JPH06248554A - ポリプロピレン系長繊維不織布 - Google Patents

ポリプロピレン系長繊維不織布

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JPH06248554A
JPH06248554A JP5971293A JP5971293A JPH06248554A JP H06248554 A JPH06248554 A JP H06248554A JP 5971293 A JP5971293 A JP 5971293A JP 5971293 A JP5971293 A JP 5971293A JP H06248554 A JPH06248554 A JP H06248554A
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安広 米沢
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 92重量%以上97重量%以下のプロピレン
と3重量%以上8重量%以下のエチレンとがランダム共
重合されたポリプロピレン系共重合体から構成され,メ
ルトフローレート値が15g/10分以上80g/10
分以下,単繊維繊度が10デニール以下,強度が2g/
デニール以上の長繊維を構成要素として少なくとも50
重量%含有する不織布であって,該不織布中の少なくと
も前記長繊維同士は接着面積率が3%以上50%以下で
部分的に熱接着され,かつ温度100℃における乾熱面
積収縮率が15%以上であることを特徴とするポリプロ
ピレン系長繊維不織布。 【効果】 熱収縮性,熱成形時の形態保持性及び軽量性
が優れ,特に容器保護用フイルタ等の熱成形用素材ある
いは軽量化素材として好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,熱収縮性,熱成形時の
形態保持性及び軽量性が優れたポリプロピレン系長繊維
不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から,熱収縮性が優れた熱可塑性合
成長繊維からなる不織布として,溶融紡糸速度を下限付
近まで低速化させて得た低配向度のポリエステル長繊維
からなる不織布が知られている。しかしながら,この不
織布は,低配向度のポリエステル長繊維自体が低配向の
故に熱に対して脆く,不織布として耐磨耗性が劣るとい
う問題を有しており,しかも合成繊維中では比較的比重
が大きいポリエステル繊維からなるため,不織布とした
ときに軽量性が劣るという問題も有している。一方,熱
収縮性が優れた熱可塑性合成長繊維からなる他の不織布
として,異収縮性の重合体成分を溶融複合紡糸して得た
捲縮性長繊維あるいは溶融紡糸直後の紡出フイラメント
冷却時に非対称冷却を行って得た捲縮性長繊維からなる
不織布が知られている。しかしながら,これらの不織布
は,熱収縮応力が低いため,熱成形したときに形態保持
性が著しく劣るという問題を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,前記問題を
解決し,熱収縮性,熱成形時の形態保持性及び軽量性が
優れ,特に容器保護用フイルタ等の熱成形用素材あるい
は軽量化素材として好適なポリプロピレン系長繊維不織
布を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,前記問題
を解決すべく鋭意検討の結果,本発明に到達した。すな
わち,本発明は,92重量%以上97重量%以下のプロ
ピレンと3重量%以上8重量%以下のエチレンとがラン
ダム共重合されたポリプロピレン系共重合体から構成さ
れ,メルトフローレート値が15g/10分以上80g
/10分以下,単繊維繊度が10デニール以下,強度が
2g/デニール以上の長繊維を構成要素として少なくと
も50重量%含有する不織布であって,該不織布中の少
なくとも前記長繊維同士は接着面積率が3%以上50%
以下で部分的に熱接着され,かつ温度100℃における
