JPH0578916A - ポリプロピレン系複合短繊維及びその不織布 - Google Patents
ポリプロピレン系複合短繊維及びその不織布Info
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- JPH0578916A JPH0578916A JP24481791A JP24481791A JPH0578916A JP H0578916 A JPH0578916 A JP H0578916A JP 24481791 A JP24481791 A JP 24481791A JP 24481791 A JP24481791 A JP 24481791A JP H0578916 A JPH0578916 A JP H0578916A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 伸縮性,嵩高性及び柔軟性に優れ,特に医療
衛生材用素材に適した不織布を得るに好適なポリプロピ
レン系複合短繊維及びその不織布を提供する。 【構成】 2種のポリプロピレン系共重合体から構成さ
れ,メルトフローレート値が15g/10分以上45g
/10分以下,乾熱収縮率が35%以上,熱処理後の捲
縮数が60個/25mm以上,単繊維繊度が6デニール
以下,強度が3g/デニール以上である複合短繊維。こ
の複合短繊維から構成され,繊維相互が三次元的に絡合
しており,見掛け密度が0.10g/cm3 以下,目付
けが10g/m2 以上150g/m2 以下,20%及び
50%伸長時の伸長弾性率が縦横方向共40%以上であ
る不織布。
衛生材用素材に適した不織布を得るに好適なポリプロピ
レン系複合短繊維及びその不織布を提供する。 【構成】 2種のポリプロピレン系共重合体から構成さ
れ,メルトフローレート値が15g/10分以上45g
/10分以下,乾熱収縮率が35%以上,熱処理後の捲
縮数が60個/25mm以上,単繊維繊度が6デニール
以下,強度が3g/デニール以上である複合短繊維。こ
の複合短繊維から構成され,繊維相互が三次元的に絡合
しており,見掛け密度が0.10g/cm3 以下,目付
けが10g/m2 以上150g/m2 以下,20%及び
50%伸長時の伸長弾性率が縦横方向共40%以上であ
る不織布。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,伸縮性,嵩高性及び柔
軟性に優れた不織布を得るに好適なポリプロピレン系複
合短繊維及びその不織布に関するものである。
軟性に優れた不織布を得るに好適なポリプロピレン系複
合短繊維及びその不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から,熱可塑性合成複合繊維からな
る不織布として,融点の異なる複数の重合体成分を並列
型あるいは芯鞘型等に配置した複合繊維からなる不織布
が広範に用いられている。この複合繊維からなる不織布
は,異成分複合繊維の特徴である潜在捲縮性を利用し,
不織布加工時に捲縮を発現させることにより伸縮性を付
与したもので,主としてサポータ,パツプ材あるいはお
むつ等の医療衛生材用素材として用いられている。例え
ば,特公昭55−26203号公報には,ブテン−1を
含有した三次元共重合体からなる複合繊維が,また,特
開平2−127553号公報には,ブテン−1を含有し
た共重合体からなる複合繊維から構成された不織布が提
案されている。しかしながら,この不織布では,ブテン
−1を含有した三次元共重合体からなるため熱接着性は
向上するものの,伸縮性や嵩高性が劣るのみならず風合
いが硬くなるという問題があった。また,特公昭52−
37097号公報には,ポリプロピレン重合体とポリエ
チレン重合体とからなる複合繊維が提案されているが,
この複合繊維からなる不織布には,不織布作成時の両成
分間の剥離により不織布面上に毛羽が生じ,製品の品位
が低下するという問題があった。さらに,特開平2−1
91720号公報公報には,ポリプロピレン重合体とエ
チレン−プロピレンランダム共重合体とからなる複合繊
維及びその製造方法が提案されている。この複合繊維
は,ポリプロピレン重合体のQ値(重量平均分子量/数
平均分子量)を小さくして螺旋状の捲縮を発現させるこ
とにより伸縮性が付与されたものである。しかしなが
ら,この複合繊維には,ポリプロピレン重合体のQ値が
小さいため,捲縮発現処理時の熱処理温度領域が制限さ
れて工程管理が困難であるという問題が,また,この複
合繊維からなる不織布には,その品位が低下するという
問題があった。
る不織布として,融点の異なる複数の重合体成分を並列
型あるいは芯鞘型等に配置した複合繊維からなる不織布
が広範に用いられている。この複合繊維からなる不織布
は,異成分複合繊維の特徴である潜在捲縮性を利用し,
不織布加工時に捲縮を発現させることにより伸縮性を付
与したもので,主としてサポータ,パツプ材あるいはお
むつ等の医療衛生材用素材として用いられている。例え
ば,特公昭55−26203号公報には,ブテン−1を
含有した三次元共重合体からなる複合繊維が,また,特
開平2−127553号公報には,ブテン−1を含有し
た共重合体からなる複合繊維から構成された不織布が提
案されている。しかしながら,この不織布では,ブテン
−1を含有した三次元共重合体からなるため熱接着性は
向上するものの,伸縮性や嵩高性が劣るのみならず風合
いが硬くなるという問題があった。また,特公昭52−
37097号公報には,ポリプロピレン重合体とポリエ
チレン重合体とからなる複合繊維が提案されているが,
この複合繊維からなる不織布には,不織布作成時の両成
分間の剥離により不織布面上に毛羽が生じ,製品の品位
が低下するという問題があった。さらに,特開平2−1
91720号公報公報には,ポリプロピレン重合体とエ
チレン−プロピレンランダム共重合体とからなる複合繊
維及びその製造方法が提案されている。この複合繊維
は,ポリプロピレン重合体のQ値(重量平均分子量/数
平均分子量)を小さくして螺旋状の捲縮を発現させるこ
とにより伸縮性が付与されたものである。しかしなが
ら,この複合繊維には,ポリプロピレン重合体のQ値が
小さいため,捲縮発現処理時の熱処理温度領域が制限さ
れて工程管理が困難であるという問題が,また,この複
合繊維からなる不織布には,その品位が低下するという
問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,前記問題を
解決し,伸縮性,嵩高性及び柔軟性に優れ,特に医療衛
生材用素材に適した不織布を得るに好適なポリプロピレ
ン系複合短繊維及びその不織布を提供しようとするもの
である。
解決し,伸縮性,嵩高性及び柔軟性に優れ,特に医療衛
生材用素材に適した不織布を得るに好適なポリプロピレ
ン系複合短繊維及びその不織布を提供しようとするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,前記問題
を解決すべく鋭意検討の結果,本発明に到達した。すな
わち,本発明は, 1)92重量%以上97重量%以下のプロピレンと3重
量%以上8重量%以下のエチレンがランダム共重合され
たポリプロピレン系共重合体成分Aと,97重量%以上
100重量%以下のプロピレンと0重量%以上3重量%
以下のエチレンが共重合されたポリプロピレン系共重合
体成分Bとから構成された複合短繊維であって,該複合
短繊維のメルトフローレート値が15g/10分以上4
5g/10分以下,温度120℃及び初荷重2mg条件
における乾熱収縮率が35%以上,温度120℃で熱処
理後の捲縮数が60個/25mm以上,単繊維繊度が6
デニール以下,かつ強度が3g/デニール以上であるこ
とを特徴とするポリプロピレン系複合短繊維,
を解決すべく鋭意検討の結果,本発明に到達した。すな
わち,本発明は, 1)92重量%以上97重量%以下のプロピレンと3重
量%以上8重量%以下のエチレンがランダム共重合され
たポリプロピレン系共重合体成分Aと,97重量%以上
100重量%以下のプロピレンと0重量%以上3重量%
以下のエチレンが共重合されたポリプロピレン系共重合
体成分Bとから構成された複合短繊維であって,該複合
短繊維のメルトフローレート値が15g/10分以上4
5g/10分以下,温度120℃及び初荷重2mg条件
における乾熱収縮率が35%以上,温度120℃で熱処
理後の捲縮数が60個/25mm以上,単繊維繊度が6
デニール以下,かつ強度が3g/デニール以上であるこ
とを特徴とするポリプロピレン系複合短繊維,
【0005】2)92重量%以上97重量%以下のプロ
ピレンと3重量%以上8重量%以下のエチレンがランダ
ム共重合され,かつQ値(重量平均分子量/数平均分子
量)が8以下のポリプロピレン系共重合体成分Aと,9
7重量%以上100重量%以下のプロピレンと0重量%
以上3重量%以下のエチレンが共重合され,かつQ値
(重量平均分子量/数平均分子量)が5以上8以下のポ
リプロピレン系共重合体成分Bとから構成された複合短
繊維であって,該複合短繊維のメルトフローレート値が
15g/10分以上45g/10分以下,温度120℃
及び初荷重2mg条件における乾熱収縮率が35%以
上,温度120℃で熱処理後の捲縮数が60個/25m
m以上,単繊維繊度が6デニール以下,かつ強度が3g
/デニール以上であることを特徴とするポリプロピレン
系複合短繊維,
ピレンと3重量%以上8重量%以下のエチレンがランダ
ム共重合され,かつQ値(重量平均分子量/数平均分子
量)が8以下のポリプロピレン系共重合体成分Aと,9
7重量%以上100重量%以下のプロピレンと0重量%
以上3重量%以下のエチレンが共重合され,かつQ値
(重量平均分子量/数平均分子量)が5以上8以下のポ
リプロピレン系共重合体成分Bとから構成された複合短
繊維であって,該複合短繊維のメルトフローレート値が
15g/10分以上45g/10分以下,温度120℃
及び初荷重2mg条件における乾熱収縮率が35%以
上,温度120℃で熱処理後の捲縮数が60個/25m
m以上,単繊維繊度が6デニール以下,かつ強度が3g
/デニール以上であることを特徴とするポリプロピレン
系複合短繊維,
【0006】3)92重量%以上97重量%以下のプロ
ピレンと3重量%以上8重量%以下のエチレンがランダ
ム共重合され,かつQ値(重量平均分子量/数平均分子
量)が8以下のポリプロピレン系共重合体成分Aと,9
7重量%以上100重量%以下のプロピレンと0重量%
以上3重量%以下のエチレンが共重合され,かつQ値
(重量平均分子量/数平均分子量)が5以上8以下のポ
リプロピレン系共重合体成分Bとから構成された複合短
繊維であって,該複合短繊維のメルトフローレート値が
15g/10分以上45g/10分以下,温度120℃
及び初荷重2mg条件における乾熱収縮率が35%以
上,温度120℃で熱処理後の捲縮数が60個/25m
m以上,単繊維繊度が6デニール以下,強度が3g/デ
ニール以上,かつ下記条件(1)〜(6)を満足するこ
とを特徴とするポリプロピレン系複合短繊維, (1)熱処理前の複合短繊維の共重合体成分A部分の複
屈折と共重合体成分B部分の複屈折が共に0.02以上
であること, (2)広角X線回折法により測定される熱処理前の複合
短繊維の結晶体積が100000Å3 以下であること, (3)小角X線散乱法により測定される熱処理前の複合
短繊維の長周期が130Å未満であること, (4)熱処理後の複合短繊維の共重合体成分A部分の複
屈折と共重合体成分B部分の複屈折が共に上記熱処理前
の複合短繊維の共重合体成分A部分の複屈折と共 重合体成分B部分の複屈折よりそれぞれ低いこと,
(5)広角X線回折法により測定される熱処理後の複合
短繊維の結晶体積が200000Å3 以上であること, (6)小角X線散乱法により測定される熱処理後の複合
短繊維の長周期が130Å以上であること,
ピレンと3重量%以上8重量%以下のエチレンがランダ
ム共重合され,かつQ値(重量平均分子量/数平均分子
量)が8以下のポリプロピレン系共重合体成分Aと,9
7重量%以上100重量%以下のプロピレンと0重量%
以上3重量%以下のエチレンが共重合され,かつQ値
(重量平均分子量/数平均分子量)が5以上8以下のポ
リプロピレン系共重合体成分Bとから構成された複合短
繊維であって,該複合短繊維のメルトフローレート値が
15g/10分以上45g/10分以下,温度120℃
及び初荷重2mg条件における乾熱収縮率が35%以
上,温度120℃で熱処理後の捲縮数が60個/25m
m以上,単繊維繊度が6デニール以下,強度が3g/デ
ニール以上,かつ下記条件(1)〜(6)を満足するこ
とを特徴とするポリプロピレン系複合短繊維, (1)熱処理前の複合短繊維の共重合体成分A部分の複
屈折と共重合体成分B部分の複屈折が共に0.02以上
であること, (2)広角X線回折法により測定される熱処理前の複合
短繊維の結晶体積が100000Å3 以下であること, (3)小角X線散乱法により測定される熱処理前の複合
短繊維の長周期が130Å未満であること, (4)熱処理後の複合短繊維の共重合体成分A部分の複
屈折と共重合体成分B部分の複屈折が共に上記熱処理前
の複合短繊維の共重合体成分A部分の複屈折と共 重合体成分B部分の複屈折よりそれぞれ低いこと,
(5)広角X線回折法により測定される熱処理後の複合
