JP2549628Y2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

内燃機関用点火装置

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JP2549628Y2
JP2549628Y2 JP7795592U JP7795592U JP2549628Y2 JP 2549628 Y2 JP2549628 Y2 JP 2549628Y2 JP 7795592 U JP7795592 U JP 7795592U JP 7795592 U JP7795592 U JP 7795592U JP 2549628 Y2 JP2549628 Y2 JP 2549628Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、磁石発電機を電源とし
た内燃機関用点火装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁石発電機を電源とした内燃機関用点火
装置としては、電流遮断形の点火回路を用いたものとコ
ンデンサ放電式の点火回路を用いたものとが知られてい
る。
【0003】電流遮断形の点火回路は、磁石発電機内に
設けられたエキサイタコイルと、該エキサイタコイルに
対して並列に接続されたトランジスタと、1次コイルが
該エキサイタコイルに対して並列に接続された点火コイ
ルと、内燃機関の点火時期にトランジスタを遮断状態に
する回路とにより構成される。この点火回路において
は、エキサイタコイルが一方の極性の半サイクルの電圧
を誘起したときにトランジスタを導通させてエキサイタ
コイルに短絡電流を流し、該短絡電流が十分大きくなっ
たところでトランジスタを遮断状態にしてエキサイタコ
イルに高い電圧を誘起させる。この電圧を点火コイルに
より昇圧して該点火コイルの2次コイルに点火用の高電
圧を誘起させ、該高電圧を機関の気筒に取り付けられた
点火プラグに印加して点火用の火花を発生させる。この
電流遮断形の点火回路は、得られる火花電圧の立上りは
それ程早くないが、火花放電時間が長いという特長を有
している。
【0004】またコンデンサ放電式の点火回路は、内燃
機関により駆動される磁石発電機内に設けられたエキサ
イタコイルと、点火コイルの1次側に設けられた点火エ
ネルギー蓄積用コンデンサと、エキサイタコイルの一方
の極性の半サイクルの誘起電圧により点火エネルギー蓄
積用コンデンサを充電するコンデンサ充電回路と、該コ
ンデンサの電荷を点火コイルの1次コイルに放電させる
ための放電制御用スイッチと、内燃機関の点火時期に該
放電制御用スイッチにトリガ信号を与える回路とにより
構成される。この点火回路においては、エキサイタコイ
ルが一方の極性の半サイクルの電圧を誘起したときに点
火エネルギー蓄積用コンデンサを充電し、内燃機関の点
火時期に放電制御用スイッチを導通させることによりコ
ンデンサの電荷を点火コイルの1次コイルを通して放電
させる。コンデンサの電荷が点火コイルの1次コイルを
通して放電すると、該点火コイルの鉄心中で大きな磁束
変化が生じるため、該点火コイルの2次コイルに点火用
の高電圧が誘起する。このコンデンサ放電式の点火装置
は、火花放電時間が短いが、火花電圧の立上りが早く、
火花放電電流が大きいという特長を有する。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】従来の電流遮断形の点
火回路を用いた場合には、火花放電時間を長くすること
ができるため、機関のシリンダ内での燃焼を良好に行な
わせることができるが、火花電圧の立上りが遅いため、
着火性能が悪いという問題があり、特に点火プラグがか
ぶりやすい状況にあるときには、点火に失敗する恐れが
ある。
【0006】またコンデンサ放電式の点火回路を用いた
場合には、火花電圧の立上りが早いため、着火性能は良
好になるが、火花放電時間が短いため、電流遮断形の点
