JP2002146631A - ポリオレフィン系繊維とこれを用いた不織布及び吸収性物品 - Google Patents

ポリオレフィン系繊維とこれを用いた不織布及び吸収性物品

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Abstract

(57)【要約】 【課題】紡糸性、不織布加工性等の操業性に優れ、繊維
の均一性が良好で繊度斑が少ないポリオレフィン系繊
維、及びこの繊維を用いて得られる柔軟性や肌触りなど
の風合いに優れた不織布等を提供すること。 【解決手段】プロピレンホモポリマー成分(I)と、プ
ロピレン−α−オレフィンランダムコポリマー成分(I
I)とのブロック共重合体であるプロピレン系ブロック
共重合体からなるポリオレフィン系繊維であって、繊維
横断面において該プロピレン−α−オレフィンランダム
コポリマー成分(II)が島状または層状に分散し、かつ
繊維縦断面において該プロピレン−α−オレフィンラン
ダムコポリマー成分(II)が繊維軸方向に沿って走行分
散しており、前記繊維横断面の島状に分散しているプロ
ピレン−α−オレフィンランダムコポリマー成分(II)
の最大径または層状に分散しているプロピレン−α−オ
レフィンランダムコポリマー成分(II)の最大厚みが
1.5μm以下であることを特徴とするポリオレフィン
系繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
繊維とこれを用いた不織布及び吸収性物品に関する。さ
らに詳しくは、熱融着不織布加工時の加工適性や、柔軟
性や肌触りなどの風合に優れたポリオレフィン系繊維と
これを用いた不織布及び吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ポリエステル繊維の原料とし
て用いられているポリエチレンテレフタレート(PE
T)に比べ、樹脂の曲げ弾性率が低いポリオレフィン樹
脂を原料とするポリオレフィン系繊維は、風合に優れた
不織布が得られるため、衛生材料を中心に様々な分野に
用いられてきた。
【0003】ポリオレフィン系繊維としては、ポリプロ
ピレンやポリエチレン等のポリオレフィン樹脂からなる
単一繊維だけでなく、これらポリオレフィン樹脂と他の
樹脂とからなる複合繊維も種々用いられている。これら
ポリオレフィン系繊維は、性能をより向上させるため
に、様々な改良が加えられてきた。例えば不織布の風合
いの向上を目的に、ホモのポリプロピレンに代えて、プ
ロピレンとエチレンとからなるプロピレン系ランダム共
重合体を原料樹脂として、ポリオレフィン系繊維を製造
する等の改良が行われていた。この原料樹脂であるプロ
ピレン系ランダム共重合体は、ホモのポリプロピレンの
存在下にプロピレンとエチレンとを共重合していること
から、非晶性であるエチレンプロピレンラバー成分(以
下、EPR成分という)がポリプロピレン成分中にラン
ダムに形成された組成となっており、その物性は、元の
ポリプロピレンよりも結晶性(結晶化度及び結晶化温
度)、及び曲げ弾性が低下している。
【0004】しかしながら、これらの従来公知のプロピ
レン系ランダム共重合体から製造された繊維を用いるこ
とで、それから製造された熱融着不織布の風合いを良好
にできるという反面、プロピレン系ランダム共重合体の
樹脂成分中にランダムに形成された、粘着性の高いEP
R成分が繊維表面に露出するため、繊維の平滑性が低下
してしまうという欠点を有していた。
【0005】さらにプロピレン系ランダム共重合体を用
いると結晶性が低いことから、その結晶化温度も低く、
これにより、溶融紡糸時に紡糸ノズル孔から吐出した溶
融状態の糸条が結晶化し固化するまでの距離が長くなる
傾向、すなわち固化長が増大する傾向にある。また、固
化長の増大により糸条は、冷却空気流や随伴空気流など
による糸条の揺れの影響を受けやすくなり、繊維同士の
膠着や融着が発生したり、さらには繊維の切れが発生す
るようになるのである。
【0006】一方、繊維表面の平滑性の低さは、溶融紡
糸時の繊維接触による相互間の摩擦を高め、繊度斑を大
きくするという問題を発生させる。さらに不織布加工に
おいて、繊維表面の平滑性の低さは、開繊工程での繊維
相互間の接触によって繊維塊を発生させ、斑の多い不均
一な不織布が生産されるという問題を引き起こすのであ
る。
【0007】すなわち、風合いを向上させるために、従
来公知のプロピレン系ランダム共重合体を用いると、繊
度斑が大きくなる傾向があり、また、低い結晶化温度の
ために溶融状態のままでの糸条が接触し、繊維相互間の
膠着や融着、さらには糸切れの発生等の操業性悪化とい
う問題を発生させるのである。また、前記したような膠
着や融着、繊度斑、繊維塊の発生により、得られた繊維
を用いた不織布等の布帛の風合い向上の効果が低下する
という問題も発生するのである。また、このような従来
公知のプロピレン系ランダム共重合体を用いたポリオレ
フィン系繊維は、α−オレフィンの導入された部分がE
PR成分となり、それがポリマー中にランダムに分散す
ることで、これが繊維表面に露出した場合に、繊維表面
の平滑性の欠如あるいは、極端な言い方をすれば繊維表
面の粘着性が内在したものとなるのである。
【0008】また、特開平5−263350号公報に
は、エチレン−プロピレンランダム共重合体を用いて柔
軟性を向上させ、さらに造核剤を添加することで結晶化
温度を上昇させ上述した繊度斑や開繊性不良、糸切れに
よる操業性の悪さを改善した長繊維不織布が開示されて
いる。しかしながら、前記エチレン−プロピレンランダ
ム共重合体に造核剤として強い造核作用を呈する3−メ
チル−1−ブテン重合体を添加するため、溶融張力が増
大し、エチレン−プロピレンランダム共重合体の配向結
晶化が促進される。その結果、得られた繊維の曲げ弾性
率が、従来のポリプロピレンより製造した繊維とほぼ同
等となり、これにより、エチレン−プロピレンランダム
共重合体の持つ柔軟性が低下する。そのため、柔軟性や
肌触りなどの風合いの点で、従来のポリプロピレンより
