JPH06248554A - ポリプロピレン系長繊維不織布 - Google Patents
ポリプロピレン系長繊維不織布Info
- Publication number
- JPH06248554A JPH06248554A JP5971293A JP5971293A JPH06248554A JP H06248554 A JPH06248554 A JP H06248554A JP 5971293 A JP5971293 A JP 5971293A JP 5971293 A JP5971293 A JP 5971293A JP H06248554 A JPH06248554 A JP H06248554A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- less
- weight
- woven fabric
- nonwoven fabric
- polypropylene
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Nonwoven Fabrics (AREA)
Abstract
と3重量%以上8重量%以下のエチレンとがランダム共
重合されたポリプロピレン系共重合体から構成され,メ
ルトフローレート値が15g/10分以上80g/10
分以下,単繊維繊度が10デニール以下,強度が2g/
デニール以上の長繊維を構成要素として少なくとも50
重量%含有する不織布であって,該不織布中の少なくと
も前記長繊維同士は接着面積率が3%以上50%以下で
部分的に熱接着され,かつ温度100℃における乾熱面
積収縮率が15%以上であることを特徴とするポリプロ
ピレン系長繊維不織布。 【効果】 熱収縮性,熱成形時の形態保持性及び軽量性
が優れ,特に容器保護用フイルタ等の熱成形用素材ある
いは軽量化素材として好適である。
Description
形態保持性及び軽量性が優れたポリプロピレン系長繊維
不織布に関するものである。
成長繊維からなる不織布として,溶融紡糸速度を下限付
近まで低速化させて得た低配向度のポリエステル長繊維
からなる不織布が知られている。しかしながら,この不
織布は,低配向度のポリエステル長繊維自体が低配向の
故に熱に対して脆く,不織布として耐磨耗性が劣るとい
う問題を有しており,しかも合成繊維中では比較的比重
が大きいポリエステル繊維からなるため,不織布とした
ときに軽量性が劣るという問題も有している。一方,熱
収縮性が優れた熱可塑性合成長繊維からなる他の不織布
として,異収縮性の重合体成分を溶融複合紡糸して得た
捲縮性長繊維あるいは溶融紡糸直後の紡出フイラメント
冷却時に非対称冷却を行って得た捲縮性長繊維からなる
不織布が知られている。しかしながら,これらの不織布
は,熱収縮応力が低いため,熱成形したときに形態保持
性が著しく劣るという問題を有している。
解決し,熱収縮性,熱成形時の形態保持性及び軽量性が
優れ,特に容器保護用フイルタ等の熱成形用素材あるい
は軽量化素材として好適なポリプロピレン系長繊維不織
布を提供しようとするものである。
を解決すべく鋭意検討の結果,本発明に到達した。すな
わち,本発明は,92重量%以上97重量%以下のプロ
ピレンと3重量%以上8重量%以下のエチレンとがラン
ダム共重合されたポリプロピレン系共重合体から構成さ
れ,メルトフローレート値が15g/10分以上80g
/10分以下,単繊維繊度が10デニール以下,強度が
2g/デニール以上の長繊維を構成要素として少なくと
も50重量%含有する不織布であって,該不織布中の少
なくとも前記長繊維同士は接着面積率が3%以上50%
以下で部分的に熱接着され,かつ温度100℃における
乾熱面積収縮率が15%以上であることを特徴とするポ
リプロピレン系長繊維不織布,を要旨とするものであ