火回路を用いた場合と同程度に良好な燃焼を行なわせる
ことは難しいという問題がある。
【0007】従って従来のいずれの形式の点火回路を用
いても、火花電圧の立上りが早く、しかも火花放電時間
が長い点火性能を要求された場合に、その要求に十分応
えることができないという問題があった。
【0008】火花放電の立上りが早く、火花放電時間が
長い特性を必要とする機関としては例えば2サイクル機
関からなる船外機がある。船外機においては、入港時や
漁労時にきわめて低速で運転することが要求され、航行
時にはスロットルを全開にして高速運転することが要求
される。船外機においては、高速で航行しているときに
点火プラグの温度が上昇し過ぎるとプレイグニッション
やオーバヒートが生じて、最悪の場合にはピストンがシ
リンダに溶着して走行不能になる恐れがあるため、点火
プラグとして冷え形のものを用いている。ところが、冷
え形の点火プラグを用いると、入港時や漁労時等に船外
機を極低速運転をしている状態では、機関の温度が上昇
しないために点火プラグが冷えてかぶりやすい状態にな
り、しかも点火プラグの自己清浄作用も十分でないた
め、電流遮断形の点火回路を用いた場合には、低速運転
時に着火に失敗する恐れがある。またコンデンサ放電式
の点火回路を用いた場合には、燃焼を良好に行なわせる
ことが難しいため、極低速時に十分なトルクを生じさせ
ることが困難になる。
【0009】本考案の目的は、火花電圧の立上りが早
く、火花放電時間が長い点火性能を得ることができる内
燃機関用点火装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本考案に係わる点火装置
は、内燃機関により駆動される磁石発電機内に設けられ
て同位相の交流電圧を誘起する第1及び第2のエキサイ
タコイルと、コレクタエミッタ間回路が第1のエキサイ
タコイルに対して並列に接続されて該第1のエキサイタ
コイルが一方の極性の半サイクルの電圧を誘起したとき
に該第1のエキサイタコイルからベース電流が与えられ
て導通するトランジスタと、導通した際にトランジスタ
を遮断状態にするように該トランジスタに接続された点
火制御用半導体スイッチと、1次コイルが点火制御用半
導体スイッチを通して第1のエキサイタコイルに対して
並列に接続された点火コイルと、点火制御用半導体スイ
ッチを通して点火コイルの1次コイルに対して並列に接
続された点火エネルギー蓄積用コンデンサと、第2のエ
キサイタコイルの一方の極性の半サイクルの電圧で点火
エネルギー蓄積用コンデンサを一方の極性に充電するコ
ンデンサ充電回路と、点火制御用半導体スイッチのトリ
ガ端子に該半導体スイッチを導通させるための点火信号
を与える点火信号供給回路とにより構成される。
【0011】多気筒内燃機関を点火する場合には、内燃
機関の複数の気筒にそれぞれ対応して複数の点火制御用
半導体スイッチを設けて、該複数の点火制御用半導体ス
イッチがそれぞれ導通したときにトランジスタを遮断状
態にするように、該複数の点火制御用スイッチをトラン
ジスタに接続する。また内燃機関の複数の気筒にそれぞ
れ対応させて複数の点火コイルを設け、各点火コイルの
1次コイルを対応する点火制御用半導体スイッチを通し
て第1のエキサイタコイルに対して並列に接続する。更
に複数の点火コイル及び複数の点火制御用半導体スイッ
チに対して共通に点火エネルギー蓄積用コンデンサを設
けて、該コンデンサを各点火制御用半導体スイッチを通
して各点火コイルの1次コイルに対して並列に接続す
る。また第2のエキサイタコイルの一方の極性の半サイ
クルの電圧で点火エネルギー蓄積用コンデンサを一方の
極性に充電するコンデンサ充電回路を設け、各点火制御
用半導体スイッチのトリガ端子に、該半導体スイッチを
導通させるための点火信号を供給する点火信号供給回路
を設ける。
【0012】上記第1及び第2のエキサイタコイルが出
力する交流電圧は同位相でもよく、位相が異なっていて