乾熱面積収縮率が15%以上であることを特徴とするポ
リプロピレン系長繊維不織布,を要旨とするものであ
る。また,本発明は,92重量%以上97重量%以下の
プロピレンと3重量%以上8重量%以下のエチレンとが
ランダム共重合され,かつQ値(重量平均分子量/数平
均分子量)が8以下のポリプロピレン系共重合体から構
成され,メルトフローレート値が15g/10分以上8
0g/10分以下,単繊維繊度が10デニール以下,強
度が2g/デニール以上の長繊維を構成要素として少な
くとも50重量%含有する不織布であって,該不織布中
の少なくとも前記長繊維同士は接着面積率が3%以上5
0%以下で部分的に熱接着され,かつ温度100℃にお
ける乾熱面積収縮率が15%以上であることを特徴とす
るポリプロピレン系長繊維不織布,を要旨とするもので
ある。
【0005】次に,本発明を詳細に説明する。本発明の
不織布を構成する長繊維は,92重量%以上97重量%
以下のプロピレンと3重量%以上8重量%以下のエチレ
ンとがランダム共重合されたポリプロピレン系共重合体
から構成されるものである。この共重合体においては,
エチレンの共重合が共重合体の融点降下と熱収縮性に大
きく影響し,共重合量に比例して共重合体の融点を降下
させ,かつ熱収縮性を増大させる。この共重合量が3重
量%未満であると共重合体の融点降下が小さくなって,
長繊維を熱処理したときの熱収縮率が低下するので好ま
しくない。一方,この共重合量が8重量%を超えると重
合するに際し重合溶媒(炭化水素)に可溶性の副生物の
生成割合が増加し生産性が低下して工業的に不経済とな
るので好ましくない。したがって,本発明では,この共
重合量を3重量%以上8重量%以下とし,好ましくは
3.2重量%以上7.0重量%以下,特に好ましくは
3.5重量%以上6.0重量%以下とする。また,この
共重合体は,前記3重量%以上8重量%以下のエチレン
と92重量%以上97重量%以下のプロピレンとがラン
ダム共重合されたものであり,このランダム共重合は,
共重合体の均一な熱収縮特性と曵糸性の点で極めて重要
である。他の共重合形態としてブロツク共重合が挙げら
れるが,この共重合では,ポリプロピレンの構造の中に
エチレンの構造部がブロツク単位で存在するため,共重
合体の熱収縮特性が不均一となり,しかも曵糸性が極度
に低下するという問題が生じるので好ましくない。
【0006】また,この共重合体は,Q値(重量平均分
子量/数平均分子量)が8以下のものであるのが好まし
い。このQ値とは,ゲルパーミエイシヨンクロマトグラ
フ法により求められる重合体の重量平均分子量と数平均
分子量の比であり,溶融計量された重合体を紡糸する前
に採取し,冷却した重合体を試料として測定した値であ
る。ポリプロピレン重合体は溶融紡糸時に受ける熱及び
剪断の影響で劣化しやすく,溶融紡糸後のQ値は,紡糸
前のそれに比べ低下することが知られている。Q値は分
子量分布の幅を示すものであり,長繊維の製造適性と加
工適性に大きく影響するものである。すなわち,Q値が
大きく分子量分布の幅が広いと,得られた長繊維を用い
て不織布化するに際しての加工温度領域が広くなり,品
質の安定した不織布を得ることができるばかりでなく,
得られた不織布に熱成形加工を施すに際しても同様の効
果を得ることができる。しかしながら,Q値が大きくな
って分子量分布の幅が広くなりすぎると,溶融紡糸時の
糸条冷却が悪くなって曵糸性が低下する。したがって,
本発明では,このQ値を8以下とし,好ましくは7.5
以下,特に好ましくは7.0以下とする。
【0007】本発明の不織布を構成する長繊維は,その
メルトフローレート値が15g/10分以上80g/1
0分以下のものである。長繊維のメルトフローレート値
は,ASTM D 1238(L)に記載の方法により
測定されるものであり,このメルトフローレート値が1
5g/10分未満であると長繊維の熱収縮応力が高くな
って熱収縮率や嵩高性を大きくすることはできるが,重
合体の曵糸性のみならず次工程の熱延伸性が低下した
り,溶融紡糸時の紡糸温度が高く設定されるためポリプ