る。また,本発明は,92重量%以上97重量%以下の
プロピレンと3重量%以上8重量%以下のエチレンとが
ランダム共重合され,かつQ値(重量平均分子量/数平
均分子量)が8以下のポリプロピレン系共重合体から構
成され,メルトフローレート値が15g/10分以上8
0g/10分以下,単繊維繊度が10デニール以下,強
度が2g/デニール以上の長繊維を構成要素として少な
くとも50重量%含有する不織布であって,該不織布中
の少なくとも前記長繊維同士は接着面積率が3%以上5
0%以下で部分的に熱接着され,かつ温度100℃にお
ける乾熱面積収縮率が15%以上であることを特徴とす
るポリプロピレン系長繊維不織布,を要旨とするもので
ある。
不織布を構成する長繊維は,92重量%以上97重量%
以下のプロピレンと3重量%以上8重量%以下のエチレ
ンとがランダム共重合されたポリプロピレン系共重合体
から構成されるものである。この共重合体においては,
エチレンの共重合が共重合体の融点降下と熱収縮性に大
きく影響し,共重合量に比例して共重合体の融点を降下
させ,かつ熱収縮性を増大させる。この共重合量が3重
量%未満であると共重合体の融点降下が小さくなって,
長繊維を熱処理したときの熱収縮率が低下するので好ま
しくない。一方,この共重合量が8重量%を超えると重
合するに際し重合溶媒(炭化水素)に可溶性の副生物の
生成割合が増加し生産性が低下して工業的に不経済とな
るので好ましくない。したがって,本発明では,この共
重合量を3重量%以上8重量%以下とし,好ましくは
3.2重量%以上7.0重量%以下,特に好ましくは
3.5重量%以上6.0重量%以下とする。また,この
共重合体は,前記3重量%以上8重量%以下のエチレン
と92重量%以上97重量%以下のプロピレンとがラン
ダム共重合されたものであり,このランダム共重合は,
共重合体の均一な熱収縮特性と曵糸性の点で極めて重要
である。他の共重合形態としてブロツク共重合が挙げら
れるが,この共重合では,ポリプロピレンの構造の中に
エチレンの構造部がブロツク単位で存在するため,共重
合体の熱収縮特性が不均一となり,しかも曵糸性が極度
に低下するという問題が生じるので好ましくない。
子量/数平均分子量)が8以下のものであるのが好まし
い。このQ値とは,ゲルパーミエイシヨンクロマトグラ
フ法により求められる重合体の重量平均分子量と数平均
分子量の比であり,溶融計量された重合体を紡糸する前
に採取し,冷却した重合体を試料として測定した値であ
る。ポリプロピレン重合体は溶融紡糸時に受ける熱及び
剪断の影響で劣化しやすく,溶融紡糸後のQ値は,紡糸
前のそれに比べ低下することが知られている。Q値は分
子量分布の幅を示すものであり,長繊維の製造適性と加
工適性に大きく影響するものである。すなわち,Q値が
大きく分子量分布の幅が広いと,得られた長繊維を用い
て不織布化するに際しての加工温度領域が広くなり,品
質の安定した不織布を得ることができるばかりでなく,
得られた不織布に熱成形加工を施すに際しても同様の効
果を得ることができる。しかしながら,Q値が大きくな
って分子量分布の幅が広くなりすぎると,溶融紡糸時の
糸条冷却が悪くなって曵糸性が低下する。したがって,
本発明では,このQ値を8以下とし,好ましくは7.5
以下,特に好ましくは7.0以下とする。
メルトフローレート値が15g/10分以上80g/1
0分以下のものである。長繊維のメルトフローレート値
は,ASTM D 1238(L)に記載の方法により
測定されるものであり,このメルトフローレート値が1
5g/10分未満であると長繊維の熱収縮応力が高くな
って熱収縮率や嵩高性を大きくすることはできるが,重
合体の曵糸性のみならず次工程の熱延伸性が低下した
り,溶融紡糸時の紡糸温度が高く設定されるためポリプ