もよい。
【0013】尚コンデンサ放電式の点火装置として、エ
キサイタコイルが一方の極性の半サイクルの電圧を誘起
したときに該エキサイタコイルの両端に接続した短絡用
のスイッチを導通させて短絡電流を流し、該短絡電流が
所定の大きさに達したときに短絡用スイッチを遮断状態
にすることによりエキサイタコイルに高い電圧を誘起さ
せる電流遮断形の昇圧回路を設けて、この昇圧回路によ
り昇圧されたエキサイタコイルの誘起電圧により点火エ
ネルギー蓄積用コンデンサを充電するようにしたものが
ある。このような昇圧回路を設けると、巻数が少ないエ
キサイタコイルを用いて、点火エネルギー蓄積用コンデ
ンサの充電に必要な高い電圧を得ることができるため、
点火エネルギー蓄積用コンデンサを充電するエキサイタ
コイルを太いコイル導体を用いて巻回することができ
る。本考案においては、第2のエキサイタコイルにこの
昇圧回路を付加することを何等妨げない。
【0014】
【作用】上記の点火装置において、第1のエキサイタコ
イルが一方の半サイクルの電圧を誘起すると、トランジ
スタが導通し、第1のエキサイタコイルからトランジス
タを通して短絡電流が流れる。また第2のエキサイタコ
イルが一方の半サイクルの電圧を誘起すると、点火エネ
ルギー蓄積用コンデンサが一方の極性に充電される。点
火制御用半導体スイッチに点火信号が与えられて該点火
制御用半導体スイッチが導通すると、トランジスタが遮
断状態になって第1のエキサイタコイルの短絡電流が遮
断されるため、該第1のエキサイタコイルに高い電圧が
誘起する。これにより点火コイルの1次コイルに大きな
電流が流れ込むため、該点火コイルの2次コイルに高い
電圧が誘起する。また点火制御用半導体スイッチが導通
したときに点火エネルギー蓄積用コンデンサの電荷が点
火コイルの1次コイルと点火制御用半導体スイッチとを
通して放電するため、この放電電流によっても点火コイ
ルの2次コイルに高電圧が誘起する。従って点火時期に
点火コイルの2次コイルに誘起する高電圧は、第1のエ
キサイタコイルの短絡電流の遮断により該2次コイルに
誘起する電圧と、点火エネルギー蓄積用コンデンサの放
電により該2次コイルに誘起する電圧とが重畳されたも
のとなる。この点火コイルの2次コイルに誘起した高電
圧は、機関の気筒に取り付けられた点火プラグに印加さ
れるため、該点火プラグに火花が生じ、機関が点火され
る。
【0015】第1のエキサイタコイルの短絡電流の遮断
により生じる火花電圧は、電流遮断形の点火回路により
得られる火花電圧と同様に、立上りは早くないが継続時
間が長い波形となる。また点火エネルギー蓄積用コンデ
ンサの放電により生じる火花電圧は、コンデンサ放電式
の点火回路により得られる火花電圧と同様に、立上りは
早いが継続時間が短い波形となる。本考案によればこれ
らの電圧が重畳されるため、立上りが早く、しかも継続
時間が長い火花電圧を得ることができ、着火性能を高
め、機関の燃焼を良好にすることができる。
【0016】また上記のように構成すると、点火制御用
半導体スイッチが、トランジスタを遮断状態にするため
のスイッチと、点火エネルギー蓄積用コンデンサを放電
させるためのスイッチとを兼ねるため、回路構成を簡単
にすることができる。
【0017】
【実施例】図1は単気筒の内燃機関を点火する点火装置
に本考案を適用した実施例を示したものである。同図に
おいて1及び2はそれぞれ図示しない内燃機関に取り付
けられた磁石発電機内に設けられた第1及び第2のエキ
サイタコイルで、これらのエキサイタコイルの一端は接
地されている。ここで第1のエキサイタコイルは大きな
短絡電流を流すことができるように、比較的太い導体を
用いて比較的少ない巻数を有するように巻回されてい
る。また第2のエキサイタコイルは、点火エネルギー蓄
積用のコンデンサを充電するための高い電圧(200〜
300V)を誘起するように、細い導体を用いて多数回
巻回されている。
【0018】第1のエキサイタコイル1の非接地側端子