製造した繊維からなる不織布と大差ない不織布しか得ら
れていなかった。
【0009】このように、従来のプロピレン系ランダム
共重合体より製造された繊維は、繊度斑、紡糸時の操業
性、不織布加工機での通過性や開繊性が不充分であり、
さらにこの繊維を用いた不織布は、均一性、風合いにお
いて、充分ではなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決するためになされたものであり、紡糸性、不織布
加工性等の操業性に優れ、繊維の均一性が良好で繊度斑
が少ないポリオレフィン系繊維、及びこの繊維を用いて
得られる柔軟性や肌触りなどの風合いに優れた不織布及
び該不織布を用いた吸収性物品を提供することを目的と
するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた。その結果、プロピレンホモポリマー成分
(I)と、プロピレン−α−オレフィンランダムコポリ
マー成分(II)とのブロック共重合体であるプロピレン
系ブロック共重合体からなる樹脂を用い、溶融紡糸法な
どで繊維化することにより、風合いが非常にソフトでし
かも粘着性の低い平滑性に優れた繊維が得られ、この繊
維を用いることで、柔軟性や肌触りなどの風合いのよい
不織布が得られ、該不織布を用いると柔軟性や肌触りな
どの風合いのよい吸収性物品が得られることを見通し、
この知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
【0012】本発明は以下の構成を有する。 (1)プロピレンホモポリマー成分(I)と、プロピレ
ン−α−オレフィンランダムコポリマー成分(II)との
ブロック共重合体であるプロピレン系ブロック共重合体
からなるポリオレフィン系繊維であって、繊維横断面に
おいて該プロピレン−α−オレフィンランダムコポリマ
ー成分(II)が島状または層状に分散し、かつ繊維縦断
面において該プロピレン−α−オレフィンランダムコポ
リマー成分(II)が繊維軸方向に沿って走行分散してお
り、前記繊維横断面の島状に分散しているプロピレン−
α−オレフィンランダムコポリマー成分(II)の最大径
または層状に分散しているプロピレン−α−オレフィン
ランダムコポリマー成分(II)の最大厚みが1.5μm
以下であることを特徴とするポリオレフィン系繊維。
【0013】(2)プロピレン系ブロック共重合体のα
−オレフィンが、エチレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン及び1−オクテンから選ばれた少なく
とも1種である前記(1)項記載のポリオレフィン系繊
維。
【0014】(3)α−オレフィンが、エチレンであ
り、かつエチレン−プロピレンランダムコポリマーがエ
チレン重合単位をエチレン−プロピレンランダムコポリ
マー成分の重量基準で25〜65%含有し、さらにエチ
レン−プロピレンランダムコポリマー成分をプロピレン
系ブロック共重合体の重量基準で10〜80%含有する
プロピレン系ブロック共重合体である前記(1)項記載
のポリオレフィン系繊維。
【0015】(4)前記(1)〜(3)項の何れか1項
記載のポリオレフィン系繊維が、プロピレン系ブロック
共重合体を少なくとも一部に用いた、該ブロック共重合
体以外の熱可塑性樹脂との2成分以上からなるポリオレ
フィン系複合繊維であることを特徴とするポリオレフィ
ン系繊維。
【0016】(5)前記(1)〜(4)項の何れか1項
記載のポリオレフィン系繊維を少なくとも一部に用いた
不織布。
【0017】(6)スパンボンド法を用いて得られた前
記(5)項記載の不織布。
【0018】(7)メルトブロー法を用いて得られた前
記(5)項記載の不織布。
【0019】(8)前記(5)〜(7)項の何れか1項
記載の不織布を少なくとも一部に用いた吸収性物品。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0021】本発明のポリオレフィン系繊維には、後記
する特定のプロピレン系ブロック共重合体が使用され
る。この特定のプロピレン系ブロック共重合体とは、プ
ロピレンホモポリマー成分(I)とポリプロピレン−α
−オレフィンランダムコポリマー成分(II)とのブロッ
ク共重合体からなり、このプロピレン系ブロック共重合
体を用いて得られた繊維は、繊維横断面において、プロ
ピレン−α−オレフィンランダムコポリマー成分(II)
が島状または層状に分散している。また、繊維縦断面に
おいて、プロピレン−α−オレフィンランダムコポリマ
ー成分(II)が繊維軸方向(繊維長さ方向)に沿って走
行分散している。しかも、前記繊維横断面の島状に分散
しているプロピレン−α−オレフィンランダムコポリマ
ー成分(II)の最大径または層状に分散しているポリプ
ロピレン−α−オレフィンランダムコポリマー成分(I
I)の最大厚みが1.5μm以下の繊維である。
【0022】本発明のポリオレフィン系繊維は、プロピ
レンホモポリマー成分(I)と、ポリプロピレン−α−
オレフィンランダムコポリマー成分(II)とのブロック
共重合体が繊維化されたものである。また、プロピレン
ホモポリマー成分(I)とプロピレン−α−オレフィン
ランダムコポリマー成分(II)とのブロック共重合体に
は、プロピレンホモポリマー成分(I)とプロピレン−
α−オレフィンランダムコポリマー成分(II)とが混合
および/または結合された樹脂を含んでいる。
【0023】本発明のポリオレフィン系繊維は、繊維縦
断面においてポリプロピレン−α−オレフィンランダム
コポリマー成分(II)が前記の様に繊維軸方向に沿って
走行分散している。しかも繊維表面には、プロピレンホ
モポリマー成分(I)だけが露出しており、その内部で
はプロピレンホモポリマー成分(I)を海成分としてプ
ロピレン−α−オレフィンランダムコポリマー成分(I
I)が前記の様に分散している。言い替えれば、プロピ
レン−α−オレフィンランダムコポリマー成分(II)が
繊維表面に露出していない海島構造の横断面を有してい
るのである。本発明のポリオレフィン系繊維は、プロピ