ロピレン系重合体が分解して多量のガスが発生し,紡糸
室の環境を悪化させたりするので好ましくない。一方,
このメルトフローレート値が80g/10分を超えると
長繊維の熱収縮力が低下するため熱収縮性の優れた不織
布を得ることができず,また,ポリプロピレン系重合体
の重合度が低すぎるため分解して多量のガスが発生し,
紡糸室の環境を悪化させたりするので好ましくない。し
たがって,本発明では,このメルトフローレート値を1
5g/10分以上80g/10分以下とし,好ましくは
18g/10分以上70g/10分以下,特に好ましく
は20g/10分以上60g/10分以下とする。
単繊維繊度が10デニール以下のものである。この単繊
維繊度が10デニールを超えると不織布としたとき柔軟
性が低下したり,異常な粗硬感を発するため低目付けと
することが困難となったり,あるいは溶融紡糸に際して
ポリプロピレン系溶融重合体の冷却が不十分となりフイ
ラメント間に融着が生じて曵糸性が低下したりするため
好ましくない。
強度が2g/デニール以上のものである。この強度が2
g/デニール未満であると不織布としたとき実用上十分
な強度が得られないため好ましくない。例えば,この長
繊維を用いて不織布を作成し,得られた不織布を熱成形
して容器保護用フイルタとしたときなど,そのフイルタ
に実用上十分な強度を具備させることが困難となったり
するのである。
として少なくとも50重量%含有するものである。そし
て,この不織布は,他の構成要素として本発明の構成要
件を満足しないポリプロピレン系共重合体からなる長繊
維やその他の通常の繊維形成性熱可塑性合成長繊維を含
有するが,その含有率は50重量%未満でなければなら
ない。すなわち,この不織布においては,前記長繊維を
少なくとも50重量%含有することが必要で,この含有
率が50重量%未満であると本発明がその目的とする熱
収縮性の優れた不織布を得ることができないためであ
る。
も前記ポリプロピレン系長繊維同士が部分的に熱接着さ
れてなるものである。ここでいう部分的熱接着とは,前
記ポリプロピレン系長繊維同士が規則的な接着部を形成
しているということである。この部分的な熱接着は,不
織布中の最小繰り返し単位面積当りの熱接着部面積を百
分率表示すなわち接着面積率が3%以上50%以下のも
のであり,この接着面積率が3%未満あると不織布とし
ての形態が保持されず,一方,接着面積率が50%を超
えると接着部が多過ぎ不織布中で未固定の長繊維の自由
度が小さくなって不織布の熱収縮性が低下するため,い
ずれも好ましくない。したがって,本発明では,この接
着面積率を3%以上50%以下とし,好ましくは4%以
上30%以下とする。なお,この部分的熱接着部は,例
えば熱エンボスローラや超音波溶着機を用いて形成され
るものである。また,熱エンボスローラを用いる場合,
部分的熱接着部の形態は,エンボス機における彫刻ロー
ラの突起部先端面の形状により決定され,丸形,楕円
形,菱形,三角形,T形,−形,井形あるいは格子形等
の任意の形状とすることができる。
乾熱面積収縮率が15%以上のものである。この乾熱面
積収縮率とは,エアーオーブン型熱処理機を用い処理温
度100℃×処理時間15分間の条件で熱処理を施した
不織布の熱処理前の不織布に対する面積比を百分率表示
したものであり,乾熱面積収縮率が高いほど熱成形時の
形態保持性が向上する。この乾熱面積収縮率が15%未
満であると熱収縮性が優れ,かつ熱成形時の形態保持性
が優れた不織布を得ることができず好ましくない。した
がって,本発明では,この乾熱面積収縮率を15%と
し,好ましくは20%以上とする。
ば容器保護用フイルタ等の熱成形用素材では10g/m
2 以上150g/m2 以下程度とするのが好適である
が,用途に応じて適宜定めることができ,特に限定され