は、エミッタが接地されたNPNトランジスタ3のコレ
クタにダイオード4を通して接続されている。尚トラン
ジスタ3は単一のトランジスタ素子からなっていてもよ
く、ダーリントン接続された複合トランジスタであって
もよい。
【0019】トランジスタ3のベースは抵抗5を通して
第1のエキサイタコイル1の非接地側端子に接続され、
エキサイタコイル1が図示の破線矢印方向の正の半サイ
クルの電圧を誘起したときに抵抗5を通してトランジス
タ3にベース電流が流れて該トランジスタ3が導通す
る。
【0020】トランジスタ3のベースには抵抗6とダイ
オード7とを通してサイリスタ8のアノードが接続さ
れ、サイリスタ8のカソードは接地されている。この例
ではサイリスタ8により点火制御用半導体スイッチが構
成され、サイリスタ8が導通したときにトランジスタ3
へのベース電流の供給を阻止して該トランジスタを遮断
状態にする。
【0021】9は点火コイルで、この点火コイルの1次
コイル91はサイリスタ8を通して第1のエキサイタコ
イル1に対して並列に接続されている。本実施例では、
1次コイル91の一端がサイリスタ8のアノードに接続
され、該1次コイルの他端はアノードをエキサイタコイ
ル1の非接地側端子に接続したダイオード10のカソー
ドに接続されている。
【0022】点火コイルの1次コイル91には、サイリ
スタ8(点火制御用半導体スイッチ)を通して点火エネ
ルギー蓄積用コンデンサ11が並列接続されている。コ
ンデンサ11の一端は接地され、該コンデンサの非接地
側の端子はダイオード12を通して第2のエキサイタコ
イルの非接地側端子に接続されている。コンデンサ11
の両端には、アノードを接地側に向けたダイオード13
が接続されている。この例では、第2のエキサイタコイ
ル2→ダイオード2→コンデンサ11→第2のエキサイ
タコイル2の回路により、第2のエキサイタコイル2の
図示の実線矢印方向の正の半サイクルの電圧で点火エネ
ルギー蓄積用コンデンサ11を一方の極性に充電するコ
ンデンサ充電回路が構成されている。
【0023】サイリスタ8のゲートカソード間には抵抗
14が接続され、抵抗14の両端にダイオード15を通
して信号コイル16が接続されている。信号コイル16
は内燃機関に取付けられた信号発電機内に設けられてい
て、機関の点火時期にサイリスタ8のゲートに点火信号
を与える。信号コイル16と、ダイオード15と、抵抗
14とにより、機関の点火時期にサイリスタ8のゲート
(点火制御用半導体スイッチのトリガ端子)に点火信号
を与える点火信号供給回路が構成されている。点火コイ
ル9の2次コイル92には機関の気筒に取付けられた点
火プラグ17が接続されている。
【0024】上記の実施例において、磁石発電機が4極
に構成されていて、第1のエキサイタコイル1及び第2
のエキサイタコイル2が180度位相が異なる交流電圧
を誘起するものとする。即ち、第2のエキサイタコイル
2が図示の実線矢印方向の正の半サイクルの電圧を誘起
しているときに第1のエキサイタコイル1は図示の実線
矢印方向の負の半サイクルの電圧を誘起し、第2のエキ
サイタコイル2が図示の破線矢印方向の負の半サイクル
の電圧を誘起しているときに、第1のエキサイタコイル
1は図示の破線矢印方向の正の半サイクルの電圧を誘起
しているものとする。
【0025】第2のエキサイタコイル2が正の半サイク
ルの電圧を誘起すると、該エキサイタコイル2からダイ
オード12を通してコンデンサ11に充電電流が流れ、
コンデンサ11が図示の極性に充電される。ダイオード
10及び7が設けられているため、コンデンサ11の電
荷が第1のエキサイタコイル1側及びトランジスタ3の
ベース・エミッタ回路側に放電することはない。従って
コンデンサ11が充電されているときにトランジスタ3
が導通状態になることはない。
【0026】次に第1のエキサイタコイル1が図示の破
線矢印方向の正の半サイクルの電圧を誘起すると、抵抗
5を通してトランジスタ3にベース電流が流れるため、