短繊維の結晶体積が200000Å3 以上であること, (6)小角X線散乱法により測定される熱処理後の複合
短繊維の長周期が130Å以上であること,
【0007】4)92重量%以上97重量%以下のプロ
ピレンと3重量%以上8重量%以下のエチレンがランダ
ム共重合されたポリプロピレン系共重合体成分Aと,9
7重量%以上100重量%以下のプロピレンと0重量%
以上3重量%以下のエチレンが共重合されたポリプロピ
レン系共重合体成分Bとから構成された単繊維繊度が6
デニール以下,かつ強度が3g/デニール以上の複合短
繊維50重量%以上からなる不織布であって,該不織布
を構成する前記複合短繊維相互が三次元的に絡合してお
り,見掛け密度が0.10g/cm3 以下,目付けが1
0g/m2 以上150g/m2 以下,かつ不織布の引張
強力測定における20%及び50%伸長時の伸長弾性率
が縦横方向共40%以上であることを特徴とする不織
布,
ピレンと3重量%以上8重量%以下のエチレンがランダ
ム共重合されたポリプロピレン系共重合体成分Aと,9
7重量%以上100重量%以下のプロピレンと0重量%
以上3重量%以下のエチレンが共重合されたポリプロピ
レン系共重合体成分Bとから構成された単繊維繊度が6
デニール以下,かつ強度が3g/デニール以上の複合短
繊維50重量%以上からなる不織布であって,該不織布
を構成する前記複合短繊維相互が三次元的に絡合してお
り,見掛け密度が0.10g/cm3 以下,目付けが1
0g/m2 以上150g/m2 以下,かつ不織布の引張
強力測定における20%及び50%伸長時の伸長弾性率
が縦横方向共40%以上であることを特徴とする不織
布,
【0008】5)92重量%以上97重量%以下のプロ
ピレンと3重量%以上8重量%以下のエチレンがランダ
ム共重合され,かつQ値(重量平均分子量/数平均分子
量)が8以下のポリプロピレン系共重合体成分Aと,9
7重量%以上100重量%以下のプロピレンと0重量%
以上3重量%以下のエチレンが共重合され,かつQ値
(重量平均分子量/数平均分子量)が5以上8以下のポ
リプロピレン系共重合体成分Bとから構成された単繊維
繊度が6デニール以下,かつ強度が3g/デニール以上
の複合短繊維50重量%以上からなる不織布であって,
該不織布を構成する前記複合短繊維相互が三次元的に絡
合しており,見掛け密度が0.10g/cm3 以下,目
付けが10g/m2 以上150g/m2 以下,かつ不織
布の引張強力測定における20%及び50%伸長時の伸
長弾性率が縦横方向共40%以上であることを特徴とす
る不織布,
ピレンと3重量%以上8重量%以下のエチレンがランダ
ム共重合され,かつQ値(重量平均分子量/数平均分子
量)が8以下のポリプロピレン系共重合体成分Aと,9
7重量%以上100重量%以下のプロピレンと0重量%
以上3重量%以下のエチレンが共重合され,かつQ値
(重量平均分子量/数平均分子量)が5以上8以下のポ
リプロピレン系共重合体成分Bとから構成された単繊維
繊度が6デニール以下,かつ強度が3g/デニール以上
の複合短繊維50重量%以上からなる不織布であって,
該不織布を構成する前記複合短繊維相互が三次元的に絡
合しており,見掛け密度が0.10g/cm3 以下,目
付けが10g/m2 以上150g/m2 以下,かつ不織
布の引張強力測定における20%及び50%伸長時の伸
長弾性率が縦横方向共40%以上であることを特徴とす
る不織布,
【0009】6)92重量%以上97重量%以下のプロ
ピレンと3重量%以上8重量%以下のエチレンがランダ
ム共重合され,かつQ値(重量平均分子量/数平均分子
量)が8以下のポリプロピレン系共重合体成分Aと,9
7重量%以上100重量%以下のプロピレンと0重量%
以上3重量%以下のエチレンが共重合され,かつQ値
(重量平均分子量/数平均分子量)が5以上8以下のポ
リプロピレン系共重合体成分Bとから構成された単繊維
繊度が6デニール以下,強度が3g/デニール以上,か
つ下記条件(1)〜(6)を満足する複合短繊維50重
量%以上からなる不織布であって,該不織布を構成する
前記複合短繊維相互が三次元的に絡合しており,見掛け
密度が0.10g/cm3 以下,目付けが10g/m2
以上150g/m2 以下,かつ不織布の引張強力測定に
おける20%及び50%伸長時の伸長弾性率が縦横方向
共40%以上であることを特徴とする不織布, (1)熱処理前の複合短繊維の共重合体成分A部分の複
屈折と共重合体成分B部分の複屈折が共に0.02以上
であること, (2)広角X線回折法により測定される熱処理前の複合
短繊維の結晶体積が100000Å3 以下であること, (3)小角X線散乱法により測定される熱処理前の複合
短繊維の長周期が130Å未満であること, (4)熱処理後の複合短繊維の共重合体成分A部分の複
屈折と共重合体成分B部分の複屈折が共に上記熱処理前
の複合短繊維の共重合体成分A部分の複屈折と共重合体
成分B部分の複屈折よりそれぞれ低いこと, (5)広角X線回折法により測定される熱処理後の複合
短繊維の結晶体積が200000Å3 以上であること, (6)小角X線散乱法により測定される熱処理後の複合
短繊維の長周期が130Å以上であること, を要旨とするものである。
ピレンと3重量%以上8重量%以下のエチレンがランダ
ム共重合され,かつQ値(重量平均分子量/数平均分子
量)が8以下のポリプロピレン系共重合体成分Aと,9
7重量%以上100重量%以下のプロピレンと0重量%
以上3重量%以下のエチレンが共重合され,かつQ値
(重量平均分子量/数平均分子量)が5以上8以下のポ
リプロピレン系共重合体成分Bとから構成された単繊維
繊度が6デニール以下,強度が3g/デニール以上,か
つ下記条件(1)〜(6)を満足する複合短繊維50重
量%以上からなる不織布であって,該不織布を構成する
前記複合短繊維相互が三次元的に絡合しており,見掛け
密度が0.10g/cm3 以下,目付けが10g/m2
以上150g/m2 以下,かつ不織布の引張強力測定に
おける20%及び50%伸長時の伸長弾性率が縦横方向
共40%以上であることを特徴とする不織布, (1)熱処理前の複合短繊維の共重合体成分A部分の複
屈折と共重合体成分B部分の複屈折が共に0.02以上
であること, (2)広角X線回折法により測定される熱処理前の複合
短繊維の結晶体積が100000Å3 以下であること, (3)小角X線散乱法により測定される熱処理前の複合
短繊維の長周期が130Å未満であること, (4)熱処理後の複合短繊維の共重合体成分A部分の複
屈折と共重合体成分B部分の複屈折が共に上記熱処理前
の複合短繊維の共重合体成分A部分の複屈折と共重合体
成分B部分の複屈折よりそれぞれ低いこと, (5)広角X線回折法により測定される熱処理後の複合
短繊維の結晶体積が200000Å3 以上であること, (6)小角X線散乱法により測定される熱処理後の複合
短繊維の長周期が130Å以上であること, を要旨とするものである。
【0010】次に,本発明を詳細に説明する。まず,本
発明の複合短繊維に関して説明する。本発明の複合短繊
維の第1の特徴は,92重量%以上97重量%以下のプ
ロピレンと3重量%以上8重量%以下のエチレンがラン
ダム共重合されたポリプロピレン系共重合体成分Aと,
97重量%以上100重量%以下のプロピレンと0重量
%以上3重量%以下のエチレンが共重合されたポリプロ
ピレン系共重合体成分Bとから構成されることにある。
発明の複合短繊維に関して説明する。本発明の複合短繊
維の第1の特徴は,92重量%以上97重量%以下のプ
ロピレンと3重量%以上8重量%以下のエチレンがラン
ダム共重合されたポリプロピレン系共重合体成分Aと,
97重量%以上100重量%以下のプロピレンと0重量
%以上3重量%以下のエチレンが共重合されたポリプロ
ピレン系共重合体成分Bとから構成されることにある。
【0011】重合体成分Aは,92重量%以上97重量
%以下のプロピレンと3重量%以上8重量%以下のエチ
レンとが共重合されたものである。このエチレンの共重
合は共重合体の融点降下と熱収縮性に大きく影響し,共
重合量に比例して共重合体の融点を降下させ,かつ熱収
縮性を増大させる。この共重合量が3重量%未満である
と,共重合体の融点降下が小さくなり,複合短繊維を熱
処理したとき捲縮発現性が低下し,しかも熱収縮率が低
下するので好ましくない。しかしながら,この共重合量
が8重量%を超えると,重合するに際し重合溶媒(炭化
水素)に可溶性の副生物の生成割合が増加して生産性が
低下するので工業的に不経済となり好ましくない。した
がって,この共重合量は,3重量%以上8重量%以下と
し,好ましくは3.2重量%以上7.0重量%以下,特
に好ましくは3.5重量%以上6.0重量%以下とする
のがよい。また,重合体成分Aは,前記3重量%以上8
重量%以下のエチレンと92重量%以上97重量%以下
のプロピレンがランダム共重合されたものである。この
ランダム共重合は,共重合体の均一な熱収縮特性と曵糸
性の点で極めて重要である。他の共重合形態としてブロ
ツク共重合が挙げられるが,この共重合では,ポリプロ
ピレンの構造の中にエチレンの構造部がブロツク単位で
存在するため,共重合体の熱収縮特性が不均一となり,
しかも曵糸性が極度に低下するという問題が生じるので
好ましくない。
%以下のプロピレンと3重量%以上8重量%以下のエチ
レンとが共重合されたものである。このエチレンの共重
合は共重合体の融点降下と熱収縮性に大きく影響し,共
重合量に比例して共重合体の融点を降下させ,かつ熱収
縮性を増大させる。この共重合量が3重量%未満である
と,共重合体の融点降下が小さくなり,複合短繊維を熱
処理したとき捲縮発現性が低下し,しかも熱収縮率が低
下するので好ましくない。しかしながら,この共重合量
が8重量%を超えると,重合するに際し重合溶媒(炭化
水素)に可溶性の副生物の生成割合が増加して生産性が
低下するので工業的に不経済となり好ましくない。した
がって,この共重合量は,3重量%以上8重量%以下と
し,好ましくは3.2重量%以上7.0重量%以下,特
に好ましくは3.5重量%以上6.0重量%以下とする
のがよい。また,重合体成分Aは,前記3重量%以上8
重量%以下のエチレンと92重量%以上97重量%以下
のプロピレンがランダム共重合されたものである。この
ランダム共重合は,共重合体の均一な熱収縮特性と曵糸
性の点で極めて重要である。他の共重合形態としてブロ
ツク共重合が挙げられるが,この共重合では,ポリプロ
ピレンの構造の中にエチレンの構造部がブロツク単位で
存在するため,共重合体の熱収縮特性が不均一となり,
しかも曵糸性が極度に低下するという問題が生じるので
好ましくない。
【0012】また,重合体成分Aは,Q値(重量平均分
子量/数平均分子量)が8以下のものであるのが好まし
い。このQ値とは,ゲルパーミエイシヨンクロマトグラ
フ法により求められる重合体の重量平均分子量と数平均
分子量の比であり,個別に溶融計量された重合体を複合
紡糸する前に個別に採取し,冷却した重合体を試料とし
て測定した値である。ポリプロピレン重合体は溶融紡糸
時に受ける熱及び剪断の影響で劣化しやすく,溶融紡糸
後のQ値は,紡糸前のそれに比べ低下することが知られ
ている。Q値は分子量分布の幅を示すものであり,複合
繊維の製造適性と加工適性に大きく影響するものであ
る。すなわち,Q値が大きく分子量分布の幅が広いと,
複合繊維に捲縮を発現させたり伸縮性を付与するための
熱処理温度領域が広くなり,嵩高性や伸縮性を有する不
織布を安定して得ることができる。しかしながら,Q値
が大きくなって分子量分布の幅が広くなりすぎると,溶
融紡糸時の糸条冷却が悪くなって曵糸性が低下する。し
たがって,このQ値は8以下とし,好ましくは7.5以
下,特に好ましくは7.0以下とするのがよい。
子量/数平均分子量)が8以下のものであるのが好まし
い。このQ値とは,ゲルパーミエイシヨンクロマトグラ
フ法により求められる重合体の重量平均分子量と数平均
分子量の比であり,個別に溶融計量された重合体を複合
紡糸する前に個別に採取し,冷却した重合体を試料とし
て測定した値である。ポリプロピレン重合体は溶融紡糸
時に受ける熱及び剪断の影響で劣化しやすく,溶融紡糸
後のQ値は,紡糸前のそれに比べ低下することが知られ
ている。Q値は分子量分布の幅を示すものであり,複合
繊維の製造適性と加工適性に大きく影響するものであ
る。すなわち,Q値が大きく分子量分布の幅が広いと,
複合繊維に捲縮を発現させたり伸縮性を付与するための
熱処理温度領域が広くなり,嵩高性や伸縮性を有する不
織布を安定して得ることができる。しかしながら,Q値
が大きくなって分子量分布の幅が広くなりすぎると,溶
融紡糸時の糸条冷却が悪くなって曵糸性が低下する。し
たがって,このQ値は8以下とし,好ましくは7.5以
下,特に好ましくは7.0以下とするのがよい。
【0013】重合体成分Bは,97重量%以上100重
量%以下のプロピレンと0重量%以上3重量%以下のエ
チレンとが共重合されたものである。このエチレンの共
重合は,前述したように,共重合体の融点降下と熱収縮
性に大きく影響し,共重合量に比例して共重合体の融点
を降下させ,かつ熱収縮性を増大させるものであり,こ
の重合体成分Bでは,融点降下と熱収縮性の増大を抑制
するのが好ましい。すなわち,重合体成分Aと重合体成
分Bとの間で融点及び熱収縮特性の差が小さくなりすぎ