るものではない。
ンド法により効率良く製造することができる。まず,前
記ポリプロピレン系共重合体Aを溶融後に紡糸口金パツ
ク内のA単独の紡糸孔から紡出し,一方,本発明の構成
要件を満足しないポリプロピレン系共重合体Bあるいは
その他の通常の繊維形成性熱可塑性合成重合体Bを溶融
後に前記と同一の紡糸口金パツク内のB単独の紡糸孔か
ら紡出し,紡出フイラメントA及びBを冷却装置により
冷却した後,エアーサツカ等の引き取り手段により引き
取り,コロナ放電等の開繊手段により開繊し,移動する
コンベア上に堆積してウエブを形成する。あるいは,前
記と同様にして溶融紡出・冷却した後,引き取りローラ
により引き取り,引き取りローラとその下流側に配設さ
れた延伸ローラとの間で延伸し,コロナ放電等の開繊手
段により開繊し,移動するコンベア上に堆積してウエブ
を形成する。溶融紡糸に際しては,前記共重合体Aと重
合体Bとの総重量に対する前記共重合体Aの重量の比を
少なくとも50%とする。なお,この重量比を100%
すなわち前記重合体Aのみからなる不織布を得たいよう
な場合には,重合体Bの工程への供給を休止すればよ
い。
レン系共重合体としては,繊維形成性を有し,通常,繊
維グレードとして市販されているものであれば使用する
ことができ,例えば結晶性ポリプロピレン系樹脂あるい
はエチレンとプロピレンをチーグラー−ナツタ触媒によ
り前記各成分比となるようにして実質的にランダム共重
合させた共重合ポリプロピレン系樹脂が挙げられる。な
お,ここでいう繊維グレードとは,曵糸性よく溶融紡糸
できるようなものである。なお,前記重合体には,通
常,繊維に用いられる艶消し剤,耐光剤,耐熱剤あるい
は顔料等を,本発明の効果が損なわれない範囲であれ
ば,添加することができる。
用いて行うことができる。溶融紡糸に際しては,前記共
重合体Aとしてメルトフローレート値が10g/10分
以上80g/10分以下のものを用い,得られた前記共
重合体からなる長繊維のメルトフローレート値が15g
/10分以上80g/10分以下となるようにして溶融
紡糸する必要がある。これにより,長繊維の熱収縮力が
向上して熱収縮性の優れた不織布を得ることができ,し
かも溶融紡糸時の曵糸性のみならず次工程の熱延伸性が
向上する。さらに,延伸に際しては,引き取られた未延
伸フイラメントを40℃以上かつ繊維相互が融着しない
温度で熱延伸する。この延伸温度が40℃未満であると
延伸張力が高くなりすぎて延伸性が低下し,また延伸装
置が設備的に高くなるため好ましくない。一方,この延
伸温度は高くとも長繊維相互が融着し始める温度未満と
する。延伸温度が高くなりすぎて繊維相互が融着し始め
ると,延伸工程で糸切れが発生して操業性が低下した
り,製品の均一性が低下することによって品位が低下し
たりするので好ましくない。したがって,この延伸温度
は40℃以上かつ繊維相互が融着しない温度とし,好ま
しくは60〜100℃とする。
以上50%以下で熱接着処理を施すことにより,ウエブ
中の少なくとも前記長繊維同士を部分的に熱接着させ
る。部分的な熱接着処理を施すに際しては,例えば熱エ
ンボスローラを用いることができ,この場合,処理温度
を前記ポリプロピレン系共重合体の融点未満の温度と
し,またローラの線圧を50kg/cm以下とする。こ
の処理温度が共重合体の融点以上であると処理時にウエ
ブがロールに接着したりして,操業性が低下するので好
ましくない。したがって,この処理温度は共重合体の融
点未満,好ましくは融点より10℃以上低い温度とす
る。また,超音波溶着機を用いることもできる。この超
音波溶着機とは,例えば周波数が20kHz程度の超音
波による振動で繊維間を融着させる装置であって,この
装置によれば繊維間の融着部の他は殆ど熱の影響を受け
ないため長繊維の熱収縮性を維持したまま不織布として