該トランジスタ3が導通し、エキサイタコイル1からト
ランジスタ3を通して短絡電流が流れる。この短絡電流
が十分に大きくなる時期に設定された内燃機関の点火時
期に信号コイル16が図示の矢印方向の信号を発生する
と、サイリスタ8のゲートに点火信号が与えられて該サ
イリスタ8が導通するため、トランジスタ3が遮断状態
になり、第1のエキサイタコイル1を流れていた短絡電
流が遮断される。このとき第1のエキサイタコイル1に
短絡電流を流し続けようとする方向の高い電圧が誘起
し、この電圧が点火コイル9の1次コイルに印加される
ため、第1のエキサイタコイル1からダイオード10を
通して点火コイルの1次コイル91に大きな電流が流れ
込み、この電流変化により、点火コイルの2次コイル9
2に高電圧が誘起する。またサイリスタ8が導通したと
きにコンデンサ11の電荷が点火コイルの1次コイル9
1とサイリスタ8とを通して放電するため、この放電電
流によっても点火コイルの2次コイル92に高電圧が誘
起する。従って点火コイルの2次コイルに誘起する電圧
の波形は、電流遮断形の点火回路により得られる継続時
間が長い波形とコンデンサ放電式の回路により得られる
立上りが早い波形とを重畳した波形になり、立上りが早
く、継続時間が長い火花電圧を得ることができる。
【0027】上記の実施例において、ダイオード4はト
ランジスタ3に所定のベース電流を流してトランジスタ
3を導通状態に保持するために設けられている。即ち、
上記実施例のようにトランジスタ3のコレクタに直列に
ダイオード4を接続しておくと、該ダイオード4の順方
向電圧降下分だけトランジスタ3のベース側の電位をエ
ミッタ側の電位よりも高くすることができるため、該ト
ランジスタ3に所定のベース電流を流して、サイリスタ
8が導通するまでの間トランジスタ3を導通状態に保持
することができる。尚ダイオード4を省略してもトラン
ジスタ3にベース電流を流し続けることができる場合に
は、このダイオード4は不要である。
【0028】またダイオード13はフライホイールダイ
オードとして働くもので、コンデンサ11の放電が終了
した後点火コイル9のインダクタンスによりその1次コ
イルの非接地側の端子の電位が低下していく過程で、接
地側よりダイオード13を通して点火コイルの1次コイ
ルに電流を流し続けるために設けられている。ダイオー
ド13は、コンデンサ11の放電により誘起する高電圧
の継続時間を長くするためには設けることが好ましい
が、必須のものではない。
【0029】上記の実施例では、単気筒の内燃機関を点
火する例を示したが、2気筒以上の多気筒内燃機関を点
火する点火装置にも本考案を適用することができる。図
2はその一例として、2気筒内燃機関を点火する点火装
置に本考案を適用した実施例を示したもので、この例で
は、機関の第1の気筒及び第2の気筒にそれぞれ対応さ
せて2つの点火コイル9a及び9bが設けられ、これら
の点火コイルの1次コイルに対して直列にそれぞれ点火
制御用半導体スイッチを構成するサイリスタ8a及び8
bが接続されている。第1のエキサイタコイル1、トラ
ンジスタ3、ダイオード4、抵抗5及び6は2つの気筒
に対して共通に設けられていて、第1のエキサイタコイ
ル1の非接地側の端子はダイオード10a及び10bを
通して点火コイル9a及び9bの1次コイルの非接地側
の端子(サイリスタ8a,8bと反対側の端子)に接続
され、サイリスタ8a及び8bのアノードはそれぞれダ
イオード7a及び7bと抵抗6とを通してトランジスタ
3のベースに接続されている。
【0030】また第2のエキサイタコイル2、点火エネ
ルギー蓄積用コンデンサ11及びダイオード12も2つ
の気筒に対して共通に設けられ、コンデンサ11の非接
地側端子がダイオード18a及び18bを通して点火コ
イル9a及び9bの1次コイルの非接地側端子に接続さ
れている。また点火コイル9a及び9bの1次コイルの
非接地側端子と接地間に、アノードを接地側に向けたダ