ると,複合短繊維を熱処理したとき捲縮発現性が低下す
るので好ましくない。したがって,この共重合量は,0
重量%以上3重量%以下とし,好ましくは2.5重量%
以下,特に好ましくは2重量%以下とするのがよい。
量%以下のプロピレンと0重量%以上3重量%以下のエ
チレンとが共重合されたものである。このエチレンの共
重合は,前述したように,共重合体の融点降下と熱収縮
性に大きく影響し,共重合量に比例して共重合体の融点
を降下させ,かつ熱収縮性を増大させるものであり,こ
の重合体成分Bでは,融点降下と熱収縮性の増大を抑制
するのが好ましい。すなわち,重合体成分Aと重合体成
分Bとの間で融点及び熱収縮特性の差が小さくなりすぎ
ると,複合短繊維を熱処理したとき捲縮発現性が低下す
るので好ましくない。したがって,この共重合量は,0
重量%以上3重量%以下とし,好ましくは2.5重量%
以下,特に好ましくは2重量%以下とするのがよい。
【0014】また,重合体成分Bは,Q値(重量平均分
子量/数平均分子量)が5以上8以下のものであるのが
好ましい。このQ値は,前述したように,分子量分布の
幅を示すものであり,複合繊維の製造適性と加工適性に
大きく影響する。特に,重合体成分BのQ値は,重合体
成分AのQ値よりもさらに限定するのがよい。重合体成
分Bは,複合繊維の高融点成分であって捲縮発現時の繊
維モジユラスを代表するものであり,分子量分布の幅が
特に重要となる。すなわち,Q値が5未満であると重合
体の分子量分布が狭くなって複合繊維の収縮率が低下
し,例えば,スタツフアボツクスを適用せずに複合繊維
に捲縮を付与するとき顕在捲縮の発現性が低下し,ウエ
ブ形成に最も一般的に用いられるカード工程を良好に通
過させることが困難となったり,また,カード工程通過
後の不織ウエブあるいは不織布にエンボスローラや熱風
乾燥機等の熱処理装置を用いて熱処理を施して捲縮を発
現させたり伸縮性を付与するための熱処理温度領域が狭
くなり,嵩高性や伸縮性を有し,かつ品位の高い不織布
を安定して得ることができない。さらに,複合繊維のタ
フネスが低下するため,嵩高性及び柔軟性に優れた不織
布を得ることができない。一方,Q値が8を超えると,
重合体の分子量分布の幅が広くなりすぎて,溶融紡糸時
の糸条冷却が悪くなって曵糸性が低下し,細繊度の複合
繊維を得ることが困難となる。したがって,このQ値は
5以上8以下とし,好ましくは5.3以上7.8以下,
特に好ましくは5.5以上7.5以下とするのがよい。
子量/数平均分子量)が5以上8以下のものであるのが
好ましい。このQ値は,前述したように,分子量分布の
幅を示すものであり,複合繊維の製造適性と加工適性に
大きく影響する。特に,重合体成分BのQ値は,重合体
成分AのQ値よりもさらに限定するのがよい。重合体成
分Bは,複合繊維の高融点成分であって捲縮発現時の繊
維モジユラスを代表するものであり,分子量分布の幅が
特に重要となる。すなわち,Q値が5未満であると重合
体の分子量分布が狭くなって複合繊維の収縮率が低下
し,例えば,スタツフアボツクスを適用せずに複合繊維
に捲縮を付与するとき顕在捲縮の発現性が低下し,ウエ
ブ形成に最も一般的に用いられるカード工程を良好に通
過させることが困難となったり,また,カード工程通過
後の不織ウエブあるいは不織布にエンボスローラや熱風
乾燥機等の熱処理装置を用いて熱処理を施して捲縮を発
現させたり伸縮性を付与するための熱処理温度領域が狭
くなり,嵩高性や伸縮性を有し,かつ品位の高い不織布
を安定して得ることができない。さらに,複合繊維のタ
フネスが低下するため,嵩高性及び柔軟性に優れた不織
布を得ることができない。一方,Q値が8を超えると,
重合体の分子量分布の幅が広くなりすぎて,溶融紡糸時
の糸条冷却が悪くなって曵糸性が低下し,細繊度の複合
繊維を得ることが困難となる。したがって,このQ値は
5以上8以下とし,好ましくは5.3以上7.8以下,
特に好ましくは5.5以上7.5以下とするのがよい。
【0015】本発明の複合短繊維の第2の特徴は,メル
トフローレート値が15g/10分以上45g/10分
以下であることにある。複合短繊維のメルトフローレー
ト値は,ASTM D 1238(L)に記載の方法に
より測定されるものであり,メルトフローレート値が1
5g/10分未満であると,複合短繊維の熱収縮応力が
高くなって捲縮力や伸縮力,嵩高性を大きくすることが
できるが,重合体の曵糸性のみならず次工程の熱延伸性
が低下したり,溶融紡糸時の紡糸温度が高く設定される
ためポリプロピレン系重合体が分解して多量のガスが発
生し,紡糸室の環境を悪化させたりするので好ましくな
い。一方,メルトフローレート値が45g/10分を超
えると,複合短繊維の熱収縮力が低下するため伸縮性と
嵩高性に優れた不織布を得ることができず,また,ポリ
プロピレン系重合体の重合度が低すぎ分解して多量のガ
スが発生し,紡糸室の環境を悪化させたりするので好ま
しくない。したがって,このメルトフローレート値は,
15g/10分以上45g/10分以下とし,好ましく
は18g/10分以上40g/10分以下,特に好まし
くは20g/10分以上35g/10分以下とするのが
よい。
トフローレート値が15g/10分以上45g/10分
以下であることにある。複合短繊維のメルトフローレー
ト値は,ASTM D 1238(L)に記載の方法に
より測定されるものであり,メルトフローレート値が1
5g/10分未満であると,複合短繊維の熱収縮応力が
高くなって捲縮力や伸縮力,嵩高性を大きくすることが
できるが,重合体の曵糸性のみならず次工程の熱延伸性
が低下したり,溶融紡糸時の紡糸温度が高く設定される
ためポリプロピレン系重合体が分解して多量のガスが発
生し,紡糸室の環境を悪化させたりするので好ましくな
い。一方,メルトフローレート値が45g/10分を超
えると,複合短繊維の熱収縮力が低下するため伸縮性と
嵩高性に優れた不織布を得ることができず,また,ポリ
プロピレン系重合体の重合度が低すぎ分解して多量のガ
スが発生し,紡糸室の環境を悪化させたりするので好ま
しくない。したがって,このメルトフローレート値は,
15g/10分以上45g/10分以下とし,好ましく
は18g/10分以上40g/10分以下,特に好まし
くは20g/10分以上35g/10分以下とするのが
よい。
【0016】本発明の複合短繊維の第3の特徴は,温度
120℃及び初荷重2mg条件における乾熱収縮率が3
5%以上,かつ温度120℃で熱処理後の捲縮数が60
個/25mm以上であることにある。複合短繊維の乾熱
収縮率は,繊維自身の増径と捲縮形態への変換力により
伸縮力に寄与するものであり,また,熱処理後の捲縮数
は,未処理繊維の捲縮数の増加分が伸縮性と嵩高性に寄
与するものであって,乾熱収縮率と熱処理後の捲縮数
は,共に高いほど大きな伸縮性と嵩高性を発現する。こ
の乾熱収縮率は,温度120℃及び初荷重2mgの条件
で測定されるものであって,本発明の複合短繊維では,
35%以上であることが必要である。また,熱処理後の
捲縮数は,温度120℃において60個/25mm以上
であることが必要である。前記乾熱収縮率が35%未
満,かつ前記熱処理後の捲縮数が60個/25mm未満
であると,伸縮性と嵩高性に優れた不織布を得ることが
できず好ましくない。したがって,この乾熱収縮率は,
35%以上,好ましくは40%以上,特に好ましくは4
5%以上であり,かつ熱処理後の捲縮数は,60個/2
5mm以上,好ましくは70個/25mm以上,特に好
ましくは80個/25mm以上であるのがよい。なお,
本発明の複合短繊維では,温度120℃及び初荷重50
mgの条件で測定される乾熱収縮率が30%以上である
と,高伸長応力下においても高度の収縮性が発現し,繊
維に瞬時の回復性が発現するため,さらに好ましい。
120℃及び初荷重2mg条件における乾熱収縮率が3
5%以上,かつ温度120℃で熱処理後の捲縮数が60
個/25mm以上であることにある。複合短繊維の乾熱
収縮率は,繊維自身の増径と捲縮形態への変換力により
伸縮力に寄与するものであり,また,熱処理後の捲縮数
は,未処理繊維の捲縮数の増加分が伸縮性と嵩高性に寄
与するものであって,乾熱収縮率と熱処理後の捲縮数
は,共に高いほど大きな伸縮性と嵩高性を発現する。こ
の乾熱収縮率は,温度120℃及び初荷重2mgの条件
で測定されるものであって,本発明の複合短繊維では,
35%以上であることが必要である。また,熱処理後の
捲縮数は,温度120℃において60個/25mm以上
であることが必要である。前記乾熱収縮率が35%未
満,かつ前記熱処理後の捲縮数が60個/25mm未満
であると,伸縮性と嵩高性に優れた不織布を得ることが
できず好ましくない。したがって,この乾熱収縮率は,
35%以上,好ましくは40%以上,特に好ましくは4
5%以上であり,かつ熱処理後の捲縮数は,60個/2
5mm以上,好ましくは70個/25mm以上,特に好
ましくは80個/25mm以上であるのがよい。なお,
本発明の複合短繊維では,温度120℃及び初荷重50
mgの条件で測定される乾熱収縮率が30%以上である
と,高伸長応力下においても高度の収縮性が発現し,繊
維に瞬時の回復性が発現するため,さらに好ましい。
【0017】本発明の複合短繊維の第4の特徴は,単繊
維繊度が6デニール以下であることにある。単繊維繊度
が6デニールを超えると,不織布としたとき柔軟性が低
下したり,あるいは溶融紡糸に際し,ポリプロピレン系
溶融重合体の冷却が不十分となりフイラメント間に融着
が生じて曵糸性が低下したりするため好ましくない。
維繊度が6デニール以下であることにある。単繊維繊度
が6デニールを超えると,不織布としたとき柔軟性が低
下したり,あるいは溶融紡糸に際し,ポリプロピレン系
溶融重合体の冷却が不十分となりフイラメント間に融着
が生じて曵糸性が低下したりするため好ましくない。
【0018】本発明の複合短繊維の第5の特徴は,強度
が3g/デニール以上であることにある。強度が3g/
デニール未満であると,不織布としたとき実用上十分な
強度が得られないため好ましくない。例えば,複合短繊
維を用いて不織布を作成し,得られた不織布を医療衛生
材用素材に用いたとき,次のような問題を生じる。すな
わち,不織布をおむつとして用いたとき,原綿が脱落し
肌に付着して違和感を生じたり,おむつ内外へ繊維吸収
体が露出する等の問題を生じたりするのである。また,
サポータとして用いたときには,膝抜け現象が生じた
り,破損し易くなったりするのである。
が3g/デニール以上であることにある。強度が3g/
デニール未満であると,不織布としたとき実用上十分な
強度が得られないため好ましくない。例えば,複合短繊
維を用いて不織布を作成し,得られた不織布を医療衛生
材用素材に用いたとき,次のような問題を生じる。すな
わち,不織布をおむつとして用いたとき,原綿が脱落し
肌に付着して違和感を生じたり,おむつ内外へ繊維吸収
体が露出する等の問題を生じたりするのである。また,
サポータとして用いたときには,膝抜け現象が生じた
り,破損し易くなったりするのである。
【0019】本発明の複合短繊維は,熱処理前の複合短
繊維の共重合体成分A部分の複屈折と共重合体成分B部
分の複屈折が共に0.02以上であり,かつ熱処理後の
複合短繊維の共重合体成分A部分の複屈折と共重合体成
分B部分の複屈折が共に上記熱処理前の複合短繊維の共
重合体成分A部分の複屈折と共重合体成分B部分の複屈
折よりそれぞれ低いことが好ましい。この複屈折は,カ
ールツアイス イエナ干渉顕微鏡を用い,封入剤として
流動パラフインとα−ブロムナフタリン混合液を用いて
処理を行い,得られた複合繊維を試料として重合体成分
Aと重合体成分Bの複屈折をそれぞれ測定したものであ
る。複屈折は繊維の配向性を表す指標として一般的に用
いられるものである。複合繊維はある一定の配向を有
し,繊維に熱処理を施すと熱収縮が極めて大きくなる
が,このとき配向は一挙に緩和して複屈折が低下する。
このことは,実質的な収縮が繊維の構造変化をもたらす
ことを意味しており,この熱収縮により大きな伸縮性を
発現する繊維構造を得ることができる。複屈折が低い
と,繊維の配向性が低いため熱処理を施しても熱収縮が
大きくならず,このため大きな伸縮性を発現する繊維構
造を得ることができず好ましくない。したがって,この
複屈折は,熱処理前のとき共重合体成分A部分と共重合
体成分B部分共に0.02以上であることが好ましい。
繊維の共重合体成分A部分の複屈折と共重合体成分B部
分の複屈折が共に0.02以上であり,かつ熱処理後の
複合短繊維の共重合体成分A部分の複屈折と共重合体成
分B部分の複屈折が共に上記熱処理前の複合短繊維の共
重合体成分A部分の複屈折と共重合体成分B部分の複屈
折よりそれぞれ低いことが好ましい。この複屈折は,カ
ールツアイス イエナ干渉顕微鏡を用い,封入剤として
流動パラフインとα−ブロムナフタリン混合液を用いて
処理を行い,得られた複合繊維を試料として重合体成分
Aと重合体成分Bの複屈折をそれぞれ測定したものであ
る。複屈折は繊維の配向性を表す指標として一般的に用
いられるものである。複合繊維はある一定の配向を有
し,繊維に熱処理を施すと熱収縮が極めて大きくなる
が,このとき配向は一挙に緩和して複屈折が低下する。
このことは,実質的な収縮が繊維の構造変化をもたらす
ことを意味しており,この熱収縮により大きな伸縮性を
発現する繊維構造を得ることができる。複屈折が低い