の形態が保持され,熱収縮性の優れた不織布を得ること
ができる。
からなるウエブを不織布原料として用いることができ,
この場合,前記ポリプロピレン系共重合体からなる長繊
維は延伸配向され,かつ結晶領域が共に成長すると共に
非晶領域が増大した構造を有するため,このウエブに前
記のような熱接着処理を施して不織布としたとき,少な
くとも20%まで熱収縮性が一層向上した不織布を得る
ことができる。なお,このような延伸長繊維からなるウ
エブに熱接着処理を施すに際し,前記超音波溶着機を用
いると,熱収縮性が更に向上した不織布を得ることがで
きて好ましい。
明する。なお,実施例における各種特性の測定及び評価
は,次の方法により実施した。 重合体の融点:パーキンエルマ社製示差走査型熱量計D
SC−2型を用い,昇温速度20℃/分で測定した融解
吸収熱曲線の極値を与える温度を融点とした。 メルトフローレート値(g/10分):ASTM D
1238(L) に記載の方法により測定した。 繊維の引張強度(g/デニール)及び引張伸度(%):
東洋ボールドウイン社製テンシロンUTM−4−1−1
00を用い,試料長2cmの試料を引張速度2cm/分
で測定した。 繊維の乾熱収縮率(%):単繊維計15本を試料とし,
各単繊維ごとに初荷重2mg/デニール時の長さL
1 (cm)を測定し,次いでエアーオーブン型熱処理機
中で100℃×15分間熱処理した後の長さL2 (c
m)を測定し,次式(a)により収縮率を算出し,その
平均値を乾熱収縮率とした。 乾熱収縮率(%)=(L1 −L2 )×100/L1 ・・・・・・・(a) 不織布のKGSM引張強力(kg/5cm):東洋ボー
ルドウイン社製テンシロンUTM−4−1−100を用
い,JIS L−1096Aに記載のストリツプ法にし
たがい,試料長10cm,試料幅5cmの試料片を引張
速度10cm/分で測定し,得られた引張強力の平均値
を不織布の目付け100g/m2 当りに換算し,KGS
M引張強力(kg/5cm)とした。 不織布の引張伸度(%):東洋ボールドウイン社製テン
シロンUTM−4−1−100を用い,JIS L−1
096Aに記載のストリツプ法にしたがい,試料長10
cm,試料幅5cmの試料片を引張速度10cm/分で
測定した。 不織布の乾熱面積収縮率(%):試料長20cm,試料
幅20cmの試料片計4個を準備し,各試料片ごとに面
積S1 を測定し,次いでエアーオーブン型熱処理機中で
100℃×15分間熱処理した後の面積S2 を測定し,
次式(b)により収縮率を算出し,その平均値を乾熱面
積収縮率とした。 乾熱面積収縮率(%)=(S1 −S2 )×100/S1 ・・・・・(b) 曵糸性:溶融紡糸時の曵糸性を紡出フイラメント切れの
発生率により次の3段階で評価した。○:フイラメント
切れが全く発生せず,操業性が良好である。△:フイラ
メント切れが24時間・紡糸錘数16当たり1回発生。
×:フイラメント切れが24時間・紡糸錘数16当たり
2回以上発生し,操業上問題である。 発煙性:溶融紡糸時の紡糸口金部での発煙度合いを視覚
判定により次の4段階で評価した。○:発煙が殆ど観察
されない。△:発煙が観察されるが,操業上問題となら
ない。×:発煙が極めて多く,発煙物が紡糸口金付近に
堆積し,操業上問題である。 延伸性:延伸性を糸切れ及び単フイラメント切れの発生
率により次の3段階で評価した。○:糸切れや単フイラ
メント切れが全く発生せず,操業性が良好である。△:
糸切れや単フイラメント切れが24時間当たり1回発
生。×:糸切れや単フイラメント切れが24時間当たり
2回以上発生し,操業上問題である。
し,プロピレンとエチレンがランダム共重合されたポリ
プロピレン系共重合体(重合体No.ニ)を通常のエク
ストルーダ型溶融押出機で溶融した後,紡糸孔径が0.