イオード13a及び13bが接続されている。
【0031】サイリスタ8a及び8bのゲートカソード
間にはそれぞれ抵抗14a及び14bが接続され、信号
コイル16a及び16bから得られる信号がダイオード
15a及び15bを通してサイリスタ8a及び8bのゲ
ートカソード間に印加されている。信号コイル16a及
び16bはそれぞれ、第1のエキサイタコイル1からト
ランジスタ3を通して流れる電流が十分に大きくなる時
期に設定された、機関の第1の気筒及び第2の気筒の点
火時期に図示の矢印方向の極性の信号を発生する。
【0032】図2の実施例において、第1のエキサイタ
コイル1及び第2のエキサイタコイル2は例えば4極の
磁石発電機内に配置されていて、機関が1回転する間
に、180度位相が異なる2サイクルの交流電圧を発生
する。点火エネルギー蓄積用コンデンサ11は、第2の
エキサイタコイル2が正の半サイクルの電圧を発生する
毎に図示の極性に充電される。第1のエキサイタコイル
1が最初の正の半サイクルの電圧を発生すると、トラン
ジスタ3が導通し、内燃機関の第1の気筒の点火時期に
信号コイル16aが発生するとサイリスタ8aが導通
し、トランジスタ3が遮断状態になる。これにより第1
のエキサイタコイル1に高い電圧が誘起し、この電圧が
ダイオード10aを通して点火コイル9aの1次コイル
に印加される。またこのとき、点火エネルギー蓄積用コ
ンデンサ11の電荷がダイオード18aと点火コイル9
aの1次コイルとサイリスタ8aとを通して放電するた
め、該点火コイルの2次コイルには、立上りが早く、継
続時間が長い高電圧が誘起する。第1のエキサイタコイ
ル1が2番目の正の半サイクルの電圧を発生すると、再
びトランジスタ3が導通し、機関の第2の気筒の点火時
期にサイリスタ8bが導通すると、該トランジスタ3が
遮断してエキサイタコイル1に高い電圧が誘起する。こ
の電圧がダイオード10bを通して点火コイル9bの1
次コイルに印加されるとともに、コンデンサ11の電荷
がダイオード18bと点火コイル9bの1次コイルとサ
イリスタ8bとを通して放電するため、該点火コイル9
bの2次コイルに立上りが早く、継続時間が長い高電圧
が得られる。
【0033】上記の実施例では、第2のエキサイタコイ
ル2として巻数が十分に多いコイルを用いて、該エキサ
イタコイル2の出力で点火エネルギー蓄積用コンデンサ
11を充電するようにしているが、第2のエキサイタコ
イル2に電流遮断形の昇圧回路を付加することにより、
該第2のエキサイタコイルとして巻数が少ないコイルを
用いるようにすることもできる。図3は第2のエキサイ
タコイル2に電流遮断形の昇圧回路を付加した実施例を
示したもので、この例では、第2のエキサイタコイル2
の両端に短絡用スイッチを構成するNPNトランジスタ
20のコレクタエミッタ間回路が並列に接続され、該ト
ランジスタ20にはエキサイタコイル2の非接地端子側
から抵抗21を通してベース電流が与えられている。ま
たトランジスタ20のベースエミッタ間にサイリスタ2
2が接続され、エキサイタコイル2の両端に接続された
抵抗23及び24の直列回路からなる分圧回路の分圧点
がサイリスタ22のゲートに接続されている。この例で
は、トランジスタ20とサイリスタ22と抵抗21,2
3及び24とにより電圧遮断形の昇圧回路が構成されて
いる。
【0034】図3の実施例においては、第2のエキサイ
タコイル2が正の半サイクルの電圧を誘起したときにト
ランジスタ20が導通して第2のエキサイタコイル2か
らトランジスタ20のコレクタエミッタ間を通して短絡
電流が流れる。エキサイタコイル2の両端の電圧が設定
値に達すると、抵抗24の両端の電圧がサイリスタ22
をトリガするレベルに達するため、該サイリスタ22が
導通し、トランジスタ20が遮断状態になる。これによ
りエキサイタコイル2に200〜300[V]程度の高
い電圧が誘起し、この電圧によりコンデンサ11が図示
の極性に充電される。その他の点は図1の実施例と同様