ロピレン系重合体が分解して多量のガスが発生し,紡糸
室の環境を悪化させたりするので好ましくない。一方,
このメルトフローレート値が80g/10分を超えると
長繊維の熱収縮力が低下するため熱収縮性の優れた不織
布を得ることができず,また,ポリプロピレン系重合体
の重合度が低すぎるため分解して多量のガスが発生し,
紡糸室の環境を悪化させたりするので好ましくない。し
たがって,本発明では,このメルトフローレート値を1
5g/10分以上80g/10分以下とし,好ましくは
18g/10分以上70g/10分以下,特に好ましく
は20g/10分以上60g/10分以下とする。
【0008】本発明の不織布を構成する長繊維は,その
単繊維繊度が10デニール以下のものである。この単繊
維繊度が10デニールを超えると不織布としたとき柔軟
性が低下したり,異常な粗硬感を発するため低目付けと
することが困難となったり,あるいは溶融紡糸に際して
ポリプロピレン系溶融重合体の冷却が不十分となりフイ
ラメント間に融着が生じて曵糸性が低下したりするため
好ましくない。
【0009】本発明の不織布を構成する長繊維は,その
強度が2g/デニール以上のものである。この強度が2
g/デニール未満であると不織布としたとき実用上十分
な強度が得られないため好ましくない。例えば,この長
繊維を用いて不織布を作成し,得られた不織布を熱成形
して容器保護用フイルタとしたときなど,そのフイルタ
に実用上十分な強度を具備させることが困難となったり
するのである。
【0010】本発明の不織布は,前記長繊維を構成要素
として少なくとも50重量%含有するものである。そし
て,この不織布は,他の構成要素として本発明の構成要
件を満足しないポリプロピレン系共重合体からなる長繊
維やその他の通常の繊維形成性熱可塑性合成長繊維を含
有するが,その含有率は50重量%未満でなければなら
ない。すなわち,この不織布においては,前記長繊維を
少なくとも50重量%含有することが必要で,この含有
率が50重量%未満であると本発明がその目的とする熱
収縮性の優れた不織布を得ることができないためであ
る。
【0011】本発明の不織布は,該不織布中の少なくと
も前記ポリプロピレン系長繊維同士が部分的に熱接着さ
れてなるものである。ここでいう部分的熱接着とは,前
記ポリプロピレン系長繊維同士が規則的な接着部を形成
しているということである。この部分的な熱接着は,不
織布中の最小繰り返し単位面積当りの熱接着部面積を百
分率表示すなわち接着面積率が3%以上50%以下のも
のであり,この接着面積率が3%未満あると不織布とし
ての形態が保持されず,一方,接着面積率が50%を超
えると接着部が多過ぎ不織布中で未固定の長繊維の自由
度が小さくなって不織布の熱収縮性が低下するため,い
ずれも好ましくない。したがって,本発明では,この接
着面積率を3%以上50%以下とし,好ましくは4%以
上30%以下とする。なお,この部分的熱接着部は,例
えば熱エンボスローラや超音波溶着機を用いて形成され
るものである。また,熱エンボスローラを用いる場合,
部分的熱接着部の形態は,エンボス機における彫刻ロー
ラの突起部先端面の形状により決定され,丸形,楕円
形,菱形,三角形,T形,−形,井形あるいは格子形等
の任意の形状とすることができる。
【0012】本発明の不織布は,温度100℃における
乾熱面積収縮率が15%以上のものである。この乾熱面
積収縮率とは,エアーオーブン型熱処理機を用い処理温
度100℃×処理時間15分間の条件で熱処理を施した
不織布の熱処理前の不織布に対する面積比を百分率表示
したものであり,乾熱面積収縮率が高いほど熱成形時の
形態保持性が向上する。この乾熱面積収縮率が15%未
満であると熱収縮性が優れ,かつ熱成形時の形態保持性
が優れた不織布を得ることができず好ましくない。した
がって,本発明では,この乾熱面積収縮率を15%と
し,好ましくは20%以上とする。
【0013】本発明の不織布は,その目付けとして例え
ば容器保護用フイルタ等の熱成形用素材では10g/m
2 以上150g/m2 以下程度とするのが好適である