と,繊維の配向性が低いため熱処理を施しても熱収縮が
大きくならず,このため大きな伸縮性を発現する繊維構
造を得ることができず好ましくない。したがって,この
複屈折は,熱処理前のとき共重合体成分A部分と共重合
体成分B部分共に0.02以上であることが好ましい。
【0020】本発明の複合短繊維は,広角X線回折法に
より測定される熱処理前の複合短繊維の結晶体積が10
0000Å3 以下であり,かつ広角X線回折法により測
定される熱処理後の複合短繊維の結晶体積が20000
0Å3 以上であることが好ましい。この結晶体積は広角
X線回折法により求められるものであって,α型単位胞
(a=6.65Å,b=20.96Å,c=6.50
Å,β=99.2°)のa軸方向,b軸方向及びc軸方
向に相当する各結晶面L(110),L(130)及び
L(003)の面間隔を用い次のScherrerの式
(a)により見掛けの結晶サイズL(hkl)を求め,
それらの結晶サイズの積から算出されるものである。 結晶サイズ〔L(hkl)〕=Kλ/βcosθ ・・・・・・・・・・・・・・・・(a) K=0.9,λ=1.5418, β=[〔各結晶面の半価幅(deg)〕2 −0.672 ]1/2 熱処理前の繊維の結晶体積が100000Å3 を超える
と,結晶体積が大き過ぎるため繊維に熱処理を施しても
結晶の成長が望めず,したがって熱収縮が大きくならな
いため大きな伸縮性を発現する繊維構造を得ることがで
きず好ましくない。一方,熱処理後の繊維の結晶体積が
200000Å3 未満であると,結晶体積が十分に大き
くないため安定な繊維構造を得ることができず好ましく
ない。
より測定される熱処理前の複合短繊維の結晶体積が10
0000Å3 以下であり,かつ広角X線回折法により測
定される熱処理後の複合短繊維の結晶体積が20000
0Å3 以上であることが好ましい。この結晶体積は広角
X線回折法により求められるものであって,α型単位胞
(a=6.65Å,b=20.96Å,c=6.50
Å,β=99.2°)のa軸方向,b軸方向及びc軸方
向に相当する各結晶面L(110),L(130)及び
L(003)の面間隔を用い次のScherrerの式
(a)により見掛けの結晶サイズL(hkl)を求め,
それらの結晶サイズの積から算出されるものである。 結晶サイズ〔L(hkl)〕=Kλ/βcosθ ・・・・・・・・・・・・・・・・(a) K=0.9,λ=1.5418, β=[〔各結晶面の半価幅(deg)〕2 −0.672 ]1/2 熱処理前の繊維の結晶体積が100000Å3 を超える
と,結晶体積が大き過ぎるため繊維に熱処理を施しても
結晶の成長が望めず,したがって熱収縮が大きくならな
いため大きな伸縮性を発現する繊維構造を得ることがで
きず好ましくない。一方,熱処理後の繊維の結晶体積が
200000Å3 未満であると,結晶体積が十分に大き
くないため安定な繊維構造を得ることができず好ましく
ない。
【0021】本発明の複合短繊維は,小角X線散乱法に
より測定される熱処理前の複合短繊維の長周期が130
Å未満であり,かつ小角X線散乱法により測定される熱
処理後の複合短繊維の長周期が130Å以上であること
が好ましい。この長周期は広角X線回折法により求めら
れるものであって,重合体成分Aと重合体成分Bが接合
された状態での結晶部と非晶部との和の平均的な長さを
示すものである。この複合短繊維では,熱処理前の複合
短繊維の長周期が130Å未満で,適度な結晶部と適度
な非晶部とが混在した状態であることが好ましい。熱処
理前の複合短繊維の長周期が130Å以上で繊維の結晶
部がすでに大きく成長しているとき繊維が構造緩和した
状態に近づいているため熱収縮率が大きくならず,した
がって大きな伸縮性を発現する繊維構造を得ることがで
きず好ましくない。また,繊維の非晶部が大きいとき熱
収縮率は大きくなるが,経時安定性が劣るため好ましく
ない。したがって,熱処理前の複合短繊維は,適度な結
晶部と適度な非晶部とが混在した状態であって,長周期
が130Å未満であることが好ましい。熱処理前の長周
期が抑制された状態にあることによって,熱処理後の繊
維の分子鎖的構造緩和を助長し,熱収縮をより大きくす
ることができるのである。さらに,この複合短繊維で
は,熱処理後の複合短繊維の長周期が130Å以上であ
ることが好ましい。熱処理により,非晶部の結晶部への
組み込みにより結晶が分子鎖軸方向に成長して長周期が
130Å以上となることにより,安定な構造を得ること
ができるのである。なお,ここでいう熱処理とは,複合
短繊維を(重合体成分Bの融点−40℃)以上重合体成
分Bの融点未満の温度で自由長処理するものをいう。
より測定される熱処理前の複合短繊維の長周期が130
Å未満であり,かつ小角X線散乱法により測定される熱
処理後の複合短繊維の長周期が130Å以上であること
が好ましい。この長周期は広角X線回折法により求めら
れるものであって,重合体成分Aと重合体成分Bが接合
された状態での結晶部と非晶部との和の平均的な長さを
示すものである。この複合短繊維では,熱処理前の複合
短繊維の長周期が130Å未満で,適度な結晶部と適度
な非晶部とが混在した状態であることが好ましい。熱処
理前の複合短繊維の長周期が130Å以上で繊維の結晶
部がすでに大きく成長しているとき繊維が構造緩和した
状態に近づいているため熱収縮率が大きくならず,した
がって大きな伸縮性を発現する繊維構造を得ることがで
きず好ましくない。また,繊維の非晶部が大きいとき熱
収縮率は大きくなるが,経時安定性が劣るため好ましく
ない。したがって,熱処理前の複合短繊維は,適度な結
晶部と適度な非晶部とが混在した状態であって,長周期
が130Å未満であることが好ましい。熱処理前の長周
期が抑制された状態にあることによって,熱処理後の繊
維の分子鎖的構造緩和を助長し,熱収縮をより大きくす
ることができるのである。さらに,この複合短繊維で
は,熱処理後の複合短繊維の長周期が130Å以上であ
ることが好ましい。熱処理により,非晶部の結晶部への
組み込みにより結晶が分子鎖軸方向に成長して長周期が
130Å以上となることにより,安定な構造を得ること
ができるのである。なお,ここでいう熱処理とは,複合
短繊維を(重合体成分Bの融点−40℃)以上重合体成
分Bの融点未満の温度で自由長処理するものをいう。
【0022】本発明の複合短繊維は,密度法により測定
される熱処理前の複合短繊維の結晶化度が70%未満で
あり,かつ密度法により測定される熱処理後の複合短繊
維の結晶化度が70%以上であることが好ましい。この
結晶化度は密度法により測定されるものであって,次式
(b)から算出される。 結晶化度=(ρc/ρ)×〔(ρ−ρa)/(ρc−ρa)〕 ×100 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(b) ρcは結晶密度,ρaは非晶密度,ρは試料の密度測定
値 ρc=0.9360g/cm3 ,ρa=0.8545g
/cm3 この複合短繊維に熱処理を施して結晶化度を向上させる
ことにより,繊維を最終製品としたとき耐熱性を向上さ
せることができる。
される熱処理前の複合短繊維の結晶化度が70%未満で
あり,かつ密度法により測定される熱処理後の複合短繊
維の結晶化度が70%以上であることが好ましい。この
結晶化度は密度法により測定されるものであって,次式
(b)から算出される。 結晶化度=(ρc/ρ)×〔(ρ−ρa)/(ρc−ρa)〕 ×100 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(b) ρcは結晶密度,ρaは非晶密度,ρは試料の密度測定
値 ρc=0.9360g/cm3 ,ρa=0.8545g
/cm3 この複合短繊維に熱処理を施して結晶化度を向上させる
ことにより,繊維を最終製品としたとき耐熱性を向上さ
せることができる。
【0023】本発明の複合短繊維は,前記重合体成分A
と前記重合体成分Bとを複合成分とし,複合短繊維とし
たときのメルトフローレート値が15g/10分以上4
5g/10分以下となるようにし,重合体成分Aと重合
体成分Bの溶融後のメルトフローレート値比(B/A)
を1/1〜6/1とし,かつ重合体成分Aと重合体成分
Bの吐出線速度を2〜10m/分として溶融複合紡糸
し,得られた未延伸複合繊維を50℃以上かつ繊維相互
が融着しない温度で熱延伸し,次いで得られた延伸複合
繊維に捲縮付与処理を施した後,所定長さに切断して短
繊維とすることにより製造することができる。
と前記重合体成分Bとを複合成分とし,複合短繊維とし
たときのメルトフローレート値が15g/10分以上4
5g/10分以下となるようにし,重合体成分Aと重合
体成分Bの溶融後のメルトフローレート値比(B/A)
を1/1〜6/1とし,かつ重合体成分Aと重合体成分
Bの吐出線速度を2〜10m/分として溶融複合紡糸
し,得られた未延伸複合繊維を50℃以上かつ繊維相互
が融着しない温度で熱延伸し,次いで得られた延伸複合
繊維に捲縮付与処理を施した後,所定長さに切断して短
繊維とすることにより製造することができる。
【0024】まず,複合短繊維の製造に用いるポリプロ
ピレン系重合体としては,繊維形成性を有し,通常,繊
維グレードとして市販されているものであれば使用する
ことができ,例えば,結晶性ポリプロピレン系樹脂ある
いはエチレンとプロピレンをチーグラー−ナツタ触媒に
より前記各成分比となるようにして実質的にランダム共
重合された共重合ポリプロピレン系樹脂が挙げられる。
なお,ここでいう繊維グレードとは,曵糸性よく溶融紡
糸できるようなものである。複合短繊維の複合比(B/
A)(重量比)は,75/25〜25/75とするが,
50/50とすると捲縮発現性が向上するので望まし
い。また,複合形態は,一般的な並列構造や同心円型又
は偏心円型芯鞘構造あるいは異形断面型とするが,熱収
縮性と捲縮発現性の向上を考慮すると,並列構造とする
のが望ましい。芯鞘型構造とするときは,次式(c)で
定義される偏芯率を15以上とするのがよい。 偏芯率=(単繊維の中心と芯成分の中心との間の距離)×100 /(単繊維半径)≧15 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(c) 偏芯率が15未満であると,捲縮発現性が低下し,伸縮
性と嵩高性に優れた不織布を得ることができず好ましく
ない。なお,前記両成分には,通常,繊維に用いられる
艶消し剤,耐光剤,耐熱剤あるいは顔料等を,本発明の
効果が損なわれない範囲であれば,添加することができ
る。
ピレン系重合体としては,繊維形成性を有し,通常,繊
維グレードとして市販されているものであれば使用する
ことができ,例えば,結晶性ポリプロピレン系樹脂ある
いはエチレンとプロピレンをチーグラー−ナツタ触媒に
より前記各成分比となるようにして実質的にランダム共
重合された共重合ポリプロピレン系樹脂が挙げられる。
なお,ここでいう繊維グレードとは,曵糸性よく溶融紡
糸できるようなものである。複合短繊維の複合比(B/
A)(重量比)は,75/25〜25/75とするが,
50/50とすると捲縮発現性が向上するので望まし
い。また,複合形態は,一般的な並列構造や同心円型又
は偏心円型芯鞘構造あるいは異形断面型とするが,熱収
縮性と捲縮発現性の向上を考慮すると,並列構造とする
のが望ましい。芯鞘型構造とするときは,次式(c)で
定義される偏芯率を15以上とするのがよい。 偏芯率=(単繊維の中心と芯成分の中心との間の距離)×100 /(単繊維半径)≧15 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(c) 偏芯率が15未満であると,捲縮発現性が低下し,伸縮
性と嵩高性に優れた不織布を得ることができず好ましく
ない。なお,前記両成分には,通常,繊維に用いられる
艶消し剤,耐光剤,耐熱剤あるいは顔料等を,本発明の
効果が損なわれない範囲であれば,添加することができ
る。
【0025】次に,溶融複合紡糸は,通常の複合紡糸装
置を用いて行うことができる。溶融複合紡糸に際して
は,前記共重合体成分Aとしてメルトフローレート値が
5g/10分以上40g/10分以下のものを,前記共
重合体成分Bとしてメルトフローレート値が15g/1
0分以上80g/10分以下のものを用い,両重合体を
複合して得られた複合短繊維のメルトフローレート値が
15g/10分以上45g/10分以下となるようにし
て溶融紡糸する必要がある。これにより,溶融紡糸時の
曵糸性のみならず,次工程の熱延伸性が向上する。ま
た,前記重合体成分Aと重合体成分Bのメルトフローレ
ート値比(B/A)を1/1〜6/1とする必要があ
る。なお,ここでいうメルトフローレート値比とは,個
別に溶融計量された重合体を複合紡糸する前に個別に採
取し,一旦冷却してチツプ状にしたものを試料とし,A
STM D 1238(L)に記載の方法により測定し
て算出したものである。本発明の複合短繊維では,エチ
レンの共重合量が多い重合体成分Aが高収縮成分とな
り,このメルトフローレート値比(B/A)が1/1〜
6/1すなわち重合体成分Aが重合体成分Bより高粘度
であることが重要である。重合体成分Aのメルトフロー
レート値1に対する重合体成分Bのメルトフローレート
値が1未満であると,複合短繊維の熱収縮性が低下する