である。
【0035】図3のように第2のエキサイタコイル2に
昇圧回路を付加すると、該エキサイタコイル2として巻
数が少ないコイルを用いることができるため、第2のエ
キサイタコイルの小形化を図ることができる。また第2
のエキサイタコイルを線径が太い導体を用いて巻回でき
るため、機関の振動等により第2のエキサイタコイルの
導体の断線事故が生じるのを防ぐことができる。
【0036】図3の実施例では、サイリスタ22の導通
によりトランジスタ20を遮断させるようにしている
が、サイリスタ22に代えてトランジスタを用いること
もできる。また図3の例では、エキサイタコイル2の両
端の電圧が所定のレベルに達したときにトランジスタ2
0を遮断させるようにしているが、エキサイタコイル2
の両端の電圧がピークに達したとき(エキサイタコイル
2の短絡電流がほぼピークに達したとき)にトランジス
タ20を遮断状態にするようにしてもよい。そのために
は、例えば、図3の実施例においてサイリスタ22と抵
抗23及び24とを外し、抵抗21とトランジスタ20
のベースとの間にコンデンサを挿入すればよい。このよ
うに構成すると、エキサイタコイル2の両端の電圧がピ
ークに達したときにトランジスタ20のベース電流が流
れなくなって該トランジスタ20が遮断するため、エキ
サイタコイル20の短絡電流がピークに達したときにト
ランジスタ20を遮断させて、エキサイタコイル20に
高い電圧を誘起させることができる。
【0037】上記の各実施例においては、点火制御用の
半導体スイッチ8,8a,8bとしてサイリスタを用い
ているが、この半導体スイッチをトランジスタにより構
成することもできる。
【0038】上記の各実施例では、信号コイル16,1
6a,16bの出力で直接サイリスタ8,8a,8bに
点火信号を与えるようにしているが、信号コイル16,
16a,16bの出力を点火時期制御回路に入力して、
該点火時期制御回路からサイリスタ8,8a,8bに点
火信号を与えるようにすることにより、機関の回転数等
に応じて点火時期を制御するようにすることもできる。
【0039】上記の実施例では、第1のエキサイタコイ
ル及び第2のエキサイタコイルが180度の位相差を有
する交流電圧を誘起するとしたが、両エキサイタコイル
の出力電圧の位相差は任意であり、エキサイタコイルの
正の半サイクルの出力電圧のピーク付近で点火を行わせ
る場合には、両エキサイタコイルが同位相の交流電圧を
誘起するようにしてもよい。
【0040】図2の実施例では、2気筒内燃機関を点火
するとしたが、2サイクル機関を点火する場合には、点
火コイル9a及び9bの2次コイルの両端を非接地とし
て、該2次コイルの両端を2つの点火プラグに接続する
同時発火コイルの構成をとることにより、4気筒の内燃
機関を点火することもできる。また磁石発電機を例えば
6極に構成して、1回転当り3サイクルの交流電圧が得
られるように構成することにより、図2の構成と同じ考
え方で3気筒内燃機関を点火する点火装置を得ることも
できる。
【0041】
【考案の効果】以上のように、本考案によれば、第1の
エキサイタコイルの短絡電流の遮断により生じさせた電
圧を点火コイルにより昇圧することにより得た継続時間
が長い高電圧に、第2のエキサイタコイルの出力で充電
した点火エネルギー蓄積用コンデンサの電荷を点火コイ
ルの1次コイルに放電させることにより得た立上りが早
い高電圧を重畳するようにしたので、立上りが早く、し
かも継続時間が長い火花電圧を得ることができ、着火性
能を高め、機関の燃焼を良好にすることができる利点が
ある。
【0042】また本考案においては、点火制御用半導体
スイッチが、トランジスタを遮断状態にするためのスイ
ッチと、点火エネルギー蓄積用コンデンサを放電させる
ためのスイッチとを兼ねるように構成したため、回路構
成を簡単にすることができる利点がある。
【0043】更に請求項2に記載した考案によれば、第
1及び第2のエキサイタコイルと、トランジスタと、点