が,用途に応じて適宜定めることができ,特に限定され
るものではない。
【0014】本発明の不織布は,いわゆる混繊スパンボ
ンド法により効率良く製造することができる。まず,前
記ポリプロピレン系共重合体Aを溶融後に紡糸口金パツ
ク内のA単独の紡糸孔から紡出し,一方,本発明の構成
要件を満足しないポリプロピレン系共重合体Bあるいは
その他の通常の繊維形成性熱可塑性合成重合体Bを溶融
後に前記と同一の紡糸口金パツク内のB単独の紡糸孔か
ら紡出し,紡出フイラメントA及びBを冷却装置により
冷却した後,エアーサツカ等の引き取り手段により引き
取り,コロナ放電等の開繊手段により開繊し,移動する
コンベア上に堆積してウエブを形成する。あるいは,前
記と同様にして溶融紡出・冷却した後,引き取りローラ
により引き取り,引き取りローラとその下流側に配設さ
れた延伸ローラとの間で延伸し,コロナ放電等の開繊手
段により開繊し,移動するコンベア上に堆積してウエブ
を形成する。溶融紡糸に際しては,前記共重合体Aと重
合体Bとの総重量に対する前記共重合体Aの重量の比を
少なくとも50%とする。なお,この重量比を100%
すなわち前記重合体Aのみからなる不織布を得たいよう
な場合には,重合体Bの工程への供給を休止すればよ
い。
【0015】本発明の不織布の製造に用いるポリプロピ
レン系共重合体としては,繊維形成性を有し,通常,繊
維グレードとして市販されているものであれば使用する
ことができ,例えば結晶性ポリプロピレン系樹脂あるい
はエチレンとプロピレンをチーグラー−ナツタ触媒によ
り前記各成分比となるようにして実質的にランダム共重
合させた共重合ポリプロピレン系樹脂が挙げられる。な
お,ここでいう繊維グレードとは,曵糸性よく溶融紡糸
できるようなものである。なお,前記重合体には,通
常,繊維に用いられる艶消し剤,耐光剤,耐熱剤あるい
は顔料等を,本発明の効果が損なわれない範囲であれ
ば,添加することができる。
【0016】また,溶融紡糸は,通常の複合紡糸装置を
用いて行うことができる。溶融紡糸に際しては,前記共
重合体Aとしてメルトフローレート値が10g/10分
以上80g/10分以下のものを用い,得られた前記共
重合体からなる長繊維のメルトフローレート値が15g
/10分以上80g/10分以下となるようにして溶融
紡糸する必要がある。これにより,長繊維の熱収縮力が
向上して熱収縮性の優れた不織布を得ることができ,し
かも溶融紡糸時の曵糸性のみならず次工程の熱延伸性が
向上する。さらに,延伸に際しては,引き取られた未延
伸フイラメントを40℃以上かつ繊維相互が融着しない
温度で熱延伸する。この延伸温度が40℃未満であると
延伸張力が高くなりすぎて延伸性が低下し,また延伸装
置が設備的に高くなるため好ましくない。一方,この延
伸温度は高くとも長繊維相互が融着し始める温度未満と
する。延伸温度が高くなりすぎて繊維相互が融着し始め
ると,延伸工程で糸切れが発生して操業性が低下した
り,製品の均一性が低下することによって品位が低下し
たりするので好ましくない。したがって,この延伸温度
は40℃以上かつ繊維相互が融着しない温度とし,好ま
しくは60〜100℃とする。
【0017】次に,得られたウエブに接着面積率が3%
以上50%以下で熱接着処理を施すことにより,ウエブ
中の少なくとも前記長繊維同士を部分的に熱接着させ
る。部分的な熱接着処理を施すに際しては,例えば熱エ
ンボスローラを用いることができ,この場合,処理温度
を前記ポリプロピレン系共重合体の融点未満の温度と
し,またローラの線圧を50kg/cm以下とする。こ
の処理温度が共重合体の融点以上であると処理時にウエ
ブがロールに接着したりして,操業性が低下するので好
ましくない。したがって,この処理温度は共重合体の融
点未満,好ましくは融点より10℃以上低い温度とす
る。また,超音波溶着機を用いることもできる。この超
音波溶着機とは,例えば周波数が20kHz程度の超音
波による振動で繊維間を融着させる装置であって,この
装置によれば繊維間の融着部の他は殆ど熱の影響を受け
ないため長繊維の熱収縮性を維持したまま不織布として
の形態が保持され,熱収縮性の優れた不織布を得ること
ができる。
【0018】本発明では,前述したように,延伸長繊維
からなるウエブを不織布原料として用いることができ,
この場合,前記ポリプロピレン系共重合体からなる長繊
維は延伸配向され,かつ結晶領域が共に成長すると共に
非晶領域が増大した構造を有するため,このウエブに前
記のような熱接着処理を施して不織布としたとき,少な
くとも20%まで熱収縮性が一層向上した不織布を得る
ことができる。なお,このような延伸長繊維からなるウ
エブに熱接着処理を施すに際し,前記超音波溶着機を用
いると,熱収縮性が更に向上した不織布を得ることがで
きて好ましい。
【0019】
【実施例】次に,実施例に基づいて本発明を具体的に説
明する。なお,実施例における各種特性の測定及び評価
は,次の方法により実施した。 重合体の融点:パーキンエルマ社製示差走査型熱量計D
SC−2型を用い,昇温速度20℃/分で測定した融解
吸収熱曲線の極値を与える温度を融点とした。 メルトフローレート値(g/10分):ASTM D
1238(L) に記載の方法により測定した。 繊維の引張強度(g/デニール)及び引張伸度(%):
東洋ボールドウイン社製テンシロンUTM−4−1−1
00を用い,試料長2cmの試料を引張速度2cm/分
で測定した。 繊維の乾熱収縮率(%):単繊維計15本を試料とし,
各単繊維ごとに初荷重2mg/デニール時の長さL
1 (cm)を測定し,次いでエアーオーブン型熱処理機
中で100℃×15分間熱処理した後の長さL2 (c
m)を測定し,次式(a)により収縮率を算出し,その
平均値を乾熱収縮率とした。 乾熱収縮率(%)=(L1 −L2 )×100/L1 ・・・・・・・(a) 不織布のKGSM引張強力(kg/5cm):東洋ボー
ルドウイン社製テンシロンUTM−4−1−100を用
い,JIS L−1096Aに記載のストリツプ法にし
たがい,試料長10cm,試料幅5cmの試料片を引張
速度10cm/分で測定し,得られた引張強力の平均値
を不織布の目付け100g/m2 当りに換算し,KGS
M引張強力(kg/5cm)とした。 不織布の引張伸度(%):東洋ボールドウイン社製テン
シロンUTM−4−1−100を用い,JIS L−1
096Aに記載のストリツプ法にしたがい,試料長10
cm,試料幅5cmの試料片を引張速度10cm/分で
測定した。 不織布の乾熱面積収縮率(%):試料長20cm,試料
幅20cmの試料片計4個を準備し,各試料片ごとに面
積S1 を測定し,次いでエアーオーブン型熱処理機中で
100℃×15分間熱処理した後の面積S2 を測定し,
次式(b)により収縮率を算出し,その平均値を乾熱面
積収縮率とした。 乾熱面積収縮率(%)=(S1 −S2 )×100/S1 ・・・・・(b) 曵糸性:溶融紡糸時の曵糸性を紡出フイラメント切れの
発生率により次の3段階で評価した。○:フイラメント
切れが全く発生せず,操業性が良好である。△:フイラ
メント切れが24時間・紡糸錘数16当たり1回発生。
×:フイラメント切れが24時間・紡糸錘数16当たり
2回以上発生し,操業上問題である。 発煙性:溶融紡糸時の紡糸口金部での発煙度合いを視覚
判定により次の4段階で評価した。○:発煙が殆ど観察
されない。△:発煙が観察されるが,操業上問題となら
ない。×:発煙が極めて多く,発煙物が紡糸口金付近に
堆積し,操業上問題である。 延伸性:延伸性を糸切れ及び単フイラメント切れの発生
率により次の3段階で評価した。○:糸切れや単フイラ
メント切れが全く発生せず,操業性が良好である。△:
糸切れや単フイラメント切れが24時間当たり1回発
生。×:糸切れや単フイラメント切れが24時間当たり
2回以上発生し,操業上問題である。
【0020】実施例1 表1に示したQ値とメルトフローレート値,融点を有
し,プロピレンとエチレンがランダム共重合されたポリ
プロピレン系共重合体(重合体No.ニ)を通常のエク
ストルーダ型溶融押出機で溶融した後,紡糸孔径が0.
5mm,孔数が162の紡糸口金を用い,単孔吐出量を
1.37g/分として表2に示した紡糸温度条件で溶融
紡出し,紡出長繊維を吸引速度が4100m/分のエア
ーサツカを用いて引き取り,単繊維繊度が3.0デニー
ルの高配向未延伸長繊維を得た。引き続き,前記未延伸
長繊維を巻き取ることなく連続してコロナ放電により開
繊し,移動するコンベア上に堆積させてウエブを形成し
た。次いで,接着面積率が16%の彫刻ロールを具備す
る超音波溶着機を用い,超音波周波数を20kHz,加
工速度を5m/分としてウエブに接着処理を施し,この
ポリプロピレン系長繊維同士が部分的に熱接着された目
付けが40g/m2 の不織布を得た。得られた長繊維と
不織布の特性,溶融紡糸時の製糸性の結果を表2に示
す。この長繊維は,メルトフローレート値が34g/1
0分で,表2から明らかなように実用上十分な水準の強
伸度を有し,しかも熱収縮性の高いものであった。ま
た,この不織布は,表2から明らかなように実用的な不
織布強力を有し,熱収縮性が優れ,熱成形用不織布とし
て好適なものであった。
【0021】実施例2 実施例1と同様にしてポリプロピレン系共重合体(重合
体No.ニ)を溶融した後,紡糸孔径が0.4mm,孔
数が162の紡糸口金を用い,単孔吐出量を1.0g/
分として表2に示した紡糸温度条件で溶融紡出し,紡出
長繊維を引き取り速度が600m/分の引き取りロール
を用いて引き取り,連続して引き取りロールとこのロー
ルの下流側に配設された延伸ロールとの間で延伸倍率を
3.0として延伸し(すなわち延伸速度1800m/
分),単繊維繊度が5.0デニールの延伸長繊維を得
た。引き続き,前記未延伸長繊維を巻き取ることなく連
続して延伸ロールの下流側に配設されたエアーサツカを
介した後,コロナ放電により開繊し,移動するコンベア
上に堆積させてウエブを形成した。次いで,実施例1と
同様にして接着処理を施し,このポリプロピレン系長繊
維同士が部分的に熱接着された目付けが40g/m2
不織布を得た。得られた長繊維と不織布の特性,溶融紡
糸時の製糸性の結果を表2に示す。この長繊維は,メル
トフローレート値が34g/10分で,表2から明らか
なように実用上十分な水準の強伸度を有し,しかも熱収
縮性の高いものであった。また,この不織布は,表2か
ら明らかなように実用的な不織布強力を有し,熱収縮性
が極めて優れ,熱成形用不織布として好適なものであっ
た。
【0022】実施例3〜6及び比較例1〜4 表1に示したQ値とメルトフローレート値,融点を有
し,プロピレンとエチレンがランダム共重合されたポリ
プロピレン系共重合体(実施例3〜6の重合体No.
ロ,ハ,ホ及びト,比較例1〜3の重合体No.イ,ヘ
及びチ),表1に示したQ値とメルトフローレート値,
融点を有するポリプロピレン重合体(比較例4の重合体
No.リ)を通常のエクストルーダ型溶融押出機で溶融
した後,紡糸孔径が0.5mm,孔数が162の紡糸口
金を用い,単孔吐出量を1.37g/分として表2に示
した紡糸温度条件で溶融紡出し,紡出長繊維を引き取り
速度が600m/分の引き取りロールを用いて引き取
り,連続して引き取りロールとこのロールの下流側に配
設された延伸ロールとの間で延伸倍率を3.0として延
伸し(すなわち延伸速度1800m/分),単繊維繊度
が5.0デニールの延伸長繊維を得た。引き続き,実施
例1と同様にしてウエブを形成し,次いで,実施例1と
同様にして接着処理を施し,このポリプロピレン系長繊
維同士が部分的に熱接着された目付けが40g/m2
不織布を得た。得られた長繊維と不織布の特性,溶融紡
糸時の製糸性の結果を表2に示す。実施例の長繊維は,
メルトフローレート値が各々34g/10分で,表2か
ら明らかなように実用上十分な水準の強伸度を有し,し
かも熱収縮性の高いものであった。また,実施例の不織
布は,表2から明らかなように実用的な不織布強力を有
し,熱収縮性が極めて優れ,熱成形用不織布として好適
なものであった。これに対し,比較例1の不織布は,長
繊維のメルトフローレート値が87g/10分と高く,
すなわち共重合体の重合度が低過ぎるために強度が低
く,したがってこの長繊維の特性が反映し不織布強力が
低いものであった。しかも,溶融重合体の流動性が高く
なり過ぎるため曵糸性と延伸性が低下した。一方,比較
例2の不織布は,長繊維のメルトフローレート値が12
g/10分と低く,すなわち共重合体の重合度が高く溶
融重合体の流動性が低くなり過ぎるため曵糸性と延伸性
が極めて悪化し,溶融紡糸時に単繊維の切断を生じ,し
たがって実用上十分な品位を具備しないものであった。
比較例3の不織布は,エチレンのランダム共重合量が少
いため熱収縮性が低いものであった。比較例4の不織布
は,重合体としてエチレンがランダム共重合されていな
い通常のポリプロピレン重合体を用いているため熱収縮
性が極めて低いものであった。
【0023】実施例7 実施例2と同様にしてポリプロピレン系共重合体(重合
体No.ニ)を溶融・紡出し,紡出長繊維を引き取り,
連続して延伸し,単繊維繊度が5.0デニールの延伸長
繊維を得た。引き続き,前記延伸長繊維を巻き取ること
なくエアーサツカを介した後,コロナ放電により開繊
し,移動するコンベア上に堆積させてウエブを形成し
た。次いで,接着面積率が17%の彫刻ロールと表面平
滑な金属ロールとを具備する熱エンボスロール機を用
い,両ロールの表面温度を110℃,両ロール間の線圧
を50kg/cm,加工速度を5m/分としてウエブに
接着処理を施し,このポリプロピレン系長繊維同士が部
分的に熱接着された目付けが45g/m2 の不織布を得
た。得られた長繊維と不織布の特性,溶融紡糸時の製糸
性の結果を表2に示す。この長繊維は,メルトフローレ
ート値が34g/10分で,表2から明らかなように実
用上十分な水準の強伸度を有し,しかも熱収縮性の高い
ものであった。また,この不織布は,表2から明らかな
ように実用的な不織布強力を有し,熱収縮性が優れ,熱
成形用不織布として好適なものであった。
【0024】実施例8 表1に示したQ値とメルトフローレート値,融点を有
し,プロピレンとエチレンがランダム共重合されたポリ
プロピレン系共重合体A(重合体No.ハ)と表1に示
したQ値とメルトフローレート値,融点を有するポリプ
ロピレン重合体B(重合体No.リ)とを通常のエクス
トルーダ型溶融押出機で各々個別に溶融した後,重合体
Aのみが紡出される紡糸孔径0.5mmで孔数108の
紡糸孔と重合体Bのみが紡出される紡糸孔径0.5mm
で孔数54の紡糸孔とを有する混繊紡糸口金を用い,両
重合体の単孔吐出量を1.37g/分(すなわち,前記
共重合体Aと重合体Bとの総重量に対する前記共重合体
Aの重量の比が66.7%)として表2に示した紡糸温
度条件で溶融紡出し,紡出長繊維を吸引速度が4050
m/分のエアーサツカを用いて引き取り,単繊維繊度が
3.0デニールの高配向未延伸長繊維を得た。引き続
き,実施例1と同様にしてウエブを形成し,次いで,実
施例1と同様にして接着処理を施し,このポリプロピレ
ン系長繊維同士が部分的に熱接着された目付けが38g
/m2 の不織布を得た。得られた共重合体Aのみからな
る長繊維と重合体Bのみからなる長繊維の各特性,不織
布の特性,溶融紡糸時の製糸性の結果を表2に示す。こ
の不織布は,表2から明らかなように実用的な不織布強
力を有し,熱収縮性が優れ,熱成形用不織布として好適
なものであった。
【0025】比較例5 実施例8と同様にしてポリプロピレン系共重合体A(重
合体No.ハ)とポリプロピレン重合体B(重合体N
o.チ)とを溶融した後,重合体Aのみが紡出される紡
糸孔径0.5mmで孔数80の紡糸孔と重合体Bのみが
紡出される紡糸孔径0.5mmで孔数82の紡糸孔とを
有する混繊紡糸口金を用い(すなわち,前記共重合体A
と重合体Bとの総重量に対する前記共重合体Aの重量の
比が49.4%),以降,実施例8と同様にして紡出長
繊維を引き取り,単繊維繊度が3.0デニールの高配向
未延伸長繊維を得た。引き続き,実施例8と同様にして
ウエブを形成した後,接着処理を施し,このポリプロピ
レン系長繊維同士が部分的に熱接着された目付けが38
g/m2 の不織布を得た。得られた共重合体Aのみから
なる長繊維と重合体Bのみからなる長繊維の各特性,不
織布の特性,溶融紡糸時の製糸性の結果を表2に示す。
この不織布は,前記共重合体Aと重合体Bとの総重量に
対する前記共重合体Aの重量の比が低いため表2から明
らかなように熱収縮性が劣り,熱成形用不織布として不
適当なものであった。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明の不織布は,前記特定のポリプロ
ピレン系長繊維から構成されるものであり,熱収縮性,
熱成形時の形態保持性及び軽量性が優れ,特に容器保護
用フイルタ等の熱成形用素材あるいは軽量化素材として
好適に使用することができるものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 92重量%以上97重量%以下のプロピ
    レンと3重量%以上8重量%以下のエチレンとがランダ
    ム共重合されたポリプロピレン系共重合体から構成さ
    れ,メルトフローレート値が15g/10分以上80g
    /10分以下,単繊維繊度が10デニール以下,強度が
    2g/デニール以上の長繊維を構成要素として少なくと
    も50重量%含有する不織布であって,該不織布中の少
    なくとも前記長繊維同士は接着面積率が3%以上50%
    以下で部分的に熱接着され,かつ温度100℃における
    乾熱面積収縮率が15%以上であることを特徴とするポ
    リプロピレン系長繊維不織布。
  2. 【請求項2】 92重量%以上97重量%以下のプロピ
    レンと3重量%以上8重量%以下のエチレンとがランダ
    ム共重合され,かつQ値(重量平均分子量/数平均分子
    量)が8以下のポリプロピレン系共重合体から構成さ
    れ,メルトフローレート値が15g/10分以上80g
    /10分以下,単繊維繊度が10デニール以下,強度が
    2g/デニール以上の長繊維を構成要素として少なくと
    も50重量%含有する不織布であって,該不織布中の少
    なくとも前記長繊維同士は接着面積率が3%以上50%
    以下で部分的に熱接着され,かつ温度100℃における
    乾熱面積収縮率が15%以上であることを特徴とするポ
    リプロピレン系長繊維不織布。
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