ので好ましくない。一方,重合体成分Aのメルトフロー
レート値1に対する重合体成分Bのメルトフローレート
値が6を超えると,両成分を用いて溶融紡糸するに際
し,紡糸口金面でニーイングが多発して紡糸性を低下さ
せるので好ましくない。したがって,このメルトフロー
レート値比は,1/1〜6/1とし,好ましくは1.2
/1〜5.0/1,特に好ましくは1.5/1〜4.0
/1とするのがよい。
置を用いて行うことができる。溶融複合紡糸に際して
は,前記共重合体成分Aとしてメルトフローレート値が
5g/10分以上40g/10分以下のものを,前記共
重合体成分Bとしてメルトフローレート値が15g/1
0分以上80g/10分以下のものを用い,両重合体を
複合して得られた複合短繊維のメルトフローレート値が
15g/10分以上45g/10分以下となるようにし
て溶融紡糸する必要がある。これにより,溶融紡糸時の
曵糸性のみならず,次工程の熱延伸性が向上する。ま
た,前記重合体成分Aと重合体成分Bのメルトフローレ
ート値比(B/A)を1/1〜6/1とする必要があ
る。なお,ここでいうメルトフローレート値比とは,個
別に溶融計量された重合体を複合紡糸する前に個別に採
取し,一旦冷却してチツプ状にしたものを試料とし,A
STM D 1238(L)に記載の方法により測定し
て算出したものである。本発明の複合短繊維では,エチ
レンの共重合量が多い重合体成分Aが高収縮成分とな
り,このメルトフローレート値比(B/A)が1/1〜
6/1すなわち重合体成分Aが重合体成分Bより高粘度
であることが重要である。重合体成分Aのメルトフロー
レート値1に対する重合体成分Bのメルトフローレート
値が1未満であると,複合短繊維の熱収縮性が低下する
ので好ましくない。一方,重合体成分Aのメルトフロー
レート値1に対する重合体成分Bのメルトフローレート
値が6を超えると,両成分を用いて溶融紡糸するに際
し,紡糸口金面でニーイングが多発して紡糸性を低下さ
せるので好ましくない。したがって,このメルトフロー
レート値比は,1/1〜6/1とし,好ましくは1.2
/1〜5.0/1,特に好ましくは1.5/1〜4.0
/1とするのがよい。
【0026】また,溶融複合紡糸に際しては,重合体成
分Aと重合体成分Bの吐出線速度を2〜10m/分とす
る。ここでいう吐出線速度とは,溶融重合体の単紡糸孔
吐出量Q(g/分),同重合体の密度ρ(g/cm3 )
及び紡糸孔径d(mm)を用い次式(d)により算出さ
れるものである。 吐出線速度(m/分)=4Q/(πρd2 )・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(d) 通常,異種の重合体からなる複合繊維を溶融紡糸するに
際しては,組み合わせる重合体間のメルトフローレート
差による可紡域の差と高粘度成分により限定される溶融
温度とにより曵糸性が大きく左右され,重合体の種類に
応じて適当な吐出線速度を選択する必要がある。したが
って,本発明では,良好な曵糸性を得るために吐出線速
度を2〜10m/分とするのが望ましく,吐出線速度がこ
の範囲外では曵糸性が低下する。好ましくは3〜9m/
分,特に好ましくは4〜8m/分とするのがよい。
分Aと重合体成分Bの吐出線速度を2〜10m/分とす
る。ここでいう吐出線速度とは,溶融重合体の単紡糸孔
吐出量Q(g/分),同重合体の密度ρ(g/cm3 )
及び紡糸孔径d(mm)を用い次式(d)により算出さ
れるものである。 吐出線速度(m/分)=4Q/(πρd2 )・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(d) 通常,異種の重合体からなる複合繊維を溶融紡糸するに
際しては,組み合わせる重合体間のメルトフローレート
差による可紡域の差と高粘度成分により限定される溶融
温度とにより曵糸性が大きく左右され,重合体の種類に
応じて適当な吐出線速度を選択する必要がある。したが
って,本発明では,良好な曵糸性を得るために吐出線速
度を2〜10m/分とするのが望ましく,吐出線速度がこ
の範囲外では曵糸性が低下する。好ましくは3〜9m/
分,特に好ましくは4〜8m/分とするのがよい。
【0027】次いで,溶融複合紡糸して得られた未延伸
複合繊維を50℃以上かつ繊維相互が融着しない温度で
熱延伸する。熱延伸は,通常の熱延伸装置を用いて行う
ことができる。通常,熱可塑性合成繊維を延伸する場
合,ガラス転移温度以上で加熱延伸をすることが知られ
ているが,本発明ではガラス転移温度より相当高い50
℃以上の温度で熱延伸をする。延伸温度が50℃未満で
あると,延伸張力が高くなりすぎて延伸性が低下し,ま
た,延伸装置が設備的に高くなるので好ましくない。ま
た,本発明では,延伸温度は,高くとも繊維相互が融着
し始める温度未満とする。延伸温度が高くなりすぎて繊
維相互が融着し始めると,延伸工程で糸切れが発生して
操業性が低下したり,製品の均一性が低下することによ
って品位が低下したりするので好ましくない。したがっ
て,この延伸温度は,50℃以上かつ繊維相互が融着し
ない温度とし,好ましくは70〜120℃とするのがよ
い。
複合繊維を50℃以上かつ繊維相互が融着しない温度で
熱延伸する。熱延伸は,通常の熱延伸装置を用いて行う
ことができる。通常,熱可塑性合成繊維を延伸する場
合,ガラス転移温度以上で加熱延伸をすることが知られ
ているが,本発明ではガラス転移温度より相当高い50
℃以上の温度で熱延伸をする。延伸温度が50℃未満で
あると,延伸張力が高くなりすぎて延伸性が低下し,ま
た,延伸装置が設備的に高くなるので好ましくない。ま
た,本発明では,延伸温度は,高くとも繊維相互が融着
し始める温度未満とする。延伸温度が高くなりすぎて繊
維相互が融着し始めると,延伸工程で糸切れが発生して
操業性が低下したり,製品の均一性が低下することによ
って品位が低下したりするので好ましくない。したがっ
て,この延伸温度は,50℃以上かつ繊維相互が融着し
ない温度とし,好ましくは70〜120℃とするのがよ
い。
【0028】次いで,得られた延伸複合繊維に捲縮付与
処理を施す。捲縮付与処理は,通常のスタツフア型捲縮
付与装置等の捲縮付与装置を用いて行うことができる。
この捲縮付与処理に引き続き,繊維に仕上げ油剤を付与
し,乾燥した後,所定長さに切断して短繊維とする。
処理を施す。捲縮付与処理は,通常のスタツフア型捲縮
付与装置等の捲縮付与装置を用いて行うことができる。
この捲縮付与処理に引き続き,繊維に仕上げ油剤を付与
し,乾燥した後,所定長さに切断して短繊維とする。
【0029】次に,本発明の不織布に関して説明する。
本発明の不織布の第1の特徴は,前記複合短繊維50重
量%以上からなることにあり,50重量%以上が前記複
合短繊維から構成されるため,伸縮性と嵩高性に優れた
不織布を得ることができる。この不織布を構成する前記
複合短繊維が,50重量%未満であると,本発明が目的
とする伸縮性と嵩高性に優れた不織布を得ることができ
ず好ましくない。なお,本発明の不織布では,前記複合
短繊維と混合する他素材の短繊維として通常の熱可塑性
合成短繊維あるいはコツトン等の天然繊維を用いること
ができ,また,前記複合短繊維のカードウエブと他素材
のカードウエブを重ねた積層ウエブとしてもよい。
本発明の不織布の第1の特徴は,前記複合短繊維50重
量%以上からなることにあり,50重量%以上が前記複
合短繊維から構成されるため,伸縮性と嵩高性に優れた
不織布を得ることができる。この不織布を構成する前記
複合短繊維が,50重量%未満であると,本発明が目的
とする伸縮性と嵩高性に優れた不織布を得ることができ
ず好ましくない。なお,本発明の不織布では,前記複合
短繊維と混合する他素材の短繊維として通常の熱可塑性
合成短繊維あるいはコツトン等の天然繊維を用いること
ができ,また,前記複合短繊維のカードウエブと他素材
のカードウエブを重ねた積層ウエブとしてもよい。
【0030】本発明の不織布の第2の特徴は,不織布を
構成する前記複合短繊維の単繊維繊度が6デニール以下
であることにあり,単糸繊度が6デニールを超えると,
不織布としたとき柔軟性が低下するため好ましくない。
構成する前記複合短繊維の単繊維繊度が6デニール以下
であることにあり,単糸繊度が6デニールを超えると,
不織布としたとき柔軟性が低下するため好ましくない。
【0031】本発明の不織布の第3の特徴は,不織布を
構成する前記複合短繊維相互が三次元的に絡合している
ことにあり,この三次元的絡合により不織布として使用
するに際し実用上十分な強力が発現する。
構成する前記複合短繊維相互が三次元的に絡合している
ことにあり,この三次元的絡合により不織布として使用
するに際し実用上十分な強力が発現する。
【0032】本発明の不織布の第4の特徴は,見掛け密
度が0.10g/cm3 以下であることにあり,この不
織布は,温度120℃及び初荷重2mg条件における乾
熱収縮率が35%以上となる高収縮力と,温度120℃
で熱処理後の捲縮数が60個/25mm以上となる高捲
縮力とを有する前記複合短繊維から構成されるため,伸
縮性と嵩高性に優れるとともに低密度のものとなる。
度が0.10g/cm3 以下であることにあり,この不
織布は,温度120℃及び初荷重2mg条件における乾
熱収縮率が35%以上となる高収縮力と,温度120℃
で熱処理後の捲縮数が60個/25mm以上となる高捲
縮力とを有する前記複合短繊維から構成されるため,伸
縮性と嵩高性に優れるとともに低密度のものとなる。
【0033】本発明の不織布の第5の特徴は,目付けが
10g/m2 以上150g/m2 以下であることにあ
り,目付けが10g/m2 未満であると,均一なカード
ウエブを得ることができず,また,生産性が低下するた
め好ましくない。一方,目付けが150g/m2 を超え
ると,不織布を特に医療衛生材用素材として使用したと
き,着用感が劣るため好ましくない。
10g/m2 以上150g/m2 以下であることにあ
り,目付けが10g/m2 未満であると,均一なカード
ウエブを得ることができず,また,生産性が低下するた
め好ましくない。一方,目付けが150g/m2 を超え
ると,不織布を特に医療衛生材用素材として使用したと
き,着用感が劣るため好ましくない。
【0034】本発明の不織布の第6の特徴は,不織布の
引張強力測定における20%及び50%伸長時の伸長弾
性率が縦横方向共40%以上であることにあり,縦横方
向共に伸縮性に優れ,しかもこの高モジユラスにより形
態安定性が優れ,不織布を特に医療衛生材用素材として
使用したとき型崩れを生じたりすることがない。
引張強力測定における20%及び50%伸長時の伸長弾
性率が縦横方向共40%以上であることにあり,縦横方
向共に伸縮性に優れ,しかもこの高モジユラスにより形
態安定性が優れ,不織布を特に医療衛生材用素材として
使用したとき型崩れを生じたりすることがない。
【0035】本発明の不織布は,前記複合短繊維を溶融
複合紡糸し,得られた未延伸複合繊維を50℃以上かつ
繊維相互が融着しない温度で熱延伸した後切断して短繊
維とし,次いで得られた複合短繊維を用いてカードウエ
ブを作成し,このカードウエブを多孔性支持部材上に載
置し,圧力が30kg/cm2 未満の流体噴流により前
記ウエブに流体絡合処理を施した後,圧力が50kg/
cm2 以上の流体噴流により前記ウエブに流体絡合処理
を施してウエブを構成する前記複合短繊維相互を三次元
的に絡合させ,引き続きウエブに乾燥処理を施して水分
を除去するとともに複合短繊維に捲縮を発現させること
により製造することができる。
複合紡糸し,得られた未延伸複合繊維を50℃以上かつ
繊維相互が融着しない温度で熱延伸した後切断して短繊
維とし,次いで得られた複合短繊維を用いてカードウエ
ブを作成し,このカードウエブを多孔性支持部材上に載
置し,圧力が30kg/cm2 未満の流体噴流により前
記ウエブに流体絡合処理を施した後,圧力が50kg/
cm2 以上の流体噴流により前記ウエブに流体絡合処理
を施してウエブを構成する前記複合短繊維相互を三次元
的に絡合させ,引き続きウエブに乾燥処理を施して水分
を除去するとともに複合短繊維に捲縮を発現させること
により製造することができる。
【0036】まず,前記重合体成分A及びBから構成さ
れ,かつ単繊維繊度が6デニール以下の複合短繊維を単
独で,あるいは前記複合短繊維50重量%以上と他素材の
短繊維50重量%以下とを混綿し,カード機によりカーデ
イングして所定目付けのウエブを得る。このウエブは,
構成繊維の配列度合によって,カード機の進行方向に配
列したパラレルウエブ,ランダムに配列したランダムウ
エブ,あるいは両者の中程度に配列したセミランダムウ
エブのいずれであってもよい。
れ,かつ単繊維繊度が6デニール以下の複合短繊維を単
独で,あるいは前記複合短繊維50重量%以上と他素材の
短繊維50重量%以下とを混綿し,カード機によりカーデ
イングして所定目付けのウエブを得る。このウエブは,
構成繊維の配列度合によって,カード機の進行方向に配
列したパラレルウエブ,ランダムに配列したランダムウ
エブ,あるいは両者の中程度に配列したセミランダムウ
エブのいずれであってもよい。
【0037】次に,得られたカードウエブを多孔性支持
部材上に載置した後,流体噴流により前記ウエブに流体
絡合処理を施して短繊維相互を三次元的に絡合させる。
本発明でいう流体絡合処理とは,孔径が0.05〜1.