5mm,孔数が162の紡糸口金を用い,単孔吐出量を
1.37g/分として表2に示した紡糸温度条件で溶融
紡出し,紡出長繊維を吸引速度が4100m/分のエア
ーサツカを用いて引き取り,単繊維繊度が3.0デニー
ルの高配向未延伸長繊維を得た。引き続き,前記未延伸
長繊維を巻き取ることなく連続してコロナ放電により開
繊し,移動するコンベア上に堆積させてウエブを形成し
た。次いで,接着面積率が16%の彫刻ロールを具備す
る超音波溶着機を用い,超音波周波数を20kHz,加
工速度を5m/分としてウエブに接着処理を施し,この
ポリプロピレン系長繊維同士が部分的に熱接着された目
付けが40g/m2 の不織布を得た。得られた長繊維と
不織布の特性,溶融紡糸時の製糸性の結果を表2に示
す。この長繊維は,メルトフローレート値が34g/1
0分で,表2から明らかなように実用上十分な水準の強
伸度を有し,しかも熱収縮性の高いものであった。ま
た,この不織布は,表2から明らかなように実用的な不
織布強力を有し,熱収縮性が優れ,熱成形用不織布とし
て好適なものであった。
体No.ニ)を溶融した後,紡糸孔径が0.4mm,孔
数が162の紡糸口金を用い,単孔吐出量を1.0g/
分として表2に示した紡糸温度条件で溶融紡出し,紡出
長繊維を引き取り速度が600m/分の引き取りロール
を用いて引き取り,連続して引き取りロールとこのロー
ルの下流側に配設された延伸ロールとの間で延伸倍率を
3.0として延伸し(すなわち延伸速度1800m/
分),単繊維繊度が5.0デニールの延伸長繊維を得
た。引き続き,前記未延伸長繊維を巻き取ることなく連
続して延伸ロールの下流側に配設されたエアーサツカを
介した後,コロナ放電により開繊し,移動するコンベア
上に堆積させてウエブを形成した。次いで,実施例1と
同様にして接着処理を施し,このポリプロピレン系長繊
維同士が部分的に熱接着された目付けが40g/m2 の
不織布を得た。得られた長繊維と不織布の特性,溶融紡
糸時の製糸性の結果を表2に示す。この長繊維は,メル
トフローレート値が34g/10分で,表2から明らか
なように実用上十分な水準の強伸度を有し,しかも熱収
縮性の高いものであった。また,この不織布は,表2か
ら明らかなように実用的な不織布強力を有し,熱収縮性
が極めて優れ,熱成形用不織布として好適なものであっ
た。
し,プロピレンとエチレンがランダム共重合されたポリ
プロピレン系共重合体(実施例3〜6の重合体No.
ロ,ハ,ホ及びト,比較例1〜3の重合体No.イ,ヘ
及びチ),表1に示したQ値とメルトフローレート値,
融点を有するポリプロピレン重合体(比較例4の重合体
No.リ)を通常のエクストルーダ型溶融押出機で溶融
した後,紡糸孔径が0.5mm,孔数が162の紡糸口
金を用い,単孔吐出量を1.37g/分として表2に示
した紡糸温度条件で溶融紡出し,紡出長繊維を引き取り
速度が600m/分の引き取りロールを用いて引き取
り,連続して引き取りロールとこのロールの下流側に配
設された延伸ロールとの間で延伸倍率を3.0として延
伸し(すなわち延伸速度1800m/分),単繊維繊度
が5.0デニールの延伸長繊維を得た。引き続き,実施
例1と同様にしてウエブを形成し,次いで,実施例1と
同様にして接着処理を施し,このポリプロピレン系長繊
維同士が部分的に熱接着された目付けが40g/m2 の
不織布を得た。得られた長繊維と不織布の特性,溶融紡
糸時の製糸性の結果を表2に示す。実施例の長繊維は,
メルトフローレート値が各々34g/10分で,表2か
ら明らかなように実用上十分な水準の強伸度を有し,し
かも熱収縮性の高いものであった。また,実施例の不織
布は,表2から明らかなように実用的な不織布強力を有
し,熱収縮性が極めて優れ,熱成形用不織布として好適
なものであった。これに対し,比較例1の不織布は,長
繊維のメルトフローレート値が87g/10分と高く,
すなわち共重合体の重合度が低過ぎるために強度が低
く,したがってこの長繊維の特性が反映し不織布強力が
低いものであった。しかも,溶融重合体の流動性が高く
なり過ぎるため曵糸性と延伸性が低下した。一方,比較
例2の不織布は,長繊維のメルトフローレート値が12
g/10分と低く,すなわち共重合体の重合度が高く溶
融重合体の流動性が低くなり過ぎるため曵糸性と延伸性
が極めて悪化し,溶融紡糸時に単繊維の切断を生じ,し
たがって実用上十分な品位を具備しないものであった。
比較例3の不織布は,エチレンのランダム共重合量が少
いため熱収縮性が低いものであった。比較例4の不織布
は,重合体としてエチレンがランダム共重合されていな
い通常のポリプロピレン重合体を用いているため熱収縮
性が極めて低いものであった。
体No.ニ)を溶融・紡出し,紡出長繊維を引き取り,
連続して延伸し,単繊維繊度が5.0デニールの延伸長
繊維を得た。引き続き,前記延伸長繊維を巻き取ること
なくエアーサツカを介した後,コロナ放電により開繊
し,移動するコンベア上に堆積させてウエブを形成し
た。次いで,接着面積率が17%の彫刻ロールと表面平
滑な金属ロールとを具備する熱エンボスロール機を用
い,両ロールの表面温度を110℃,両ロール間の線圧
を50kg/cm,加工速度を5m/分としてウエブに
接着処理を施し,このポリプロピレン系長繊維同士が部
分的に熱接着された目付けが45g/m2 の不織布を得