レンホモポリマー成分(I)中に分散しているプロピレ
ン−α−オレフィンランダムコポリマー成分(II)の最
大径または最大厚みが1.5μm以下であり、結晶化温
度の高いプロピレンホモポリマー成分(I)が露出して
いるので、従来公知のプロピレン系ランダム共重合体と
比べて、膠着や融着がなく、表面平滑性にも優れてい
る。また、並列型、鞘芯型などの複合繊維の1成分とし
てプロピレン系ブロック共重合体が繊維表面の少なくと
も一部を形成する場合であっても同様の効果がある。
【0024】以下、プロピレン−α−オレフィンランダ
ムコポリマー成分(II)の分散状態を図面で更に詳しく
説明する。本発明のポリオレフィン系繊維1のキシレン
処理した横断面を観察した模式図を図1,図2に示す。
本発明のポリオレフィン系繊維1のキシレン処理した縦
断面を観察した模式図を図3,図4に示した。また、本
発明のポリオレフィン系繊維1のキシレン処理した横断
面の一部を示す電子顕微鏡写真を図5として示し、さら
に、本発明のポリオレフィン系繊維1のキシレン処理し
た縦断面の一部を示す電子顕微鏡写真を図6として示し
た。
【0025】図1において、2はキシレン処理でプロピ
レン−α−オレフィンランダムコポリマー成分(II)が
溶出してできた島状の空洞部であり、実質的にプロピレ
ン−α−オレフィンランダムコポリマー成分(II)の所
在と分散状態を示している。図1より、プロピレン−α
−オレフィンランダムコポリマー成分(II)は、プロピ
レン成分Pをマトリックス(海成分)として島状に多数
分散しているものの、繊維表面には露出していない。ま
た、本発明のポリオレフィン系繊維1の断面観察時に、
繊維の切断時に引きずり出され、キシレン処理で完全に
溶出されなかったプロピレン−α−オレフィンランダム
コポリマー成分(II)が、フィブリルFとしてその形態
を残したものが観察される場合がある。
【0026】図2において、2は図1と同様にプロピレ
ン−α−オレフィンランダムコポリマー成分(II)が溶
出してできた島状の空洞部であり、3はプロピレン−α
−オレフィンランダムコポリマー成分(II)が溶出して
できた層状の空洞部である。これら空洞部は、実質的に
プロピレン−α−オレフィンランダムコポリマー成分
(II)の所在と分散状態を示している。図2より、プロ
ピレン−α−オレフィンランダムコポリマー成分(II)
は、プロピレン成分Pをマトリックスとして、一部が島
状2に、ほとんどが層状3に分散しており、かつ繊維表
面に露出していない。また、図1と同様に、キシレン処
理で完全に溶出されなかったプロピレン−α−オレフィ
ンランダムコポリマー成分(II)が、フィブリルFとし
てその形態を残したものが観察される場合がある。
【0027】図3及び図4は、それぞれ図1及び図2の
横断面に対応した繊維の縦断面を示したもので、4はキ
シレン処理でプロピレン−α−オレフィンランダムコポ
リマー成分(II)が溶出してできた空洞部であり、実質
的にプロピレン−α−オレフィンランダムコポリマー成
分(II)の所在と分散状態を示している。図4の走行分
散しているプロピレン−α−オレフィンランダムコポリ
マー成分(II)は図3のそれよりも厚く観察されてい
る。図3及び図4に示すように、プロピレン−α−オレ
フィンランダムコポリマー成分(II)は、プロピレン成
分Pをマトリックスとして、繊維軸方向に走行分散して
おり、図1や図2と同様にプロピレン−α−オレフィン
ランダムコポリマー成分(II)による、フィブリルFが
観察される場合がある。
【0028】次に、プロピレン−α−オレフィンランダ
ムコポリマー成分(II)としてエチレン−プロピレンラ
ンダムコポリマー(以下、PERCと略す場合あり)成
分を用いて得た本発明の繊維の断面写真について説明す
る。図5は図1と類似した本発明のポリオレフィン系繊
維1の横断面を撮影した電子顕微鏡写真であり、島状に
分散したエチレン−プロピレンランダムコポリマー成分
は、プロピレン成分Pをマトリックスとして無数に存在
しており、フィブリルFが多く観察されている。
【0029】また、図6は、本発明のポリオレフィン系
繊維1の略縦断面を撮影した電子顕微鏡写真であり、エ
チレン−プロピレンランダムコポリマー成分は、その分
散状態を示す空洞部4により、プロピレン成分Pをマト
リックスに繊維軸方向に沿って走行分散している状態が
確認でき、フィブリルFも観察される。
【0030】上記繊維横断面の島状に分散しているプロ
ピレン−α−オレフィンランダムコポリマー成分(II)
の径または層状に分散しているプロピレン−α−オレフ
ィンランダムコポリマー成分(II)の最大径または最大
厚みを1.5μm以下にする理由は、分散の最大径ある
いは最大厚みが1.5μmよりも大きいと、紡糸時に異
物として働き、糸切れの原因になり操業性を低下させ好
ましくないためである。
【0031】また、本発明に用いられるプロピレン系ブ
ロック共重合体は、プロピレン−α−オレフィンランダ
ムコポリマー成分(II)の極限粘度を[η]RCとし、プ
ロピレンホモポリマー成分(I)の極限粘度を[η]PP
としたとき、該極限粘度の比([η]RC)/
([η]PP)が0.5〜1.4のブロック共重合体が好
ましい。さらに、プロピレンホモポリマー成分(I)と
プロピレン−α−オレフィンランダムコポリマー成分
(II)の重量比(WPP/WRC)と前記極限粘度比
([η]RC)/[η]PP)の積、すなわち(WPP
RC)×([η]RC)/[η]PP)が、0.2〜3.0
のブロック共重合体が好ましい。この様な範囲にプロピ
レン系ブロック共重合体を設計すると、プロピレン−α
−オレフィンランダムコポリマー成分(II)の分散状態
が改善される。
【0032】本発明のプロピレン系ブロック共重合体
は、上記のような設計となっていることが好ましく、係
る設計になっていれば、その製法は限定されない。例え
ば、チタン含有固体触媒成分、有機アルミニウム化合物
及び必要に応じて電子供与体の存在下で、少量のオレフ
ィンで処理された予備活性化触媒のオレフィン重合物の
生成量が、チタン含有固体触媒成分1グラム当たり0.
1〜100グラムとなるように予備重合を行い、次いで
該予備活性化触媒の存在下に有機アルミニウム及び必要
に応じて電子供与体の存在下で、プロピレンの重合を行
い、その後にプロピレンと、エチレン等のα−オレフィ
ンとのランダム重合を行い、プロピレン系ブロック重合
体のパウダーを得ることが好ましい。また、プロピレン
系ブロック共重合体のプロピレンホモポリマー成分
(I)を製造するためのプロピレンの重合は、チタン含
有固体触媒等を用いてスラリー重合法、塊状重合法、気
相重合法等のいずれの重合方法を用いても良いが、後段
のプロピレン−α−オレフィンランダムコポリマー成分
(II)の重合法は気相重合法を用いることが好ましい。
また、プロピレン系ブロック共重合体は、例えばプロピ
レンホモポリマーにプロピレン−α−オレフィンランダ
ムコポリマーを混合したものでも良い。しかし、上記重
合法により得られたものがプロピレン−α−オレフィン
ランダムコポリマー成分(II)の分散性が良いので好ま
しく用いられる。
【0033】上記ホモポリマー成分の極限粘度[η]PP
は、熱キシレンでのプロピレン−α−オレフィンランダ
ムコポリマー成分(II)を溶解除去することや、クロマ
トグラフ処理でプロピレンホモポリマーを分取すること
で測定できる。プロピレン−α−オレフィンランダムコ
ポリマー成分(II)の極限粘度[η]RCは、全組成物す
なわちプロピレン系ブロック共重合体の極限粘度を
[η]WHOLEとしたとき、下式1によって求めることが
できる。
【0034】
【式1】[η]RC={[η]WHOLE−(1−WRC/10
0)・[η]PP}/{WRC/100} さらに、[プロピレン−α−オレフィンランダムコポリ
マー成分(II)の重量(WRC)]/[プロピレン系ブロ
ック共重合体の重量(WWHOLE)]×100は、10〜
80重量%の範囲が好適に使用でき、好ましくは20〜
75重量%、より好ましくは25〜75重量%である。
前記プロピレン−α−オレフィンランダムコポリマー成
分(II)の重量比率が10重量%に満たないプロピレン
系ブロック共重合体を用いて繊維化した場合、プロピレ
ン−α−オレフィンランダムコポリマー成分(II)の島
状化及び/または層状化に分散する量が不足し本発明の
効果が得られにくい。また、前記プロピレン−α−オレ
フィンランダムコポリマー成分(II)の重量比率が80
重量%を越えると紡糸時の流動性や溶融時の張力が低下
して紡糸性が悪化したり、プロピレン−α−オレフィン
ランダムコポリマー成分(II)が繊維表面に露出して繊
維の表面平滑性が低下するので好ましくない。
【0035】本発明のポリオレフィン系繊維の繊維断面
は、特に制限するものではなく、扁平断面、U字断面、
三角断面、トリローバル断面、楕円断面などの異形断
面、及び円形断面の中実または中空構造体やこれら断面
形状を組み合わせた繊維断面であっても構わない。さら
に、本発明のポリオレフィン系繊維には、耐侯剤、着色
剤、親水剤、撥水剤、難燃剤、香料、抗菌剤、消臭剤、
植物エキス、結晶造核剤などの各種機能付与剤を予め製
造時に添加しておいてもよく、或いは可能であれば、繊
維製造後に付着させてもよい。
【0036】本発明のポリオレフィン系繊維の繊度は、
特に制限するものではないが、通常0.05〜500デ
シテックス/f(dtex/f)の繊度範囲が使用でき
る。また、繊維化の手法は特定するものではなく、メル
トブロー法やスパンボンド法などの直接不織布化法、溶
融紡糸法、ゲル紡糸法、割繊法など従来公知の様々な方
法を用いることができる。
【0037】本発明で用いるプロピレン系ブロック共重
合体は、前述したようにプロピレンホモポリマー成分
(I)とプロピレン−α−オレフィンランダムコポリマ
ー成分(II)とがブレンドあるいは結合された樹脂であ
る。このうちプロピレン−α−オレフィンランダムコポ
リマー成分(II)のα−オレフィンには、エチレン、1
−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン
が好適に用いられ、このうち2種以上を用いることもで
きる。また、プロピレン−α−オレフィンランダムコポ
リマー成分(II)の曲げ弾性の低さが、ひいてはプロピ
レン系ブロック共重合体全体の曲げ弾性を低下させる効
果につながる。なお、繊維を柔軟にする効果に優れてい
る点で、プロピレン−α−オレフィンランダムコポリマ
ー成分(II)のα−オレフィンとしてエチレンを用いる
ことが好ましい。
【0038】本発明のポリオレフィン系繊維は、プロピ
レン系ブロック共重合体を少なくとも一部に用い、該ブ
ロック共重合体以外の熱可塑性樹脂との2成分以上から
なる複合繊維であっても良い。複合繊維の断面は、扁平
断面、U字断面、三角断面、トリローバル断面、楕円断
面などの異形断面、及び円形断面の中実または中空構造
体やこれら断面形状を組み合わせた繊維断面であっても
よく、さらにこれらの繊維断面を有する、同心鞘芯型、
偏心鞘芯型、並列型、多層型、放射型、ブタバナ状、及
び海島状の複合繊維であってもよい。このように本発明
では、さまざまな形態の繊維断面形状を用いることがで
きる。また、複合繊維としては、3成分以上の複合繊維
の利用も可能であるが、紡糸設備や紡糸口金が複雑とな
り、さらに製造コストもアップする傾向にあり、通常の
場合は2成分で充分である。2成分の複合繊維の容積比
は、2成分をそれぞれ第1成分と第2成分とすると、そ
の容積比は、通常、第1成分:第2成分=10:90〜
90:10の範囲が適用される。生産性を考慮した場合
には、第1成分と第2成分の容積比は、30:70〜7
0:30の範囲が好ましい。本発明の複合繊維に用いる
場合には、プロピレン系ブロック共重合体を、第1成分
と第2成分のどちらに用いても構わない。例えば、鞘芯
型複合繊維或いは偏心鞘芯型複合繊維の第1成分を鞘成
分、第2成分を芯成分とし、第1成分をプロピレン系ブ
ロック共重合体とした場合、第2成分には第1成分と組
成の異なるプロピレン系ブロック共重合体やその他従来
公知の各種熱可塑性樹脂を用いることもできる。また、
鞘芯型複合繊維の第1成分を鞘成分、第2成分を芯成分
とし、第2成分をプロピレン系ブロック共重合体とした
場合も同様である。従来公知の各種熱可塑性樹脂として
は、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリブチ
レンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ナイ
ロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリブチレン、
各種ポリエチレン(高密度、直鎖状低密度、低密度)、
各種ポリスチレン(アイソタクチック、アタクチック、
シンジオタクチック)、ポリフェニレンサルファイド、
各種ポリプロピレン(アイソタクチック、アタクチッ
ク、シンジオタクチック)、ポリ酢酸ビニル、ポリエチ
レンビニルアルコール、各種プロピレン−α−オレフィ
ン共重合体、ポリ−3−メチル−1−ブテン、ポリ−4
−メチル−1−ペンテン、熱可塑性ウレタン、ポリノル
ボルネンなどが挙げられる。本発明で言うポリオレフィ
ン系繊維は、少なくとも一部にオレフィンの重合体が用
いられた繊維のことであり、例えば上記複合繊維で使用
するプロピレン系ブロック共重合体以外の他成分がポリ
エステルやナイロンであり、これら他成分の比率がプロ
ピレン系ブロック共重合体より多い場合であっても、本
発明においては、ポリオレフィン系繊維と定義する。
【0039】本発明の不織布は、本発明のポリオレフィ
ン系繊維を少なくとも一部に用いた不織布であり、該繊
維を100%用いるだけでなく、該繊維と積層や混綿、
混紡などの手法により本発明以外の他の繊維と共に用い
て不織布とすることもできる。不織布化の手法として
は、ポイントボンド法,熱風加熱法,高圧水柱流絡合
法,及びニードルパンチ法等の加工方法や、前記した直
接不織布化法と呼ばれるメルトブロー法,スパンボンド
法,及びフラッシュスパン法等のあらゆる不織布加工法
が例示できる。なお、不織布化の手法は、これらに制限
されるものではないが、スパンボンド法は、不織布の生
産性がよく、安価に製造できることから、特に好まし
い。
【0040】本発明の吸収性物品は、本発明の不織布を
少なくとも一部に用いた使い捨ておむつや生理用ナプキ
ン等の吸収性物品である。この吸収性物品は、その態様
によっても異なるが、尿や血液などの体液を吸収し保持
する吸収コア層と、吸収コア層を包むための体液透過性
のカバーと、肌に接する側に配置される体液透過性のト
ップシートとトップシートが位置する側と反対に配置さ
れ、吸収した体液が外部に漏れる事を防止する体液非透
過性バックシートとを基本構造として構成されている。
この様な基本構造を持つ吸収性物品は、ほとんどの場
合、トップシートから体液を吸収する際に横から漏れる
のを防止するためのサイドギャザを具備している。これ
らトップシートやサイドギャザには、不織布が用いられ
ている。また、通常バックシートには体液不透過性でか
つ通気性のあるフィルムが用いられているが、風合いを
良くするために不織布が張り合わされている場合もあ
る。この様に、使い捨ておむつや生理用ナプキンなどの
吸収性物品は、トップシートやサイドギャザ、バックシ
ートなど多数の部材により構成されいる。本発明の不織
布は、均一性や風合いに優れるという特性から、これら
部材に好適に用いることができるのである。
【0041】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて具体的に
本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に挙げられ
たもののみに限定されるものではない。
【0042】実施例、比較例において用いた各種物性な
どの測定方法について以下に説明する。 (1)極限粘度[η]:自動粘度測定装置を使用し、1
35℃の温度条件下で、溶媒としてテトラクロロナフタ
レンを用いて、極限粘度[η]を測定した。単位は、d
l/gである。 (2)メルトフローレート:JIS K 7210に準
拠し、230℃、荷重21.18Nで、メルトフローレ
ート(以下、MFRという)を測定した。単位は、g/
10分である。 (3)不織布強度:横方向(CD)の不織布強度測定用
試験片として、不織布から、機械方向(MD)50mm
×横方向(CD)150mmの試験片を5点採取し、さ
らに機械方向(MD)の不織布強度測定用試験片とし
て、機械方向(MD)150mm×横方向(CD)50
mmの試験片を5点採取する。得られたそれぞれの方向
の試験片を引張試験機により、つかみ幅100mm、引
張速度100mm/分の条件で、最大荷重(cN/50
mm)を測定し、これら5点をそれぞれ平均して求め
た。 (4)風合:不織布、ネットから、250mm角程度の
大きさに統一した試験片を3枚づつ採取し、この試験片
を5人のパネラーが手で直に触り、触感により、ソフト
性、べとつき感などの観点で風合を評価した。5人のう
ち3人以上がソフトであり、べとつき感がないと判断し
た場合、風合が良好と判定し、それ以外の場合を風合不
良と判定した。 (5)繊維中におけるプロピレン−α−オレフィンラン
ダムコポリマー成分(II)の分散状態の判定、及び島状
に分散しているプロピレン−α−オレフィンランダムコ
ポリマー成分(II)の最大径または層状に分散している
プロピレン−α−オレフィンランダムコポリマー成分
(II)の最大厚み:繊維軸方向(切断面は縦断面)また
は繊維軸と垂直な方向(切断面は横断面)に鋭利な刃物
で切断した繊維を試料として用い、これを室温〜50℃
のキシレンに10〜60分浸漬させた後、n−ヘキサン
(適切な揮発性溶媒で代替可)で洗浄し、自然乾燥さ
せ、電子顕微鏡で観察した(最適な溶解条件はプロピレ
ン−α−オレフィンランダムコポリマー成分(II)のα
−オレフィン含有量によって異なる)。なお、プロピレ
ン−α−オレフィンランダムコポリマー成分(II)はキ
シレンで溶解されるため、繊維の切断面には空洞部が観
察できる。この空洞部から島状に分散しているプロピレ
ン−α−オレフィンランダムコポリマー成分(II)の
径、または層状に分散しているプロピレン−α−オレフ
ィンランダムコポリマー成分(II)の厚みを測定した。
繊維軸方向(切断面は縦断面)または繊維軸と垂直な方
向(切断面は横断面)に切断した繊維を試料として用
い、それぞれ5箇所の断面を観察し、島状に分散してい
るプロピレン−α−オレフィンランダムコポリマー成分
(II)の最大径(以下、単に島の最大径という場合あ
り)、または層状に分散しているプロピレン−α−オレ
フィンランダムコポリマー成分(II)の最大厚み(以
下、単に層の最大厚みという場合あり)をそれぞれ5箇
所の断面について測定し、これらの平均値を求めた。ま
た、これら縦横断面写真からプロピレン−α−オレフィ
ンランダムコポリマー成分(II)が、針状及び/または
板状で繊維軸方向に走行分散しているかどうかを判断し
た。さらに、プロピレン−α−オレフィンランダムコポ
リマー成分(II)の繊維中での分散状態について、最終
判断として、繊維1本あたりに分散しているプロピレン
−α−オレフィンランダムコポリマー成分(II)の最大
径及び/または層の最大厚みが1.5μmを大きく上回
った場合には、針状及び/または板状の分散状態が悪い
と判断し、それ以外の場合には良好と判断した。観察す
る試料がスパンボンド不織布やメルトブロー不織布など
の不織布の場合は、これら不織布を機械方向(MD)ま
たはMDと垂直な横方向(CD)に鋭利な刃物で切断
し、MD切断面から縦断面に相当する繊維断面を、CD
切断面から横断面に相当する繊維断面を選択して上記と
同様の測定を行った。
【0043】実施例1〜2、比較例1〜2 レギュラー繊維を紡糸し、得られたポリオレフィン系繊
維を用いカードウェブとし、さらにこれを点熱圧着して
不織布とした。具体的には、プロピレン系ブロック共重
合体として、実施例1では表1に示したAを使用し、実
施例2では表1に示したBを使用した。また、樹脂とし
て、比較例1では表1に示したE(プロピレンホモポリ
マー)を使用し、比較例2では表1に示したF(エチレ
ン−プロピレンランダムコポリマー)を使用した。表1
に示すプロピレン系ブロック共重合体のうち、A、Bは
エチレン−プロピレンランダムコポリマー成分の含有率
が比較的少ないプロピレン系ブロック共重合体である。
該プロピレン系ブロック共重合体の物性値を表1に示
す。なお、使用した樹脂は何れも熱安定剤や滑剤などが
適宜添加され造粒されたものを用いた。孔径0.4mm
のレギュラー繊維用紡糸口金から表1に示す各々の樹脂
を紡糸した。紡糸で得られた未延伸トウをロール延伸法
により、ロール温度90℃で3.1倍に延伸し、スタッ
ファーボックス型クリンパーで12山/25mmの機械
捲縮を付与し、単糸繊度2.4dtex/fの延伸トウ
とし、これをカッターで51mmに切断し短繊維とし
た。
【0044】上記短繊維をカード機によって加工し、目
付22g/m2のカードウェブとした。このウェブを凹
凸ロールと平滑ロールを具備したエンボス加工機に、表
2に示すロール温度で通過させ点熱圧着処理して不織布
を得た。なお、カード通過性は、実施例1及び実施例
2、比較例1が非常に良好であり、均一かつ均質なウェ
ブが得られた。しかし、比較例2はカード通過性が悪く
斑の多いウェブであった。
【0045】得られた上記短繊維の電子顕微鏡観察によ
るエチレン−プロピレンランダムコポリマー成分の分散
状態や、点熱圧着不織布の物性や風合いなどの評価結果
は、表2に示した。表2の通り、実施例1及び実施例2
のプロピレン系ブロック共重合体の繊維は、エチレン−
プロピレンランダムコポリマー成分が繊維表面に露出し
ておらず、この繊維から得られた点熱圧着不織布は、ソ
フト性や平滑性に優れ、粘着性がなく、風合いの総合判
定は良であった。また、不織布強度も高いものであっ
た。
【0046】一方、E(プロピレンホモポリマー)を用
いた比較例1の繊維は、エチレン−プロピレンランダム
コポリマー成分が存在せず、またF(エチレン−プロピ
レンランダムコポリマー)を用いた比較例2の繊維は、
繊維全体がエチレン−プロピレンランダムコポリマーで
構成されており、島状かつ針状の分散や層状かつ板状の
分散状態は観察されなかった。また、これらの繊維から
得られた点熱圧着不織布は風合いが硬い(比較例1)
か、或いは均一性、平滑性に劣り、粘着性がある(比較
例2)など、何れかに欠陥のある悪いものであった。
【0047】実施例3〜4 鞘芯型複合繊維を紡糸し、得られた繊維を用いてカード
ウェブとし、さらに点熱圧着して不織布とした。具体的
には、複合紡糸機で、孔径0.4mmの鞘芯型紡糸口金
から表1に示すA(プロピレン系ブロック共重合体)を
鞘成分に、E(プロピレンホモポリマー)を芯成分に用
いて、表2に示した樹脂の組み合わせ、及び複合比で鞘
芯型複合繊維を紡糸した(実施例3)。また、B(プロ
ピレン系ブロック共重合体)を鞘成分に、PET(ポリ
エチレンテレフタレート)を芯成分に用いて、同様に鞘
芯型複合繊維を紡糸した(実施例4)。得られた未延伸
トウをロール延伸法により、ロール温度90℃で3.5
倍に延伸しスタッファーボックス型クリンパーで13山
/25mmの機械捲縮を付与し単糸繊度2.2dtex
/fの延伸トウとし、これをカッターで36mmに切断
し短繊維とした。さらに前記実施例1に準拠した不織布
の製法を用いて、目付20g/m2(実施例3)、及び
目付22g/m2(実施例4)の点熱圧着不織布を得
た。なお、点熱圧着条件等は、表2に示した。
【0048】表2の通り、本発明によるプロピレン系ブ
ロック共重合体を鞘成分に用いた実施例3、及び実施例
4の複合繊維は、エチレン−プロピレンランダムコポリ
マー成分が繊維の表面に露出しておらず、さらに、この
繊維から得られた点熱圧着不織布は、ソフト性や平滑性
に優れ、粘着性がなく、風合いの総合判定は良であっ
た。また、不織布強度も高く、繊維同士の膠着塊状物の
ない均一性に優れた不織布であった。
【0049】実施例5 長繊維をスパンボンド法で紡糸し、得られた長繊維ウェ
ブを点熱圧着して不織布とした。具体的には、繊維の製
造には、押出機、紡糸口金、高速気流牽引装置、ネット
コンベア型捕集装置、凹凸ロールと平滑ロールからなる
点熱圧着装置等を備えたレギュラー長繊維と複合長繊維
両方が紡糸可能なスパンボンド不織布製造装置を用い
た。表1に示したB(プロピレン系ブロック共重合体)
を孔径0.4mmのレギュラー繊維用紡糸口金からスパ
ンボンド法で紡糸し長繊維とした。単糸繊度は2.6d
tex/fであった。得られた長繊維ウェブを表3に示
したロール温度で点熱圧着処理し、目付26g/m2
長繊維不織布を得た。得られた繊維の電子顕微鏡観察に
よるエチレン−プロピレンランダムコポリマー成分の分
散状態や点熱圧着不織布、風合い等の評価結果を表3に
示す。表3に示した通り、本発明のプロピレン系(長)
繊維は、エチレン−プロピレンランダムコポリマー成分
が繊維表面に露出しておらず、この繊維から得られた点
熱圧着不織布は、ソフト性や平滑性に優れ、粘着性がな
く、風合いの総合判定は良であった。また、不織布強度
も高いものであった。
【0050】比較例3 前記実施例5と同様の、レギュラー繊維用スパンボンド
不織布製造装置を用い、同様の方法で単糸繊度2.7d
texの長繊維を紡糸した。但し、樹脂は、表1に示す
F(エチレン−プロピレンランダムコポリマー)を用い
た。得られた長繊維ウェブを表3に示したロール温度で
点熱圧着処理し目付26g/m2の長繊維不織布を得
た。得られた繊維の電子顕微鏡観察によるエチレン−プ
ロピレンランダムコポリマー成分の分散状態や点熱圧着
不織布の物性、風合いの評価結果を表2に示す。得られ
た長繊維は、エチレン−プロピレンランダムコポリマー
のみからなり、エチレン含量が少ないのでEPR成分が
さらに微細かつ少量であり、キシレン処理による溶解は
確認できなかった。また、この長繊維の点熱圧着不織布
は、紡糸時の糸切れや繊維同士の融着塊が随所に発生し
ており、ソフト性が不良で、さらに粘着性があり平滑性
に劣り、風合いの総合判定が不良であった。
【0051】実施例6 前記実施例5と同様のスパンボンド不織布製造装置を用
い同様の方法で単糸繊度2.6dtex/fの鞘芯型複
合長繊維を紡糸した。但し、紡糸口金は孔径0.4mm
の鞘芯型口金を用い、表1に示すAを鞘成分として、E
を芯成分として用い複合比を50/50として紡糸し
た。得られた長繊維ウェブを表3に示したロール温度で
点熱圧着処理し、目付26g/m2の長繊維不織布を得
た。得られた繊維の電子顕微鏡観察によるエチレン−プ
ロピレンランダムコポリマー成分の分散状態や点熱圧着
不織布の物性や風合いなどの評価結果を表3に示す。表
3の通り得られた鞘芯型複合長繊維は、エチレン−プロ
ピレンランダムコポリマー成分が繊維表面に露出してお
らず、この繊維から得られた点熱圧着不織布は、ソフト
性に優れ、粘着性がないことから、平滑性に優れ、風合
いの総合判定は良であった。また、不織布強力が高く、
紡糸時に発生する繊維同士の融着塊状物の無い均一性に
優れた不織布であった。
【0052】実施例7〜8、比較例4 モノフィラメント製造装置を用い、モノフィラメントを
製造した。さらに得られたモノフィラメントを用いネッ
トに織製した後に熱処理し、繊維の交点が融着したネッ
トを製造した。具体的には、レギュラーモノフィラメン
ト(実施例7、比較例4)、及び鞘芯型複合モノフィラ
メント(実施例8)を紡糸した。なお、このモノフィラ
メント製造装置は紡糸後の溶融糸条を水で冷却する方式
の装置である。実施例7では表1に示すC(プロピレン
系ブロック共重合体)を使用し、比較例4では表1に示
すE(プロピレン系ブロック共重合体)を使用し、孔径
1.0mmのレギュラーモノフィラメント用紡糸口金か
ら間隙を設けて設置された水槽中に糸条を紡糸し、この
水槽中を通過させ、さらに温度85℃の温水浴中を通
し、この中で5.8倍に延伸し、ワインダーで巻き取
り、単糸繊度250dtex/fのモノフィラメントを
得た。さらに、このモノフィラメントを織機で織製し、
経糸及び緯糸が共に3mm間隔となる平織りネットを
得、このネットを熱処理機により温度150℃(実施例
7)及び155℃(比較例4)で各々加熱し繊維交点が
融着したネットを得た。
【0053】実施例8では、孔径1.0mmの鞘芯型紡
糸口金を用い、表1に示すD(プロピレン系ブロック共
重合体)を鞘成分に、E(プロピレンホモポリマー)を
芯成分に用いた以外は、前記と同様の製法で、鞘芯型複
合モノフィラメントを製造し、鞘芯の複合比(成分容積
の比)が60/40、単糸繊度が250dtex/fの
鞘芯型複合モノフィラメントを得た。同様の方法で、こ
のモノフィラメントを経糸及び緯糸として用い、3mm
間隔で織製後、150℃で熱処理して、繊維交点が融着
した平織りネットを得た。得られたモノフィラメントに
よるエチレン−プロピレンランダムコポリマーの分散の
電子顕微鏡観察状態やネット物性、風合い等の評価結果
を表4に示した。表4に示す通り、実施例7のプロピレ
ン系ブロック共重合体を用いたレギュラーモノフィラメ
ント、及び実施例8の鞘芯型複合モノフィラメントは、
エチレン−プロピレンランダムコポリマー成分が繊維表
面に露出しておらず、さらにこのモノフィラメントから
得られた熱融着したネットは、粘着性が低く、ソフト性
に優れていることから、風合いの判定が良であった。一
方、比較例4のプロピレンホモポリマーを用いたモノフ
ィラメントのネットは、粘着性は低いもののソフト性に
乏しく、風合いの判定が不良であった。
【0054】実施例9 メルトブロー法で極細繊維を紡糸し、極細繊維ウェブか
らなる点熱圧着不織布を製造した。具体的には、メルト
ブロー紡糸法で、孔径0.3mmのメルトブロー紡糸口
金から表1に示したB(プロピレン系ブロック共重合
体)を紡糸し、繊維径5μmの極細繊維ウェブをネット
コンベア上に捕集した。この極細繊維ウェブを凹凸ロー
ル温度が137℃、平滑ロール温度が135℃の条件で
点熱圧着処理し、目付32g/m2の長繊維不織布を得
た。この極細繊維を前記同様、キシレン処理後の縦横断
面をそれぞれ電子顕微鏡観察した。この極細繊維は、横
断面にエチレン−プロピレンランダムコポリマー成分が
島状に分散し、縦断面に該プロプレン−エチレンランダ
ムコポリマー成分が針状に走行分散していた。また、こ
の極細繊維は該エチレン−プロピレンランダムコポリマ
ー成分の最大径が0.6μmであった。このエチレン−
プロピレンランダムコポリマー成分の分散状態の判定は
良であった。この極細繊維は、エチレン−プロピレンラ
ンダムコポリマー成分が繊維表面に露出しておらず、こ
の繊維から得られた点熱圧着不織布は、粘着性がなく、
ソフト性や平滑性に優れていることから、風合いの総合
判定は良であった。また、不織布強力は縦方向(MD)
が2280cN/5cm、横方向(CD)が2070c
N/5cmと高強度であった。
【0055】実施例10 市販の紙おむつに最初から装備されているサイドギャザ
を取外し、実施例5で得られた不織布をサイドギャザに
加工し、取り外したサイドギャザの代わりにこれをホッ
トメルトで貼り付けた。モニターに触感テストを依頼
し、評価を受けたところ風合いの判定は良であった。ま