火エネルギー蓄積用コンデンサとを複数の気筒に対して
共用するので、多気筒内燃機関用の点火装置を簡単な構
成で得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例の構成を示した回路図である。
【図2】本考案の他の実施例の構成を示した回路図であ
る。
【図3】本考案の更に他の実施例を示した回路図であ
る。
【符号の説明】
1 第1のエキサイタコイル 2 第2のエキサイタコイル 3 トランジスタ 5 抵抗 6 抵抗 7,7a,7b ダイオード 8,8a,8b サイリスタ 9,9a,9b 点火コイル 10,10a,10b ダイオード 11 点火エネルギー蓄積用コンデンサ 12 ダイオード 16,16a,16b 信号コイル

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関により駆動される磁石発電機内
    に設けられて交流電圧を誘起する第1及び第2のエキサ
    イタコイルと、 コレクタエミッタ間回路が前記第1のエキサイタコイル
    に対して並列に接続されて該第1のエキサイタコイルが
    一方の極性の半サイクルの電圧を誘起したときに該第1
    のエキサイタコイルからベース電流が与えられて導通す
    るトランジスタと、 導通した際に前記トランジスタを遮断状態にするように
    該トランジスタに接続された点火制御用半導体スイッチ
    と、 1次コイルが前記点火制御用半導体スイッチを通して前
    記第1のエキサイタコイルに対して並列に接続された点
    火コイルと、 前記点火制御用半導体スイッチを通して前記点火コイル
    の1次コイルに対して並列に接続された点火エネルギー
    蓄積用コンデンサと、 前記第2のエキサイタコイルの一方の極性の半サイクル
    の電圧で前記点火エネルギー蓄積用コンデンサを一方の
    極性に充電するコンデンサ充電回路と、 前記点火制御用半導体スイッチのトリガ端子に該半導体
    スイッチを導通させるための点火信号を与える点火信号
    供給回路とを具備したことを特徴とする内燃機関用点火
    装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関により駆動される磁石発電機内
    に設けられて同位相の交流電圧を誘起する第1及び第2
    のエキサイタコイルと、 コレクタエミッタ間回路が前記第1のエキサイタコイル
    に対して並列に接続されて該第1のエキサイタコイルが
    一方の極性の半サイクルの電圧を誘起したときに該第1
    のエキサイタコイルからベース電流が与えられて導通す
    るトランジスタと、 内燃機関の複数の気筒にそれぞれ対応して設けられて導
    通した際に前記トランジスタを遮断状態にするように該
    トランジスタに接続された複数の点火制御用半導体スイ
    ッチと、 内燃機関の複数の気筒にそれぞれ対応して設けられて1
    次コイルが対応する点火制御用半導体スイッチを通して
    前記第1のエキサイタコイルに対して並列に接続された
    複数の点火コイルと、 前記複数の点火コイル及び複数の点火制御用半導体スイ
    ッチに対して共通に設けられて各点火制御用半導体スイ
    ッチを通して各点火コイルの1次コイルに対して並列に
    接続された点火エネルギー蓄積用コンデンサと、 前記第2のエキサイタコイルの一方の極性の半サイクル
    の電圧で前記点火エネルギー蓄積用コンデンサを一方の
    極性に充電するコンデンサ充電回路と、 各点火制御用半導体スイッチのトリガ端子に該半導体ス
    イッチを導通させるための点火信号を与える点火信号供
    給回路とを具備したことを特徴とする内燃機関用点火装
    置。
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