0mmのオリフイスをオリフイス間距離0.5〜10m
mで1列又は複数列に複数個配設し,これらのオリフイ
スから高圧で柱状に噴出される流体噴流によりウエブの
構成繊維同士を絡合させるものである。流体としては,
常温の水あるいは熱水を使用することができる。また,
添加剤を混入した水を使用することもできる。流体噴流
を前記ウエブに衝突させるに際しては,前記オリフイス
が1列又は複数列に複数個配設されたオリフイスヘツド
を,多孔性支持部材上に載置された前記ウエブの進行方
向と直角の方向に,オリフイス間距離と同一距離の振幅
で往復運動させ,柱状流体噴流を均一に衝突させるとよ
い。この流体絡合処理は,少なくとも2回に分けて施す
とよい。第1回目の流体絡合処理は,圧力が30kg/
cm2 未満の流体噴流を使用し,同圧力の流体噴流を前
記ウエブに衝突させることにより,ウエブの構成繊維相
互を予備絡合させるものである。この圧力が30kg/
cm2 以上であるとウエブの構成繊維相互が絡合され
ず,しかも構成繊維が水流により乱れてしまい,ウエブ
に目付け斑が生じるので好ましくない。次いで,第2回
目の流体絡合処理を施す。第2回目の流体絡合処理は,
圧力が50kg/cm2 流体噴流を使用し,同圧力の流
体噴流を前記ウエブに衝突させることにより,第1回目
の流体絡合処理によりウエブに形成された構成繊維相互
の予備絡合をより強固なものにするためのものである。
この第2回目の処理では,圧力を50kg/cm2 以上
とするのが好ましく,圧力が50kg/cm2 未満であ
ると,構成繊維同士の絡合がより強固なものにならず,
不織布として使用するに際し十分な強力を得ることがで
きない。なお,さらに強固な絡合を必要とする場合に
は,前記第2回目の流体絡合処理を,同一条件で複数回
施すとよい。前記ウエブが載置される多孔性支持部材と
しては,ウエブを通過した流体噴流が抵抗なく除去され
るものであればいかなるものであってもよいが,特に,
金網や合成繊維織物等からなる200メツシユ以下の多
孔性部材が好ましい。
部材上に載置した後,流体噴流により前記ウエブに流体
絡合処理を施して短繊維相互を三次元的に絡合させる。
本発明でいう流体絡合処理とは,孔径が0.05〜1.
0mmのオリフイスをオリフイス間距離0.5〜10m
mで1列又は複数列に複数個配設し,これらのオリフイ
スから高圧で柱状に噴出される流体噴流によりウエブの
構成繊維同士を絡合させるものである。流体としては,
常温の水あるいは熱水を使用することができる。また,
添加剤を混入した水を使用することもできる。流体噴流
を前記ウエブに衝突させるに際しては,前記オリフイス
が1列又は複数列に複数個配設されたオリフイスヘツド
を,多孔性支持部材上に載置された前記ウエブの進行方
向と直角の方向に,オリフイス間距離と同一距離の振幅
で往復運動させ,柱状流体噴流を均一に衝突させるとよ
い。この流体絡合処理は,少なくとも2回に分けて施す
とよい。第1回目の流体絡合処理は,圧力が30kg/
cm2 未満の流体噴流を使用し,同圧力の流体噴流を前
記ウエブに衝突させることにより,ウエブの構成繊維相
互を予備絡合させるものである。この圧力が30kg/
cm2 以上であるとウエブの構成繊維相互が絡合され
ず,しかも構成繊維が水流により乱れてしまい,ウエブ
に目付け斑が生じるので好ましくない。次いで,第2回
目の流体絡合処理を施す。第2回目の流体絡合処理は,
圧力が50kg/cm2 流体噴流を使用し,同圧力の流
体噴流を前記ウエブに衝突させることにより,第1回目
の流体絡合処理によりウエブに形成された構成繊維相互
の予備絡合をより強固なものにするためのものである。
この第2回目の処理では,圧力を50kg/cm2 以上
とするのが好ましく,圧力が50kg/cm2 未満であ
ると,構成繊維同士の絡合がより強固なものにならず,
不織布として使用するに際し十分な強力を得ることがで
きない。なお,さらに強固な絡合を必要とする場合に
は,前記第2回目の流体絡合処理を,同一条件で複数回
施すとよい。前記ウエブが載置される多孔性支持部材と
しては,ウエブを通過した流体噴流が抵抗なく除去され
るものであればいかなるものであってもよいが,特に,
金網や合成繊維織物等からなる200メツシユ以下の多
孔性部材が好ましい。
【0038】さらに,本発明の不織布を製造するに際し
ては,不織布中に残存する水分を乾燥除去した後,熱風
循環式乾燥機等の乾燥装置を用いて乾熱処理を施すこと
により,不織布の構成繊維に捲縮を発現させる。この捲
縮は,温度120℃で熱処理したとき捲縮数が60個/
25mm以上のものであり,これにより不織布に伸縮性
と嵩高性が付与される。本発明の不織布は,前記複合短
繊維からなるウエブに他の素材,例えば,コツトンのカ
ードウエブを重ねた積層ウエブに流体絡合処理を施した
ものも含むものである。
ては,不織布中に残存する水分を乾燥除去した後,熱風
循環式乾燥機等の乾燥装置を用いて乾熱処理を施すこと
により,不織布の構成繊維に捲縮を発現させる。この捲
縮は,温度120℃で熱処理したとき捲縮数が60個/
25mm以上のものであり,これにより不織布に伸縮性
と嵩高性が付与される。本発明の不織布は,前記複合短
繊維からなるウエブに他の素材,例えば,コツトンのカ
ードウエブを重ねた積層ウエブに流体絡合処理を施した
ものも含むものである。
【0039】
【実施例】次に,実施例に基づいて本発明を具体的に説
明する。なお,実施例における各種特性の測定及び評価
は,次の方法により実施した。重合体の融点:パーキン
エルマ社製示差走査型熱量計DSC−2型を用い,昇温
速度20℃/分で測定した融解吸収熱曲線の極値を与え
る温度を融点とした。メルトフローレート値:ASTM
D 1238(L) に記載の方法により測定した。繊
維の引張強伸度:東洋ボールドウイン社製テンシロンU
TM−4−1−100を用い,試料長20mmの試料を
引張速度20mm/分で測定した。繊維の乾熱収縮率
I:単繊維計15本を試料とし,各単繊維ごとに初荷重
2mg/デニール時の長さL1 (cm)を測定し,次い
でエアーオーブン型熱処理機中で120℃×15分間熱
処理した後の長さL2 (cm)を測定し,次式(e)に
より収縮率を算出し,その平均値を乾熱収縮率Iとし
た。 乾熱収縮率I(%)=(L1 −L2 )×100/L1 ・・・・・・・・・・・・(e) 繊維の乾熱収縮率II:単繊維計15本を試料とし,各単
繊維ごとに初荷重50mg/デニール時の長さL3 (c
m)を測定し,次いでエアーオーブン型熱処理機中で1
20℃×15分間熱処理した後の長さL4 (cm)を測
定し,次式(f)により収縮率を算出し,その平均値を
乾熱収縮率IIとした。 乾熱収縮率II(%)=(L3 −L4 )×100/L3 ・・・・・・・・・・・・(f) 不織布の引張強伸度:東洋ボールドウイン社製テンシロ
ンUTM−4−1−100を用い,JIS L−109
6Aに記載のストリツプ法にしたがい,試料幅2.5c
m,試料長10cmの試料片を引張速度10cm/分で
測定した。不織布の伸長弾性率:東洋ボールドウイン社
製テンシロンUTM−4−1−100を用い,JIS
L−1096 6.13.1Aに記載の方法にしたが
い,試料幅2.5cm,試料長10cmの試料片を引張
速度10cm/分で引張試験を実施し,伸度が20%時
点又は50%時点の一定伸びに対する回復伸びの比率か
ら求めた。不織布の見掛け密度:試料幅10cm,試料
長10cmの試料片を計5個準備し,各試料片ごとに目
付け(g/m2 )を測定した後,大栄科学精器製作所製
厚さ測定器を用いて,4.5g/cm2 の荷重を印加し
10秒放置した後の厚さ(mm)を測定し,次式(g)
により見掛け密度を算出し,その平均値を不織布の見掛
け密度とした。 見掛け密度(g/cm3 )=(目付け)×10-3/(厚さ) ・・・・・・・・(g) ニーイング:溶融紡糸時の紡糸孔部におけるニーイング
の発生を次の2段階で評価した。○:ニーイングの角度
が75°未満で,操業上問題とならない。×:ニーイン
グの角度が75°以上と大きく,操業上問題である。発
煙性:溶融紡糸時の紡糸口金部での発煙度合いを視覚判
定により次の4段階で評価した。◎:発煙が全く観察さ
れない。○:発煙がやや観察される。△:発煙が相当観
察されるが,操業上問題とならない。×:発煙が極めて
多く,発煙物が紡糸口金付近に堆積し,操業上問題であ
る。曵糸性:溶融紡糸時の曵糸性を糸切れの発生率によ
り次の3段階で評価した。○:糸切れが全く発生せず,
操業性が良好である。△:糸切れが24時間・紡糸錘数
16当たり1回発生。×:糸切れが24時間・紡糸錘数
16当たり2回以上発生し,操業上問題である。延伸
性:延伸性を糸切れ及び単糸切れの発生率により次の3
段階で評価した。○:糸切れや単糸切れが全く発生せ
ず,操業性が良好である。△:糸切れや単糸切れが24
時間当たり1回発生。×:糸切れや単糸切れが24時間
当たり2回以上発生し,操業上問題である。
明する。なお,実施例における各種特性の測定及び評価
は,次の方法により実施した。重合体の融点:パーキン
エルマ社製示差走査型熱量計DSC−2型を用い,昇温
速度20℃/分で測定した融解吸収熱曲線の極値を与え
る温度を融点とした。メルトフローレート値:ASTM
D 1238(L) に記載の方法により測定した。繊
維の引張強伸度:東洋ボールドウイン社製テンシロンU
TM−4−1−100を用い,試料長20mmの試料を
引張速度20mm/分で測定した。繊維の乾熱収縮率
I:単繊維計15本を試料とし,各単繊維ごとに初荷重
2mg/デニール時の長さL1 (cm)を測定し,次い
でエアーオーブン型熱処理機中で120℃×15分間熱
処理した後の長さL2 (cm)を測定し,次式(e)に
より収縮率を算出し,その平均値を乾熱収縮率Iとし
た。 乾熱収縮率I(%)=(L1 −L2 )×100/L1 ・・・・・・・・・・・・(e) 繊維の乾熱収縮率II:単繊維計15本を試料とし,各単
繊維ごとに初荷重50mg/デニール時の長さL3 (c
m)を測定し,次いでエアーオーブン型熱処理機中で1
20℃×15分間熱処理した後の長さL4 (cm)を測
定し,次式(f)により収縮率を算出し,その平均値を
乾熱収縮率IIとした。 乾熱収縮率II(%)=(L3 −L4 )×100/L3 ・・・・・・・・・・・・(f) 不織布の引張強伸度:東洋ボールドウイン社製テンシロ
ンUTM−4−1−100を用い,JIS L−109
6Aに記載のストリツプ法にしたがい,試料幅2.5c
m,試料長10cmの試料片を引張速度10cm/分で
測定した。不織布の伸長弾性率:東洋ボールドウイン社
製テンシロンUTM−4−1−100を用い,JIS
L−1096 6.13.1Aに記載の方法にしたが
い,試料幅2.5cm,試料長10cmの試料片を引張
速度10cm/分で引張試験を実施し,伸度が20%時
点又は50%時点の一定伸びに対する回復伸びの比率か
ら求めた。不織布の見掛け密度:試料幅10cm,試料
長10cmの試料片を計5個準備し,各試料片ごとに目
付け(g/m2 )を測定した後,大栄科学精器製作所製
厚さ測定器を用いて,4.5g/cm2 の荷重を印加し
10秒放置した後の厚さ(mm)を測定し,次式(g)
により見掛け密度を算出し,その平均値を不織布の見掛
け密度とした。 見掛け密度(g/cm3 )=(目付け)×10-3/(厚さ) ・・・・・・・・(g) ニーイング:溶融紡糸時の紡糸孔部におけるニーイング
の発生を次の2段階で評価した。○:ニーイングの角度
が75°未満で,操業上問題とならない。×:ニーイン
グの角度が75°以上と大きく,操業上問題である。発
煙性:溶融紡糸時の紡糸口金部での発煙度合いを視覚判
定により次の4段階で評価した。◎:発煙が全く観察さ
れない。○:発煙がやや観察される。△:発煙が相当観
察されるが,操業上問題とならない。×:発煙が極めて
多く,発煙物が紡糸口金付近に堆積し,操業上問題であ
る。曵糸性:溶融紡糸時の曵糸性を糸切れの発生率によ
り次の3段階で評価した。○:糸切れが全く発生せず,
操業性が良好である。△:糸切れが24時間・紡糸錘数
16当たり1回発生。×:糸切れが24時間・紡糸錘数
16当たり2回以上発生し,操業上問題である。延伸
性:延伸性を糸切れ及び単糸切れの発生率により次の3
段階で評価した。○:糸切れや単糸切れが全く発生せ
ず,操業性が良好である。△:糸切れや単糸切れが24
時間当たり1回発生。×:糸切れや単糸切れが24時間
当たり2回以上発生し,操業上問題である。
【0040】実施例1〜11及び比較例1〜9 表1に示したQ値とメルトフローレート値,融点を有
し,プロピレンとエチレンがランダム共重合されたポリ
プロピレン系共重合体を成分Aとし,表1に示したQ値