た。得られた長繊維と不織布の特性,溶融紡糸時の製糸
性の結果を表2に示す。この長繊維は,メルトフローレ
ート値が34g/10分で,表2から明らかなように実
用上十分な水準の強伸度を有し,しかも熱収縮性の高い
ものであった。また,この不織布は,表2から明らかな
ように実用的な不織布強力を有し,熱収縮性が優れ,熱
成形用不織布として好適なものであった。
し,プロピレンとエチレンがランダム共重合されたポリ
プロピレン系共重合体A(重合体No.ハ)と表1に示
したQ値とメルトフローレート値,融点を有するポリプ
ロピレン重合体B(重合体No.リ)とを通常のエクス
トルーダ型溶融押出機で各々個別に溶融した後,重合体
Aのみが紡出される紡糸孔径0.5mmで孔数108の
紡糸孔と重合体Bのみが紡出される紡糸孔径0.5mm
で孔数54の紡糸孔とを有する混繊紡糸口金を用い,両
重合体の単孔吐出量を1.37g/分(すなわち,前記
共重合体Aと重合体Bとの総重量に対する前記共重合体
Aの重量の比が66.7%)として表2に示した紡糸温
度条件で溶融紡出し,紡出長繊維を吸引速度が4050
m/分のエアーサツカを用いて引き取り,単繊維繊度が
3.0デニールの高配向未延伸長繊維を得た。引き続
き,実施例1と同様にしてウエブを形成し,次いで,実
施例1と同様にして接着処理を施し,このポリプロピレ
ン系長繊維同士が部分的に熱接着された目付けが38g
/m2 の不織布を得た。得られた共重合体Aのみからな
る長繊維と重合体Bのみからなる長繊維の各特性,不織
布の特性,溶融紡糸時の製糸性の結果を表2に示す。こ
の不織布は,表2から明らかなように実用的な不織布強
力を有し,熱収縮性が優れ,熱成形用不織布として好適
なものであった。
合体No.ハ)とポリプロピレン重合体B(重合体N
o.チ)とを溶融した後,重合体Aのみが紡出される紡
糸孔径0.5mmで孔数80の紡糸孔と重合体Bのみが
紡出される紡糸孔径0.5mmで孔数82の紡糸孔とを
有する混繊紡糸口金を用い(すなわち,前記共重合体A
と重合体Bとの総重量に対する前記共重合体Aの重量の
比が49.4%),以降,実施例8と同様にして紡出長
繊維を引き取り,単繊維繊度が3.0デニールの高配向
未延伸長繊維を得た。引き続き,実施例8と同様にして
ウエブを形成した後,接着処理を施し,このポリプロピ
レン系長繊維同士が部分的に熱接着された目付けが38
g/m2 の不織布を得た。得られた共重合体Aのみから
なる長繊維と重合体Bのみからなる長繊維の各特性,不
織布の特性,溶融紡糸時の製糸性の結果を表2に示す。
この不織布は,前記共重合体Aと重合体Bとの総重量に
対する前記共重合体Aの重量の比が低いため表2から明
らかなように熱収縮性が劣り,熱成形用不織布として不
適当なものであった。
ピレン系長繊維から構成されるものであり,熱収縮性,
熱成形時の形態保持性及び軽量性が優れ,特に容器保護
用フイルタ等の熱成形用素材あるいは軽量化素材として
好適に使用することができるものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 92重量%以上97重量%以下のプロピ
レンと3重量%以上8重量%以下のエチレンとがランダ
ム共重合されたポリプロピレン系共重合体から構成さ
れ,メルトフローレート値が15g/10分以上80g
/10分以下,単繊維繊度が10デニール以下,強度が
2g/デニール以上の長繊維を構成要素として少なくと
も50重量%含有する不織布であって,該不織布中の少
なくとも前記長繊維同士は接着面積率が3%以上50%
以下で部分的に熱接着され,かつ温度100℃における
乾熱面積収縮率が15%以上であることを特徴とするポ
リプロピレン系長繊維不織布。 - 【請求項2】 92重量%以上97重量%以下のプロピ
レンと3重量%以上8重量%以下のエチレンとがランダ
ム共重合され,かつQ値(重量平均分子量/数平均分子
量)が8以下のポリプロピレン系共重合体から構成さ
れ,メルトフローレート値が15g/10分以上80g
/10分以下,単繊維繊度が10デニール以下,強度が
2g/デニール以上の長繊維を構成要素として少なくと
も50重量%含有する不織布であって,該不織布中の少
なくとも前記長繊維同士は接着面積率が3%以上50%
以下で部分的に熱接着され,かつ温度100℃における
乾熱面積収縮率が15%以上であることを特徴とするポ
リプロピレン系長繊維不織布。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5971293A JP3165758B2 (ja) | 1993-02-23 | 1993-02-23 | ポリプロピレン系長繊維不織布 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5971293A JP3165758B2 (ja) | 1993-02-23 | 1993-02-23 | ポリプロピレン系長繊維不織布 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06248554A true JPH06248554A (ja) | 1994-09-06 |
JP3165758B2 JP3165758B2 (ja) | 2001-05-14 |