た、実際に乳幼児に装着し、観察したところ尿の横漏れ
もなく良好な使用結果となった。
【0056】比較例5 市販の紙おむつに最初から装備されているサイドギャザ
を取外し、比較例3で得られた不織布をサイドギャザに
加工し、取り外したサイドギャザの代わりにこれをホッ
トメルトで貼り付けた。モニターに触感テストを依頼
し、評価を受けたところ風合いの判定は不良であった。
また、実際に乳幼児に装着し、観察したところ不織布の
均一性が悪いために、尿の横漏れが発生し不良な使用結
果となった。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン系繊維は、プロ
ピレン−α−オレフィンランダムコポリマー成分(II)
がプロピレンホモポリマー成分(I)中に島状または層
状に分散して繊維表面に露出しておらず、繊維表面は従
来のプロピレンホモポリマー(ポリプロピレン)と同様
の平滑性と、従来のプロピレン系ランダム共重合体より
も低い粘着性を示す(粘着性の低い平滑性に優れた繊
維)。さらに結晶化温度が従来のポリプロピレンと同程
度に高いので、糸切れが極めて少なく、紡糸時の操業性
や繊維の不織布加工性などが良好であり、柔軟性や肌触
りなどの風合いに優れた繊維や不織布が得られる。ま
た、本発明のポリオレフィン系繊維は、カード機などで
ウェブを製造する際、カード通過性が良く、均一なウェ
ブを得ることができ、引いては均一な点熱圧着不織布な
どを生産性良く得ることができる。また、この繊維は熱
融着性に優れるので、この繊維単独で又はこの繊維と他
の繊維を併用などして不織布や成形体ほか各種用途に使
用可能である。また、本発明の不織布は非常にソフトで
あり、平滑性に優れ粘着性のない優れた風合いの不織布
である。また、本発明の不織布を用いた紙おむつなどの
吸収性物品は、非常にソフトであり、平滑性に優れ粘着
性のない優れた風合いを有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリオレフィン系繊維の横断面模式図
【図2】本発明のポリオレフィン系繊維の横断面模式図
【図3】図1で用いた本発明のポリオレフィン系繊維の
縦断面模式図
【図4】図2で用いた本発明のポリオレフィン系繊維の
縦断面模式図
【図5】本発明のポリオレフィン系繊維の横断面写真
【図6】本発明のポリオレフィン系繊維の縦断面写真
【符号の説明】
1:ポリオレフィン系繊維 2:島状分散していたプロピレン−α−オレフィンラン
ダムコポリマー成分(II)をキシレン溶解した後の空洞
部 3:層状分散しているプロピレン−α−オレフィンラン
ダムコポリマー成分(II)をキシレン溶解した後の空洞
部 4:走行分散しているプロピレン−α−オレフィンラン
ダムコポリマー成分(II)をキシレン溶解した後の空洞
部 F:溶出不完全なプロピレン−α−オレフィンランダム
コポリマー成分(II)のフィブリル P:プロピレンホモポリマー成分(I)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D04H 1/44 Fターム(参考) 4C003 BA08 CA06 4L041 AA07 BA04 BA05 BA16 BA18 BA21 BA49 BA59 BD11 CA38 CA40 DD01 4L047 AA14 AA27 AB02 BA08 CB07 CC04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレンホモポリマー成分(I)と、
    プロピレン−α−オレフィンランダムコポリマー成分
    (II)とのブロック共重合体であるプロピレン系ブロッ
    ク共重合体からなるポリオレフィン系繊維であって、繊
    維横断面において該プロピレン−α−オレフィンランダ
    ムコポリマー成分(II)が島状または層状に分散し、か
    つ繊維縦断面において該プロピレン−α−オレフィンラ
    ンダムコポリマー成分(II)が繊維軸方向に沿って走行
    分散しており、前記繊維横断面の島状に分散しているプ
    ロピレン−α−オレフィンランダムコポリマー成分(I
    I)の最大径または層状に分散しているプロピレン−α
    −オレフィンランダムコポリマー成分(II)の最大厚み
    が1.5μm以下であることを特徴とするポリオレフィ
    ン系繊維。
  2. 【請求項2】 プロピレン系ブロック共重合体のα−オ
    レフィンが、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1
    −ヘキセン及び1−オクテンから選ばれた少なくとも1
    種である請求項1記載のポリオレフィン系繊維。
  3. 【請求項3】 α−オレフィンが、エチレンであり、か
    つエチレン−プロピレンランダムコポリマーがエチレン
    重合単位をエチレン−プロピレンランダムコポリマー成
    分の重量基準で25〜65%含有し、さらにエチレン−
    プロピレンランダムコポリマー成分をプロピレン系ブロ
    ック共重合体の重量基準で10〜80%含有するプロピ
    レン系ブロック共重合体である請求項1記載のポリオレ
    フィン系繊維。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項記載のポリオ
    レフィン系繊維が、プロピレン系ブロック共重合体を少
    なくとも一部に用いた、該ブロック共重合体以外の熱可
    塑性樹脂との2成分以上からなるポリオレフィン系複合
    繊維であることを特徴とするポリオレフィン系繊維。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項記載のポリオ
    レフィン系繊維を少なくとも一部に用いた不織布。
  6. 【請求項6】 スパンボンド法を用いて得られた請求項
    5記載の不織布。
  7. 【請求項7】 メルトブロー法を用いて得られた請求項
    5記載の不織布。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7の何れか1項記載の不織布
    を少なくとも一部に用いた吸収性物品。
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