とメルトフローレート値,融点を有するポリプロピレン
重合体あるいはプロピレンとエチレンがランダム共重合
又はブロツク共重合されたポリプロピレン系共重合体を
成分Bとし,通常のエクストルーダ型溶融押出機で溶融
した後,紡糸孔径が0.5mm,孔数が300の紡糸口
金を用い,単孔吐出量を各々0.5g/分すなわち成分
Aと成分Bの複合比(B/A)(重量比)を1/1とし
て表2に示した組み合わせ及び紡糸温度条件で溶融紡出
し,引取速度1000m/分で引取って,並列型複合フ
イラメント糸の未延伸糸条を得た。得られた未延伸糸条
を複数本集束しトウとして熱延伸をした。延伸に際して
は,2段熱ローラ延伸機を用い,延伸条件を延伸速度1
00m/分,第1ローラ温度60℃,第2ローラ温度9
0℃,第3ローラ温度25℃とし,最大延伸倍率の80
%の延伸倍率で延伸を行った。延伸に連続して,延伸ト
ウをスタツフアボツクスに供給して14個/25mmの
捲縮を付与し仕上げ油剤を付与した後,温度70℃で乾
燥し,繊維長51mmに切断し,単繊維繊度が2デニー
ルの並列型複合短繊維の原綿を得た。次いで,得られた
原綿に,温度120℃で1分間の熱処理を施した。な
お,表1において,イ〜ホ,ヨ及びタは通常の単一重合
体,ヘ〜オ及びカはランダム共重合体,ワはブロツク共
重合体である。複合短繊維を構成する重合体成分の組み
合わせ及び紡糸温度条件を表2に,得られた原綿の特性
と曵糸性,延伸性の結果を表3に,原綿及び熱処理を施
した綿の微細構造の測定結果を表4及び表5に示す。
し,プロピレンとエチレンがランダム共重合されたポリ
プロピレン系共重合体を成分Aとし,表1に示したQ値
とメルトフローレート値,融点を有するポリプロピレン
重合体あるいはプロピレンとエチレンがランダム共重合
又はブロツク共重合されたポリプロピレン系共重合体を
成分Bとし,通常のエクストルーダ型溶融押出機で溶融
した後,紡糸孔径が0.5mm,孔数が300の紡糸口
金を用い,単孔吐出量を各々0.5g/分すなわち成分
Aと成分Bの複合比(B/A)(重量比)を1/1とし
て表2に示した組み合わせ及び紡糸温度条件で溶融紡出
し,引取速度1000m/分で引取って,並列型複合フ
イラメント糸の未延伸糸条を得た。得られた未延伸糸条
を複数本集束しトウとして熱延伸をした。延伸に際して
は,2段熱ローラ延伸機を用い,延伸条件を延伸速度1
00m/分,第1ローラ温度60℃,第2ローラ温度9
0℃,第3ローラ温度25℃とし,最大延伸倍率の80
%の延伸倍率で延伸を行った。延伸に連続して,延伸ト
ウをスタツフアボツクスに供給して14個/25mmの
捲縮を付与し仕上げ油剤を付与した後,温度70℃で乾
燥し,繊維長51mmに切断し,単繊維繊度が2デニー
ルの並列型複合短繊維の原綿を得た。次いで,得られた
原綿に,温度120℃で1分間の熱処理を施した。な
お,表1において,イ〜ホ,ヨ及びタは通常の単一重合
体,ヘ〜オ及びカはランダム共重合体,ワはブロツク共
重合体である。複合短繊維を構成する重合体成分の組み
合わせ及び紡糸温度条件を表2に,得られた原綿の特性
と曵糸性,延伸性の結果を表3に,原綿及び熱処理を施
した綿の微細構造の測定結果を表4及び表5に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】表2及び表3から明らかなように,本発明
の要件を満足する原綿は,温度120℃及び初荷重2m
g条件における乾熱収縮率が35%以上で,かつ温度1
20℃で熱処理後の捲縮数が60個/25mm以上であ
り,高収縮性と高捲縮性を有するものであった。また,
短繊維のメルトフローレート値が15g/10分以上4
5g/10分以下であり,曵糸性と延伸性とも良好であ
った。比較例1では,重合体成分Aと重合体成分Bの溶
融後のメルトフローレート値比(B/A)が6/1を超
えているため溶融紡糸時の紡糸孔部におけるニーイング
が強く発生し,曵糸性が低下した。比較例2では,溶融
後のメルトフローレート値比が1/1未満であり曵糸性
は良好であるものの,乾熱収縮率が低下した。比較例3
では,エチレンのランダム共重合量が少なく,乾熱収縮
率が低下した。比較例4では,曵糸性が劣るブロツク共
重合体を重合体成分Bとして用いているため,重合体成
分Aと複合しているにもかかわらず曵糸性が低下した。
比較例5では,短繊維のメルトフローレート値が45g
/10分以上でありポリプロピレン系重合体の重合度が
低すぎて分解するため多量のガスが発生し,紡糸室の環
境が悪化した。比較例6及び7では,短繊維のメルトフ
ローレート値が15g/10分未満であり,曵糸性と延
伸性が低下し,しかも紡糸温度を高く設定しなければな
らなかったためポリプロピレン系重合体が分解して多量
のガスが発生し,紡糸室の環境が悪化した。比較例8で
は,重合体成分BのQ値が高く,溶融紡糸時の糸条冷却
が悪くなって曵糸性が低下した。比較例9では,重合体
成分BのQ値が低く,延伸性が低下し,しかも得られた
短繊維は,温度120℃及び初荷重2mg条件における
乾熱収縮率及び温度120℃で熱処理後の捲縮数がいず
れも低いものであった。また,表5に示した繊維の微細
構造の測定結果から明らかなように,熱処理前の長周期
が大きい比較例2及び結晶体積が大きい比較例3では,
乾熱収縮率が低く捲縮特性が十分発揮されなかった。
の要件を満足する原綿は,温度120℃及び初荷重2m
g条件における乾熱収縮率が35%以上で,かつ温度1
20℃で熱処理後の捲縮数が60個/25mm以上であ
り,高収縮性と高捲縮性を有するものであった。また,
短繊維のメルトフローレート値が15g/10分以上4
5g/10分以下であり,曵糸性と延伸性とも良好であ
った。比較例1では,重合体成分Aと重合体成分Bの溶
融後のメルトフローレート値比(B/A)が6/1を超
えているため溶融紡糸時の紡糸孔部におけるニーイング
が強く発生し,曵糸性が低下した。比較例2では,溶融
後のメルトフローレート値比が1/1未満であり曵糸性
は良好であるものの,乾熱収縮率が低下した。比較例3
では,エチレンのランダム共重合量が少なく,乾熱収縮
率が低下した。比較例4では,曵糸性が劣るブロツク共
重合体を重合体成分Bとして用いているため,重合体成
分Aと複合しているにもかかわらず曵糸性が低下した。
比較例5では,短繊維のメルトフローレート値が45g
/10分以上でありポリプロピレン系重合体の重合度が
低すぎて分解するため多量のガスが発生し,紡糸室の環
境が悪化した。比較例6及び7では,短繊維のメルトフ
ローレート値が15g/10分未満であり,曵糸性と延
伸性が低下し,しかも紡糸温度を高く設定しなければな
らなかったためポリプロピレン系重合体が分解して多量
のガスが発生し,紡糸室の環境が悪化した。比較例8で
は,重合体成分BのQ値が高く,溶融紡糸時の糸条冷却
が悪くなって曵糸性が低下した。比較例9では,重合体
成分BのQ値が低く,延伸性が低下し,しかも得られた
短繊維は,温度120℃及び初荷重2mg条件における
乾熱収縮率及び温度120℃で熱処理後の捲縮数がいず
れも低いものであった。また,表5に示した繊維の微細
構造の測定結果から明らかなように,熱処理前の長周期
が大きい比較例2及び結晶体積が大きい比較例3では,
乾熱収縮率が低く捲縮特性が十分発揮されなかった。
【0047】実施例12〜18及び比較例10と11 表6に示した紡糸孔径の紡糸口金を用い,単孔吐出量を
表6に示したように設定した以外は,実施例3と同様に
して,並列型複合フイラメント糸を溶融紡出した。得ら
れた結果を表6に示す。
表6に示したように設定した以外は,実施例3と同様に
して,並列型複合フイラメント糸を溶融紡出した。得ら
れた結果を表6に示す。
【0048】
【表6】
【0049】表6から明らかなように,重合体成分Aと
重合体成分Bの吐出線速度が2〜10m/分であると
き,良好な曵糸性と延伸性を得ることができた。
重合体成分Bの吐出線速度が2〜10m/分であると
き,良好な曵糸性と延伸性を得ることができた。
【0050】実施例19〜21及び比較例12〜14 表7に示したように,前記実施例及び比較例で得られた
原綿をカーデイング機に供給して表7に示した目付けの
ウエブを作成し,90メツシユのエンドレスの金網から
なり,かつ速度が2m/分で移動するコンベア上に移
し,このウエブに第1回目の流体絡合処理を施した。第
1回目の流体絡合処理条件は,流体として水を採用し,
孔径が0.1mm,オリフイス間距離が1mmのオリフ
イスを横1列に配設したオリフイスヘツドを使用し,オ
リフイス面とウエブ間の距離を5cm,オリフイスヘツ
ドの移動振幅を横方向に1mm,周期を10往復/秒,
水噴流の水圧を20kg/cm2 とした。第1回目の流
体絡合処理に引き続き,ウエブに第2回目の流体絡合処
理を施した。第2回目の流体絡合処理条件は,流体とし
て水を採用し,孔径が0.125mm,オリフイス間距
離が1mmのオリフイスを横2列に配設したオリフイス
ヘツドを使用し,オリフイス面とウエブ間の距離を5c
m,オリフイスヘツドの移動振幅を横方向に1mm,周
期を10往復/秒,水噴流の水圧を75kg/cm2 と
した。なお,前記オリフイスヘツドにおいて,2列目の
オリフイスは,1列目の隣接する各オリフイス間の中点
から縦方向に延長した各線上に存在し,1列目と2列目
は幾何学的に平行に配設されている。前記第2回目の流
体絡合処理の後,第2回目の流体絡合処理と同一条件で
第3回目の流体絡合処理を施し,熱風循環式乾燥機を用
い温度120℃で1分間熱処理して不織布を製造した。
得られた不織布の性能を表7に,その微細構造の測定結
果を表8示す。
原綿をカーデイング機に供給して表7に示した目付けの
ウエブを作成し,90メツシユのエンドレスの金網から
なり,かつ速度が2m/分で移動するコンベア上に移
し,このウエブに第1回目の流体絡合処理を施した。第
1回目の流体絡合処理条件は,流体として水を採用し,
孔径が0.1mm,オリフイス間距離が1mmのオリフ
イスを横1列に配設したオリフイスヘツドを使用し,オ
リフイス面とウエブ間の距離を5cm,オリフイスヘツ
ドの移動振幅を横方向に1mm,周期を10往復/秒,
水噴流の水圧を20kg/cm2 とした。第1回目の流
体絡合処理に引き続き,ウエブに第2回目の流体絡合処
理を施した。第2回目の流体絡合処理条件は,流体とし
て水を採用し,孔径が0.125mm,オリフイス間距
離が1mmのオリフイスを横2列に配設したオリフイス
ヘツドを使用し,オリフイス面とウエブ間の距離を5c
m,オリフイスヘツドの移動振幅を横方向に1mm,周
期を10往復/秒,水噴流の水圧を75kg/cm2 と
した。なお,前記オリフイスヘツドにおいて,2列目の
オリフイスは,1列目の隣接する各オリフイス間の中点
から縦方向に延長した各線上に存在し,1列目と2列目
は幾何学的に平行に配設されている。前記第2回目の流
体絡合処理の後,第2回目の流体絡合処理と同一条件で
第3回目の流体絡合処理を施し,熱風循環式乾燥機を用
い温度120℃で1分間熱処理して不織布を製造した。
得られた不織布の性能を表7に,その微細構造の測定結
果を表8示す。
【0051】
【表7】
【0052】
【表8】
【0053】表7から明らかなように,本発明の要件を
満足する不織布は,見掛け密度が0.10g/cm3 以
下で極めて嵩高性に優れ,しかも不織布の引張強力測定
における20%及び50%伸長時の伸長弾性率が縦横方
向共40%以上であって,極めて形態安定性に優れたも
のであった。比較例12〜14では,いずれも50%伸
長時の伸長弾性率が縦横方向共40%未満であり,十分
な伸縮特性を有さないものであった。また,表8に示し
た不織布の微細構造の測定結果から明らかなように,熱
処理前の長周期が大きい比較例13及び結晶体積が大き
い比較例14では,伸縮特性が不十分であった。
満足する不織布は,見掛け密度が0.10g/cm3 以
下で極めて嵩高性に優れ,しかも不織布の引張強力測定
における20%及び50%伸長時の伸長弾性率が縦横方
向共40%以上であって,極めて形態安定性に優れたも
のであった。比較例12〜14では,いずれも50%伸
長時の伸長弾性率が縦横方向共40%未満であり,十分
な伸縮特性を有さないものであった。また,表8に示し
た不織布の微細構造の測定結果から明らかなように,熱
処理前の長周期が大きい比較例13及び結晶体積が大き
い比較例14では,伸縮特性が不十分であった。
【0054】実施例22及び23 表1に示したポリプロピレン系共重合体チを成分Aと
し,表1に示したポリプロピレン重合体ハ及びタを成分
Bとし,実施例1と同様にして,並列型複合フイラメン
ト糸の未延伸糸条を得た。得られた未延伸糸条を複数本
集束しトウとして熱延伸をした。延伸に際しては,2段
熱ローラ延伸機を用い,延伸条件を延伸速度100m/
分,第1ローラ温度55℃,第2ローラ温度85℃,第
3ローラ温度25℃とし,最大延伸倍率の80%の延伸
倍率で延伸を行った。延伸に連続して,延伸トウをギヤ
型リールにより引取り,仕上げ油剤を付与した後,温度
80℃で乾燥し,繊維長51mmに切断し,単繊維繊度
が2デニールの並列型複合短繊維の原綿を得た。複合短
繊維を構成する重合体成分の組み合わせ及び紡糸温度条
件を表9に,得られた原綿の特性と曵糸性,延伸性の結
果を表10に示す。
し,表1に示したポリプロピレン重合体ハ及びタを成分
Bとし,実施例1と同様にして,並列型複合フイラメン
ト糸の未延伸糸条を得た。得られた未延伸糸条を複数本
集束しトウとして熱延伸をした。延伸に際しては,2段
熱ローラ延伸機を用い,延伸条件を延伸速度100m/
分,第1ローラ温度55℃,第2ローラ温度85℃,第
3ローラ温度25℃とし,最大延伸倍率の80%の延伸
倍率で延伸を行った。延伸に連続して,延伸トウをギヤ
型リールにより引取り,仕上げ油剤を付与した後,温度
80℃で乾燥し,繊維長51mmに切断し,単繊維繊度
が2デニールの並列型複合短繊維の原綿を得た。複合短
繊維を構成する重合体成分の組み合わせ及び紡糸温度条
件を表9に,得られた原綿の特性と曵糸性,延伸性の結
果を表10に示す。
【0055】
【表9】
【0056】
【表10】
【0057】表9及び表10から明らかなように,本発
明の要件を満足する原綿は,温度120℃及び初荷重2
mg条件における乾熱収縮率が41%,かつ温度120
℃で熱処理後の捲縮数が83個/25mmであり,高収
縮性と高捲縮性を有するものであった。また,短繊維の
メルトフローレート値が28g/10分であり,曵糸性
と延伸性とも良好であった。しかも,スタツフアボツク
スを用いなくても複合繊維に顕在捲縮を十分発現させる
ことができ,また,カード通過性も良好であった。な
お,実施例23では,溶融紡糸後の重合体成分BのQ値
が低く,延伸性がやや低下し,しかも得られた短繊維
は,温度120℃及び初荷重2mg条件における乾熱収
縮率と温度120℃で熱処理後の捲縮数がいずれもやや
低いものであった。
明の要件を満足する原綿は,温度120℃及び初荷重2
mg条件における乾熱収縮率が41%,かつ温度120
℃で熱処理後の捲縮数が83個/25mmであり,高収
縮性と高捲縮性を有するものであった。また,短繊維の
メルトフローレート値が28g/10分であり,曵糸性
と延伸性とも良好であった。しかも,スタツフアボツク
スを用いなくても複合繊維に顕在捲縮を十分発現させる
ことができ,また,カード通過性も良好であった。な
お,実施例23では,溶融紡糸後の重合体成分BのQ値
が低く,延伸性がやや低下し,しかも得られた短繊維
は,温度120℃及び初荷重2mg条件における乾熱収
縮率と温度120℃で熱処理後の捲縮数がいずれもやや
低いものであった。
【0058】
【発明の効果】本発明の複合短繊維は,前記特定のポリ
プロピレン系共重合体から構成されるものであり,高収
縮性,高捲縮性,かつ高強度を有するものである。そし
て,この複合短繊維から構成される不織布は,伸縮性,
嵩高性,柔軟性に優れ,特に医療衛生材用素材として好
適に使用することができる。
プロピレン系共重合体から構成されるものであり,高収
縮性,高捲縮性,かつ高強度を有するものである。そし
て,この複合短繊維から構成される不織布は,伸縮性,
嵩高性,柔軟性に優れ,特に医療衛生材用素材として好
適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲かせ▼谷 敏 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 野口 信夫 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内
Claims (6)
- 【請求項1】 92重量%以上97重量%以下のプロピ
レンと3重量%以上8重量%以下のエチレンがランダム
共重合されたポリプロピレン系共重合体成分Aと,97
重量%以上100重量%以下のプロピレンと0重量%以
上3重量%以下のエチレンが共重合されたポリプロピレ
ン系共重合体成分Bとから構成された複合短繊維であっ
て,該複合短繊維のメルトフローレート値が15g/1
0分以上45g/10分以下,温度120℃及び初荷重
2mg条件における乾熱収縮率が35%以上,温度12
0℃で熱処理後の捲縮数が60個/25mm以上,単繊
維繊度が6デニール以下,かつ強度が3g/デニール以
上であることを特徴とするポリプロピレン系複合短繊
維。 - 【請求項2】 92重量%以上97重量%以下のプロピ
レンと3重量%以上8重量%以下のエチレンがランダム
共重合され,かつQ値(重量平均分子量/数平均分子
量)が8以下のポリプロピレン系共重合体成分Aと,9
7重量%以上100重量%以下のプロピレンと0重量%
以上3重量%以下のエチレンが共重合され,かつQ値
(重量平均分子量/数平均分子量)が5以上8以下のポ
リプロピレン系共重合体成分Bとから構成された複合短
繊維であって,該複合短繊維のメルトフローレート値が
15g/10分以上45g/10分以下,温度120℃
及び初荷重2mg条件における乾熱収縮率が35%以
上,温度120℃で熱処理後の捲縮数が60個/25m
m以上,単繊維繊度が6デニール以下,かつ強度が3g
/デニール以上であることを特徴とするポリプロピレン
系複合短繊維。 - 【請求項3】 92重量%以上97重量%以下のプロピ
レンと3重量%以上8重量%以下のエチレンがランダム
共重合され,かつQ値(重量平均分子量/数平均分子
量)が8以下のポリプロピレン系共重合体成分Aと,9
7重量%以上100重量%以下のプロピレンと0重量%
以上3重量%以下のエチレンが共重合され,かつQ値
(重量平均分子量/数平均分子量)が5以上8以下のポ
リプロピレン系共重合体成分Bとから構成された複合短
繊維であって,該複合短繊維のメルトフローレート値が
15g/10分以上45g/10分以下,温度120℃
及び初荷重2mg条件における乾熱収縮率が35%以
上,温度120℃で熱処理後の捲縮数が60個/25m
m以上,単繊維繊度が6デニール以下,強度が3g/デ
ニール以上,かつ下記条件(1)〜(6)を満足するこ
とを特徴とするポリプロピレン系複合短繊維。 (1)熱処理前の複合短繊維の共重合体成分A部分の複
屈折と共重合体成分B部分の複屈折が共に0.02以上
であること, (2)広角X線回折法により測定される熱処理前の複合
短繊維の結晶体積が100000Å3 以下であること, (3)小角X線散乱法により測定される熱処理前の複合
短繊維の長周期が130Å未満であること, (4)熱処理後の複合短繊維の共重合体成分A部分の複
屈折と共重合体成分B部分の複屈折が共に上記熱処理前
の複合短繊維の共重合体成分A部分の複屈折と共重合体
成分B部分の複屈折よりそれぞれ低いこと, (5)広角X線回折法により測定される熱処理後の複合
短繊維の結晶体積が200000Å3 以上であること, (6)小角X線散乱法により測定される熱処理後の複合
短繊維の長周期が130Å以上であること。 - 【請求項4】 92重量%以上97重量%以下のプロピ
レンと3重量%以上8重量%以下のエチレンがランダム
共重合されたポリプロピレン系共重合体成分Aと,97
重量%以上100重量%以下のプロピレンと0重量%以
上3重量%以下のエチレンが共重合されたポリプロピレ
ン系共重合体成分Bとから構成された単繊維繊度が6デ
ニール以下,かつ強度が3g/デニール以上の複合短繊
維50重量%以上からなる不織布であって,該不織布を
構成する前記複合短繊維相互が三次元的に絡合してお
り,見掛け密度が0.10g/cm3 以下,目付けが1
0g/m2 以上150g/m2 以下,かつ不織布の引張
強力測定における20%及び50%伸長時の伸長弾性率
が縦横方向共40%以上であることを特徴とする不織
布。 - 【請求項5】 92重量%以上97重量%以下のプロピ
レンと3重量%以上8重量%以下のエチレンがランダム
共重合され,かつQ値(重量平均分子量/数平均分子
量)が8以下のポリプロピレン系共重合体成分Aと,9
7重量%以上100重量%以下のプロピレンと0重量%
以上3重量%以下のエチレンが共重合され,かつQ値
(重量平均分子量/数平均分子量)が5以上8以下のポ
リプロピレン系共重合体成分Bとから構成された単繊維
繊度が6デニール以下,かつ強度が3g/デニール以上
の複合短繊維50重量%以上からなる不織布であって,
該不織布を構成する前記複合短繊維相互が三次元的に絡
合しており,見掛け密度が0.10g/cm3 以下,目
付けが10g/m2 以上150g/m2 以下,かつ不織
布の引張強力測定における20%及び50%伸長時の伸
長弾性率が縦横方向共40%以上であることを特徴とす
る不織布。 - 【請求項6】 92重量%以上97重量%以下のプロピ
レンと3重量%以上8重量%以下のエチレンがランダム
共重合され,かつQ値(重量平均分子量/数平均分子
量)が8以下のポリプロピレン系共重合体成分Aと,9
7重量%以上100重量%以下のプロピレンと0重量%
以上3重量%以下のエチレンが共重合され,かつQ値
(重量平均分子量/数平均分子量)が5以上8以下のポ
リプロピレン系共重合体成分Bとから構成された単繊維
繊度が6デニール以下,強度が3g/デニール以上,か
つ下記条件(1)〜(6)を満足する複合短繊維50重
量%以上からなる不織布であって,該不織布を構成する
前記複合短繊維相互が三次元的に絡合しており,見掛け
密度が0.10g/cm3 以下,目付けが10g/m2
以上150g/m2 以下,かつ不織布の引張強力測定に
おける20%及び50%伸長時の伸長弾性率が縦横方向
共40%以上であることを特徴とする不織布。 (1)熱処理前の複合短繊維の共重合体成分A部分の複
屈折と共重合体成分B部分の複屈折が共に0.02以上
であること, (2)広角X線回折法により測定される熱処理前の複合
短繊維の結晶体積が100000Å3 以下であること, (3)小角X線散乱法により測定される熱処理前の複合
短繊維の長周期が130Å未満であること, (4)熱処理後の複合短繊維の共重合体成分A部分の複
屈折と共重合体成分B部分の複屈折が共に上記熱処理前
の複合短繊維の共重合体成分A部分の複屈折と共重合体
成分B部分の複屈折よりそれぞれ低いこと, (5)広角X線回折法により測定される熱処理後の複合
短繊維の結晶体積が200000Å3 以上であること, (6)小角X線散乱法により測定される熱処理後の複合
短繊維の長周期が130Å以上であること。
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JP2-228937 | 1990-08-29 | ||
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JP24481791A Expired - Fee Related JP2955406B2 (ja) | 1990-08-29 | 1991-08-29 | ポリプロピレン系複合短繊維及びその不織布 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1119434A (ja) * | 1997-06-30 | 1999-01-26 | Chisso Corp | 不織布及びそれを用いたフィルター |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1991
- 1991-08-29 JP JP24481791A patent/JP2955406B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR101242449B1 (ko) * | 2008-05-19 | 2013-03-12 | 이에스 화이바비젼즈 가부시키가이샤 | 에어레이드 부직포 제조용 복합 섬유 및 고밀도 에어레이드 부직포의 제조 방법 |
US10533271B2 (en) | 2008-05-19 | 2020-01-14 | Es Fibervisions Co., Ltd. | Conjugate fiber for air-laid nonwoven fabric manufacture and method for manufacturing a high-density air-laid nonwoven fabric |
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