Family
ID=13121099
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5971293A Expired - Lifetime JP3165758B2 (ja) | 1993-02-23 | 1993-02-23 | ポリプロピレン系長繊維不織布 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3165758B2 (ja) |
-
1993
- 1993-02-23 JP JP5971293A patent/JP3165758B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3165758B2 (ja) | 2001-05-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2065500B1 (en) | Heat-resistant non-woven fabric | |
US5993943A (en) | Oriented melt-blown fibers, processes for making such fibers and webs made from such fibers | |
US5800230A (en) | Conjugated filament nonwoven fabric and method of manufacturing the same | |
US5272023A (en) | Hotmelt-adhesive fiber sheet and process for producing the same | |
JP3110566B2 (ja) | ポリプロピレン系不織布の製造方法 | |
JP2925441B2 (ja) | 芯鞘型複合短繊維及びその製造方法 | |
JP3165758B2 (ja) | ポリプロピレン系長繊維不織布 | |
JP2872543B2 (ja) | 熱接着不織布及びその製造方法 | |
JPH11140766A (ja) | ポリオレフィン複合長繊維不織布 | |
JP4582886B2 (ja) | 耐候性長繊維不織布 | |
JP2866131B2 (ja) | 極細長繊維不織布の製造方法 | |
JPH0138902B2 (ja) | ||
JPH09273060A (ja) | 複合長繊維不織布及びその製造方法 | |
CN112912550B (zh) | 无纺布及其制造方法 | |
JPH06248555A (ja) | ポリプロピレン系網状繊維からなる不織布 | |
JP2018053412A (ja) | ポリエチレンスパンボンド不織布 | |
JP7032780B2 (ja) | 連続繊維不織布およびその製造方法 | |
JPH0261156A (ja) | 熱接着性長繊維からなる不織布 | |
JPH0192413A (ja) | 嵩高性複合繊維 | |
JPH1143856A (ja) | 複合長繊維不織布 | |
WO2020095947A1 (ja) | 不織布及びその製造方法 | |
JP2791159B2 (ja) | 極細長繊維不織布 | |
JP2788140B2 (ja) | ポリプロピレン系複合短繊維と不織布の製造方法 | |
JP2003113567A (ja) | 不織布およびフィルター | |
JPH0578916A (ja) | ポリプロピレン系複合短繊維及びその不織布 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 7 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080302 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090302 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 9 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100302 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110302 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110302 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 11 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120302 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 11 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120302 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130302 Year of fee payment: 12 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |