにした点火回路、第３図は、
本考案の点火装置の点火回路、第４図は、第１図の点火
回路における発電コイルに発生する正、負電圧波形の正
常な状態を示す図、第５図は、第１図の点火回路匝おけ
る高回転時の発電コイル匝発生する電圧波形を示す図、
ｖ６図は、第２図及び第３図における高速回転時に点火
回路の発電コイルに発生する電圧波形を示す図である。 図面中、１は磁石発電機の発電コイル、２はダイオード
、３は充電用コンデンサ、４は点火時期制御用サイリス
ク、５は点火コイルの１次コイル、６は点火コイルの２
次コイル ７は点火栓、８゜９はダイオード、１０は抵
抗、１１はコンデンサ、１２は抵抗、１３は抵抗、１４
はゲート電流供給用トランジスタである。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）磁石発電機の発電コイル、 上記発電コイルの両端に直列にかつ相互に逆方向に接続
   される１対のダイオード、 上記発電コイルの正電圧を通過させるダイオード、 上記発電コイルの正電圧により、上記正電圧を通過させ
   るダイオードを経て充電される充電用コンデンサ、 上記充電用コンデンサに接続され、その二次側に点火栓
   を接続する点火コイル、 上記充電用コンデンサの放電回路に挿入された点火制御
   用サイリスタを有し、上記発電コイ。 ルの負電圧で上記サイリスクをトリガする点火装置にお
   いて、 上記点火制御用サイリスタのカソードにコンデンサと上
   記発電コイルの内部インピーダンスより大きな抵抗の直
   列回路妄接続し、 また、上記点火制御用サイリスタのゲートにゲート電流
   供給用トランジスタを接続し、上記トランジスタは上記
   抵抗を通る電流により導通することを特徴とする内燃機
   関点火装置。
2. （２）実用新案登録請求の範囲第１項の点火装置におい
   て 上記ゲート電流供給用トランジスタは、上記点火制御用
   サイリスタに並列に接続され、上記ゲート電流供給用ト
   ランジスタのコレクタ・エミッタ回路に直列に上記点火
   制御用サイリスタのゲートを接続し、 上記トランジスタのベースは上記点火制御用サイリスタ
   と直列の上記コンデンサと上記抵抗との接続点に接続し
   Ｊ上記トランジスタの導通により充電用コンデンサから
   の上記トランジスタのコレクタ・エミッタ゛回路を経て
   上記点火制御用サイリスタのゲート電流が供給される内
   燃機関点火装置。